JP4373580B2 - デュアルバンドアンテナの構成方法、およびデュアルバンドアンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長を異にする2種類の電波のそれぞれを、同時に送,受信できるデュアルバンドアンテナ、および該デュアルバンドアンテナを構成する方法に係り、特に、移動無線機に用いられる周波数帯域で使用するに好適なデュアルバンドアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現代の電波工業においては、無線機を構成している各種の機器類、例えばIC,配線基板,アンテナ等の分業がほぼ確立していて、それぞれの分野において研究,開発、および大量生産が行なわれている。
こうした技術的背景の下において、アンテナメーカーの立場から見たとき、デュアルバンドアンテナについて要望されていることは、
無線機の総合メーカーから指定される2つの使用周波数帯域について、
所要のVSWR(電圧定在波比)と、
所要の分離度を有し、
なるべく小形,軽量で、
かつ、低コストの製品を創作して供給することである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
波長λaと波長λbとに同調するデュアルバンドアンテナを、従来技術に基づいて構成するとき、
波長λaに同調するアンテナエレメントと、波長λbに同調するアンテナエレメントとの間の距離を大きくしないと分離度が良くならない。
しかし、双方のアンテナエレメントを大きく離すと、デュアルバンドアンテナ全体として大型になり、従って大重量になってしまう。
また、従来例のデュアルバンドアンテナの中には、無線機の高周波回路に接続するための同軸ケーブルを1本しか備えていないものが少なくない。しかし、このような場合は該1本の同軸ケーブルで搬送された2つの高周波信号を分離するための回路を設けなければならないので、波長λa用と波長λb用との2本の同軸ケーブルを備えていることが望ましい。
VSWRと、分離度と、アンテナ利得とが共に優れたデュアルバンドを構成しようとすると構造が複雑となり、従って大型,大重量,高コストになるざるを得ない。
これらの諸条件のすべてを一挙に完全に解決することが、短期間で可能であろうとは考えられないが、従来技術に比して幾らか完全に近づけたいというのが本発明者の念願であって、本発明の目的とするところは、
従来例の単一周波数帯用の(非デュアルバンドの)アンテナに比して同等のVSWR、指向特性,およびアンテナ利得を有し、
かつ、各周波数帯ごとにそれぞれ同軸ケーブルを有していて、高周波回路側に「波長λaの信号と波長λbの信号とを分離する回路」を設ける必要が無く、周波数帯間の分離度が優れており、
しかも、従来例の単一アンテナに比して、外形寸法の増加が僅少な、デュアルバンドアンテナ、および、その構成方法を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために創作した本発明の基本的原理について、その実施形態に対応する図2を参照して略述すると次のとおりである。すなわち、小型,軽量で、優れたVSWRと優れた分離性能とを有し、しかも2本の同軸ケーブルを備えたデュアルバンドアンテナを提供するため、符号1の部材と符号2の部材とを上下方向の1直線に揃え、上下に対向離間させてλa用ダイポールアンテナを構成する。上記符号2の部材を共用して、これを地板とするλb用逆Fアンテナを構成する。符号3を付して示したのは逆Fアンテナエレメントであって、λb/4で共振する。λbの高周波信号がλaの高周波回路に漏洩することを防止するため、電気的長さλb/2のトラップ5を設けてある。
【0005】
以上に説明した原理に基づいて請求項1に係る発明方法の構成は、波長λa付近と、該波長λaよりも短い波長λb付近との、2つの同調波長域を有するデュアルバンドアンテナを構成する方法において、
1対の、電気的長さλa/4のダイポールアンテナエレメントを、ほぼ上下方向の同一直線上に配置して、同調波長域λa付近のダイポールアンテナを構成するとともに、
上記1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメントを短冊状に形成し、
上記短冊状アンテナエレメントを共用して、これを地板とする同調波長域λb付近の逆Fアンテナを構成し、
前記1対のダイポールアンテナエレメントの内の上側のダイポールアンテナエレメントの下端部を同軸ケーブルの芯線に接続するとともに、この接続点の真近の箇所において上記同軸ケーブルの外部導体を「前記逆Fアンテナの地板に兼用した下側のダイポールアンテナエレメント」に接続し、
かつ、前記同軸ケーブルの芯線とダイポールアンテナエレメントとの接続点の真近に、波長λbで共振するトラップを設けて、波長λbの高周波信号が波長λaの高周波回路に漏洩することを防止し、
前記ダイポールアンテナによる波長λaの電波の送受信と、前記逆Fアンテナによる波長λbの電波の送受信とを、それぞれ独立に行なわせることを特徴とする。
以上に説明した請求項1の発明方法によると、単一アンテナにおけると同等のVSWR,指向特性、およびアンテナ利得を有し、周波数帯間の分離度が優れていて、しかも、従来例の単一アンテナに比して外形寸法の増大が著しくないデュアルバンドアンテナを低コストで構成することができる。
ダイポールアンテナを構成した1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメントが、逆Fアンテナの地板に兼用されるので、構成部品点数が節減される。
そして、上下1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のアンテナエレメントが細長い板状をなしているので、逆Fアンテナの地板として有効に作用する。
上記のようにしてダイポールアンテナエレメントの1個を逆Fアンテナの地板として共用することによって、構成部品点数が節減されるだけでなく、2種類のアンテナを配置するための空間が縮小され、当該デュアルバンドアンテナ全体として小型に構成される。
上述のようにして、波長λa用のアンテナエレメントと波長λb用のアンテナエレメントとが極度に接近するので、双方のアンテナ間の干渉が懸念されるが、長い方の波長λaの高周波信号が短い方の波長λbの高周波回路に漏洩することは、理論的にも実験的にも微々たるものであることが確認されており、実用上は無視することができる。
