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JP4232809B2 - 記録再生装置、レーザ駆動パルス調整方法 - Google Patents

記録再生装置、レーザ駆動パルス調整方法 Download PDF

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JP4232809B2 JP2006260296A JP2006260296A JP4232809B2 JP 4232809 B2 JP4232809 B2 JP 4232809B2 JP 2006260296 A JP2006260296 A JP 2006260296A JP 2006260296 A JP2006260296 A JP 2006260296A JP 4232809 B2 JP4232809 B2 JP 4232809B2
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Description

本発明は、例えば記録型光ディスク等の光記録媒体に対する記録再生装置、及びレーザ駆動パルス調整方法に関し、特に記録パワーの最適点が諸条件により変化してしまうことを考慮してレーザ駆動パルス調整を適切に実行する技術に関する。
特許第3766994号公報 特開2000−182244号公報 特許第3632849号公報
光ディスクの記録技術においては、レーザーによる記録波形を構成する記録パラメータがライトストラテジと総称されており、このライトストラテジに基づいてレーザーを発光させることにより情報が記録される。光ディスクに情報を記録するにあたり、良好な記録品質を実現するために上記ライトストラテジのパラメータを調整することは、ライトストラテジ調整と呼ばれている。
このライトストラテジ調整は、基準ストラテジに対して補正を加えることで行われる。基準ストラテジとは、予め定められた基準として用いる基本のストラテジ設定であり、具体的な設定値としては、メディアメーカによって定められた設定値(メディアに記録されている)や、ドライブが予め記憶しているストラテジ設定値などを基準ストラテジとして用いるようにされている。
ここで、このようなライトストラテジ調整は、装填される光ディスクごとに行うことが一般的となっている。すなわち、ライトストラテジは、光ディスクの記録膜の材料や厚み、溝の形状、記録速度などと密接な関係があることが知られており、使用する光ディスクごとに最適化されて用いられる必要がある。
また、ドライブ装置間のばらつきを吸収するためにもライトストラテジ調整は必要となる。
このとき、ドライブ装置が個々にライトストラテジ調整を行う理由は、以下のような点にある。
つまり、市場には、ドライブメーカが把握しきれないほどの大量の種類の光ディスクが流通しており、市場に流通しているすべての光ディスクについて予め適切なライトストラテジを用意するには膨大な検討工数が必要となるため、その分の手間を要し、ドライブのコストアップにもつながる。また、ドライブ出荷後に流通するメディアにも対応するにはドライブのファームアップデートなどの対応が必要となり、これも手間となる。
このような理由から、記録時にドライブ側でライトストラテジ調整を行うことが要請されている。
ところで、光ディスクの記録では、実際にデータを記録する前に試し記録を行って最適な記録パワーを得るキャリブレーションを行うことが一般的である。このような動作は、OPC(Optimum Power Control)と呼ばれている。
OPCを行うことによって、対物レンズに汚れなどが生じてしまった場合にも最適な記録パワーを再設定することが可能となるので、記録品質の低下を効果的に抑制することができる。
しかしながら、OPCによって記録パワーを最適とされる値に設定したとしても、光ディスク面内での記録感度ムラやピックアップ内の温度変化、光ディスクの基板厚ムラ、光ディスクの汚れ、などの要因によって最適記録パワー自体が変化してしまい、その結果、OPCにより設定した記録パワーは実際には最適点からずれてしまうということが起こり得る。
このような点から、ライトストラテジ調整によって決定するライトストラテジには、設定した記録パワーが最適パワーからずれてしまっても、比較的良好な記録特性を維持できる(=記録パワーマージンが広い)ことが求められている。
この記録パワーマージンを広く確保するために、従来では次に示すような手法によりライトストラジ調整が行われていた。
先ず、第1として、人手により調整する手法が挙げられる。
すなわち、或る記録パワーで記録再生し、その記録パワーでの記録信号品質を改善するストラテジ設定を探索する。次に、この探索結果のストラテジで記録パワーマージンが広がったかどうかを確認し、もし記録パワーマージンが広がらなかった場合には再度他のストラテジ設定で探索する、というような作業を、トライアンドエラーを繰り返しながら行っていたものである。
また、他の手法としては、或る記録パワー(例えばOPCで求めた最適記録パワー)で、基準ストラテジを初期値としてライトストラテジ調整を行うことで、その記録パワーでの記録信号品質を向上させるというものである。
つまり、このようにして或る記録パワーでの記録信号品質を最高に向上させることのできるライトストラテジに調整することで、他の記録パワーでも記録信号品質が改善するものとしてパワーマージンの拡大を試みていたものである。
しかしながら、上記により示した従来手法は、それぞれ次のような問題点を抱えるものである。
先ず、上述の人手による調整手法は、トライアンドエラーを繰り返す点から調整に多くの時間を要する点で問題となる。また、比較的短時間で良いストラテジ設定を見つけられたとしても、それは調整を行う人物のノウハウに強く依存するものであり、その点でも問題がある。
また、もう一方の手法としては、1種類の記録パワーでの記録結果から調整しているため、本質的にパワーマージンを広げる調整とはなっていない点が問題である。逆に、このようにして1種の記録パワーの設定状態下での調整を行うことによっては、かえってパワーマージンを狭くしてしまうという事態も起こりかねない。
図8は、例えばOPCの最適記録パワーの設定下で最適とされるストラテジに調整した場合における、記録パワーの変化に対する評価値(Jitter)の特性のイメージ図を示している。なお、この図では横軸を記録パワーとし、縦軸を評価値としている。
上述のようにして、例えばOPCなどで設定された最適とされる記録パワーは、その後の諸要因によって真に最適とされる記録パワーから相対的にずれてしまう場合がある。図8では、真に最適な記録パワーをPw-iとして示し、これに対して相対的にずれてしまったOPCなどで設定された記録パワーの位置をPw-dにより示している。
ここで、OPCにより設定された記録パワーPw-dが、真に最適な記録パワーPw-iと一致する場合は、図中の特性曲線上に示されるように、ジッタ値は破線により示す許容値(つまり信号再生が保証されるライン)に対して充分に低い値となっており、良好な記録信号品質が得られることが理解できる。
これに対し、相対的に記録パワーPw-dにずれてしまった場合には、図示するようにしてジッタ値の許容値を超えてしまう可能性があり、結果としてその設定下で記録された信号は再生エラーとなってしまう可能性がある。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、記録再生装置として以下のように構成することとした。
つまり、光記録媒体に対してレーザ光を照射して、上記光記録媒体上でマーク及びスペースで表現される情報の書込及び読出を行う光学ヘッド手段を備える。
また、記録する情報に応じたレーザ駆動パルスを生成して上記光学ヘッド手段に供給し、上記光学ヘッド手段に、記録のためのレーザ光照射を実行させるレーザ駆動パルス生成手段を備える。
また、上記レーザ光のパワーを設定するパワー設定手段と、上記光学ヘッド手段により上記光記録媒体から読み出した信号から、上記レーザ駆動パルスの設定状態に基づく記録信号品質の指標となる品質評価値を計算する評価値計算手段とを備える。
そして、上記レーザ駆動パルスを生成するにあたって上記レーザ駆動パルス生成手段に設定されるべきパラメータであり、上記光記録媒体に形成されるマークのエッジ位置を調整するためのパラメータについて調整設定を行う調整制御手段であって、上記レーザ発光手段に対する上記レーザ光のそれぞれ異なる2種以上のパワー設定下で、上記マークのエッジ位置を調整するためのパラメータをそれぞれ異なる設定状態として上記光記録媒体への調整のための記録動作を実行させ、この記録動作により記録された信号をそれぞれ読み出したときに上記評価値計算手段により計算される上記品質評価値を入力することで、上記それぞれのパワー設定下での上記設定状態ごとの品質評価値を取得すると共に、それら各パワーでの各設定状態ごとの品質評価値に基づき、OPCによって決定された記録パワーにおける上記パラメータを決定し、上記レーザ駆動パルス生成手段に設定する調整制御手段を備えるようにした。
このようにして、2種以上の異なるパワーの設定下でそれぞれ調整設定(ライトストラテジ)を変えて試し書きしたデータを再生して得られた品質評価値に基づき、ライトストラテジを調整することで、複数の記録パワーでの記録品質を総合的にバランスよく向上させるライトストラテジを求めることができる。
上記のようにして本発明によれば、複数の記録パワーでの記録品質を総合的にバランスよく向上させるライトストラテジを求めることができるので、例えば従来のように1種の記録パワーの設定下で得られた品質評価値に基づきストラテジ調整を行う場合とは異なり、記録パワーの最適点からのずれに対してもより良好な記録品質を保つことができる。
また、上記のような本発明の手法によれば、記録再生装置側で自動的にライトストラテジ調整を行うことができるので、従来のように手動でトライアンドエラーを繰り返して最適とされるライトストラテジに調整する場合とは異なり、人手による作業負担を不要とすることができる。
また、本発明の手法は人手により調整を行う場合にも適用可能であるが、その場合としても、上記のようなトライアンドエラーを繰り返す手法と比較すれば、作業負担は格段に低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。

