JP4632717B2 - フッ素系高分子固体高分子電解質膜、フッ素系高分子固体高分子電解質膜積層体、膜/電極接合体及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents
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Description
このような目的に用いられる高分子固体電解質膜材料には、優れたプロトン伝導度、適度な保水性、水素ガス、酸素ガス等に対するガスバリア性などが要求される。このような要件を満たす材料として、スルホン酸基やホスホン酸基を主鎖、あるいは側鎖の末端に有する高分子が種々検討され、例えば非特許文献1に記載されるように、スルホン化ポリスチレンなど多くの材料が提案されてきている。
このため、現在、実用化に向けた検討としては、下記一般式(1):
しかし、これらのパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーは、ガラス転移点が実使用温度域に近いことが良く知られ、この結果、室温程度での運転では充分な物理強度をもつが、90℃以上の温度領域では物理強度が不十分である。
この課題を解決するために、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)多孔膜などで補強を施した膜(例えば特許文献1,2)も開発され、未補強の膜に比べると高い力学強度を発揮しているが、やはり90℃以上の高温での連続運転には耐えなかった。
(1)コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理から選ばれた少なくとも1種類以上の表面処理が施された、打ち抜き、ドリル、炭酸ガスレーザー、エキシマーUVレーザ−のいずれかにより開孔された真円、または長軸と短軸の比が1.1〜10の孔を有する多孔性芳香族ポリアミドフィルムを補強材として有し、かつ、120℃以上の熱処理が施されたことを特徴とするフッ素系高分子固体電解質膜。
(2)該フッ素系高分子固体電解質膜がパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー(a)と、塩基性重合体(b)を含有し、該(a)と該(b)全体の含有率が、該フッ素系高分子固体電解質膜中1〜50体積%であり、かつ、該(a)の含有率([(a)/((a)+(b))]×100)が50.00〜99.999質量%、該(b)の含有率([(b)/((a)+(b))]×100)が0.001〜50.00質量%である事を特徴とする(1)に記載のフッ素系高分子固体電解質膜。
(3)(1)又は(2)に記載のフッ素系高分子固体電解質膜を2枚以上積層させてなる事を特徴とするフッ素系高分子固体電解質膜積層体。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のフッ素系高分子固体電解質膜或いはフッ素系高分子固体電解質膜積層体を介して、アノードとカソードが対向してなる膜/電極接合体。(5)(4)に記載の膜/電極接合体を包含して成る事を特徴とする固体高分子型燃料電池に関する。
本発明のフッ素系高分子固体電解質膜に補強材料として用いられる芳香族ポリアミドフィルムについて説明する。
本発明のフッ素系高分子固体電解質膜に補強材料として用いられる芳香族ポリアミドフィルムには、メタ配向型芳香族ポリアミドまたはパラ配向型ポリアミドが用いられる。特に好ましくは機械的強度、耐熱性の点からパラ配向型芳香族ポリアミドが用いられる。パラ配向型芳香族ポリアミドは、式(2)で表される3種類の繰り返し単位から選択された繰り返し単位より構成される単独重合体或いは共重合体である。但し、式(2)中(c)及び(d)を用いる場合は必ず他の繰り返し単位との共重合体となってポリアミド構造を形成する。
この様な2価の芳香族基の具体例としては、パラフェニレン、4、4’−ビフェニレン、1、4−ナフチレン、1、5−ナフチレン、2、5−ピリジレン等が挙げられる。それらはハロゲン、低級アルキル、ニトロ、メトキシ、シアノ基などの非活性基で1又は2以上置換されていてもよい。
また、これらの2価の芳香族として、式(3)で表される形の2価の基も挙げられる。
