JP4255634B2 - ワイヤ放電加工装置およびワイヤ放電加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ワイヤ放電加工装置およびワイヤ放電加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は、自動車産業、家電産業、半導体産業等の金型加工の分野において広く利用されている一般的な放電加工のメカニズムを示したものである。加工液中に浸漬させた電極と被加工物との極間にパルス状の電圧を印加すると、(1)放電の発生によるアーク柱の形成と放電熱エネルギーによる局部的溶融、(2)〜(3)加工液の気化爆発力の発生とそれによる溶融部の飛散、(4)〜(5)加工液による溶融部の冷却・凝固、極間の絶縁回復というプロセスが順次進行する。これらのプロセスを高い頻度で繰り返すことにより、被加工物に対して加工を施すことが可能となる。放電加工の際には、電極と被加工物との対向する極間間隙が数μmから数十μmと非常に狭く保たれており、これが高精度加工の重要な要因になっている。
【0003】
こうした放電加工の中で、この発明が適用対象とするのは、ワイヤ電極を用いて被加工物を加工するワイヤ放電加工である。ワイヤ放電加工は、くり貫き加工、切断加工等に使用されているが、近年高精度化への要求が特に強まっている。例えば、半導体産業で使用される高精度金型では、1〜2μmという高い加工精度が要求されるようになってきている。
【0004】
図15は、ワイヤ放電加工で実施される加工プロセスを示したものである。図15(a)に示すように、ワイヤ放電加工では、まずファーストカットと称される粗加工を施す。このファーストカットは、イニシャルホールにワイヤ電極を貫通させ、該ワイヤ電極によって被加工物を切断する加工である。通常、ファーストカットの場合には、その後に仕上げ加工を施すため、厳しい面粗さや精度は要求されず、加工速度を上げることが一番重要となる。ワイヤ放電加工において加工速度を上げるためには、ワイヤ電極と被加工物との極間からの加工屑の排出を良好にすべく加工液を強く吹き掛けることが行われる。また、加工液を吹き掛ける際のムラをなくすとともに、ワイヤ電極の断線を防止するために、加工槽に貯留した加工液中に被加工物を浸漬する方法が用いられる。
【0005】
上述したファーストカットが終了すると、中子(スクラップ)を除去し、図15(b)に示すように、セカンドカットと称される中仕上げ加工を行う。さらに、図15(c)に示すように、サードカットと称される仕上げ加工を施す。因に、セカンドカットおよびサードカットという呼称は便宜的なものであり、すべての加工が3回の加工で終了するというわけではない。セカンドカットで終了する場合もあるし、面粗さ・形状精度の要求の厳しい場合にはさらに多くの加工を要する場合もある。
【0006】
セカンドカット以降の仕上げ加工では、面粗さを細かくし、形状を整える。このため、目的の形状からの取り残し量が不均一な場合には、その形状を修正し、また目的の形状からの取り残し量が均一になった場合には、被加工物を均等に除去する加工が必要となる。こうした仕上げ加工を施す場合には、一般的に、ワイヤ電極と被加工物との極間の極間電圧値に基づいてこれらワイヤ電極および被加工物の相対移動速度である駆動速度を所定の値になるよう制御する、いわゆる「電極位置サーボ」が行われている。
【0007】
一方、ワイヤ放電加工においては、加工中断の要因となるワイヤ電極の断線を防止するための適応制御を実施するようにしている。断線防止を目的とした適応制御としては、加工エネルギーを低下させるために放電休止時間を変更するようにした方法が最も一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ワイヤ放電加工にあっては、機械系・電源系等、複数の制御方法が適用されている場合が多い。しかしながら、こうした複数の制御方法の適用が、逆に加工結果に不都合を生じさせることもある。
【0009】
以下、こうした不都合となる例を、図16に示したワイヤ放電加工装置を参照しながら説明する。図16において、1001はワイヤ電極、1002は被加工物、1003は移動テーブル、1004は加工電源、1005は加工電源制御手段、1006は制御手段、1007はサーボ機構、1008は極間電圧検出手段である。
【0010】
制御手段1006は、入力された加工条件に従って加工電源制御手段1005に加工条件信号を送る。加工電源制御手段1005は、制御手段1006からの信号に従って加工電源1004のスイッチング素子(図示せず)を駆動する。加工電源1004は、加工電源制御手段1005からの信号により、被加工物1002に放電加工を施すべく、ワイヤ電極1001と被加工物1002との極間にパルス状の電圧を印加する。放電加工中のワイヤ電極1001と被加工物1002との極間電圧は、極間電圧検出手段1008により検出されて制御手段1006に送られる。制御手段1006は、極間電圧検出手段1008から送られた極間電圧情報に基づいて移動テーブル1003の駆動速度を決定し、サーボ機構1007に指令を送る。この結果、サーボ機構1007によって移動テーブル1003が駆動速度で移動するようになり、ワイヤ電極1001と被加工物1002とが相対移動する。
【0011】
一般的に、ワイヤ電極1001の位置制御は、極間電圧検出手段1008での計測電圧に基づいて行われている。その制御方法は、極間電圧が高い場合にワイヤ電極1001と被加工物1002との相対移動速度である駆動速度を速くする一方、極間電圧が低い場合には駆動速度を遅くするというものである。しかし、このような駆動速度の制御方法を行うと様々な問題が発生することもわかってきている。