その反対に短い方の波長λbの高周波信号が長い方の波長λaの高周波回路中に漏入する虞れ無しとしないが、本請求項1の発明方法においては波長λbに共振するトラップが設けられているので、波長λaのダイポールアンテナエレメントの給電点が、波長λbの高周波に関しては常に「電圧ゼロ」の状態になり、λaの高周波回路の中へ漏洩しない。
そして、上述のように同調波長λaのアンテナと同調波長λbのアンテナとが相互の干渉を防止されて、それぞれ独立に機能するので、単一アンテナにおけると同等のVSWRやアンテナ利得および指向性を発揮する。従って、双方の波長間の分離性も実用上完全と言い得る程度に充分である。
さらに、波長λaのアンテナエレメントおよび波長λbのアンテナエレメントのそれぞれに同軸ケーブルが接続されるので、波長λaの電波と波長λbの電波とは相互に独立した高周波信号として送受信されるから、分離回路を設ける必要が無い。
【0006】
請求項2に係る発明方法の構成は、前記請求項2に係る発明方法の構成要件に加えて、前記1対のダイポールアンテナエレメントの内、上側に位置するダイポールアンテナエレメントの上半部の少なくとも一部分を、ジグザグ状もしくはヘリカル状に形成して、トップヘビー形の複合アンテナエレメントならしめことにより、
同調波長域λa付近のダイポールアンテナの機械的な長さ寸法を、電気的長さよりも短くすることを特徴とする。
以上に説明した請求項2の発明方法によると、ダイポールアンテナを構成する上下1対のダイポールアンテナエレメントの内の上側のダイポールアンテナエレメントは、その電気的長さをλa/4ならしめねばならないが、その機械的な長さ寸法がλa/4よりも短くなるので、デュアルバンドアンテナ全体としての長さ寸法を短縮するに有効である。
そして、本請求項2の発明方法に適用されるジグザグ状アンテナエレメントおよびヘリカル状アンテナエレメントは、いずれも工業的生産に適していて、均一な品質の多量の製品を低コストで供給することができる。
本請求項に係るジグザグ状アンテナエレメントは、その製作方法を限定されないが、配線基板を構成する公知技術を適用すると、同一形状,寸法で、電気的特性が均一な、しかも軽量の製品を、低コストで構成することができる。その上、ジグザグ状の導電パターンを形成されていない部分の基板部材を支持することによって、該ジグザグ状の導電パターンを確実に位置決めして支持することができる。
例えば当該デュアルバンドアンテナが設置されているコードレス電話器を誤って取り落とすなどして衝撃を与えても、ジグザグ状導電部材は基板に密着固定されているので変形などの損傷を被る虞れが無い。
また、本請求項に係るヘリカル部分を有するダイポールアンテナエレメントもその製作方法を限定されないが、例えば針金を塑性加工して構成すると、任意の形状寸法の製品を容易に、しかも均一な品質で大量生産することができる上に、出来上がったヘリカル状部分を修正することが容易である。
しかも、ヘリカル状に成形された針金製のアンテナエレメントは弾性を有しているので、使用者の過失などによって衝撃を受けても永久変形する虞れが無く、耐久性に優れている。
これらを総合して考察するに、本請求項の発明方法によると、複雑で脆弱な構成部分を含むことなく、アンテナエレメントの電気的長さよりも機械的な外形寸法を短縮することができ、デュアルバンドアンテナ全体を小型化することができる。
【0007】
請求項3に係る発明方法の構成は、前記請求項1もしくは請求項2の発明方法の構成要件に加えて、前記波長λaを、「小数点未満を四捨五入した値が1GHzないし4GHzとなる周波数」に対応する波長とし、
前記波長λbを、上記のごとく設定した波長λaの約1/2とすることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明方法によると、波長λa用のダイポールアンテナと波長λb用の逆Fアンテナとから成るデュアルバンドアンテナ全体としての長さ寸法が、移動無線機用アンテナとして、特にコードレス電話器用アンテナとして好適な数センチメートル〜20センチメートル程度になるので、適用範囲が広く、実用価値が高い。
その上、波長λaが波長λbの約2倍となるから、電気的長さがλa/4であるダイポールアンテナエレメントの電気的長さは、ほぼλb/2に等しくなる。
【0008】
このため、上下1対の波長λa/4ダイポールアンテナエレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメントを、波長λbの逆Fアンテナの地板として共用するについて、両者の寸法関係が整合する。
本請求項3が従属している基本発明である請求項1の発明方法の要旨を更に要約すると「ダイポールアンテナの下側エレメントと逆Fアンテナの地板との共用、および、波長λbトラップ設置」である。従って、ダイポールアンテナエレメントの長さ寸法λa/4を、逆Fアンテナの同調波長λbの1/2に揃えて、電気的な整合を容易ならしめることの実用的効果は多大である。
【0009】
請求項4に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明方法の何れか一つの構成要件に加えて、前記の同調波長域λb付近の逆Fアンテナは、長方形に類似する導電性の板状部材を、地板に対してほぼ平行に支持するとともに、該長方形の4隅の内の1隅付近を地板に向けて延伸,接続させて接地点を構成し、
かつ、前記長方形板状部材の1隅から、該長方形の幅方向にも長さ方向にも離間した箇所に給電点を設定し、
高周波回路の出力端を、上記給電点に対して接続,導通せしめることを特徴とする。
以上に説明した請求項4の発明方法によると、デュアルバンドアンテナの構成要素として性能の良い逆Fアンテナを構成することができる。すなわち、
波長λb付近において優れたVSWR特性を有し、
波長λaに対して優れた分離性を有し、
アンテナ利得が高く、
波長λb付近において、広い同調波長域を有する逆Fアンテナを構成することができる。
このような効果を奏し得た理由は主として、「従来例の逆Fアンテナの給電点が、接地点に比してアンテナエレメントの長さ方向または幅方向の何れか一つの方向に離れていた」のに比して、「本請求項に係る逆Fアンテナの給電点を、板状アンテナエレメントの長さ方向にも、幅方向にも離したこと」によるものである。
【0011】
請求項5の発明に係るデュアルバンドアンテナの構成は、波長λa付近と、該波長λaよりも短い波長λb付近との、2つの同調波長域を有するデュアルバンドアンテナにおいて、
上下方向に対向する1対の、電気的長さ約λa/4のダイポールアンテナエレメントが設けられるとともに、