[1.記録再生装置の構成]
[2.ストラテジ調整の基本となる考え方]
[3.実施の形態としてのストラテジ調整動作]
[4.処理動作]
[1.記録再生装置の構成]

図1は実施の形態の記録再生装置1の要部のブロック図を示している。
先ず、情報を記録する記録媒体としての光ディスク100は、記録/再生時にはスピンドルモータ2によって回転駆動される。
光学ヘッド3(光ピックアップ:OP)は、レーザダイオードから出力したレーザ光を、所定の光学系により対物レンズから光ディスク100に照射する。また光ディスク100からの反射光を、所定の光学系を介してフォトディテクタに導き、反射光量に応じた電気信号を得る。また複数のフォトディテクタで検出された各光量信号に対して演算処理を行い、記録された情報の再生信号(再生RF信号)や、トラッキング、フォーカスなどの各種サーボエラー信号を生成する。
記録時には、レーザドライバ10からレーザ駆動パルスが光学ヘッド3に供給され、光学ヘッド3内のレーザダイオードはレーザ駆動パルスに応じて発光駆動される。
また、記録時には、光ディスク100に記録しようとする記録データが、記録データエンコーダ12で、例えばRLL(1,7)変調等のエンコード処理が施され、そのエンコード信号がライトストラテジ回路11に供給される。ライトストラテジ回路11では、エンコード信号に応じたレーザ駆動パルスを生成する。ライトストラテジ回路11で生成されるレーザ駆動パルスのパルスレベルやパルスエッジ位置は、システムコントローラ9からの設定値により調整される。
このライトストラテジ回路11で生成され、ストラテジ調整されたレーザ駆動パルスが、レーザドライバ10を介して光学ヘッド内のレーザダイオードの駆動信号となる。
また、記録時においては、OPC(Optimum Power Control)処理により、記録パワーについてのキャリブレーションが行われ、このOPCによって取得された最適とされる記録パワーがレーザドライバ10に対して設定される。
OPC処理はシステムコントローラ9の制御処理に基づき実行されるもので、システムコントローラ9はOPC処理を実行して取得した記録パワーの値をレーザドライバ10に対して設定する。これにより、最適とされる記録パワーによって記録動作を行うことができる。
再生時には、光学ヘッド3で読み出された再生信号はイコライザ4で処理された後、A/Dコンバータ5でサンプリングされてデジタル値に変換される。
PLL(Phase Locked Loop)回路6は、このようなA/Dコンバータ5による変換後の再生信号を入力し、当該再生信号に同期した再生クロックCKを生成する。再生クロックCKはA/Dコンバータ5のサンプリングクロックとして用いられると共に、後段の再生回路7及び品質評価値計算部8の処理クロックとしても供給される。
また、A/Dコンバータ5からのデジタルサンプリング値としての再生信号は、図示するようにして再生回路7と品質評価値計算部8とに対して供給される。
再生回路7は、上記サンプリング値による再生信号を入力して光ディスク100に記録された2値データ列を復号する。例えばこの場合は、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)復号処理を行って2値データ列を復号するように構成される。
この場合の再生回路7には、所定のパーシャルレスポンス方式に応じたPR等化を行うためのイコライザと、最尤復号器とが設けられ、入力されたデジタル値としての再生信号はPR等化処理後、上記最尤復号器にてビタビ復号としてのビット検出を受ける。ビタビ復号された復号データ(2値データ列)は、図示しない再生処理系に供給される。
また、これと共に上記2値データ列は、図示するようにして品質評価値計算部8にマーク長情報として供給される。
品質評価値計算部8は、A/Dコンバータ5から供給される再生信号のサンプリング値と、PLL回路6からの再生クロックCKと、上記マーク長情報とに基づき、マークエッジ位置誤差を計算する。このマークエッジ位置誤差が、本実施の形態で言う品質評価値となる。
この場合の品質評価値計算部8は、再生信号のサンプリング値と再生クロックCKとに基づき、マークの始端側となるフロントマークエッジ位置誤差、マークの終端側となるリアマークエッジ位置誤差を検出することができる。
また、再生回路7から供給される2値データ列からは、上記のようなマーク長情報として、再生信号のマーク長/スペース長の情報を取得できるが、このようなマーク長情報に基づき、品質評価値計算部8は、上記のようなフロント・リアのマークエッジ位置誤差を、マーク長毎や、或いはエッジ前後のマーク長/スペース長の組み合わせ毎に計算することもできる。
なお、この構成例では、再生回路7におけるPR等化処理前のデータ列、つまりA/Dコンバータ5からの出力段階での再生信号を品質評価値計算部8に供給してマークエッジ位置誤差を計算するものとしているが、PR等化処理後の再生信号を品質評価値計算部8に入力するようにしてマークエッジ位置誤差の計算を行うようにすることもできる。
また、品質評価値計算部8によるマークエッジ位置誤差の具体的な計算手法については後に改めて説明する。
品質評価値計算部8で計算された品質評価値としてのマークエッジ位置誤差の情報は、システムコントローラ9に対して供給される。
システムコントローラ9は、例えばROM、RAMなどのメモリやCPUを備えたマイクロコンピュータで構成される。
システムコントローラ9は、上記マークエッジ位置誤差の情報を用いて、後述するようにして最適なライトストラテジ設定を算出し、ライトストラテジ回路11に設定する。
なお、光学ヘッド3におけるフォーカスサーボ、トラッキングサーボ動作や光学ヘッド3の移送(スレッド移動)動作などは、図示しないサーボ回路やサーボ駆動機構(光学ヘッド内の二軸機構やスレッド機構など)によって行われる。またスピンドルモータ2の回転制御もサーボ回路によって行われる。システムコントローラ9は、サーボ回路に指示を行って、記録動作、再生動作のためのスピンドルモータ2の駆動や光学ヘッド3の挙動を制御し、光ディスク100に対する記録動作や再生動作を実行させる。
続いて、図2を参照して、品質評価値計算部8により算出されるマークエッジ位置誤差の計算手法について説明する。
先ず、本実施の形態のストラテジ調整を行うにあたって品質評価値として用いるマークエッジ位置誤差とは、理想的な記録マークのエッジ位置と実際に記録された記録マークのエッジ位置との差に相当する値であると定義する。
記録マークのエッジ位置としては、直前のスペースとの境界側となるフロント側と、直後のスペースとの境界側となるリア側とがあるので、特にフロント側のエッジ位置についてのマークエッジ位置誤差を「フロントマークエッジ位置誤差」と呼び、リア側のエッジ位置についてのマークエッジ位置誤差を「リアマークエッジ位置誤差」と呼ぶ。
ここで、このようなマークエッジ位置誤差の計算手法の説明のために、次の2つの用語を定義する。
調整パターン: ライトストラテジ調整の対象とするパターン
基準パターン: ライトストラテジ調整の対象としない、元々ズレが生じにくいパターン。例えば、長マークでかつ前後スペース長が長いパターン
但し、ここで言う「パターン」とは、着目するエッジ前後のスペース長及びマーク長の組合せを意味する。
マークエッジ位置誤差の算出は、以下の<1>、<2>の手順で行う。
<1>マークエッジ位置の算出
先ず、マークエッジ位置について図2を参照して説明しておく。このマークエッジ位置とは、図中、再生波形とスライスレベルのクロス点(以下ゼロクロス点と呼ぶ)と、再生クロックCK(PLL clock)との時間差で表されるものとなる。特に、フロント側のマークエッジ位置については「フロントマークエッジ位置」と呼び、リア側のマークエッジ位置は「リアマークエッジ位置」と呼ぶ。図中のTはチャネルクロック周期を示している。
図2に示されるように、再生クロックCKに同期して、周期Tで再生波形をサンプリングしているとし、再生波形のゼロクロス点直前の再生信号サンプル値をA、ゼロクロス点直後の再生信号サンプル値をBとすると、マークエッジ位置Mepは、フロントマークエッジ位置・リアマークエッジ位置共に次の(式1)で求められる。

