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JP2001345625A - デュアルバンドアンテナの構成方法、およびデュアルバンドアンテナ - Google Patents

デュアルバンドアンテナの構成方法、およびデュアルバンドアンテナ

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JP2001345625A
JP2001345625A JP2000172007A JP2000172007A JP2001345625A JP 2001345625 A JP2001345625 A JP 2001345625A JP 2000172007 A JP2000172007 A JP 2000172007A JP 2000172007 A JP2000172007 A JP 2000172007A JP 2001345625 A JP2001345625 A JP 2001345625A
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JP
Japan
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antenna
wavelength
inverted
dipole antenna
coaxial cable
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Application number
JP2000172007A
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Kazuhiko Nakase
一彦 仲瀬
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Sansei Denki KK
Original Assignee
Sansei Denki KK
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Publication date
Application filed by Sansei Denki KK filed Critical Sansei Denki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型,軽量で、優れたVSWRと優れた分離
性能とを有し、しかも2本の同軸ケーブルを備えたデュ
アルバンドアンテナを提供する。 【解決手段】 符号1の部材と符号2の部材とを上下方
向の1直線に揃え、上下に対向離間させてλa用ダイポ
ールアンテナを構成する。上記符号2の部材を共用し
て、これを地板とするλb用逆Fアンテナを構成する。
符号3を付して示したのは逆Fアンテナエレメントであ
って、λbで共振する。λbの高周波信号がλaの高周
波回路に漏洩することを防止するため、電気的長さλb
/2のトラップ5を設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長を異にする2
種類の電波のそれぞれを、同時に送,受信できるデュア
ルバンドアンテナ、および該デュアルバンドアンテナを
構成する方法に係り、特に、移動無線機に用いられる周
波数帯域で使用するに好適なデュアルバンドアンテナに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】現代の電波工業においては、無線機を構
成している各種の機器類、例えばIC,配線基板,アン
テナ等の分業がほぼ確立していて、それぞれの分野にお
いて研究,開発、および大量生産が行なわれている。こ
うした技術的背景の下において、アンテナメーカーの立
場から見たとき、デュアルバンドアンテナについて要望
されていることは、無線機の総合メーカーから指定され
る2つの使用周波数帯域について、所要のVSWR(電
圧定在波比)と、所要の分離度を有し、なるべく小形,
軽量で、かつ、低コストの製品を創作して供給すること
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】波長λaと波長λbと
に同調するデュアルバンドアンテナを、従来技術に基づ
いて構成するとき、波長λaに同調するアンテナエレメ
ントと、波長λbに同調するアンテナエレメントとの間
の距離を大きくしないと分離度が良くならない。しか
し、双方のアンテナエレメントを大きく離すと、デュア
ルバンドアンテナ全体として大型になり、従って大重量
になってしまう。また、従来例のデュアルバンドアンテ
ナの中には、無線機の高周波回路に接続するための同軸
ケーブルを1本しか備えていないものが少なくない。し
かし、このような場合は該1本の同軸ケーブルで搬送さ
れた2つの高周波信号を分離するための回路を設けなけ
ればならないので、波長λa用と波長λb用との2本の
同軸ケーブルを備えていることが望ましい。VSWR
と、分離度と、アンテナ利得とが共に優れたデュアルバ
ンドを構成しようとすると構造が複雑となり、従って大
型,大重量,高コストになるざるを得ない。これらの諸
条件のすべてを一挙に完全に解決することが、短期間で
可能であろうとは考えられないが、従来技術に比して幾
らか完全に近づけたいというのが本発明者の念願であっ
て、本発明の目的とするところは、従来例の単一周波数
帯用の(非デュアルバンドの)アンテナに比して同等の
VSWR、指向特性,およびアンテナ利得を有し、か
つ、各周波数帯ごとにそれぞれ同軸ケーブルを有してい
て、高周波回路側に「波長λaの信号と波長λbの信号
とを分離する回路」を設ける必要が無く、周波数帯間の
分離度が優れており、しかも、従来例の単一アンテナに
比して、外形寸法の増加が僅少な、デュアルバンドアン
テナ、および、その構成方法を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的原理について、その実施形
態に対応する図2を参照して略述すると次のとおりであ
る。すなわち、小型,軽量で、優れたVSWRと優れた
分離性能とを有し、しかも2本の同軸ケーブルを備えた
デュアルバンドアンテナを提供するため、符号1の部材
と符号2の部材とを上下方向の1直線に揃え、上下に対
向離間させてλa用ダイポールアンテナを構成する。上
記符号2の部材を共用して、これを地板とするλb用逆
Fアンテナを構成する。符号3を付して示したのは逆F
アンテナエレメントであって、λb/4で共振する。λ
bの高周波信号がλaの高周波回路に漏洩することを防
止するため、電気的長さλb/2のトラップ5を設けて
ある。
【0005】以上に説明した原理に基づいて請求項1に
係る発明方法の構成は、波長λa付近と、該波長λaよ
りも短い波長λb付近との、2つの同調波長域を有する
デュアルバンドアンテナを構成する方法において、1対
の、電気的長さλa/4のダイポールアンテナエレメン
トを、ほぼ上下方向の同一直線上に配置して、同調波長
域λa付近のダイポールアンテナを構成するとともに、
上記1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側の
ダイポールアンテナエレメントを短冊状に形成し、上記
短冊状アンテナエレメントを共用して、これを地板とす
る同調波長域λb付近の逆Fアンテナを構成し、前記1
対のダイポールアンテナエレメントの内の上側のダイポ
ールアンテナエレメントの下端部を同軸ケーブルの芯線
に接続するとともに、この接続点の真近の箇所において
上記同軸ケーブルの外部導体を「前記逆Fアンテナの地
板に兼用した下側のダイポールアンテナエレメントに接
続し、かつ、前記同軸ケーブルの芯線とダイポールアン
テナエレメントとの接続点の真近に、波長λbで共振す
るトラップを設けて、波長λbの高周波信号が波長λa
の高周波回路に漏洩することを防止し、前記ダイポール
アンテナによる波長λaの電波の送受信と、前記逆Fア
ンテナによる波長λbの電波の送受信とを、それぞれ独
立に行なわせることを特徴とする。以上に説明した請求
項1の発明方法によると、単一アンテナにおけると同等
のVSWR,指向特性、およびアンテナ利得を有し、周
波数帯間の分離度が優れていて、しかも、従来例の単一
アンテナに比して外形寸法の増大が著しくないデュアル
バンドアンテナを低コストで構成することができる。ダ