上記1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメントを共用して、これを地板とする電気的長さ約λb/4の逆Fアンテナエレメントが設けられていて、
2本の同軸ケーブルの内の片方の同軸ケーブルの芯線が、前記1対のダイポールアンテナエレメントの内の上方のダイポールアンテナエレメントに接続され、該片方の同軸ケーブの外部導体が前記共用地板に接続されるとともに、
前記2本の同軸ケーブルの内の他方の同軸ケーブルの芯線が、前記逆Fアンテナエレメントの給電点に接続され、該他方の同軸ケーブルの外部導体が前記共用地板に接続されており、
かつ、前記片方の同軸ケーブルの芯線とダイポールアンテナエレメントとの接続点の真近の箇所に、波長λbで共振するトラップが接続されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項5のデュアルバンドアンテナによると、単一アンテナにおけると同等のVSWR,指向特性、およびアンテナ利得を有し、周波数帯分離度が優れていて、しかも、従来例の単一アンテナに比して外形寸法の増大が著しくないデュアルバンドアンテナを低コストで構成することができる。
ダイポールアンテナを構成している1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメントが、逆Fアンテナの地板に兼用されているので、構成部品点数が節減される。
そして、上下1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のアンテナエレメントが細長い板状をなしているので、逆Fアンテナの地板として有効に作用する。
上記のようにしてダイポールアンテナエレメントの1個を逆Fアンテナの地板として共用することによって、構成部品点数が節減されるだけでなく、2種類のアンテナを配置するための空間が縮小され、当該デュアルバンドアンテナ全体として小型に構成される。
上述のようにして、波長λa用のアンテナエレメントと波長λb用のアンテナエレメントとが極度に接近しているので、双方のアンテナ間の干渉が懸念されるが、長い方の波長λaの高周波信号が短い方の波長λbの高周波回路に漏洩することは、理論的にも実験的にも微々たるものであることが確認されており、実用上は無視することができる。
その反対に短い方の波長λbの高周波信号が長い方の波長λaの高周波回路中に漏入する虞れ無しとしないが、本請求項5のアンテナにおいては波長λbに共振するトラップが設けられているので、波長λaのダイポールアンテナエレメントの給電点が、波長λbの高周波に関しては常に「電圧ゼロ」の状態になり、λaの高周波回路の中へ漏洩しない。
そして、上述のように同調波長λaのアンテナと同調波長λbのアンテナとが相互の干渉を防止されて、それぞれ独立に機能するので、単一アンテナにおけると同等のVSWRやアンテナ利得および指向性を発揮する。従って、双方の波長間の分離性も実用上完全と言い得る程度に充分である。
さらに、波長λaのアンテナエレメントおよび波長λbのアンテナエレメントのそれぞれに同軸ケーブルが接続されているので、波長λaの電波と波長λbの電波とは相互に独立した高周波信号として送受信されるから、分離回路を設ける必要が無い。
【0012】
請求項6の発明に係るデュアルバンドアンテナの構成は、前記請求項5の構成要件に加えて、前記の波長λbで共振するトラップが、同軸ケーブルを主たる材料として構成され、もしくは同軸ケーブルに類似した構造をなしており、
かつ、(イ)電気的長さが約λb/2であって、
(ロ)片方の端において、当該トラップの芯線が「前記片方の同軸ケーブルの芯線とダイポールアンテナとの接続点」に接続されるとともに、
(ハ)上記片方の端において、当該トラップの外部導体が「前記片方の同軸ケーブルの外部導体に接続され、
(ニ)当該トラップの他方の端において、その芯線と外部導体とが電気抵抗ゼロの状態に接続されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項6の発明によると、工業的に大量生産されて安価に供給されている同軸ケーブルを用いて、迅速容易に、低コストで波長λbのトラップを構成することができる。
同軸ケーブルの芯線の先端をアースに落とした状態で2分の1波長で共振させると、その基端部の電圧は常にゼロとなる。すなわち、このように構成されたトラップを、波長λbに関して基端側から見るとインピーダンス無限大であり、波長λbの高周波信号が波長λaの高周波回路に影響を及ぼさなくなる。
しかも、同軸ケーブル(一般の既製品もしくは類似品)はフレキシブルであって、このトラップを含めたアンテナエレメントを、パイプ状のアンテナカバーの中へ挿入して収納する操作が容易である。その上、フレキシブルであるから耐衝撃性に優れている。
さらに、一般に供給されている同軸ケーブルは、外部導体の外周を電気絶縁性材料で被覆されているので、これをそのまま用いるだけで、トラップの外部導体が他の構成部材(例えば逆Fアンテナエレメント)に対して接触導通する虞れが無くて好都合である。
【0013】
請求項7の発明に係るデュアルバンドアンテナの構成は、前記1対のダイポールアンテナエレメントの内の上方のダイポールアンテナエレメントが、その少なくとも一部分、望ましくは上半部もしくは、上端部がジグザグ状に形成されており、
または、上記少なくとも一部分、望ましくは上半部もしくは上端部がヘリカル状に形成されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項7の発明によると、ダイポールアンテナを構成する上下1対のダイポールアンテナエレメントの内の上側のダイポールアンテナエレメントは、その電気的長さをλa/4ならしめねばならないが、その機械的な長さ寸法がλa/4よりも短くなるので、デュアルバンドアンテナ全体としての長さ寸法を短縮するに有効である。
そして、本請求項7の発明に適用されるジグザグ状アンテナエレメントおよびヘリカル状アンテナエレメントは、いずれも工業生産に適していて、均一な品質の多量の製品を低コストで供給することができる。
本請求項に係るジグザグ状アンテナエレメントは、その製作方法を限定されないが、配線基板を構成する公知技術を適用すると、同一形状,寸法で、電気的特性が均一な、しかも軽量の製品を、低コストで構成することができる。その上、ジグザグ状の導電パターンを形成されていない部分の基板部材を支持することによって、該ジグザグ状の導電パターンを確実に位置決めして支持することができる。
