JP4596810B2 - 脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造法 - Google Patents
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例えば、高分子量脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を製造する方法として、ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体を一度脱水縮合した後に、加熱分解してヒドロキシカルボン酸環状2量体エステルを生成させ、これを触媒の存在下で開環重合する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
高分子量脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を製造する方法として、ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体を含む原料を、直接、重縮合させる方法も知られている。
重縮合法としては、例えば、(a)樹脂の融点以上で重縮合反応を行う、いわゆる溶融重合法、(b)有機溶媒存在下で重縮合反応を行う、いわゆる溶液重合法、更には、(c)樹脂の融点以下で固体状態を維持したまま重縮合反応を行う、いわゆる固相重合法等がある。
これに対し、固相重合法は、容積効率が高い等の利点を有する優れた方法であり、既にいくつかの開示がある。
また、特許文献3には、グリコール酸及び/又は乳酸を重縮合して脂肪族ポリエステルを製造する際、グリコールを添加することを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造方法が提案されており、該公報には、重縮合反応の一部に固相重合を行うことができる旨の記載があるが、十分な機械的物性を有する高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を得るには至っていない。また、固相重合方法の詳細についての記載はなく、減圧条件下で固相重合する方法のみが記載されている。
一般的に、ポリアミド等の分子量をヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし、GPC法により測定する場合、ヘキサフルオロイソプロパノールにはトリフルオロ酢酸ナトリウム等の塩を溶解して測定する。
1)重縮合により脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を製造するのに際し、重縮合反応の少なくとも一部の工程において、結晶化処理された脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーを1kPa以下の圧力条件下、90m/hr以上の空塔速度でガスを流通させながら固体状態を維持する温度で固相重合して脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を製造することを特徴とする脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
2)ガスを流通させる空塔速度が250,000m/hr以下であることを特徴とする上記1)記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
3)ガスの流通量が脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸1kg当たり、50リットル/hr以下であることを特徴とする上記1)又は2)記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
4)固定床型反応機で固相重合を行なうことを特徴とする上記1)〜3)のいずれか1つに記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
5)移動床型反応機で固相重合を行なうことを特徴とする上記1)〜3)のいずれか1つに記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
6)脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーを流通ガスと交流接触させて固相重合を行うことを特徴とする上記5)記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
7)縦型反応器で固相重合を行なうことを特徴とする上記1)〜6)のいずれか1つに記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
8)結晶化処理された脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーの重量平均分子量が、25,000以上であることを特徴とする上記1)〜7)のいずれか1つに記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
9)脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸が、脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を80モル%以上含有することを特徴とする上記1)〜8)のいずれか1つに記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
10)脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸単位を80モル%以上含有することを特徴とする上記1)〜9)のいずれか1つに記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
11)固相重合を行う際の反応温度が100℃以上脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物の融点未満であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1 項に記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
本発明における、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸とは、脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を主たる繰り返し単位構造として含有する結晶化可能な樹脂のことをいう。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位の含有率が50mol%未満の場合には、結晶性が著しく低くなり、固相重合中に脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸賦形化物が極めて強固に融着する場合がある。脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸中の脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位の含有率は80mol%以上であることが好ましい。
このような脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸は、脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位からなるホモポリマー、コポリマー、或いは、これらの混合物であってよい。
本発明において用いられるコポリマーとは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体であってよく、更に、混合物とは、ポリマーブレンド、ポリマーアロイの概念を含むものである。
本発明において用いられる脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸は、従来公知の製造方法によって製造することが可能である。