Figure 0004232809
この(式1)により求められるマークエッジ位置を、調整パターンごとにある測定区間内で続けて測定し平均化する。例えば、2Tスペースから3Tマークへのフロントマークエッジ位置について、ある測定区間内で続けて測定しそれらの結果を平均化したものを、MepF(2s3m)と表記することにする。
<2>マークエッジ位置誤差の算出
この場合、マークエッジ位置誤差は、調整パターンと基準パターンのマークエッジ位置の差として算出するものとする。すなわち、
(マークエッジ位置誤差)=
(調整パターンのマークエッジ位置)−(基準パターンのマークエッジ位置)
としてフロント・リア個々に計算する。
例えば、
調整パターン:2Tスペースから3Tマークへのフロントマークエッジ位置
基準パターン:5T以上スペースから5T以上マークへのフロントマークエッジ位置
とすると、2Tスペースから3Tマークへのフロントマークエッジ位置誤差は、

MepeF(2s3m)=MepF(2s3m)−MepF(≧5s≧5m)

で求められる。
同様にして、3Tマークから2Tスペースへのリアマークエッジ位置誤差は

MepeR(3m2s)=MepR(3m2s)−MepR(≧5m≧5s)

で求められるといったものである。
品質評価値計算部8においては、上記のような手順に従ってマーク長・スペース長の組み合わせごとの(つまり各調整パターンごとの)フロントマークエッジ位置誤差・リアマークエッジ位置誤差を計算する。
具体的には、ある測定区間(試し書き区間)の再生時に入力される再生信号(サンプル値)、再生クロックCK、マーク長情報に基づき、基準パターン(この場合は5T以上スペースと5T以上マークとのパターン)についてのフロントマークエッジ位置・リアマークエッジ位置と、各調整パターンごとのフロントマークエッジ位置・リアマークエッジ位置とを先の(式1)に基づき計算する。
このとき、各調整パターンごとのフロントマークエッジ位置・リアマークエッジ位置の値としては、上述のようにして各調整パターンごとに複数得られる値を平均化して求めるようにされる。
その上で、各調整パターンごとに、フロントマークエッジ位置の値から基準パターンのフロントマークエッジ位置の値を減算することで、それぞれフロントマークエッジ位置誤差の値を算出する。同様に各調整パターンごとに、リアマークエッジ位置の値から基準パターンのリアマークエッジ位置の値を減算することで、それぞれリアマークエッジ位置誤差の値を算出する。
このようにして品質評価値計算部8は、各調整パターンごとのフロントマークエッジ位置誤差の値とリアマークエッジ位置誤差の値とをそれぞれ計算する。
[2.ストラテジ調整の基本となる考え方]

ここで、先に述べたようにして、従来のライトストラテジの調整手法としては、例えばOPCで求めた最適記録パワーなど、或る1種の記録パワーの設定下で、基準ストラテジを初期値としてライトストラテジ調整を行うことで、その記録パワーでの記録信号品質を向上させるという手法を採るようにされていた。すなわち、このようにして或る記録パワーでの記録信号品質を最高に向上させることのできるライトストラテジに調整することで、他の記録パワーでも記録信号品質が改善するものとしてパワーマージンの拡大を試みていたものである。
しかしながら、このように1種の記録パワーの設定下でライトストラテジ調整を最適とされる値に調整する手法では、例えば光ディスク面内での記録感度ムラやピックアップ内の温度変化、光ディスクの基板厚ムラ、光ディスクの汚れ、などの諸要因によって最適記録パワー自体が変化してしまい、結果として、設定した記録パワーが最適とされる記録パワーからずれてしまった場合に、良好な記録信号品質を確保できなくなってしまう虞があった。
すなわち、このように1種の記録パワーの設定下でライトストラテジ調整を最適とされる値に調整する手法は、その記録パワーの設定下での記録信号品質は最高に向上できるが、上記のようにして記録パワーが最適点からずれてしまった場合には充分な記録信号品質を保つことができなくなってしまう虞がある。換言すれば、記録パワーの最適点からのずれに対する記録信号品質のマージン(以下パワーマージンとも呼ぶ)が狭くなってしまう虞があるものである。
そこで、本実施の形態では、1種のみの記録パワーの設定状態下でストラテジ調整を行うのではなく、複数の異なる記録パワーの設定状態下で、それぞれストラテジを変化させて試し書きを行った結果得られる品質評価値(実施の形態ではマークエッジ位置誤差の値)に基づき、最適とされるライトストラテジの調整値を割り出すようにする。
具体的には、複数の異なる記録パワーの設定状態下でそれぞれストラテジを変化させて試し書きを行った結果得られる品質評価値の各々の二乗和を総合評価値とし、この総合評価値を最小とするストラテジを最適とされるストラテジとして割り出すものである。
図3は、このような本例の手法(記録パワーを2種とした場合)と、従来の1種の記録パワーのみに基づく手法とを比較するための図である。この図3では、一点鎖線により先の図8と同様に1種の記録パワーのみに基づきストラテジ調整を行った従来の場合の記録パワーの変化に対する評価値(Jitter値)の特性のイメージを示し、実線により本例の手法でストラテジ調整を行った場合の記録パワーの変化に対する評価値の特性のイメージを示している。
先にも述べたように、例えばOPCなどで設定された最適とされる記録パワーは、諸要因によって最適記録パワー自体が変動することで、真に最適とされる記録パワーからは相対的にずれてしまう場合がある。この図3においても、真に最適な記録パワーをPw-iとし、OPCなどで設定され真に最適な記録パワーから相対的にずれてしまった記録パワーの位置をPw-dと示している。
ここで、破線により示すラインをジッタ値の許容値(つまり信号再生が保証されるライン)とすると、従来手法では、パワーマージンは図示するようなPM−1の範囲となる。これに対し、本例の手法では、それぞれ異なる記録パワーの設定下でストラテジを変化させた場合の品質評価値(総合評価値)に基づいてライトストラテジが調整されるので、記録パワーの設定値が最適点(Pw-i)と一致する場合の記録信号品質は低下する傾向となるが、記録パワーの変化に対する品質低下は効果的に抑制することができる。例えばそのパワーマージンは、図中PM−2の範囲のように従来手法のPM−1と比較して拡大することができる。
このようにしてパワーマージンの拡大が図られることで、例えば記録パワーが最適点(Pw-i)から図中記録パワーPw-dにずれてしまった場合に、従来手法ではジッタ値が許容値を上回ってしまうものを、本例の手法ではこれを回避することができる。この点からも、本例の手法によれば、記録パワーのより広い変動範囲に対し記録信号品質を良好に保つことができることがわかる。
[3.実施の形態としてのストラテジ調整動作]
3−1.調整動作の概要