例えば当該デュアルバンドアンテナが設置されているコードレス電話器を誤って取り落とすなどして衝撃を与えても、ジグザグ状導電部材は基板に密着固定されているので変形などの損傷を被る虞れが無い。
また、本請求項に係るヘリカル部分を有するダイポールアンテナエレメントも、その製作方法を限定されないが、例えば針金を塑性加工して構成すると、任意の形状寸法の製品を容易に、しかも均一な品質で大量生産することができる上に、出来上がったヘリカル状部分を修正することが容易である。
しかも、ヘリカル状に成形された針金製のアンテナエレメントは弾性を有しているので、使用者の過失などによって衝撃を受けても永久変形する虞れが無く、耐久性に優れている。
これらを総合して考察するに、本請求項のアンテナによると、複雑で脆弱な構成部分を含むことなく、アンテナエレメントの電気的長さよりも機械的な外形寸法を短縮することができ、デュアルバンドアンテナ全体を小型化することができる。
【0014】
請求項8の発明に係るデュアルバンドアンテナの構成は、前記請求項5の発明の構成要件に加えて、前記逆Fアンテナエレメントの地板に共用された下側のダイポールアンテナが、該逆Fアンテナエレメントの接地点から上方へ、電気的長さ約λb/4だけ延長されて、この延長部分が逆Fアンテナ専用のλb/4地板として機能するようになっていることを特徴とする。
【0015】
以上に説明した請求項8の発明によると、波長λb付近で使用される逆Fアンテナに、電気的長さλb/4の専用地板が設けられるので、該逆Fアンテナの電気的特性がいっそう向上する。すなわち、アンテナ利得が高くなり、VSWRが改善され、波長λaの高周波に対する分離性がいっそう良くなる。
この請求項8の発明は前記請求項5ないし請求項7の何れに対しても適用できて上述の効果を奏するが、特に請求項7の発明に適用すると好適であって、その理由は次のごとくである。すなわち、先に説明した請求項7の発明に係る1対のダイポールアンテナエレメントの内の上側のダイポールアンテナエレメントは、いわゆるトップヘビー形をなし、その上半部がジグザグ状もしくはヘリカル状に形成される、従って、該上側ダイポールアンテナエレメントの下半部を線条アンテナに形成することができる。
そこで、本請求項8に係る電気的長さλb/4の専用地板は、前記ジグザグ部もしくはヘリカル部と干渉しないように、線条部に沿わせて、狭隘な空間の中に旨く納めることができる。この場合、波長λbを波長λaの約半分に設定しておくと、逆Fアンテナのλb/4の専用地板の電気的な長さ(機械的長さ寸法とほぼ等しい)は、概要的にλa/4ダイポールアンテナの機械的長さの半分になる。このため、該λa/4ダイポールアンテナの上半部に形成されるジグザグ部もしくはヘリカル部との干渉を避けるとともに、その下半部に形成される線条部の側方の空隙に前記半分長さの専用地板を配設することができる。
【0016】
請求項9の発明に係るデュアルバンドアンテナの構成は、前記請求項5ないし請求項8の発明の構成要件に加えて、前記逆Fアンテナエレメントは、ほぼL字状をなす導電性部材を有しており、
L字状をなしている2辺の内の片方の辺が前記の地板に対して接続導通されているとともに、該2辺の内の他方の辺は細長い板状をなしていて、前記の地板に対してほぼ平行であり、
かつ、前記逆Fアンテナエレメントの給電点が、前記他方の辺の細長い板状部分に位置し、L字状の屈曲点から長さ方向にも幅方向にも離れていることを特徴とする。
【0017】
以上に説明した請求項9のアンテナによると、デュアルバンドアンテナの構成要素として性能の良い逆Fアンテナを構成することができる。すなわち、
波長λb付近において優れたVSWR特性を有し、
波長λaに対して優れた分離性を有し、
アンテナ利得が高く、
波長λb付近において、広い同調波長域を有する逆Fアンテナを構成することができる。
このような効果を奏し得た理由は主として、「従来例の逆Fアンテナの給電点が、接地点に比してアンテナエレメントの長さ方向または幅方向の何れか一つの方向に離れていた」のに比して、「本請求項に係る逆Fアンテナの給電点を、板状アンテナエレメントの長さ方向にも、幅方向にも離したこと」によるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明に係るデュアルバンドアンテナの1実施形態を示し、機械的構成と電気的構成とを併せて表すように描いた模式的な正面外観図であって、請求項1,および請求項5に対応している図である。
本実施形態はコードレス電話器用として構成されたものであって、開発の目標とする性能諸元(目標品質)は次のとおりである。
λaに相当する使用周波数帯域 900〜930MHz
λbに相当する使用周波数帯域 1.85〜1.99GHz
アンテナ利得、および指向特性は、従来の単一アンテナと同等のこと、
各周波数帯ごとに出力ケーブルを有していること、
各アンテナ間の分離度が、コードレス電話器用として充分であること、
アンテナ全体の長さは、従来の単一アンテナに比して著しく大きくないこと。
【0020】
本発明を適用する場合、必ずしも前記の同調周波数帯に限られないが、四捨五入した値が1GHzである周波数に対応する波長をλaとし、四捨五入した値が2GHzである周波数に対応する波長をλbとすると、充分な効果を得ることができる。
符号aを付して示したのは波長λaに同調するダイポールアンテナであって、電気的長さλaの1対のダイポールアンテナエレメントを上下方向の1直線に沿わしめて、上下に対向,離間せしめてある。
本発明のデュアルバンドアンテナは、これを斜めの姿勢にして使用することも充分に可能であって、前記の「上下」とは説明の便宜上の呼称であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1,図2,図3、図7、図8、および図9において、上記便宜上の「上下」は図面の上下と一致しているが、図4においては一致していない。
【0021】
符号1を付して示した部材は電気的長さλa/4の線条によって構成されたダイポールアンテナエレメントであり、符号2を付して示した部材は電気的長さがλa/4の細長い板状部材であって、ダイポールアンテナエレメントとして作用し、前記ダイポールアンテナエレメント1と協働して、波長λaのダイポールアンテナを構成している。
上記の細長い板状部材2を共用し、これを地板としてλb用逆Fアンテナbが設けられている。符号3を付して示した部材は逆Fアンテナエレメントである。この逆Fアンテナエレメント3の詳細な構造については、図4を参照して後に説明する。
