[go: up one dir, main page]

JP4715778B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4715778B2
JP4715778B2 JP2007058003A JP2007058003A JP4715778B2 JP 4715778 B2 JP4715778 B2 JP 4715778B2 JP 2007058003 A JP2007058003 A JP 2007058003A JP 2007058003 A JP2007058003 A JP 2007058003A JP 4715778 B2 JP4715778 B2 JP 4715778B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
actuator
individual
temperature
heating temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007058003A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008213431A (ja
Inventor
守正 梶浦
心 津村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2007058003A priority Critical patent/JP4715778B2/ja
Publication of JP2008213431A publication Critical patent/JP2008213431A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4715778B2 publication Critical patent/JP4715778B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、インク滴を吐出して印刷を行うインクジェットヘッドの製造方法に関する。
印刷用紙等の被記録媒体にインク滴を吐出するインクジェットヘッドとしては、インク滴を吐出するノズル及びノズルに連通した圧力室を含む多数の個別インク流路を備えた流路ユニットと、各圧力室内のインクに吐出エネルギーを付与するアクチュエータとを有するものがある。このアクチュエータは、圧力室の容積を変化させることにより圧力室に圧力を付加するものであり、多数の圧力室に跨る圧電シートと、圧電シートの表面において各圧力室と対向するように配置された多数の個別電極と、圧電シートを介して多数の個別電極と対向するように配置された共通電極とを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このアクチュエータの表面には、個別電極や共通電極の接続ランドが配置されており、これら接続ランドがフラットケーブルの一方端部近傍に配置された多数の端子に接合されている。フラットケーブルは内部配線に接続された端子を介してアクチュエータに駆動信号を供給するものである。アクチュエータは、フラットケーブルを介して各個別電極にパルス状の駆動信号が供給されることによって、当該個別電極と共通電極との間に挟まれた圧電シートの部分に対してその厚み方向に電界が作用し、この部分の圧電シートを厚み方向に伸長させる。このとき、圧力室の容積が変化して圧力室内のインクに圧力が付与される。
特開2002−36568号公報(図1)
このようなインクジェットヘッドの製造工程においては、流路ユニットに接着されたアクチュエータにフラットケーブルを接合する。このとき、流路ユニットに接着されたアクチュエータ上にフラットケーブルを配置した状態で、これらを2つのヒータで挟持し、各ヒータから同じ加熱温度で加熱することにより、フラットケーブルの端子とアクチュエータの接続ランドとが接合される。このとき、加熱時間を短くするため、各ヒータの加熱温度を高くすると、時間の経過とともにアクチュエータの温度が急激に上昇し、アクチュエータが熱破壊されることがある。
そこで、本発明の目的は、アクチュエータと平型柔軟基板とを接合するための加熱時間を短くしつつアクチュエータが熱破壊されるのを防止するインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、圧力室を介してノズルに至る複数の個別インク流路が形成された金属部材からなる流路ユニットの一方の面に固定されているとともに、前記複数の圧力室と対向する複数の個別電極、共通電極、前記複数の個別電極と前記共通電極との間に配置された圧電層、及び、前記複数の個別電極と電気的に接続された複数の個別ランドを有する前記金属部材よりも線膨張係数の小さいアクチュエータと、複数の出力端子を有する平型柔軟基板と、第1及び第2ヒータとを、前記複数の出力端子と前記複数の個別ランドとがそれぞれ接しつつ、前記平型柔軟基板側に配置された前記第1ヒータと、前記流路ユニット側に配置された前記第2ヒータとが、前記平型柔軟基板、前記アクチュエータ及び前記流路ユニットを挟持するように配置する配置工程と、前記アクチュエータの温度が、前記出力端子と前記個別ランドとの接合温度であって前記アクチュエータが熱破壊される温度以下となるように、前記第1ヒータが前記平型柔軟基板を加熱し、且つ、前記第2ヒータが前記流路ユニットを加熱することによって、前記複数の出力端子と前記複数の個別ランドとをそれぞれ接合する接合工程とを備えている。前記配置工程において、前記個別ランドに対する前記出力端子の位置合わせが、予め前記第2ヒータの加熱温度に保温された前記第2ヒータ上で行われ、前記接合工程においては、前記第2ヒータの加熱温度を、前記第1ヒータの加熱温度より低くすると共に、加熱時間が経過するに伴って前記第1ヒータの加熱温度を徐々に低くする