上述したような手法に基づき行われることになる、実施の形態としてのライトストラテジ調整動作について、先ずはその概要説明を行う。
先ず、本実施の形態の調整動作では、初期ストラテジを基準としてストラテジを調整する。初期ストラテジとは、例えば光ディスク100に予め記録されている管理情報に含まれているストラテジ推奨情報であったり、或いは記録再生装置1に記憶されているストラテジ設定情報である。記録再生装置1においては、例えば光ディスク100の製造メーカーやディスク種別などに応じて、それぞれ対応する初期ストラテジを記憶している場合もある。
ここで、本実施の形態の場合、ライトストラテジ調整で実際に調整を行うのは、記録パルスのエッジ位置のみであるとする。つまり、このようなエッジ位置として、例えば図4に示されるようにして記録パルス(レーザ駆動パルス)のフロントエッジとリアエッジのみについて調整を行うものである。
本実施の形態では、あるマーク長について、記録パルスのフロントエッジ・リアエッジを、基準ストラテジからシフトさせる量をそれぞれ次のように示す。(Tはチャネルクロック周期)

フロントエッジシフト量: WSF[T/32]
リアエッジシフト量: WSR[T/32]

又、記録パワーがPwnであるときの、あるマーク長のフロントマークエッジ位置誤差、及びリアマークエッジ位置誤差をそれぞれ次のように示す。

フロントマークエッジ位置誤差: MepeFPwn
リアマークエッジ位置誤差: MepeRPwn
ところで、本例では、上述のようにして記録パルスのフロントエッジとリアエッジのみについて調整を行うものとされるが、例えばフロントエッジをシフトさせた場合、それに伴っては記録マークのフロントエッジの位置が変化するのみでなく、リアエッジの位置に対しても影響を与えるものとなる。同様にして、リアエッジを動かした場合は記録マークのリアエッジの位置が変化するのみでなく、フロントエッジの位置に対しても影響を与えることになる。
本実施の形態では、このようにして記録パルスのフロント・リアのエッジシフトに応じて記録マークのフロント側・リア側の双方のエッジに与えられる影響が、次の(式2)による関係式に示されるように線形であると仮定する。

Figure 0004232809
但し、上式中MepeFiPwnとMepeRiPwnはそれぞれ、初期フロントマークエッジ位置誤差と初期リアマークエッジ位置誤差を示し、これは記録パルスシフト量をゼロとしたときのマークエッジ位置誤差である(以後、初期フロントマークエッジ位置誤差と初期リアマークエッジ位置誤差を総称して単に初期マークエッジ位置誤差とも呼ぶ)。
また、CffPwn、CfrPwn、CrfPwn、CrrPwnは記録パルスシフトに対するマークエッジ位置誤差の変化の感度を示す係数である。以下、記録感度係数、又は単に感度係数とも呼ぶ。
上記(式2)の係数および初期マークエッジ位置誤差は、各記録パワーでそれぞれ少なくとも3種類のライトストラテジで試し記録を実行し、その結果得られるマークエッジ位置誤差の値(MepeFPwn、MepeRPwn)と、上記3種のストラテジ調整値(WSF、WSR)とを用いた連立方程式を解くことで算出することができる。なお、このことについては後に詳述する。
ここで、今、2種類の記録パワーPw1、Pw2での記録品質を総合的に良くする例を考える。それぞれの記録パワーの設定下で(式2)の関係が成り立っているとすれば、あるマーク長について、記録パルスシフト量とマークエッジ位置誤差との関係は次の(式3)のようになる。

Figure 0004232809
マークエッジ位置誤差・初期マークエッジ位置誤差・感度係数は、記録パワー毎に異なるが、記録パルスシフト量は記録パワーによって変わらないことに注意したい。
ここで見易さのため、(式4), (式5), (式6), (式7)に示すようにしてそれぞれの変数名を与えると、上記(式3)は(式8)のようになる。

Figure 0004232809
Figure 0004232809
Figure 0004232809
Figure 0004232809
Figure 0004232809
本実施の形態では、記録パワーPw1、Pw2でのマークエッジ位置誤差を品質評価値として求め、これら各記録パワーの設定下で得られた品質評価値に基づき、ストラテジ調整を行う。具体的には、これら各記録パワーの設定下で得られた品質評価値の重み付け二乗和を総合評価値とし、この総合評価値を最小とするストラテジに調整するものである。
総合評価値Evは次の(式9)に示すものとなる。

Figure 0004232809
但し、上記(式9)中、WfPw1、WrPw1、WfPw2、WrPw2は重み付けの係数である。
ここで、先の(式8)の関係を用いて、(式9)の総合評価値Evを最小化するような記録パルスのシフト量を効率的に算出することを考える。
(式9)の総合評価値Evを最小化するような記録パルスのシフト量:最適記録パルスシフト量woを、

Figure 0004232809
とすると、この最適記録パルスシフト量woは例えば次の(式11)で求められる。

Figure 0004232809
但し、Rは重み行列で、次の(式12)のように設定した。

Figure 0004232809
また、(式11)中の(RC)は、行列(RC)の擬似逆行列を示し、今、見やすさのために

Figure 0004232809
とおけば、上記擬似逆行列(RC)は次の(式14)で表される。

Figure 0004232809
3−2.具体的な動作手順

ここで、上述のような基本的な考え方に基づき、最適記録パルスシフト量woを算出するための具体的な動作手順について説明する。
先ず、大まかな流れは次のようになる。
1.2種類の記録パワーPw1、Pw2で、3通りのライトストラテジで試し記録⇒マークエッジ位置誤差を測定
2.未知係数CffPwn、CfrPwn、CrfPwn、CrrPwn、MepeFiPwn、MepeRiPwn (n=1,2)の算出
3.ライトストラテジ算出
4.ライトストラテジ設定
なお、以下では、2T, 3T, 4Tの各マーク長ごとにストラテジを調整する例について説明する。
<1.3通りの試し記録でマークエッジ位置誤差を測定>

先ず、先の(式3)について、パルスシフト量(WSF、WSR)は任意に調整可能な値である。また、マークエッジ位置誤差(MepeF、MepeR)は、設定したパルスシフト量に応じて再生信号から測定することのできる値である。
このことを踏まえると、(式3)において、感度係数(C)と初期マークエッジ位置誤差の値(i)とが未知係数となる。
(式3)について、これら感度係数と初期マークエッジ位置誤差の2つの未知係数を算出するにあたっては、それぞれのパワーの設定状態下で、3通りのシフト量の組み合わせごとに試し書きを行い、そのときのフロント・リアのシフト量の値と、それぞれの設定下で測定されたフロント・リアのマークエッジ位置誤差の値を代入して連立一次方程式を解けばよい。
ここで、上記のような未知係数算出のための試し書き(テスト記録)に用いる3通りのライトストラテジの設定について説明する。3通りの試し記録で用いるライトストラテジの、基準ストラテジからの記録パルスシフト量を

