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JP4063462B2 - ボールペン用油性インキ組成物 - Google Patents

ボールペン用油性インキ組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペン用油性インキとして好適に用いられ、筆跡の乾燥性や滑らかな筆感及びインキ付着によるペン先の汚れに優れた特性を持つインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来油性ボールペン用インキとしては、主にベンジルアルコール、フェニルセロソルブの混合溶剤から構成されるインキ粘度が6,000〜15,000mPa・sの高粘度インキが用いられている。しかしながら、この油性ボールペン用インキでは、粘度が高いことから書き味が重く、筆圧を高くしなければ紙面へのインキ転写をスムーズに行うことができないという欠点があった。また、筆跡が紙面中で滞留し、描線乾燥性が悪かったり、ペン先へのインキの濡れによる付着及び紙面ヘインキ溜まりの転写が生じ、手を汚すことがしばしばあった。いわゆるボテ現象である。さらに、このボテ現象のため太径のボールペン用として用いるのに適当でないという問題もあった。
【0003】
また、ボールペンの書き味やボテなどをよくすることを目的として曳系性ポリマーとしてポリビニルピロリドン(分子量100万以上)を使用したインキ粘度が20℃において2000〜10,000mPa・sの低粘度インキが提案されている(特開平8−157765号公報など)。しかしながら、この低粘度インキでは書き味はよくなるが、インキのボテ現象が起こり易く、更には、PPC用紙などへの裏抜け現象が発生するおそれがある。
【0004】
なお、低粘度の筆記具用油性インキとしては、マーキングペン用として主として低脂肪族アルコールから構成され3〜10mPa・sのインキがある。しかし、このマーキングペン用低粘度インキは、主にプラスチック、金属、ガラスなどの非吸着面用であり、乾燥性は速いがインキ転写量が多く粘度が低いためボールペン用あるいはPPCに代表される普通紙への使用は“色材の裏抜け”等の点で困難なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、難吸収面及び吸収面の両方を対象とした油性ボールペンとして書き味を良好にし、筆記描線の乾燥を促進し、手の汚れを少なくし、従来の様なフェルトペンの様な筆跡の裏抜けをすることなく筆記することを可能にし、また太字用にも好適に使用できるボールペン用油性インキ組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明におけるボールペン用油性インキ組成物は、以下に示す点を特徴とすることにより課題を解決できることを見いだし本発明を完成した。
(1)化学構造式Cn 2n+1OC3 6 OH(式中、nは1〜3の整数である。)を持つ溶剤を主溶剤とし、その主溶剤より低い蒸気圧を持ち粘度1〜50mPa・sの補助溶剤を含み、更に主溶剤あるいは補助溶剤に可溶な樹脂を含み、そのインキ粘度が25℃で800〜10,000mPa・sであることを特徴とするボールペン用油性インキ組成物。
【0007】
(2)前記樹脂として、主溶剤に可溶な300〜5000の分子量範囲を持つ樹脂と8000〜1,500,000の分子量範囲を持つ樹脂を併用することを特徴とする(1)のボールペン用油性インキ組成物。
(3)上記低分子量樹脂をインキ全量に対して1〜30%含み、上記高分子量樹脂としてポリビニルブチラール(PVB)を含み、PVBをインキ全量に対して1〜25%含むことを特徴とする(1)又は(2)のボールペン用油性インキ組成物。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の組成物に用いられる溶媒は、主溶剤としては、化学構造式Cn 2n+1OC3 6 OH(式中、nは1〜3の整数である。)を満足するものであり、具体的にいうと、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PnE)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(PnP)である。
【0009】
この主溶剤は2〜10mPa・s程度の低い粘度範囲を持ち、かつ揮発性が高いことを特徴とする。このように低粘度の揮発性主溶剤を用い、インキ粘度を800〜10,000mPa・sの範囲内に調整することにより、油性ボールペンの書き味を軽くすることができ、しかも、この主溶剤は揮発性が高いので速乾性に優れ、ボテのないインキを構成するのに有用である。
【0010】
本発明のインキ組成物の溶剤は、さらに1〜50mPa・sの低い粘度範囲を持ち、かつ上記の主溶剤より低い蒸気圧を持つ補助溶剤を併用する。このような補助溶剤を併用することにより、ペン先での乾燥性の抑制、インキ組成物中の原材料の溶解性の向上、あるいは、浸透乾燥現象の促進などを達成することができる。この補助溶剤が主溶剤より蒸気圧が高い場合、ペン先での乾燥が生じ易く、筆記初期時に不具合を生じやすくなる。従って、本発明は、補助溶剤として主溶剤より蒸気圧が高い溶剤をも含むことを排除するわけではないが、本発明のインキの特性を損なわない範囲内の量とすべきであり、また他の特性の調整、付与を目的としない限り、そのような溶剤は含まないことが望ましい。