具体的には、カルボン酸基をまず酸ハライド、酸イミダソライド、エステル等に誘導した後に、アミノ基と反応させる方法が用いられる方法が用いられ、重合の形式もいわゆる低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法等を用いることができる。
本発明に用いられる補強材としての芳香族ポリアミドフィルムの製膜法としては、特に限定されないが湿式製膜、乾式製膜等一般的に用いられている方法が用いられる。
本発明のフッ素系高分子固体電解質が有する補強材は多孔性フィルムの態様で使用する事ができるので次に多孔性フィルムについて説明する。ここに、補強材は、本発明のフッ素系高分子固体電解質膜中に含有されているものをいい、補強材がフッ素系高分子固体電解質膜中に包埋されていることが好ましい。
膜厚みは、0.1μm以上、20μm以下、好ましくは10μm以下である。膜厚が厚いほど、燃料電池としての初期特性は悪くなる。
本発明の多孔性フィルムの孔径は、直径として0.001μm〜500μmの範囲である事が好ましく、より好ましくは1μm〜450μmの範囲である。0.001μm未満では、フッ素系高分子固体電解質が十分に孔に充填されず、ボイドを形成してしまい、充分なイオン伝導性を達成できず好ましくない。一方500μmを超えると、補強材としての補強効果が十分に発揮できず好ましくない。
孔の形状としては、通常真円が用いられるが、特に長軸と短軸の比が1.1〜10の孔を用いると機械的強度を低下させることなく開孔率を向上させることができるため、イオン伝導性が確保できるので好ましい。
尚、長軸と短軸の比が1.1〜10の孔を有する多孔性フィルムの場合、フィルム中に存在する各々の孔は長軸、短軸の方向が各々配向していてもしていなくてもかまわない。
具体的には、打ち抜きによる開孔では、多数の孔形状を形成した金型を取り付けたNC制御打ち抜き加工機が好適に用いられる。
ドリルについて説明すると、通常プリント配線板の穴あけ加工で使用されるNC制御ドリル加工機が好適に用いられる。
炭酸ガスレーザー、エキシマーUVレーザーについては、高密度プリント配線板であるビルドアッププリント配線板の穴あけ加工に用いられるレーザー加工機が好適に用いられる。
本発明のフッ素系高分子固体電解質に補強材として用いられる多孔性フィルムは表面処理されていることが特徴であるため、次に本発明で用いられる表面処理について説明する。
本発明で用いられる表面処理としては、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理が挙げられる。中でも、生産性の面からコロナ放電処理が好ましい。
印加する電力は、フィルムの厚み、ポリマー組成、表面性等によっても異なり、条件を選定する必要があるが、通常30〜600W/m2/分、好ましくは50〜300W/m2/分の電力密度の範囲が用いられる。印加電力が低すぎると芳香族ポリアミドフィルムと高分子固体電解質の密着性が不十分となる。一方、印加電力が高すぎるとフィルムの特性を損ねたり、しわの発生があったり、表面粗さを損ねるなどの問題が発生する。
紫外線処理時に使用されるガスとしては、酸素、4フッ化炭素ガス、水素ガス、アルゴンガス、窒素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガスなどを単独あるいは混合しても用いてもかまわない。もちろん、空気中での紫外線処理でもかまわない。照射される紫外線の波長は、400nm以下である。400nmを超えると体との接着強度が不十分となる。用いる紫外線照射ランプとしては、低圧水銀灯(紫外線波長:185nm及び254nm)、キセノンエキシマーランプ(紫外線波長172nm)などが好適に用いられる。
照射時の紫外線とフィルムの間隔は、好ましくは10cm以下、より好ましくは5cm以下、さらに好ましくは4cm以下である。10cmを超えると芳香族ポリアミドフィルムと高分子固体電解質との密着性が不十分となる。
次に本発明で用いることが可能なプラズマ処理について説明する。
プラズマ処理に使用されるガスとしては、酸素ガス、4フッ化炭素ガス、水素ガス、アルゴンガス、窒素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガスなどであり、単独で用いても混合して用いてもかまわない。