Figure 0004232809
とすると、上述のような未知係数算出のためには、wt2−wt1とwt3−wt1が、1次独立なベクトルとなるように記録パルスシフト量の組み合わせを選ぶ必要がある。例えば次の(式16)に示すように設定すればよい。

Figure 0004232809
但し、時間軸方向を正とした。また、Tはチャネルクロック周期を示しており、例えばBlu-ray Disc(登録商標)の場合には2[T/32]=1[ns]となる。
図5は、これら3点の関係を、横軸をフロントエッジシフト量、縦軸をリアエッジシフト量とした座標軸上に表している。
上記(式16)に示した3通りの記録パルスシフトを、2T,3T,4Tマーク長のストラテジに同時に適用し、テスト記録用のライトストラテジとする。
この3通りのテスト記録用ライトストラテジを用いて、先ずは記録パワーPw1でテスト記録を行ってマーク長ごとにマークエッジ位置誤差の測定を行い、記録パワーPw1での品質評価値として記憶する。
さらに、記録パワーPw2についても同様のストラテジを設定し、同様の手順で品質評価値の測定・記憶を行う。
<2.未知係数の算出>

3通りのライトストラテジwt1、wt2、wt3で、かつ記録パワーをPw1に設定してテスト記録した結果から得られた、あるマーク長のマークエッジ位置誤差をそれぞれ、

Figure 0004232809
とすると、先の(式2)より、

Figure 0004232809
となるから、未知係数はこの連立一次方程式を解いて、

Figure 0004232809
と、算出できる。
また、記録パワーPw2の設定状態下での結果からも同様にして、

Figure 0004232809
と算出できる。以上の計算をマーク長ごとに行えば、全未知係数を算出することができる。
<3. ライトストラテジ算出>

上記のようにして2T,3T,4Tの各マーク長ごとに、パワーPw1の設定下での未知係数CffPw1、CfrPw1、CrfPw1、CrrPw1、MepeFiPw1、MepeRiPw1と、パワーPw2の設定下での未知係数CffPw2、CfrPw2、CrfPw2、CrrPw2、MepeFiPw2、MepeRiPw2とが求まる。
これら未知係数のうち、CffPw1、CfrPw1、CrfPw1、CrrPw1、CffPw2、CfrPw2、CrfPw2、CrrPw2は、先の(式5)に示したように「C」で表されるものである。
また、MepeFiPw1、MepeRiPw1、MepeFiPw2、MepeRiPw2は、先の(式7)のように「Mepei」で表される。
このようにして、未知係数「C」と「Mepei」とが求まったので、あとは各マーク長ごとにこれら「C」と「Mepei」とを先の(式11)に代入してこれを解くことで、マーク長ごとに最適な記録パルスシフト量woを算出することができる。
<4. ライトストラテジ設定>

以上のようにしてマーク長ごとに求まった最適記録パルスシフト量の値は、システムコントローラ9からライトストラテジ回路11に対して設定される。
これにより以降、ライトストラテジ回路11では、このようにして設定されたマーク長ごとの最適記録パルスシフト量の分だけ、各マーク長の各記録パルスエッジを基準ストラテジからシフトさせることになる。この結果、2種類の記録パワーPw1、Pw2での記録品質を総合的に良くするライトストラテジによって記録動作を実行することができる。
次の図6は、フロントマークエッジ位置誤差、リアマークエッジ位置誤差、マークエッジ位置誤差二乗和、総合評価値Evの特性を示している。
この図6におけるそれぞれのグラフは、3種類のライトストラテジによる試し記録測定結果から描ける図であり、記録パルスのフロントエッジのシフト量をx軸、記録パルスのリアエッジのシフト量とをy軸とした等高線マップとなっている。
先ず、左側2列のグラフにより、フロントマークエッジ位置誤差、リアマークエッジ位置誤差の特性を示しており、それぞれ白抜き矢印によって正/負方向を示している。なお、2行に分かれているのは、1行目が記録パワーPw1設定下での測定結果、2行目が記録パワーPw2の設定下での結果を示している。
また、左から3列目のグラフは、各パワー毎のフロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差の二乗和を示す。この3列目のグラフでは、等高線ごとに付した番号の小さい順にマークエッジ位置誤差の二乗和が小さいことを表している。例えば、それぞれの記録パワーにおける最適記録パルスシフト量は、各グラフ中の白抜き丸印により示す位置となる。
そして、一番右側の列に示すのが、記録パワーPw1、Pw2両者の結果から求めた総合評価値Evのグラフである(Evの定義は先の(式9)参照。但し、重み付け係数WfPw1、WrPw1、WfPw2、WrPw2はすべて「1.0」とした)。
このグラフにおいても、等高線に付した番号が小さい順に総合評価値Evの値が小さいことを表している。例えば、この一番右側の列のグラフにおいて、記録パワーPw1、Pw2での記録品質を総合的に良くする最適記録パルスシフト量は、図中斜線丸印の位置となる。
なお、図6中において、最適記録パルスシフト量は[T/32]単位に丸めた値を示した。
[4.処理動作]