【0011】
このような補助溶剤として具体的にアルコール類としては、炭素数が7以上の脂肪族アルコールであり、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−デカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコールやその他多種の高級アルコール等が挙げられる。
【0012】
また、多価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,3ブンタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の分子内に2個以上の炭素、2個以上の水酸基を有する多価アルコールが挙げられる。
【0013】
モノエーテルとしては、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
【0014】
更に多価アルコール類誘導体としてはソルビタン脂肪酸系、ポリグリセリン高級脂肪酸系、ショ糖脂肪酸系、プロピレングリコール脂肪酸系等の誘導体も挙げられる。
また、エステル類としては、プロピレングリコールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸プロピル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレート等様々なエステルが挙げられる。
【0015】
また、分子内に水酸基を持たない溶剤であるジエーテルやジエステル類としては具体的には、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
【0016】
また、本発明に用いる上記条件を満足する有機溶剤の配合に関しては、インキ中における主溶剤として使用する溶剤は、少なくとも溶剤全体の5割以上を占めなくてはならないが、その比率に関しては重量比で主溶剤/補助溶剤=9.9/0.1〜1/1、好ましくは9/1〜6/4までの幅広い範囲であるが、両者が混在していないとペン先での不具合を生じてしまい、製品としての経時的な安定性が確保できない。
【0017】
また、これら混合溶剤のインキ中の配合量は使用する溶剤種によってその配合量は変動するものであり、インキ組成物全量に対し、30〜80重量%、好ましくは35〜70重量%である。有機溶剤の配合量が30重量%未満であると、インキとしての流動性が乏しくなり、80重量%を越えると、着色剤や樹脂及びその他の添加剤の割合が少なくなり、製品の品質に大きく影響を及ぼすことになるので、好ましくない。
【0018】
本発明の油性ボールペン用インキ組成物は、上記のような低粘度の溶剤混合物を用いることを特徴とすると共に、インキ組成物としての粘度を800〜10000mPa・sの範囲内に調整することをもう1つの重要な特徴とする。好ましい粘度は1000〜6000mPa・sである。低粘度かつ速乾性の溶剤を用いかつ油性ボールペンとして、書き味をよくしながら、インキの粘度を800〜10000mPa・sとすることにより、繊維質のあらい普通紙に対する色材の裏抜けや溶剤の滞留による様々の不具合を解消することができる。また、ペン先でのインキの濡れにより生じるボテ現象にまつわる不具合も解消され、さらに太径のボールペンでも好適に使用できるようにされる。
【0019】
本発明のボールペン用油性インキ組成物の粘度の調整方法は、特に限定されるわけではない。
しかし、本発明のボールペン用油性インキ組成物では、必ず主溶剤又は補助溶剤の少なくとも一方、好ましくは少なくとも主溶剤に可溶な樹脂を用いる。この樹脂は、インキの粘度調整の主要成分として用いられるものである。しかし、その他、固形分の調整、ペン先の摩耗抑制、色材の定着剤、固着剤などの目的もある。
【0020】
好適には、この樹脂として300〜5000の分子量範囲の低分子量樹脂と8000〜1,500,000(好ましくは1,000,000未満)の分子量範囲の高分子量樹脂を併用する。低分子量樹脂は固形分の調整、粘度の調整、ペン先の摩耗の抑制などに寄与し、高分子量樹脂はインキ粘度の増粘効果と、固形分の低減のために用いるものである。これらの樹脂は具体的には相溶性やインキの他の成分への影響などを考慮して決められるが、下記の如き樹脂を例示することができる。
【0021】
分子量300〜5000の低分子量樹脂としては、ケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂等に代表される樹脂がある。
【0022】
低分子量樹脂の配合量としては1〜30重量%がよく、より好ましくは1〜25重量%であり、更に好ましくは1〜20%である。その配合量が1%未満であると粘度調整やペン先での摩耗が困難となり、30%超だと樹脂以外の原材料が配合できにくくなったり、書き味に悪影響を及ぼすことになる。
