JP4672243B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁力によって現像剤担持体の表面に担持した現像剤で、潜像担持体上の潜像をトナー像に現像する現像装置、及びこれを用いる複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、非磁性のトナーと、磁性粒子たる磁性キャリアとを含有する二成分現像剤を用いて、感光体等の潜像担持体に担持される潜像を現像する二成分現像方式の現像装置が知られている。かかる現像装置は、非磁性パイプ等からなる現像剤担持体と、これに内包されるマグネットローラ等の磁力発生手段と、二成分現像剤を収容する現像剤収容部とを有している。現像剤担持体は、所定方向に表面移動するように駆動手段によって駆動される。そして、現像剤収容部との対向領域において、磁力発生手段の磁極の発する磁力によってその表面に二成分現像剤を引き付けて汲み上げる。汲み上げられた二成分現像剤は、磁力線に沿って磁性キャリアを穂立ちさせて磁気ブラシとなり、現像剤担持体の表面移動に伴って潜像担持体との対向領域である現像領域に搬送される。そして、現像領域でトナーを磁性キャリア表面から潜像担持体上の潜像に転移させて、潜像をトナー像に現像する。この現像に先立ち、磁気ブラシは現像剤担持体の表面に所定の間隙を介して対向配設されたドクターブレード等の規制部材によって層厚が規制されて、現像領域への搬送量の安定化と、摩擦帯電の強化とが図られている。
【0003】
二成分現像剤などに用いられるトナーは、その分散性を向上させるべく、シリカや酸化チタンなどといった添加剤が表面に添加されている。これら添加剤はメカ的なストレスに弱く、現像装置内でトナーが攪拌されるのに伴って、トナーの内部に埋没したり、表面から離脱したりしてトナーを劣化させ易い。添加剤の埋没や離脱によって劣化してしまったトナーは摩擦帯電性が悪く、現像装置内で攪拌が開始されても帯電量がなかなか立ち上がらない。そして、潜像担持体の非画像部に付着していわゆる地汚れを引き起こしたり、現像に寄与しないで現像剤担持体の表面上で長期間に渡って滞留、蓄積していくことによって画像濃度を著しく低下させたりする。
【0004】
一方、二成分現像剤中の磁性キャリアも、メカ的なストレスを受けるのに伴って徐々に表面コート層が削られていき、摩擦帯電性を悪化させることが知られている。摩擦帯電性の悪くなった磁性キャリアは、トナーを良好に帯電させることができなくなる。
【0005】
このように二成分現像剤や、磁性キャリアを含まない一成分現像剤は、トナーや磁性キャリアにメカ的なストレスが与えられることで、経時的に劣化していく(以下、一成分現像剤と二成分現像剤とを総称して現像剤という)。より一層の高繊細化や高画質化が望まれる近年においては、如何にして現像剤の経時的な劣化を抑えるのかが、重要な課題になって来ている。
【0006】
そこで、特許文献1において、規制部材たる磁性板の先端エッジ部を面取りした二成分現像方式の現像装置が提案されている。同特許文献1では、かかる面取りを行うことで、規制時における二成分現像剤に対するストレスを低減することができるとしている。
【0007】
また、特許文献2において、現像剤保持用マグネットローラを設けた二成分現像方式の現像装置が提案されている。この現像剤保持用マグネットローラは、規制部材たるドクターブレードよりも現像スリーブ回転方向上流側で、現像スリーブと所定の間隙を介して対向し、対向部で現像スリーブ表面と同方向に表面移動するように回転駆動される。同特許文献2では、かかる構成の現像剤保持用マグネットローラが、ドクターブレードに直接衝突する二成分現像剤の量を確実に減らして、現像剤に対するストレスを減少させることができるとしている。
【0008】
なお、後述するように、本発明者らは、二成分現像剤を劣化させる主な原因が現像剤担持体の表面上の二成分現像剤における「不動層」と「連れ回り層」との摺擦にあることを見出した。この「不動層」とは、現像剤担持体の表面上において、規制部材との当接位置で殆ど動かずに停滞してしまう層である。また、「連れ回り層」とは、「不動層」よりも下側(現像剤担持体の表面側)で、現像剤担持体の表面移動に伴って活発に連れ回る層である。磁性キャリアを含まない磁性一成分現像剤(磁性トナー)や非磁性一成分現像剤(非磁性トナー)を用いる現像装置でも、規制部材よりも上流側に、「不動層」に似たものを形成し易い。現像領域への現像剤搬送量の安定化という観点から、規制位置よりも上流側における非磁性一成分現像剤の停滞に着目した従来技術として、特許文献3に記載の現像装置が知られている。この現像装置は、規制部材よりも現像剤担持体の表面移動方向上流側に、現像剤担持体と所定の間隙を介して対向しながら回転する円柱形状の現像剤搬送部材を備えている。同特許文献3では、規制位置よりも上流側に停滞した非磁性一成分現像剤による層を不動層と称しており、上記現像剤搬送部材を設けることで、それを形成することがなくなるとしている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−161007号公報
【特許文献2】
特開平9−146374号公報
【特許文献3】
特開平5−35067号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、上記特許文献1や特許文献2においては、それぞれ上記面取りや現像剤保持用マグネットローラによって二成分現像剤に対するストレスを低減し得るとしている。しかしながら、本発明者らは鋭意研究を行った結果、これら現像装置でも二成分現像剤の劣化進行を十分に抑えることができなかったり、劣化進行を却って早めたりするおそれがあることを見出した。
【0011】
以下、このことについて詳細に説明する。図1は、従来の二成分現像方式の現像装置における部分構成を示す拡大図である。同図の現像装置20において、現像剤担持体たる非磁性パイプからなる現像スリーブ22は、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転駆動せしめられる。現像スリーブ22内には、周方向に配設された複数の磁極を有する磁力発生手段たるマグネットローラ23が、現像スリーブ22と連れ回らないように固定配設されている。現像スリーブ22の図中上方には、規制部材たるドクターブレード24が、その先端面を現像スリーブ22表面と所定の間隙を介して対向させるように配設されている。
【0012】
現像装置20内の図示しない領域には、二成分現像剤を収容する現像剤収容部が存在している。現像スリーブ22は、マグネットローラ23の図示しない領域に配設された汲み上げ磁極の発する磁力によって、二成分現像剤を表面に引き付けながら回転することで、現像剤収容部内の二成分現像剤を汲み上げる。汲み上げられた二成分現像剤は、マグネットローラ23から延びる磁極線に沿って磁性キャリアを穂立ちさせて磁気ブラシとなる。この磁気ブラシは、現像スリーブ22の回転に伴って、ドクターブレード24に向けて搬送される。ドクターブレード24による現像剤規制位置においては、現像スリーブ22の表面に厚く形成された磁気ブラシのうち、根元側(スリーブ表面側)が上記間隙を容易にすり抜けるのに対し、先端側がドクターブレード24に突き当たる。単に突き当たるだけであれば、ドクターブレード24よりもスリーブ回転方向上流側で循環対流しながら、後続の根元側と少しずつ入れ替わって、徐々に上記間隙をすり抜けていくことができる。ところが、マグネットローラ23からの磁力線は、現像スリーブ22の表面に比較的近い磁気ブラシ根元側の領域だけではなく、現像スリーブ22の表面から比較的離れた磁気ブラシ先端側の領域にも及んでいる。このため、ドクターブレード24に突き当たった磁気ブラシ先端側は、磁力によっていつまでもそこに拘束され続けて、循環対流すら行わずに停滞してしまう不動層Ly1となってしまう。そして、この不動層Ly1の下側に、現像スリーブ22に連れ回りながら上記間隙を容易にすり抜ける磁気ブラシ根元側による連れ回り層Ly2が形成される。
【0013】
本発明者らは、かかる構成の現像装置20の実験機について、ドクターブレード24周囲における磁気ブラシの挙動を高倍率高速カメラで撮影して観察したところ、次のような現象を認めた。即ち、ドクターブレード24よりも上流側で殆ど動かずに停滞している不動層Ly1と、現像スリーブ22とともに活発に動く連れ回り層Ly2との境界にて、両層が激しく摺擦していたのである。現像スリーブ22上の二成分現像剤に対するメカ的なストレスは、ドクターブレード24と現像スリーブ22との間隙を通過する際のものよりも、両層の摺擦によるものの方が大きいように思えた。
【0014】
そこで、本発明者らは、両層の摺擦による二成分現像剤の劣化への影響を調べてみた。具体的には、不動層Ly1が形成される原因は、ドクターブレード24によって連れ回りを阻まれた磁気ブラシ先端側が、マグネットローラ22からの磁力によっていつまでもそこに拘束され続けることにある。マグネットローラ23内でドクターブレード24との対向位置にある規制磁極Pxや、これよりも上流側にある上流側隣設磁極Pyの磁力や形状を調整すると、磁気ブラシ先端側に及ぶ磁界の大きさや形状を変化させることができる。このようにして、不動層Ly1の形状や大きさを様々に変化させながら、二成分現像剤の劣化進行度合いを調べてみた。すると、スリーブ回転方向(連れ回り方向)における不動層長さLxが大きくなるほど、二成分現像剤の劣化を早めることがわかった。不動層Ly1を形成する二成分現像剤の量が比較的多くても、不動層長さLxが比較的小さければ、換言すれば、不動層Ly1が縦長に形成されれば、二成分現像剤の劣化はそれほど進行しなかった。これに対し、不動層Ly1を形成する二成分現像剤の量が比較的少なくても、不動層長さLxが比較的大きければ、換言すれば、不動層Ly1が横長に形成されれば、二成分現像剤の劣化は急激に進行した。これは、不動層Ly2の重量よりもマグネットローラ23の磁力の方が両層間における単位面積あたりの摺擦力を大きくする要因として働き、且つ、不動層長さLxが大きくなるほど両層の摺擦時間が長くなるためであると考えられる。
【0015】
上記特許文献1の現像装置は、図示の構成において、ブレード先端を図示の一点鎖線Laの位置で面取りしたものに相当する。この面取りにより、ドクターブレード24と現像スリーブ22との間隙を磁気ブラシがスムーズに通過するようになる。しかしながら、磁気ブラシに対するメカ的なストレスの殆どは、不動層Ly1と連れ回り層Ly2との摺擦によるものなので、上記間隙を通過する際の僅かなストレスを低減しただけでは、二成分現像剤の劣化進行を十分に抑えることができないと考えられる。
【0016】