【0012】
まず、ファーストカットの場合には、上述したように加工速度を上げることが主として求められる。その阻害要因としての断線は、最も避けなければならない事態であり、断線防止のための研究開発が多く行われている。様々な方法が報告され、実際に用いられているが、その最も効果的な手法は、放電休止時間を延長するというものである。
【0013】
しかしながら、放電休止時間を延長するような電源制御は、機械系の駆動制御に比べて応答性が非常に速いため、これら両者の応答性の相違から振動現象が発生する虞れがある。
【0014】
また、ワイヤ電極1001の断線防止を目的とした制御を行っているワイヤ放電加工装置の場合には、極間電圧の低下をワイヤ電極1001に断線が発生する前駆現象として認識する。このため、極間電圧の低下現象が発生すると、断線防止のための手段として効果のある放電休止時間を延長するという操作を行う。放電休止時間が延びると、極間電圧が一層低下することになるため、ワイヤ電極1001の断線が近づいたと誤認識し、放電休止時間をさらに延長する操作を行う悪循環に繋がる。逆に、極間が大きくなって極間電圧が上昇すると、加工電源制御手段1005は、放電休止時間を短くするという制御を行う。放電休止時間が短くなると、極間電圧が大きくなるため、極間が一層大きくなったと誤認識し、放電休止時間をさらに短くする操作を行うことに繋がる。
【0015】
一方、セカンドカット以降の仕上げ加工の場合には、加工エネルギーをそれほど大きくしないため、何らかのトラブルがない限りワイヤ電極1001の断線という現象が発生することはなく、上記のような問題が起こる場面も多くはない。セカンドカット以降の仕上げ加工では、均等に被加工物1002を除去していくことが求められるため、これに伴って不都合が生じる場合がある。
【0016】
例えば、シャープエッジのアウトコーナー等、形状の精度を保つためにワイヤ放電加工による被加工物の加工除去量を減らしたい場合がある。このアウトコーナーでは、ごく近接した範囲にワイヤ電極1001が長い時間停滞することになるため、希望する形状に対して加工除去量が過多となる場合が多い。このような場合には、放電休止時間を延長して、加工除去量を減らそうとするのが一般的である。
【0017】
しかしながら、加工除去量を減らそうとして放電休止時間を延長すると、極間電圧が低下し、駆動速度が遅くなるため、加工除去量が希望するように減らないという問題が生じる。同様の例としては、加工したい形状の部分とこれに至るアプローチと呼ばれる部分との接点が挙げられる。
【0018】
このように、機械系の制御と電源系の制御とを混在した場合には、制御の不安定化を招き易く、加工除去量を正確に制御できない事態が発生し得る。
【0019】
この発明は上記実情に鑑みてなされたもので、仕上げ加工において加工除去量を正確に制御し、加工精度の向上を図ることのできるワイヤ放電加工装置およびワイヤ放電加工方法を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかるワイヤ放電加工装置は、ワイヤ電極と被加工物との極間電圧相当電圧値に基づいてこれらワイヤ電極および被加工物の相対移動速度を決定する制御手段を備え、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間に放電を発生させるとともに、前記制御手段によって決定された相対移動速度でこれらワイヤ電極および被加工物を相対移動させることにより、当該被加工物に加工を施すワイヤ放電加工装置であって、放電休止時間の増加に応じて増加する補正係数に従って極間電圧相当電圧値を補正する極間電圧補正手段を設け、該極間電圧補正手段の出力した補正後の極間電圧相当電圧値を前記制御手段に与えることにより、当該補正後の極間電圧相当電圧値に従ってワイヤ電極と被加工物とを相対移動させるようにしたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、放電休止時間が増加した場合、極間電圧補正手段によって極間電圧相当電圧値が大きくなるように補正され、この補正された極間電圧相当電圧値に従ってワイヤ電極と被加工物とが相対移動する。
【0022】
つぎの発明にかかるワイヤ放電加工装置は、上記の発明において、前記極間電圧補正手段が、極間電圧相当電圧値のパルス幅に対する放電休止時間の割合を該極間電圧相当電圧値に乗算し、さらにこの乗算結果を前記極間電圧相当電圧値に加算して前記制御手段に与えることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、補正後の極間電圧相当電圧値として放電休止時間の増減をキャンセルした値を設定することができる。
【0024】
つぎの発明にかかるワイヤ放電加工装置は、上記の発明において、放電休止時間と予め求めた極間電圧相当電圧値の補正係数とを対応付けたテーブルをさらに設け、前記極間電圧補正手段が、極間電圧相当電圧値および放電休止時間が与えられた場合にこのテーブルを参照して補正後の極間電圧相当電圧値を出力することを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、予め実測値に基づいて求めた補正係数によって極間電圧相当電圧値を補正することができる。
【0026】