イポールアンテナを構成した1対のダイポールアンテナ
エレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメント
が、逆Fアンテナの地板に兼用されるので、構成部品点
数が節減される。そして、上下1対のダイポールアンテ
ナエレメントの内の下側のアンテナエレメントが細長い
板状をなしているので、逆Fアンテナの地板として有効
に作用する。上記のようにしてダイポールアンテナエレ
メントの1個を逆Fアンテナの地板として共用すること
によって、構成部品点数が節減されるだけでなく、2種
類のアンテナを配置するための空間が縮小され、当該デ
ュアルバンドアンテナ全体として小型に構成される。上
述のようにして、波長λa用のアンテナエレメントと波
長λb用のアンテナエレメントとが極度に接近するの
で、双方のアンテナ間の干渉が懸念されるが、長い方の
波長λaの高周波信号が短い方の波長λbの高周波回路
に漏洩することは、理論的にも実験的にも微々たるもの
であることが確認されており、実用上は無視することが
できる。その反対に短い方の波長λbの高周波信号が長
い方の波長λaの高周波回路中に漏入する虞れ無しとし
ないが、本請求項1の発明方法においては波長λbに共
振するトラップが設けられているので、波長λaのダイ
ポールアンテナエレメントの給電点が、波長λbの高周
波に関しては常に「電圧ゼロ」の状態になり、λaの高
周波回路の中へ漏洩しない。そして、上述のように同調
波長λaのアンテナと同調波長λbのアンテナとが相互
の干渉を防止されて、それぞれ独立に機能するので、単
一アンテナにおけると同等のVSWRやアンテナ利得お
よび指向性を発揮する。従って、双方の波長間の分離性
も実用上完全と言い得る程度に充分である。さらに、波
長λaのアンテナエレメントおよび波長λbのアンテナ
エレメントのそれぞれに同軸ケーブルが接続されるの
で、波長λaの電波と波長λbの電波とは相互に独立し
た高周波信号として送受信されるから、分離回路を設け
る必要が無い。
【0006】請求項2に係る発明方法の構成は、前記請
求項2に係る発明方法の構成要件に加えて、前記1対の
ダイポールアンテナエレメントの内、上側に位置するダ
イポールアンテナエレメントの上半部の少なくとも一部
分を、ジグザグ状もしくはヘリカル状に形成して、トッ
プヘビー形の複合アンテナエレメントならしめことによ
り、同調波長域λa付近のダイポールアンテナの機械的
な長さ寸法を、電気的長さよりも短くすることを特徴と
する。以上に説明した請求項2の発明方法によると、ダ
イポールアンテナを構成する上下1対のダイポールアン
テナエレメントの内の上側のダイポールアンテナエレメ
ントは、その電気的長さをλa/4ならしめねばならな
いが、その機械的な長さ寸法がλa/4よりも短くなる
ので、デュアルバンドアンテナ全体としての長さ寸法を
短縮するに有効である。そして、本請求項2の発明方法
に適用されるジグザグ状アンテナエレメントおよびヘリ
カル状アンテナエレメントは、いずれも工業的生産に適
していて、均一な品質の多量の製品を低コストで供給す
ることができる。本請求項に係るジグザグ状アンテナエ
レメントは、その製作方法を限定されないが、配線基板
を構成する公知技術を適用すると、同一形状,寸法で、
電気的特性が均一な、しかも軽量の製品を、低コストで
構成することができる。その上、ジグザグ状の導電パタ
ーンを形成されていない部分の基板部材を支持すること
によって、該ジグザグ状の導電パターンを確実に位置決
めして支持することができる。例えば当該デュアルバン
ドアンテナが設置されているコードレス電話器を誤って
取り落とすなどして衝撃を与えても、ジグザグ状導電部
材は基板に密着固定されているので変形などの損傷を被
る虞れが無い。また、本請求項に係るヘリカル部分を有
するダイポールアンテナエレメントもその製作方法を限
定されないが、例えば針金を塑性加工して構成すると、
任意の形状寸法の製品を容易に、しかも均一な品質で大
量生産することができる上に、出来上がったヘリカル状
部分を修正することが容易である。しかも、ヘリカル状
に成形された針金製のアンテナエレメントは弾性を有し
ているので、使用者の過失などによって衝撃を受けても
永久変形する虞れが無く、耐久性に優れている。これら
を総合して考察するに、本請求項の発明方法によると、
複雑で脆弱な構成部分を含むことなく、アンテナエレメ
ントの電気的長さよりも機械的な外形寸法を短縮するこ
とができ、デュアルバンドアンテナ全体を小型化するこ
とができる。
【0007】請求項3に係る発明方法の構成は、前記請
求項1もしくは請求項2の発明方法の構成要件に加え
て、前記波長λaを、「小数点未満を四捨五入した値が
1GHzないし4GHzとなる周波数」に対応する波長
とし、前記波長λbを、上記のごとく設定した波長λa
の約1/2とすることを特徴とする。以上に説明した請
求項3の発明方法によると、波長λa用のダイポールア
ンテナと波長λb用の逆Fアンテナとから成るデュアル
バンドアンテナ全体としての長さ寸法が、移動無線機用
アンテナとして、特にコードレス電話器用アンテナとし
て好適な数センチメートル〜20センチメートル程度に
なるので、適用範囲が広く、実用価値が高い。その上、
波長λaが波長λbの約2倍となるから、電気的長さが
λa/4であるダイポールアンテナエレメントの電気的
長さは、ほぼλb/2に等しくなる。
【0008】このため、上下1対の波長λa/4ダイポ
ールアンテナエレメントの内の下側のダイポールアンテ
ナエレメントを、波長λbの逆Fアンテナの地板として
共用するについて、両者の寸法関係が整合する。本請求
項3が従属している基本発明である請求項1の発明方法
の要旨を更に要約すると「ダイポールアンテナの下側エ
レメントと逆Fアンテナの地板との共用、および、波長
λbトラップ設置」である。従って、ダイポールアンテ
ナエレメントの長さ寸法λa/4を、逆Fアンテナの同
調波長λbの1/2に揃えて、電気的な整合を容易なら
しめることの実用的効果は多大である。
【0009】請求項4に係る発明方法の構成は、前記請
求項1ないし請求項3の発明方法の何れか一つの構成要
件に加えて、前記の同調波長域λb付近の逆Fアンテナ
は、長方形に類似する導電性の板状部材を、地板に対し
てほぼ平行に支持するとともに、該長方形の4隅の内の
1隅付近を地板に向けて延伸,接続させて接地点を構成
し、かつ、前記長方形板状部材の1隅から、該長方形の
幅方向にも長さ方向にも離間した箇所に給電点を設定
し、高周波回路の出力端を、上記給電点に対して接続,
導通せしめることを特徴とする。以上に説明した請求項
4の発明方法によると、デュアルバンドアンテナの構成
要素として性能の良い逆Fアンテナを構成することがで
きる。すなわち、波長λb付近において優れたVSWR
特性を有し、波長λaに対して優れた分離性を有し、ア
ンテナ利得が高く、波長λb付近において、広い同調波
長域を有する逆Fアンテナを構成することができる。こ
のような効果を奏し得た理由は主として、「従来例の逆
Fアンテナの給電点が、接地点に比してアンテナエレメ
ントの長さ方向または幅方向の何れか一つの方向に離れ
ていた」のに比して、「本請求項に係る逆Fアンテナの
給電点を、板状アンテナエレメントの長さ方向にも、幅
方向にも離したこと」によるものである。
【0010】請求項5に係る発明方法の構成は、波長λ
a付近と、波長λaよりも短い波長λb付近との2つの
同調波長域を有するデュアルバンドアンテナを構成する
方法において、1対の、電気的長さλb/4のダイポー
ルアンテナエレメントを、ほぼ上下方向の同一直線上に
配置して、同調波長域λb付近のダイポールアンテナを
構成するとともに、上記ダイポールアンテナの下方に位
置せしめて、かつ、上記ダイポールアンテナに接続され
た同軸ケーブルに沿わしめて、同調波長域約λaの逆F
アンテナを配置し、前記ダイポールアンテナの同軸ケー
ブルと、逆Fアンテナの同軸ケーブルとを、それぞれ個
別に高周波回路に接続して、前記ダイポールアンテナに
よる波長λbの電波の送受信と、前記逆Fアンテナによ
る波長λaの電波の送受信とを、相互に干渉すること無
く行なわせることを特徴とする。以上に説明した請求項
5の発明方法によると、波長λb用ダイポールアンテナ
と、波長λa用の逆Fアンテナとが、互いに異なる形式
のアンテナであり、かつ上下方向の1直線に反って互い