6はλa用ダイポールアンテナaの同軸ケーブルであって、その芯線はダイポールアンテナエレメント1の給電点(下端)に接続導通され、その外部導体は接地点Eで前記「符号2の部材」すなわちλa,λb共用の地板兼ダイポールアンテナエレメントに接続導通されている。
【0022】
6′はλb逆Fアンテナbの同軸ケーブルであって、その外部導体は前記の共用地板2に接続導通され、その芯線は逆Fアンテナエレメント3の給電点sに接続導通されている。この給電点s付近の詳細な構造については、図4を参照して後述する。
符号5を付して示したのは、波長λbで共振するトラップである。本例のトラップ5は同軸ケーブルを電気的長さ約λb/2に切断し、その芯線の片方の端(図において上端)を「前記同軸ケーブル6の芯線とλa用ダイポールアンテナエレメント1との接続箇所」に接続導通するとともに、外部導体の上端を接地点E″で同軸ケーブル6の外部導体に接続導通してある。
本図2は、構造を読み取り易いように若干展開して描いてあるから、接地点Eと、接地点E′と、接地点E″とが互いに離れているが、これらの接地点E,E′,E″は実質的に同一の点である。
以上に述べた同軸ケーブル製トラップ5の下端において、芯線5bは外部導体5aに対してオーム抵抗がゼロとなるように短絡5cしてある。
【0023】
図3は、各種のトラップを例示した模式図であって、(B)は前掲の図2に示したと類似の1/2波長トラップ、(A)は1/4波長トラップ、(C)は3/4波長トラップである。
本図3(B)の1/2波長トラップに代えて、本図3(A)の1/4波長トラップを適用することも可能であり、材料(同軸ケーブル)が節減される上に小形,軽量になるが、前掲の図2の実施形態においては、こうしたメリットが余り重要でないから、トラップ機能が安定な1/2波長(λb/2)トラップを使用している。
図1は、前掲の図2に示した実施形態に係るデュアルバンドアンテナを模式化して描いた部分破断斜視図であって、請求項1,同2,同5,同6,同7,および同8の構成が現れている。ただし、同軸ケーブルとトラップとの間隔を拡大してあり、写生図ではない。
λa用ダイポールアンテナエレメント1は複合型であって、下半部1aは線条アンテナエレメント1aによって構成され、上半部はジグザグアンテナエレメント1bによって構成されている。
ジグザグ形の代りにヘリカル形とすることもできるが、ジグザグ形の方が工業的に生産性が良く、プリント基板技術を適用して低コストで大量生産するに適している。
上述のようにして、いわゆるトップヘビー型にすると、電気的長さに比して機械的長さが短縮され、当該デュアルバンドアンテナ全体として小形,軽量化することができる。
前記線条アンテナエレメント1aの傍のスペースを利用して、λa,λb共用地板2を、接地点E′よりも上方へ、電気的長さλb/4だけ延長して、逆Fアンテナ専用の1/4波長地板を構成した。このようなλb/4地板4を設けると、逆Fアンテナの特性が良くなり、かつ、その作動が安定する。
【0024】
図4は、逆Fアンテナを説明するために示したもので、(A)は逆Fアンテナの原理図であり、(B)は逆Fアンテナの従来例を模式的に描いた斜視図であり、(C)は実施形態を模式的に描いた斜視図であって、請求項4および同9の構成に対応している。
(図4(A)参照)逆Fアンテナエレメント3はL字状をなし、地板8に対して接続導通されていて、1/4波長で共振する。高周波回路7の出力端は、逆Fアンテナエレメント3の給電点sに接続導通される。これが逆Fアンテナの基本的な構成である。
(図4(B)参照)従来例の逆Fアンテナエレメント3′は、地板8と平行な部分が「幅寸法W,長さ寸法Lの長方形板状」に形成されていて、給電点s′は接地点Eから幅方向に離れた所に設定されている。
(図4(C)参照)本実施形態の逆Fアンテナエレメント3のみを抽出して考察すると、前記従来例の逆Fアンテナエレメント3′と類似の形状である。ただし、地板8と平行な部分は必ずしも正確に長方形であることを要せず、長方形に類似する形状であれば足りる。
本実施形態の逆Fアンテナの給電点sは、接地点Eから幅方向(W)にも、長さ方向(L)にも離れた箇所に設定されている。これにより、良好なアンテナ特性を有する逆Fアンテナが構成される。
【0025】
図5は、前掲の図1および図2に示した実施形態のダイポールアンテナの特性を示し、(A)は900MHzダイポールアンテナのVSWR、(B)はアイソレーションである。
900MHz付近、875〜950MHzにおいてVSWRが3以下になっている。また、アイソレーションも良好な分離度を表している。
【0026】
図6は、1.9GHz逆Fアンテナの特性を示し、(A)はVSWR、(B)はアイソレーションである。
図6(A)から分かるように、本実施形態(図1,図2)の逆Fアンテナは、その使用周波数帯域(1.85〜1.99GHz)におけるVSWRが3以下であり、広い同調周波数帯域を有している。
図1,図2の実施形態のデュアルバンドアンテナからλb用トラップ5を取り除くと、図6(B)のカーブは点線のようになり、該λb用トラップ5を取り付けると実線のようになる。これにより、トラップが分離度の改善に著しく有効であることが分かる。
【0031】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を挙げてその構成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方法によると、単一アンテナにおけると同等のVSWR,指向特性、およびアンテナ利得を有し、周波数帯間の分離度が優れていて、しかも、従来例の単一アンテナに比して外形寸法の増大が著しくないデュアルバンドアンテナを低コストで構成することができる。
ダイポールアンテナを構成した1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメントが、逆Fアンテナの地板に兼用されるので、構成部品点数が節減される。
そして、上下1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のアンテナエレメントが細長い板状をなしているので、逆Fアンテナの地板として有効に作用する。
上記のようにしてダイポールアンテナエレメントの1個を逆Fアンテナの地板として共用することによって、構成部品点数が節減されるだけでなく、2種類のアンテナを配置するための空間が縮小され、当該デュアルバンドアンテナ全体として小型に構成される。
上述のようにして、波長λa用のアンテナエレメントと波長λb用のアンテナエレメントとが極度に接近するので、双方のアンテナ間の干渉が懸念されるが、長い方の波長λaの高周波信号が短い方の波長λbの高周波回路に漏洩することは、理論的にも実験的にも微々たるものであることが確認されており、実用上は無視することができる。