つぎの発明にかかるワイヤ放電加工装置は、上記の発明において、単位計測時間において放電休止時間の占める割合から極間電圧相当電圧値の補正係数を決定することを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、放電時間が一定となる電源において、補正後の極間電圧相当電圧値として放電休止時間の増減をキャンセルした値を設定することができる。
【0028】
つぎの発明にかかるワイヤ放電加工方法は、ワイヤ電極と被加工物との間に放電を発生させるとともに、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間電圧相当電圧値に基づいて決定された相対移動速度でこれらワイヤ電極および被加工物を相対移動させることにより、当該被加工物に加工を施すワイヤ放電加工装置であって、部分的に加工除去量を減少させる場合には、放電休止時間を延長するとともに、該延長した放電休止時間に応じて極間電圧相当電圧値を大きく補正することを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、ワイヤ電極と被加工物との相対移動速度を減少させることなく、放電休止時間の延長によって単位時間あたりの加工除去量を減少することができる。
【0030】
つぎの発明にかかるワイヤ放電加工方法は、ワイヤ電極と被加工物との間に放電を発生させるとともに、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間電圧相当電圧値に基づいて決定された相対移動速度でこれらワイヤ電極および被加工物を相対移動させることにより、当該被加工物に加工を施すワイヤ放電加工装置であって、被加工物においてワイヤ電極の輪郭形成経路と、この輪郭形成経路に至るアプローチ経路との交差部分においては、他の部分と比較して放電休止時間を延長するとともに、該延長した放電休止時間に応じて極間電圧相当電圧値を大きく補正することを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、被加工物においてワイヤ電極の輪郭形成経路と、この輪郭形成経路に至るアプローチ経路との交差部分において、ワイヤ電極と被加工物との相対移動速度を減少させることなく、放電休止時間の延長によって単位時間あたりの加工除去量を減少することができる。
【0032】
つぎの発明にかかるワイヤ放電加工方法は、ワイヤ電極と被加工物との間に放電を発生させるとともに、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間電圧相当電圧値に基づいて決定された相対移動速度でこれらワイヤ電極および被加工物を相対移動させることにより、当該被加工物に加工を施すワイヤ放電加工装置であって、被加工物のコーナー部分においては、他の部分と比較して放電休止時間を延長するとともに、該延長した放電休止時間に応じて極間電圧相当電圧値を大きく補正することを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、被加工物のコーナー部分において、ワイヤ電極と被加工物との相対移動速度を減少させることなく、放電休止時間の延長によって単位時間あたりの加工除去量を減少することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるワイヤ放電加工装置およびワイヤ放電加工方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0035】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1であるワイヤ放電加工装置を示したものである。ここで例示するワイヤ放電加工装置は、図16に示した従来のものと同様に、被加工物102を載置させる移動テーブル103、ワイヤ電極101と被加工物102との極間にパルス状の電圧を印加してこれらの間に放電を発生させる加工電源104、加工電源104の動作を制御する加工電源制御手段105、加工電源104および後述のサーボ機構107を制御する制御手段106、制御手段106の指令に従って移動テーブル103を駆動するサーボ機構107、ワイヤ電極101と被加工物102との極間電圧を検出する極間電圧検出手段108とを主要構成要素とするもので、これらの構成要素に加え、さらに極間電圧補正手段109を備えている。この極間電圧補正手段109は、極間電圧検出手段108の信号および制御手段106の信号を受け、それらにより極間電圧の信号を補正して制御手段106に送り返すものである。
【0036】
このワイヤ放電加工装置では、入力された加工条件に従って制御手段106が加工電源制御手段105に加工条件信号を送ると、加工電源制御手段105が制御手段106からの信号に応じて加工電源104のスイッチング素子(図示せず)を駆動する。これにより、ワイヤ電極101と被加工物102との極間にパルス状の電圧が印加され、被加工物102に放電加工が施されることになる。
【0037】
放電加工中の極間電圧は、極間電圧検出手段108によって検出されており、その検出結果が極間電圧補正手段109に送られる。極間電圧補正手段109は、極間電圧検出手段108の検出結果と制御手段106の出力する放電休止時間の設定信号とに基づいて該極間電圧検出手段108の検出した極間電圧を補正し、この補正結果を制御手段106に送り返す。制御手段106は、極間電圧補正手段109より受けた補正後の極間電圧信号により駆動速度を決定し、その信号をサーボ機構107に送る。この結果、サーボ機構107によって移動テーブル103が駆動速度で移動し、ワイヤ電極101と被加工物102とが相対移動することによって放電加工が進行する。
【0038】
