JP4411779B2 - レシプロ式内燃機関のクランク機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ピストンの往復動に伴ってクランクシャフトが回転するレシプロ式内燃機関のクランク機構に関し、特に、可変圧縮比機構を備えた内燃機関に好適なクランク機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
レシプロ式内燃機関の可変圧縮比機構として、図1に示すような複リンク式のクランク機構を利用したものが近年提案されている(類似構造として特開2000−73804号公報参照)。これは、シリンダブロック1のシリンダ2内を摺動するピストン3にピストンピン25を介して一端が連結されたアッパリンク21と、このアッパリンク21の他端に連結ピン26を介して連結されるとともに、クランクシャフト10のクランクピン11に連結されたロアリンク22と、このロアリンク22と内燃機関本体とを連結して、ロアリンク22の自由度を制限するコントロールリンク23と、を備えており、上記コントロールリンク23の揺動支持位置が偏心カム24によって制御される構成となっている。このものでは、上記偏心カム24の回動位置によってコントロールリンク23下端の揺動支持位置が変化し、これに伴ってピストン3の上死点位置、ひいては圧縮比が変化する。
【0003】
ここで、上記クランクシャフト10は、一般的な単リンク式のクランク機構の場合と同じく、クランクピン11と反対側に延びたカウンタウエイト12を備えている。このカウンタウエイト12は、クランクピン11とクランクジャーナル14とを接続するクランクアーム15に一体に形成されており、略扇形をなすとともに、その外縁13が、クランクジャーナル14の回転中心を中心とした円弧に加工されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図2は、上記のように構成されたクランク機構において、ピストン3が下死点に達したときの状態を示しているが、このとき、クランクピン11は最下点付近にあり、逆に、カウンタウエイト12は、上方つまりシリンダ2の下端に対向する位置にある。従って、この位置において、カウンタウエイト12の外縁13とピストン3との間の間隙が最小(c2)となり、両者の干渉が問題となる。図3は、干渉が問題となるピストン3の下端の点(通常は中央のピンボス部の下端)と、外縁13の各々の運動軌跡を展開した形で示したものであり、ピストン3のストローク方向に沿った上下位置で見ると、外縁13の位置は、その円弧の半径rによって定まる一定の位置となり、ピストン3の下降に伴って、両者の間隙が狭まり、下死点位置で最小(c2)となる。
【0005】
そして、可変圧縮比機構により低圧縮比とする際には、上死点位置が下降するのに伴って下死点位置も下降するので、このサイクル中の最小間隙c2が、さらに小さくなる。従って、種々の制約により内燃機関の全高が所定値に規定されるとすると、ピストン3の下死点位置におけるカウンタウエイト12の外縁13との間の間隙によって、可変制御可能な圧縮比範囲が制限されることになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、シリンダ内を往復動するピストンと、このピストンに連結されたクランクシャフトと、を備え、かつ、上記クランクシャフトが、クランクアームから延びたカウンタウエイトを備えてなるレシプロ式内燃機関のクランク機構において、
上記カウンタウエイトの外縁が、クランクジャーナルの回転中心を中心とした円弧の基本形状を有するとともに、ピストンが下死点に達したときに該ピストンと上記円弧との間隔が最も小さくなる周方向位置の付近で、上記円弧よりも内周側に後退した形状をなしていることを特徴としている。
特に、上記内燃機関が、圧縮比の可変制御に伴ってピストンの下死点位置が変化する可変圧縮比機構を備えており、この可変圧縮比機構は、ピストンのピストンピンに一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクとクランクシャフトのクランクピンとを連結するロアリンクと、上記ロアリンクに一端が連結されるとともに他端が内燃機関の本体部に揺動可能に支持されたコントロールリンクと、このコントロールリンクの揺動支持位置を変化させる制御機構と、を備えて構成されている。
【0008】
