JP4107732B2 - 有機多孔体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱材等に用いられる有機多孔体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば冷蔵庫の断熱材に用いる多孔体として、有機ポリマーであるウレタン等の発泡体が用いられてきた。この有機ポリマーは柔軟性に優れるものの、充分な断熱性を有しないという問題があり、さらに断熱性に優れるシリカ系材料を主流とした無機系の多孔体が生産されている。
このシリカ系材料からなる多孔体は、エアロゲルからドライゲルを得ることにより製造でき、50nm程度の孔径をもつ空孔を有している。そして、前記空孔により形成される空隙の距離が酸素および窒素の平均自由行程よりも短いため、気体の熱伝導が抑えられ、常圧下でもウレタンフォームに比べて優れた断熱性能を示す。
しかし、エアロゲルを形成するシリカは、堅くて脆く、扱いが容易でないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、シリカ系材料からなる多孔体と同程度の断熱性を有し、かつ脆さが改善された有機多孔体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有機多孔体の製造方法において、
(a)架橋性官能基を表面に有する有機ゲル微粒子を溶媒によって膨潤させ、(b)前記溶媒中において前記微粒子表面の架橋性官能基を反応させ、前記微粒子と隣接する微粒子との間に微粒子間架橋を形成することによって、有機ゲル微粒子の集合体をえ、ついで(c)前記集合体を乾燥させて前記溶媒を除去することを含む有機多孔体の製造方法に関する。
この場合、工程(a)の後、工程(b)において架橋性官能基を反応させる前に、架橋剤を混合するのが好ましい。
また、工程(a)の後、工程(b)において架橋性官能基を反応させる前に、架橋触媒を混合するのが好ましい。
さらに、工程(c)における乾燥を、超臨界乾燥法によって行うのが好ましい。
【0006】
本発明は、さらに、有機多孔体の製造方法において、
(i)架橋性官能基を表面に有する有機ゲル微粒子を溶媒によって膨潤させ、
(ii)膨潤した前記有機ゲル微粒子を超臨界乾燥により乾燥させ、ついで
(iii)前記有機ゲル微粒子中の架橋官能基を反応させ、前記微粒子と隣接する微粒子との間に微粒子間架橋を形成することによって、有機ゲル微粒子の集合体を得ることを含む有機多孔体の製造方法にも関する。
この場合においても、工程(ii)の後、工程(iii)において架橋性官能基を反応させる前に、架橋剤を混合するのが好ましい。
また、工程(ii)の後、工程(iii)において架橋性官能基を反応させる前に、架橋触媒を混合するのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の有機多孔体の理解を容易にするため、図1から図3を参照して説明する。図1は、本発明の有機多孔体の構造を概念的に表した模式図である。図1中、1は有機多孔体、2は有機ゲル微粒子、3は架橋性官能基、4は微粒子間架橋を示す。また、図2は、図1における有機ゲル微粒子2の構造を概念的に表した模式図である。図2中、5は微粒子内架橋、6は高分子鎖を示す。
図1に示すように、本発明の有機多孔体1は、有機ゲル微粒子2の密な集合体であって、その有機ゲル微粒子2が互いに接する部分において、架橋性官能基3が架橋し、微粒子間架橋4を形成している。
また、有機ゲル微粒子2は乾燥ゲルであり、その内部においては高分子鎖6が微粒子内架橋5をしている。また、有機ゲル微粒子2が集合してなる本発明の有機多孔体1は、空孔を有している。さらに前記有機ゲル微粒子2が密に集合しているので、有機多孔体1中に形成される最も大きな空隙の距離は、有機ゲル微粒子2同士が形成する隙間に相当する100nmよりも短くなると考えられる。
【0008】
このように、本発明の有機多孔体においては空隙の距離が短いために、気体成分の熱伝導に対する寄与が小さくなり、優れた断熱性を示す。また、有機ゲル微粒子2は、互いに接する部分において微粒子間架橋4により結合しているため、有機ゲル微粒子間の固体熱伝導は小さくなり、得られる有機多孔体は断熱性が高いものとなる。
【0009】