プラズマの方式としては、バレルタイプ、平行平板タイプが好ましく、また、処理モードとしては、HOT電極上に試料を設置するRIEモード、Ground電極上に試料を設置するPEモード、さらには、電極外部に試料を設置するリモート法などが好ましく用いられる。
プラズマ処理時間としては、好ましくは0.01秒〜30分、より好ましくは0.1秒から15分の範囲である。0.01秒を下回ると改質が不十分となる。一方、30分を越えると樹脂表面の劣化が進行する。
本発明のフッ素系高分子固体電解質膜に用いる補強材としての芳香族ポリアミドフィルムは、前述のように、孔を開ける工程の後に表面処理工程を実施してもかまわず、表面処理を行ってから、孔を開けてもよいが、孔を開けてから表面処理をしたほうが好ましい。
本発明で用いられる高分子固体電解質膜を構成する電解質成分は、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーと、添加剤としての塩基性重合体とからなることを特徴とする。
そこで、先ず、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーについて説明する。
パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーは具体的には、下記一般式(1)で表される。
このポリマーは、通常、パーフルオロビニルエーテルモノマーとテトラフルオロエチレン(TFE)を共重合して得られる熱可塑性の下記一般式(5)で表されるパーフルオロカーボンスルホニルフルオライドポリマーを加水分解反応を施すことによって得られる。
本発明のフッ素系高分子固体電解質膜では、特に塩基性重合体を電解質成分に添加剤として含有させることによって耐久性が飛躍的に向上する。本発明の高分子電解質膜に用いる塩基性重合体としては、特に限定されないが、窒素含有脂肪族塩基性重合体や窒素含有芳香族塩基性重合体が挙げられる。
ポリベンズイミダゾールとしては、化学式(6)、化学式(7)に表される化合物、化学式(8)で表されるポリ2,5−ベンズイミダゾール等が挙げられる。
塩基性重合体(b)の含有率は、上記のように成分(a)と成分(b)の合計質量に対して0.001〜50.000質量%であり、好ましくは0.005〜20.000質量%、より好ましくは0.010〜10.000質量%、さらに好ましくは0.100〜5.000質量%、最も好ましくは0.100〜2.000質量%である。塩基性重合体(b)の含有率を上記の範囲(0.001〜50.000質量%)に設定することにより、良好なプロトン伝導度を維持したまま、高耐久性を有する高分子固体電解質膜を得ることができる。
熱処理温度は、好ましくは120℃以上300℃以下、更に好ましくは160℃以上である250℃以下である。
熱処理温度が低いと補強材である多孔性フィルムと電解質組成物間の密着力が確保できず好ましくない。一方、熱処理温度が高いと電解質組成物が変質する可能性があり好ましくない。熱処理の時間は、熱処理温度にもよるが、好ましくは5分以上3時間以下、更に好ましくは10分以上2時間以下である。
本発明のフッ素系高分子固体電解質膜においては、膜厚方向の断面の15μm´15μmの領域を透過型電子顕微鏡(以下、「TEM」と称する)で観察したときに電解質組成物を構成するパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーと塩基性重合体が海/島構造を示すことが好ましい。ここで言う海/島構造とは、染色処理を施さずに電子顕微鏡観察を行った時の電子顕微鏡像に黒い島粒子が灰色あるいは白色の海(連続相)に分散した状態のことを指す。島粒子の形状は、円形、楕円形、多角形、不定形など、特に限定されない。島粒子の直径(又は長径や最大径)は0.01〜10μmの範囲にある。海/島構造において、黒い島粒子のコントラストは主に塩基性重合体(b)に起因し、白色の海(連続相)の部分は主にパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー(a)に起因する。
このような海/島構造を有することは、塩基性重合体(b)を主体とする部分がパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー(a)を主体とする部分中に均一に微分散していることを表しており、より高い耐久性を得ることができる。