上記の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法の内、重縮合によって脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を製造する方法は、少ない工程数で脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸が製造可能であるため、好ましく用いられる。
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を製造するために用いられる脂肪族ヒドロキシカルボン酸の誘導体としては、例えば、上記の脂肪族ヒドロキシカルボン酸の重縮合物や、上記のヒドロキシカルボン酸と炭素数1以上10以下の単官能性アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール等とのエステル等や、例えばグリコリド、ラクチド、グリコール酸と乳酸とからなる環状2量体エステル等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる環状2量体エステル類や、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状エステルであるラクトン等が挙げられる。これらは単独で、又は二種以上混合して併用することも可能である。また、単位構造内に不斉炭素原子を有し、光学異性体が存在する化合物は、そのいずれをも用いることができる。
本発明において、脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体と共に用いることのできる他の共重縮合成分としては、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体、ポリオール、ポリカルボン酸及び/又はその誘導体、アミノ酸、多価アミン、ラクタム等を挙げることができる。このような共重縮合成分は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を製造する際に共重合成分として用いることが可能なポリオールとしては、1分子中に水酸基を2個以上含む化合物が挙げられ、炭素数2〜20のポリオールが好ましい。
これらは単独で、又は二種以上混合して用いることができる。これらの内、分子内に不斉炭素原子を有し、光学異性体が存在する化合物は、そのいずれをも用いることができる。
このようなポリカルボン酸として、例えば、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、フマル酸、マレイン酸、ジグリコール酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、プロパントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸等の脂肪族トリカルボン酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸等の芳香族トリカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸等のテトラカルボン酸等が挙げられる。これらは単独、又は2種以上混合して用いることができる。
これらのポリカルボン酸の内、より好ましくは、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ジグリコール酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸及び/又はその誘導体、プロパントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸等の脂肪族トリカルボン酸及び/又はその誘導体、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸等の芳香族トリカルボン酸及び/又はその誘導体が用いられる。
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を製造する際に共重合成分として用いることが可能な 多価アミンとしては、炭素数0〜20の多価アミンが好ましい。このようなアミンとして、例えば、ヒドラジン、メチルヒドラジン、モノメチレンジアミン、ジメチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等が挙げられる。
上記の脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体、ポリオール、ポリカルボン酸及び/又はその誘導体、並びに、アミノ酸、多価アミン、ラクタム等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体と共重縮合可能な成分は、固体状、液体状、水溶液状のいずれの状態の場合でも、本発明において用いられる脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造に供することができる。
本発明におけるプレポリマーとは、さらなる重縮合が可能である重縮合物のことを意味する。
上記の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーを重縮合によって製造する際に、操作温度及び/又は操作圧力を多段階に調節しながら実施する方法は好ましい様式である。
上記の重縮合反応は、回分式及び/又は連続式の1種又は2種以上の反応装置を組み合わせて行うことができる。
本発明において用いられる脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーを重縮合により製造する際には、触媒を加えずに重縮合反応を実施することができるが、重縮合速度を高める為に、必要に応じて触媒を用いることができる。
触媒は、これらに限定されるものではなく、一種、又は二種以上を組み合わせて用い留ことも可能である。
これらの触媒種は、例えば、原料化合物又は原料化合物の水溶液、或いは溶液等に直接添加したり、重縮合物を得た後に添加して使用されるが、この他にも、必要に応じて、水及び/又は脂肪族ヒドロキシカルボン酸存在下で加水分解した後に、原料や、重縮合物に対して添加して使用してもよい。
触媒の使用量は、好ましくは、原料として用いた化合物1g当たり、金属原子として1×10−10モル以上1×10−2モル以下の範囲である。原料として用いた化合物1g当たりに使用する触媒量が、金属原子として1×10−10モル未満の場合には、重縮合速度を高める効果が充分に発揮されず、1×10−2モルを越える場合には、樹脂の着色等の副反応が著しく増大する傾向がある。
本発明において用いられる脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を重縮合により製造する際に、重縮合中の熱劣化による着色を抑えるために、着色防止剤を添加して反応を行うことも可能である。着色防止剤は、そのままで、又は適当な液体に溶解又は混合して反応系に添加することができる。着色防止剤の添加時期の制限はなく、原料モノマーの濃縮又は縮合過程から、実質的に重縮合反応が完結するまでの間であれば、いずれの時期に反応系に添加してもよい。添加は一括でも分割でもよい。
更に、他の添加剤として、従来公知の、上記以外の熱安定剤、フェノール系、チオエーテル系等の酸化防止剤等や、核剤、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等を、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて添加、あるいは配合することも可能である。
この際使用するガスは、エステル交換反応中の脂肪族ポリエステルの加水分解による分子量低下を抑制する上で、含水量ができるだけ低い乾燥ガスが好ましい。ガスの含水量を露点で示すと、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−40℃以下である。
また、エステル交換に供する前の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸、或いは、脂肪族ポリエステルの含水量は、エステル交換反応中の脂肪族ポリエステルの加水分解による分子量低下を抑制する上で、含水量が低ければ低いほど好ましい。含水量を数値で示すと、好ましくは1,000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、更に好ましくは300ppm以下である。