本発明によると、第2ヒータの加熱温度が第1ヒータの加熱温度よりも低くなるため、アクチュエータの温度が急激に上昇してアクチュエータが熱破壊されるのを防止することができる。さらに、流路ユニットの温度が、アクチュエータの温度よりも低くなるため、流路ユニットがアクチュエータよりも大きく伸びるのを抑制することができる。これにより、アクチュエータが流路ユニットから剥離したり、クラックが生じたりするのを防止することができる。また、加熱時間が経過するに伴って前記第1ヒータの加熱温度を徐々に低くするため、アクチュエータの温度が所定温度以上に上昇するのを確実に抑制することができる。
本発明では、前記接合工程において、前記第1及び第2ヒータに挟持される前記平型柔軟基板に係る前記複数の出力端子が配置される領域に、未硬化の熱硬化性樹脂からなる樹脂層が形成されていることが好ましい。さらに、本発明では、前記接合工程において、前記第1ヒータに通電している間は、前記第2ヒータを前記第2ヒータの加熱温度に維持することが好ましい。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る実施形態であるインクジェットプリンタの全体的な構成を示す概略側面図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ101は、4つのインクジェットヘッド1を有するカラーインクジェットプリンタである。このインクジェットプリンタ101には、図中左方に給紙部11が、図中右方に排紙部12がそれぞれ構成されている。
インクジェットプリンタ101の内部には、給紙部11から排紙部12に向かって用紙(被記録媒体)Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙部11のすぐ下流側には、用紙を狭持搬送する一対の送りローラ5a、5bが配置されている。一対の送りローラ5a、5bは、用紙Pを給紙部11から図中右方に送り出すためのものである。用紙搬送経路の中間部には、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7の間に架け渡されるように巻き回されたエンドレスの搬送ベルト8と、搬送ベルト8によって囲まれた領域内においてインクジェットヘッド1と対向する位置に配置されたプラテン15とを含むベルト搬送機構13が設けられている。プラテン15は、インクジェットヘッド1と対向する領域において搬送ベルト8が下方に撓まないように搬送ベルト8を支持するものである。ベルトローラ7と対向する位置には、ニップローラ4が配置されている。ニップローラ4は、給紙部11から送りローラ5a、5bによって送り出された用紙Pを搬送ベルト8の外周面8aに押さえ付けるものである。図示しない搬送モータがベルトローラ6を回転させることによって、搬送ベルト8が駆動される。これにより、搬送ベルト8が、ニップローラ4によって外周面8aに押さえ付けられた用紙Pを粘着保持しつつ排紙部12に向けて搬送する。用紙搬送経路に沿って搬送ベルト8のすぐ下流側には、剥離機構14が設けられている。剥離機構14は、搬送ベルト8の外周面8aに粘着されている用紙Pを外周面8aから剥離して、図中左方の右方の排紙部12に向けて送るように構成されている。
4つのインクジェットヘッド1は、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)に対応して、用紙Pの搬送方向に沿って4つ並べて設けられている。つまり、このインクジェットプリンタ101は、ライン式プリンタである。4つのインクジェットヘッド1は、その下端にヘッド本体2をそれぞれ有している。ヘッド本体2は、搬送方向に直交した方向に長尺な細長い直方体形状となっている。また、ヘッド本体2の底面が搬送ベルト8の外周面8aに対向するインク吐出面2aとなっている。搬送ベルト8によって搬送される用紙Pが4つのヘッド本体2のすぐ下方側を順に通過する際に、この用紙Pの上面すなわち印刷面の印刷領域に向けてインク吐出面2aから各色のインク滴が吐出される。これにより、用紙Pの印刷領域に所望のカラー画像を形成できるようになっている。
次に、図2を参照しつつインクジェットヘッド1について詳細に説明する。図2は、インクジェットヘッド1の短手方向に沿った断面図である。図2に示すように、インクジェットヘッド1は、流路ユニット9とアクチュエータユニット21とを含むヘッド本体2、ヘッド本体2の上面に配置されていると共にヘッド本体2にインクを供給するリザーバユニット71、アクチュエータユニット21を駆動させる駆動信号を生成するドライバIC52が表面に実装されたCOF(Chip On Film)50、COF50と電気的に接続された基板54、並びに、アクチュエータユニット21、リザーバユニット71、COF50及び基板54を覆いつつ、外部からインクやインクミストが浸入するのを防ぐためのサイドカバー53及びヘッドカバー55を有している。