また、上記特許文献2の現像装置は、図示の構成において、図中点線の円で示した位置に、現像剤保持用マグネットローラを配設したものに相当する。この現像剤保持用マグネットローラは、現像スリーブ22との対向面をスリーブと同方向に移動させるように、図中反時計回りに回転駆動される。現像スリーブ22の表面上の磁気ブラシは、ドクターブレード24による規制位置に至る前に、現像剤保持用マグネットローラと、現像スリーブ22との間隙を通過する。そして、現像剤保持用マグネットローラとドクターブレード24との間の領域において、余剰の二成分現像剤が現像剤保持用マグネットローラの回転によって図中矢印C方向に搬送されて、図示しない上記現像剤収容部に戻される。このように余剰の二成分現像剤が戻されることで、不動層を殆ど形成しなくなる可能性が高い。しかしながら、磁気ブラシは、現像剤保持用マグネットローラと現像スリーブ22との対向部において、両者が互いに近づくように表面移動して先細になる間隙に無理に押し込められることになる。このように無理に押し込められる際には、相当のストレスを受けると考えられる。更に、先細の間隙を通過した後の余剰の二成分現像剤は、図中矢印C方向に戻される途中で、現像剤保持用マグネットローラとの連れ回りによってドクターブレード24の側面に摺擦せしめられることになる。これらの結果、二成分現像剤の劣化進行を十分に抑えることができなかったり、却って劣化進行を早めたりするおそれがある。
【0017】
一方、上記特許文献3の現像装置は非磁性一成分現像方式である。この現像装置の上記現像剤搬送部材を、二成分現像方式の図示の構成に採用すると、図中点線の円で示した位置に、現像スリーブ22と所定の間隙を介して円柱状部材を配設することになる。この円柱状部材は、現像スリーブ22との対向面をスリーブと逆方向に移動させるように、図中時計回りに回転駆動される。かかる円柱状部材を設けたことで、非磁性一成分現像剤であれば、ドクターブレード24の近傍での停滞を解消し得るかもしれない。しかし、二成分現像剤や、磁性一成分現像剤では、円柱状部材とドクターブレード24との間に不動層を形成してしまう可能性が高い。両者間で僅かに生じた余剰の現像剤を、マグネットローラ22の磁力によってそこに拘束し続けてしまうからである。また、円柱状部材よりもスリーブ回転方向上流側でも、円柱状部材と現像スリーブ22との間隙を通過しきれなかった余剰の現像剤を堆積させて、不動層にしてしまう可能性がある。更には、たとえそれを円柱状部材の回転による影響によって循環対流させて不動層にしなくても、円柱状部材や連れ回り層に激しく摺擦させることになる。これらの結果、現像剤の劣化進行を十分に抑えることができなかったり、却って劣化進行を早めたりするおそれがある。
【0018】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、二成分現像剤や磁性一成分現像剤の劣化進行を従来よりも確実に抑えることができる現像装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、現像剤を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部内の現像剤を移動する表面に担持する現像剤担持体と、該表面に沿うように配設された複数の磁石の発する磁力によって現像剤を該表面に引き寄せる磁力発生手段と、該表面に担持された現像剤の層厚を規制する規制部材とを備え、画像形成装置の潜像担持体に担持される潜像を該表面に担持した現像剤によって現像する現像装置において、複数の上記磁石のうち、上記規制部材に対向するように配設され、且つ規制磁極を有する磁石である規制磁石について、上記表面に対向する面と、上記規制磁極に対して上記現像剤担持体の表面移動方向の上流側で隣り合うように配設され、且つ上流側隣設磁極を有する磁石である上流側隣設磁石に対向する面との稜角部を面取りし、且つ、上記現像剤担持体における上記規制磁極と上記上流側隣設磁極との間の表面箇所における該表面箇所と平行な方向の磁束密度のピーク点を、該表面箇所で両磁極による法線方向の磁束密度がゼロになる点よりも該表面移動方向の下流側であって且つ該規制磁極に対向する領域に位置させるように、上記磁力発生手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記ピーク点の値を、上記表面における上記規制磁極による法線方向の磁束密度のピーク値の50[%]以下にしたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の現像装置において、上記規制部材の少なくとも一部を磁性材料で構成するか、あるいは該規制部材に磁性材料からなる磁性部材を固定するかしたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の現像装置において、上記規制部材の上記磁性材料で構成された箇所、あるいは上記磁性部材、における上記現像剤担持体側とは反対側の端部を、該現像剤担持体上の現像剤が直接接触しないように非磁性材料で覆ったことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の現像装置において、上記現像剤収容部内の現像剤を表面移動する上記現像剤担持体に引き寄せて汲み上げさせるための磁極である汲み上げ磁極と、上記上流側隣設磁極との上記表面移動方向における間で、現像剤を該現像剤担持体の表面に拘束して搬送するための搬送磁極を、少なくとも1つ設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備え、該潜像担持体上の潜像を該現像手段によって現像してトナー像を得る画像形成装置において、上記現像手段として、請求項1乃至5の何れかの現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記潜像の現像に用いられるトナーを収容するトナー収容手段を設け、変性ポリエステル樹脂を基材として用いた重合法によって製造されたトナーを該トナー収容手段に収容したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記潜像の現像に用いるトナーとして、変性ポリエステル樹脂を基材として用いた重合法によって製造されたものを指定したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発意明は、請求項6乃至8の何れかの画像形成装置において、上記潜像の現像に用いるトナーとして、重量平均粒径が4.0〜8.0[μm]であり、且つ粒径分布が1.25以下であるものを指定したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項6乃至9の何れかの画像形成装置において、上記潜像の現像に用いるトナーとして、平均円形度が0.90以上、且つ1.00未満であるものを指定したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項6乃至10の何れかの画像形成装置において、上記現像剤として、トナーと磁性粒子とを含有する二成分現像剤を用いるようにし、且つ、該磁性粒子として、体積平均粒径が25〜55[μm]であるものを指定したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項6乃至11の何れかの画像形成装置において、
上記現像装置として、上記現像剤担持体に直流の現像バイアスが印加されるものを用いるとともに、上記潜像担持体として、表面に形成された感光層の露光部の電位を減衰させて上記潜像を担持する感光体を用い、且つ、該感光層の非露光部の電位をED、露光部の電位をEL、上記現像バイアスの値をEBでそれぞれ示した場合に、次の関係式を満足させたことを特徴とするものである。
【数2】
0<|ED|−|EB|<|ED−EL|<400[V]
【0020】
これらの発明においては、規制部材よりも現像剤担持体表面移動方向上流側に形成される現像剤の不動層の同方向における長さを低減することができる。
具体的には、本発明者らは鋭意研究を行った結果、磁力発生手段の規制磁極と、これに隣り合う上流側隣設磁極との間において、現像剤担持体の表面上における接線方向の磁束密度のピーク点を、規制磁石の方に近づけるほど、現像剤担持体の表面上に形成される不動層の長さが短くなることを見出した。
また、規制磁極を有する規制磁石における現像剤担持体表面に対向する面と、上流側隣設磁極を有する上流側隣設磁石に対向する面との稜角部を面取りすることで、上記ピーク点を規制磁極の方に近づけ得ることも見出した。このように上記ピーク点が近づくのは、面取りしない場合に稜角部から上流側隣設磁石側に向けて放物線を描くように延びる磁力線が、面取りによって規制部材側に向けて延びるようになるからである。面取りするのではなく、上記表面移動方向の長さのより小さな規制磁石を用いても、上記ピーク点をより規制部材に近づけることができるが、この場合、ピーク点における磁束密度が不足して、規制部材近傍に必要量の現像剤を確保できなくなる。面取りすることで、磁石全体の磁力低下を抑えてピーク点において必要レベルの磁束密度を確保しつつ、ピーク点をより規制部材に近づけることができるのである。
また、本発明者らは、現像剤の劣化進行を確実に抑えるためには、上記ピーク点を、現像剤担持体表面で上流側隣設磁極と規制磁極との間における法線方向の磁束密度がゼロになるにおける点よりも現像剤担持表面移動方向下流側に位置させるのがよいことも見出した。
よって、規制磁石に上述の面取りを施した請求項1の構成や、上記ピーク点を両磁界の境界点から延ばした垂線よりも表面移動方向下流側に位置させて請求項2の構成を備える本発明においては、不動層の同方向における長さを低減することができる。また、上記特許文献2に記載の現像剤保持用マグネットローラや、上記特許文献3に記載の円柱状の現像剤搬送部材に起因する新たなストレスを現像剤に与えることもない。従って、二成分現像剤や磁性一成分現像剤の劣化進行を従来よりも確実に抑えることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、タンデム方式のカラーレーザープリンタ(以下「プリンタ」という)について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。
[全体構成]
図2は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。このプリンタは、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),黒(K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成部1Y,M,C,Kを備えている。なお、以下、各符号の添字Y,M,C,Kは、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、黒用の部材であることを示す。
【0022】
トナー像形成部1Y,M,C,Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体11Y,M,C,Kを有している。本プリンタは、トナー像形成部1Y,M,C,Kの他、光書込ユニット50、給紙カセット61,62、レジストローラ対63、転写ユニット70、ベルト定着方式の定着ユニット80、排紙トレイ64を備えている。また、図示しない手差しトレイ、トナー補給容器、廃トナーボトル、両面・反転ユニット、電源ユニットなども備えている。