本発明において、造粒された脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーを脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物と称する。
本発明において、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物の粒子形状やペレット形状には制限はないが、一般的な形状は、粉末状、粉砕状、チップ状、球状、円柱状、タブレット状、マーブル状等である。
造粒を、水等の液体と接触させることにより行う場合には、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、炭酸ガス又は炭素数1以上4以下の低級飽和炭化水素等の不活性ガスや、空気等、或いはこれらの混合物からなる気体等により表面付着液体を除去する方法、遠心脱水機等で脱水する方法、又は、これらの組合せで表面付着液体を除去することができる。また、従来公知の方法、例えば、減圧下、ガス流通下、或いはこれらの混合条件下において、攪拌、混合、流動、又はこれらの混合条件下で、乾燥を行うことができる。更に、これらの方法を組み合わせて行うことも可能である。
乾燥させる際の温度は、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物の融点以下の温度範囲であれば、特に限定はない。脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物が乾燥中に結晶化し、融点を有する粒状物となる場合、更に、該融点が乾燥操作によって高まる場合には、高まった後の融点までの範囲で乾燥を行うことが可能である。脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物の加水分解による分子量低下を抑制し、効率的に乾燥を行う上で、10℃以上150℃以下の温度で実施することが好ましく、30℃以上140℃以下の温度で実施することが更に好ましく、50℃以上140℃以下の温度で実施することがより好ましい。乾燥する際の温度は上記範囲内であれば一定である必要はなく、高めることも、或いは、低めることも可能である。
本発明における結晶化処理とは、示差走査型熱量計(DSC)を用いて−20℃から10℃の昇温速度で250℃まで測定を行い、検出された吸熱ピーク面積及び発熱ピーク面積を個別に求め、測定に供した試料重量から単位重量当たりの熱量(J/g)に換算して得られた発熱量の絶対値(以下、△Hc、と略記する)と吸熱量の絶対値(以下、△Hm、と略記する)との差である[△Hm−△Hc]の値が、10J/g以上の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物を得る処理のことをいう。[△Hm−△Hc]の値が10J/g未満の場合には、引き続いて実施される固相重合が、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物の融着や凝集により困難となる。脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物の[△Hm−△Hc]としては、20J/g以上が好ましく、30J/g以上がより好ましい。
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーを造粒する際に経由する固体状態において既に上記[△Hm−△Hc]の値が10J/g以上である場合や、必要に応じて実施される表面付着液体を除去する際、或いは、必要に応じて実施される粒状物の乾燥の際に[△Hm−△Hc]の値が10J/g以上となる場合には、該操作は結晶化処理に包含される。
結晶化処理する際の温度は、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーの組成比や共重合化合物の種類等により異なるが、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーのガラス転移温度以上、かつ、220℃以下の範囲である。
また、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物を前記の公知の方法による結晶化処理に先立って、前記結晶化途中での該造粒物の融着を防止するため、予め、25℃以上200℃以下の温度の水蒸気を容積1リットル当たり0.001モル以上0.135モル以下含有する窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、炭酸ガス又は炭素数1以上4以下の低級飽和炭化水素等の不活性ガスや空気等から選ばれる一種又は二種以上の気体、或いは、温度、圧力条件によってはスチーム等、水蒸気単独の気体と接触処理して該脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物の表面を結晶化処理する方法を行うことも可能である。
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物を水蒸気を含む気体と接触させる方法は、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物が水蒸気を含む気体と接触可能であれば特に限定されるものではなく、回分式及び/又は連続式の1種又は2種以上の装置を組み合わせて行うことができる。
本発明において、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物を固相重合する際の条件としては、該粒状結晶化物が固体状態を維持する温度において、1kPa以下の圧力範囲で、90m/hr以上の空塔速度でガスを流通させることが必要である。
本発明における空塔速度の値は、反応温度及び反応圧力条件下における値のことをさす。
固相重合反応速度を考慮した場合、固相重合を行う際の圧力は低いほど好ましく、好ましくは0.8kPa以下、より好ましくは0.6kPa以下、更に好ましくは、0.4kPa以下、特に好ましくは、0.2kPa以下の範囲である。圧力の下限については特に限定はないが、真空設備が大型化することを考慮すると、通常0.0001kPa以上である。固相重合を行う際の圧力は、前記範囲であれば、一定である必要はなく、高めることも、或いは低めることも、更には、これらを組み合わせて変化させることが可能である。
ガスを流通させる場合の流量は、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物の形状、粒径や結晶性等や、固相重合反応を行う温度、圧力、或いは、流通ガスの空塔速度等を考慮し、十分に重量平均分子量が高い脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物を得ることができる程度に生成した水を留去することができればよい。
流通させる不活性ガスは、含水量ができるだけ低く、実質的に無水状態の乾燥ガスが好ましい。含水量が多い場合には固相重合反応で生成した水が効率よく除去できないために重合速度が遅くなる。流通ガスの含水量を露点で示すと、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−40℃以下、更に好ましくは−50℃以下、特に好ましくは−60℃以下である。流通させるガスは、モレキュラーシーブ類やイオン交換樹脂類等を充填した層に通すこと、或いは、冷却することにより脱水して使用することができる。
固相重合反応に要する時間は、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の種類や該粒状結晶化物の分子量、或いは、目的とする脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の分子量、使用する重縮合器の形式、反応条件によっても異なり、限定されるものではないが、好ましくは通常0.5時間以上100時間以下、より好ましくは2時間以上50時間以下である。