リザーバユニット71は、プレート91〜94の4枚の金属製のプレートが互いに位置合わせされて積層されたものであり、その内部に、図示しないインク流入流路、インクリザーバ61、及び、10個のインク流出流路62が互いに連通するように形成されている。なお、図2においては、1つのインク流出流路62のみが表れている。インクリザーバ61に貯留されたインクがインク流出流路62を通過し、インク供給口(図示せず)を介して流路ユニット9に供給される。また、プレート94には、凹部94aが形成されている。プレート94の凹部94aが形成された部分では、流路ユニット9との間に空隙を形成しており、この空隙内に、流路ユニット9上のアクチュエータユニット21が配置されている。
COF50には、その表面に、図示しない多数の配線(図示せず)と、各配線の一方端部に接続された多数の出力端子50a(図6参照)とが形成されている。そして、COF50の端部近傍がアクチュエータユニット21の上面に配置された状態で、出力端子50aと後述する個別電極135に接続されたランド136(図4及び図6参照)とが接合されている。
さらに、COF50は、アクチュエータユニット21の上面からサイドカバー53とリザーバユニット71との間を通過するように上方に引き出されており、他方端部がコネクタ54aを介して基板54に接続されている。このとき、COF50のドライバIC52が、リザーバユニット71の側面に貼り付けられたスポンジ82によってサイドカバー53に付勢されている。ドライバIC52は、放熱シート81を介してサイドカバー53の内側面と密着することによってサイドカバー53と熱的に結合されている。これにより、ドライバIC52からの熱がサイドカバー53を介して外部に放熱される。基板54は、図示しない上位の制御装置からの制御信号を、COF50のドライバIC52に出力するものである。
次に、図3及び図4をさらに参照しつつ、ヘッド本体2について説明する。図3は、流路ユニット9の部分断面図である。図4はアクチュエータユニット21の拡大断面図である。
図2に示すように、ヘッド本体2は、流路ユニット9、及び、流路ユニット9の上面9aに接着層を介して固定された4つのアクチュエータユニット21を含んでいる(なお、図2においては、4つのアクチュエータのうち1つのみが示されている)。図3及び図4に示すように、アクチュエータユニット21は、流路ユニット9に形成された圧力室110に対向して設けられた複数のアクチュエータを含んでおり、圧力室110内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する機能を有する。
流路ユニット9は、上から順に、キャビティプレート122、ベースプレート123、アパーチャプレート124、サプライプレート125、マニホールドプレート126、127、128、カバープレート129、及び、ノズルプレート130、という9枚のステンレス鋼等の金属プレートから構成されている。これらプレート122〜130を互いに位置合わせしつつ積層することによって、流路ユニット9内に、マニホールド流路105から副マニホールド流路105a、そして副マニホールド流路105aの出口から圧力室110を経てノズル108に至る多数の個別インク流路132が形成される。なお、流路ユニット9の表面には、マニホールド流路105の開口端でもあるインク供給口が形成されている。10個のインク供給口が、インク流出流路62にそれぞれ対応して配設されている。
アクチュエータユニット21について説明する。アクチュエータユニット21は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる3枚の圧電シート(圧電層)141〜143から構成されている。最上層の圧電シート141上における圧力室110に対向する位置には、個別電極135が形成されている。個別電極135は、図4に示すように、圧力室110に対向して配置された電極部と、圧力室110に対向する領域の外にまで引き出された延出部とを有し、この延出部上にランド(個別ランド)136が配設されている。ランド136は、Ag系の導電材料からなり、印刷法により形成される。最上層の圧電シート141とその下側の圧電シート142との間にはシート全面に形成された共通電極134が介在している。
共通電極134はすべての圧力室110に対応する領域において等しく基準電位が付与されるようにグランドに接続されている。一方、個別電極135は、各ランド136及びCOF50の内部配線を介してドライバIC52と電気的に接続されており、ドライバIC52からの駆動信号が選択的に入力されるようになっている。つまり、アクチュエータユニット21において、個別電極135と圧力室110とで挟まれた部分が、個別のアクチュエータとして働き、圧力室110の数に対応した複数のアクチュエータが作り込まれている。