まず、本発明の有機多孔体を構成する有機ゲル微粒子について説明する。本発明における有機ゲル微粒子は、材料入手の容易さから、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル系モノマー、塩化ビニル、ビニルアルコール、酢酸ビニル、スチレン等のビニル系モノマーの重合体などからなるのが好ましい。そして、前記有機ゲル微粒子は、従来からの乳化重合法よって製造することができる。
ここで、本発明の有機多孔体においては、微粒子間架橋を形成させるために、前記重合体に架橋性官能基をもたせる必要がある。そこで、有機ゲル微粒子を製造する際に、原料モノマーの少なくとも一部に架橋性官能基を有するモノマーを用いる。
【0010】
このような架橋性官能基としては、例えば水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アルコキシシリル基などがあげられる。したがって、微粒子間架橋の結合の種類としては、ウレタン結合、アミド結合、オキサゾリドン結合、シロキサン結合、エステル結合またはアセタール結合などがあげられる。なかでも、低温でも反応が比較的速く進行するという点から、ウレタン結合、オキサゾリドン結合、シロキサン結合、または2つのメチロール基から形成されるエーテル結合であるのが好ましい。また、これらの結合の種類は、架橋性官能基含有モノマー、架橋剤の種類を適宜選択することにより、選択することができる。
【0011】
架橋性官能基含有モノマーとしては、例えばメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、こはく酸2−メタクリロイルオキシエチル、マレイン酸2−メタクリロイルオキシエチル、フタル酸2−メタクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル、メタクリル酸グリシジル、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、アリルアミンなどがあげられる。
これらのなかでも、架橋反応の進行の容易性という点から、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、メタクリル酸グリシジルを用いるのが好ましい。
なお、乳化重合法によって前記有機ゲル微粒子を得る場合、前記架橋性官能基含有モノマーが乳化剤として働く場合もある。
【0012】
微粒子内架橋を形成するためには、原料モノマーの一部に架橋性モノマーを用いればよい。
【0013】
このような架橋性モノマーとしては、例えばエチレンジメタクリレート、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、アジピン酸ジビニルなどがあげられる。なかでも、架橋する材料と反応性が同じ程度であることが好ましいため、例えばアクリル酸エステルの架橋にはエチレンジメタクリレートを用いるのが好ましく、ビニル化合物の架橋にはジビニルベンゼンなどを用いるのが好ましい。
【0014】
また、前記有機ゲル微粒子中の高分子鎖間の微粒子内架橋と、前記有機ゲル微粒子間に形成される微粒子間架橋は、異なる分子結合構造をとることが好ましい。その理由は以下のとおりである。すなわち、有機ゲル微粒子は、主として水中で、原料モノマーを乳化剤と共に用いて分散させた状態で重合して得られ、その際ゲル化に必要な微粒子内架橋を形成させる。しかし、この時微粒子間架橋がゲル微粒子間架橋と同じ反応により形成されるものであれば、微粒子内架橋の進行とともに、微粒子間架橋を形成すべき架橋性官能基も微粒子内架橋形成に消費され、結果的に得られる有機ゲル微粒子間に架橋を形成することができなくなるからである。
【0015】
前記微粒子内架橋の種類としては、例えば不飽和結合を有する不飽和結合化合物の付加重合により形成される炭素−炭素結合、エポキシの重合によるエーテル結合、メチロール基の縮合によるエーテル結合などがあげられる。微粒子間架橋と微粒子内架橋との組合せとしては、以下のものがあげられる。
(1)微粒子間架橋:架橋性官能基の水酸基と架橋剤のジイソシアネートとによるウレタン結合
微粒子内架橋:不飽和結合の付加重合
利点又は効果:有機ゲル微粒子への架橋性官能基の導入が容易で、有機ゲル微粒子間の架橋反応も速い。
(2)微粒子間架橋:エポキシの縮合
微粒子内架橋:不飽和結合の付加重合
利点又は効果:有機ゲル微粒子間の反応が速い。
【0016】