その反対に短い方の波長λbの高周波信号が長い方の波長λaの高周波回路中に漏入する虞れ無しとしないが、本請求項1の発明方法においては波長λbに共振するトラップが設けられているので、波長λaのダイポールアンテナエレメントの給電点が、波長λbの高周波に関しては常に「電圧ゼロ」の状態になり、λaの高周波回路の中へ漏洩しない。
そして、上述のように同調波長λaのアンテナと同調波長λbのアンテナとが相互の干渉を防止されて、それぞれ独立に機能するので、単一アンテナにおけると同等のVSWRやアンテナ利得および指向性を発揮する。従って、双方の波長間の分離性も実用上完全と言い得る程度に充分である。
さらに、波長λaのアンテナエレメントおよび波長λbのアンテナエレメントのそれぞれに同軸ケーブルが接続されるので、波長λaの電波と波長λbの電波とは相互に独立した高周波信号として送受信されるから、分離回路を設ける必要が無い。
【0032】
請求項2の発明方法によると、ダイポールアンテナを構成する上下1対のダイポールアンテナエレメントの内の上側のダイポールアンテナエレメントは、その電気的長さをλa/4ならしめねばならないが、その機械的な長さ寸法がλa/4よりも短くなるので、デュアルバンドアンテナ全体としての長さ寸法を短縮するに有効である。
そして、本請求項2の発明方法に適用されるジグザグ状アンテナエレメントおよびヘリカル状アンテナエレメントは、いずれも工業的生産に適していて、均一な品質の多量の製品を低コストで供給することができる。
本請求項に係るジグザグ状アンテナエレメントは、その製作方法を限定されないが、配線基板を構成する公知技術を適用すると、同一形状,寸法で、電気的特性が均一な、しかも軽量の製品を、低コストで構成することができる。その上、ジグザグ状の導電パターンを形成されていない部分の基板部材を支持することによって、該ジグザグ状の導電パターンを確実に位置決めして支持することができる。
例えば当該デュアルバンドアンテナが設置されているコードレス電話器を誤って取り落とすなどして衝撃を与えても、ジグザグ状導電部材は基板に密着固定されているので変形などの損傷を被る虞れが無い。
また、本請求項に係るヘリカル部分を有するダイポールアンテナエレメントもその製作方法を限定されないが、例えば針金を塑性加工して構成すると、任意の形状寸法の製品を容易に、しかも均一な品質で大量生産することができる上に、出来上がったヘリカル状部分を修正することが容易である。
しかも、ヘリカル状に成形された針金製のアンテナエレメントは弾性を有しているので、使用者の過失などによって衝撃を受けても永久変形する虞れが無く、耐久性に優れている。
これらを総合して考察するに、本請求項の発明方法によると、複雑で脆弱な構成部分を含むことなく、アンテナエレメントの電気的長さよりも機械的な長さ寸法を短縮することができ、デュアルバンドアンテナ全体を小型化することができる。
【0033】
請求項3の発明方法によると、波長λa用のダイポールアンテナと波長λb用の逆Fアンテナとから成るデュアルバンドアンテナ全体としての長さ寸法が、移動無線機用アンテナとして、特にコードレス電話器用アンテナとして好適な数センチメートル〜20センチメートル程度になるので、適用範囲が広く、実用価値が高い。
その上、波長λaが波長λbの約2倍となるから、電気的長さがλa/4であるダイポールアンテナエレメントの電気的長さは、ほぼλb/2に等しくなる。このため、上下1対の波長λa/4ダイポールアンテナエレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメントを、波長λbの逆Fアンテナの地板として共用するについて、両者の寸法関係が整合する。
本請求項3が従属している基本発明である請求項1の発明方法の要旨を更に要約すると「ダイポールアンテナの下側エレメントと逆Fアンテナの地板との共用、および、波長λbトラップ設置」である。従って、ダイポールアンテナエレメントの長さ寸法λa/4を、逆Fアンテナの同調波長λbの1/2に揃えて、電気的な整合を容易ならしめることの実用的効果は多大である。
【0034】
請求項4の発明方法によると、デュアルバンドアンテナの構成要素として性能の良い逆Fアンテナを構成することができる。すなわち、
波長λb付近において優れたVSWR特性を有し、
波長λaに対して優れた分離性を有し、
アンテナ利得が高く、
波長λb付近において、広い同調波長域を有する逆Fアンテナを構成することができる。
このような効果を奏し得た理由は主として、「従来例の逆Fアンテナの給電点が、接地点に比してアンテナエレメントの長さ方向または幅方向の何れか一つの方向に離れていた」のに比して、「本請求項に係る逆Fアンテナの給電点を、板状アンテナエレメントの長さ方向にも、幅方向にも離したこと」によるものである。
【0036】
請求項5のデュアルバンドアンテナによると、単一アンテナにおけると同等のVSWR,指向特性、およびアンテナ利得を有し、周波数帯分離度が優れていて、しかも、従来例の単一アンテナに比して外形寸法の増大が著しくないデュアルバンドアンテナを低コストで構成することができる。
ダイポールアンテナを構成している1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメントが、逆Fアンテナの地板に兼用されているので、構成部品点数が節減される。
そして、上下1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のアンテナエレメントが細長い板状をなしているので、逆Fアンテナの地板として有効に作用する。
上記のようにしてダイポールアンテナエレメントの1個を逆Fアンテナの地板として共用することによって、構成部品点数が節減されるだけでなく、2種類のアンテナを配置するための空間が縮小され、当該デュアルバンドアンテナ全体として小型に構成される。
上述のようにして、波長λa用のアンテナエレメントと波長λb用のアンテナエレメントとが極度に接近しているので、双方のアンテナ間の干渉が懸念されるが、長い方の波長λaの高周波信号が短い方の波長λbの高周波回路に漏洩することは、理論的にも実験的にも微々たるものであることが確認されており、実用上は無視することができる。