図2〜図6は、上述した極間電圧補正手段109による極間電圧補正を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら本発明の特徴部分について説明する。なお、図2〜図6において説明する内容は、電圧のパルス幅および放電休止時間が一定の電源によるものである。ただし、放電時間一定方式の電源の場合でも本質的には同一である。
【0039】
まず、図2〜図5を用いて従来の駆動速度の決定の方法について説明する。図2は、放電加工を行っている場合の極間電圧の波形を示したものである。一般的にワイヤ放電加工では、極間の平均電圧に応じてワイヤ電極101と被加工物102との相対移動速度である駆動速度を決定する。例えば、図2(a)を通常の放電の状態とし、このときワイヤ電極101と被加工物102とが所定の駆動速度で移動しているものとする。これに対して、ワイヤ電極101と被加工物102との距離が離れる等の要因によって被加工物102の加工除去量が減少し、極間がオープン気味になると、図2(b)のような波形になる。これは、パルス幅一定の電圧波形の電源の場合であるので、極間に電圧を印加してから放電が発生するまでの時間である放電遅れ時間が長くなっていることを示している。このとき極間の平均電圧は上昇している。また、反対に、極間が短絡気味になると、図2(c)に示すような波形になる。これは、極間距離が短い等の理由で放電遅れ時間が短くなっていることを示している。このとき極間の平均電圧は低下している。
【0040】
すなわち、上述した図2では、オープン気味の場合に加工除去量が少なくてもよいということをあらわしており、逆に、短絡気味の場合に除去しなければならない量が多くあることを示している。このため、一般的にオープン気味になったことを示す極間平均電圧の上昇の場合には、ワイヤ電極101と被加工物102との相対移動速度である駆動速度を大きくし、反対に、短絡気味になったことを示す極間平均電圧の低下の場合には、ワイヤ電極101と被加工物102との相対移動速度である駆動速度を小さくするような制御がなされている。
【0041】
こうした極間平均電圧と相対移動速度との関係を図3に例示する。図3において、横軸は極間の平均電圧、縦軸は駆動速度である。詳細な決定方法は様々であるが、一般的に、極間の平均電圧が大きくなった場合には駆動速度は大きく、極間の平均電圧が小さくなった場合には駆動速度を小さくするような制御が行われている。
【0042】
ところで、ワイヤ放電加工の仕上げ加工においては、部分的に加工除去量を減少させたい場合がある。図4は、こうした例を示すもので、シャープエッジのアウトコーナー部分(図4(a))、輪郭形成の経路とアプローチの経路との交差部分(図4(b))である。すなわち、シャープエッジのアウトコーナー部分や輪郭形成経路とアプローチ経路との交差部分は、他の部分と比較してワイヤ電極101が長く留まるようになり、被加工物102の加工除去量が過多となり易い。具体的には、図4(a)の場合にコーナー部分にダレが発生し、図4(b)の場合に輪郭形成経路とアプローチ経路との交差部分に線状の凹部が形成されるという現象を生じる。このような現象を回避するためには、加工エネルギーをその部分のみ減少させ、加工除去量を減らすことが有効である。
【0043】
加工エネルギーを減少させるための方法としては、放電休止時間を延長するのが有効と考えられている。放電休止時間を延長すれば、単位時間当たりの被加工物102の加工除去量を減少させることができるからである。
【0044】
しかしながら、実際に被加工物102から加工除去される量は、単位時間当たりの加工除去量と駆動速度とによって決定されるものとなる。従って、単位時間当たりの加工除去量を減らしたとしても、駆動速度が遅くなった場合には、加工除去量の減少量が所望とするものとならないことになる。
【0045】
以下、この点について図5を用いて説明する。図5(a)は、通常の放電加工を行っている場合の極間電圧の波形を示したものである。このとき、ワイヤ電極101と被加工物102との相対移動速度である駆動速度は、図3に示したように、平均電圧の値によって決定されたものである。
【0046】
この状態から、被加工物102の加工除去量を減らすことを目的として放電休止時間を延長すると、極間電圧が図5(b)に示すような波形となる。確かに、放電休止時間を延長したことにより、単位時間当たりの加工除去量は減少するようになる。しかしながら、放電休止時間を延長することにより、極間の平均電圧も低下するようになるため、図3の関係で決まる駆動速度が低下することになる。駆動速度が低下すれば、ワイヤ電極101が被加工物102に対向している時間が延長されることになるため、逆に被加工物102からの加工除去量が増える。
【0047】
これらの結果、被加工物102からの加工除去量は、放電休止時間の延長による減少分に対して駆動速度の低下による増加分を加えたものとなり、その減少量が所望のものとはならない。
【0048】
そこで、本発明では、上述した現象を回避すべく極間電圧補正手段109において極間電圧を補正するようにしている。上述した現象の原因は、極間電圧検出手段108が平均電圧として放電休止時間を含めた形でこれを検出していることにある。従って、駆動速度の決定要因となる平均電圧としては、放電休止時間の増減分を無視することが有効である。
【0049】
具体的には、図6(a)に示すように、平均電圧の算出から放電休止時間をキャンセルする補正を行う。つまり、パルス幅をte、放電休止時間をto1、実際に極間電圧検出手段108が検出する平均電圧をVg1とすると、理論上、放電休止時間は電圧が印加されない時間であるので、補正後の平均電圧Vg1′は、下式(1)のようになる。