このような構成をとる本発明の有機ゲル微粒子の密度は、0.05〜0.3g/cm3であることが好ましい。この程度の低い密度の有機ゲル微粒子を用いることにより、得られる有機多孔体の密度も低くなり、固体の熱伝導の寄与が小さくなるため、高い断熱性が得られるからである。また、有機ゲル微粒子の密度が、0.3g/cm3より大きければ、固体熱伝導の寄与が大きくなって断熱性が低下し、0.05g/cm3より小さければ充分な強度が得られないために収縮が起こり、有機ゲル微粒子自体を乾燥させて本発明の有機多孔体を得ることが難しいからである。
さらには、熱伝導率とゲル微粒子の強度のバランスから、最も熱伝導率の低い有機多孔体が安定して得られるという点から、0.1〜0.2g/cm3であるのが特に好ましい。
【0017】
また、得られた本発明の有機多孔体における前記有機ゲル微粒子の粒径は、小さいものを作製するのが困難であり、大きいとゲル微粒子間の空隙が大きくなり熱伝導率が低下するという点から、10〜300nmであればよく、さらに、充分に空隙を小さくして熱伝導率を下げるという点から、10〜50nmであるのが好ましい。
また、本発明の有機多孔体の有する空孔の孔径としては、実際に、常圧または僅かな減圧下で熱伝導率が低くなるという点から、5〜100nmであればよく、さらに、常圧でも5割程度の充分な熱伝導率の低下が期待できるという点から、5〜30nmであるのが好ましい。
【0018】
次に本発明の有機多孔体の製造方法について説明する。
本発明の有機多孔体の第一の製造方法は、
(a)架橋性官能基を表面に有する有機ゲル微粒子を溶媒によって膨潤させ、
(b)前記溶媒中において前記微粒子表面の架橋性官能基を反応させ、前記微粒子と隣接する微粒子との間に微粒子間架橋を形成することによって、有機ゲル微粒子の集合体をえ、ついで
(c)前記集合体を乾燥させて前記溶媒を除去することを含む製造方法である。
【0019】
まず、工程(a)において、前述した架橋性官能基を表面に有する有機ゲル微粒子を溶媒によって膨潤させる。このときに用いる溶媒としては、有機ゲル微粒子表面上の架橋性官能基が失われないように、前記の架橋性官能基と反応しないものを用いる必要がある。また、前記微粒子を架橋させるために用いる後述の架橋剤の損失を避けるために、架橋剤と反応しない溶媒であることも必要である。架橋剤に含まれる官能基としては、例えば水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アルコキシシリル基、アミノ基、イソシアネート基等があげられる。例えば架橋剤にカルボキシル基が含まれる場合、溶媒としてエポキシ化合物、アルコール、アミン等を用いるべきではない。また、イソシアネート基が含まれる場合は、水、アルコール、カルボン酸、エポキシ化合物、アミンを溶媒として用いるべきではない。
【0020】
また、有機ゲル微粒子を膨潤させる際に用いる溶媒の使用量としては、有機ゲル微粒子を完全に浸すことが可能な量であればよい。
【0021】
ついで、工程(b)において、前記溶媒中において前記微粒子表面の架橋性官能基を反応させ、前記微粒子と隣接する微粒子との間に微粒子間架橋を形成する。これによって、有機ゲル微粒子の集合体を得るのである。
本発明の工程(b)において、前記微粒子表面の架橋性官能基を反応させる方法としては、以下に示す工程(b−1)および工程(b−2)の2種類の方法が考えられる。
工程(b−1)は、架橋剤を添加して微粒子間に架橋を形成させる方法である。図3に、架橋剤により有機ゲル微粒子を架橋させる様子を概念的に示す模式図を表す。図3に示すように、架橋剤7を用いて微粒子間架橋4を形成する。
工程(b−2)は、図3において、架橋剤7を用いずに、有機ゲル微粒子2の有する架橋性官能基3を直接反応させて微粒子間架橋を形成する。
架橋剤7を用いる工程(b−1)のほうが、有機ゲル微粒子合成時の条件に関係なく、架橋剤としてイソシアネート基などのより活性の高い官能基を用いることが可能であり、微粒子間架橋の形成が容易になるため好ましい。
【0022】
まず、工程(b−1)について説明する。
図3に示すように、有機ゲル微粒子2の表面にある架橋性官能基3と架橋剤7とを反応させて微粒子間架橋4を形成させてゆく。このときに用いる架橋剤7としては、2つの架橋性官能基3と反応して結合を形成する必要があるために、架橋性官能基3と反応して結合可能な少なくとも2つの官能基を有するものである必要がある。
ここで、一例として、有機ゲル微粒子のもつ架橋性官能基3が水酸基で、架橋剤7がジカルボン酸である場合を考える。この場合、架橋剤7は、両端で架橋性官能基3とエステル結合を形成して微粒子間架橋4を形成する。
【0023】