【0023】
[光書込ユニット]
上記光書込ユニット50は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体2Y,M,C,Kの表面にレーザ光を走査しながら照射する。
【0024】
[感光体等]
図3は、上記トナー像形成部1Y,M,C,Kのうち、イエローのトナー像形成部1Yの概略構成を上記転写ユニット70の一部とともに示す拡大構成図である。なお、他のトナー像形成部(1M,C,K)についてもそれぞれ同じ構成となっているので、これらの説明については省略する。同図において、トナー像形成部1Yは、プロセスユニット10Yと現像装置20Yとを備えている。プロセスユニット10Yは、図中反時計回りに回転駆動される直径90[mm]の感光体11Yの他、これの表面に対し、潤滑剤を塗布するブラシローラ12Y、クリーニング処理を施す揺動可能なカウンタブレード13Yなどを有している。また、除電処理を施す除電ランプ14Y、感光体11Yを一様帯電せしめる帯電ローラ15Y、これの表面をクリーニングするローラクリーニング装置16Yなども有している。
【0025】
上記プロセスユニット10Yにおいて、図示しない電源によって交流の帯電バイアスが印加される帯電ローラ15Yは、感光体11Yに当接するように配設されている。そして、図示しない駆動手段により、当接部でその表面を感光体11Yの表面移動とは逆方向に移動させるように回転せしめられながら、感光体11Yの表面を一様帯電せしめる。このように一様帯電せしめられた感光体11Yの表面に、上記光書込ユニット(図2の50)で変調及び偏向されたレーザ光が走査されながら照射されると、感光体11Yの表面に静電潜像が形成される。
【0026】
[現像装置]
上記現像装置20Yは、現像ケース21Yの開口から一部露出させるように配設された非磁性パイプからなる現像スリーブ22Yや、これに連れ回らないように内包される磁力発生手段たるマグネットローラ23などを有している。また、ドクターブレード24Y、第1搬送スクリュウ25Y、第2搬送スクリュウ26Y、トナー濃度センサ(以下、Tセンサという)27Y、粉体ポンプ28Y等も有している。なお、現像スリーブ22Yの直径は25[mm]である。
【0027】
上記現像ケース21Yには、磁性粒子たる磁性キャリアと、マイナス帯電性で且つ非磁性のYトナーとを含む二成分現像剤を収容する現像剤収容部29Yが形成されている。この二成分現像剤は上記第1搬送スクリュウ25Yや第2搬送スクリュウ26Yによって撹拌搬送される。そして、現像スリーブ22Yの近傍において、マグネットローラ23Yの発する磁極の影響によって現像剤担持体たる現像スリーブ22Yの表面に汲み上げられて磁気ブラシとなる。この磁気ブラシは、ドクターブレード24Yによってその層厚が規制されてから感光体11Yと対向する現像領域に搬送される。この現像領域では、現像スリーブ22Y表面と、感光体11Y表面とが最も接近する位置における両表面の間隙、即ち、現像ギャップが0.3[mm]となっている。現像ギャップやその近傍においては、現像スリーブ22Y上の磁気ブラシ先端が、感光体11Y表面に摺擦しながら移動して、Yトナーを静電潜像に付着させる。この付着により、感光体11Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費した磁気ブラシは、現像スリーブ22Yの回転に伴って現像ケース21Y内に戻される。一方、現像されたYトナー像は、後述の転写搬送ベルト71の表面に保持されながら搬送される転写紙Pに転写される。
【0028】
透磁率センサからなる上記Tセンサ27Yは、現像ケース21Yの底板に取り付けられ、第1搬送スクリュウ25Yと第2搬送スクリュウ26Yとの間で搬送される二成分現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。二成分現像剤の透磁率は、二成分現像剤のトナー濃度と良好な相関を示すため、Tセンサ27YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。制御部は、RMA等の記憶手段を備えており、その中にTセンサ27Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他色用のTセンサのM,C,K用Vtrefのデータを格納している。現像装置20Yについては、Tセンサ27Yからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、図示しないYトナーカートリッジに連結する上記粉体ポンプ28Yを比較結果に応じた時間だけ駆動させる。そして、これにより、Yトナーカートリッジ内のYトナーを現像剤収容部29Y内に補給する。このように粉体ポンプ28Yの駆動が制御(トナー補給制御)されることで、現像に伴ってYトナー濃度を低下させた現像剤に適量のYトナーが補給され、現像装置20Y内の現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他の現像装置20M,C,Kについても、同様のトナー補給制御が実施される。
【0029】
以上のようにして、各トナー像形成部1Y,M,C,Kは、図2に示した光書込ユニット50と共同して、各感光体11Y,M,C,Kにトナー像を形成する。よって、本プリンタにおいては、各トナー像形成部1Y,M,C,Kと、光書込ユニット50との組合せにより、トナー像形成手段が構成されている。
【0030】
[給紙手段]
プリンタ本体の下部には、2つの給紙カセット61,62が配設されている。これら給紙カセット61,62は、内部に図示しない転写紙束を収容しており、その一番上の転写紙に給紙ローラ61a,62aを押し当てている。そして、所定のタイミングで給紙ローラ61a,62aを回転させて、転写紙を給紙路に送り出す。この給紙路の末端には、レジストローラ対63が配設されており、送られてきた転写紙を、Yトナー像形成部1Yの感光体11Y上に形成されたYトナー像に同期させ得るタイミングで、転写ユニット70に向けて送り出す。
【0031】
[転写ユニット]
上記転写ユニット70は、感光体11Y,M,C,Kのそれぞれに接触して4つの転写ニップを形成しながら図中時計回りに無端移動する表面移動体たる転写搬送ベルト71を有している。転写搬送ベルト71は、各トナー像形成部1Y,M,C,Kの感光体11Y,M,C,Kに接触して4つの転写ニップを形成するように、4つの支持ローラ72,73,74,75に掛け回されている。これらの支持ローラのうち、図中最も左側のもの(75)に対しては、図示しない電源から所定電圧が印加された静電吸着ローラ76が対向するように配置されている。この静電吸着ローラ76からの電荷付与により、転写搬送ベルト71は、そのおもて面(スープ外面)に図示しない転写紙Pを静電吸着することができる。
【0032】
各転写ニップの下方には、転写搬送ベルト71の裏面に接触する転写バイアス印加ローラ77Y,M,C,Kが設けられている。これら転写バイアス印加ローラ77Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によって定電流制御される転写バイアスが印加される。これにより、転写搬送ベルト71に転写電荷が付与され、各転写ニップにおいて転写搬送ベルト71と感光体表面との間に所定強度の転写電界が形成される。なお、本プリンタにおいては、転写バイアス印加部材として転写バイアス印加ローラ77Y,M,C,Kを設けているが、ローラに代えて、ブラシやブレード等のものを設けてもよい。
【0033】
図中の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセット61,62から給送された図示しない転写紙は、図示しない搬送ガイドにガイドされながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対63が設けられている一時停止位置に送られる。このレジストローラ対63によって所定のタイミングで送り出された転写紙は上記転写搬送ベルト71に保持され、感光体11Y,M,C,Kに接触し得るY,M,C,K転写ニップを順次通過する。これにより、各トナー像形成部1Y,M,C,Kの感光体11Y,M,C,K上で現像されたY,M,C,Kトナー像が、それぞれ転写ニップで転写紙に重ね合わされ、上記転写電界やニップ圧の作用を受けて転写紙上に転写される。この重ね合わせの転写により、転写紙上にはフルカラー画像が形成される。
【0034】
[定着ユニット]
フルカラー画像が形成された図示しない転写紙は、転写搬送ベルト71の無端移動に伴って図中左下から右上へと搬送されて、定着ユニット80に受け渡される。定着ユニット80は、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転駆動される加圧ローラ81と、定着ベルトユニット82とを備えている。また、この定着ベルトユニット82は、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動される駆動ローラ83と、ハロゲンランプ等の熱源を内包する加熱ローラ84と、定着ベルト85とを有している。定着ベルト85は、駆動ローラ83と加熱ローラ84とに張架されながら、図中反時計回りに無端移動せしめられる。そして、加熱ローラ84による張架位置にて140〜160[℃]に加熱される。加熱後の定着ベルト85のおもて面(ループ外面)には、加圧ローラ81が当接して定着ニップを形成している。転写搬送ベルト71から送られてくる転写紙は、この定着ニップに挟まれて、加熱されながら加圧される。これにより、転写紙上のフルカラー画像に対して定着処理が施される。定着後の転写紙は、搬送ローラ対や排紙ローラ対を経た後、プリンタ筺体の上面に形成された排紙トレイ64上にスタックされる。
【0035】
[除電]
先に示した図3において、トナー像が転写された後の感光体11Yの表面は、ブラシローラ12Yで所定量の潤滑剤が塗布された後、カウンタブレード13Yでクリーニングされる。そして、除電ランプ14Yから照射された光によって除電され、次の静電潜像の形成に備えられる。
【0036】
カウンタブレード13Yによってクリーニングされた感光体11Y表面には、どうしても除去し切れなかったトナーが僅かながら残ってしまう。このように残ってしまったクリーニング残トナーは、感光体11Y表面に当接しながら回転する帯電ローラ15Yに付着して汚れとなってしまう。この汚れがそのまま放置されると、やがて帯電ローラ15Y上で堆積したクリーニング残トナーによって感光体11Yの局所的な帯電不良が発生し、黒スジなどの異常画像を引き起こしてしまう。そこで、プロセスユニット10Yには、被清掃体たる帯電ローラ15Yに付着したクリーニング残トナーをクリーニングするローラクリーニング装置16Yが設けられている。
【0037】