前記装置の内部は、本発明の要件を満足することができる範囲で固相重合が可能であれば特に限定はなく、テーパー状であっても、凹凸があってもよい。
また、固相重合を移動床型反応機を用いて実施する場合には、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物と流通ガスとを交流接触させる方法、或いは、流通ガスと並流接触させる方法等が例示できる。また、移動床型反応機を用いる場合には、移動方向の先端或いは先端付近にある脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の一部を逐次或いは連続的に抜き出しながら反応を行うことも可能である。また、必要に応じて移動方向とは逆方向の末端部から、固相重合に供する脂肪族ヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物を逐次或いは連続的に供給することも可能である。前記の方法の内、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物と流通ガスとを交流接触させる方法は、高い分子量を有する脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を得ることができることから、好ましい方法である。
本発明に用いられる重縮合器の材質には制限はなく、通常、ガラス、ステンレススチール、カーボンスチール、ニッケル、ハステロイ、チタン、クロム、ジルコニウム、その他合金や耐熱性の高いポリマー材料等から耐食性等を考慮して選択される。重縮合器の表面は、メッキ、ライニング、不動態処理、酸洗浄、アルカリ洗浄等、必要に応じて種々の処理がされていてもよい。
本発明で得られる脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸は、必要に応じ、重縮合反応後に無水酢酸等の酸無水物、エポキシ化合物等と反応させて、末端変成を行うことも可能である。
本発明の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸には、必要に応じて、公知の、熱安定剤、フェノール系、チオエーテル系等の酸化防止剤等、紫外線防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、防湿剤、防水剤、撥水剤、滑剤、離型剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、無機フィラー、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、他の熱可塑性樹脂等を、1種又は2種以上を組み合わせて添加、又は配合することができる。これらの添加剤の量は、通常0.0005質量%以上40質量%以下の範囲であり、好ましくは0.001質量%以上30質量%以下の範囲である。
本発明で用いる重合体の特性は、以下に示す方法により測定する。
(1)脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を構成するモノマー単位の含有量比
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を凍結粉砕処理し、真空下、室温(25℃)にて水分量1000ppm以下に乾燥させて得られた粉砕物30mgに対して、1mlの割合で重水素化ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒に溶解した脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重水素化ヘキサフルオロイソプロパノール溶液に、基準物質としてテトラメチルシランを極く少量添加したものを測定試料とする。この測定試料を用いて、400MHz(日本分光社製α―400)の1H−NMRの測定を積算回数500回にて行い、得られた結果を解析してジグリコール酸単位以外のモノマー単位の構成量をモル比で算出する。
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析装置8020GPCシステムを用い、以下の条件により求める。
使用する溶媒として、予め、80mMのトリフルオロ酢酸ナトリウム(和光純薬社製試薬)を溶解したヘキサフルオロイソプロパノールを調整しておく。すなわち、ヘキサフルオロイソプロパノール1000gに対して、トリフルオロ酢酸ナトリウム6.48gを溶解した溶液(以下、溶離液、と略記する)を調整する。
真空下、室温(25℃)にて水分量1000ppm以下に乾燥して得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の粒状結晶化物1gを精秤した後、前記溶離液150gに溶解し、その後、0.2μmのフィルターにて濾過したものを測定試料溶液として用いる。
カラム温度40℃にて、溶離液を流量1ml/分の条件下でカラム[カラム構成は、ガードカラムとして東ソー(株)社製TskguardcolumnHHR−H(登録商標)を用い、東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G5000HHR、及び東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G3000HHRの各1本ずつを直列に配置]を通し、分子量1,577,000、685,000、333,000、100,250、62,600、24,300、12,700、4,700、1,680、1140の、分子量既知のPolymer Laboratories社製単分散ポリメタクリル酸メチル標準物質、及びメタクリル酸メチルモノマー(分子量100)のRI検出による溶出時間から求めた検量線を予め作成し、その溶出時間から重量平均分子量を算出する。
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物を真空下、室温(25℃)にて水分量1000ppm以下に乾燥して得た粒状結晶化物そのものを試料とし、示差走査熱量計(DSC)により、JIS K7121に準拠した次の測定条件で測定する。
試料重量:約25mg
温度条件:−20℃〜250℃
昇温速度:10℃/分
100g以上の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の粒状物を50メッシュのふるい上で水洗し、粒状物表面に付着した50メッシュ未満のサイズの微粉を除去し、50メッシュ以上の粒状物とを分離する。微粉及び粒状物を、室温(25℃)にて真空下、24時間以上乾燥させて、各々の重量を測定する。微粉の発生量は、乾燥後の微粉の質量の、乾燥後の微粉及び粒状物の質量の総和に対する質量分率(質量%)で表す。
ガラス製留出管及びグラスライニングされた平羽根型撹拌翼を備えた邪魔板付きのガラスライニングされた20リットルのオートクレーブに、70質量%グリコール酸水溶液(デュポン社製Glypure70)を10kg、90質量%L−乳酸水溶液(ピューラック社製HiPure90)を1.26kg、ネオペンチルグリコール(和光純薬社性試薬特級品)2.7g及び原料水溶液に対して0.05質量%のテトライソプロポキシゲルマニウム(モノマー1g当たりゲルマニウム金属原子として2×10−6モル)を仕込んだ後に、窒素置換を行った。
引き続き、オートクレーブを窒素気流下にて150℃に加熱し、1.5時間保持して脱水を行った。次いで、圧力を徐々に下げ5.0×104Paで1時間、2.0×103Paで50分反応させた後、温度を200℃に昇温し、圧力を6.0×102Paに下げて120分重縮合反応を実施した。
次いで得られた重縮合物を溶融状態を維持したまま、窒素置換されたステンレススチール製の20リットルのVCR重合機(登録商標;三菱重工(株)社製)に移送し、引き続き200℃、4×102Paにて6時間反応を継続した。
反応終了後、窒素で加圧し、重合機の底部より重合機の底部より樹脂をストランドとして約10℃の流水中に吐出し、流水中にてカッティングを行った後、遠心脱水して直径2mm、長さ3mmの円柱状の非晶状態の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Aを作成した。