有機ゲル微粒子のもつ架橋性官能基が水酸基の場合に考えられる架橋剤としては、例えばジカルボン酸などの多価カルボン酸化合物、多価エポキシ化合物、多価イソシアネート化合物、多価アルデヒド化合物などがあげられる。これらの架橋剤は、有機ゲル微粒子中の水酸基との間に、それぞれエステル結合、ヒドロキシエステル結合、ウレタン結合、アセタール結合による架橋を形成する。
同様に、架橋性官能基がカルボキシル基の場合に用いる架橋剤としては、例えば多価エポキシ化合物、多価イソシアネート化合物、多価アミン化合物などがあげられる。これらの架橋剤は、有機ゲル微粒子中のカルボキシル基との間に、それぞれエステル結合、ウレタン結合、アミド結合を形成する。このとき多価アミンが3級アミンである場合は、4級アンモニウムを形成して結合する。
また、架橋性官能基がエポキシ基である場合の架橋剤としては、例えば多価カルボン酸化合物、多価エポキシ化合物、多価イソシアネート化合物、多価アミン化合物、レゾルシノール、ヒドロキノンなどの多価フェノール化合物などが用いられる。これらの架橋剤は、エポキシ基との間に、それぞれヒドロキシエステル結合、エーテル結合、オキサゾリドン結合、アミノアルコール結合、アミド結合による架橋を形成する。
さらに、架橋性官能基がアルコキシシリル基である場合に用いる架橋剤としては、例えば多価イソシアネート化合物などがあげられる。このときは、ウレタン結合が架橋剤7とアルコキシシリル基との間に形成される。
【0024】
以上の架橋性官能基と微粒子架橋剤の組み合わせの中で特に反応の容易性から好ましいのは、架橋剤が多価イソシアネート化合物で、架橋性官能基がカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アルコキシシリル基のいずれかである場合、および架橋剤が多価アミン化合物で、架橋性官能基がエポキシ基の場合である。
【0025】
架橋剤としての多価イソシアネート化合物の具体例としては、通常のポリウレタン樹脂の原料として用いられている2官能以上のイソシアネートが好適に用いられる。さらに具体的には、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート系などがあげられ、これらのオリゴマーやポリオールと反応させて得られるイソシアネート基残留ポリマーも使用可能である。
なかでも、値段が安く、入手しやすいという点から、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどを用いるのが好ましい。
【0026】
また、架橋剤としての多価アミン化合物としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4ーアミノシクロヘキシル)メタン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミンなどがあげられる。
【0027】
工程(b−1)においては、反応をより容易に行わせるために、微粒子を架橋させる際に触媒を用いるのが好ましい。このような触媒としては、例えばモノアミン類、ジアミン類、トリアミン類、環状アミン類、アルコールアミン類、エーテルアミン類などの第3級アミン系触媒、有機すず化合物などの有機金属化合物などがあげられる。ただし、架橋剤が多価アミンであり、架橋性官能基がエポキシ基である場合は、前記アミンとエポキシだけで充分に反応性が高いため、触媒を用いなくてもよい。
【0028】
工程(b−1)における架橋剤の使用量としては、すべての架橋性官能基が有機ゲル微粒子の表面に出ている訳ではなく、使用量が多すぎると全体の濃度が高くなって反応が進みにくくなるという点から、有機ゲル微粒子のもつ架橋性官能基1当量に対して、0.01〜10当量であればよいが、さらには、コストの低減という点から、0.01〜1当量であるのが好ましい。
また、触媒の使用量としては、例えば架橋性官能基がエピキシ基の場合は、エポキシ基に対して0.1〜5当量、多すぎても効果が小さいため、0.1〜1当量であるのが好ましい。イソシアネート基の場合は、用いる溶媒に対して0.1〜10%であればよいが、副反応を抑えるという観点から、0.1〜2%であるのが好ましい。
【0029】
前記溶媒中において前記微粒子表面の架橋性官能基を反応させるには、少なくとも有機ゲル微粒子全体が溶媒に浸かるという条件で、膨潤させた有機ゲル微粒子、触媒および要すれば触媒を混合すればよい。これによって、有機ゲル微粒子の集合体を得る。
