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JP4231645B2 - パターン形成体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエレクトロルミネッセント(以下、ELと略称する場合がある。)素子等の種々の機能性素子において有効に利用することができるパターン形成体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばEL素子の発光層やカラーフィルタ等の種々の機能性素子を形成するに当り、ノズル吐出法、例えばインクジェット法等を用いてパターン状に機能性部形成用塗工液を塗布し、機能性素子を形成する方法が検討されている。
【0003】
このような、ノズル吐出法によるパターニング方法は、従来のフォトリソグラフィー法によるパターニングと比較して材料の利用効率に優れており、また印刷法によるパターニングと比較すると精度面で良好であるという利点を有するものであった。
【0004】
しかしながら、このようなインクジェット法等のノズル吐出法においては、吐出される塗工液の直進性に問題がある場合があり、直進性の精度が悪い場合は、塗布すべき領域からはみ出して機能性部形成用塗工液が塗布されることになり、高精細なパターニングが困難となり、混色等の不具合による歩留りが低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ノズル吐出法を用いた場合でも、精度良く機能性素子形成用塗工液を塗布することが可能なパターン形成体の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、電極層を有する基材上に、少なくとも光触媒とバインダとからなり、かつエネルギーの照射により水との接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層を形成する工程と、上記光触媒含有層上にパターン状にエネルギーを照射することにより、上記光触媒含有層に撥水性領域および親水性領域からなるパターンを形成する工程と、上記撥水性領域に、電荷を帯電させる工程と、上記電極層に電圧が印加されていない状態において、上記親水性領域に、ノズル吐出法により有機エレクトロルミネッセント層形成用塗工液を吐出して塗布することにより、上記親水性領域に有機エレクトロルミネッセント層のパターンを形成する工程とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法を提供する。
【0007】
本発明においては、このように撥水性領域に電荷が帯電されていることから、吐出された有機エレクトロルミネッセント層形成用塗工液または画素部形成用塗工液(以下、機能性部形成用塗工液とする場合がある)の液滴が帯電された撥水性領域に挟まれた親水性領域に直進する。これにより高精細なパターンを形成することが可能となる。以下、本発明においては、帯電された撥水性領域を電荷帯電領域と、上記電荷帯電領域以外の領域を電荷非帯電領域とする場合がある。
また、このように光触媒含有層を用いて電荷帯電領域と電荷非帯電領域とのパターンを形成する方法を用いれば、単に光触媒含有層を形成し、パターン露光を行い、帯電処理を施すことにより、電荷帯電領域と電荷非帯電領域とを形成することが可能となる。このようにパターン露光により電荷帯電領域と電荷非帯電領域とのパターンを形成することができるので、高精細なパターンとすることが可能である。また、単にパターン露光して帯電処理を施すことにより、電荷帯電領域と電荷非帯電領域とのパターンを形成することができるので、工程上有利であるという利点を有するものである。
【0008】
上記発明においては、請求項2または請求項12に記載するように、上記ノズル吐出法により吐出される機能性部形成用塗工液が、上記電荷帯電領域と同じ種類の電荷で帯電されていることが好ましい。このように、ノズル吐出法により吐出される機能性部形成用塗工液の液滴が電荷帯電領域と同じ種類の電荷で帯電されていることにより、電荷帯電領域から液滴に対してより高い反発力が生じ、その結果、電荷非帯電領域への良好な液滴の直進性が得られ、より高精細なパターンを歩留まり良く製造することが可能となるからである。
【0009】
上記発明においては、請求項3または請求項13に記載するように、上記ノズル吐出法が、インクジェット法であることが好ましい。インクジェット法は材料の利用効率が優れており、コスト面で有利であるからである。
【0012】
上記発明においては、請求項5または請求項14に記載するように、上記光触媒含有層に照射するエネルギーが、紫外光を含む光であることが好ましい。光触媒含有層に照射するエネルギーは、光触媒含有層の濡れ性を変化させることができるエネルギーであればどのようなエネルギーであっても用いることは可能であるが、汎用されている簡便な装置でエネルギーを照射することが可能であるので、本発明においては、紫外線を含む光を用いることが好ましい。
【0013】
上記発明においては、請求項6または請求項15に記載するように、上記光触媒含有層がフッ素を含み、上記光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用により上記光触媒含有層表面のフッ素含有量がエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていることが好ましい。本発明においては、エネルギーが照射された部分が親水性領域とされ、照射されない領域が撥水性領域とされる。そして、撥水性領域を帯電する必要があることから、撥水性領域には多くのフッ素が含有されていることが好ましく、一方親水性領域では滴下された機能性部形成用塗工液が容易に濡れ広がる必要があることからフッ素含有量が少ない方が好ましい。
【0014】
上記発明においては、請求項7または請求項16に記載するように、上記光触媒が、二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることが好ましく、さらに請求項8または請求項17に記載するように、中でも上記光触媒が二酸化チタン(TiO)であることが好ましい。これは、二酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だからである。
【0015】
上記発明においては、請求項9または請求項18に記載するように、上記光触媒含有層は、エネルギーが照射されていない部分における水との接触角が、エネルギーが照射された部分における水との接触角より1度以上大きい接触角となる光触媒含有層であることが好ましい。接触角の差がこの程度あれば、親水性領域に機能性部形成用塗工液を滴下した際に、パターニングを行うことが可能だからである。
【0016】
上記発明においては、請求項10または請求項19に記載するように、上記バインダが、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0017】
光触媒含有層に含まれるバインダは光触媒の作用により分解されない程度の結合エネルギーが必要である点、およびバインダ自体が光触媒の作用による光触媒含有層の濡れ性の変化を発現するものであることが好ましい点から上記オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0031】
上記発明においては、請求項4に記載するように、上記有機EL層が、発光層であることが好ましい。例えば、フルカラーのEL素子とするためには、少なくとも3種類の発光層のパターニングが必要であり、この際本発明の利点を有効に利用することができるからである。
【0035】
【発明の実施の形態】
1.パターン形成体の製造方法
まず、本発明のパターン形成体の製造方法について詳細に説明する。本発明のパターン形成体の製造方法は、基板上に電荷が帯電した電荷帯電領域と電荷が帯電していない電荷非帯電領域からなるパターンを形成する電荷帯電パターン形成工程と、上記電荷非帯電領域に、ノズル吐出法により機能性部形成用塗工液を吐出して塗布することにより機能性部のパターンを形成する機能性部パターン形成工程とを有することを特徴とする。
【0036】
このように、本発明のパターン形成体の製造方法は、ノズル吐出法により機能性部形成用塗工液を吐出し、塗布して機能性部をパターン状に形成するに際して、基板側を予めパターン状に帯電させておくものであるので、ノズル吐出法により吐出された機能性部形成用塗工液の液滴が、帯電されていない電荷非帯電領域に直進する。これにより、従来ノズル吐出法により高精細なパターンを形成する際に課題となっていた液滴の直進性を確保することが可能となり、高精細なパターンを歩留り良く製造することが可能となる。
【0037】
なお、本発明におけるパターンとは、図案、画像、回路、文字等の種々の模様を示すものであり、特に限定されるものではない。
【0038】