に上下に対向しているので、大きい間隔を置かなくても
干渉を生じることなく、それぞれのアンテナが独立に機
能する。上方に位置するダイポールアンテナは、ダイポ
ールアンテナ本来の特性として、水平面内においては3
60度方向に均一な指向特性を有し、かつ、垂直上下方
向の感度が著しく低い。そして逆Fアンテナは、この
「感度の低い下方」に位置している。これを比喩的に言
うならば、逆Fアンテナがダイポールアンテナの死角の
中に入っているので、相互に干渉しない。相互に干渉し
ないから、双方のアンテナの間に大きい距離を隔てなく
ても良く、このため、デュアルバンドアンテナ全体とし
ての長さ寸法が小さくなる。これに伴ってアンテナカバ
ー等の付属部材も小形,軽量となり、デュアルバンドア
ンテナの総合的な外形寸法が縮小されるとともに重量が
軽減される。前述のごとく波長λbのダイポールアンテ
ナと、波長λaの逆Fアンテナとがそれぞれ独立に機能
するので、単一アンテナにおけると同等のVSWR,ア
ンテナ利得、および指向特性が得られ、かつ、それぞれ
独立に機能するので分離性能が良い。このように、別段
に特殊な連結手段を用いることなく、波長λa用のアン
テナエレメントと波長λb用のアンテナエレメントとを
配列するので、構造が簡単で製作のコストが低廉であ
る。本請求項の構成方法を工業生産に適用した場合、ダ
イポールアンテナと逆Fアンテナとの相対的な位置決め
について高い精度を必要としないので、組立工程が容易
かつ迅速に進められ、さらに、製造工程の最終段階であ
る調整,検査においても、ダイポールアンテナと逆Fア
ンテナとの特性をそれぞれ個別に検査すれば足り、双方
のアンテナ間の電気的な結合状態(例えば容量結合)に
ついては一切考慮しなくても良い。
【0011】請求項6の発明に係るデュアルバンドアン
テナの構成は、波長λa付近と、該波長λaよりも短い
波長λb付近との、2つの同調波長域を有するデュアル
バンドアンテナにおいて、上下方向に対向する1対の、
電気的長さ約λa/4のダイポールアンテナエレメント
が設けられるとともに、上記1対のダイポールアンテナ
エレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメント
を共用して、これを地板とする電気的長さ約λb/4の
逆Fアンテナエレメントが設けられていて、2本の同軸
ケーブルの内の片方の同軸ケーブルの芯線が、前記1対
のダイポールアンテナエレメントの内の上方のダイポー
ルアンテナエレメントに接続され、該片方の同軸ケーブ
の外部導体が前記共用地板に接続されるとともに、前記
2本の同軸ケーブルの内の他方の同軸ケーブルの芯線
が、前記逆Fアンテナエレメントの給電点に接続され、
該他方の同軸ケーブルの外部導体が前記共用地板に接続
されており、かつ、前記片方の同軸ケーブルの芯線とダ
イポールアンテナエレメントとの接続点の真近の箇所
に、波長λbで共振するトラップが接続されていること
を特徴とする。以上に説明した請求項6のデュアルバン
ドアンテナによると、単一アンテナにおけると同等のV
SWR,指向特性、およびアンテナ利得を有し、周波数
帯分離度が優れていて、しかも、従来例の単一アンテナ
に比して外形寸法の増大が著しくないデュアルバンドア
ンテナを低コストで構成することができる。ダイポール
アンテナを構成している1対のダイポールアンテナエレ
メントの内の下側のダイポールアンテナエレメントが、
逆Fアンテナの地板に兼用されているので、構成部品点
数が節減される。そして、上下1対のダイポールアンテ
ナエレメントの内の下側のアンテナエレメントが細長い
板状をなしているので、逆Fアンテナの地板として有効
に作用する。上記のようにしてダイポールアンテナエレ
メントの1個を逆Fアンテナの地板として共用すること
によって、構成部品点数が節減されるだけでなく、2種
類のアンテナを配置するための空間が縮小され、当該デ
ュアルバンドアンテナ全体として小型に構成される。上
述のようにして、波長λa用のアンテナエレメントと波
長λb用のアンテナエレメントとが極度に接近している
ので、双方のアンテナ間の干渉が懸念されるが、長い方
の波長λaの高周波信号が短い方の波長λbの高周波回
路に漏洩することは、理論的にも実験的にも微々たるも
のであることが確認されており、実用上は無視すること
ができる。その反対に短い方の波長λbの高周波信号が
長い方の波長λaの高周波回路中に漏入する虞れ無しと
しないが、本請求項6のアンテナにおいては波長λbに
共振するトラップが設けられているので、波長λaのダ
イポールアンテナエレメントの給電点が、波長λbの高
周波に関しては常に「電圧ゼロ」の状態になり、λaの
高周波回路の中へ漏洩しない。そして、上述のように同
調波長λaのアンテナと同調波長λbのアンテナとが相
互の干渉を防止されて、それぞれ独立に機能するので、
単一アンテナにおけると同等のVSWRやアンテナ利得
および指向性を発揮する。従って、双方の波長間の分離
性も実用上完全と言い得る程度に充分である。さらに、
波長λaのアンテナエレメントおよび波長λbのアンテ
ナエレメントのそれぞれに同軸ケーブルが接続されてい
るので、波長λaの電波と波長λbの電波とは相互に独
立した高周波信号として送受信されるから、分離回路を
設ける必要が無い。
【0012】請求項7の発明に係るデュアルバンドアン
テナの構成は、前記請求項6の構成要件に加えて、前記
の波長λbで共振するトラップが、同軸ケーブルを主た
る材料として構成され、もしくは同軸ケーブルに類似し
た構造をなしており、かつ、(イ)電気的長さが約λb
/2であって、(ロ)片方の端において、当該トラップ
の芯線が「前記片方の同軸ケーブルの芯線とダイポール
アンテナとの接続点」に接続されるとともに、(ハ)上
記片方の端において、当該トラップの外部導体が「前記
片方の同軸ケーブルの外部導体に接続され、(ニ)当該
トラップの他方の端において、その芯線と外部導体とが
電気抵抗ゼロの状態に接続されていることを特徴とす
る。以上に説明した請求項7の発明によると、工業的に
大量生産されて安価に供給されている同軸ケーブルを用
いて、迅速容易に、低コストで波長λbのトラップを構
成することができる。同軸ケーブルの芯線の先端をアー
スに落とした状態で2分の1波長で共振させると、その
基端部の電圧は常にゼロとなる。すなわち、このように
構成されたトラップを、波長λbに関して基端側から見
るとインピーダンス無限大であり、波長λbの高周波信
号が波長λaの高周波回路に影響を及ぼさなくなる。し
かも、同軸ケーブル(一般の既製品もしくは類似品)は
フレキシブルであって、このトラップを含めたアンテナ
エレメントを、パイプ状のアンテナカバーの中へ挿入し
て収納する操作が容易である。その上、フレキシブルで
あるから耐衝撃性に優れている。さらに、一般に供給さ
れている同軸ケーブルは、外部導体の外周を電気絶縁性
材料で被覆されているので、これをそのまま用いるだけ
で、トラップの外部導体が他の構成部材(例えば逆Fア
ンテナエレメント)に対して接触導通する虞れが無くて
好都合である。
【0013】請求項8の発明に係るデュアルバンドアン
テナの構成は、前記1対のダイポールアンテナエレメン
トの内の上方のダイポールアンテナエレメントが、その
少なくとも一部分、望ましくは上半部もしくは、上端部
がジグザグ状に形成されており、または、上記少なくと
も一部分、望ましくは上半部もしくは上端部がヘリカル
状に形成されていることを特徴とする。以上に説明した
請求項8の発明によると、ダイポールアンテナを構成す
る上下1対のダイポールアンテナエレメントの内の上側
のダイポールアンテナエレメントは、その電気的長さを
λa/4ならしめねばならないが、その機械的な長さ寸
法がλa/4よりも短くなるので、デュアルバンドアン
テナ全体としての長さ寸法を短縮するに有効である。そ
して、本請求項8の発明に適用されるジグザグ状アンテ
ナエレメントおよびヘリカル状アンテナエレメントは、
いずれも工業生産に適していて、均一な品質の多量の製
品を低コストで供給することができる。本請求項に係る
ジグザグ状アンテナエレメントは、その製作方法を限定
されないが、配線基板を構成する公知技術を適用する
と、同一形状,寸法で、電気的特性が均一な、しかも軽
量の製品を、低コストで構成することができる。その
上、ジグザグ状の導電パターンを形成されていない部分
の基板部材を支持することによって、該ジグザグ状の導