すなわち、この発明では、カウンタウエイトの外縁は、従来のようなクランクジャーナルの回転中心を中心とした仮想の円弧に近似しているものの、この仮想の円弧に対し、ピストンとの干渉が問題となる領域で、部分的に内周側に後退している。従って、ピストンが下死点に達したときにカウンタウエイトの外縁との間に生じる間隙を、比較的大きく確保することができる。換言すれば、ピストンの下死点位置を、クランクジャーナルの回転中心に近づけることが可能となる。そして、カウンタウエイト全体を小径化する場合に比較して、慣性モーメントの確保は容易となる。
【0009】
また、圧縮比の可変制御に伴って下死点位置がクランクジャーナルに近付いても、カウンタウエイトと干渉することを回避でき、圧縮比の可変範囲をより大きく確保できる。
【0011】
また、請求項2の発明では、上記クランクジャーナルの回転中心がシリンダの中心軸上に位置しているとともに、上記クランクジャーナルの回転中心から上記カウンタウエイトの外縁各部までの半径距離について、ピストンが下死点に達したときのクランクシャフトの姿勢でシリンダの中心軸に一致する方向の半径距離(rc)が、該中心軸よりも進み側となる部分および遅れ側となる部分の半径距離よりも短い。
【0012】
一般に、ピストンとカウンタウエイト外縁との干渉は、ピストンの中央に位置するピンボス部で生じる虞があるので、これに対応する部分を内周側に後退させておくことにより、その干渉が確実に回避される。そして、その両側の部分は、クランクジャーナルの回転中心を中心として、相対的に大きな半径距離を有するので、慣性モーメントは大きく確保される。
【0013】
この請求項2の発明をさらに減縮した請求項3の発明は、ピストンが下死点に達したときにクランクピンが最下点よりも遅れ側に位置するように構成されているとともに、ピストンが下死点に達したときのクランクシャフトの姿勢でシリンダの中心軸よりも進み側となる部分の半径距離が、上記中心軸よりも遅れ側となる部分の半径距離よりも短いことを特徴としている。
【0014】
ピストンとクランクシャフトとの間のリンク機構の構成によっては、ピストンが下死点に達したときにクランクピンが最下点になく、最下点にまだ達しない位置つまり最下点よりも遅れ側に位置する場合がある。請求項3の発明は、このような構成を前提としたものであって、クランクピンが最下点に達した時点では、ピストンは下死点を過ぎて上昇に転じている。そのため、これに対応するカウンタウエイト外縁部分は、相対的に外周側に位置させることができる。
【0015】
また、請求項4の発明は、ピストンが下死点に達したときにクランクピンが最下点よりも進み側に位置するように構成されているとともに、ピストンが下死点に達したときのクランクシャフトの姿勢でシリンダの中心軸よりも遅れ側となる部分の半径距離が、上記中心軸よりも進み側となる部分の半径距離よりも短いことを特徴としている。
【0016】
これは、請求項3とは逆に、ピストンが下死点に達したときにクランクピンが最下点を過ぎた位置つまり最下点よりも進み側に位置する場合がある。請求項4の発明は、このような構成を前提としたものであって、クランクピンが最下点に達した時点では、ピストンはまだ下死点に到達しない。そのため、これに対応するカウンタウエイト外縁部分は、相対的に外周側に位置させることができる。
【0017】
次に請求項5の発明は、可変圧縮比機構を備えた請求項3の発明をさらに減縮したものであって、クランクジャーナルの回転中心がシリンダの中心軸に対して一方にオフセットしている構成を前提としており、ピストンの上記オフセット方向の外周端におけるスカート部最下端位置が、反対側の外周端におけるスカート部最下端位置よりも相対的に上方に位置していることを特徴としている。
【0018】
クランクジャーナルの回転中心が一方にオフセットしていると、このオフセットしている側のピストンスカート部最下端がカウンタウエイト外縁と干渉しやすくなる。従って、スカート部最下端位置を非対称とし、オフセットしている側で相対的に上方に配置することにより、この干渉を回避できる。
【0019】
また、請求項6に係る発明では、上記外縁が、上記クランクジャーナルの回転中心以外の点を中心とする円弧形をなしている。例えば、クランクピンを中心とした一定半径の円弧とすることができる。このような円弧形とすれば、旋削加工等の加工が容易である。
【0020】
さらに、請求項7に係る発明では、上記外縁が、多角形をなしている。この場合、多角形の複数の辺に相当する面を直線的に平面加工すればよく、加工が容易である。しかも、その平面部を、他の加工の位置決め基準面として利用することができる。
【0021】
また、請求項8に係る発明では、上記外縁が、ピストンが下死点に達したときに該ピストンに対向する直線部分と、その両側の円弧部分と、から形成されている。上記円弧部分は、例えば、従来のクランクシャフトと同様に、クランクジャーナルの回転中心を中心とした円弧とすることができる。従って、円弧の1カ所を直線的に平面加工すればよく、加工が容易である。しかも、その平面部を、他の加工の位置決め基準面として利用することができる。