【0030】
次に、工程(b−2)について説明する。
第二の工程(b−2)においては架橋剤を用いず、有機ゲル微粒子間において2つの架橋性官能基3を直接結合させる。
この場合、架橋剤を用いなくても有機ゲル微粒子間で容易に反応するという観点および市販品の入手が容易であるという観点から、エポキシ基、アルコキシシリル基などの架橋性官能基を表面に有する有機ゲル微粒子が好適に用いられる。
ただし、この場合でも、充分な架橋速度を得るという点から、触媒を用いるのが好ましい。
【0031】
架橋性官能基がエポキシ基である場合に用いる触媒としては、例えばベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン、BF3などのルイス酸があげられ、エポキシ基との重合によりエーテル結合を形成する。
架橋性官能基がアルコキシシリル基の場合には、アルコキシル基を加水分解するのに必要な水とともに、触媒を溶媒中に混合する。アルコキシシリル基が加水分解して形成されたシラノール基が反応し、異なる有機ゲル微粒子間にシロキサン結合を生じて架橋を形成するのである。この場合の触媒としては、例えばアンモニア、水酸化アンモニウムなどの塩基性触媒、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、酢酸などの有機酸などの酸触媒があげられる。
【0032】
触媒の使用量としては、反応の進行を速やかに進めるという点から、濃度として0.01〜5%という範囲であればよい。
【0033】
また、前記溶媒中において前記微粒子表面の架橋性官能基を反応させるには、少なくとも有機ゲル微粒子全体が溶媒に浸かるという条件で、膨潤させた有機ゲル微粒子および要すれば触媒を混合すればよい。これによって、有機ゲル微粒子の集合体を得る。
【0034】
次に、本発明の工程(c)において、以上の2種類のいずれかの工程(b)を経て得られた有機ゲル微粒子の集合体を乾燥させ、溶媒を除去する。これにより、本発明の乾燥した有機多孔体を得る。
【0035】
一般に、細かな空孔中の溶媒を蒸発させて除去すると、溶媒が蒸発して減少することにより気液界面が後退し、その際に空孔の壁面が収縮する力を受ける。この力は、気液界面が存在すると必ず働き、しかも空孔が小さいほど大きくなる。そのため、微細な空孔を持つ多孔体においては、気液界面を存在させたまま溶媒を除去すると空孔が潰れてしまうという問題がある。
そこで、液層が存在しないように、凍結乾燥させるか、液相と気相の区別がなくなる超臨界状態で乾燥させることが好ましい。
溶媒が水の場合、0℃で凍結するため減圧にしてやれば比較的簡単に乾燥が可能であるので、凍結乾燥を用いることができる。
超臨界乾燥の場合、溶媒が水や通常の有機溶媒では超臨界状態を実現するための臨界温度が200℃を越えるため、乾燥すべき有機多孔体に熱的な損傷が生じる可能性が高い。このため、臨界温度の低い二酸化炭素を用いて、これと有機ゲル微粒子の膨潤に用いた溶媒とを置換した後に、置換により残った液体二酸化炭素を超臨界乾燥して除くことが好ましい。このとき、二酸化炭素の臨界温度は室温付近であるために有機多孔体への熱的な損傷は生じない。また、水を膨潤に使用した場合、極性の低い液体二酸化炭素との置換がスムーズに進まない場合があるが、その場合はアセトンなどの中間的な極性の溶媒で置換してから、さらに二酸化炭素と置換すればよい。
【0036】
次に、本発明の第二の製造方法について説明する。
本発明の第二の方法は、有機多孔体の製造方法において、
(i)架橋性官能基を表面に有する有機ゲル微粒子を溶媒によって膨潤させ、
(ii)膨潤した前記有機ゲル微粒子を超臨界乾燥により乾燥させ、ついで
(iii)前記有機ゲル微粒子中の架橋官能基を反応させ、前記微粒子と隣接する微粒子との間に微粒子間架橋を形成することによって、有機ゲル微粒子の集合体を得ることを含む製造方法である。
すなわち、本製造方法では、第一の製造方法のように溶媒中で有機ゲル微粒子を架橋するのではなく、乾燥した後に架橋処理を施す。
【0037】
工程(i)では、有機ゲル微粒子を溶媒に膨潤させ、これを第一の製造方法で説明した超臨界乾燥によって乾燥する。
引き続き、工程(ii)で、触媒の添加あるいは温度上昇等によって、隣り合う有機ゲル微粒子表面上の架橋性官能基同士を反応させて、微粒子間に架橋を形成させる。また、第一の製造方法と同じく微粒子架橋剤を混合して、二つの架橋官能基と反応させて微粒子間架橋を形成させることもできる。