ここで、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。圧電シート141はその厚み方向に分極されており、個別電極135を共通電極134と異なる電位にして圧電シート141に対してその分極方向に電界を印加すると、圧電シート141における電界印加部分が圧電効果により歪む活性部として働く。この活性部は、電界と分極の方向とが同じときには、厚み方向に伸張し面方向に収縮する。このときの伸張及び収縮に伴う変位量は、厚み方向より面方向の方が大きい。つまり、アクチュエータユニット21は、圧力室110から離れた上側1枚の圧電シート141を、活性部を含む層とし且つ圧力室110に近い下側2枚の圧電シート142、143を非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプである。図4に示すように、圧電シート141〜143は圧力室110を区画するキャビティプレート122の上面に固定されている。ここで、圧電シート141における電界印加部分とその下方の圧電シート142、143との間で平面方向への歪みに差が生じると、圧電シート141〜143全体が圧力室110側へ凸になるように変形(ユニモルフ変形)する。これにより圧力室110内のインクに圧力(吐出エネルギー)が付与され、圧力室110内に圧力波が発生する。そして、発生した圧力波が圧力室110からノズル108まで伝播することによってノズル108からインク滴が吐出される。
なお、本実施形態においては、予め個別電極135に所定の電位を付与しておき、吐出要求があるごとに一旦個別電極135にグランド電位を付与し、その後所定のタイミングにて再び所定の電位を個別電極135に付与するような駆動信号をドライバIC52から出力させる。この場合、個別電極135がグランド電位になるタイミングで、圧力室110内のインクの圧力が降下して副マニホールド流路105aから個別インク流路132へとインクが吸い込まれる。その後、再び個別電極135を所定の電位にしたタイミングで、圧力室110内のインクの圧力が上昇し、ノズル108からインク滴が吐出される。つまり、個別電極135に矩形波のパルスを付与する。このパルス幅は、圧力室110内において圧力波が副マニホールド流路105aの出口からノズル108の先端まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)であり、圧力室110内のインクが負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさるため、強い圧力でインク滴をノズル108から吐出させることができる。
次に、図5〜図7を参照しつつ、インクジェットヘッド1の製造方法について説明する。なお、以下、アクチュエータユニット21にCOF50を接合する工程を中心に説明する。図5は、アクチュエータユニット21にCOF50を接合するときの工程図である。図6は、図5に示す配置工程におけるインクジェットヘッド1の部分断面図である。なお、図6においては、説明の都合上、各部材における上下方向の縮尺を異ならせている。図7は、図5に示す接合工程における上側ヒータ16及び下側ヒータ17の加熱温度の変化を示すグラフである。
図5に示すように、アクチュエータユニット21にCOF50を接合する工程は、配置工程と、接合工程とを有している。図6に示すように、配置工程においては、COF50の出力端子50aが配置された領域に樹脂剤を塗布することによって樹脂層60を形成する。この樹脂層60は、未硬化の熱硬化性樹脂からなり、少なくとも出力端子50aを被覆している。そして、流路ユニット9の上面9a(一方の面)に、接着層(図示せず)を介してアクチュエータユニット21を固定する。
そして、流路ユニット9に固定されたアクチュエータユニット21及びCOF50を、各出力端子50aとこれに対応するランド136とがそれぞれ対向するように配置する。出力端子5aとランド136との位置合わせ作業は、下側ヒータ17(第2ヒータ)上で行ってもよいし、それ以外の他所で行ってもよい。下側ヒータ17上で位置合わせをすれば、他所から下側ヒータ17への位置合わせされたものの移動時間を削除できるし、移動中に起こりがちな位置ずれも回避できる。さらに、下側ヒータ17上で位置合わせ作業を行う場合に、下側ヒータ17の加熱を開始してもよいし、作業時間中に樹脂層60が硬化しなければ、予め所定の温度、例えば、60℃に保温しておいてもよい。作業時間の短縮という観点から、予め保温されている下側ヒータ17上で位置合わせ作業を行うとよい。しかし、本実施形態では、他所にて位置合わせ作業を行っている。また、下側ヒータ17は60℃に保温されている。
さらに、上側ヒータ(第1ヒータ)16をCOF50の表面と接触するように配置し、上側ヒータ16及び下側ヒータ17にCOF50と流路ユニット9付きのアクチュエータユニット21との積層体を挟持させる。上側ヒータ16及び下側ヒータ17は、ヒータ制御装置18にそれぞれ接続されており、加熱温度が制御可能となっている。そして、上側ヒータ16及び下側ヒータ17でインクジェットヘッド1を加圧する。これにより、アクチュエータユニット21のランド136が樹脂層60に食い込んだり、これを突き破ってCOF50の出力端子50aと接触する。
次に、接合工程においては、ヒータ制御装置18に制御されて、上側ヒータ16がCOF50を加熱し、下側ヒータ17が流路ユニット9を加熱する。樹脂層60は昇温によって一時的に軟化し、ランド136が樹脂層60を完全に貫通して出力端子50aと接触する。このとき、図6に示すように、出力端子50a周辺にあった樹脂層60は、ランド136の外周面を被覆しながらアクチュエータユニット21の表面に達する。その後、樹脂層60は、時間とともに硬化反応が進行して、最終的に固化する。これにより、各出力端子50aとこれに接するランド136とがそれぞれ接合される。この接合工程においては、ヒータ制御装置18が、アクチュエータユニット21の温度が、アクチュエータユニット21が熱破壊される温度である危険温度180℃より低い温度で一定になるように上側ヒータ16及び下側ヒータ17の加熱温度を制御する。