【0022】
【発明の効果】
この発明によれば、カウンタウエイトを小型化することなく、ピストンとカウンタウエイト外縁との間の最小間隙を相対的に大きく確保することができ、カウンタウエイトに必要な慣性モーメントを十分に大きく確保しつつ、余裕代の拡大あるいは内燃機関の全高の小型化などを実現できる。
【0023】
特に、可変圧縮比機構を備えた内燃機関において、圧縮比の可変制御に伴って下死点位置がクランクジャーナルに近付いても、カウンタウエイトと干渉することを回避でき、圧縮比の可変範囲をより大きく確保することができる。
【0024】
また、請求項3あるいは請求項4の発明によれば、ピストンが下死点に達するタイミングとクランクピンが最下点となるタイミングとがずれている場合に、このタイミングのずれを考慮した形で、ピストンとカウンタウエイト外縁との間の間隙を大きく確保することができる。
【0025】
さらに、請求項5の発明によれば、クランクジャーナルの回転中心がシリンダの中心軸に対して一方にオフセットしている場合に、ピストンスカート部最下端とカウンタウエイト外縁との干渉を確実に回避でき、圧縮比の可変範囲を大きく確保することができる。
【0026】
また、請求項6の発明によれば、カウンタウエイト外縁を一定半径の円弧形とすることにより、旋削加工等の加工が容易となる。
【0027】
請求項7の発明によれば、カウンタウエイト外縁を多角形とすることにより、直線的な平面加工となり、加工が容易であるとともに、平面部を、他の加工の位置決め基準面として利用することが可能となる。
【0028】
同様に請求項8の発明によれば、円弧の1カ所を直線的に平面加工すればよく、加工が容易であるとともに、平面部を、他の加工の位置決め基準面として利用することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図4は、この発明を、可変圧縮比機構を備えたレシプロ式内燃機関に適用した一実施例を示している。このクランク機構は、シリンダブロック1のシリンダ2内を摺動するピストン3と、シリンダブロック1に回転自在に支持されたクランクシャフト10と、上記ピストン3にピストンピン25を介して一端が連結されたアッパリンク21と、このアッパリンク21の他端に連結ピン26を介して連結されるとともに、クランクシャフト10のクランクピン11に連結されたロアリンク22と、このロアリンク22に連結ピン27を介して一端が連結されるとともに、他端が内燃機関本体に揺動可能に支持されたコントロールリンク23と、を備えており、上記コントロールリンク23の揺動支持位置が偏心カム24によって制御される構成となっている。なお、上記偏心カム24は、クランクシャフト10のクランクジャーナル14を支持するベアリングキャップ20の下側部に支持されている。また、この実施例では、クランクジャーナル14の回転中心が、シリンダ2の中心軸L上に位置しているとともに、図示するように、ピストン3が下死点に達したときに、ちょうどクランクピン11が最下点に位置するように構成されている。
【0031】
上記クランクシャフト10は、クランクアーム15と一体に、クランクピン11とは反対側に延びたカウンタウエイト12を備えている。このカウンタウエイト12の外縁13は、連続した曲線からなり、クランクジャーナル14の回転中心を中心とした円弧に近似した基本形状を有しているが、クランクジャーナル14の回転中心から外縁13各部までの半径距離は完全に一定ではなく、中央部分の半径距離rcが、両側部分の半径距離rsよりも短くなっている。詳しくは、図示するように、ピストン3が下死点に達したときのクランクシャフト10の姿勢において、シリンダ中心軸Lに一致する位置での半径距離が最も短く(rc)、これよりも進み側となる部分ならびに遅れ側となる部分での半径距離rsは、いずれも、相対的に大きい。なお、図の状態で、カウンタウエイト12は、シリンダ中心軸Lを挟んで対称形状をなしている。
【0032】
図5は、このような実施例の構成における図3と同様の説明図であって、ピストン3のピンボス部の下端が最も下方となるピストン3の下死点において、外縁13の位置が半径距離rcとして示すように下方に位置することになるので、下死点位置における両者の間隙cが拡大する。そのため、余裕代が大きくなるとともに、圧縮比の可変範囲が大きくなる。また、このようにピストン3に最接近する部分を除いて、カウンタウエイト12の半径距離rsを大きく確保できるので、その慣性モーメントが十分に大きく得られる。特に、一般的な単リンク式のクランク機構におけるピストン下死点付近におけるストローク変化は、回転2次成分の影響によって下死点付近での停滞時間が長いのに対し、この実施例の複リンク式クランク機構では、ピストン3の動きを単振動に近づけることが可能であるため、両側の半径距離rsを単リンク式の場合よりも大きく設定することが可能である。