Vg1′={(te+to1)/te}×Vg1 …(1)
【0050】
同様に、図6(a)に示す状態から、図6(b)に示すように、放電休止時間をto2に延長した場合には、パルス幅をte、実際に極間電圧検出手段108が検出する平均電圧をVg2とすると、補正後の平均電圧Vg2′は、下式(2)のようになる。
Vg2′={(te+to2)/te}×Vg2 …(2)
【0051】
これらの式(1)、(2)によって算出される補正後の平均電圧Vg1′、Vg2′は、それぞれ放電休止時間を無視した電圧印加時間だけの平均電圧になっており、放電休止時間の長短に影響を受けるものではない。
【0052】
このように極間電圧補正手段109によって補正された後の平均電圧に基づいて駆動速度を決定するようにした本実施の形態1のワイヤ放電加工装置によれば、放電休止時間を変化させた場合にも、ワイヤ電極101と被加工物102との相対移動速度である駆動速度が当該放電休止時間の長短に影響を受けることがない。従って、図4(a)に示したシャープエッジのアウトコーナー部分や、図4(b)に示した輪郭形成経路とアプローチ経路との交差部分においては、放電休止時間を延長すれば、当該放電休止時間の延長時間に応じてそれぞれの加工除去量を減少させることが可能となる。この結果、アウトコーナー部分にダレが発生する事態や輪郭形成経路とアプローチ経路との交差部分に線上の凹部が発生する事態を有効に防止することができ、仕上げ加工の加工精度を著しく向上させることが可能となる。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態1に示したように、理論上において極間電圧の補正を行った場合にも、上述した作用効果を十分に期待することは可能である。しかしながら、ワイヤ電極101と被加工物102との間には、加工エネルギー供給用のケーブルや加工電源104に容量(キャパシタンス)があるため、実際に極間電圧の波形を観察すると、図7(a)および図7(b)に示すように、放電休止時間中であっても電圧が出ていることが多い。このため、より高い加工精度が要求される場面では、現物合わせ的に測定した平均電圧に補正を行うことも有効である。
【0054】
図8は、所定の加工条件を選択した場合の放電休止時間に対する検出電圧、補正係数、補正後電圧、駆動速度の対応付けを示すテーブルであり、例えば予め上述した極間電圧補正手段109に格納してある。
【0055】
このテーブルの補正係数は、図9に示すように、実際に被加工物102を加工しながら算出する。但し、被加工物102の加工面には、予めそれぞれに応じて仕上げ加工が施されているものとする。
【0056】
具体的には、まず、所定の条件、例えば放電休止時間Toaの条件を基準として、予め補正係数Kaを求め、これを基準とする。補正係数Kaを求める方法としては、例えば、実施の形態1の方法を適用すればよい。
【0057】
次に、被加工物102の加工エリア毎に放電休止時間をTob、Toc…と変化させながら実際に加工を行い、それぞれに対応した補正係数Kb、Kc…を求めていく。補正係数Kb、Kc…を求める方法は、以下のとおりである。
【0058】
すなわち、図9のように加工していく際に、加工エリアAでの駆動速度vaを測定しておく。加工エリアB、C…を加工する際には、それぞれの駆動速度が加工エリアAでの駆動速度vaと同一となるように、補正係数Kb、Kc…を調整しながら順次求める。
【0059】
このように、実際のパルス幅に応じて放電休止時間を変更したときの補正係数を求め、これをテーブルとして格納しておけば、放電休止時間の長短に応じて加工除去量をより正確に制御することができるようになり、仕上げ加工に高い加工精度を期待することが可能となる。
【0060】
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2では、いずれもパルス幅が一定の電源を適用したワイヤ放電加工装置を例示している。しかしながら、放電加工用の電源としては、図11に示すように、放電時間が一定となるような電源もある。このような電源の場合には、実際の放電が発生してみないことには放電遅れ時間がどのような値を取るかが不明である。従って、予め設定されたパルス幅と放電休止時間とから平均電圧の補正を行うことは困難になる。そこで、本実施の形態3では、実際に放電休止時間を測定し、この測定した放電休止時間に基づいて補正電圧を算出するようにしている。
【0061】
図10は、この発明の実施の形態3であるワイヤ放電加工装置を説明するためのブロック図である。なお、図10においては、極間電圧補正手段109に関連する部分についてのみ記載してあるが、その他のワイヤ放電加工装置の構成自体は図1と同様である。
【0062】
制御手段106では、極間に印加する電圧の周期などが決定されることになる。従って、この制御手段106の持つ情報を用いれば、放電休止時間を無視した極間の電圧値が計算できるようになる。具体的には、補正極間電圧={計測時間/(計測時間−積算放電休止時間)}×実測極間電圧とすることで、放電休止時間がないものと仮定した場合の極間の平均電圧を計算することができる。この補正極間電圧値に基づいて移動テーブル103の駆動を行うことで、ワイヤ電極101と被加工物102との相対移動速度を変化させることなく、放電休止時間に応じて被加工物102の加工除去量のみを変化させることができる。計測時間としては、例えば制御手段106の制御周期であり、数ms〜数10msくらいの時間が望ましい。
【0063】
実施の形態4.