図4は、現像スリーブ22Y表面上における磁界を示す模式図である。同図において、現像スリーブ22Yは、図中時計回りに回転駆動される。図示を省略しているが、上記感光体(11Y)は、その中心点を、現像スリーブ22Yよりも図中右側で、且つ現像スリーブ22Yの中心線Lb上に位置させるように配設される。現像スリーブ22Y内に回転不能に固定されたマグネットローラ23Yは、その周方向に沿って9つの磁極が配設されている。このうち、符号P1で示されるものは、上記現像領域で現像スリーブ22Y表面に磁気ブラシを形成するための現像磁極である。これから図中時計回りに、戻し搬送磁極P2、離脱磁極P3、汲み上げ磁極P4、第1搬送磁極P5、上流側隣設磁極P6、ドクタ磁極P7、第2搬送磁極P8、第3搬送磁極P9が順次配設されている。これら磁極は、それぞれ、専用の現像磁石、戻し搬送磁石、離脱磁石、汲み上げ磁石、第1搬送磁石、上流側隣設磁石、ドクタ磁石、第2搬送磁石、第3搬送磁石に設けられている。なお、図示を省略しているが、ドクタ磁極P7の上方には、上記ドクターブレード(24Y)が現像スリーブ22Yと所定の間隙(以下、ドクターギャプという)を介して対向するように配設されている。
【0038】
現像スリーブ22Yの表面(以下、スリーブ表面という)上には、これら複数の磁極の発する磁力によって磁界が形成されている。図中実線は、この磁界における法線方向の磁束密度を示している。また、図中点線は、接線方向の磁束密度を示している。現像スリーブ22Yの表面上では、法線方向の磁束よりも、接線方向の磁束に沿った形状で磁気ブラシが形成される。
【0039】
図示しない上記現像剤収容部(図3の29Y)内に収容されている二成分現像剤は、汲み上げ磁極P4による磁界に引き寄せられて、図中時計回りに回転するスリーブ表面に汲み上げられて磁気ブラシになる。そして、スリーブ表面とともに連れ回る過程で、第1搬送磁極P5や上流側隣設磁極P6による磁界の影響によってスリーブ表面に拘束され続ける。更に、ドクタ磁極P7による磁界によってスリーブ表面に引き付けられながら、層厚が規制される。規制後の磁気ブラシは、第2搬送磁極P8や第3搬送磁極P9による磁界によってスリーブ表面に引き付けられながら連れ回った後、現像磁極P1による磁界に進入する。そして、ここで図示しない感光体(11Y)上の静電潜像を現像した後、戻し搬送磁極P2、離脱搬送磁極P3による磁界に順次進入する。離脱搬送磁極P3と汲み上げ磁極P4との間には、反発磁界が形成されている。磁気ブラシは、この反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱して、図示しない現像剤収容部(29Y)に戻される。
【0040】
先に示した図3において、現像装置(20Y)を工場出荷後の初期状態から使用可能な状態にするには、まず、現像剤収容部(29Y)内に磁性キャリアを投入する。そして、Yトナーボトルをプリンタ本体内にセットして、現像剤初期設定運転を行う。すると、Yトナーボトル内のYトナーが、現像剤収容部29Y内の二成分現像剤を所定の濃度に至らしめるまで、現像装置20Y内に補給される。このとき、ドクターブレード24よりもスリーブ回転方向上流側に、上述した不動層が形成されると、その不動層のトナー濃度は、現像剤収容部29Y内の二成分現像剤のものよりも遙かに低くなる。具体的には、0〜0.05[wt%]以下にしかならない。これに対し、上述の連れ回り層のトナー濃度は、現像剤収容部29Y内の二成分現像剤とほぼ同じ値になる。
【0041】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
図5は、ドクターブレード24Yと、これの周囲とを示す拡大構成図である。図において、ドクタ磁極P7と、これに対してスリーブ回転方向上流側で隣り合う上流側隣設磁極P6とは、それぞれ次のような相対位置関係にある。即ち、スリーブ回転移動方向における中心点を互いに角度θだけずらした相対位置関係である。ドクターブレード24Yは、その裏面(二成分現像剤に突き当たる面)を、スリーブ回転方向におけるドクタ磁極P7の中心線上に位置させるように配設されている。ドクターブレード24Yの裏面には、磁性材料からなる磁性部材30Yが固定されている。
【0042】
本発明者らは、上流側隣設磁極P6とドクタ磁極P7との間の磁界の大きさや形状と、トナーの劣化進行度合いとの関係を調べる実験を行った。具体的には、次の表1に示す1〜5の条件を、それぞれ具備する5種類の現像装置試験機を試作した。そして、それぞれにおいて、トナーの劣化進行度合いを調べたのである。
【表1】
【0043】
表1における条件1では、上流側隣設磁極P6を有する上流側隣設磁石、及びドクタ磁極P7を有するドクタ磁石として、従来の現像装置(29Y)に使用していたものと同様の標準品を用いた。ドクタ磁石の標準品は、スリーブ回転方向の長さである幅、スリーブ法線方向(以下、単に法線方向という)の長さである高さが、それぞれ6.6[mm]、5.5[mm]になっている。
【0044】
条件2では、ドクタ磁石(ドクタ磁極P7を有する)として、標準品よりも高さが1[mm]だけ小さいもの(高さ=4.5mm)を用いた。かかるドクタ磁石によるスリーブ表面上における法線方向の磁束密度ピーク値は、標準品によるものよりも20[mT]小さくなる。
【0045】
条件3では、上流側隣設磁石(上流側隣設磁極P6を有する)として、標準品よりも高さが1[mm]だけ小さいものを用いた。かかる上流側隣設磁石による法線方向のスリーブ表面上における磁束密度ピーク値は、標準品によるものよりも20[mT]小さくなる。
【0046】
条件4では、ドクタ磁磁石として、標準品よりも高さが2.0[mm]だけ大きく、且つスリーブ表面に対向する面と、上流側隣設磁石に対向する面との稜角部を、図6に示すように面取りしたものを用いた。この面取りにより、スリーブ表面に対向する面の幅は4.0[mm]になっている。かかる構成のドクタ磁石のドクタ磁極P7は、図6に示すように、スリーブ表面上における法線方向の磁束密度ピーク値が、図中点線で示した標準品による法線方向の磁束密度ピーク値と変わらない。但し、先端付近における法線方向の磁束密度の幅が標準品よりも狭くなり、且つ、磁束密度ピークの位置が標準品よりもスリーブ回転方向下流側に移動している。
【0047】
条件5では、上流側隣設磁石として条件3のものを用いるとともに、ドクタ磁石として、条件4のものを用いた。
【0048】
条件1、2、3、4、5となるに従い、スリーブ表面上において、上流側隣設磁極P6とドクタ磁極P7との間の接線方向における磁束密度のピーク点Paは、スリーブ回転方向下流側に徐々に移動した。そして、これら条件のうち、条件1と2においては、図7に示すように、上記ピーク点Paが、スリーブ表面上で上流側隣設磁極P6とドクタ磁極P7とによる法線方向の磁束密度がゼロになる点(変極点)Pbである。一方、条件3〜5においては、図8に示すように、上記ピーク点Paが変極点Pbよりもスリーブ回転方向下流側に位置した。なお、図7及び図8においては、法線方向、接線方向の磁束密度をそれぞれ実線、点線で示している。
【0049】
上記ピーク点Paの値を、ドクタ磁極P7の法線方向の磁束密度のピーク値で除算した値である磁束密度比は、条件1、2、3、4、5で、それぞれ78、55、60、50、35[%]であった。
【0050】
条件1〜5をそれぞれ具備する5種類の現像装置試験機にて、以下に説明する項目を調査した。
【0051】
[角度d]
ドクターブレード(24Y)よりもスリーブ回転方向上流側に形成される図1に示したような不動層Ly1の長さLxを把握すべく、角度dを測定した。具体的には、各現像装置試験機をそれぞれ個別にセットしたプリンタ試験機を用意した。そして、それぞれによって基準画像をプリントアウトしながら、ドクターブレード(24Y)周囲における磁気ブラシの挙動を、実体顕微鏡(オリンパス社製SZ−STB1)に接続した高速度カメラで撮影した。更に、撮影によって得られたデジタル画像データを明度に応じて2値化処理した後、図9に示すように、ドクターブレード24Yの裏面側先端エッジと、不動層Ly1の後端(最上流側)とのなす角度dを測定した。全ての現像装置試験機において、現像スリーブ22Yの直径は同じである。また、上流側隣設磁石の幅方向中心点と、ドクタ磁石の幅方向中心点とのなす角θは45[°]である。
【0052】
[添加剤残量ランク]
二成分現像剤をセットした状態の各現像装置試験機を連続的に空動作させつつ、30分経過毎に、現像装置試験機から二成分現像剤を取り出した。そして、磁性キャリアとトナーとを分離して、トナーの表面を走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察して、表面に残っている添加剤を画像的に定量した。添加剤の残量に応じて、添加剤残量ランクを5段階に分けた。トナーの表面に添加剤を全く付着させていない状態が添加剤残量ランク1である。また、初期状態から添加剤を半分ほど減少させた状態が、添加剤残量ランク3である。なお、添加剤残量ランクが3以上であれば、トナーボトルから現像装置へのトナー補給時に地汚れは発生しないことがわかっている。また、添加剤残量ランクが2以下であると、トナー帯電立ち上がり性の悪さに起因して、トナー補給時に地汚れを発生させることがわかっている。参考までに、条件1、5をそれぞれ具備する2つの現像装置試験機における空動作時間と添加剤残量ランクとの関係を図10に示す。
【0053】
[現像モータ駆動トルク]
各現像装置試験機について、搬送スクリュウ等を駆動伝達系から切り離し、現像モータによって現像スリーブ(22Y)だけを回転させるようにして、連続運転を行った。そして、現像モータの駆動トルクを測定した。現像スリーブだけを回転させるようにしたことにより、現像装置内の他の回転部材によって発生するトルク上昇を取り除くことができる。これにより、現像スリーブ周りの負荷だけをトルクに反映させることができた。トルクの測定については、共和電業社製の歪ゲージからの出力値をデータロガーによってモニターし、20秒間の動トルクデータの平均を測定値とした。
【0054】
[現像領域への剤搬送安定性]
各現像装置試験機について、ドクターブレード(24Y)周辺から現像領域にかけての磁気ブラシの挙動を、実体顕微鏡(オリンパス社製SZ−STB1)に接続した高速度カメラで撮影した。そして、現像領域に搬送される磁気ブラシの量の変化を観察した。
【0055】
[トナー帯電立ち上がり性]
各現像装置試験機について、上記汲み上げ磁極(図4のP4)によって汲み上げられてから、上記現像領域に至るまでの二成分現像剤におけるトナー帯電の立ち上がり性を調査した。具体的には、まず、新品の磁性キャリアに対してトナーを所定濃度混合した後、ターブラミキサで1分間だけ弱攪拌して、弱攪拌二成分現像剤を用意した。これを各現像装置試験機にそれぞれセットして短時間動作させた後、現像領域の二成分現像剤を採取した。そして、トナーを分離してその質量あたりの電荷量(Q/M)を測定した。弱攪拌二成分現像剤をセット短時間動作させた後の二成分現像剤中のトナーを被検試料とすることで、ドクターブレード(24Y)による規制位置の前後を通過する際のトナーの摩擦帯電量を精度良く評価することができる。各現像装置試験機について、高温多湿環境下(30℃、90%)と、低温低湿環境下(10℃、15%)との両方で、測定を行った。そして、Q/Mの増加量が4[μc/g]未満であった場合、それ以上であった場合を、それぞれトナー帯電立ち上がり性×、○とした。