また、分子量8000〜1500000の高分子量樹脂としては、ポリビニルブチラール、セルロース系樹脂、ポリビニルピロリドン、高分子量のアクリル樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。ただし、本発明にはポリビニルブチラールが好適である。
【0023】
高分子量樹脂の配合量としては1〜25重量%がよく、より好ましくは1〜23重量%であり、更に好ましくは1〜20%である。その配合量が1%未満であると粘度調整が困難となり、25%超だと樹脂以外の原材料が配合できにくくなる。
本発明のインキ組成物の色材に顔料を使用する場合、用いる分散剤としては上記に挙げたような樹脂の中から顔料を分散できるものを選択して使用することができ、活性剤やオリゴマーでも目的にあえばどの様なものでも種類を問わない。具体的な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、スチレン−マレイン酸共重合体、ケトン樹脂、ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体等の合成樹脂やPO・EO付加物やポリエステルのアミン系オリゴマー等が挙げることができる。
【0024】
本発明のボールペン用油性インキに用いる着色剤としては染料及び顔料が使用できる。染料としては、通常の染料インキ組成物に用いられる直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、酒精溶性染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、食用染料、金属錯塩染料等や通常の顔料インキ組成物に用いられる無機および有機顔料の中から任意のものを使用することができる。その配合量は、組成物全量当たり、一般的に1〜50重量%の範囲で選ばれる。
【0025】
また、顔料としては、用いる有機溶剤に溶解し難く分散後の平均粒径が30nm〜700nmとなるものが好ましい。顔料の配合量は、インキ組成物全量に対し、0.5〜25重量%、好ましくは0.5〜20重量%までの範囲で必要に応じて配合することができる。
使用できる顔料は、単独又は2種以上の混合で使用することができる。また、必要に応じて無機顔料を用いた分散体や染料等も分散安定性に悪影響を与えない程度で添加することができる。更に、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル、アクリルニトリル、オレフィン系モノマーを重合して得られる樹脂エマルションや、インキ中では膨潤して不定形となる中空樹脂エマルション、または、これらのエマルション自身を着色剤で染着して得られる染着樹脂粒子からなる有機多色顔料等が挙げられる。
【0026】
本発明に使用する色材が顔料である場合は、顔料分散インキ組成物を製造するには、従来から公知の種々の方法が採用できる。例えば、上記各成分を配合し、ディゾルバー等の攬拌機により混合攬拌することによって、また、ボールミルやロールミル、ビーズミル、サンドミル、ピンミル等によって混合粉砕した後、遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子、及び未溶解物、混入固形物を取り除くことによって容易に得ることができる。
【0027】
更に、本発明のボールペン用油性インキ組成物では必要に応じて、インキに悪影響を及ぼさず相溶することができる防錆剤、防黴剤、界面活性剤、潤滑剤及び湿潤剤等を配合することができる。特に脂肪酸などは、潤滑剤として好適に使用できる。また、乾燥抑制用添加剤として製品特性上、悪影響を及ぼさない範囲で主溶剤に相溶する不揮発性溶剤等も配合することができる。
【0028】
本発明のインキ組成物をボールペンに用いる場合には、インキ追従体をボールペン後端部に付与することが好ましい。主溶剤である揮発性溶剤のプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルや補助溶剤の揮発性が高いので、揮発防止、吸湿性防止、インキ漏れ防止としてインキ追従体を添加するものである。インキ追従体としては、インキに使用する溶剤に対して低透過性、低拡散性が必要であり、そのベースとしては不揮発性や難揮発性の流動体、具体的には、ポリブテンや流動パラフィン等を使用することができる。これらの粘度が低い場合、増粘剤やゲル化剤等を用いるとよい。具体的には、金属セッケン類、ベントナイト類、脂肪酸アマイド類、水添ヒマシ油類、酸化チタンやシリカやアルミナ等を含む金属微粒子類、セルロース類などが挙げられる。
【0029】
本発明のボールペン用油性インキ組成物によれば、インキ転写量の制御が可能となり、PPC用紙に代表される普通紙への“色材の裏抜け”等の点を解決し、従来の油性ボールペン溶剤を使用しないことで筆記後の溶剤滞留による経時的な色材の拡散及び描線乾燥性を解消する。また、速乾性に優れるので太径のボールペン用としても好適に使用することができる。また、ペン先へのインキの濡れが促進することによるペン先上のインキ付着及び紙面へのインキ溜まりの転写等いわゆるボテ現象を抑制することで、手の汚れ等の問題を解消し、従来の高粘度インキとしての書き味の悪さや低筆圧でも紙面にインキを転写することを可能にする。