【0038】
第一の製造方法と異なる点は、溶媒のない状態で架橋させるために、架橋処理時に外部から導入する触媒および架橋剤は、気体であることが好ましいという点である。
架橋剤も高温雰囲気で用いることで蒸気圧を高くすれば気体として用いることが可能である。例えばエチレンジアミン、テトラエチレンジアミンなどの低級ジアミンを架橋剤として、高温下でその蒸気を導入して架橋性官能基のエポキシ基やカルボキシル基と架橋させることができる。
また、塩化水素、トリメチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミンなどの低級3級アミンなどを触媒として用いれば、架橋性官能基であるエポキシ基同士を直接反応させて架橋させることができる。また、塩化水素を用いればシラノール基を直接反応させて架橋を形成することができる。
このようにして、前述した本発明の有機多孔体を得ることができる。
【0039】
上記の説明は、有機多孔体を断熱材等に適用することを念頭に置いて、空孔の大きさや密度およびそれを実現する製造方法について述べた。これに加えて、本発明の有機多孔体では、有機ゲル微粒子が有する官能基を配位子として利用して、有機溶媒あるいは水中で各種の貴金属、遷移金属などを高分散状態で導入し、断熱以外の種々の機能を付加することも可能である。配位子として用いることのできる官能基としては、既に述べた架橋性官能基を用いることも可能であるが、別の官能基を有機ゲル微粒子製造時に導入することもできる。具体的には、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、ビピリジル基、フェナントロリル基、アミド基、各種エーテル基などがあげられる。
以下に、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0040】
【実施例】
《実施例1》
本実施例では、本発明の第一の製造方法により、有機ゲル微粒子を架橋してなる有機多孔体を製造した。有機ゲル微粒子としては、「塗装工学 1987年 第22巻 第9号 385〜395頁」記載の方法に従う乳化重合によりエチルアクリレート、メチルメタクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート(以上、関東化学(株)製)、オリゴエステルアクリレート系反応性乳化剤ニューフロンティアA−229E(第一工業製薬(株)製)を60/40/3/3(重量比)で重合して得られた有機ゲル微粒子を用いた。従って、架橋官能基は水酸基である。また、架橋剤としてはジフェニルメタンジイソシアネート(関東化学(株)製)を用いた。
上記の有機ゲル微粒子をメチルエチルケトン(関東化学(株)製)に浸して膨潤させた。引き続き、有機ゲル微粒子100重量部に対して、前記の膨潤体を含むメチルエチルケトンにジブチルチンジラウレート(アルドリッチ社製)3重量部とジフェニルメタンジイソシアネート10重量部を、順に混合して攪拌後放置した。
次に前記の混合物を耐圧容器中に移し、室温50気圧で前記のメチルエチルケトンの体積の10倍の体積の液体二酸化炭素を導入し、メチルエチルケトンと混合した後、導入した液体二酸化炭素の半分の体積に相当する二酸化炭素とメチルエチルケトンの混合物を気体として放出した。この液体二酸化炭素の導入と、二酸化炭素とメチルエチルケトンとの混合物の排出とを繰り返して、有機ゲル微粒子の集合体内を液体二酸化炭素で置換した。さらに温度を40℃、圧力を80気圧に調整して内部を超臨界状態としてから徐々に圧力を開放して二酸化炭素を有機ゲル微粒子集合体内部から除き乾燥させた。
【0041】
得られた有機多孔体は、電子顕微鏡による観察から、有機ゲル微粒子の粒径は約90nmで高分子鎖間に形成される空孔の直径は20nm以下であった。
またゲル微粒子の体積、微粒子間の体積と有機多孔体の重量から求めた有機ゲル微粒子の密度は、0.09g/cm3であった。
【0042】
《実施例2および3》
膨潤させるために用いる溶媒をノルマルヘキサン(関東化学(株)製)(実施例2)またはノルマルブタン(関東化学(株)製)(実施例3)とし、膨潤の度合いを抑えることで、有機多孔体を構成する有機ゲル微粒子の密度を高くした。あとの条件は実施例1と同様にして、2種の有機多孔体を製造した。上記と同様にして求めた有機ゲル微粒子の粒径はそれぞれ55nm、46nm、密度はそれぞれ0.34g/cm3、0.47g/cm3であった。