【0056】
各項目の結果をまとめたものを、次の表2に示す。なお、表2においては、空動作開始から60分後におけるトナーの添加剤残量ランクを示している。
【表2】
表2に示すように、ドクターブレード(24Y)よりもスリーブ回転方向上流側に形成される不動層の周方向の長さを表す角度dは、条件1、2、3、4、5で順次小さくなっている。また、条件1、即ち、上流側隣設磁極P6、ドクタ磁極P7にそれぞれ標準品を用いた条件では、トナーの添加剤残量ランクが1になっている。これは、現像装置試験機の空動作開始時に初期状態の添加剤量であったものが、空転動作60分後で添加剤を全く付着させていないランク1にまで急激に減少したことを示す。トナーの劣化が極めて急激に進行していると言える。
【0057】
条件2、即ち、ドクタ磁極P7の法線方向における磁束密度ピーク値を標準品よりも20[mT]減少させた条件では、条件1よりも現像モータ駆動トルクを0.3G[N・cm]減少させることができた。これにより、空運転開始から60分後におけるトナーの添加剤残量をランク1からランク3にまで引き上げることができた。しかしながら、剤搬送安定性が悪く、ドクターギャプを通過して現像領域に搬送される二成分現像剤の量が大きく変動してしまった。このため、条件2を具備する現像装置試験機をプリンタにセットして画像をプリントアウトすると、通紙方向に濃度ムラが発生した。この濃度ムラにより、特にカラー画像をプリントアウトした場合には、色調の乱れが顕著に現れた。このように濃度ムラが起こるのは、ドクターブレード(24Y)付近の磁界の強度が不足することにより、ドクターギャプに搬送される磁気ブラシの量がときどき不足してしまうからである。ドクターギャプに搬送される磁気ブラシの量が不足すれば、当然ながら、そのときのドクターギャプにおけるトナーの摩擦帯電性が悪くなる。このため、トナー帯電立ち上がり性の評価も×になっている。これらのことから、ドクタ磁極P7の法線方向における磁束密度ピーク値を下げると、トナーの劣化を抑えることができる反面、安定した濃度の画像を形成することができなくなると言える。よって、ドクタ磁極P7による法線方向の磁束密度を単に弱めてトナーの劣化を抑えるのは得策ではない。
【0058】
条件3、即ち、上流側隣設磁極P6の法線方向における磁束密度ピーク値を標準品よりも20[mT]減少させた条件においても、条件1よりも現像モータ駆動トルクを0.3G[N・cm]減少させることができた。しかも、剤搬送安定性、トナー帯電立ち上がり性ともに、良好な結果を得ることができた。このように良好な結果が得られた理由は、次のように考えられる。即ち、現像スリーブ(22Y)表面上における磁気ブラシは、法線方向の磁束よりも、接線方向の磁束に沿った形状となる。よって、ドクターブレード(24Y)よりもスリーブ回転方向上流側では、上流側隣設磁極P6とドクタ磁極P7との間の接線方向における磁束密度を下げるほど、不動層の大きさが小さくなる。しかしながら、下げすぎると、ドクターギャプに搬送される磁気ブラシの量がときどき不足して、現像領域への剤搬送量を不安定にしたり、トナー立ち上がり性を悪化させたりしてしまう。かかる不足を抑えつつ、不動層の大きさを小さくするには、次のようにすると良い。即ち、接線方向における磁束密度を全体的に下げて不動層の大きさを小さくしつつ、磁束密度ピーク点Paについては、できるだけドクターブレード(24Y)の近くに位置させて、ドクターギャプの側近に必要量の剤量を確保するのである。先に示した図7と図8との比較からわかるように、条件3は条件2よりもピーク点Paがドクターギャプに近づいている。このため、条件3では、ドクターギャプの側近に必要量の剤量を確保できたのである。但し、表2に示したように、条件3における添加剤残量はランク2.5である。このランクでは、若干ながらトナー補給時に地汚れを発生させてしまう。添加剤残量が条件2のランク3に対して、条件3でランク2.5と悪化したのは、条件2においてはドクターギャプでトナーに対して摩擦帯電用のストレスを適切に付与していないからである。
【0059】
条件4、即ち、ドクタ磁石を面取り加工した条件では、条件1よりも現像モータ駆動トルクを0.6G[N・cm]減少させることができた。しかも、剤搬送安定性、トナー帯電立ち上がり性ともに、良好な結果を得ることができた。加えて、トナーの添加剤残量も地汚れを生じないランク3を実現している。ランク3を実現した理由は、次のように考えられる。即ち、条件3における角度dが18[°]であったのに対し、条件4では15[°]とより小さくなっている。これは、不動層の周方向(スリーブ回転方向)における長さ(Lx)がより小さくなっていることを示している。長さ(Lx)がより小さくなったことにより、不動層と連れ回り層との摺擦によるストレスも小さくなって添加剤残量ランクがアップしたのである。但し、角度dが小さくなれば、ドクターブレード(24Y)よりも上流側における現像剤滞留量が少なくなって、剤搬送安定性やトナー帯電立ち上がり性を悪くするおそれがある。しかしながら、条件4では、条件3よりも上流側隣設磁極P6〜ドクタ磁極P7間の接線方向における磁束密度のピーク点Paがスリーブ回転方向下流側に位置している。これにより、上流側における現像剤滞留量を少なくしつつ、ドクターギャプ側近で必要量の二成分現像剤を確保して、良好な剤搬送安定性やトナー帯電立ち上がり性が実現されたと考えられる。
【0060】
条件5、即ち、条件3の上流側隣設磁石と、条件4のドクタ磁石とを用いた条件では、上流側隣設磁極P6〜ドクタ磁極P7間の接線方向における磁束密度をより小さくしつつ、その上記ピーク点Paをよりドクターギャプに近づけている。このことにより、良好な剤搬送安定性やトナー帯電立ち上がり性を実現しつつ、トナーの添加剤残量をランク4まで向上させることができている。
【0061】
以上の結果から、規制磁石たるドクタ磁石について、現像スリーブ(22Y)の表面に対向する面と、上流側隣設磁石に対向する面との稜角部を面取りすることで、トナーの劣化をより抑え得ることがわかる。また、ドクタ磁極P7と上流側隣設磁極P6との間における接線方向(スリーブ表面と平行な方向)の磁束密度のピーク点Paを、法線よりも、スリーブ回転方向下流側に位置させることでも、トナーの劣化をより抑え得ることがわかる。更に、帯電立ち上がり性の試験からわかるように、面取りしたり、ピーク点Paを直行線よりも上流側に位置させたりすることで、トナーに過剰なストレスを与えずに、環境変動に対するトナー帯電安定性の安定化を有効に図ることができる。
【0062】
先に示した表1や表2における条件3と、条件4及び条件5とを比較すると、上記ピーク点Paの値については、ドクタ磁極P7の法線方向における磁束密度のピーク値の50[%]以下にすることが望ましいと考えられる。このようにすることで、トナーに過剰なストレスを与えることなく、十分なトナー帯電立ち上がり性を実現することができるからである。
【0063】
なお、これまでの試験では、マグネットローラ23の各磁石の形状や寸法を調整してドクターブレード(24Y)周辺の磁界の状態を変化させたが、磁石材料や磁石の配置角度などを調整して磁界の状態を変化させてもよい。
【0064】
本発明者らは、上述した各条件において、磁性キャリアの劣化進行度合いも試験してみた。具体的には、各現像装置試験機をそれぞれセットしたプリンタ試験機にて、二成分現像剤のトナー濃度が所定範囲になるようにトナー補給を行いながら、画像面積率50[%]のプリントアウトを40時間行った。この間、所定のタイミングで二成分現像剤を現像装置試験器から取り出した。そして、その二成分現像剤からトナーを取り除いた後、新品のトナーと混合し、ロールミルで攪拌してからトナーの帯電量を測定した。このトナーは劣化していない新品であるので、その帯電量は磁性キャリアがトナーを帯電させる能力に応じて異なってくる。即ち、磁性キャリアの劣化が進行しているほど、トナーの帯電量の測定値が低くなる。新品の磁性キャリアと新品のトナーとの組合せからなる新品二成分現像剤を同様にロールミルで攪拌した場合のトナーの平均的な帯電量に対する上記測定値の割合をパーセンテージで求めて、磁性キャリアの対トナー帯電性能を評価した。なお、この対トナー帯電性能の低下については、10[%]以下に留めることが望ましい。
【0065】
図11に、条件1及び条件5における磁性キャリアの劣化度合いを示すグラフである。図示のように、条件1では、運転開始から10時間後で、既に対トナー帯電性能が80[%]程度まで低下している。10時間で約20[%]も低下したのである。これに対し、条件5では、運転開始から40時間経過しても、90[%]以上の対トナー帯電性能を維持することができた。図には示していないが、条件4でも、40時間経過後の対トナー帯電性能は90[%]以上であった。この結果と、表2に示した角度dやd/θとを考慮すると、角度dについては、「d≦θ/3」を満たすように設定することが望ましいと考えられる。
【0066】
なお、表2に示した現像モータ駆動トルクについては、直径25[mm]の現像スリーブ(22Y)を用いたときの値であり、より径の小さい現像スリーブを用いれば、トルクの値も小さくなる。また、不動層のスリーブ回転方向における大きさ(角度d)については、ドクターブレード(24)の裏面側エッジ部と、上流側隣設磁極P6との角度をある程度広くとることによっても小さくすることができる。しかしながら、このようにすると、ドクターブレード(24Y)と上流側隣設磁極P6による磁界との間に拘束される二成分現像剤量のバラツキが大きくなるる。そして、結果として現像領域への現像剤搬送量の不安定化やトナー帯電量の不安定化を招来してしまうので、好ましくない。
【0067】
以上の試験結果に鑑みて、本実施形態に係るプリンタにおいては、各色の現像装置(20Y,M,C,K)として、上述の条件4又は条件5を具備するものを用いている。
【0068】
これまで説明した試験については、全てYトナーとして、重合法によって製造された球形トナーを用いて行った。その平均円形度、体積平均粒径は、それぞれ0.98、5.2[μm]であった。
【0069】
また、これまで説明した試験においては、トナーとして、トナー粒子に対して、0.7重量部のシリカと、0.3重量部の酸化チタンとからなる添加剤を添加したものを用いた。磁性キャリアとトナー粒子との物理的付着力を下げて、現像効率をさらに高めるべく、シリカの添加量を1重量部以上にすることも考えられるが、これは次の観点から好ましくない。即ち、帯電量変化に伴った環境変動に対する余裕度が低下したり、経時における磁性キャリアの汲上量(ドクターブレードを通過する単位面積当たりの磁性キャリアの量)が低下したりするのである。
【0070】