以下、本発明のパターン形成体の製造方法を、電荷帯電パターン形成工程と、機能性部パターン形成工程とに分けて説明する。
【0039】
(1)電荷帯電パターン形成工程
電荷帯電パターン形成工程は、上述したように基板上に電荷が帯電した電荷帯電領域と電荷が帯電していない電荷非帯電領域からなるパターンを形成する工程であるが、本発明においてはこの電荷帯電パターン形成工程を二つの実施態様に分けることができる。したがって、以下の説明においても、二つの実施態様、すなわち第1実施態様と第2実施態様に分けて説明する。
【0040】
▲1▼ 第1実施態様
本発明における電荷帯電パターン形成工程の第1実施態様は、基板上に少なくとも光触媒とバインダとからなり、かつエネルギーの照射により水との接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層を形成する工程と、上記光触媒含有層上にパターン状にエネルギーを照射することにより、撥水性領域および親水性領域からなるパターンを形成する工程と、上記撥水性領域に、電荷を帯電させる工程とを有するものである。
【0041】
このように、本実施態様においては、光触媒含有層表面に撥水性領域および親水性領域からなるパターンを形成し、その後撥水性領域に電荷を帯電させるものであるので、親水性領域に機能性部形成用塗工液をノズル吐出法により吐出して塗布する際に、機能性部形成用塗工液が親水性領域内に直進して付着し易くすることができ、その結果高精細な機能性部のパターニングが可能となる。
【0042】
まず、図面を用いて本実施態様について簡単に説明する。
【0043】
図1は、本実施態様の一例として、機能性素子がEL素子である場合の例を概略示すものである。この製造方法においては、まず、基材1上に透明電極層2を形成した後、発光層の開口部を区切る位置に絶縁層3を形成する。そして、このように透明電極2および絶縁層3が形成された基材1上に光触媒含有層4を形成する(A.光触媒含有層形成工程 図1(a)および(b))。
【0044】
次いで、この光触媒含有層4が形成された基板1上に、この例ではフォトマスク5を用いて紫外光6をパターン状に照射する(B.パターン露光工程 図1(c))。これにより、紫外光6が照射された部分が親水性領域7となり、照射されない部分は撥水性領域8とされる。この撥水性領域8は上記発光層の開口部を区切る位置に形成された絶縁層3上に通常形成される。
【0045】
そして、上記撥水性領域8を帯電させて、荷電帯電パターンを形成する。ここでは、正の電荷に帯電させた例を示す(C.帯電処理工程 図1(d))。
【0046】
次に、上記各工程毎に、用いられる材料や方法などについて詳細に説明する。
【0047】
A.光触媒含有層形成工程
本実施態様においては、まず基板上にエネルギーの照射により水との接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層が形成される光触媒含有層形成工程が行われる。以下、ここで用いられる光触媒含有層および基材について説明する。
【0048】
(光触媒含有層)
本実施態様において用いられる光触媒含有層は、エネルギーの照射により水との接触角が低下するように濡れ性が変化する層であり、少なくとも光触媒とバインダとから構成されるものである。このように、露光(本実施態様においては、光が照射されたことのみならず、エネルギーが照射されたことをも意味するものとする。)により水との接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層を設けることにより、エネルギーのパターン照射等を行うことにより容易に濡れ性を変化させ、水との接触角の小さい親水性領域とすることができ、この親水性領域にのみ機能性部形成用塗工液を塗布することが可能となる。また、撥水性領域はフッ素やアルキル基等の電気抵抗の高い官能基が表面に露出していることから、一般に電気抵抗が高い。したがって、この撥水性領域に対して、後述するように帯電処理を行なうことにより電荷を帯電させることができ、その結果ノズル吐出法により吐出される機能性部形成用塗工液の直進性を向上させることができる。なお、この場合のエネルギーとしては、通常紫外光を含む光が用いられる。
【0049】
ここで、親水性領域とは、水との接触角が小さい領域であり、後述する機能性部を形成する機能性部形成用塗工液等に対する濡れ性の良好な領域をいうこととする。また、撥水性領域とは、水との接触角が大きい領域であり、後述する機能性部を形成するための機能性部形成用塗工液等に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0050】
本実施態様における光触媒含有層は、エネルギーが照射されていない部分における水との接触角が、エネルギーが照射された部分における水との接触角より1度以上大きい接触角となる光触媒含有層であることが好ましく、特に好ましくは5度以上、最も好ましくは10度以上となる光触媒含有層が用いられる。
【0051】
エネルギーが照射されていない部分における水との接触角と、エネルギーが照射された部分における水との接触角との差が所定の範囲未満である場合は、濡れ性の差を利用して機能性部形成用塗工液をパターン状に塗布することが困難となり、機能性部をパターン状に形成することが困難となるからである。
【0052】
このような光触媒含有層における具体的な水との接触角としては、露光していない部分における水との接触角が30度以上、特に60度以上、中でも90度以上であることが好ましく、このような水との接触角を有する光触媒含有層が好適に用いられる。これは、露光していない部分は、本実施態様においては撥水性が要求される部分である。したがって、水との接触角が小さい場合は撥水性が十分でなく、後述する機能性部形成用塗工液が、必要の無い部分にまで残存する可能性が生じ、パターン形成体の精度を低下させるおそれがあるからである。
【0053】
また、光触媒含有層を露光した場合の接触角としては、具体的には、30度未満、特に20度以下、中でも10度以下となるような光触媒含有層であることが好ましい。露光した部分の水との接触角が高いと、この部分で機能性部を形成する機能性部形成用塗工液の広がりが劣る可能性があり、機能性部を形成すべき領域にすべて広がらず、結果として得られる機能性部のパターンの精度が低下し、最終製品となる機能性素子の品質を低下させることになるからである。
【0054】
なお、ここでいう水との接触角は、水との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから水滴を滴下して30秒後)し、その結果から得たものである。
【0055】
また、後述するように帯電処理工程において、上記露光が行われていない撥水性領域を帯電する必要があることから、表面抵抗はある程度大きいことが好ましい。具体的には、コロナ帯電5k時に、30V〜2000Vの範囲内、好ましくは30V〜1000Vの範囲内で帯電されるような光触媒含有層であることが好ましい。
【0056】
一方、上記帯電処理工程においては、露光が行なわれた親水性領域においては、電荷が帯電されないことが好ましい。したがって、上記露光が行なわれることにより、コロナ帯電5k時に、0〜30Vの範囲内、好ましくは0〜10Vの範囲内で帯電されるような光触媒含有層であることが好ましい。
【0057】
上記光触媒含有層は、少なくとも光触媒とバインダとから構成されていることが好ましい。このような層とすることにより、エネルギー照射によって光触媒の作用で臨界表面張力を高くすることが可能となり、水との接触角を低くすることができるからである。
【0058】
このような光触媒含有層における、後述するような酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。
【0059】
本実施態様に用いられる光触媒含有層は、光触媒により、バインダの一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、エネルギー照射部の濡れ性を変化させて親水性とし、未照射部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。よって、機能性部を形成するための機能性部形成用塗工液等との受容性(親水性)および反撥性(撥水性)を高めることによって、精度が良好でかつコスト的にも有利なパターン形成体を得ることができる。
【0060】
また、本実施態様においてこのような光触媒含有層を用いた場合、この光触媒含有層が少なくとも光触媒とフッ素とを含有し、さらにこの光触媒含有層表面のフッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていてもよい。
【0061】
このような特徴を有するパターン形成体においては、エネルギーをパターン照射することにより、容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親水性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥水性域内に親水性領域のパターンを形成することとなる。