本発明の高分子固体電解質膜のイオン交換容量としては特に限定されないが、1g当たり0.50〜4.00ミリ当量が好ましく、より好ましくは0.83〜4.00ミリ当量、最も好ましくは1.00〜1.50ミリ当量である。より大きいイオン交換容量の高分子固体電解質膜を用いる方が、高温低加湿条件下においてより高いプロトン伝導性を示し、燃料電池に用いた場合、運転時により高い出力を得ることができる。
また、本発明の高分子固体電解質膜におけるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー(a)と塩基性重合体(b)の状態は上述の要件を具備する限り特に限定されないが、例えば、成分(a)と成分(b)が単純に物理混合している状態でもよいし、成分(a)の少なくとも一部と成分(b)の少なくとも一部が互いに反応している状態(例えば、イオン結合して、酸塩基のイオンコンプレックスを形成している状態や、共有結合している状態)でもよい。
本発明の高分子固体電解質膜を固体高分子形燃料電池に用いる場合、本発明の高分子固体電解質膜がアノードとカソードの間に密着保持されてなる膜/電極接合体(membrane/electrodeassembly)(以下、しばしば「MEA」と称する)として使用される。ここでアノードはアノード触媒層からなり、プロトン伝導性を有し、カソードはカソード触媒層からなり、プロトン伝導性を有する。また、アノード触媒層とカソード触媒層のそれぞれの外側表面にガス拡散層(後述する)を接合したものもMEAと呼ぶ。
MEAの作製方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。まず、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーをアルコールと水の混合溶液に溶解したものに、触媒として市販の白金担持カーボン(例えば、田中貴金属(株)製TEC10E40E)を分散させてペースト状にする。これを2枚のPTFEシートのそれぞれの片面に一定量塗布して乾燥させて触媒層を形成する。次に、各PTFEシートの塗布面を向かい合わせにして、その間に本発明の高分子固体電解質膜を挟み込み、100〜200℃で熱プレスにより転写接合してから、PTFEシートを取り除くことにより、MEAを得ることができる。 当業者にはMEAの作製方法は周知である。MEAの作製方法は、例えば、JOURNAL OF APPLIED ELECTROCHEMISTRY,22(1992)p.1−7に詳しく記載されている。
電子伝導性材料としては、その表面に燃料や酸化剤等のガスを流すための溝を形成させたグラファイトまたは樹脂との複合材料、金属製のプレート等の集電体を用いる。上記MEAがガス拡散層を有さない場合、MEAのアノードとカソードのそれぞれの外側表面にガス拡散層を位置させた状態で単セル用ケーシング(例えば、米国エレクトロケム社製 PEFC単セル)に組み込むことにより固体高分子形燃料電池が得られる。
燃料電池の運転は、一方の電極に水素を、他方の電極に酸素または空気を供給することによって行われる。燃料電池の作動温度は高温であるほど触媒活性が上がるために好ましい。通常は、水分管理が容易な50〜80℃で作動させることが多いが、80℃〜150℃で作動させることもできる。
フッ素系高分子固体電解質として、[CF2CF2]0.812−[CF2−CF(−O−(CF2)2−SO3H)]0.188で表されるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー(以下、「PFS」と称する)を用いて、PFS/PBI=100/1(質量比)のフッ素系高分子固体電解質溶液(キャスト液D)を以下のように製造した。
重量平均分子量が27000であるポリ[2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール](シグマアルドリッチジャパン(株)製、以下PBIと称する)をDMACとともにオートクレーブ中に入れて密閉し、200℃まで昇温して5時間保持した。その後、オートクレーブを自然冷却して、PBI/DMAC(ジメチルアセトアミド)=10/90(質量%)の組成のPBI溶液を得た。このPBI溶液の固有粘度は0.8(dl/g)であった。さらに、このPBI溶液をジメチルアセトアミドで10倍に希釈して、PBI/DMAC=1/99(質量%)の組成の前段階溶液Aを作製した。