先に図5に示したように、本実施形態に係るプリンタの現像装置においては、規制部材たるドクターブレード(24)における二成分現像剤との当接面に、磁性材料からなる磁性部材を固定している。これは、本発明者らがこれまでの試験の積み重ねによって、次に説明する現象を見出したからである。即ち、従来の現像装置(20)においては、上述のように、比較的大きな不動層をドクターブレード(24)よりもスリーブ回転方向上流側に形成していた。このことにより、トナーや磁性キャリアの劣化を早めていたのであるが、不動層が有利な条件を生起していたこともわかった。比較的大きな不動層を形成していたことにより、ドクターギャプに安定した量の二成分現像剤が運ばれて、現像領域への現像剤搬送量やドクターギャプにおけるトナーの摩擦帯電性が安定化していたのである。不動層の周方向における大きさが小さくなれば、その分、ドクターギャプに運ばれる二成分現像剤の量が不安定になり、現像領域への現像剤搬送性や、トナーの摩擦帯電性に不安がでてくる。そこで、ドクターブレード(24)に磁性部材30Yを固定したのである。こうすることで、ドクタ磁極P7からの磁力線を、ドクターブレード(24)に向けて集中して延ばして、ドクターブレード(24)の近傍に集中的に二成分現像剤を滞留させることが可能になる。そして、滞留箇所よりも上流側における二成分現像剤量の変動を、この滞留分で吸収して、ドクターギャップに安定した量の二成分現像剤を送り込むことができる。なお、ドクターブレード(24)に磁性部材30Yを固定した例について説明したが、ドクターブレード(24)として、その全体あるいは一部に磁性材料を用いたものでも、同様の効果を得ることが可能である。
【0071】
ドクターブレード(24)に磁性部材30Yを固定したり、ドクターブレード(24)に磁性材料からなる磁性部を設けたりする場合には、その磁性部材30Y又は磁性部に対して、次のように配慮することが望ましい。即ち、磁性部材30Y又は磁性部における現像スリーブ(22)側とは反対側の端部を、スリーブ上の二成分現像剤が直接接触しないように非磁性材料で覆うのである。先に図5に示したように、本プリンタにおける現像装置(20)では、非磁性材料からなる現像ケース21Yの一部を利用して、磁性部材30Yにおける現像スリーブ側とは反対側の端部を覆っている。このように覆うことで、ドクターブレード(24)の裏面側(現像剤突き当たり面側)に二成分現像剤を着磁させてしまうことによるトルク上昇を抑えることができる。具体的には、磁性部材30Yや上記磁性部は、ドクタ磁極P7の磁力の影響によって磁気的に分極してしまう。例えば、ドクタ磁極P7におけるドクターブレード(24)との対向側端部がN極であれば、磁性部材30Yや上記磁性部における現像スリーブ(22)との対向側端部はS極に分極する。この一方で、磁性部材30Yや上記磁性部における反対側端部は、N極に分極して磁気を帯びる。この磁気の影響によって反対側端部の付近に拘束された二成分現像剤は、その下でスリーブ表面に連れ回ってドクターギャップを通過しようとする二成分現像剤を介して、現像モータに負荷をかけてしまう。そこで、磁気を帯びてしまう磁性部材30Yや上記磁性部における反対側端部を非磁性材料で覆って、そこに二成分現像剤を磁気的に拘束しないようにしているのである。
【0072】
マグネットローラ(23)としては、各磁極の磁力の強さが、ドクターブレード(24)よりも上流側に存在する二成分現像剤の密度ρを、二成分現像剤の圧縮密度ρTよりも小さくする値であるものを用いることが望ましい。密度が高すぎる二成分現像剤では、出力画像の粒状度を著しく低下させてしまうからである。なお、ドクターブレード(24)よりも上流側に存在する二成分現像剤とは、具体的には、規制磁極であるドクタ磁極P7と、上流側隣設磁極P6との間の磁界によって、現像スリーブ(22)表面に向けて引き寄せられている二成分現像剤である。かかる二成分現像剤の密度ρや、本プリンタに用いる二成分現像剤の圧縮密度ρTについては、次のようにして測定可能である。即ち、まず、ドクターブレード(24)よりも上流側に存在する二成分現像剤の現像スリーブ(22)上における断面積を上述の実体顕微鏡(オリンパス社製SZ−STB1)による撮影像に基づいて求める。そして、かかる二成分現像剤を、現像スリーブ(22)表面から採取して、その密度をJIS法に基づいて求める。求めた値が密度ρである。次に、上記現像剤収容部から二成分現像剤を採取し、それを試験管の中に、管開口位置ですり切って充填する。そして、その試験管の底を机にたたきつけるように2回タッピングする。このタッピングによって試験管内の二成分現像剤の嵩が減少した場合には、減少分だけ二成分現像剤をすり切り充填し、更に2回タッピングする。すり切り充填と、2回のタッピングとの組合せについては、10回までとする。組合せが10回到達する前に、タッピング後の剤減少が認められなかった場合には、その時点の二成分現像剤の密度を圧縮密度ρTとする。また、上記組合せを10回行った時点で更に剤減少が認められる場合には、その時点での密度を圧縮密度ρTとする。
【0073】
本発明に係るマグネットローラ(23)については、先に示した図4に示したように、汲み上げ磁極P4と、上流側隣設磁極P6とスリーブ回転方向における間にて、少なくとも1つの搬送磁極(本例では第1搬送磁極P5)を設けることが望ましい。この搬送磁極とは、汲み上げ磁極と上流側隣設磁極との間で、二成分現像剤をスリーブ表面に拘束して搬送するための磁極である。かかる搬送磁極を設けることが望ましいのは、次に説明する理由による。即ち、上述したように、不動層におけるスリーブ回転方向の大きさを小さくすると、トナーや磁性キャリアに対するストレスを有効に低減することができる一方で、ドクターギャップへの二成分現像剤の送り量を不安定にし易くなる。この送り量の不安定による現像領域への現像剤搬送量の不安定化や、トナー帯電量の不安定化を抑えるべく、本プリンタにおいてドクターブレード(24)に磁性部材(30Y)を固定していることは既に述べた通りである。しかしながら、現像剤搬送量の不安定化やトナー帯電量の不安定化は、上記現像剤収容部から現像スリーブ(22)表面への現像剤汲み上げ量の不安定化によるところが大きい。磁性部材(30Y)を設けてドクターブレード(24)の付近に、ある程度の量の二成分現像剤を確保しても、それよりも上流側から送られてくる二成分現像剤の量が大きく変動すれば、現像剤搬送量トナー帯電量の不安定化を生じてしまうおそれがある。そこで、汲み上げ磁極と上流側隣設磁極との間に、少なくとも1つの搬送磁極を設けるのである。そうすれば、現像剤収容部からの二成分現像剤の汲み上げ量の大きな変動を、搬送磁極(本例では第1搬送磁極P5)によってスリーブ表面に拘束している二成分現像剤の中である程度吸収させてから、ドクターブレード(24)の近傍に送ることができる。そして、このことにより、不動層におけるスリーブ回転方向の大きさを小さくしたことに起因する現像剤搬送量やトナー帯電量の不安定化を、更に確実に抑えることができる。
【0074】
本プリンタは、トナー像の形成に用いるY,M,C,Kトナーとして、次の(a)〜(d)の条件を何れも具備するものを使用するように、ユーザーに対して指定している。
(a)変性ポリエステル樹脂を基材として用いた重合法によって製造されたものである。
(b)重量平均粒径が4.0〜8.0[μm]であり、且つ粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が1.05〜1.30である。
(c)平均円形度が0.90以上、且つ1.00未満である。
【0075】
また、二成分現像剤に用いる磁性キャリアとして、次の条件(d)を具備するものを使用するように、ユーザーに対して指定している。
(d)体積平均粒径が25〜55[μm]である。
【0076】
かかるトナーや磁性キャリアを使用させるようにユーザーに指定する方法としては、例えば、上記(a)〜(c)の条件を全て具備するトナーや、(d)の条件を具備する磁性キャリアを、プリンタとともに梱包して出荷することが挙げられる。また例えば、かかるトナーや磁性キャリアの製品番号や商品名などを、プリンタ本体やこの取扱説明書などに明記することによって行ってもよい。また例えば、ユーザーに対して書面や電子データ等をもって上記製品番号や商品名などを通知することによって行ってもよい。また例えば、かかるトナーを収容しているトナー収容手段である上記トナーボトルをプリンタ本体にセットした状態で出荷することによって行うこともできる。本プリンタでは、これら全ての方法を採用しているが、少なくとも何れか1つの方法を採用すれば足りる。
【0077】
トナーとしては、上記(a)の条件を具備するものを指定したのは、次に説明する理由による。即ち、本発明者らは、互いに異なった基材を用いて、2種類のトナーを重合法によって製造した。具体的には、ウレア変性ポリエステル750部と、変性されていないポリエステル250部とを、酢酸エチルとメチルエチルケトン(以下、MEKという)との1:1混合溶剤に溶解、混合して、トナーバインダー溶液を得た。そして、これを減圧乾燥して、トナーバインダーを単離したものをトナーAとした。一方、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物354部と、イソフタル酸166部とを、ジブチルチンオキサイド2部の触媒を用いて重縮合して、トナーBを得た。これらトナーAと、トナーBとをそれぞれ用いて、上記条件4や条件5において、て文字画像をプリントアウトした。そして、得られた文字画像について、転写チリや白抜けのランクを評価した。すると、トナーAは、トナーBよりも明らかに転写チリや版画(白抜け)を抑えることがわかった。よって、基材として変性ポリエステルを用いた重合法によって製造されたものを用いることが望ましい。こうすることで、転写チリや版画を目立たないレベルに留めることができる
【0078】
変性ポリエステル樹脂を基材として用いた重合法によるトナーの製造方法の一例は、次の通りである。即ち、まず、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)とを、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下で、150〜280℃に加熱し、必要に応じて減圧しながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140[℃]にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに、このプレポリマー(A)にアミン類(B)を0〜140[℃]にて反応させ、変性ポリエステル(イ)を得る。上記(3)を反応させる際や、上記プレポリマー(A)と上記アミン類(B)とを反応させる際には、必要に応じて溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)など、上記イソシアネートに対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合で変性されていないポリエステル(ロ)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法でそのポリエステルを製造し、これを上記変性ポリエステル(イ)の反応完了後の溶液に溶解して混合すればよい。
【0079】