ここで、実施例1〜3における微粒子内架橋は、不飽和結合を有する化合物の付加重合から形成される炭素−炭素結合であり、微粒子間架橋は、水酸基とイソシアネート基との反応によるウレタン結合であった。
【0043】
《比較例1および2》
有機ゲル微粒子を製造する際に、乳化重合時の乳化促進剤(硫酸銅)の量を増加させて有機ゲル微粒子の直径を大きくしたものを2種類用いた。
それ以外は、膨潤溶媒がメチルエチルケトンである実施例1の場合と同様にして有機多孔体を2種製造した。上記と同様にして求めたゲル微粒子の直径は、それぞれ530nm、380nmであった。密度はそれぞれ0.08g/cm3、0.1g/cm3であった。
【0044】
実施例1〜3で得られた有機多孔体を手で押しつぶしたが、シリカエアロゲルのように砕けて粉末になることはなく、一体性を保ったまま潰れていった。これは、シリカエアロゲルに比較して、多孔体全体に有機の柔軟な結合のネットワークが形成されているためと考えられる。このように、本発明において、シリカエアロゲルの堅い結合に起因して、粉々になりやすいという脆さが改善された。
また、実施例1〜3と比較例1および2で得られた有機多孔体の熱伝導率を測定した。実施例1〜3の有機多孔体の熱伝導率は、それぞれ0.015kcal/mh℃(膨潤溶媒メチルエチルケトン)、0.021kcal/mh℃(膨潤溶媒ノルマルヘキサン)、0.023kcal/mh℃(膨潤溶媒ノルマルブタン)であった。これに対し比較例1および2において、有機ゲル微粒子の直径が530nm、380nmのものは、熱伝導率がそれぞれ0.030kcal/mh℃、0.027kcal/mh℃であった。
このように本実施例で優れた熱伝導率が得られるのは、有機ゲル微粒子の直径が小さくそれらが密に結合され、ゲル微粒子の空隙の距離が小さくなったことで気体の熱伝導率が抑制されるためであり、また密度が小さいために固体の熱伝導率が抑えられたためと考えられる。比較例で熱伝導率が高くなったのは、ゲル微粒子の直径が大きくなり対応する空隙間距離が長くなったためと考えられる。
【0045】
《実施例4》
本実施例では、本発明の第一の製造方法により、有機ゲル微粒子を架橋してなる有機多孔体を製造した。有機ゲル微粒子としては、乳化重合によりエチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジル(関東化学(株)製)、オリゴエステルアクリレート系反応性乳化剤であるニューフロンティアA−229E(第一工業製薬(株)製)を80/20/2/5(重量比)で重合して得られた有機ゲル微粒子を用いた。従って、架橋性官能基はエポキシ基である。また、架橋剤には、トリレン2、4−ジイソシアネート(関東化学(株)製)を用いた。膨潤溶媒にはアセトンを用いた。あとの条件は実施例1と同様にして有機多孔体を製造した。実施例4における微粒子内架橋は、不飽和結合を有する化合物の付加重合から形成される炭素−炭素結合であり、微粒子間架橋は、エポキシ基とイソシアネート基との反応によるオキサゾリドン結合であった。
【0046】
得られた有機多孔体の熱伝導率は0.017kcal/mh℃と優れた断熱性を示した。また、有機ゲル微粒子の直径は60nm、密度は0.21g/cm3であった。また、実施例1同様、指で押しても粉々になることはなく、シリカエアロゲルに比較して脆さが改善された。
【0047】
《実施例5》
本実施例では、本発明の第一の製造方法により、有機ゲル微粒子を架橋してなる有機多孔体を製造した。有機ゲル微粒子としては、実施例4で用いたものを用い、架橋剤は用いず、直接有機ゲル微粒子上の架橋性官能基を反応させて結合を形成した。触媒としてベンジルジメチルアミン(関東化学(株)製)を用いた。
上記の有機ゲル微粒子をテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)に浸して膨潤させた。引き続き、前記の膨潤体を含むテトラヒドロフランを、有機ゲル微粒子100重量部に対して3重量部を混合して攪拌後放置した。あとは実施例1と同様にして、テトラヒドロフランと二酸化炭素を置換した後、超臨界乾燥をすることで有機多孔体を得た。実施例5における微粒子内架橋は、不飽和結合を有する化合物の付加重合から形成される炭素−炭素結合であり、微粒子間架橋は、エポキシ基の重合によるエーテル結合であった。
【0048】
得られた有機ゲル微粒子の直径は70nm、密度は0.13g/cm3であった。また、熱伝導率は実施例1とほぼ同じ優れた断熱性を示した。また、実施例1と同様に、指で押しても粉々になることなく、シリカエアロゲルに比較して脆さが抑制されていた。