【0033】
次に、図6は、上記のような外縁13のより具体的な形状を示したものであって、この第2実施例では、図示するように、クランクピン11の中心から一定半径Rの円弧形をなすように外縁13が形成されており、これによって、クランクジャーナル14の回転中心からの半径距離が、中央部では短く(rc)、両側部では長く(rs)なっている。このような構成によれば、クランクピン11を中心とした旋削加工が可能となり、その加工が容易となる。
【0034】
図7は、外縁13の異なる形状を示しており、この第3実施例では、外縁13が、基本的にクランクジャーナル14を中心とした半径rsの円弧に沿った形状をなすとともに、その中央部分が接線方向に平行な平面部13aとして切り落とされた形状をなしている。このような構成によれば、一定半径の円弧の一部を平面に削除すればよいので、加工が容易であり、また平面部13aを、他の加工の際の位置決め基準面として利用することができる。
【0035】
また、図8は、外縁13を、3つの平面部13a,13b,13cによって多角形に形成した第4実施例を示している。図示するように、平面部13aの中央部が最も短い半径距離rcとなり、4つの頂点が最も長い半径距離rsとなる。この構成によれば、平面加工のみで外縁13を形成でき、その加工が容易であるとともに、各平面部13a,13b,13cを、他の加工の際の位置決め基準面として利用することができる。
【0036】
次に、図9および図10は、ピストン3が下死点に達したときに、クランクピン11がまだ最下点に達しないようなリンク構成を有するクランク機構に適用した第5実施例を示している。なお、クランクシャフト10の回転方向は、矢印ωで示すように、図の時計回り方向である。すなわち、図9は、ピストン3が下死点位置にあるときの状態を示しているが、このときに、クランクピン11は、最下点よりも僅かに遅れ側にある。従って、ピストン3が下死点に達したときに、ピストン3中央のピンボス部が最接近する位置は、カウンタウエイト12外縁13の中央ではなく、カウンタウエイト12中央よりも進み側に片寄った位置となる。図10にも示すように、この位置において、外縁13の半径距離は最も短い(rc)。つまり、ピストン3が下死点に達したときのクランクシャフト10の姿勢でもって、シリンダ中心軸Lに一致する位置の半径距離rcが最も短い。そして、その両側部において、これよりも半径距離が長くなっているが、特に、シリンダ中心軸Lよりも進み側となる部分の半径距離rs1が、遅れ側となる部分の半径距離rs2よりも短い。
【0037】
従って、図10に明らかなように、サイクル中に、ピストン3下端の移動軌跡に対応した形で外縁13の高さ位置が変化することになり、ピストン3下死点の付近で一層適切に間隙cを確保することができる。
【0038】
また、図示は省略するが、逆に、ピストン3が下死点に達したときに、クランクピン11が最下点を過ぎているようなリンク構成を有するクランク機構に適用する場合には、逆に、シリンダ中心軸Lよりも進み側となる部分の半径距離rs1が、遅れ側となる部分の半径距離rs2よりも相対的に長く設定されることになる。
【0039】
次に、図11は、クランクジャーナル14の回転中心がシリンダ中心軸Lから図の右側へオフセットしている場合の第6実施例を示している。この第6実施例では、カウンタウエイト12の外縁13の形状は、前述した第2実施例と同様であり、クランクピン11を中心とした半径Rの円弧形をなしている。このようにクランクシャフト10がオフセットした構成では、ピストン3における図右側のスカート部最下端5が、カウンタウエイト12と干渉しやすくなる。図12は、比較例として示したものであり、図示するように、ピストン3が下死点に達したときに、両者間の間隙がc6として示すように、非常に小さくなってしまう。そのため、図11の第6実施例では、ピストン3の図右側のスカート部最下端5の位置が、図左側のスカート部最下端4の位置よりも、相対的に上方に位置するようになっている。つまり、スカート部の長さが、図左側の部分に比べて図右側の部分で相対的に短くなっている。このような構成によれば、両者間の間隙がc7として示すように、大きく確保され、この位置での干渉を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のクランク機構の一例を示す断面図。