該粒状物Aを、室温(25℃)にて真空下24時間乾燥した水分量1000ppm以下のペレットの重量平均分子量は55,000、樹脂組成はグリコール酸単位含有率88モル%、ネオペンチルグリコール単位0.03mol%であった。ガラス転移温度は37℃であった。本法を繰り返し実施し、必要な樹脂量を製造した。
ガラス製留出管及びグラスライニングされた平羽根型撹拌翼を備えた邪魔板付きのガラスライニングされた20リットルのオートクレーブに、70質量%グリコール酸水溶液(デュポン社製Glypure70)を10kg、90質量%L−乳酸水溶液(ピューラック社製HiPure90)を1.26kg、ネオペンチルグリコール(和光純薬社性試薬特級品)2.7g及び原料水溶液に対して0.05質量%のテトライソプロポキシゲルマニウム(モノマー1g当たりゲルマニウム金属原子として2×10−6モル)を仕込んだ後に、窒素置換を行った。引き続き、オートクレーブを窒素気流下にて150℃に加熱し、1.5時間保持して脱水を行った。次いで、圧力を徐々に下げ5.0×104Paで1時間、2.5×104Paで0.5時間、1.0×104Paで50分、5.0×103Paで50分、2.0×103Paで50分反応させた後、温度を200℃に昇温し、圧力を6.0×102Paに下げて70分重縮合反応を実施した。反応終了後、窒素で加圧し、重合機の底部より樹脂をストランドとして約10℃の流水中に吐出し、流水中にてカッティングを行った後、遠心脱水して直径2mm、長さ3mmの円柱状の非晶状態の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Bを作成した。
該粒状物Bを、室温(25℃)にて真空下24時間乾燥した水分量1000ppm以下のペレットの重量平均分子量は7,000、樹脂組成はグリコール酸単位含有率88モル%、ネオペンチルグリコール単位0.03mol%であった。ガラス転移温度は37℃であった。本法を繰り返し実施し、必要な樹脂量を製造した。
90質量%L−乳酸水溶液(ピューラック社製HiPure90)の仕込み量を0.59kg、ネオペンチルグリコール(和光純薬社性試薬特級品)の仕込み量を2.6gとしたこと、VCR重合機での反応条件を210℃、5時間としたこと以外は、樹脂製造例1と同様にして、直径2mm、長さ3mmの円柱状の非晶状態の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Cを作成した。
該粒状物Cを、室温(25℃)にて真空下24時間乾燥した水分量1000ppm以下のペレットの重量平均分子量は56,000、樹脂組成はグリコール酸単位含有率94モル%、ネオペンチルグリコール単位0.03mol%であった。ガラス転移温度は37℃であった。本法を繰り返し実施し、必要な樹脂量を製造した。
ガラス製留出管及びグラスライニングされた平羽根型撹拌翼を備えた邪魔板付きのガラスライニングされた20リットルのオートクレーブに、70質量%グリコール酸水溶液(デュポン社製Glypure70)を9.2kg、90質量%L−乳酸水溶液(ピューラック社製HiPure90)を376g、1,6−ヘキサンジオール(和光純薬社性試薬特級品)を335g、アジピン酸(和光純薬社性試薬特級品)を400gを仕込んだ以外は、樹脂製造例1と同様にして、直径2mm、長さ3mmの円柱状の非晶状態の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Dを作成した。
該粒状物Dを、室温(25℃)にて真空下24時間乾燥した水分量1000ppm以下のペレットの重量平均分子量は48,000、樹脂組成はグリコール酸単位含有率90モル%、1,6−ヘキサンジオール単位3モル%、アジピン酸単位3モル%であった。ガラス転移温度は37℃であった。本法を繰り返し実施し、必要な樹脂量を製造した。
原料として、90質量%L−乳酸水溶液(ピューラック社製HiPure90)を10kg及び原料水溶液に対して0.05質量%のテトライソプロポキシゲルマニウム(モノマー1g当たりゲルマニウム金属原子として2×10−6モル)を用いたこと、ガラスライニングされた20リットルのオートクレーブでの重縮合条件を150℃、1.5時間、次いで、圧力を徐々に下げ5.0×104Paで1時間、2.5×104Paで0.5時間、1.0×104Paで50分、5.0×103Paで50分、2.0×103Paで50分反応させた後、温度を185℃に昇温し、圧力を6.0×102Paに下げて120分重縮合反応を実施したこと、得られた重縮合物を溶融状態を維持したまま、窒素置換されたステンレススチール製の20リットルのVCR重合機(登録商標;三菱重工(株)社製)に移送し、引き続き185℃、4×102Paにて8時間反応を継続したこと以外は樹脂製造例1と同様にして、直径2mm、長さ3mmの円柱状の非晶状態の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Eを作成した。
該粒状物Eを、室温(25℃)にて真空下24時間乾燥した水分量1000ppm以下のペレットの重量平均分子量は45,000であった。ガラス転移温度は55℃であった。本法を繰り返し実施し、必要な樹脂量を製造した。
原料として、90質量%L−乳酸水溶液(ピューラック社製HiPure90)を10kg及び原料水溶液に対して0.04質量%の塩化第2錫(モノマー1g当たり錫金属原子として2×10−6モル)を用いたこと以外は樹脂製造例1と同様にして、直径2mm、長さ3mmの円柱状の非晶状態の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Fを作成した。
該粒状物Fを、室温(25℃)にて真空下24時間乾燥した水分量1000ppm以下のペレットの重量平均分子量は43,000であった。ガラス転移温度は55℃であった。本法を繰り返し実施し、必要な樹脂量を製造した。
(A)結晶化処理
バットにテフロン(登録商標)シートを敷いた上に、まばらに脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Aを敷き、減圧乾燥機中で、1リットル/分の窒素流通させながら2kPaの減圧下、80℃で5時間、引き続き昇温して100℃で3時間、次いで昇温して120℃で3時間、次いで昇温して150℃で3時間、次いで昇温して170℃で2時間結晶化処理を行った後、減圧条件下で室温まで放冷した。得られた粒状結晶化物の形状は直径約2mm、長さ約3mmの円柱状であり、重量平均分子量は55,000、融点は187℃、融解熱量(△Hm)は45J/gであり、結晶化熱量(△Hc)は観測されなかった。得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物を粒状結晶化物A2と称する。
固定床式反応機を用いて固相重合反応を実施した。
粒状結晶化物A2の0.31kgを、上端部及び下端部に目開き15μmのメッシュ径を有するフィルターを接続した内径21.2mm、長さ150mmのSUS316製円筒状竪型反応管に充填し、大気圧条件下、流通ガスとして−90℃の露点の窒素ガスを1.797リットル/hr(20℃、常圧における値)の流量で170℃に加温して流通させながら、温度170℃で30時間、固相重合反応を実施した。窒素ガスの流通量は、常圧、20℃換算で、粒状結晶化物1kg当たり57.756リットル/hr、流通窒素ガスの空塔速度は、7.7m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は91,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は1,200であった。以後、1時間当たりの重量平均分子量の増加量を重合速度の指標として用いる。
粒状結晶化物A2を用い、流通窒素ガスの流量を参考例1の約40倍に相当する71.417リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、参考例1と同様の条件で固相重合反応を実施した。
窒素ガスの空塔速度は、306m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は98,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は1,440であり、参考例1に対して僅かに重合速度が増大した。
(A)結晶化処理
参考例1(A)と同様にして粒状結晶化物A2を製造した。
(B)固相重合
固定床式反応機を用いて、下記方法により、固相重合反応を実施した。