電パターンを確実に位置決めして支持することができ
る。例えば当該デュアルバンドアンテナが設置されてい
るコードレス電話器を誤って取り落とすなどして衝撃を
与えても、ジグザグ状導電部材は基板に密着固定されて
いるので変形などの損傷を被る虞れが無い。また、本請
求項に係るヘリカル部分を有するダイポールアンテナエ
レメントも、その製作方法を限定されないが、例えば針
金を塑性加工して構成すると、任意の形状寸法の製品を
容易に、しかも均一な品質で大量生産することができる
上に、出来上がったヘリカル状部分を修正することが容
易である。しかも、ヘリカル状に成形された針金製のア
ンテナエレメントは弾性を有しているので、使用者の過
失などによって衝撃を受けても永久変形する虞れが無
く、耐久性に優れている。これらを総合して考察する
に、本請求項のアンテナによると、複雑で脆弱な構成部
分を含むことなく、アンテナエレメントの電気的長さよ
りも機械的な外形寸法を短縮することができ、デュアル
バンドアンテナ全体を小型化することができる。
【0014】請求項9の発明に係るデュアルバンドアン
テナの構成は、前記請求項6の発明の構成要件に加え
て、前記逆Fアンテナエレメントの地板に共用された下
側のダイポールアンテナが、該逆Fアンテナエレメント
の接地点から上方へ、電気的長さ約λb/4だけ延長さ
れて、この延長部分が逆Fアンテナ専用のλb/4地板
として機能するようになっていることを特徴とする。
【0015】以上に説明した請求項9の発明によると、
波長λb付近で使用される逆Fアンテナに、電気的長さ
λb/4の専用地板が設けられるので、該逆Fアンテナ
の電気的特性がいっそう向上する。すなわち、アンテナ
利得が高くなり、VSWRが改善され、波長λaの高周
波に対する分離性がいっそう良くなる。この請求項9の
発明は前記請求項6ないし請求項8の何れに対しても適
用できて上述の効果を奏するが、特に請求項8の発明に
適用すると好適であって、その理由は次のごとくであ
る。すなわち、先に説明した請求項8の発明に係る1対
のダイポールアンテナエレメントの内の上側のダイポー
ルアンテナエレメントは、いわゆるトップヘビー形をな
し、その上半部がジグザグ状もしくはヘリカル状に形成
される、従って、該上側ダイポールアンテナエレメント
の下半部を線条アンテナに形成することができる。そこ
で、本請求項9に係る電気的長さλb/4の専用地板
は、前記ジグザグ部もしくはヘリカル部と干渉しないよ
うに、線条部に沿わせて、狭隘な空間の中に旨く納める
ことができる。この場合、波長λbを波長λaの約半分
に設定しておくと、逆Fアンテナのλb/4の専用地板
の電気的な長さ(機械的長さ寸法とほぼ等しい)は、概
要的にλa/4ダイポールアンテナの機械的長さの半分
になる。このため、該λa/4ダイポールアンテナの上
半部に形成されるジグザグ部もしくはヘリカル部との干
渉を避けるとともに、その下半部に形成される線条部の
側方の空隙に前記半分長さの専用地板を配設することが
できる。
【0016】請求項10の発明に係るデュアルバンドア
ンテナの構成は、前記請求項6ないし請求項9の発明の
構成要件に加えて、前記逆Fアンテナエレメントは、ほ
ぼL字状をなす導電性部材を有しており、L字状をなし
ている2辺の内の片方の辺が前記の地板に対して接続導
通されているとともに、該2辺の内の他方の辺は細長い
板状をなしていて、前記の地板に対してほぼ平行であ
り、かつ、前記逆Fアンテナエレメントの給電点が、前
記他方の辺の細長い板状部分に位置し、L字状の屈曲点
から長さ方向にも幅方向にも離れていることを特徴とす
る。
【0017】以上に説明した請求項10のアンテナによ
ると、デュアルバンドアンテナの構成要素として性能の
良い逆Fアンテナを構成することができる。すなわち、
波長λb付近において優れたVSWR特性を有し、波長
λaに対して優れた分離性を有し、アンテナ利得が高
く、波長λb付近において、広い同調波長域を有する逆
Fアンテナを構成することができる。このような効果を
奏し得た理由は主として、「従来例の逆Fアンテナの給
電点が、接地点に比してアンテナエレメントの長さ方向
または幅方向の何れか一つの方向に離れていた」のに比
して、「本請求項に係る逆Fアンテナの給電点を、板状
アンテナエレメントの長さ方向にも、幅方向にも離した
こと」によるものである。
【0018】請求項11の発明に係るデュアルバンドア
ンテナの構成は、波長λa付近と、該波長λaよりも短
い波長λb付近との、2つの同調波長域を有するデュア
ルバンドアンテナにおいて、ほぼ上下方向の1直線上に
対向,離間して配設された1対の、電気的長さが約λb
/4のダイポールアンテナエレメントと、上記1対のダ
イポールアンテナエレメントに接続された同軸ケーブル
と、上記同軸ケーブルに沿わせて配設された、同調波長
域が約λbである逆Fアンテナと、この逆Fアンテナに
接続された、前記と別体の同軸ケーブルと、を具備して
いることを特徴とする。以上に説明した請求項11の発
明に係るデュアルバンドアンテナは、アンテナ特性が優
れていて、しかも小形,軽量、かつ低コストである。
【0019】
【発明の実施の形態】図2は、本発明に係るデュアルバ
ンドアンテナの1実施形態を示し、機械的構成と電気的
構成とを併せて表すように描いた模式的な正面外観図で
あって、請求項1,および請求項6に対応している図で
ある。本実施形態はコードレス電話器用として構成され
たものであって、開発の目標とする性能諸元(目標品
質)は次のとおりである。 λaに相当する使用周波数帯域 900〜930MHz λbに相当する使用周波数帯域 1.85〜1.99G
Hz アンテナ利得、および指向特性は、従来の単一アンテナ
と同等のこと、各周波数帯ごとに出力ケーブルを有して
いること、各アンテナ間の分離度が、コードレス電話器
用として充分であること、アンテナ全体の長さは、従来
の単一アンテナに比して著しく大きくないこと。
【0020】本発明を適用する場合、必ずしも前記の同
調周波数帯に限られないが、四捨五入した値が1GHz
である周波数に対応する波長をλaとし、四捨五入した
値が2GHzである周波数に対応する波長をλbとする
と、充分な効果を得ることができる。符号aを付して示
したのは波長λaに同調するダイポールアンテナであっ
て、電気的長さλaの1対のダイポールアンテナエレメ
ントを上下方向の1直線に沿わしめて、上下に対向,離
間せしめてある。本発明のデュアルバンドアンテナは、
これを斜めの姿勢にして使用することも充分に可能であ
って、前記の「上下」とは説明の便宜上の呼称であり、
本発明の技術的範囲を限定するものではない。図1,図
2,図3、図7、図8、および図9において、上記便宜
上の「上下」は図面の上下と一致しているが、図4にお
いては一致していない。
【0021】符号1を付して示した部材は電気的長さλ
a/4の線条によって構成されたダイポールアンテナエ
レメントであり、符号2を付して示した部材は電気的長
さがλa/4の細長い板状部材であって、ダイポールア
ンテナエレメントとして作用し、前記ダイポールアンテ
ナエレメント1と協働して、波長λaのダイポールアン
テナを構成している。上記の細長い板状部材2を共用
し、これを地板としてλb用逆Fアンテナbが設けられ
ている。符号3を付して示した部材は逆Fアンテナエレ
メントである。この逆Fアンテナエレメント3の詳細な
構造については、図4を参照して後に説明する。6はλ
a用ダイポールアンテナaの同軸ケーブルであって、そ
の芯線はダイポールアンテナエレメント1の給電点(下
端)に接続導通され、その外部導体は接地点Eで前記
「符号2の部材」すなわちλa,λb共用の地板兼ダイ
ポールアンテナエレメントに接続導通されている。
【0022】6′はλb逆Fアンテナbの同軸ケーブル
であって、その外部導体は前記の共用地板2に接続導通
され、その芯線は逆Fアンテナエレメント3の給電点s
に接続導通されている。この給電点s付近の詳細な構造
については、図4を参照して後述する。符号5を付して
示したのは、波長λbで共振するトラップである。本例
のトラップ5は同軸ケーブルを電気的長さ約λb/2に
切断し、その芯線の片方の端(図において上端)を「前
記同軸ケーブル6の芯線とλa用ダイポールアンテナエ
レメント1との接続箇所」に接続導通するとともに、外
部導体の上端を接地点E″で同軸ケーブル6の外部導体
に接続導通してある。本図2は、構造を読み取り易いよ