まず、ワイヤ放電加工においてワイヤ電極の輪郭形成経路と、この輪郭形成経路に至るアプローチ経路との交差部分に生じる微小な凹部(通称「へそ」)の問題について説明する。図12は、ワイヤ放電加工を行う際のワイヤ電極の経路を示す図である。図12において、501は輪郭形成経路、502は加工開始点、503はアプローチ経路、504は輪郭形成経路501とアプローチ経路503との交差ポイントである。また、図13は、図12に示した交差ポイント504近傍の拡大図である。図13において、505はワイヤ電極、506は被加工物、507は上述した微小凹部である。
【0064】
周知のように、ワイヤ放電加工は、ワイヤ電極505を糸鋸のごとく使用して被加工物506を切り抜く加工法であり、図12のように被加工物506の目的とする輪郭形成部分だけでなく、加工開始穴など加工を開始する点(以下、加工開始点502と称する)から輪郭形成部分の経路501へ至るアプローチ経路503にも加工を施す。以下の説明では輪郭形成経路501とアプローチ経路503の接続点を交差ポイント504と呼ぶことにする。
【0065】
通常のワイヤ放電加工の輪郭形成経路501では、ワイヤ電極505の半径、極間長や仕上げ加工代などを考慮し、加工形状に対して所定の距離(以下、オフセット量と称する)だけ隔たった経路を設定し、このオフセットした輪郭形成経路501に沿ってワイヤ電極505の中心を移動させつつ加工を行う。すなわち、図13に示すように、ワイヤ電極505は、加工開始点502からアプローチ経路503を通り、次に交差ポイント504からオフセットを設定した輪郭形成経路501へと移動し、輪郭形成経路501を一周した後に再び交差ポイント504からアプローチ経路503を経由し、再び加工開始点502へ戻る。仕上げ加工が必要であれば、使用する加工電気条件毎に輪郭形成経路501でのオフセット量を順次設定した加工経路に従って、上記の移動を繰り返すことになる。
【0066】
ここで、上記のようにワイヤ電極505を移動させた場合、ワイヤ電極505が輪郭形成経路501を一周するにあたり、他の輪郭形成経路501はワイヤ電極505が1回通過するのみであるが、交差ポイント504だけは2回通過することになる。2回目の通過時に加工すべき被加工物506は、既に1回目の通過で除去された後であるので、既に加工された面に対して放電が発生することになり、加工面にはオーバーカットが生じる。従って、交差ポイント504には、微小凹部507が形成され、加工精度悪化の要因となっている。
【0067】
このような問題を電源的に解決する方法としては、交差ポイント504での加工除去量を減らす方法がある。つまり、ワイヤ電極505が交差ポイント504近傍にある場合に放電休止時間を延ばせばよい。しかしながら、上述したように、単に放電休止時間を減らしただけでは、極間の電圧低下に伴って駆動速度が低下し、交差ポイント504付近に長くワイヤ電極505が留まることとなり、結果として微小凹部507がなくならないという問題が残る。
【0068】
そこで、本実施の形態4では、ワイヤ電極505が交差ポイント504付近に達した際に、放電休止時間を延長するとともに、極間電圧を増加するように補正を行う。こうした実施の形態4のワイヤ放電加工方法によれば、ワイヤ電極505と被加工物506との相対移動速度を減少させることなく、放電休止時間の延長によって単位時間あたりの加工除去量を減少することができるため、被加工物506においてワイヤ電極505の輪郭形成経路501と、この輪郭形成経路501に至るアプローチ経路503との交差ポイント504に線状の微小凹部507が発生する事態を有効に防止することができるようになる。
【0069】
同様のことは、シャープエッジのアウトコーナー部やインナコーナー部にも当てはまる。これらの場合では、コーナー部にワイヤ電極505が長く留まることとなるため、加工除去量が過多となり、形状が崩れるという問題がある。従って、ワイヤ電極505がコーナー部分付近に達した際に、放電休止時間を延長するとともに、極間電圧を増加するように補正を行う。こうしたワイヤ放電加工方法によれば、ワイヤ電極505と被加工物506との相対移動速度を減少させることなく、放電休止時間の延長によって単位時間あたりの加工除去量を減少することができるため、被加工物506においてシャープエッジのアウトコーナー部やインナコーナー部にダレが発生する事態を有効に防止することができるようになる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、放電休止時間が増加した場合、極間電圧補正手段によって極間電圧相当電圧値が大きくなるように補正され、この補正された極間電圧相当電圧値に従ってワイヤ電極と被加工物とが相対移動するため、仕上げ加工において加工除去量を正確に制御し、加工精度の向上を図ることが可能となる。
【0071】