かかるトナー製造方法に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
【0080】
水系媒体中でイソシアネート基を有する上記プレポリマー(A)からなる分散体を、上記アミン類(B)と反応させて形成しても良いし、あらかじめ製造した上記変性ポリエステル(イ)を用いても良い。水系媒体中で上記変性ポリエステル(イ)や上記プレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、次のような方法が挙げられる。即ち、水系媒体中に上記変性ポリエステル(イ)や上記プレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法である。上記プレポリマー(A)と他のトナー組成物である着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などのトナー原料は、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合すればよい。また、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させるとより好適である。着色剤、離型剤、荷電制御剤などについては、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。例えば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
【0081】
分散については、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の分散設備を用いることができる。なかでも、分散体の粒径を2〜20[μm]にするには、高速せん断式が好適である。高速せん断式分散機を用いる場合、その回転数は特に限定されないが、通常は1000〜30000[rpm]、好ましくは5000〜20000[rpm]である。分散時間にも特に制限はないが、バッチ方式の場合は、0.1〜5分程度である。分散時の温度については、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温にするほど、上記変性ポリエステル(イ)や上記プレポリマー(A)からなる分散体の粘度を低くして、分散を容易に行うことができる。
【0082】
上記変性ポリエステル(イ)や上記プレポリマー(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量については、50〜2000重量部程度でよい。好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
【0083】
トナーとして、上記(b)の条件を具備するものを指定したのは、次に説明する理由による。即ち、粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)とは、トナーの粒度分布を表すパラメータの一つである。体積平均粒径Dvが4.0〜8.0[μm]の範囲内にあり、且つ、体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dnが1.05〜1.30、好ましくは1.10〜1.25である乾式トナーでは、トナーの粒度分布が狭くなるため、様々なメリットが発生する。
【0084】
例えば、トナーの中から、静電潜像のパターンに適した粒径のトナー粒子が他のトナーに優先して現像に寄与するといった現象が進みやすいため、様々なパターンの画像を安定して形成することが可能になるというメリットがある。また、感光体等の像担持体に残留したトナーを回収してリサイクル使用する構成を装置に採用している場合、転写されにくい小サイズのトナー粒子が量的に多くリサイクルされる。このようなリサイクルにおいて粒度分布の比較的大きいものを用いると、新たなトナー補給から次のトナー補給に至るまでの粒度変動が大きくなり、現像性能に悪影響を及ぼしてしまう。また、体積平均粒子径Dvが上述の範囲よりも小さいトナーでは、二成分現像剤として用いた場合に現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させる。また、一成分現像剤として用いた場合には現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させ易くなる。逆に、体積平均粒子系Dvが上述の範囲よりも大きいと、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることが多くなる。
【0085】
なお、トナーの粒度分布については、コールターカウンター法による測定装置、例えば、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)によって測定することができる。具体的には、まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。電解水溶液としては1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)を用いることができる。得られた溶液に更に測定試料を2〜20mg加える。そして、その溶液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、上述した測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径Dv、個数平均粒径Dnを求めることができる。なお、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満のトナー粒子を対象とする。
【0086】
トナーとして、上記(c)の条件を具備するものを指定したのは、次に説明する理由による。即ち、平均円形度が0.90未満であるトナー、即ち、球形としてよりも不定形としての形状にあるトナーでは、転写性が急激に悪化するとともに、静電転写時における転写チリを急激に起こし易くなるからである。また、0.90未満であると、適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのが困難になるからでもある。更には、平均円形度が0.99を越えると、ブレードクリーニングを採用している装置では、感光体や中間転写ベルトなどの被クリーニング体のクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こし易くなるからでもある。画像面積率の比較的低い画像を出力する場合には、転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることは少ない。しかし、カラー写真画像など画像面積率の高い画像を出力する場合や、給紙不良等で未転写の状態の画像が感光体上に残ってしまった場合などに、特にクリーニング不良が発生し易くなる。なお、より好ましい平均円形度の範囲は0.93〜0.97であり、円形度が0.94未満になるトナー粒子を10%以下に留めると更に好適である。
【0087】
トナーの平均円形度については、次のようにして測定することができる。即ち、まず、被検トナーのトナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的にその粒子画像を撮影する。そして、個々の粒子画像について、投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値を求めたものの平均値を算出する。この平均値が平均円形度である。かかる平均円形度を測定するには、例えばフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)などを用いるとよい。この装置を用いる場合には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に被検トナーを0.1〜0.5[g]程度加える。そして、この懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度を3000〜1[万個/μl]に調整したものを、上記装置にかけてトナーの形状及び分布を測定する。
【0088】
磁性キャリアとして、上記(d)の条件を具備するものを指定したのは、次に説明する理由による。即ち、体積平均粒径が25〜55[μm]と小径であることにより、良好なトナー被覆率となって、トナー飛散や地汚れを有効に抑えることができるからである。また、潜像に対してトナー像を忠実に再現することが可能になったり、忠実に再現したトナー像を長期に渡って安定して維持したりすることもできる。
【0089】
本プリンタにおいては、各感光体(11Y,M,C,K)の地肌部電位である非露光部の電位をED、露光部の電位(潜像電位)をEL、現像バイアスの値をEBでそれぞれ示した場合に、次式を具備するように構成されている。
【数3】
0<|ED|−|EB|<|ED−EL|<400[V]
【0090】
この関係式において、「|ED|−|EB|」は、地肌部と現像バイアス値との電位差を示している。また、「|ED−EL|」は、地肌部と露光部との電位差を示している。後者の電位差を前者の電位差よりも大きくすることで、地肌部へのトナー付着を有効に抑えることができる。また、後者の電位差を400[V]未満に抑えることで、電位差が多き過ぎることによる地肌部と露光部との間の放電を回避することができる。このことは、パッシェンの放電理論により裏付けられる。なお、現像バイアスは当然ながら直流バイアスである。
【0091】
これまで、本発明を適用した現像装置やプリンタの実施形態について説明したが、本発明は、プロセスユニット(10Y,M,C,K)についても適用が可能である。このプロセスユニットとは、少なくとも、感光体等の潜像担持体と、現像装置とが1つの支持体によってユニット化されたものである。また、二成分現像方式の現像装置やプリンタについて説明したが、一成分現像方式で且つ磁性トナーを主成分とする一成分現像剤を用いる現像装置、プリンタ、プロセスユニットなどにも本発明の適用が可能である。
【0092】
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、規制磁石たるドクタ磁極について、現像剤担持体たる現像スリーブ(22)の表面に対向する面と、上流側隣設磁石に対向する面との稜角部を面取りしている。よって、既に述べたように、ドクターブレード(24)と上流側隣設磁極P6との角度を広くとって不動層の大きさを小さくすることによる現像剤搬送量やトナー帯電量の不安定化を生ずることなく、不動層の大きさを十分に小さくしてトナーや磁性キャリアの劣化を抑えることができる。
【0093】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、上記ピーク点Paの値を、規制磁極たるドクタ磁極P7による法線方向の磁束密度のピーク値の50[%]以下にしている。かかる構成では、既に述べたように、トナーに過剰なストレスを与えることなく、十分なトナー帯電立ち上がり性を実現することができる。