【0062】
したがって、このような光触媒含有層を用いた場合は、エネルギーをパターン照射することにより、撥水性領域内に親水性領域のパターンを容易に形成することができるので、この親水性領域のみに機能性部を形成するための機能性部形成用塗工液を塗布することが容易に可能となり、精度が良好なパターン形成体とすることができる。
【0063】
また、このように撥水性領域の表面のフッ素含有量を多くし、親水性領域のフッ素含有量を少なくすることができれば、上述したように撥水性領域の表面抵抗を高く保つことが可能となると同時に、親水性領域の表面抵抗を大幅に低下させることが可能となり、帯電による本実施態様の作用効果をより効果的に発揮することが可能となる。
【0064】
エネルギーが照射されて形成されたフッ素含有量が低い親水性領域におけるフッ素含有量は、エネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下であることが好ましい。
【0065】
このような範囲内とすることにより、エネルギー照射部分と未照射部分との親水性および帯電性に大きな違いを生じさせることができる。したがって、このような光触媒含有層にパターン状に帯電させることが容易となると同時に、このような光触媒含有層上に機能性部形成用塗工液を塗布することにより、フッ素含有量が低下した親水性領域のみ正確に機能性部を形成することが可能となる。したがって、これらの二つの効果により、精度良くパターン形成体を得ることができるからである。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
【0066】
このような光触媒含有層中のフッ素含有量の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いることが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0067】
本実施態様で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0068】
本実施態様においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本実施態様ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0069】
このようなアナターゼ型酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0070】
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有層の中心線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非露光部の撥水性が低下し、また露光部の親水性の発現が不十分となるため好ましくない。
【0071】
本実施態様においては、光触媒として上述したような二酸化チタンを用いることが好ましいが、このように二酸化チタンを用いた場合の、光触媒含有層中に含まれるフッ素の含有量としては、X線光電子分光法で分析して定量化すると、チタン(Ti)元素を100とした場合に、フッ素(F)元素が500以上、このましくは800以上、特に好ましくは1200以上となる比率でフッ素(F)元素が光触媒含有層表面に含まれていることが好ましい。
【0072】
フッ素(F)が光触媒含有層にこの程度含まれることにより、光触媒含有層上における臨界表面張力を十分低くすることが可能となることから表面における撥水性を確保でき、これによりエネルギーをパターン照射してフッ素含有量を減少させたパターン部分における表面の親水性領域との濡れ性の差異を大きくすることができ、高精細なパターン形成体を得ることができ最終的に得られる機能性素子の品質を向上させることができるからである。また、この程度フッ素を含ませることにより、より表面抵抗を大きく保つことができ、後述する帯電処理工程における帯電処理が容易となるからである。
【0073】
さらに、このようなパターン形成体においては、エネルギーをパターン照射して形成される親水領域におけるフッ素含有量が、チタン(Ti)元素を100とした場合にフッ素(F)元素が50以下、好ましくは20以下、特に好ましくは10以下となる比率で含まれていることが好ましい。
【0074】
光触媒含有層中のフッ素の含有率をこの程度低減することができれば、機能性部を形成するための機能性部形成用塗工液を付着させ、領域内に十分に広がらせるために十分な親水性を得ることができ、上記エネルギーが未照射である部分の撥水性との濡れ性の差異により、機能性部形成用塗工液のパターンを精度良く形成することが可能となり、品質の良好な機能性素子を得ることができる。また、撥水性領域との帯電性の差を大きくすることが可能となるため、後述する帯電処理が容易となるからである。
【0075】
本実施態様において、光触媒含有層に使用するバインダは、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0076】
上記の(1)の場合、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0077】
また、バインダとして、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いることができ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
【0078】
このようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダとして用いることにより、光触媒含有層のエネルギー未照射部の撥水性が大きく向上し、かつ表面抵抗を大幅に増加させることが可能となる。
【0079】
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
【0080】
【化1】
Figure 0004231645
【0081】
ただし、nは2以上の整数であり、R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0082】
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合してもよい。
【0083】
本実施態様においては、このようにオルガノポリシロキサン等の種々のバインダを光触媒含有層に用いることができる。本実施態様においては、上述したように、このようなバインダおよび光触媒を含む光触媒含有層にフッ素を含有させ、エネルギーをパターン照射することにより光触媒含有層表面のフッ素を低減させ、これにより撥水性領域内に親水性領域を形成するようにしてもよい。この際、光触媒含有層中にフッ素を含有させる必要があるが、このようなバインダを含む光触媒含有層にフッ素を含有させる方法としては、通常高い結合エネルギーを有するバインダに対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法、比較的弱い結合エネルギーで結合されたフッ素化合物を光触媒含有層に混入させる方法等を挙げることができる。このような方法でフッ素を導入することにより、エネルギーが照射された場合に、光触媒の作用によりまず結合エネルギーが比較的小さいフッ素結合部位が分解され、これによりフッ素を光触媒含有層中から除去することができるからである。
【0084】
上記第1の方法、すなわち、高い結合エネルギーを有するバインダに対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法としては、上記オルガノポリシロキサンにフルオロアルキル基を置換基として導入する方法等を挙げることができる。
【0085】
また、上記(2)に示す方法では、撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋することによりオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この場合も同様に、上述した一般式中のR,Rのいずれかもしくは両方をフルオロアルキル基等のフッ素を含有する置換基とすることにより、光触媒含有層中にフッ素を含ませることが可能であり、またエネルギーが照射された場合に、シロキサン結合より結合エネルギーの小さいフルオロアルキル基の部分が分解されるため、エネルギー照射により光触媒含有層表面におけるフッ素の含有量を低下させることができる。
【0086】
一方、後者の例、すなわち、バインダの結合エネルギーより弱いエネルギーで結合したフッ素化合物を導入させる方法としては、例えば、低分子量のフッ素化合物を導入させる方法が挙げられ、具体的にはフッ素系の界面活性剤を混入する方法等を挙げることができる。また、高分子量のフッ素化合物を導入させる方法としては、バインダ樹脂との相溶性の高いフッ素樹脂を混合する等の方法を挙げることができる。