その反対に短い方の波長λbの高周波信号が長い方の波長λaの高周波回路中に漏入する虞れ無しとしないが、本請求項5のアンテナにおいては波長λbに共振するトラップが設けられているので、波長λaのダイポールアンテナエレメントの給電点が、波長λbの高周波に関しては常に「電圧ゼロ」の状態になり、λaの高周波回路の中へ漏洩しない。
そして、上述のように同調波長λaのアンテナと同調波長λbのアンテナとが相互の干渉を防止されて、それぞれ独立に機能するので、単一アンテナにおけると同等のVSWRやアンテナ利得および指向性を発揮する。従って、双方の波長間の分離性も実用上完全と言い得る程度に充分である。
さらに、波長λaのアンテナエレメントおよび波長λbのアンテナエレメントのそれぞれに同軸ケーブルが接続されているので、波長λaの電波と波長λbの電波とは相互に独立した高周波信号として送受信されるから、分離回路を設ける必要が無い。
【0037】
請求項6の発明によると、工業的に大量生産されて安価に供給されている同軸ケーブルを用いて、迅速容易に、低コストで波長λbのトラップを構成することができる。
同軸ケーブルの芯線の先端をアースに落とした状態で2分の1波長で共振させると、その基端部の電圧は常にゼロとなる。すなわち、このように構成されたトラップを、波長λbに関して基端側から見るとインピーダンス無限大であり、波長λbの高周波信号が波長λaの高周波回路に影響を及ぼさなくなる。
しかも、同軸ケーブル(一般の既製品もしくは類似品)はフレキシブルであって、このトラップを含めたアンテナエレメントを、パイプ状のアンテナカバーの中へ挿入して収納する操作が容易である。その上、フレキシブルであるから耐衝撃性に優れている。
さらに、一般に供給されている同軸ケーブルは、外部導体の外周を電気絶縁性材料で被覆されているので、これをそのまま用いるだけで、トラップの外部導体が他の構成部材(例えば逆Fアンテナエレメント)に対して接触導通する虞れが無くて好都合である。
【0038】
請求項7の発明によると、ダイポールアンテナを構成する上下1対のダイポールアンテナエレメントの内の上側のダイポールアンテナエレメントは、その電気的長さをλa/4ならしめねばならないが、その機械的な長さ寸法がλa/4よりも短くなるので、デュアルバンドアンテナ全体としての長さ寸法を短縮するに有効である。
そして、本請求項7の発明に適用されるジグザグ状アンテナエレメントおよびヘリカル状アンテナエレメントは、いずれも工業生産に適していて、均一な品質の多量の製品を低コストで供給することができる。
本請求項に係るジグザグ状アンテナエレメントは、その製作方法を限定されないが、配線基板を構成する公知技術を適用すると、同一形状,寸法で、電気的特性が均一な、しかも軽量の製品を、低コストで構成することができる。その上、ジグザグ状の導電パターンを形成されていない部分の基板部材を支持することによって、該ジグザグ状の導電パターンを確実に位置決めして支持することができる。
例えば当該デュアルバンドアンテナが設置されているコードレス電話器を誤って取り落とすなどして衝撃を与えても、ジグザグ状導電部材は基板に密着固定されているので変形などの損傷を被る虞れが無い。
また、本請求項に係るヘリカル部分を有するダイポールアンテナエレメントも、その製作方法を限定されないが、例えば針金を塑性加工して構成すると、任意の形状寸法の製品を容易に、しかも均一な品質で大量生産することができる上に、出来上がったヘリカル状部分を修正することが容易である。
しかも、ヘリカル状に成形された針金製のアンテナエレメントは弾性を有しているので、使用者の過失などによって衝撃を受けても永久変形する虞れが無く、耐久性に優れている。
これらを総合して考察するに、本請求項のアンテナによると、複雑で脆弱な構成部分を含むことなく、アンテナエレメントの電気的長さよりも機械的な外形寸法を短縮することができ、デュアルバンドアンテナ全体を小型化することができる。
【0039】
請求項8の発明によると、波長λb付近で使用される逆Fアンテナに、電気的長さλb/4の専用地板が設けられるので、該逆Fアンテナの電気的特性がいっそう向上する。すなわち、アンテナ利得が高くなり、VSWRが改善され、波長λaの高周波に対する分離性がいっそう良くなる。
この請求項8の発明は前記請求項5ないし請求項7の何れに対しても適用できて上述の効果を奏するが、特に請求項7の発明に適用すると好適であって、その理由は次のごとくである。すなわち、先に説明した請求項7の発明に係る1対のダイポールアンテナエレメントの内の上側のダイポールアンテナエレメントは、いわゆるトップヘビー形をなし、その上半部がジグザグ状もしくはヘリカル状に形成される、従って、該上側ダイポールアンテナエレメントの下半部を線条アンテナに形成することができる。
そこで、本請求項8に係る電気的長さλb/4の専用地板は、前記ジグザグ部もしくはヘリカル部と干渉しないように、線条部に沿わせて、狭隘な空間の中に旨く納めることができる。この場合、波長λbを波長λaの約半分に設定しておくと、逆Fアンテナのλb/4の専用地板の電気的な長さ(機械的長さ寸法とほぼ等しい)は、概要的にλa/4ダイポールアンテナの機械的長さの半分になる。このため、該λa/4ダイポールアンテナの上半部に形成されるジグザグ部もしくはヘリカル部との干渉を避けるとともに、その下半部に形成される線条部の側方の空隙に前記半分長さの専用地板を配設することができる。
【0040】
請求項9のアンテナによると、デュアルバンドアンテナの構成要素として性能の良い逆Fアンテナを構成することができる。すなわち、
波長λb付近において優れたVSWR特性を有し、
波長λaに対して優れた分離性を有し、
アンテナ利得が高く、
波長λb付近において、広い同調波長域を有する逆Fアンテナを構成することができる。
このような効果を奏し得た理由は主として、「従来例の逆Fアンテナの給電点が、接地点に比してアンテナエレメントの長さ方向または幅方向の何れか一つの方向に離れていた」のに比して、「本請求項に係る逆Fアンテナの給電点を、板状アンテナエレメントの長さ方向にも、幅方向にも離したこと」によるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 後掲の図2に示す実施形態に係るデュアルバンドアンテナを模式化して描いた部分破断斜視図であって、請求項1,同2及び同6の構成が現れている。ただし、同軸ケーブルとトラップとの間隔を拡大してあり、写生図ではない。
【図2】 本発明に係るデュアルバンドアンテナの1実施形態を示し、機械的構成と電気的構成とを併せて表すように描いた模式的な正面外観図であって、請求項1,および請求項5に対応している図である。