ここで、ヒータ制御装置18による上側ヒータ16及び下側ヒータ17の制御方法の一例について説明する。図7に示すように、ヒータ制御装置18は、上側ヒータ16の加熱温度を、加熱を開始してから時刻t1までに210℃に上昇させる。そして、時刻t1〜t2までの期間は、上側ヒータ16の加熱温度を、210℃から200℃まで徐々に低下させる。時刻t2を超えると、上側ヒータ16への通電を停止する。同時に、ヒータ制御装置18は、下側ヒータ17の加熱温度を、上述のように、全ての期間において60℃に維持する。このとき、アクチュエータユニット21の温度が、上側ヒータ16の加熱を開始してから時刻t1までに160℃に上昇し、そして、時刻t1〜t2までの期間は、160℃で一定となる。したがって、アクチュエータユニット21が危険温度180℃を超えることがない。これにより、アクチュエータユニット21が熱破壊されることなく、出力端子50aとランド136とが加熱され、両者が接合される。
また、接合工程において、下側ヒータ17の加熱温度が、上側ヒータ16の加熱温度より常に低くなっている。これにより、下側ヒータ17に加熱される流路ユニット9の温度が、上側ヒータ16にCOF50を介して加熱されるアクチュエータユニット21の温度よりも低くなる。上述したように、流路ユニット9は、金属製のプレート122〜130が積層されたものであり、アクチュエータユニット21はセラミックス材料からなる圧電シート141〜143を含んでいる。このため、流路ユニット9の線膨張係数が、アクチュエータユニット21の線膨張係数よりも大きくなっているが、流路ユニット9の温度が、アクチュエータユニット21の温度よりも低くなるため、流路ユニット9とアクチュエータユニット21との伸びの差を小さくすることができる。なお、本実施形態では、アクチュエータユニット(PZT)21の線膨張係数は約7×10−6/℃であり、金属製のプレート122〜130は線膨張係数が11〜16×10−6/℃のステンレス製薄板を用いている。
以上、説明した本実施形態によると、接合工程において、アクチュエータユニット21の温度が一定になるように上側ヒータ16及び下側ヒータ17の加熱温度が制御されるため、温度が急激に上昇してアクチュエータユニット21が熱破壊されるのを防止することができる。さらに、加熱開始時において、アクチュエータユニット21の加熱温度を危険温度より低い温度まで素早く上昇させることができるため、接合工程における加熱時間を短くすることができる。
このとき、接合工程において、ヒータ制御装置18が、時刻t1〜t2までの期間において、上側ヒータ16の加熱温度を、210℃から200℃まで徐々に低下させるため、アクチュエータユニット21の温度が所定温度以上に上昇するのを確実に防止することができる。本実施形態では、アクチュエータユニット21の温度が160℃のほぼ一定温度に保持される。
また、接合工程において、流路ユニット9の温度が、アクチュエータユニット21の温度よりも低くなるように、上側ヒータ16及び下側ヒータ17の加熱温度が制御されるため、流路ユニット9とアクチュエータユニット21との伸びの差が小さくなり、流路ユニット9がアクチュエータユニット21よりも大きく膨張するのが抑制され、アクチュエータユニット21が流路ユニット9から剥離したり、クラックが生じたりするのを防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した実施形態においては、ヒータ制御装置18が、下側ヒータ17の加熱温度を一定にした状態で、上側ヒータ16の加熱温度を変化させることによって、アクチュエータユニット21の温度を一定にする構成であるが、ヒータ制御装置18が、上側ヒータ16の加熱温度を一定にした状態で、下側ヒータ17の加熱温度を変化させることによって、アクチュエータユニット21の温度を一定にする構成であってもよいし、上側ヒータ16及び下側ヒータ17の加熱温度を共に変化させることによって、アクチュエータユニット21の温度を一定にする構成であってもよい。
また、上述の実施形態においては、ヒータ制御装置18が、時刻t1〜t2までの期間において、上側ヒータ16の加熱温度を徐々に低下させる構成であるが、上側ヒータ16の加熱温度は任意のパターンで変化させる構成であってもよい。例えば、ヒータ制御装置18が、時刻t1〜t2までの期間において、上側ヒータ16の加熱温度をステップ状に変化させる構成であってもよい。
本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの外観側面図である。 図1に示すインクジェットヘッドの短手方向に沿った断面図である。 図2に示す流路ユニットの部分断面図である。 図2に示すアクチュエータユニットの拡大図である。 図2に示すアクチュエータユニットにCOFを接合する方法を示す工程図である。 図5に示す配置工程におけるインクジェットヘッドの部分断面図である。 図5に示す接合工程における各ヒータの加熱温度の変化を示すグラフである。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