粒状結晶化物A2の0.31kgを、上端部及び下端部に目開き15μmのメッシュ径を有するフィルターを接続した内径21.2mm、長さ150mmのSUS316製円筒状竪型反応管に充填し、油回転式真空ポンプを用いて反応圧力1kPa、流通ガスとして−90℃の露点の窒素ガスを0.705リットル/hr(20℃、常圧における値)の流量で流通させながら、温度170℃で30時間、固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、306m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は103,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は1,600であり、参考例1又は参考例2に対して、0.5倍量以下の窒素流量においても、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
粒状結晶化物A2を用い、反応圧力を0.5kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を0.353リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、306m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は120,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は2,167であり、参考例1又は参考例2に対して、0.2倍量以下の窒素流量においても、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
粒状結晶化物A2を用い、反応圧力を0.15kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を0.106リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、306m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は163,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は3,600であり、参考例2に対して0.0015倍量以下の窒素流量により、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
粒状結晶化物A2を用い、反応圧力を0.5kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を0.115リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、100m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は105,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は1,667であり、参考例1又は参考例2に対して、0.07倍量以下の窒素流量においても、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
(A)結晶化処理
蒸気の供給口と気体の供給口を有する上層部と、30メッシュの金網が水平方向に保持されている中央部と、水蒸気を含有する気体を、必要に応じて保圧しながら排出可能な排出口を有する下層部とからなる、装置の金網上に、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Aを1kgをまばらに仕込んだ。引き続き、大気圧の空気雰囲気下にて、100℃の飽和水蒸気を100g/minの流量で90秒間流通した。水蒸気の流通停止後、粒状結晶化物を取り出し、遠心脱水機で脱水処理を行った。得られた粒状結晶化物を分析した結果、結晶化熱量(△Hc)は10J/g、融解熱量(△Hm)は15J/g、重量平均分子量は55,000であった。本操作を繰り返して、必要量の粒状物を作成した。
得られた粒状物を流通ガスを温調して導入可能な導入管及び外部冷却可能な流通ガスの留出管と十分な伝熱面積を有するトラップを備えた100リットルのダブルコーンドライヤーに充填し、留出管を外部から5℃に水冷、並びに、トラップを−40℃に冷却しながら、露点温度−80℃の窒素を10リットル(25℃、大気圧における値)/hr流通させ、80℃にて2時間、100℃にて6時間、130℃にて2時間、150℃にて2時間、170℃にて2時間乾燥後、室温まで冷却して内容物を取り出した。
得られた粒状結晶化物は融着しておらず、その形状は直径約2mm、長さ約3mmの円柱状であった。また、重量平均分子量は55,000、融点は186℃、融解熱量(△Hm)は44J/gであり、結晶化熱量(△Hc)は観測されなかった。更に、微粉の発生量は200ppmであった。得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物を粒状結晶化物A3と称する。
粒状結晶化物A3を用い、反応圧力を0.5kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を0.196リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、170m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は110,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は1,833であり、参考例1又は参考例2に対して、0.11倍量以下の窒素流量においても、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
粒状結晶化物A2を用い、反応圧力を0.5kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を1.078リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、936m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は129,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は2,467であり、参考例1又は参考例2に対して、0.6倍量の窒素流量においても、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
粒状結晶化物A2を用い、反応圧力を3.0kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を2.115リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、306m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は93,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は1,267と低かった。
粒状結晶化物A2を用い、反応圧力を10.0kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を7.05リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、306m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は91,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は1,200と低かった。
粒状結晶化物A2を用い、反応圧力を0.5kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を0.086リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、75m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は101,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は1,533と低かった。