【0094】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、規制部材たるドクターブレード(22)に、磁性材料からなる磁性部材(30)を固定している。かかる構成では、既に述べたように、不動層のスリーブ回転方向における大きさを小さくしても、ドクターブレード(24)の近傍に集中的に二成分現像剤を滞留させて、その滞留箇所よりも上流側における二成分現像剤量の変動を滞留箇所である程度吸収させる。そして、ドクターギャップに安定した量の二成分現像剤を送り込んで、不動層の大きさを小さくしたことによる現像領域への現像剤搬送量やトナー帯電量の不安定化を抑えることができる。
【0095】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、上記磁性部材(30)における現像スリーブ(22)側とは反対側端部を、現像スリーブ上の二成分現像剤が直接接触しないように非磁性材料からなる現像ケース(21)で覆っている。かかる構成では、既に述べたように、磁気を帯びてしまう磁性部材(30)の上記反対側端部を非磁性材料で覆ってそこにおける二成分現像剤を磁気的な拘束を回避することで、現像モータ駆動トルクを低減することができる。
【0096】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、磁力発生手段たるマグネットローラ(23)として、各磁極の磁力が、ドクターブレード(24)もスリーブ回転方向上流側に存在する二成分現像剤の密度ρを、二成分現像剤の圧縮密度ρTよりも小さくする強さであるものを用いている。かかる構成では、既に述べたように、現像領域に搬送される二成分現像剤の密度ρが高すぎることによる出力画像の粒状度の著しい低下を回避することができる。
【0097】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、汲み上げ磁極P4と、上流側隣設磁極P6とのスリーブ回転方向における間で、二成分現像剤を現像スリーブ(22)の表面に拘束して搬送するための搬送磁極Pを、少なくとも1つ(第1搬送磁極P5)設けている。かかる構成では、既に述べたように、不動層におけるスリーブ回転方向の大きさを小さくしたことに起因する現像剤搬送量やトナー帯電量の不安定化を、更に確実に抑えることができる。
【0098】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、潜像の現像に用いるトナーとして、上記(a)の条件を具備するものを指定している。かかる構成では、指定したトナーが用いられる限り、転写チリや版画を目立たないレベルに留めることができる。
【0099】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、潜像の現像に用いるトナーとして、上記(b)の条件を具備するものを指定している。かかる構成では、指定したトナーが用いられる限り、安定した現像性能で現像された高画質の画像を得ることができる。
【0100】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、潜像の現像に用いるトナーとして、上記(c)の条件を具備するものを指定している。かかる構成では、指定したトナーが用いられる限り、安定した静電転写率を発揮して転写不足を抑えながら、転写チリをも抑えた高画質の画像を形成することができる。
【0101】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、二成分現像剤に用いる磁性粒子として、上記(d)の条件を具備するものを指定している。かかる構成では、指定した磁性粒子が用いられる限り、トナー飛散や地汚れを有効に抑えることができる。更には、潜像に対してトナー像を忠実に再現したり、忠実に再現したトナー像を長期に渡って安定して維持したりすることもできる。
【0102】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、非露光部電位ED、露光部電位EL、現像バイアスEBについて、上記数3で示した関係式を具備させるように設定している。かかる構成では、既に述べたように、地肌部へのトナー付着を有効に抑えつつ、地肌部と露光部との電位差を大きくし過ぎたことによる両者間での放電を回避することができる。
【0103】
【発明の効果】
請求項1乃至12の発明によれば、二成分現像剤や磁性一成分現像剤の劣化進行を確実に抑えることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の二成分現像方式の現像装置における部分構成を示す拡大図。
【図2】実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図3】同プリンタにおけるイエロー用のトナー像形成部の概略構成を転写ユニットの一部とともに示す拡大構成図。
【図4】同プリンタの現像装置の現像スリーブ表面上における磁界を示す模式図。
【図5】同現像装置のドクターブレードと、これの周囲とを示す拡大構成図。
【図6】同現像装置の現像スリーブ及びマグネットローラの一部と、スリーブ表面における磁界の状態とを示す模式図。
【図7】比較例の現像装置における現像スリーブ及びマグネットローラの一部と、その表面上の磁界の状態とを示す模式図。
【図8】実施形態に係るプリンタの現像装置における現像スリーブ及びマグネットローラの一部と、その表面上の磁界の状態とを示す模式図。
【図9】同ドクターブレードの裏面側先端エッジと、不動層の後端とのなす角度dを説明する模式図。
【図10】条件1、5をそれぞれ具備する2つの現像装置試験機における空動作時間と添加剤残量ランクとの関係を示すグラフ。
【図11】条件1及び条件5における磁性キャリアの劣化度合いを示すグラフ。
【符号の説明】
21Y 現像ケース(非磁性材料)
22Y 現像スリーブ(現像剤担持体)
23Y マグネットローラ(磁力発生手段)
24Y ドクターブレード(規制部材)
29Y 現像剤収容部
30Y 磁性部材
P7 ドクタ磁極(規制磁極)
P6 上流側隣設磁極
P5 第1搬送磁極(搬送磁極)
P4 汲み上げ磁極
Pa ピーク点
LY 直行線
Claims (12)
- 現像剤を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部内の現像剤を移動する表面に担持する現像剤担持体と、該表面に沿うように配設された複数の磁石の発する磁力によって現像剤を該表面に引き寄せる磁力発生手段と、該表面に担持された現像剤の層厚を規制する規制部材とを備え、画像形成装置の潜像担持体に担持される潜像を該表面に担持した現像剤によって現像する現像装置において、
複数の上記磁石のうち、上記規制部材に対向するように配設され、且つ規制磁極を有する磁石である規制磁石について、上記表面に対向する面と、上記規制磁極に対して上記現像剤担持体の表面移動方向の上流側で隣り合うように配設され、且つ上流側隣設磁極を有する磁石である上流側隣設磁石に対向する面との稜角部を面取りし、
且つ、上記現像剤担持体における上記規制磁極と上記上流側隣設磁極との間の表面箇所における該表面箇所と平行な方向の磁束密度のピーク点を、該表面箇所で両磁極による法線方向の磁束密度がゼロになる点よりも該表面移動方向の下流側であって且つ該規制磁極に対向する領域に位置させるように、上記磁力発生手段を構成したことを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記ピーク点の値を、上記表面における上記規制磁極による法線方向の磁束密度のピーク値の50[%]以下にしたことを特徴とする現像装置。 - 請求項1又は2の現像装置において、
上記規制部材の少なくとも一部を磁性材料で構成するか、あるいは該規制部材に磁性材料からなる磁性部材を固定するかしたことを特徴とする現像装置。 - 請求項3の現像装置において、
上記規制部材の上記磁性材料で構成された箇所、あるいは上記磁性部材、における上記現像剤担持体側とは反対側の端部を、該現像剤担持体上の現像剤が直接接触しないように非磁性材料で覆ったことを特徴とする現像装置。 - 請求項4の現像装置において、
上記現像剤収容部内の現像剤を表面移動する上記現像剤担持体に引き寄せて汲み上げさせるための磁極である汲み上げ磁極と、上記上流側隣設磁極との上記表面移動方向における間で、現像剤を該現像剤担持体の表面に拘束して搬送するための搬送磁極を、少なくとも1つ設けたことを特徴とする現像装置。 - 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備え、該潜像担持体上の潜像を該現像手段によって現像してトナー像を得る画像形成装置において、
上記現像手段として、請求項1乃至5の何れかの現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
上記潜像の現像に用いられるトナーを収容するトナー収容手段を設け、変性ポリエステル樹脂を基材として用いた重合法によって製造されたトナーを該トナー収容手段に収容したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
上記潜像の現像に用いるトナーとして、変性ポリエステル樹脂を基材として用いた重合法によって製造されたものを指定したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6乃至8の何れかの画像形成装置において、
上記潜像の現像に用いるトナーとして、重量平均粒径が4.0〜8.0[μm]であり、且つ粒径分布が1.25以下であるものを指定したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6乃至9の何れかの画像形成装置において、
上記潜像の現像に用いるトナーとして、平均円形度が0.90以上、且つ1.00未満であるものを指定したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6乃至10の何れかの画像形成装置において、
上記現像剤として、トナーと磁性粒子とを含有する二成分現像剤を用いるようにし、且つ、該磁性粒子として、体積平均粒径が25〜55[μm]であるものを指定したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6乃至11の何れかの画像形成装置において、
上記現像装置として、上記現像剤担持体に直流の現像バイアスが印加されるものを用いるとともに、上記潜像担持体として、表面に形成された感光層の露光部の電位を減衰させて上記潜像を担持する感光体を用い、且つ、該感光層の非露光部の電位をED、露光部の電位をEL、上記現像バイアスの値をEBでそれぞれ示した場合に、次の関係式を満足させたことを特徴とする画像形成装置。
【数1】
0<|ED|−|EB|<|ED−EL|<400[V]
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