2 ヘッド本体
2a インク吐出面
9 流路ユニット
9a 上面
16 上側ヒータ
17 下側ヒータ
18 ヒータ制御装置
21 アクチュエータユニット
50 COF
50a 出力端子
60 樹脂層
101 インクジェットプリンタ
108 ノズル
110 圧力室
134 共通電極
135 個別電極
136 ランド
141〜143 圧電シート

Claims (3)

  1. 圧力室を介してノズルに至る複数の個別インク流路が形成された金属部材からなる流路ユニットの一方の面に固定されているとともに、前記複数の圧力室と対向する複数の個別電極、共通電極、前記複数の個別電極と前記共通電極との間に配置された圧電層、及び、前記複数の個別電極と電気的に接続された複数の個別ランドを有する前記金属部材よりも線膨張係数の小さいアクチュエータと、複数の出力端子を有する平型柔軟基板と、第1及び第2ヒータとを、前記複数の出力端子と前記複数の個別ランドとがそれぞれ接しつつ、前記平型柔軟基板側に配置された前記第1ヒータと、前記流路ユニット側に配置された前記第2ヒータとが、前記平型柔軟基板、前記アクチュエータ及び前記流路ユニットを挟持するように配置する配置工程と、
    前記アクチュエータの温度が、前記出力端子と前記個別ランドとの接合温度であって前記アクチュエータが熱破壊される温度以下となるように、前記第1ヒータが前記平型柔軟基板を加熱し、且つ、前記第2ヒータが前記流路ユニットを加熱することによって、前記複数の出力端子と前記複数の個別ランドとをそれぞれ接合する接合工程とを備えており、
    前記配置工程において、前記個別ランドに対する前記出力端子の位置合わせが、予め前記第2ヒータの加熱温度に保温された前記第2ヒータ上で行われ、
    前記接合工程においては、前記第2ヒータの加熱温度を、前記第1ヒータの加熱温度より低くすると共に、加熱時間が経過するに伴って前記第1ヒータの加熱温度を徐々に低くすることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記接合工程において、前記第1及び第2ヒータに挟持される前記平型柔軟基板に係る前記複数の出力端子が配置される領域に、未硬化の熱硬化性樹脂からなる樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記接合工程において、前記第1ヒータに通電している間は、前記第2ヒータを前記第2ヒータの加熱温度に維持することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
JP2007058003A 2007-03-08 2007-03-08 インクジェットヘッドの製造方法 Active JP4715778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007058003A JP4715778B2 (ja) 2007-03-08 2007-03-08 インクジェットヘッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007058003A JP4715778B2 (ja) 2007-03-08 2007-03-08 インクジェットヘッドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008213431A JP2008213431A (ja) 2008-09-18
JP4715778B2 true JP4715778B2 (ja) 2011-07-06

Family

ID=39834039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007058003A Active JP4715778B2 (ja) 2007-03-08 2007-03-08 インクジェットヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4715778B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000058205A1 (fr) * 1999-03-31 2000-10-05 Seiko Epson Corporation Connecteur a ecartement etroit, convertisseur d'ecartement, micromachine, actionneur piezo-electrique, actionneur electrostatique, tete d'impression a jet d'encre, imprimante a jet d'encre, dispositif a cristaux liquides et appareil electronique
JP2006212913A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Canon Inc インクジェット記録ヘッドの製造装置及び製造方法
JP2006339278A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Fujifilm Holdings Corp 樹脂配線基板及びその接合方法