うに若干展開して描いてあるから、接地点Eと、接地点
E′と、接地点E″とが互いに離れているが、これらの
接地点E,E′,E″は実質的に同一の点である。以上
に述べた同軸ケーブル製トラップ5の下端において、芯
線5bは外部導体5aに対してオーム抵抗がゼロとなる
ように短絡5cしてある。
【0023】図3は、各種のトラップを例示した模式図
であって、(B)は前掲の図2に示したと類似の1/2
波長トラップ、(A)は1/4波長トラップ、(C)は
3/4波長トラップである。本図3(B)の1/2波長
トラップに代えて、本図3(A)の1/4波長トラップ
を適用することも可能であり、材料(同軸ケーブル)が
節減される上に小形,軽量になるが、前掲の図2の実施
形態においては、こうしたメリットが余り重要でないか
ら、トラップ機能が安定な1/2波長(λb/2)トラ
ップを使用している。図1は、前掲の図2に示した実施
形態に係るデュアルバンドアンテナを模式化して描いた
部分破断斜視図であって、請求項1,同2,同6,同
7,同8,および同9の構成が現れている。ただし、同
軸ケーブルとトラップとの間隔を拡大してあり、写生図
ではない。λa用ダイポールアンテナエレメント1は複
合型であって、下半部1aは線条アンテナエレメント1
aによって構成され、上半部はジグザグアンテナエレメ
ント1bによって構成されている。ジグザグ形の代りに
ヘリカル形とすることもできるが、ジグザグ形の方が工
業的に生産性が良く、プリント基板技術を適用して低コ
ストで大量生産するに適している。上述のようにして、
いわゆるトップヘビー型にすると、電気的長さに比して
機械的長さが短縮され、当該デュアルバンドアンテナ全
体として小形,軽量化することができる。前記線条アン
テナエレメント1aの傍のスペースを利用して、λa,
λb共用地板2を、接地点E′よりも上方へ、電気的長
さλb/4だけ延長して、逆Fアンテナ専用の1/4波
長地板を構成した。このようなλb/4地板4を設ける
と、逆Fアンテナの特性が良くなり、かつ、その作動が
安定する。
【0024】図4は、逆Fアンテナを説明するために示
したもので、(A)は逆Fアンテナの原理図であり、
(B)は逆Fアンテナの従来例を模式的に描いた斜視図
であり、(C)は実施形態を模式的に描いた斜視図であ
って、請求項4および同10の構成に対応している。
(図4(A)参照)逆Fアンテナエレメント3はL字状
をなし、地板8に対して接続導通されていて、1/4波
長で共振する。高周波回路7の出力端は、逆Fアンテナ
エレメント3の給電点sに接続導通される。これが逆F
アンテナの基本的な構成である。(図4(B)参照)従
来例の逆Fアンテナエレメント3′は、地板8と平行な
部分が「幅寸法W,長さ寸法Lの長方形板状」に形成さ
れていて、給電点s′は接地点Eから幅方向に離れた所
に設定されている。(図4(C)参照)本実施形態の逆
Fアンテナエレメント3のみを抽出して考察すると、前
記従来例の逆Fアンテナエレメント3′と類似の形状で
ある。ただし、地板8と平行な部分は必ずしも正確に長
方形であることを要せず、長方形に類似する形状であれ
ば足りる。本実施形態の逆Fアンテナの給電点sは、接
地点Eから幅方向(W)にも、長さ方向(L)にも離れ
た箇所に設定されている。これにより、良好なアンテナ
特性を有する逆Fアンテナが構成される。
【0025】図5は、前掲の図1および図2に示した実
施形態のダイポールアンテナの特性を示し、(A)は9
00MHzダイポールアンテナのVSWR、(B)はア
イソレーションである。900MHz付近、875〜9
50MHzにおいてVSWRが3以下になっている。ま
た、アイソレーションも良好な分離度を表している。
【0026】図6は、1.9GHz逆Fアンテナの特性
を示し、(A)はVSWR、(B)はアイソレーション
である。図6(A)から分かるように、本実施形態(図
1,図2)の逆Fアンテナは、その使用周波数帯域
(1.85〜1.99GHz)におけるVSWRが3以
下であり、広い同調周波数帯域を有している。図1,図
2の実施形態のデュアルバンドアンテナからλb用トラ
ップ5を取り除くと、図6(B)のカーブは点線のよう
になり、該λb用トラップ5を取り付けると実線のよう
になる。これにより、トラップが分離度の改善に著しく
有効であることが分かる。
【0027】図7は、前掲の図1,図2と異なる実施形
態を示し、模式化して描いた正面図であって、請求項5
および同6の構成に対応している。図8は、上掲の図7
に示した実施形態に係るデュアルバンドアンテナを描い
た模式的な斜視図である。9a,9bは、それぞれ電気
的長さλb/4のダイポールアンテナエレメントであっ
て、上下方向の1直線上に配置されて上下に対向離間
し、同軸ケーブル6を接続されて、波長λb用のダイポ
ールアンテナを構成している。上記同軸ケーブル6に沿
って、逆Fアンテナ用の地板11が配置され、この地板
11に対して逆Fアンテナエレメント10が接続導通さ
れて、波長λa用の逆Fアンテナが構成されている。
6″は上記λa用逆Fアンテナの同軸ケーブルであっ
て、その芯線は給電点sに接続導通され、外部導体は地
板11に接続導通されている。前記ダイポールアンテナ
エレメント9a,9bで構成されたλb用ダイポールア
ンテナは、線条形ダイポールアンテナに共通の特性とし
て、水平方向には180度の均一な感度を有し、上下方
向には感度ほとんどゼロである。上記λb用ダイポール
アンテナについて感度ゼロの方向に、λa用逆Fアンテ
ナが位置しているので、該λb用ダイポールアンテナと
λa用逆Fアンテナとは互いに干渉すること無く、それ
ぞれ単一のアンテナとして独立に機能する。
【0028】このため、本実施形態(図7,図8)のデ
ュアルバンドアンテナは、波長λaについても波長λb
についても、それぞれ単一アンテナと同等の特性を発揮
することができる。しかも構造が簡単であるから軽量,
小形であり、製造コストが低廉である。
【0029】図9は、本発明に係るデュアルバンドアン
テナをアンテナカバーの中に収納して、アンテナカバー
ホルダによって回動起伏可能に支持した状態の全体図で
あって、(A)は前掲の図1に示した実施形態のデュア
ルバンドアンテナを、(B)は同じく図7,図8に示し
た実施形態のデュアルバンドアンテナを、それぞれ隠れ
線で描いてある。
【0030】先に述べたように、λa=900MHz、
λb=1.9GHzであり、この場合、アンテナの回動
中心線X−X′からアンテナカバー先端までの寸法La
は160ミリメートル、Lbは170ミリメートルであ
る。
【0031】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、単一アンテナにおけると同等のVSWR,
指向特性、およびアンテナ利得を有し、周波数帯間の分
離度が優れていて、しかも、従来例の単一アンテナに比
して外形寸法の増大が著しくないデュアルバンドアンテ
ナを低コストで構成することができる。ダイポールアン
テナを構成した1対のダイポールアンテナエレメントの
内の下側のダイポールアンテナエレメントが、逆Fアン
テナの地板に兼用されるので、構成部品点数が節減され
る。そして、上下1対のダイポールアンテナエレメント
の内の下側のアンテナエレメントが細長い板状をなして
いるので、逆Fアンテナの地板として有効に作用する。
上記のようにしてダイポールアンテナエレメントの1個
を逆Fアンテナの地板として共用することによって、構
成部品点数が節減されるだけでなく、2種類のアンテナ
を配置するための空間が縮小され、当該デュアルバンド
アンテナ全体として小型に構成される。上述のようにし
て、波長λa用のアンテナエレメントと波長λb用のア
ンテナエレメントとが極度に接近するので、双方のアン
テナ間の干渉が懸念されるが、長い方の波長λaの高周
波信号が短い方の波長λbの高周波回路に漏洩すること
は、理論的にも実験的にも微々たるものであることが確
認されており、実用上は無視することができる。その反
対に短い方の波長λbの高周波信号が長い方の波長λa
の高周波回路中に漏入する虞れ無しとしないが、本請求
項1の発明方法においては波長λbに共振するトラップ
が設けられているので、波長λaのダイポールアンテナ
エレメントの給電点が、波長λbの高周波に関しては常
に「電圧ゼロ」の状態になり、λaの高周波回路の中へ
漏洩しない。そして、上述のように同調波長λaのアン
テナと同調波長λbのアンテナとが相互の干渉を防止さ