つぎの発明によれば、補正後の極間電圧相当電圧値として放電休止時間の増減をキャンセルした値を設定することができるため、仕上げ加工において加工除去量をより正確に制御することが可能になる。
【0072】
つぎの発明によれば、予め実測値に基づいて求めた補正係数によって極間電圧相当電圧値を補正することができるため、ケーブルや加工電源の要領に関わらず、仕上げ加工において加工除去量をより正確に制御することが可能になる。
【0073】
つぎの発明によれば、放電時間が一定となる電源において、補正後の極間電圧相当電圧値として放電休止時間の増減をキャンセルした値を設定することができるため、放電時間が一定となる電源を適用した場合にも、仕上げ加工において加工除去量を正確に制御し、加工精度の向上を図ることが可能となる。
【0074】
つぎの発明によれば、ワイヤ電極と被加工物との相対移動速度を減少させることなく、放電休止時間の延長によって単位時間あたりの加工除去量を減少することができるため、被加工物において部分的に加工除去量を減少させる場合にも、その加工精度を向上させることが可能になる。
【0075】
つぎの発明によれば、被加工物においてワイヤ電極の輪郭形成経路と、この輪郭形成経路に至るアプローチ経路との交差部分において、ワイヤ電極と被加工物との相対移動速度を減少させることなく、放電休止時間の延長によって単位時間あたりの加工除去量を減少することができるため、被加工物においてワイヤ電極の輪郭形成経路と、この輪郭形成経路に至るアプローチ経路との交差部分に線状の凹部が発生する事態を防止できる。
【0076】
つぎの発明によれば、被加工物のコーナー部分において、ワイヤ電極と被加工物との相対移動速度を減少させることなく、放電休止時間の延長によって単位時間あたりの加工除去量を減少することができるため、コーナー部分にダレが発生する事態を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1であるワイヤ放電加工装置の概略構成を示した図である。
【図2】 放電加工を行っている場合の極間電圧の波形を示したもので、(a)は通常の放電状態のグラフ、(b)は極間がオープン気味となった場合のグラフ、(c)は極間が短絡気味となった場合のグラフである。
【図3】 極間平均電圧と相対移動速度との関係を示すグラフである。
【図4】 被加工物に対するワイヤ電極の移動経路を示したもので、(a)はシャープエッジのアウトコーナー部分を示した概念図、(b)は輪郭形成部分を示した概念図である。
【図5】 放電加工を行っている場合の極間電圧の波形を示したもので、(a)は通常の放電状態のグラフ、(b)は放電休止時間を延長した場合のグラフである。
【図6】 極間電圧補正手段の補正内容を示すためのもので、(a)は通常の放電状態における極間電圧の波形および補正後の平均電圧を示すグラフ、(b)は放電休止時間を延長した場合における極間電圧の波形および補正後の平均電圧を示すグラフである。
【図7】 加工エネルギー供給用ケーブルや加工電源の容量が極間電圧の波形に影響を及ぼす状態を示したもので、(a)は通常の放電状態のグラフ、(b)は放電休止時間を延長した場合のグラフである。
【図8】 この発明の実施の形態2であるワイヤ放電加工装置で適用する放電休止時間と補正係数との対応テーブルを示した図表である。
【図9】 図8に示した対応テーブルの作成手順を示すための概念図である。
【図10】 この発明の実施の形態3であるのワイヤ放電加工装置の要部を示すブロック図である。
【図11】 図10に示したワイヤ放電加工装置で適用する加工電源の波形を示したグラフである。
【図12】 被加工物の輪郭形成部分に対するワイヤ電極の移動経路を示した概念図である。
【図13】 図12に示したワイヤ電極の移動経路を拡大した要部概念図である。
【図14】 (1)〜(5)は、一般的な放電加工の原理を順に示した概念図である。
【図15】 (a)〜(c)は、ワイヤ放電加工で実施される加工プロセスを順に示した概念図である。
【図16】 従来のワイヤ放電加工装置の概略構成を示した図である。
【符号の説明】
101 ワイヤ電極、102 被加工物、103 移動テーブル、104 加工電源、105 加工電源制御手段、106 制御手段、107 サーボ機構、108 極間電圧検出手段、109 極間電圧補正手段、501 輪郭形成経路、502 加工開始点、503 アプローチ経路、504 交差ポイント、505 ワイヤ電極、506 被加工物、507 微小凹部。
Claims (7)
- ワイヤ電極と被加工物との極間電圧相当電圧値に基づいてこれらワイヤ電極および被加工物の相対移動速度を決定する制御手段を備え、
前記ワイヤ電極と前記被加工物との間に放電を発生させるとともに、前記制御手段によって決定された相対移動速度でこれらワイヤ電極および被加工物を相対移動させることにより、当該被加工物に加工を施すワイヤ放電加工装置であって、