JP2007008039A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Brother Ind Ltd インクジェットヘッド
JP2007012899A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Brother Ind Ltd 配線基板及びインクジェットヘッド

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000058205A1 (fr) * 1999-03-31 2000-10-05 Seiko Epson Corporation Connecteur a ecartement etroit, convertisseur d'ecartement, micromachine, actionneur piezo-electrique, actionneur electrostatique, tete d'impression a jet d'encre, imprimante a jet d'encre, dispositif a cristaux liquides et appareil electronique
JP2006212913A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Canon Inc インクジェット記録ヘッドの製造装置及び製造方法
JP2006339278A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Fujifilm Holdings Corp 樹脂配線基板及びその接合方法
JP2007008039A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Brother Ind Ltd インクジェットヘッド
JP2007012899A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Brother Ind Ltd 配線基板及びインクジェットヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008213431A (ja) 2008-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4582176B2 (ja) 液滴吐出ヘッド及びその製造方法
JP4259544B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP5822624B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP4618375B2 (ja) 液体吐出ヘッド
JP6750279B2 (ja) 液体吐出装置
JP4135020B2 (ja) 記録装置
JP2008044300A (ja) 記録装置及びパルス生成制御装置
JP4434183B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP4678048B2 (ja) 液体吐出装置
US20080239021A1 (en) Liquid Ejection Head And Method Of Manufacturing The Same
JP4622973B2 (ja) インクジェット記録装置
JP4655923B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JP2008074041A (ja) インクジェット記録装置
JP4770899B2 (ja) 記録ヘッド及びそれの製造方法
JP4596057B2 (ja) 液体吐出装置
JP4905437B2 (ja) 液体吐出ヘッド
JP4715778B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JP4240124B2 (ja) インクジェット記録装置
JP5388834B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP4888247B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2010284822A (ja) 記録ヘッド及びそれの製造方法
JP7033278B2 (ja) 液体吐出装置
JP4788812B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP4788811B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP2010201765A (ja) 液体吐出ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100803

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110117

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140408

Year of fee payment: 3