れて、それぞれ独立に機能するので、単一アンテナにお
けると同等のVSWRやアンテナ利得および指向性を発
揮する。従って、双方の波長間の分離性も実用上完全と
言い得る程度に充分である。さらに、波長λaのアンテ
ナエレメントおよび波長λbのアンテナエレメントのそ
れぞれに同軸ケーブルが接続されるので、波長λaの電
波と波長λbの電波とは相互に独立した高周波信号とし
て送受信されるから、分離回路を設ける必要が無い。
【0032】請求項2の発明方法によると、ダイポール
アンテナを構成する上下1対のダイポールアンテナエレ
メントの内の上側のダイポールアンテナエレメントは、
その電気的長さをλa/4ならしめねばならないが、そ
の機械的な長さ寸法がλa/4よりも短くなるので、デ
ュアルバンドアンテナ全体としての長さ寸法を短縮する
に有効である。そして、本請求項2の発明方法に適用さ
れるジグザグ状アンテナエレメントおよびヘリカル状ア
ンテナエレメントは、いずれも工業的生産に適してい
て、均一な品質の多量の製品を低コストで供給すること
ができる。本請求項に係るジグザグ状アンテナエレメン
トは、その製作方法を限定されないが、配線基板を構成
する公知技術を適用すると、同一形状,寸法で、電気的
特性が均一な、しかも軽量の製品を、低コストで構成す
ることができる。その上、ジグザグ状の導電パターンを
形成されていない部分の基板部材を支持することによっ
て、該ジグザグ状の導電パターンを確実に位置決めして
支持することができる。例えば当該デュアルバンドアン
テナが設置されているコードレス電話器を誤って取り落
とすなどして衝撃を与えても、ジグザグ状導電部材は基
板に密着固定されているので変形などの損傷を被る虞れ
が無い。また、本請求項に係るヘリカル部分を有するダ
イポールアンテナエレメントもその製作方法を限定され
ないが、例えば針金を塑性加工して構成すると、任意の
形状寸法の製品を容易に、しかも均一な品質で大量生産
することができる上に、出来上がったヘリカル状部分を
修正することが容易である。しかも、ヘリカル状に成形
された針金製のアンテナエレメントは弾性を有している
ので、使用者の過失などによって衝撃を受けても永久変
形する虞れが無く、耐久性に優れている。これらを総合
して考察するに、本請求項の発明方法によると、複雑で
脆弱な構成部分を含むことなく、アンテナエレメントの
電気的長さよりも機械的な長さ寸法を短縮することがで
き、デュアルバンドアンテナ全体を小型化することがで
きる。
【0033】請求項3の発明方法によると、波長λa用
のダイポールアンテナと波長λb用の逆Fアンテナとか
ら成るデュアルバンドアンテナ全体としての長さ寸法
が、移動無線機用アンテナとして、特にコードレス電話
器用アンテナとして好適な数センチメートル〜20セン
チメートル程度になるので、適用範囲が広く、実用価値
が高い。その上、波長λaが波長λbの約2倍となるか
ら、電気的長さがλa/4であるダイポールアンテナエ
レメントの電気的長さは、ほぼλb/2に等しくなる。
このため、上下1対の波長λa/4ダイポールアンテナ
エレメントの内の下側のダイポールアンテナエレメント
を、波長λbの逆Fアンテナの地板として共用するにつ
いて、両者の寸法関係が整合する。本請求項3が従属し
ている基本発明である請求項1の発明方法の要旨を更に
要約すると「ダイポールアンテナの下側エレメントと逆
Fアンテナの地板との共用、および、波長λbトラップ
設置」である。従って、ダイポールアンテナエレメント
の長さ寸法λa/4を、逆Fアンテナの同調波長λbの
1/2に揃えて、電気的な整合を容易ならしめることの
実用的効果は多大である。
【0034】請求項4の発明方法によると、デュアルバ
ンドアンテナの構成要素として性能の良い逆Fアンテナ
を構成することができる。すなわち、波長λb付近にお
いて優れたVSWR特性を有し、波長λaに対して優れ
た分離性を有し、アンテナ利得が高く、波長λb付近に
おいて、広い同調波長域を有する逆Fアンテナを構成す
ることができる。このような効果を奏し得た理由は主と
して、「従来例の逆Fアンテナの給電点が、接地点に比
してアンテナエレメントの長さ方向または幅方向の何れ
か一つの方向に離れていた」のに比して、「本請求項に
係る逆Fアンテナの給電点を、板状アンテナエレメント
の長さ方向にも、幅方向にも離したこと」によるもので
ある。
【0035】請求項5の発明方法によると、波長λb用
ダイポールアンテナと、波長λa用の逆Fアンテナと
が、互いに異なる形式のアンテナであり、かつ上下方向
の1直線に反って互いに上下に対向しているので、大き
い間隔を置かなくても干渉を生じることなく、それぞれ
のアンテナが独立に機能する。上方に位置するダイポー
ルアンテナは、ダイポールアンテナ本来の特性として、
水平面内においては360度方向に均一な指向特性を有
し、かつ、垂直上下方向の感度が著しく低い。そして逆
Fアンテナは、この「感度の低い下方」に位置してい
る。これを比喩的に言うならば、逆Fアンテナがダイポ
ールアンテナの死角の中に入っているので、相互に干渉
しない。相互に干渉しないから、双方のアンテナの間に
大きい距離を隔てなくても良く、このため、デュアルバ
ンドアンテナ全体としての長さ寸法が小さくなる。これ
に伴ってアンテナカバー等の付属部材も小形,軽量とな
り、デュアルバンドアンテナの総合的な外形寸法が縮小
されるとともに重量が軽減される。前述のごとく波長λ
bのダイポールアンテナと、波長λaの逆Fアンテナと
がそれぞれ独立に機能するので、単一アンテナにおける
と同等のVSWR,アンテナ利得、および指向特性が得
られ、かつ、それぞれ独立に機能するので分離性能が良
い。このように、別段に特殊な連結手段を用いることな
く、波長λa用のアンテナエレメントと波長λb用のア
ンテナエレメントとを配列するので、構造が簡単で製作
のコストが低廉である。本請求項の構成方法を工業生産
に適用した場合、ダイポールアンテナと逆Fアンテナと
の相対的な位置決めについて高い精度を必要としないの
で、組立工程が容易かつ迅速に進められ、さらに、製造
工程の最終段階である調整,検査においても、ダイポー
ルアンテナと逆Fアンテナとの特性をそれぞれ個別に検
査すれば足り、双方のアンテナ間の電気的な結合状態
(例えば容量結合)については一切考慮しなくても良
い。
【0036】請求項6のデュアルバンドアンテナによる
と、単一アンテナにおけると同等のVSWR,指向特
性、およびアンテナ利得を有し、周波数帯分離度が優れ
ていて、しかも、従来例の単一アンテナに比して外形寸
法の増大が著しくないデュアルバンドアンテナを低コス
トで構成することができる。ダイポールアンテナを構成
している1対のダイポールアンテナエレメントの内の下
側のダイポールアンテナエレメントが、逆Fアンテナの
地板に兼用されているので、構成部品点数が節減され
る。そして、上下1対のダイポールアンテナエレメント
の内の下側のアンテナエレメントが細長い板状をなして
いるので、逆Fアンテナの地板として有効に作用する。
上記のようにしてダイポールアンテナエレメントの1個
を逆Fアンテナの地板として共用することによって、構
成部品点数が節減されるだけでなく、2種類のアンテナ
を配置するための空間が縮小され、当該デュアルバンド
アンテナ全体として小型に構成される。上述のようにし
て、波長λa用のアンテナエレメントと波長λb用のア
ンテナエレメントとが極度に接近しているので、双方の
アンテナ間の干渉が懸念されるが、長い方の波長λaの
高周波信号が短い方の波長λbの高周波回路に漏洩する
ことは、理論的にも実験的にも微々たるものであること
が確認されており、実用上は無視することができる。そ
の反対に短い方の波長λbの高周波信号が長い方の波長
λaの高周波回路中に漏入する虞れ無しとしないが、本
請求項6のアンテナにおいては波長λbに共振するトラ
ップが設けられているので、波長λaのダイポールアン
テナエレメントの給電点が、波長λbの高周波に関して
は常に「電圧ゼロ」の状態になり、λaの高周波回路の
中へ漏洩しない。そして、上述のように同調波長λaの
アンテナと同調波長λbのアンテナとが相互の干渉を防
止されて、それぞれ独立に機能するので、単一アンテナ
におけると同等のVSWRやアンテナ利得および指向性
を発揮する。従って、双方の波長間の分離性も実用上完
全と言い得る程度に充分である。さらに、波長λaのア
ンテナエレメントおよび波長λbのアンテナエレメント