【0087】
本実施態様において光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0088】
また、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0089】
光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0090】
上記光触媒含有層は、光触媒とバインダを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することができる。
【0091】
(基材)
本実施態様においては、上述した光触媒含有層が基材上に形成される。このような基材としては、得られるパターン形成体もしくはパターン形成体により得られる機能性素子の用途に応じて、ガラス、アルミニウム、およびその合金等の金属、プラスチック、織物、不織布等を挙げることができる。本実施態様においては、得られるパターン形成体の最も好適な応用例であるEL素子やカラーフィルタに好適であることから、基材としては透明基板を用いることが好ましい。この透明基板としては特に限定されるものではないが、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
【0092】
また、基材上には上記図1に示す例のように、例えば電極層や絶縁層が形成されていてもよいし、カラーフィルタの例であればブラックマトリックスが予め形成された基板を用いることも可能である。
【0093】
B.パターン露光工程
次に、光触媒含有層が形成された基板に対し、パターン状にエネルギーを照射して光触媒含有層上に濡れ性の異なるパターンを形成するパターン露光工程について説明する。図1に示す例では、光触媒含有層4が形成された基板1上に、フォトマスク5を用いて紫外光6をパターン状に照射する工程に相当する(図1(c))。
【0094】
本実施態様において、光触媒含有層に対して照射するエネルギーとしては、光触媒に対して作用するエネルギーであれば特に限定されるものではないが、具体的には、紫外光を含む光を用いることが好ましい。これは、以下に示す理由によるものである。
【0095】
すなわち、本実施態様において用いられる光触媒は、そのバンドギャップによって触媒反応を開始する光の波長が異なる。例えば、硫化カドニウムであれば496nm、また酸化鉄であれば539nmの可視光であり、二酸化チタンであれば388nmの紫外光である。したがって、光であれば可視光であれ紫外光であれ本実施態様で用いることができる。しかしながら、上述したようにバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易といった理由から光触媒としては二酸化チタンが好適に用いられる関係上、この二酸化チタンの触媒反応を開始させる紫外光を含む光であることが好ましいのである。具体的には、400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲の紫外光が含まれることが好ましい。
【0096】
このような紫外光を含む光の光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等の種々の紫外線光源を挙げることができる。
【0097】
エネルギーの照射際してパターン照射が必要な場合は、上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行うことができるが、他の方法として、エキシマ、YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
【0098】
C.帯電処理工程
本実施態様においては、パターン露光により光触媒含有層表面に撥水性領域および親水性領域といった濡れ性の異なるパターンを形成した後、この撥水性領域のみに電荷を帯電させるための帯電処理工程が行なわれる。図1に示す例では、撥水性領域8をプラスに帯電させた図1(d)に示す工程に相当する。
【0099】
このような帯電処理方法としては、具体的には、コロナ電極を用いて基板表面にイオンを降らせるコロナ帯電による帯電方法、基板表面に絶縁性の剥離層を設けて、剥離層を基板から剥離することにより、表面を剥離帯電させる方法、基板に対して、数μmから十数μmの空気ギャップもしくは絶縁性の中間層を介して対向電極を設けて電圧印加することにより帯電させる方法等を挙げることができる。
【0100】
本実施態様においては、工程が容易である点からコロナ帯電による帯電方法を用いることが好ましい。
【0101】
本実施態様では、全面帯電させた場合、光触媒含有層の未露光部、すなわち撥液性領域のみのみをパターン状に帯電させることができる。
【0102】
また、本実施態様においては、パターン状に帯電させる方法を用いることも可能である。例えば、コロナ電極機とグリッド電極とを組み合わせて、グリッド電極の電圧を制御することによりパターン状に帯電させることが可能となる。
【0103】
なお、本実施態様における撥水性領域の帯電処理に関しては、正に帯電させるものでも、負に帯電させるものであってもよく、特に限定されるものではない。
【0104】
▲2▼ 第2実施態様
本発明における電荷帯電パターン形成工程の第2実施態様は、電荷帯電パターン形成工程が、電極層領域と絶縁層領域とからなるパターンを形成する工程と、上記絶縁層領域に、電荷を帯電させる工程とを有するものである。
【0105】
このように、本実施態様においては、電極層領域および絶縁層領域からなるパターンを形成し、その後絶縁層領域に電荷を帯電させるものであるので、電極層領域に機能性部形成用塗工液をノズル吐出法により吐出して塗布する際に、機能性部形成用塗工液が電極層領域内に直進して付着し易くすることができ、その結果高精細な機能性部のパターニングが可能となる。
【0106】
このような本実施態様について、図面を用いて説明する。
【0107】
図2は、本実施態様の一例として、機能性素子がEL素子である場合の例を概略示すものである。
【0108】
この製造方法においては、まず、基材21上にパターン状に透明電極22を形成した後、透明電極22と透明電極22の間隔に透明電極22のエッジ部分を被うように絶縁層23を形成する(A.絶縁層領域パターン形成工程、(図2(a)および(b))。
【0109】
そして、上記絶縁層23を帯電させることにより荷電帯電パターンを形成する。ここでは、正の電荷に帯電させた例を示す(B.帯電処理工程、図2(c))。
【0110】
次に、上記各工程毎に、用いられる材料や方法などについて詳細に説明する。
【0111】
A.絶縁層領域パターン形成工程
本実施態様における絶縁層領域パターン形成工程は、電極層領域と絶縁層領域からなるパターンを形成する工程である。このようなパターンの形成方法は、図2に示すように、パターン状に電極層を形成し、この電極層が形成されていない部分および電極層のエッジ部分を被うように絶縁層をパターン状に形成することにより、電極層領域と絶縁層領域とのパターンを形成する方法であってもよく、また電極層を全面に形成し、その上に絶縁層をパターン状に形成することにより、電極層領域と絶縁層領域とのパターンを形成する方法であってもよい。
【0112】
上記電極層および絶縁層のパターニングの方法は、特に限定されるものではなく、一般にパターニングに用いられるフォトリソグラフィー法、印刷法等の方法が用いられる。
【0113】
ここで、本実施態様でいう電極層領域とは、電極層が表面に露出している領域をいい、絶縁層領域とは表面に絶縁層が露出している領域をいうこととする。
【0114】
(絶縁層領域)
本実施態様に用いられる絶縁層領域は、上述したように絶縁層が表面に露出している領域である。この場合の絶縁層に用いることができる材料としては、帯電可能な程度に絶縁性を有する材料であれば、その材料は特に限定されるものではない。具体的には、比抵抗が10Ω/cm以上の材料を用いることが好ましい。
【0115】
本実施態様においては、図2(b)にも示すように、絶縁層領域が電極層領域から突出して形成されていることが好ましい。このように絶縁性領域が電極層領域より突出して形成されていることにより、この後、ノズル吐出法により機能性部形成用塗工液を塗布した際に、塗布された機能性部形成用塗工液が、隣接する部分と混じり合うことがなく、良好な歩留りで高精細な機能性素子を製造することができるからである。
【0116】
この際、絶縁層領域が電極層領域から突出する高さは、得られる機能性素子の精細度に応じて大きく異なるものであり、ノズル吐出法により吐出されるインクの液滴の大きさ等によっても異なるものではあるが、0.01μm〜100μm、好ましくは0.1μm〜10μmの範囲内に形成されることが好ましい。
【0117】
(電極層領域)