粒状結晶化物A2を用い、反応圧力を0.5kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を0.058リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、50m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は101,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は1,533と低かった。
(A)結晶化処理
蒸気の供給口と気体の供給口を有する上層部と、30メッシュの金網が水平方向に保持されている中央部と、水蒸気を含有する気体を、必要に応じて保圧しながら排出可能な排出口を有する下層部とからなる、装置の金網上に、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Bを1kgをまばらに仕込んだ。引き続き、大気圧の空気雰囲気下にて、100℃の飽和水蒸気を100g/minの流量で90秒間流通した。水蒸気の流通停止後、粒状結晶化物を取り出し、遠心脱水機で脱水処理を行った。得られた粒状結晶化物を分析した結果、結晶化熱量(△Hc)は9J/g、融解熱量(△Hm)は15J/g、重量平均分子量は7,000であった。本操作を繰り返して、必要量の粒状物を作成した。
得られた粒状物を流通ガスを温調して導入可能な導入管及び外部冷却可能な流通ガスの留出管と十分な伝熱面積を有するトラップを備えた100リットルのダブルコーンドライヤーに充填し、留出管を外部から5℃に水冷、並びに、トラップを−40℃に冷却しながら、露点温度−80℃の窒素を10リットル(25℃、大気圧における値)/hr流通させ、80℃にて2時間、100℃にて2時間、130℃にて1時間、150℃にて1時間、170℃にて1時間乾燥後、室温まで冷却して内容物を取り出した。
得られた粒状結晶化物は融着しておらず、その形状は直径約2mm、長さ約3mmの円柱状であった。また、重量平均分子量は7,000、融点は185℃、融解熱量(△Hm)は46J/gであり、結晶化熱量(△Hc)は観測されなかった。また、微粉の発生量は550ppmであった。得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物を粒状結晶化物B2と称する。
粒状結晶化物B2を用い、反応圧力を0.1kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を0.097リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、420m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は108,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は3,367であり、参考例1又は参考例2に対して、0.06倍量以下の窒素流量においても、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
(A)結晶化処理
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Cを用いた以外は、実施例1(A)と同様の操作で、粒状結晶化物を得た。得られた粒状結晶化物の形状は直径約2mm、長さ約3mmの円柱状であり、重量平均分子量は56,000、融点は193℃、融解熱量(△Hm)は58J/gであり、結晶化熱量(△Hc)は観測されなかった。得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物を粒状結晶化物C2と称する。
(B)固相重合
粒状結晶化物C2を用い、反応圧力を0.15kPaとしたこと、流通ガスを露点−85℃の炭酸ガスとし、その流量を0.106リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。炭酸ガスの空塔速度は、306m/hrである。
固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は154,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は3,267であり、参考例1又は参考例2に対して、0.06倍量以下の窒素流量においても、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
(A)結晶化処理
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Dを用いた以外は、実施例1(A)と同様の操作で、粒状結晶化物を得た。得られた粒状結晶化物の形状は直径約2mm、長さ約3mmの円柱状であり、重量平均分子量は48,000、融点は190℃、融解熱量(△Hm)は51J/gであり、結晶化熱量(△Hc)は観測されなかった。得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物を粒状結晶化物D2と称する。
(B)固相重合
粒状結晶化物D2を用い、反応圧力を0.15kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を0.106リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、306m/hrである。固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は146,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は3,267であり、参考例1又は参考例2に対して、0.06倍量以下の窒素流量においても、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
(A)結晶化処理
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Eを用いたこと、温度条件を80℃で5時間、引き続き昇温して100℃で3時間、次いで昇温して120℃で3時間、次いで昇温して145℃で2時間とした以外は、実施例1(A)と同様の操作で、粒状結晶化物を得た。
得られた粒状結晶化物の形状は直径約2mm、長さ約3mmの円柱状であり、重量平均分子量は45,000、融点は162℃、融解熱量(△Hm)は50J/gであり、結晶化熱量(△Hc)は観測されなかった。得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物を粒状結晶化物E2と称する。
(B)固相重合
粒状結晶化物E2を用い、固相重合反応の温度を145℃としたこと、反応圧力を0.15kPaとしたこと、流通窒素ガスの流量を0.112リットル/hr(20℃、常圧における値)とした以外は、実施例1(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。窒素ガスの空塔速度は、306m/hrである。固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は136,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は3,033であり、参考例1又は参考例2に対して、0.07倍量以下の窒素流量においても、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
(A)結晶化処理
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状物Fを用いたこと以外は実施例10(A)と同様の操作で、粒状結晶化物を得た。得られた粒状結晶化物の形状は直径約2mm、長さ約3mmの円柱状であり、重量平均分子量は43,000、融点は160℃、融解熱量(△Hm)は49J/gであり、結晶化熱量(△Hc)は観測されなかった。得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物を粒状結晶化物F2と称する。