のそれぞれに同軸ケーブルが接続されているので、波長
λaの電波と波長λbの電波とは相互に独立した高周波
信号として送受信されるから、分離回路を設ける必要が
無い。
【0037】請求項7の発明によると、工業的に大量生
産されて安価に供給されている同軸ケーブルを用いて、
迅速容易に、低コストで波長λbのトラップを構成する
ことができる。同軸ケーブルの芯線の先端をアースに落
とした状態で2分の1波長で共振させると、その基端部
の電圧は常にゼロとなる。すなわち、このように構成さ
れたトラップを、波長λbに関して基端側から見るとイ
ンピーダンス無限大であり、波長λbの高周波信号が波
長λaの高周波回路に影響を及ぼさなくなる。しかも、
同軸ケーブル(一般の既製品もしくは類似品)はフレキ
シブルであって、このトラップを含めたアンテナエレメ
ントを、パイプ状のアンテナカバーの中へ挿入して収納
する操作が容易である。その上、フレキシブルであるか
ら耐衝撃性に優れている。さらに、一般に供給されてい
る同軸ケーブルは、外部導体の外周を電気絶縁性材料で
被覆されているので、これをそのまま用いるだけで、ト
ラップの外部導体が他の構成部材(例えば逆Fアンテナ
エレメント)に対して接触導通する虞れが無くて好都合
である。
【0038】請求項8の発明によると、ダイポールアン
テナを構成する上下1対のダイポールアンテナエレメン
トの内の上側のダイポールアンテナエレメントは、その
電気的長さをλa/4ならしめねばならないが、その機
械的な長さ寸法がλa/4よりも短くなるので、デュア
ルバンドアンテナ全体としての長さ寸法を短縮するに有
効である。そして、本請求項8の発明に適用されるジグ
ザグ状アンテナエレメントおよびヘリカル状アンテナエ
レメントは、いずれも工業生産に適していて、均一な品
質の多量の製品を低コストで供給することができる。本
請求項に係るジグザグ状アンテナエレメントは、その製
作方法を限定されないが、配線基板を構成する公知技術
を適用すると、同一形状,寸法で、電気的特性が均一
な、しかも軽量の製品を、低コストで構成することがで
きる。その上、ジグザグ状の導電パターンを形成されて
いない部分の基板部材を支持することによって、該ジグ
ザグ状の導電パターンを確実に位置決めして支持するこ
とができる。例えば当該デュアルバンドアンテナが設置
されているコードレス電話器を誤って取り落とすなどし
て衝撃を与えても、ジグザグ状導電部材は基板に密着固
定されているので変形などの損傷を被る虞れが無い。ま
た、本請求項に係るヘリカル部分を有するダイポールア
ンテナエレメントも、その製作方法を限定されないが、
例えば針金を塑性加工して構成すると、任意の形状寸法
の製品を容易に、しかも均一な品質で大量生産すること
ができる上に、出来上がったヘリカル状部分を修正する
ことが容易である。しかも、ヘリカル状に成形された針
金製のアンテナエレメントは弾性を有しているので、使
用者の過失などによって衝撃を受けても永久変形する虞
れが無く、耐久性に優れている。これらを総合して考察
するに、本請求項のアンテナによると、複雑で脆弱な構
成部分を含むことなく、アンテナエレメントの電気的長
さよりも機械的な外形寸法を短縮することができ、デュ
アルバンドアンテナ全体を小型化することができる。
【0039】請求項9の発明によると、波長λb付近で
使用される逆Fアンテナに、電気的長さλb/4の専用
地板が設けられるので、該逆Fアンテナの電気的特性が
いっそう向上する。すなわち、アンテナ利得が高くな
り、VSWRが改善され、波長λaの高周波に対する分
離性がいっそう良くなる。この請求項9の発明は前記請
求項6ないし請求項8の何れに対しても適用できて上述
の効果を奏するが、特に請求項8の発明に適用すると好
適であって、その理由は次のごとくである。すなわち、
先に説明した請求項8の発明に係る1対のダイポールア
ンテナエレメントの内の上側のダイポールアンテナエレ
メントは、いわゆるトップヘビー形をなし、その上半部
がジグザグ状もしくはヘリカル状に形成される、従っ
て、該上側ダイポールアンテナエレメントの下半部を線
条アンテナに形成することができる。そこで、本請求項
9に係る電気的長さλb/4の専用地板は、前記ジグザ
グ部もしくはヘリカル部と干渉しないように、線条部に
沿わせて、狭隘な空間の中に旨く納めることができる。
この場合、波長λbを波長λaの約半分に設定しておく
と、逆Fアンテナのλb/4の専用地板の電気的な長さ
(機械的長さ寸法とほぼ等しい)は、概要的にλa/4
ダイポールアンテナの機械的長さの半分になる。このた
め、該λa/4ダイポールアンテナの上半部に形成され
るジグザグ部もしくはヘリカル部との干渉を避けるとと
もに、その下半部に形成される線条部の側方の空隙に前
記半分長さの専用地板を配設することができる。
【0040】請求項10のアンテナによると、デュアル
バンドアンテナの構成要素として性能の良い逆Fアンテ
ナを構成することができる。すなわち、波長λb付近に
おいて優れたVSWR特性を有し、波長λaに対して優
れた分離性を有し、アンテナ利得が高く、波長λb付近
において、広い同調波長域を有する逆Fアンテナを構成
することができる。このような効果を奏し得た理由は主
として、「従来例の逆Fアンテナの給電点が、接地点に
比してアンテナエレメントの長さ方向または幅方向の何
れか一つの方向に離れていた」のに比して、「本請求項
に係る逆Fアンテナの給電点を、板状アンテナエレメン
トの長さ方向にも、幅方向にも離したこと」によるもの
である。請求項11の発明に係るデュアルバンドアンテ
ナは、アンテナ特性が優れていて、しかも小形,軽量、
かつ低コストである。
【図面の簡単な説明】
【図1】後掲の図2に示す実施形態に係るデュアルバン
ドアンテナを模式化して描いた部分破断斜視図であっ
て、請求項1,同2,同6,同7,同8,および同9の
構成が現れている。ただし、同軸ケーブルとトラップと
の間隔を拡大してあり、写生図ではない。
【図2】本発明に係るデュアルバンドアンテナの1実施
形態を示し、機械的構成と電気的構成とを併せて表すよ
うに描いた模式的な正面外観図であって、請求項1,お
よび請求項6に対応している図である。
【図3】各種のトラップを例示した模式図であって、
(B)は前掲の図2に示したと類似の1/2波長トラッ
プ、(A)は1/4波長トラップ、(C)は3/4波長
トラップである。
【図4】逆Fアンテナを説明するために示したもので、
(A)は逆Fアンテナの原理図であり、(B)は逆Fア
ンテナの従来例を模式的に描いた斜視図であり、(C)
は実施形態を模式的に描いた斜視図であって、請求項4
および同10の構成に対応している。
【図5】前掲の図1および図2に示した実施形態のダイ
ポールアンテナの特性を示し、(A)は900MHzダ
イポールアンテナのVSWR、(B)はアイソレーショ
ンである。
【図6】1.9GHz逆Fアンテナの特性を示し、
(A)はVSWR、(B)はアイソレーションである。
【図7】前掲の図1,図2と異なる実施形態を示し、模
式化して描いた正面図であって、請求項5および同6の
構成に対応している。
【図8】前掲の図7に示した実施形態に係るデュアルバ
ンドアンテナを描いた模式的な斜視図である。
【図9】本発明に係るデュアルバンドアンテナをアンテ
ナカバーの中に収納して、アンテナカバーホルダによっ
て回動起伏可能に支持した状態の全体図であって、
(A)は前掲の図1に示した実施形態のデュアルバンド
アンテナを、(B)は同じく図7,図8に示した実施形
態のデュアルバンドアンテナを、それぞれ隠れ線で描い
てある。
【符号の説明】
1…λa用ダイポールアンテナエレメント、2…λa,
λb共用地板、3…λb用逆Fアンテナエレメント、
3′…逆Fアンテナエレメント、4…λb/4地板、5
…λb用トラップ、5a…外部導体、5b…芯線、5c
…短絡接続、6…同軸ケーブル、7…高周波回路、8…
地板、9a,9b…λb用ダイポールアンテナエレメン
ト、10…λa用逆Fアンテナエレメント、11…λa
用地板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01Q 13/08 H01Q 13/08 21/30 21/30

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長λa付近と、該波長λaよりも短い
    波長λb付近との、2つの同調波長域を有するデュアル