放電休止時間の増加に応じて増加する、パルス幅と放電休止時間により決定された補正係数に従って、該放電休止時間の増加に応じて極間電圧相当電圧値を増加させて、当該極間電圧相当電圧値を前記放電休止時間によらない電圧印加時間だけに基づく電圧値となるように補正する極間電圧補正手段を設け、該極間電圧補正手段の出力した補正後の極間電圧相当電圧値を前記制御手段に与えることにより、当該補正後の極間電圧相当電圧値に従ってワイヤ電極と被加工物との相対移動速度を決定し、相対移動させるようにした
ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - 前記極間電圧補正手段は、極間電圧相当電圧値のパルス幅に対する放電休止時間の割合を該極間電圧相当電圧値に乗算し、さらにこの乗算結果を前記極間電圧相当電圧値に加算して前記制御手段に与える
ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。 - 放電休止時間と予め求めた極間電圧相当電圧値の補正係数とを対応付けたテーブルをさらに設け、前記極間電圧補正手段は、極間電圧相当電圧値および放電休止時間が与えられた場合にこのテーブルを参照して補正後の極間電圧相当電圧値を出力する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤ放電加工装置。 - ワイヤ電極と被加工物との極間電圧相当電圧値に基づいてこれらワイヤ電極および被加工物の相対移動速度を決定する制御手段を備え、
前記ワイヤ電極と前記被加工物との間に放電を発生させるとともに、前記制御手段によって決定された相対移動速度でこれらワイヤ電極および被加工物を相対移動させることにより、当該被加工物に加工を施すワイヤ放電加工装置であって、
放電休止時間の増加に応じて増加する、単位計測時間において放電休止時間の占める割合から決定された補正係数に従って、該放電休止時間の増加に応じて極間電圧相当電圧値を増加させて、当該極間電圧相当電圧値を前記放電休止時間によらない電圧印加時間だけに基づく電圧値となるように補正する極間電圧補正手段を設け、該極間電圧補正手段の出力した補正後の極間電圧相当電圧値を前記制御手段に与えることにより、当該補正後の極間電圧相当電圧値に従ってワイヤ電極と被加工物との相対移動速度を決定し、相対移動させるようにした
ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - ワイヤ電極と被加工物との間に放電を発生させるとともに、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間電圧相当電圧値に基づいて決定された相対移動速度でこれらワイヤ電極および被加工物を相対移動させることにより、当該被加工物に加工を施すワイヤ放電加工方法であって、
部分的に加工除去量を減少させる場合には、放電休止時間を延長するとともに、該延長した放電休止時間に応じて極間電圧相当電圧値を増加させるよう補正し、補正後の極間電圧相当電圧値に従ってワイヤ電極と被加工物との相対移動速度を決定し、相対移動させることを特徴とするワイヤ放電加工方法。 - ワイヤ電極と被加工物との間に放電を発生させるとともに、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間電圧相当電圧値に基づいて決定された相対移動速度でこれらワイヤ電極および被加工物を相対移動させることにより、当該被加工物に加工を施すワイヤ放電加工方法であって、
被加工物においてワイヤ電極の輪郭形成経路と、この輪郭形成経路に至るアプローチ経路との交差部分においては、他の部分と比較して放電休止時間を延長するとともに、該延長した放電休止時間に応じて極間電圧相当電圧値を増加させるよう補正し、補正後の極間電圧相当電圧値に従ってワイヤ電極と被加工物との相対移動速度を決定し、相対移動させることを特徴とするワイヤ放電加工方法。 - ワイヤ電極と被加工物との間に放電を発生させるとともに、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間電圧相当電圧値に基づいて決定された相対移動速度でこれらワイヤ電極および被加工物を相対移動させることにより、当該被加工物に加工を施すワイヤ放電加工方法であって、
被加工物のコーナー部分においては、他の部分と比較して放電休止時間を延長するとともに、該延長した放電休止時間に応じて極間電圧相当電圧値を増加させるよう補正し、補正後の極間電圧相当電圧値に従ってワイヤ電極と被加工物との相対移動速度を決定し、相対移動させることを特徴とするワイヤ放電加工方法。
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