(B)固相重合
粒状結晶化物F2を用いたこと以外は、実施例10(B)と同様の条件で固相重合反応を実施した。固相重合反応後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は129,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を反応時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は2,867であり、参考例1又は参考例2に対して、0.07倍量以下の窒素流量においても、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
移動床型の連続反応装置により固相重合反応を実施した。
移動床を有する反応機の内径は20cm、高さは400cmであり、鉛直に設置されている。該反応機の外側はジャケット構造で熱媒により加温されており、該反応機下部には所定温度に加熱されたガスの供給口及び該反応機内部の圧力を保持したまま脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を払出すことが可能な設備が、一方、反応機上部には不活性ガスを排出するベント口及び脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物の供給することが可能な設備が備えられている。
実施例5(A)と同様の方法を繰り返し実施して得られた粒状結晶化物A3を移動床を有する反応機上部より2.45kg/hrで供給すると共に、該移動床を有する反応機下部より2.45kg/hrで抜出しながら固相重合反応を実施した。
該移動床を有する反応機は、温度170℃に保持され、該反応機の下部からは流通ガスとして、露点−90℃、20℃、常圧における流量として10385.78リットル/hrの窒素ガスを170℃に加熱した後に、該反応器内部に流通させながら、該反応機の上部に設置されたベント口から排出することにより、流通ガスと粒状結晶化物とを交流接触させつつ反応を実施した。
窒素ガスの平均流通量は、常圧、20℃換算で、粒状結晶化物1kg当たり4,239リットル/hr、流通窒素ガスの空塔速度は、500m/hrであり、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の該反応機内部の平均滞留時間は32時間である。
反応系が安定した時間を基準として、32時間後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は91,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を平均滞留時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は1,125であった。
移動床型の連続反応装置により固相重合反応を実施した。
移動床を有する反応機の内径は20cm、高さは400cmであり、鉛直に設置されている。該反応機の外側はジャケット構造で熱媒により加温されており、該反応機下部には所定温度に加熱されたガスの供給口及び該反応機内部の圧力を保持したまま脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を払出すことが可能な設備が、一方、反応機上部には不活性ガス供給設備の圧力をコントロールするためのベント口及び該反応機内部の圧力を保持したまま脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物の供給することが可能な設備が備えられている。
実施例5(A)と同様の方法を繰り返し実施して得られた粒状結晶化物A3を移動床を有する反応機上部より2.45kg/hrで供給すると共に、該移動床を有する反応機下部より2.45kg/hrで抜出しながら固相重合反応を実施した。
窒素ガスの平均流通量は、常圧、20℃換算で、粒状結晶化物1kg当たり18.831リットル/hr、流通窒素ガスの空塔速度は、窒素ガスの空塔速度は、1,500m/hrであり、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の該反応機内部の平均滞留時間は32時間である。
反応系が安定した時間を基準として、32時間後に得られた脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量は156,000であった。反応前後の重量平均分子量の差を平均滞留時間で除した1時間当たりの重量平均分子量の増加量は3,150であり、参考例3に対して、0.004倍量の窒素流量においても、大きな重合速度で、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造が可能であった。
Claims (11)
- 重縮合により脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を製造するのに際し、重縮合反応の少なくとも一部の工程において、結晶化処理された脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーを1kPa以下の圧力条件下、90m/hr以上の空塔速度でガスを流通させながら固体状態を維持する温度で固相重合して脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸を製造することを特徴とする脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- ガスを流通させる空塔速度が250,000m/hr以下であることを特徴とする請求項1記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- ガスの流通量が脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸1kg当たり、50リットル/hr以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- 固定床型反応機で固相重合を行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- 移動床型反応機で固相重合を行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- 脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーを流通ガスと交流接触させて固相重合を行うことを特徴とする請求項5記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- 縦型反応器で固相重合を行なうことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- 結晶化処理された脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸プレポリマーの重量平均分子量が、25,000以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- 脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸が、脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を80モル%以上含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- 脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸単位を80モル%以上含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
- 固相重合を行う際の反応温度が100℃以上脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸粒状結晶化物の融点未満であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
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