本実施態様で用いられる電極層領域は、上述したように電極層が表面に露出した領域である。この電極層を構成する材料としては、後述する帯電処理工程において帯電処理を行なった際に帯電しない程度の導電度を有する材料であれば特に限定されるものではなく、透明であっても不透明であってもよい。
【0118】
具体的には、比抵抗が1Ω/cm以下の材料を用いることが好ましい。
【0119】
(基材)
本実施態様に用いられる基材は、上記第1実施態様で用いられるものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0120】
B.帯電処理工程
上記第1実施態様においては、撥液性領域が帯電されるが、本実施態様は絶縁性領域が帯電される。この点を除いて、本工程は上記第1実施態様のC.帯電処理工程で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0121】
(2)機能性部パターン形成工程
次に本発明の機能性部パターン形成工程について説明する。本発明の機能性部パターン形成工程は、上記電荷非帯電領域に、ノズル吐出法により機能性部形成用塗工液を吐出して塗布することにより機能性部のパターンを形成する工程である。
【0122】
この工程について、上記電荷帯電パターン形成工程の第1実施態様の一例を示す図1を用いて説明すると、図1(d)において、紫外光6が照射されて濡れ性が良好となった親水性領域7に、EL素子(機能性素子)の発光層(機能性部)を形成するための発光層形成用塗工液(機能性部形成用塗工液)9を、インクジェット装置(ノズル吐出装置)10により、上記親水性領域7に対して吐出することにより塗布する(A.機能性部形成用塗工液塗布工程 図1(e))。なお、この際、周囲の撥水性領域が帯電しているため、発光層形成用塗工液9は直進する。また、親水性領域7に付着した際にも周囲が撥水性領域であるので、他の領域の塗工液と混色を生じる可能性も少ない。
【0123】
そして最後に、この発光層形成用塗工液9を固化させることにより、精度が良好な発光層11を形成し(図1(f))、そして必要であれば他の有機EL層を形成した後、電極層等を形成することによりEL素子とする(B.機能性素子完成工程)。
【0124】
また、本工程について、上記電荷帯電パターン形成工程の第2実施態様の一例を示す図2を用いて説明すると、図2(c)において、絶縁層23が帯電された後、電極層22に、EL素子(機能性素子)の発光層(機能性部)を形成するための発光層形成用塗工液(機能性部形成用塗工液)9を、インクジェット装置(ノズル吐出装置)10により、上記電極層22に対して吐出することにより塗布する(A.機能性部形成用塗工液塗布工程 図2(d))。この際、周囲の絶縁層23は帯電されているので、発光層形成用塗工液9は直進する。そして、電極層22上に付着した際にも、周囲の絶縁層23が突出して形成されていることから、他の領域と混色する恐れがない。
【0125】
そして最後に、この発光層形成用塗工液9を固化させることにより、高精細な発光層11を形成し(図2(e))、そして必要であれば他の有機EL層を形成した後、電極層等を形成することによりEL素子とする(B.機能性素子完成工程)。
【0126】
以下、このような機能性部パターン形成工程の各工程について詳細に説明する。なお、上記電荷帯電パターン形成工程においては二つの実施態様があったが、本工程においては、いずれの実施態様も基本的に同一の工程を行なうことから、1つの実施態様として説明する。
【0127】
A.機能性部形成用塗工液塗布工程
本発明においては、上記帯電処理工程において、電荷非帯電領域に、ノズル吐出法により機能性部形成用塗工液が塗布される機能性部形成用塗工液塗布工程が行われる。この工程は、図1においては、紫外光が照射されて濡れ性が良好となった部分に、有機EL層形成用塗工液9を、インクジェット装置10により塗布する工程に相当する(図1(e))。
【0128】
本発明において、この機能性部形成用塗工液はノズル吐出法により吐出されるものである。本発明は、ノズル吐出法により吐出される機能性部形成用塗工液の液滴の直進性を改良し、より高精細なパターン形成体を製造し、得られる機能性素子の品質を向上させることが目的だからである。
【0129】
本発明で用いられるノズル吐出法としては、種々の方法を挙げることができるが、本発明においてはインクジェット法もしくはディスペンサー法のいずれかが好ましく、中でも大量に生産する場合に好適に用いられることからコスト面で有利なインクジェット法が最も好ましいものであるといえる。
【0130】
この場合用いられるインクジェット装置としては、特に限定されるものではないが、帯電したインクを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の各種の方法を用いたインクジェット装置を用いることができる。
【0131】
本発明のパターン形成体の製造方法においては、上述したように機能性部形成用塗工液を塗布する際に、撥水性領域もしくは絶縁性領域を帯電させることにより、ノズル吐出法により吐出された機能性部形成用塗工液の直進性を向上させ、これによりより高精細なパターンを得ることを目的とするものである。この際、吐出される機能性部形成用塗工液が、帯電されている撥水性領域もしくは絶縁層領域と同じ種類の電荷で帯電されていると、機能性部形成用塗工液の直進性はさらに向上する。したがって、本発明においては、機能性部形成用塗工液を吐出する際に、撥水性領域もしくは絶縁性領域を帯電させている電荷と同じ種類の電荷で帯電させることができる方法、もしくは装置を用いることが好ましい。
【0132】
具体的には、機能性部形成用塗工液を吐出する際の先端部分、あるいは吐出ヘッド全体を帯電させる方法、または帯電した物質に近接させることにより逆電荷を誘導帯電させる方法等の間接的な手法と、機能性部形成用塗工液に帯電を促す界面活性剤、または絶縁物を添加、混合し、機能性部形成用塗工液自体をコロナ帯電または電圧印加するという直接的な手法が考えられる。
【0133】
本実施態様においては、帯電した基板に機能性部形成用塗工液を吐出し、機能性部形成用塗工液が基板に近接すると誘導帯電により機能性部形成用塗工液は基板と逆電荷の帯電をするとも考えられる。したがって、この機能性部形成用塗工液への帯電は、本発明において必須ではない。
【0134】
本発明に用いられる機能性部形成用塗工液としては、機能性部の機能、機能性部の形成方法等によって大きく異なるものであるが、例えば、紫外線硬化型モノマー等に代表される溶剤で希釈されていない組成物や、溶剤で希釈した液体状の組成物等を用いることができる。また、機能性部形成用塗工液としては粘度が低いほど短時間にパターンが形成できることから特に好ましい。ただし、溶剤で希釈した液体状組成物の場合には、パターン形成時に溶剤の揮発による粘度の上昇、表面張力の変化が起こるため、溶剤が低揮発性であることが望ましい。
【0135】
本発明に用いられる機能性部形成用塗工液としては、親水性領域もしくは電極層領域に付着等させて配置されることにより機能性部となるものであってもよく、また親水性領域もしくは電極層領域上に配置された後、薬剤により処理され、もしくは紫外線、熱等により処理された後に機能性部となるものであってもよい。この場合、機能性部形成用塗工液の結着剤として、紫外線、熱、電子線等で硬化する成分を含有している場合には、硬化処理を行うことにより素早く機能性部が形成できることから好ましい。
【0136】
また、本発明に用いられる機能性部形成用塗工液は、直進性の向上等の上述した理由と同様の理由から、帯電可能であるものが好ましい。
【0137】
B.機能性素子完成工程
本発明においては、上述したように機能性部形成用塗工液塗布工程により機能性部形成用塗工液をノズル吐出法により塗布した後、塗布された機能性部形成用塗工液を硬化もしくは固化させることにより機能性部とし、さらに必要に応じて他の部材を形成して機能性素子とすることができる。
【0138】
本発明において機能性素子とは、上述したような方法により機能性部をパターン状に形成することにより得られる素子をいう。
【0139】
ここで機能性とは、具体的には、光学的(光選択吸収、反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光あるいはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性等)、磁気的(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、電気・電子的(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電性等)、化学的(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イオン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロクロミック性等)、機械的(耐摩耗性等)、熱的(伝熱性、断熱性、赤外線放射性等)、生体機能的(生体適合性、抗血栓性等)な各種の機能を意味するものである。