【図2】ピストンが下死点に達したときの状態を示す断面図。
【図3】ピストン下端とカウンタウエイト外縁の運動軌跡を展開して示す説明図。
【図4】この発明の第1実施例を示す断面図。
【図5】この実施例におけるピストン下端とカウンタウエイト外縁の運動軌跡を示す図3と同様の説明図。
【図6】この発明の第2実施例を示す断面図。
【図7】第3実施例を示す断面図。
【図8】第4実施例を示す断面図。
【図9】第5実施例を示す断面図。
【図10】この第5実施例における図3と同様の説明図。
【図11】第6実施例を示す断面図。
【図12】第6実施例に関連した比較例を示す断面図。
【符号の説明】
3…ピストン
10…クランクシャフト
11…クランクピン
12…カウンタウエイト
13…外縁
14…クランクジャーナル
21…アッパリンク
22…ロアリンク
23…コントロールリンク
Claims (8)
- シリンダ内を往復動するピストンと、このピストンに連結されたクランクシャフトと、を備え、かつ、上記クランクシャフトが、クランクアームから延びたカウンタウエイトを備えてなるレシプロ式内燃機関のクランク機構において、
上記カウンタウエイトの外縁が、クランクジャーナルの回転中心を中心とした円弧の基本形状を有するとともに、ピストンが下死点に達したときに該ピストンと上記円弧との間隔が最も小さくなる周方向位置の付近で、上記円弧よりも内周側に後退した形状をなしており、
上記内燃機関が、圧縮比の可変制御に伴ってピストンの下死点位置が変化する可変圧縮比機構を備えており、この可変圧縮比機構は、ピストンのピストンピンに一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクとクランクシャフトのクランクピンとを連結するロアリンクと、上記ロアリンクに一端が連結されるとともに他端が内燃機関の本体部に揺動可能に支持されたコントロールリンクと、このコントロールリンクの揺動支持位置を変化させる制御機構と、を備えて構成されていることを特徴とするレシプロ式内燃機関のクランク機構。 - 上記クランクジャーナルの回転中心がシリンダの中心軸上に位置しているとともに、上記クランクジャーナルの回転中心から上記カウンタウエイトの外縁各部までの半径距離について、ピストンが下死点に達したときのクランクシャフトの姿勢でシリンダの中心軸に一致する方向の半径距離(rc)が、該中心軸よりも進み側となる部分および遅れ側となる部分の半径距離よりも短いことを特徴とする請求項1に記載のレシプロ式内燃機関のクランク機構。
- ピストンが下死点に達したときにクランクピンが最下点よりも遅れ側に位置するように構成されているとともに、ピストンが下死点に達したときのクランクシャフトの姿勢でシリンダの中心軸よりも進み側となる部分の半径距離が、上記中心軸よりも遅れ側となる部分の半径距離よりも短いことを特徴とする請求項2記載のレシプロ式内燃機関のクランク機構。
- ピストンが下死点に達したときにクランクピンが最下点よりも進み側に位置するように構成されているとともに、ピストンが下死点に達したときのクランクシャフトの姿勢でシリンダの中心軸よりも遅れ側となる部分の半径距離が、上記中心軸よりも進み側となる部分の半径距離よりも短いことを特徴とする請求項2記載のレシプロ式内燃機関のクランク機構。
- 上記クランクジャーナルの回転中心がシリンダの中心軸に対して一方にオフセットしているとともに、ピストンの上記オフセット方向の外周端におけるスカート部最下端位置が、反対側の外周端におけるスカート部最下端位置よりも相対的に上方に位置していることを特徴とする請求項1記載のレシプロ式内燃機関のクランク機構。
- 上記外縁が、上記クランクジャーナルの回転中心以外の点を中心とする円弧形をなしていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレシプロ式内燃機関のクランク機構。
- 上記外縁が、多角形をなしていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレシプロ式内燃機関のクランク機構。
- 上記外縁が、ピストンが下死点に達したときに該ピストンに対向する直線部分と、その両側の円弧部分と、から形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレシプロ式内燃機関のクランク機構。
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