上記により説明した実施の形態としての調整動作を実現するために実行されるべき処理動作を、次の図7のフローチャートを参照して説明する。
なお、この図7に示す処理動作はシステムコントローラ9が例えば内蔵するROM等に格納されるプログラムに従って実行するものである。
先ず、ステップS101では、変数nを1にセットする。そしてステップS102で、n値に応じた記録パワーをレーザドライバ10に対して設定する。すなわち、これによって先ずは記録パワーPw-1の設定状態が得られるものである。
続くステップS103では、変数kを1にセットする。そして、ステップS104でk値に応じたライトストラテジをライトストラテジ回路11に対して設定する。つまり、これによって各マーク長ごとのフロントエッジ位置のシフト量、リアエッジ位置のシフト量が、先の(式15)に示したようなWFk、WRkに設定されるものである。
そして、システムコントローラ9は、この状態で次のステップS105のテスト記録を実行させる。この場合システムコントローラ9は、調整のための試し記録用のデータとしてランダムデータを発生させ、記録データエンコーダ12に与える。このランダムデータは、記録データエンコーダ12で例えばRLL(1,7)方式等の変調処理が施され、このような変調後のデータに応じてライトストラテジ回路11においてレーザ駆動パルスとしての波形が成形される。このとき、各マーク長ごと(この場合は2T、3T、4T)のレーザ駆動パルスは、上記のようにして設定されたフロントエッジ位置のシフト量WFk、リアエッジ位置のシフト量WRkに従って各エッジがシフトされるようにして生成される。そしてこのレーザ駆動パルスがレーザドライバ10に供給され、光学ヘッド3内のレーザダイオードが発光駆動されてテスト記録が行われる。
続いてステップS106では、品質評価値(マークエッジ位置誤差)の測定処理を実行する。
つまり、先ずは光学ヘッド3及び再生系各部を制御して上記ステップS105で記録したデータの再生動作を実行させる。このとき、品質評価値計算部8においては、各調整パターンごとにマークエッジ位置誤差の値が算出されるので、システムコントローラ9はこれを入力することで、2Tマーク、3Tマーク、4Tマークのそれぞれについて、フロントマークエッジ位置誤差、リアマークエッジ位置誤差の値を取得することができる。
そして、ステップS107では、このようにして取得した各マーク長ごとの品質評価値を、n値・k値と対応づけて例えば内部のRAMなどに記憶する。
続くステップS108では、変数kを確認し、k=3でなければ、ステップS109で変数kをインクリメントしてステップS104〜S107の処理を同様に実行する。これにより、3種のストラテジ設定状態ごとに、2Tマーク、3Tマーク、4Tマークのそれぞれについてのフロントマークエッジ位置誤差、終端マークエッジ位置誤差の値を取得することができる。
また、ステップS108において、変数k=3となった場合は、ステップS110に進んで変数nを確認した上で、n=2でなければ、ステップS111において変数nをインクリメントした後、ステップS102〜ステップS109の処理動作を同様に繰り返すようにされる。
つまり、これらステップS110、S111の処理が設けられることで、今度は記録パワーPw-2の設定下における、3種のストラテジ設定状態ごとに、2Tマーク、3Tマーク、4Tマークのそれぞれについてのフロントマークエッジ位置誤差、リアマークエッジ位置誤差の値が取得されるものである。
そして、ステップS110において、変数n=2であった場合は、ステップS112に進み記録パワーごとに感度と初期マークエッジ位置誤差を計算する。
先に説明したようにして、記録パワーPw-1での感度係数CffPW1、CfrPW1、CrfPW1、CrrPW1、及び初期マークエッジ位置誤差MepeFiPW1、MepeRiPW1については、3通りのストラテジを[WF1、WR1]、[WF2、WR2]、[WF3、WR3]、記録パワーPw1の設定下でのこれら各ストラテジ設定ごとに得られた或るマーク長のフロントマークエッジ位置誤差をそれぞれMepeFPw1.t1、MepeFPw1.t2、MepeFPw1.t3、リアマークエッジ位置誤差をそれぞれMepe Pw1.t1、Mepe Pw1.t2、Mepe Pw1.t3とすると、先の(式19)を解くことで求めることができる。
同様に、記録パワーPw-2での感度係数CffPW2、CfrPW2、CrfPW2、CrrPW2、及び初期マークエッジ位置誤差MepeFiPW2、MepeRiPW2は、3通りのストラテジを[WF1、WR1]、[WF2、WR2]、[WF3、WR3]、記録パワーPw2設定下でのこれら各ストラテジの設定ごとに得られた或るマーク長のフロントマークエッジ位置誤差をそれぞれMepeFPw2.t1、MepeFPw2.t2、MepeFPw2.t3、リアマークエッジ位置誤差をそれぞれMepe Pw2.t1、Mepe Pw2.t2、Mepe Pw2.t3とすると、先の(式20)を解くことで求めることができる。
システムコントローラ9は、各マーク長ごとに、上記[WF1、WR1]、[WF2、WR2]、[WF3、WR3]、及びMepeFPw1.t1、MepeFPw1.t2、MepeFPw1.t3、Mepe Pw1.t1、Mepe Pw1.t2、Mepe Pw1.t3を(式19)に代入してこれを解くことで、記録パワーPw1設定下での感度係数CffPW1、CfrPW1、CrfPW1、CrrPW1、及び初期マークエッジ位置誤差MepeFiPW1、MepeRiPW1を、各マーク長ごとに計算する。
同様に、上記[WF1、WR1]、[WF2、WR2]、[WF3、WR3]、及びMepeFPw2.t1、MepeFPw2.t2、MepeFPw2.t3、Mepe Pw2.t1、Mepe Pw2.t2、Mepe Pw2.t3を(式20)に代入してこれを解くことで、記録パワーPw2設定下での感度係数CffPW2、CfrPW2、CrfPW2、CrrPW2、及び初期マークエッジ位置誤差MepeFiPW2、MepeRiPW2を、各マーク長ごとに計算する。
続くステップS113では、ライトストラテジを計算する。
上記のようにして2T,3T,4Tの各マーク長ごとに、パワーPw1の設定下での未知係数CffPw1、CfrPw1、CrfPw1、CrrPw1、MepeFiPw1、MepeRiPw1と、パワーPw2の設定下での未知係数CffPw2、CfrPw2、CrfPw2、CrrPw2、MepeFiPw2、MepeRiPw2とが求まる。
先にも述べたように、マーク長ごとの最適なライトストラテジ(最適記録パルスシフト量wo=WSFo、WSRo)は、或るマーク長について求まった感度係数CffPw1、CfrPw1、CrfPw1、CrrPw1、CffPw2、CfrPw2、CrfPw2、CrrPw2を「C」、初期マークエッジ位置誤差MepeFiPw1、MepeRiPw1、MepeFiPw2、MepeRiPw2を「Mepei」とした場合、各マーク長ごとにこれら「C」と「Mepei」とを先の(式11)に代入してこれを解くことで求める。
システムコントローラ9は、このような(式11)と感度係数C、初期マークエッジ位置誤差Mepeiとに基づく計算を行うことで、マーク長ごとに、最適記録パルスシフト量wo(WSFo、WSRo)を算出する。
そして、次のステップS114では、ライトストラテジ設定処理として、これらマーク長ごとに得られた最適記録パルスシフト量wo(WSFo、WSRo)をライトストラテジ回路11に対して設定する。
以上でライトストラテジの調整処理が完了する。
ここで、確認のために述べておくと、図1に示した実施の形態としての記録再生装置1では記録パワーについてのOPC処理が行われるようになっている。従ってこのようなライトストラテジ調整動作後、実際に記録動作が実行される際にレーザドライバ10にて設定される記録パワーは、OPCによって調整された記録パワーとなる。
これまでで説明してきたように、本実施の形態によれば、複数の記録パワー設定下での記録信号品質を総合的にバランスよく向上させるライトストラテジを算出することが可能となり、例えば従来のように1種の記録パワー設定下での品質評価値を最小とするライトストラテジに調整する場合と比較して、記録パワーの最適点からのずれに対しても比較的良好な記録信号品質を維持することができる。
また、実施の形態では、フロント・リアの記録パルスエッジのシフト量と、記録マークのフロント・リアの双方のエッジ位置のシフト量(フロントマークエッジ位置誤差、リアマークエッジ位置誤差)との関係が、初期マークエッジ位置誤差を基準として表すと先の(式2)に示す関係となると仮定し、その上で、(式9)に示したような総合評価値Ev(つまり各記録パワー設定下でのフロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差の重み付け二乗和)を最小とする最適記録パルスシフト量wo(WSFo、WSRo)を、(式11)のような疑似逆行列を用いた式に従って求めるものとしている。
このようにすることで、最適記録パルスシフト量woを求めるにあたっての試し書きは、未知係数である感度係数Cと初期マークエッジ位置誤差Mepeiとを求めるための3組の設定状態(図5に示したようなk=1,2,3の3点)についてのみ行えばよいものとできる。すなわち、先の図7の処理動作を参照してわかるように、試し書き回数は、1種の記録パワーの設定ごとに、それぞれ3回のみ行えばよいものとすることができる。
このようにして試し書きの必要回数を少なくすることができれば、その分調整の高速化を図ることができる。
ここで、本実施の形態の要旨としては、複数の記録パワーの設定状態下でライトストラテジ設定を変化させたときの品質評価値を得た上で、それら品質評価値を総合的に参酌した上で最適とされるライトストラテジ設定を求めることにあり、上述した具体例の他にも、調整動作の例は多様に考えられる。
一例として、例えばフロント・リアのパルスシフト量についてそれぞれ複数の値の組み合わせを予め用意しておき、複数の記録パワー設定下で、それら各組のシフト量の設定状態ごとにマークエッジ位置誤差を測定し、それらの結果を(式9)に代入してシフト量の各組ごとの総合評価値Evを計算する。そして、このような総合評価値Evの値が最小となったシフト量の組を、最適なパルスシフト量として特定することも可能である。
但しこの手法では、試し書きを行うシフト量の組み合わせが少ないと、調整精度の悪化を招くので、シフト量の組み合わせは例えば数十組程度などと増大する傾向となってしまう。すなわち、この手法では、1種の記録パワーの設定ごとにこのような数十回程度の試し書きを要するものとなってしまうものである。
これに対し、上述した本例の手法によれば、シフト量の組は1種の記録パワーの設定ごとに3組のみとすることができ、その分、上述したようにしてストラテジ調整をより高速に行うことができるものである。
また、実施の形態としてのライトストラテジ調整の手法によれば、これまでの説明からも理解されるように、最適記録パルスシフト量の算出・設定は記録再生装置1にて自動的に行うことができるので、従来のように人手によってパワーマージンを考慮したストラテジ調整を行う場合と比較して、その分の手間を省略することができる。
また、本例の調整手法は、人手により調整を行う場合にも適用することができるが、その場合としても、従来のようにトライアンドエラーを繰り返して調整を行う場合と比較すれば、調整に要する手間は格段に低減することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記例に限定されるべきものではない。例えば、装置構成や調整処理手順については多様な変形例が考えられる。
また、実施の形態では、記録パワーPw1、Pw2の2種の設定状態でそれぞれ得られる品質評価値に基づきライトストラテジ調整を行う場合を例示したが、考慮する記録パワーの種類は用途に応じて変更することが可能であり、3種以上の記録パワーごとに品質評価値を得て、それらに基づきライトストラテジ調整を行うこともできる。
このように3種以上の記録パワーとする場合は、未知係数である感度係数Cと初期マークエッジ位置誤差Mepeiとを求めるための式として、先の(式19)(式20)に加え、さらに3種目以降の記録パワーについて同様の式が追加されるものとなる。
ここで、ストラテジ調整にあたってそれぞれ設定する記録パワーとしては、例えば基準となるパワー(OPCによる最適記録パワー:記録時に実際に設定されるパワー)を中心としてその前後となる値を設定することができる。
或いは、例えば設定した記録パワーの最適点に対する相対的なずれ方が、最適点に対して低下する傾向にある場合に対応しては、基準となるパワーよりも低い値に設定することもできる。このようにして最適点からの実際の記録パワーのずれ方に応じて、調整時に設定すべきそれぞれの記録パワーの値を設定すれば、その分、実際にずれの生じる方向にパワーマージンを拡大するようにしてライトストラテジ調整を行うことができる。
また、実施の形態では、ライトストラテジ調整として、レーザ駆動パルスのフロントエッジ位置、及びリアマークエッジ位置のみについて調整を行う場合を例示したが、調整するエッジ位置は、フロント、リアに限らず、例えばマルチパルスのエッジ位置とすることもできる。
実際には生成マークのフロントエッジとリアエッジを効果的に調整できるパルスエッジをメディア種類に合わせて適宜選択するものとすればよい。
また、レーザ駆動パルスのエッジ位置のみに限定されるものでもなく、その振幅を調整する場合にも好適に適用することができる。
例えば、階段状のパルスを用いる場合には、段差部分のレベルを調整するということが行われるが、そのような場合にも本発明は好適に適用できる。
このようにして本発明としては、ライトストラテジ調整として、光ディスクに形成されるマークのエッジ位置を調整することのできるレーザ駆動パルスのパラメータについて調整する場合に、広く好適に適用することができる。
また、実施の形態では、品質評価値として用いるマークエッジ位置誤差は、調整パターンのフロント・リアのマークエッジ位置の値から、基準パターン(5T以上マーク/5T以上スペースの組み合わせ)のフロント・リアのマークエッジ位置の値を減算したものと定義したが、これ以外にも、次のように定義することもできる。
<1>マークエッジ位置そのもの。
<2>すべてのマーク長における平均を基準にする。
つまり、フロントマークエッジ位置についてはフロントマークエッジ位置の平均値MepFXsXmを基準とし、リアマークエッジ位置についてはリアマークエッジ位置の平均値MepRXsXmを基準とした上で、調整パターンのフロントマークエッジ位置の値から上記平均値MepFXsXmを減算した値をフロントマークエッジ位置誤差とし、調整パターンのリアマークエッジ位置の値から上記平均値MepRXsXmを減算した値をリアマークエッジ位置誤差とするものである。