【0030】
この様な効果を発揮する理由としてはインキ組成に特徴があり、今まで2〜10mPa・s程度の粘度範囲を持つサインペン用インキとして使用されてきた溶剤を主溶剤とし、800〜10000mPa・sの粘度範囲を持つインキとして調製することにより、繊維質のあらい普通紙に対する色材の裏抜けや溶剤の滞留による様々な不具合を解消する。また、ペン先でのインキの濡れにより生じるボテ現象にまつわる不具合も制御することができる。更には2種以上の樹脂併用による樹脂の配合割合、粘度範囲等から軽い書き味とペン先の摩耗を抑制することを可能にするボールペン用油性インキ組成物を提供することが可能となった。
【0031】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、この実施例によって限定されるものではない。
以下のような配合(重量基準)でディスパー攬拌あるいはロールミル分散によりインキを作成した。下記において、M.W.は分子量を表わし、主溶剤及び補助溶剤については20℃蒸気圧及び25℃粘度を示す。また、作成されたインキの25℃粘度を併せて示す。
Figure 0004063462
Figure 0004063462
Figure 0004063462
Figure 0004063462
Figure 0004063462
Figure 0004063462
作成したインキの評価テストを下記の様に行った。
【0032】
試験に用いたボールペンは、内径1.60mmのポリプロピレンチューブ、ステンレスチップ(ボールは超硬合金で、直径1.4mmである)を有するものである。このボールペンに実施例、比較例、参考例で得られたインキを充填し、下記試験を行った。
1)粘度:E型回転粘度計を用いて25℃で測定した。各粘度範囲については下記の様に示す。
【0033】
800〜10000mPa・s;A、800mPa・s未満;B、10000mPa・sより高いもの;C
2)描線乾燥性:PPC用紙にフリーハンド筆記(丸書き)した直後、ティッシュにて描線を擦過する。
色材が取れなかったもの;○、やや取れたもの;△、非常に取れたもの;×とした。
【0034】
3)ボテ現象防止性:所定のインキをボールペンに充填した後、機械筆記試験機にて速度4.5m/min 、角度60℃、荷重200gの条件で筆記した後にチップホルダーに付着したインキの量を観察し、ほとんどないもの;◎、僅かにあるもの;○、少し多いものを;△、非常に多いもの;×として評価した。
4)筆跡の裏抜け性:PPC用紙にフリーハンド筆記(丸書き)した1日後の裏面を目視にて観察する。
【0035】
色材が裏抜けしなかったもの;○、多少色抜けしたもの;△、裏抜けしたもの;×
5)書き味:所定のインキを充填したボールペンでフリーハンドで筆記した時の筆感を感応的に相対比較し、非常に軽い書き味;◎、軽い書き味;○、やや重い書き味;△、重い書き味;×とした。
【0036】
6)ペン先乾燥性:PPC用紙にフリーハンド筆記(丸書き)した後1時間放置し、最初に「カスレ」が生じる度合いについて下記の様に評価した。
カスレが生じ難いもの;○、カスレが生じやすいもの;×とした。
評価の結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004063462
【0038】
以上の結果から明らかなように本発明の範囲となる実施例1〜6のインキ組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜7のインキ組成物に比べてインキ流動性や経時的な分散安定性の点で非常に優れていることが判明した。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の油性ボールペンにはない性能として難吸収面及び吸収面を対象とした油性ボールペンとして筆記描線の乾燥性を促進してインキの紙面への滞留を解消し、手の汚れを少なくし、書き味を良好にし、従来の様なフェルトペンをの様な筆跡の裏抜けをすることなく筆記することを可能にし、太径のボールペンに好適なボールペン用油性インキ組成物が提供される。

Claims (2)

  1. 化学構造式Cn2n+1OC36 OH(式中、nは1〜3の整数である)を持つ溶剤を主溶剤とし、その主溶剤より低い蒸気圧を持ち粘度1〜50mPa・sの補助溶剤を含み、更に主溶剤に可溶な300〜5000の分子量範囲を持つ樹脂と8000〜1,500,000の分子量範囲を持つ樹脂を併用し、インキ粘度が25℃で800〜10,000mPa・sであることを特徴とするボールペン用油性インキ組成物。
  2. 分子量範囲が300〜5000の前記低分子量樹脂をインキ全量に対して1〜30%含み、分子量範囲が8000〜1,500,000の前記高分子量樹脂としてポリビニルブチラールを含み、ポリビニルチラールをインキ全量に対して1〜25%含むことを特徴とする請求項に記載のボールペン用油性インキ組成物。
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