【0140】
また、このような機能性素子に用いられる機能性部は、機能性素子の機能、機能性素子の形成方法等によって大きく異なるものである。また、機能性部を形成するための機能性部形成用塗工液は、液状であれば特に限定されるものではなく、その態様も、紫外線硬化型モノマー等に代表される溶剤で希釈されていない組成物や、溶剤で希釈した液体状の組成物等種々のものが考えられる。
【0141】
このような機能性素子としては、具体的には、カラーフィルタ、EL素子等を挙げることができる。
【0142】
2.EL素子の製造方法
次に、本発明のEL素子の製造方法について説明する。本発明のEL素子の製造方法においても、大きく分けて二つの実施態様に分けることができる。以下各実施態様に分けて説明する。
【0143】
(1)第1実施態様
本実施態様のEL素子の製造方法は、電極層を有する基材上に、少なくとも光触媒とバインダとからなり、かつエネルギーの照射により水との接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層を形成する工程と、
上記光触媒含有層上にパターン状にエネルギーを照射することにより、撥水性領域および親水性領域からなるパターンを形成する工程と、
上記撥水性領域に、電荷を帯電させる工程と、
上記親水性領域に、ノズル吐出法により有機EL層形成用塗工液を吐出して塗布することにより、有機EL層のパターンを形成する工程と
を有することを特徴とする。
【0144】
本実施態様のEL素子の製造方法の一例については、上述した図1に示す。EL素子の製造方法においても、上述したパターン形成体の製造方法と同様に、透明電極2および絶縁層3が形成された基材1上に光触媒含有層4を形成する光触媒含有層形成工程(図1(a)および(b))と、この光触媒含有層4が形成された基板1上に、フォトマスク5を用いて紫外光6をパターン状に照射するパターン露光工程(図1(c))と、紫外光6が照射された部分が親水性領域7となり、照射されない部分は撥水性領域8とされ、この撥水性領域8を帯電させる帯電処理工程(図1(d))と、発光層を形成するための発光層形成用塗工液9を、インクジェット装置10により、上記親液性領域7に対して吐出することにより塗布する有機EL層形成用塗工液塗布工程(図1(e))と、この発光層形成用塗工液9を固化させることにより、発光層11を形成するEL素子完成工程(図1(f))とを有するものである。
【0145】
A.光触媒含有層形成工程
本発明においては、光触媒含有層を形成するに際して、透明基材上に予め電極層や絶縁層が形成されていてもよい。そして、このような電極層や絶縁層が形成された基材上に光触媒含有層が形成される。この光触媒含有層および基材に関しては、上記パターン形成体の製造方法の項で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、EL素子の製造方法特有の構成である、電極層および絶縁層について説明する。
【0146】
a.電極層
本発明により得られるEL素子は、基材上に形成される第1電極層、および発光層等の有機EL層上に形成される第2電極層を有するものである。このような電極層は、陽極および陰極からなり、陽極および陰極のどちらか一方が、透明または、半透明であり、陽極としては、正孔が注入し易いように仕事関数の大きい導電性材料が好ましい。また、複数の材料を混合させてもよい。いずれの電極層も、抵抗はできるだけ小さいものが好ましく、一般には、金属材料が用いられるが、有機物あるいは無機化合物を用いてもよい。
【0147】
好ましい陽極材料としては、例えば、ITO、酸化インジウム、金が挙げられる。好ましい陰極材料としては、例えばマグネシウム合金(MgAg他)、アルミニウム合金(AlLi、AlCa、AlMg他)、金属カルシウムおよび仕事関数の小さい金属が挙げられる。
【0148】
b.絶縁層
本発明により得られるEL素子には、基材上に形成されている第一電極層のパターニングしたエッジ部分および素子の非発光部分を覆い、発光に不要な部分での短絡を防ぐために、絶縁層を発光部分が開口となるように予め設けておいてもよい。このようにすることにより、素子の短絡等による欠陥を低減し、長寿命で安定発光する素子が得られる。
【0149】
このような絶縁層は、通常知られている通り、例えば、UV硬化性の樹脂材料等を用いてパターン形成することができる。
【0150】
B.パターン露光工程およびC.帯電処理工程
本発明におけるパターン露光工程および帯電処理工程は、上述したパターン形成体の製造方法と同様の内容であることから、ここでの説明は省略する。
【0151】
D.有機EL層形成用塗工液塗布工程
本発明における有機EL層形成用塗工液塗布工程は、上記パターン形成体の製造方法における機能性部形成用塗工液塗布工程と、塗布される塗工液の点が具体化される点を除けばほぼ同様であることから、塗布方法等に関する記載については、ここでの説明は省略する。以下、本発明の方法により塗布される有機EL層形成用塗工液について説明する。
【0152】
(有機EL層形成用塗工液)
本発明でいう有機EL層とは、発光層、バッファー層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等を示すものであり、これらの各層を形成する際の塗工液が本発明でいう有機EL層形成用塗工液となる。しかしながら、EL素子において有機EL層をパターン状に形成する必要があるものとしては、一般的にはバッファー層および発光層を挙げることができるため、本発明でいう有機EL層形成用塗工液としては、発光層形成用塗工液およびバッファー層形成用塗工液が主たるものであるといえる。
【0153】
(発光層形成用塗工液)
EL素子において、発光層は必須の層であり、かつ必ずパターニングを必要とする層である。したがって、本発明においては、有機EL層形成用塗工液が発光層形成用塗工液である場合が、発明の有効性の面で最も好ましい態様であるといえる。
【0154】
本発明に用いられる発光層形成用塗工液は、通常、発光材料、溶媒、およびドーピング剤等の添加剤により構成されるものである。なお、フルカラー化等を行なう場合は、複数色の発光層が形成されるものであるので、複数種類の発光層形成用塗工液が通常用いられる。以下、これら発光層形成用塗工液を構成する各材料について説明する。
【0155】
a.発光材料
本発明に用いられる発光材料としては、色素系材料、金属錯体系材料、および高分子系材料を挙げることができる。
【0156】
▲1▼色素系材料
色素系材料としては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
【0157】
▲2▼金属錯体系材料
金属錯体系材料としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。
【0158】
▲3▼高分子系材料
高分子系の材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体等、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体、金属錯体系発光材料を高分子化したもの等を挙げることができる。
【0159】
本発明においては、発光層形成用塗工液を用いてノズル吐出方式により発光層を精度よく形成することができるという利点を活かすという観点から、発光材料として上記高分子系材料を用いたものがより好ましい。
【0160】
b.溶媒
上述した発光材料を溶解もしくは分散させ、発光層形成用塗工液とする溶媒としては、上述した発光材料を溶解もしくは分散し、かつ所定の粘度とすることができる溶媒であれば特に限定されるものではない。
【0161】
具体的には、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
【0162】
c.添加剤
本発明に用いられる発光層形成用塗工液には、上述したような発光材料および溶媒に加えて種々の添加剤を添加することが可能である。例えば、発光層中の発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的でドーピング材料が添加される場合がある。このドーピング材料としては例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィレン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等を挙げることができる。
【0163】
(バッファー層形成用塗工液)
本発明でいうバッファー層とは、発光層に電荷の注入が容易に行われるように、陽極と発光層との間または陰極と発光層との間に設けられ、有機物、特に有機導電対などを含む層である。例えば、発光層への正孔注入効率を高めて、電極などの凹凸を平坦化する機能を有する導電性高分子とすることができる。