或いは、ストラテジ調整を行うにあたって指標とする品質評価値としては、フロントマークエッジ位置誤差、リアマークエッジ位置誤差以外の他の評価値とすることもできる。例えば、より簡易に、マーク長/スペース長の理想値からの誤差などを品質評価値とすることもできる。
また、品質評価値は、再生波形とスライスレベルのクロス点と再生クロックとの時間誤差としてのマークエッジ位置に基づき計算した値とする以外にも、例えば次のような値とすることも可能である。つまり、ビタビ復号に於いて、復号ビット列のゼロクロス部前後のマーク・スペースの組み合わせ毎に、最尤パスとその1ビットシフト(エッジシフト)に相当する対抗パスとのメトリック差の分布を統計処理し、エッジ及び振幅ずれの評価指標としたものでもよい。
何れにしても、本発明における品質評価値としては、光記録媒体から読み出した信号から生成されるものであって、レーザ駆動パルスの設定状態に基づく記録信号品質の指標となる値とされればよい。
また、実施の形態では、2T,3T,4Tの各マーク長ごとにストラテジ調整を行う場合に本発明を適用する場合を例示したが、調整を行う記録パルスの分類パターンとして、例えばその直前・直後のスペース長の別も含めてさらに詳細な分類とする場合にも本発明は好適に適用できる。或いは逆に、マーク長ごとの分類は行わず、全マーク長に対して共通のライトストラテジに調整する場合にも本発明は好適に適用することができる。
また、実施の形態では、総合評価値は、各記録パワー設定下での品質評価値の重み付け二乗和とする場合を例示したが、これ以外にも、例えば各記録パワー設定下での品質評価値の平均値とすることもできる。
このようにして総合評価値としては、各記録パワー設定下での品質評価値を総合的に参酌することのできる値とされればよく、その生成手法について特に限定はされないものである。
本発明の実施の形態の記録再生装置の要部のブロック図である。 マークエッジ位置の算出手法についての説明図である。 実施の形態の手法により調整されたストラテジ設定下でのパワーマージンと、従来手法により調整されたストラテジ設定下でのパワーマージンとを比較するためのイメージ図である。 実施の形態のストラテジ調整で調整対象とするパルスエッジ位置について説明するための図である。 実施の形態のストラテジ調整時に設定されるべきフロントエッジシフト量とリアエッジシフト量との組み合わせについて説明するための図である。 フロントエッジシフト量・リアエッジシフト量に対するフロントマークエッジ位置誤差、リアマークエッジ位置誤差、マークエッジ位置誤差二乗和、総合評価値の各特性について示した図である。 実施の形態としてのストラテジ調整動作を実現するための処理動作を示したフローチャートである。 従来手法により調整されたストラテジ設定下における、記録パワー変動に対する評価値(ジッタ値)の変化特性のイメージを示した図である。
符号の説明
1 記録再生装置、2 スピンドルモータ、3 光学ヘッド(OP)、5 A/Dコンバータ、6 PLL回路、7 再生回路、8 品質評価値計算部、9 システムコントローラ、10 レーザドライバ、11 ライトストラテジ回路、100 光ディスク

Claims (10)