【図3】 各種のトラップを例示した模式図であって、(B)は前掲の図2に示したと類似の1/2波長トラップ、(A)は1/4波長トラップ、(C)は3/4波長トラップである。
【図4】 逆Fアンテナを説明するために示したもので、(A)は逆Fアンテナの原理図であり、(B)は逆Fアンテナの従来例を模式的に描いた斜視図であり、(C)は実施形態を模式的に描いた斜視図であって、請求項4および同9の構成に対応している。
【図5】 前掲の図1および図2に示した実施形態のダイポールアンテナの特性を示し、(A)は900MHzダイポールアンテナのVSWR、(B)はアイソレーションである。
【図6】 1.9GHz逆Fアンテナの特性を示し、(A)はVSWR、(B)はアイソレーションである。
Claims (9)
- 波長λa付近と、該波長λaよりも短い波長λb付近との、2つの同調波長域を有するデュアルバンドアンテナを構成する方法において、
1対の、電気的長さλa/4のダイポールアンテナエレメントを、ほぼ上下方向の同一直線上に配置して、同調波長域λa付近のダイポールアンテナを構成するとともに、
上記1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメントを短冊状に形成し、
上記短冊状ダイポールアンテナを共用して、これを地板とする同調波長域λb付近の逆Fアンテナを構成し、
前記1対のダイポールアンテナエレメントの内の上側のダイポールアンテナエレメントの下端部を同軸ケーブルの芯線に接続するとともに、この接続点の真近の箇所において上記同軸ケーブルの外部導体を「前記逆Fアンテナの地板に兼用した下側のダイポールアンテナエレメント」に接続し、
かつ、前記同軸ケーブルの芯線とダイポールアンテナエレメントとの接続点の真近に、波長λbで共振するトラップを設けて、波長λbの高周波信号が波長λaの高周波回路に漏洩することを防止し、
前記ダイポールアンテナによる波長λaの電波の送受信と、前記逆Fアンテナによる波長λbの電波の送受信とを、それぞれ独立に行なわせることを特徴とする、デュアルバンドアンテナの構成方法。 - 前記1対のダイポールアンテナエレメントの内、上側に位置するダイポールアンテナエレメントの上半部の少なくとも一部分を、ジグザグ状もしくはヘリカル状に形成して、トップヘビー形の複合アンテナエレメントならしめることにより、
同調波長域λa付近のダイポールアンテナの機械的な長さ寸法を、電気的長さよりも短くすることを特徴とする、請求項1に記載したデュアルバンドアンテナの構成方法。 - 前記波長λaを、「小数点未満を四捨五入した値が1GHzないし4GHzとなる周波数」に対応する波長とし、
前記波長λbを、上記のごとく設定した波長λaの約1/2とすることを特徴とする、請求項1もしくは請求項2に記載したデュアルバンドアンテナの構成方法。 - 前記の同調波長域λb付近の逆Fアンテナは、長方形に類似する導電性板状部材を、地板に対してほぼ平行に支持するとともに、該長方形の4隅の内の1隅付近を地板に向けて延伸,接続させて接地点を構成し、
かつ、前記長方形板状部材の1隅から、該長方形の幅方向にも長さ方向にも離間した箇所に給電点を設定し、
高周波回路の出力端を上記給電点に対して接続,導通せしめることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れかに記載したデュアルバンドアンテナの構成方法。 - 波長λa付近と、該波長λaよりも短い波長λb付近との、2つの同調波長域を有するデュアルバンドアンテナにおいて、
上下方向に対向する1対の、電気的長さ約λa/4のダイポールアンテナエレメントが設けられるとともに、
上記1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメントを共用して、これを地板とする電気的長さ約λb/4の逆Fアンテナエレメントが設けられていて、
2本の同軸ケーブルの内の片方の同軸ケーブルの芯線が、前記1対のダイポールアンテナエレメントの内の上方のダイポールアンテナエレメントに接続され、該片方の同軸ケーブルの外部導体が前記共用地板に接続されるとともに、
前記2本の同軸ケーブルの内の他方の同軸ケーブルの芯線が、前記逆Fアンテナエレメントの給電点に接続され、該他方の同軸ケーブルの外部導体が前記共用地板に接続されており、
かつ、前記片方の同軸ケーブルの芯線とダイポールアンテナエレメントとの接続点の真近の箇所に、波長λbで共振するトラップが接続されていることを特徴とする、デュアルバンドアンテナ。 - 前記の波長λbで共振するトラップが、同軸ケーブルを主たる材料として構成され、もしくは同軸ケーブルに類似した構造をなしており、
かつ、(イ)電気的長さが約λb/2であって、
(ロ)片方の端において、当該トラップの芯線が「前記片方の同軸ケーブルの芯線とダイポールアンテナとの接続点」に接続されるとともに、
(ハ)上記片方の端において、当該トラップの外部導体が「前記片方の同軸ケーブルの外部導体に接続され、
(ニ)当該トラップの他方の端において、その芯線と外部導体とが電気抵抗ゼロの状態に接続されていることを特徴とする、請求項5に記載したデュアルバンドアンテナ。 - 前記1対のダイポールアンテナエレメントの内の上方のダイポールアンテナエレメントが、その少なくとも一部分、望ましくは上半部もしくは上端部がジグザグ状に形成されており、
または、上記少なくとも一部分、望ましくは上半部もしくは上端部がヘリカル状に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載したデュアルバンドアンテナ。 - 前記逆Fアンテナエレメントの地板に共用された下側のダイポールアンテナが、該逆Fアンテナエレメントの接地点から上方へ、電気的長さ約λb/4だけ延長されて、この延長部分が逆Fアンテナ専用のλb/4地板として機能するようになっていることを特徴とする、請求項5ないし請求項7の内の何れかに記載したデュアルバンドアンテナ。
- 前記逆Fアンテナエレメントは、ほぼL字状をなす導電性部材を有しており、
L字状をなしている2辺の内の片方の辺が前記の地板に対して接続導通されているとともに、該2辺の内の他方の辺は細長い板状をなしていて、前記の地板に対してほぼ平行であり、
かつ、前記逆Fアンテナエレメントの給電点が、前記他方の辺の細長い板状部分に位置し、L字状の屈曲点から長さ方向にも幅方向にも離れていることを特徴とする、請求項5ないし請求項8の内の何れか1つに記載したデュアルバンドアンテナ。
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