次に40.0gの前段階溶液Cに6.5gの前段階溶液Aを添加し混合した後、68.9gの前段階溶液Bを加えて攪拌し、さらに80℃にて減圧濃縮してキャスト液Dを得た。このキャスト液中のPFSとPBIの濃度は、各々5.600質量%と0.056質量%であった。
10cm×10cmの枚葉の芳香族ポリアミドフィルム(商品名 アラミカ 帝人アドバンスドフィルム製)に孔を開けた。膜厚み、孔形状、配列、開孔率を表1に示す。次に、この所定の開孔率にした芳香族ポリアミドフィルムの両面にそれぞれ表面処理を施し補強材とした。実施例1〜3、及び9では、コロナ放電処理を施し、実施例4,5、6では紫外線照射を施し、実施例7,8ではプラズマ処理を多孔性芳香族ポリアミドフィルムの両面に施した。各表面処理条件を表1に示す。
一方、実施例4、5では、あらかじめPTFEシートに前述の高分子溶液をキャストし、室温で乾燥後、オーブンを用いて100℃で1時間乾燥させることによって作成したフィルムにて、補強材としての多孔性芳香族ポリアミドフィルムを挟み込み、200℃1時間で真空プレスで成形することによって、高分子固体電解質膜を作成した。
このようにして作成した高分子固体電解質膜を以下の方法で評価したが、何れも良好な特性を示した。結果は表1に示す。
高分子固体電解質膜を95℃の湯中で処理した後に、膨潤状態のまま幅1cm、長さ7cmに切出し、厚みT を測定した。このサンプルを膨潤状態のまま伝導度を測定する2端子式の伝導度測定セルに装着した。このセルを95℃のイオン交換水中に浸漬し、交流インピーダンス法により周波数10kHzにおける抵抗値Rを測定し、以下の式からプロトン伝導度σを算出した。
σ=L /(R ×T ×W )
σ:プロトン伝導度(S/cm)
T :厚み(cm)
R :抵抗値(Ω)
L :2端子間距離(=5cm)
W :サンプル幅(=1cm)
(乾湿寸法変化)
高分子固体電解質膜を5cm角に切り出し、95℃の湯中に5分間浸漬した。そして浸漬後の長さを浸漬前の長さで除してその変化を求めた。
表1に示すような構成で高分子固体電解質膜を作成した。比較例1は、補強材としての芳香族ポリアミドフィルムを用いず参考例1で製造したフッ素系高分子固体電解質溶液をキャスト法により作成したものである。比較例2は補強材としての多孔性芳香族ポリアミドフィルムに表面処理を施さなかった以外は実施例1と同様の方法で高分子固体電解質膜を製造したものである。
比較例1では、乾湿寸法変化が、20%となった。比較例2では芳香族ポリアミドフィルムと高分子固体電解質の間に剥離が生じた。
である。
Claims (5)
- コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理から選ばれた少なくとも1種類以上の表面処理が施された、打ち抜き、ドリル、炭酸ガスレーザー、エキシマーUVレーザ−のいずれかにより開孔された真円、または長軸と短軸の比が1.1〜10の孔を有する多孔性芳香族ポリアミドフィルムを補強材として有し、かつ、120℃以上の熱処理が施されたことを特徴とするフッ素系高分子固体電解質膜。
- 該フッ素系高分子固体電解質膜がパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー(a)と、塩基性重合体(b)を含有し、該(a)と該(b)全体の含有率が、該フッ素系高分子固体電解質膜中1〜50体積%であり、かつ、該(a)の含有率([(a)/((a)+(b))]×100)が50.00〜99.999質量%、該(b)の含有率([(b)/((a)+(b))]×100)が0.001〜50.00質量%である事を特徴とする請求項1に記載のフッ素系高分子固体電解質膜。
- 請求項1又は2に記載のフッ素系高分子固体電解質膜を2枚以上積層させてなる事を特徴とするフッ素系高分子固体電解質膜積層体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素系高分子固体電解質膜或いはフッ素系高分子固体電解質膜積層体を介して、アノードとカソードが対向してなる膜/電極接合体。
- 請求項4に記載の膜/電極接合体を包含してなる事を特徴とする固体高分子型燃料電池。
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