【0164】
このようなバッファー層は、その導電性が高い場合、素子のダイオード特性を保ち、クロストークを防ぐためにパターニングされていることが望ましいことから、本発明の製造方法を用いてパターニングされることが好ましい。
【0165】
本発明に用いられるバッファー層を形成する材料としては、具体的にはポリアルキルチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、トリフェニルアミン等の正孔輸送性物質の重合体、無機酸化物のゾルゲル膜、トリフルオロメタン等の有機物の重合膜、ルイス酸を含む有機化合物膜等を挙げることができ、これらを、水、メタノール、エタノールをはじめとするアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒に溶解もしくは分散させたものが本発明でいうバッファー層形成用塗工液である。
【0166】
(有機EL層形成用塗工液の帯電について)
本発明のEL素子の製造方法においては、このような有機EL層形成用塗工液が、撥水性領域と同じ種類の電荷で帯電されていることが好ましい。
【0167】
なお、この帯電方法等に関しては、上記パターン形成体で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0168】
また、上記パターン形成体の製造方法の項において説明したように、ノズル吐出法により吐出される有機EL層形成用塗工液の液滴が帯電される場合においては、透明電極層に有機EL層形成用塗工液が帯電されている電荷とは異なる電荷の電圧が付加されていることが好ましい。
【0169】
E.EL素子完成工程
本発明においては、上述したよう有機EL層形成用塗工液を乾燥して固化させることにより、有機EL層を形成し、これに上述したような第2電極層等を形成し、封止剤等により封止することによりEL素子とすることができる。
【0170】
(2)第2実施態様
本実施態様のEL素子の製造方法は、パターン状に形成された電極層を有する基材上に、上記電極層のエッジ部分および有機EL層の非発光部分を覆うように絶縁層を形成することにより、電極層および絶縁層からなるパターンを形成する工程と、
上記絶縁層に、電荷を帯電させる工程と、
上記電極層に、ノズル吐出法により有機EL層形成用塗工液を吐出して塗布することにより、有機EL層のパターンを形成する工程と
を有することを特徴とするものである。
【0171】
本実施態様のEL素子の製造方法の一例について、上述した図2に示す。この場合も同様に、基板21上に透明電極層22をパターン状に形成し(図2(a))、次いで、上記透明電極層22の端部および透明電極層22が形成されていない領域を被うように絶縁層23が形成される(図2(b);絶縁層パターン形成工程)。ここで、絶縁層23は透明電極層22より突出して形成される。
【0172】
そして、帯電処理が施されることにより、上記絶縁層23が帯電する(図2(c);帯電処理工程)。
【0173】
上記帯電処理を行なった基板21に対し、発光層形成用塗工液9をインクジェット装置10により吐出し(図2(d);有機EL層形成用塗工液塗布工程)、そして硬化させることにより発光層11を形成する(図2(e);EL素子完成工程)。
【0174】
本実施態様においては、上述したように絶縁層が電極層より突出して形成されていることが好ましい。この際の突出量としては、0.01μm〜100μm、好ましくは、0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。
【0175】
その他の本実施態様の各工程についての説明は、上述した第1実施態様の各工程で用いられている方法および材料を組み合わせることにより行なうことができるので、ここでの説明は省略する。
【0176】
3.カラーフィルタの製造方法
最後に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、透明基板上に少なくとも光触媒とバインダとからなり、かつエネルギーの照射により水との接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層を形成する工程と、
上記光触媒含有層上にパターン状にエネルギーを照射することにより、撥水性領域および親水性領域からなるパターンを形成する工程と、
上記撥水性領域に、電荷を帯電させる工程と、
上記親水性領域に、ノズル吐出法により画素部形成用塗工液を吐出して塗布することにより画素部のパターンを形成する工程と
を有することを特徴とするものである。
【0177】
本発明のカラーフィルタの製造方法が、上記EL素子の製造方法と異なる点は、光触媒含有層形成工程において、予め基板上に形成されるものがブラックマトリックスである点、および機能性部形成用塗工液塗布工程において画素部形成用塗工液が用いられ点を挙げることができる。その他の構成に関しては、上記パターン形成体の製造方法およびEL素子の製造方法に記載されたものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0178】
(ブラックマトリックス)
本発明において用いるブラックマトリックスは、通常カラーフィルタに用いられるブラックマトリックスであれば特に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成された遮光部や、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた遮光部が用いられる。
【0179】
(画素部形成用塗工液)
本発明で用いられる画素部形成用塗工液は、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色の画素部形成用塗工液が用いられる。このような画素部形成用塗工液としては、大きく水性、油性に分類されるが、本発明においてはいずれであっても用いることができるが、表面張力の関係から水をベースとした水性の塗工液が好ましい。
【0180】
本発明で用いられる水性塗工液には、溶媒として、水単独または水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒を用いることがきる。一方、油性塗工液にはへッドのつまり等を防ぐために高沸点の溶媒をベースとしたものが好ましく用いられる。このような画素部形成用塗工液に用いられる着色剤は、公知の顔料、染料が広く用いられる。また、分散性、定着性向上のために溶媒に可溶・不溶の樹脂類を含有させることもできる。その他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤;防腐剤;防黴剤;pH調整剤;消泡剤;紫外線吸収剤;粘度調整剤:表面張力調整剤などを必要に応じて添加しても良い。
【0181】
また、通常の画素部形成用塗工液は適性粘度が低いためバインダ樹脂を多く含有できないが、塗工液中の着色剤粒子を樹脂で包むかたちで造粒させることで着色剤自身に定着能を持たせることができる。このような塗工液も本発明においては用いることができる。さらに、所謂ホットメルトタイプの塗工液やUV硬化型の塗工液を用いることもできる。
【0182】
本発明においては、中でもUV硬化性のものを用いることが好ましい。UV硬化性の画素部形成用塗工液とすることにより、ノズル吐出法により着色して画素部を形成後、UVを照射することにより、素早く硬化させることができ、すぐに次の工程に送ることができる。したがって、効率よくカラーフィルタを製造することができるからである。
【0183】
このようなUV硬化型の画素部形成用塗工液は、プレポリマー、モノマー、光開始剤及び着色剤を主成分とするものである。プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート、シリコンアクリレート等のプレポリマーのいずれかを特に限定することなく用いることができる。
【0184】
モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマー;n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー;ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピペリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能アクリルモノマーを用いることができる。上記プレポリマー及びモノマーは単独で用いても良いし、2種以上混含しても良い。
【0185】