  1. 光記録媒体に対してレーザ光を照射して、上記光記録媒体上でマーク及びスペースで表現される情報の書込及び読出を行う光学ヘッド手段と、
    記録する情報に応じたレーザ駆動パルスを生成して上記光学ヘッド手段に供給し、上記光学ヘッド手段に、記録のためのレーザ光照射を実行させるレーザ駆動パルス生成手段と、
    上記レーザ光のパワーを設定するパワー設定手段と、
    上記光学ヘッド手段により上記光記録媒体から読み出した信号から、上記レーザ駆動パルスの設定状態に基づく記録信号品質の指標となる品質評価値を計算する評価値計算手段と、
    上記レーザ駆動パルスを生成するにあたって上記レーザ駆動パルス生成手段に設定されるべきパラメータであり、上記光記録媒体に形成されるマークのエッジ位置を調整するためのパラメータについて調整設定を行う調整制御手段であって、上記レーザ発光手段に対する上記レーザ光のそれぞれ異なる2種以上のパワー設定下で、上記マークのエッジ位置を調整するためのパラメータをそれぞれ異なる設定状態として上記光記録媒体への調整のための記録動作を実行させ、この記録動作により記録された信号をそれぞれ読み出したときに上記評価値計算手段により計算される上記品質評価値を入力することで、上記それぞれのパワー設定下での上記設定状態ごとの品質評価値を取得すると共に、それら各パワーでの各設定状態ごとの品質評価値に基づき、OPCによって決定された記録パワーにおける上記パラメータを決定し、上記レーザ駆動パルス生成手段に設定する調整制御手段と
    を備える記録再生装置。
  2. 上記調整制御手段は、
    上記パワーごとの各設定状態下での上記品質評価値の重み付け二乗和に基づき上記レーザ駆動パルスの調整設定を決定す
    求項1に記載の記録再生装置。
  3. 上記評価値計算手段は、
    上記光記録媒体から読み出した信号から上記光記録媒体に記録されるマークのエッジ位置を検出し、検出した上記マークのエッジ位置の理想値からの誤差であるマークエッジ位置誤差を上記品質評価値として計算す
    求項1に記載の記録再生装置。
  4. 上記パラメータは、上記レーザ駆動パルスのエッジ位置のシフト量であり、
    上記調整制御手段は、
    上記レーザ駆動パルスの上記エッジ位置のシフト量をそれぞれ異なる設定状態として上記光記録媒体への調整のための記録動作を実行させることで、それぞれの上記パワー設定下での上記エッジ位置のシフト量ごとの品質評価値を取得し、それら各パワーでの各エッジ位置のシフト量ごとの上記品質評価値に基づき上記レーザ駆動パルスのエッジ位置のシフト量を決定す
    求項1に記載の記録再生装置。
  5. 上記パラメータは、上記レーザ駆動パルスのフロントエッジ位置のシフト量とリアエッジ位置のシフト量であり、
    上記評価値計算手段は、
    上記光記録媒体から読み出した信号から上記光記録媒体に記録されるマークのフロントエッジ位置とリアエッジ位置とを検出し、検出した上記フロントエッジ位置の理想値からの誤差であるフロントマークエッジ位置誤差と、検出した上記リアエッジ位置の理想値からの誤差であるリアマークエッジ位置誤差とを上記品質評価値として計算し、
    上記調整制御手段は、
    上記レーザ駆動パルスの上記フロントエッジ位置のシフト量と上記リアエッジ位置のシフト量とをそれぞれ異なる組み合わせとした各設定状態ごとに上記光記録媒体への調整のための記録動作を実行させることで、それぞれの上記パワー設定下での上記フロントエッジ位置のシフト量と上記リアエッジ位置のシフト量の組み合わせごとの上記フロントマークエッジ位置誤差と上記リアマークエッジ位置誤差とを取得すると共に、上記フロントエッジ位置のシフト量とリアエッジ位置のシフト量の組み合わせごとに、それぞれの上記パワー設定下で取得された上記フロントマークエッジ位置誤差と上記リアマークエッジ位置誤差との重み付け二乗和を総合評価値として、この総合評価値を最小とする上記フロントエッジ位置のシフト量とリアエッジ位置のシフト量とを決定し、上記レーザ駆動パルス生成手段に設定す
    求項1に記載の記録再生装置。
  6. 上記調整制御手段は、
    レーザ駆動パルスのフロントエッジ位置及びリアエッジ位置のシフト量が共に零であるときの記録パワーnの設定下でのフロントマークエッジ位置誤差、リアマークエッジ位置誤差をそれぞれ初期フロントマークエッジ位置誤差MepeFiPwn、初期リアマークエッジ位置誤差MepeRiPwnとし、記録パワーnの設定下での感度係数をCffPwn、CfrPwn、CrfPwn、CrrPwnとしたとき、レーザ駆動パルスのフロントエッジ位置のシフト量WSF、レーザ駆動パルスのリアエッジ位置のシフト量WSRと、フロントマークエッジ位置誤差MepeFPwn、リアマークエッジ位置誤差MepeRPwnとの関係が
    Figure 0004232809

    であると仮定した上で、上記総合評価値を最小とするシフト量を算出す
    求項5に記載の記録再生装置。
  7. 上記調整制御手段は、
    レーザ駆動パルスのフロントエッジ位置及びリアエッジ位置のシフト量が共に零であるときの記録パワーnの設定下でのフロントマークエッジ位置誤差、リアマークエッジ位置誤差をそれぞれ初期フロントマークエッジ位置誤差MepeFiPwn、初期リアマークエッジ位置誤差MepeRiPwnとし、記録パワーnの設定下での感度係数をCffPwn、CfrPwn、CrfPwn、CrrPwnとしたとき、レーザ駆動パルスのフロントエッジ位置のシフト量WSF、レーザ駆動パルスのリアエッジ位置のシフト量WSRと、フロントマークエッジ位置誤差MepeFPwn、リアマークエッジ位置誤差MepeRPwnとの関係が
    Figure 0004232809

    であると仮定した上で、
    上記総合評価値を最小とするシフト量を、
    Figure 0004232809
    を用いて算出する(但し、上記Mepeiは各記録パワー設定下での初期フロントマークエッジ位置誤差・初期リアマークエッジ位置誤差を示し、上記Rは上記総合評価値の重み付け係数を示し、上記Cは各記録パワー設定下での感度係数を表す
    求項5に記載の記録再生装置。
  8. 上記評価値計算手段は、
    記マークのマーク長ごとに上記品質評価値を計算し、
    上記調整制御手段は、
    上記マーク長ごとに上記レーザ駆動パルスの上記パラメータを決定す
    求項1に記載の記録再生装置。
  9. 上記評価値計算手段は、
    記マークのマーク長とその前後のスペース長との組み合わせごとに上記品質評価値を計算し、
    上記調整制御手段は、
    上記マーク長とその前後のスペース長との組み合わせごとに上記レーザ駆動パルスの上記パラメータを決定す
    求項1に記載の記録再生装置。
  10. 光記録媒体に対してレーザ光を照射して、上記光記録媒体上でマーク及びスペースで表現される情報の記録を行う記録装置のレーザ駆動パルス調整方法であって、
    上記レーザ駆動パルスを生成するにあたって設定されるべきパラメータであり、上記光記録媒体に形成されるマークのエッジ位置を調整するためのパラメータについて、上記レーザ光のそれぞれ異なる2種以上のパワー設定下で、上記パラメータをそれぞれ異なる設定状態として上記光記録媒体への調整のための記録動作を実行させる調整用記録ステップと、
    上記調整用記録ステップで記録された信号をそれぞれ読み出して、上記レーザ駆動パルスの設定状態に基づく記録信号品質の指標となる品質評価値を計算する評価値計算ステップと、
    上記品質評価値を入力することで、上記それぞれのパワー設定下での上記パラメータの設定状態ごとの品質評価値を取得すると共に、それら各パワーでの各設定状態ごとの品質評価値に基づき、OPCによって決定された記録パワーにおける上記パラメータを決定する演算ステップと、
    上記演算ステップで決定された上記パラメータを上記レーザ駆動パルス生成するためのパラメータとして設定する設定ステップ
    を有するレーザ駆動パルス調整方法。
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