【0049】
《実施例6》
本実施例では、本発明の第二の製造方法により、有機ゲル微粒子を架橋してなる有機多孔体を製造した。有機ゲル微粒子としては、乳化重合によりエチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジル、オリゴエステルアクリレート系反応性乳化剤であるニューフロンティアA−229E(第一工業製薬(株)製)を80/20/5/5(重量比)の割合で重合して得られた有機ゲル微粒子を用いた。架橋剤は用いず、直接有機ゲル微粒子上の架橋性官能基を反応させて結合を形成させた。その際に、触媒としてトリメチルアミン(関東化学(株)製)を用いた。
まず、上記の有機ゲル微粒子をアセトンに浸して膨潤させた。実施例3と同様な方法でアセトンと二酸炭素を置換した後、超臨界乾燥を行った。
引き続き、乾燥有機ゲル微粒子の入った容器中をトリメチルアミン蒸気で満たして放置し、その後トリエチルアミンを除去することで有機多孔体を得た。実施例6における微粒子内架橋は、不飽和結合を有する化合物の付加重合から形成される炭素−炭素結合からなり、微粒子間架橋は、エポキシ基の重合によるエーテル結合であった。
【0050】
得られた有機ゲル微粒子の直径は70nm、密度は0.17g/cm3であった。また、熱伝導率は0.0155kcal/mh℃で優れた断熱性を示した。
【0051】
【発明の効果】
本発明の有機多孔体は、300nm以下の有機ゲル微粒子同士が架橋されて構成される。このような微小な粒子が密に集合しているために粒子間に形成される空隙も小さくなり、気体の熱伝導を抑制でき、優れた断熱性を実現できる効果がある。また、有機物で構成され、それらが架橋されているために、シリカエアロゲルに比較して、脆さが改善される(脆性が抑制される)という効果がある。
本発明の有機多孔体の製造方法は、有機ゲル微粒子を膨潤させて、溶媒中でこれらの微粒子を各微粒子上の官能基の反応を利用して架橋し、さらに膨潤に用いた溶媒を除去することで乾燥した多孔体を得るものである。膨潤させることにより、低密度体をつくることができ、さらにそれを架橋し、乾燥することで、より大きな成形体が容易に得られる効果がある。
また、超臨界乾燥により膨潤に用いた溶媒を除く、本発明の有機多孔体の製造方法によって、多孔体の収縮を抑え低密度の多孔体が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機多孔体の構造を概念的に表した模式図である。
【図2】図1における有機ゲル微粒子2の構造を概念的に表した模式図である。
【図3】架橋剤により有機ゲル微粒子を架橋させる様子を概念的に示す模式図である。
【符号の説明】
1 有機多孔体
2 有機ゲル微粒子
3 架橋性官能基
4 微粒子間架橋
5 微粒子内架橋
6 高分子鎖
7 架橋剤
Claims (7)
- (a)架橋性官能基を表面に有する有機ゲル微粒子を溶媒によって膨潤させ、
(b)前記溶媒中において前記微粒子表面の架橋性官能基を反応させ、前記微粒子と隣接する微粒子との間に微粒子間架橋を形成することによって、有機ゲル微粒子の集合体を得、ついで
(c)前記集合体を乾燥させて前記溶媒を除去する有機多孔体の製造方法。 - 工程(a)の後、工程(b)において架橋性官能基を反応させる前に、架橋剤を混合する請求項1記載の有機多孔体の製造方法。
- 工程(a)の後、工程(b)において架橋性官能基を反応させる前に、架橋触媒を混合する請求項1または2記載の有機多孔体の製造方法。
- 工程(c)における乾燥を、超臨界乾燥法によって行う請求項1〜3のいずれかに記載の有機多孔体の製造方法。
- (i)架橋性官能基を表面に有する有機ゲル微粒子を溶媒によって膨潤させ、
(ii)膨潤した前記有機ゲル微粒子を超臨界乾燥により乾燥させ、ついで
(iii)前記有機ゲル微粒子中の架橋官能基を反応させ、前記微粒子と隣接する微粒子との間に微粒子間架橋を形成することによって、有機ゲル微粒子の集合体を得る有機多孔体の製造方法。 - 工程(ii)の後、工程(iii)において架橋性官能基を反応させる前に、架橋剤を混合する請求項5記載の有機多孔体の製造方法。
- 工程(ii)の後、工程(iii)において架橋性官能基を反応させる前に、架橋触媒を混合する請求項5または6記載の有機多孔体の製造方法。
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