    バンドアンテナを構成する方法において、 1対の、電気的長さλa/4のダイポールアンテナエレ
    メントを、ほぼ上下方向の同一直線上に配置して、同調
    波長域λa付近のダイポールアンテナを構成するととも
    に、 上記1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側の
    ダイポールアンテナエレメントを短冊状に形成し、 上記短冊状ダイポールアンテナを共用して、これを地板
    とする同調波長域λb付近の逆Fアンテナを構成し、 前記1対のダイポールアンテナエレメントの内の上側の
    ダイポールアンテナエレメントの下端部を同軸ケーブル
    の芯線に接続するとともに、この接続点の真近の箇所に
    おいて上記同軸ケーブルの外部導体を「前記逆Fアンテ
    ナの地板に兼用した下側のダイポールアンテナエレメン
    ト」に接続し、 かつ、前記同軸ケーブルの芯線とダイポールアンテナエ
    レメントとの接続点の真近に、波長λbで共振するトラ
    ップを設けて、波長λbの高周波信号が波長λaの高周
    波回路に漏洩することを防止し、 前記ダイポールアンテナによる波長λaの電波の送受信
    と、前記逆Fアンテナによる波長λbの電波の送受信と
    を、それぞれ独立に行なわせることを特徴とする、デュ
    アルバンドアンテナの構成方法。
  2. 【請求項2】 前記1対のダイポールアンテナエレメン
    トの内、上側に位置するダイポールアンテナエレメント
    の上半部の少なくとも一部分を、ジグザグ状もしくはヘ
    リカル状に形成して、トップヘビー形の複合アンテナエ
    レメントならしめることにより、 同調波長域λa付近のダイポールアンテナの機械的な長
    さ寸法を、電気的長さよりも短くすることを特徴とす
    る、請求項1に記載したデュアルバンドアンテナの構成
    方法。
  3. 【請求項3】 前記波長λaを、「小数点未満を四捨五
    入した値が1GHzないし4GHzとなる周波数」に対
    応する波長とし、 前記波長λbを、上記のごとく設定した波長λaの約1
    /2とすることを特徴とする、請求項1もしくは請求項
    2に記載したデュアルバンドアンテナの構成方法。
  4. 【請求項4】 前記の同調波長域λb付近の逆Fアンテ
    ナは、長方形に類似する導電性板状部材を、地板に対し
    てほぼ平行に支持するとともに、該長方形の4隅の内の
    1隅付近を地板に向けて延伸,接続させて接地点を構成
    し、 かつ、前記長方形板状部材の1隅から、該長方形の幅方
    向にも長さ方向にも離間した箇所に給電点を設定し、 高周波回路の出力端を上記給電点に対して接続,導通せ
    しめることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何
    れかに記載したデュアルバンドアンテナの構成方法。
  5. 【請求項5】 波長λa付近と、波長λaよりも短い波
    長λb付近との2つの同調波長域を有するデュアルバン
    ドアンテナを構成する方法において、 1対の、電気的長さλb/4のダイポールアンテナエレ
    メントを、ほぼ上下方向の同一直線上に配置して、同調
    波長域λb付近のダイポールアンテナを構成するととも
    に、 上記ダイポールアンテナの下方に位置せしめて、かつ、
    上記ダイポールアンテナに接続された同軸ケーブルに沿
    わしめて、同調波長域約λaの逆Fアンテナを配置し、 前記ダイポールアンテナの同軸ケーブルと、逆Fアンテ
    ナの同軸ケーブルとを、それぞれ個別に高周波回路に接
    続して、前記ダイポールアンテナによる波長λbの電波
    の送受信と、前記逆Fアンテナによる波長λaの電波の
    送受信とを、相互に干渉すること無く行なわせることを
    特徴とする、デュアルバンドアンテナの構成方法。
  6. 【請求項6】 波長λa付近と、該波長λaよりも短い
    波長λb付近との、2つの同調波長域を有するデュアル
    バンドアンテナにおいて、 上下方向に対向する1対の、電気的長さ約λa/4のダ
    イポールアンテナエレメントが設けられるとともに、 上記1対のダイポールアンテナエレメントの内の下側の
    ダイポールアンテナエレメントを共用して、これを地板
    とする電気的長さ約λb/4の逆Fアンテナエレメント
    が設けられていて、 2本の同軸ケーブルの内の片方の同軸ケーブルの芯線
    が、前記1対のダイポールアンテナエレメントの内の上
    方のダイポールアンテナエレメントに接続され、該片方
    の同軸ケーブの外部導体が前記共用地板に接続されると
    ともに、 前記2本の同軸ケーブルの内の他方の同軸ケーブルの芯
    線が、前記逆Fアンテナエレメントの給電点に接続さ
    れ、該他方の同軸ケーブルの外部導体が前記共用地板に
    接続されており、 かつ、前記片方の同軸ケーブルの芯線とダイポールアン
    テナエレメントとの接続点の真近の箇所に、波長λbで
    共振するトラップが接続されていることを特徴とする、
    デュアルバンドアンテナ。
  7. 【請求項7】 前記の波長λbで共振するトラップが、
    同軸ケーブルを主たる材料として構成され、もしくは同
    軸ケーブルに類似した構造をなしており、 かつ、(イ)電気的長さが約λb/2であって、(ロ)
    片方の端において、当該トラップの芯線が「前記片方の
    同軸ケーブルの芯線とダイポールアンテナとの接続点」
    に接続されるとともに、(ハ)上記片方の端において、
    当該トラップの外部導体が「前記片方の同軸ケーブルの
    外部導体に接続され、(ニ)当該トラップの他方の端に
    おいて、その芯線と外部導体とが電気抵抗ゼロの状態に
    接続されていることを特徴とする、請求項6に記載した
    デュアルバンドアンテナ。
  8. 【請求項8】 前記1対のダイポールアンテナエレメン
    トの内の上方のダイポールアンテナエレメントが、その
    少なくとも一部分、望ましくは上半部もしくは上端部が
    ジグザグ状に形成されており、 または、上記少なくとも一部分、望ましくは上半部もし
    くは上端部がヘリカル状に形成されていることを特徴と
    する、請求項6に記載したデュアルバンドアンテナ。
  9. 【請求項9】 前記逆Fアンテナエレメントの地板に共
    用された下側のダイポールアンテナが、該逆Fアンテナ
    エレメントの接地点から上方へ、電気的長さ約λb/4
    だけ延長されて、この延長部分が逆Fアンテナ専用のλ
    b/4地板として機能するようになっていることを特徴
    とする、請求項6ないし請求項8の内の何れかに記載し
    たデュアルバンドアンテナ。
  10. 【請求項10】 前記逆Fアンテナエレメントは、ほぼ
    L字状をなす導電性部材を有しており、 L字状をなしている2辺の内の片方の辺が前記の地板に
    対して接続導通されているとともに、該2辺の内の他方
    の辺は細長い板状をなしていて、前記の地板に対してほ
    ぼ平行であり、 かつ、前記逆Fアンテナエレメントの給電点が、前記他
    方の辺の細長い板状部分に位置し、L字状の屈曲点から
    長さ方向にも幅方向にも離れていることを特徴とする、
    請求項6ないし請求項9の内の何れか1つに記載したデ
    ュアルバンドアンテナ。
  11. 【請求項11】 波長λa付近と、該波長λaよりも短
    い波長λb付近との、2つの同調波長域を有するデュア
    ルバンドアンテナにおいて、 ほぼ上下方向の1直線上に対向,離間して配設された1
    対の、電気的長さが約λb/4のダイポールアンテナエ
    レメントと、 上記1対のダイポールアンテナエレメントに接続された
    同軸ケーブルと、 上記同軸ケーブルに沿わせて配設された、同調波長域が
    約λbである逆Fアンテナと、 この逆Fアンテナに接続された、前記と別体の同軸ケー
    ブルと、を具備していることを特徴とする、デュアルバ
    ンドアンテナ。
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