光重合開始剤は、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェニル−l,2−プロパジオン−2−オキシム、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置換ベンゾフェノン、ハロゲン置換アルキル−アリルケトン等の中から所望の硬化特性等が得られるものを選択して用いることができる。その他必要に応じて脂肪族アミン、芳香族アミン等の光開始助剤;チオキサンソン等の光鋭感剤等を添加しても良い。
【0186】
なお、本発明においても画素部形成用塗工液が撥水性領域と同じ種類の電荷で帯電されていることが好ましい。
【0187】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0188】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。
【0189】
[実施例1]
(基材の作製)
200μmの厚さのPET上にITOをスパッタにより成膜し、80μmの線幅のITOを20μmの間隔でパターニングした後、ITOパターンのエッジを被うようにITOの間を厚さ1μmの絶縁層をフォトリソグラフィー法により形成した。絶縁層にはレジストとしてZPP−1850(日本ゼオン(株))を用いた。
【0190】
次いで、上記基材上にバッファー層用塗布液として、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォネート(PEDT/PSS)(BaytronP:Bayer社製、下記化学式(1)にその構造を示す。)を、スピン塗布により、乾燥時700オングストロームになるように塗布し、100℃で真空乾燥を1時間行った。
【0191】
【化2】
Figure 0004231645
【0192】
(光触媒含有層の形成)
1.光触媒含有層用塗布液の調整
まず、下記組成の光触媒含有層用の塗布液を調整した。
Figure 0004231645
2.光触媒含有層の成膜
上記の光触媒含有層塗液を洗浄したガラス基板上にスピンコーターで塗布し、150℃、10分間の乾燥処理後、加水分解、重縮合反応を進行させて、光触媒がオルガノシロキサン中に強固に固定された透明な光触媒含有層を厚み20nmに形成した。
【0193】
3.光触媒含有層における濡れ性の相違によるパターンの形成
上記の光触媒含有層にマスクを介して水銀灯(波長365nm)により70mW/cmの照度で50秒間パターン照射を行い、照射部位と非照射部位との水に対する接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定した結果(マイクロシリンジから水滴を滴下して30秒後)、非照射部位における水の接触角は142°であるのに対し、照射部位における水の接触角は10°以下であり、照射部位と非照射部位との濡れ性の相違によるパターン形成が可能なことが確認された。
【0194】
(帯電処理)
上記光触媒含有層に、上述したようにして濡れ性の相違するパターンを形成した後、全面を+6kVで帯電した。この際、露光部(親水性領域)では、+1Vの帯電量、未露光部(撥水性領域)では、+120Vの帯電量であった。
【0195】
(発光層の成膜)
この後、インクジェット法により発光層形成用塗工液を塗布した。この発光層形成用塗工液の組成は、以下の通りである。
【0196】
<発光層形成用塗工液の組成>
・ポリビニルカルバゾール 7重量部
・発光色素(R、G、B) 0.1重量部
・オキサジアゾール化合物 3重量部
・トルエン 5050重量部
ここで、ポリビニルカルバゾールの構造式を以下の化学式(2)に示す。また、オキサジアゾール化合物の構造式を化学式(3)に、発光色素(G) クマリン6の構造式を化学式(4)に、発光色素(R) ナイルレッドの構造式を化学式(5)に、発光色素(B) ペリレン化合物の構造式を以下の化学式(6)にそれぞれ示す。
【0197】
【化3】
Figure 0004231645
【0198】
(カソードの成膜)
発光層が形成された基板上に、ITOおよび発光層のパターンと直交するように、上部電極としてAlLi合金を500nmの膜厚で80μm線幅、20μm間隔に蒸着してEL素子とした。
【0199】
[実施例2]
全面の帯電を−6kVとした以外は、実施例1と同様にしてEL素子を作製した。
【0200】
[実施例3]
インクジェット法で塗工する際に、吐出ヘッドの先端部をコロナ帯電しながら塗工液を吐出した以外は、上記実施例1と同様にしてEL素子を作製した。
【0201】
[実施例4]
ITO電極側をヘッドに対して+100Vの電圧を印加した状態で、インクジェット法により塗工した以外は、実施例1と同様にしてEL素子を作製した。
【0202】
[実施例5]
光触媒含有層を形成しなかったことを除いては実施例1と同様にしてEL素子を作製した。
【0203】
[比較例]
帯電処理工程を行なわなかった以外は、実施例1と同様にしてEL素子を作製した。
【0204】
[評価]
得られたEL素子に対して、ITO電極側を正極、AlLi合金電極側を負極に接続し、ソースメーターにより、直流電流を印加した。
【0205】
実施例1から実施例5までで得られたEL素子は、10V印加時に、上記R、GおよびBの各色がライン上で発色し、また混色は認められなかったが、比較例で得られたEL素子は、部分的に混色する箇所が観察された。
【0206】
【発明の効果】
本発明によれば、電荷帯電領域に電荷が帯電されていることから、吐出された機能性部形成用塗工液の液滴が電荷非帯電領域に直進する。これにより高精細なパターンを形成することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明のパターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。
【符号の説明】
1,21 … 基材
2,22 … 透明電極層
3,23 … 絶縁層
4 … 光触媒含有層
7 … 親水性領域
8 … 撥水性領域
9 … 発光層形成用塗工液
10 … インクジェット装置
11 … 発光層

Claims (10)

  1. 電極層を有する基材上に、少なくとも光触媒とバインダとからなり、かつエネルギーの照射により水との接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層を形成する工程と、
    前記光触媒含有層上にパターン状にエネルギーを照射することにより、前記光触媒含有層に撥水性領域および親水性領域からなるパターンを形成する工程と、
    前記撥水性領域に、電荷を帯電させる工程と、
    前記電極層に電圧が印加されていない状態において、前記親水性領域に、ノズル吐出法により有機エレクトロルミネッセント層形成用塗工液を吐出して塗布することにより、前記親水性領域に有機エレクトロルミネッセント層のパターンを形成する工程と
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  2. 前記有機エレクトロルミネッセント層形成用塗工液が、前記撥水性領域と同じ種類の電荷で帯電されていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  3. 前記ノズル吐出法が、インクジェット法であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  4. 前記有機エレクトロルミネッセント層が、発光層であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  5. 前記光触媒含有層に照射するエネルギーが、紫外光を含む光であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  6. 前記光触媒含有層がフッ素を含み、前記光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、前記光触媒の作用により前記光触媒含有層表面のフッ素含有量がエネルギー照射前に比較して低下するように前記光触媒含有層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  7. 前記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  8. 前記光触媒が酸化チタン(TiO)であることを特徴とする請求項7記載の有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  9. 前記光触媒含有層は、エネルギーが照射されていない部分における水との接触角が、エネルギーが照射された部分における水との接触角より1度以上大きい接触角となる光触媒含有層であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  10. 前記バインダが、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法。
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