JP2012082338A - 油性ボールペン用インク組成物およびそれを用いたボールペン - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、油性ボールペンに用いられるインク組成物およびそれを用いたボールペンに関する。
油性ボールペンでは、書き出し時に、ボールチップ先端部のインクの溶剤が蒸発してインクが増粘した場合、インクが吐出し難くなって筆跡がカスレたりボールが十分回転する様になるまで十分濃い筆跡が得られないといった現象が知られている。しかし、書き出し時ではなく、筆記している途中で、インクがカスレたり、文字が書けないといったことが起きる場合がある。
一般的に、ボールペンは、チップ先端部のボールに付着したインクが、ボールが回転することにより紙面に転写され、筆記することができる。しかしこの時に、ボールにインクが付着していないと、ボールとボールホルダーの摩擦力が大きくなり、相対的に紙とボールとの間の摩擦力は小さくなって、ボールは回転しない。筆記時にこの状態が生じると、ボールは回転せずに紙面上を滑って筆記できないという現象が発生する。これを、紙滑り現象と呼んでいる。
従来、油性ボールペン用インクとしては、主にベンジルアルコール等の芳香族アルコール系溶剤から構成される、インク粘度が6,000〜15,000mPa・sの高粘度インクが用いられてきた。粘度が高いインクは書き味が重く、筆圧を高くしなければ紙面へのインク転写をスムーズに行うことが難しい。最近では、油性ボールペンの書き味をよくする(筆感を軽くする)ことを目的として、低粘度溶剤を用いて、インク粘度を低くすることが提案されている。
しかし、これらの低粘度溶剤を用いたインクはボールやボールホルダーに対して濡れが悪くなり、ボールにインクが付着しにくい傾向があることがわかった。特に低粘度であるが故に、筆圧がかかった時に、ボールとボールホルダーの間のインク膜厚が薄くなりやすい。インクがボールを十分に濡らさないと、上述した紙滑り現象が発生し易くなる。特に、付箋紙、コート紙等の表面処理された紙に筆記する場合には、紙滑り現象が発生する傾向が高い。また、通常の筆記動作は、ペン軸を引くようにして筆記するが、これとは反対にペン軸を押すようにして筆記する(いわゆる、押し書き)場合に、特に、この現象は発生し易い。
本発明は、書き味がよく(筆感が軽く)、且つ上述の紙滑り現象を抑制した油性ボールペン用インク組成物及びそれを用いた油性ボールペンを提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明における油性ボールペン用インク組成物は、以下に示す点を特徴とすることにより課題を解決できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の主旨とするところは、以下のとおりである。
(1)少なくとも着色剤及び主溶剤として下記に示す分子構造:
(1)少なくとも着色剤及び主溶剤として下記に示す分子構造:
を含んでなる油性ボールペン用インク組成物であって、
ピロール、γ−ラクタム、インドール、イミダゾール又はそれらの誘導体から選ばれるモノマー又はオリゴマーである添加剤を、前記インク組成物の全量基準で0.5〜20質量%含むことを特徴とする油性ボールペン用インク組成物。
ピロール、γ−ラクタム、インドール、イミダゾール又はそれらの誘導体から選ばれるモノマー又はオリゴマーである添加剤を、前記インク組成物の全量基準で0.5〜20質量%含むことを特徴とする油性ボールペン用インク組成物。
(2)前記添加剤が、環内に原子団−CO−NR−(ここで、Rは水素または、アルキル基もしくはアリール基である)を含むことを特徴とする請求項1に記載の油性ボールペン用インク組成物。
(3)前記請求項1又は2に記載の油性ボールペン用インク組成物を用いるボールペン。
本発明は、油性ボールペン用インクとして好適に用いられ、従来の油性ボールペンに比べ、筆跡の柔らかく滑らかな筆感を提供し、且つ耐紙滑り性に優れた油性ボールペン用インク組成物を提供する。
本発明のインク組成物に用いられる主溶剤(全溶剤の50質量%以上を占める溶剤)としては、次の分子構造(1)を有するものである:
分子構造(1)に含まれる溶剤としては、例えば、1,3ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、へキシレングリコール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等が挙げられる。
上述した溶剤の中で特に好ましいのは、炭素数5〜7のグリコールエーテルであって本発明において特に有用である。
上述した主溶剤のほかに補助溶剤として、分子構造内に芳香環を有する、アルコール、多価アルコール、エーテル、エステル等を、インク組成物の全量基準で0.1〜15質量%の量で用いることができる。
具体的に、アルコール類としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−デカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコールやその他多種の高級アルコール等が挙げられる。
また、多価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、オクチレングリコール等の分子内に2個以上の炭素、2個以上の水酸基を有する多価アルコールが挙げられる。
エーテルとしては、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールターシャリ−ブチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
エステル類の溶剤としては例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレート、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリクリセリン高級脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等様々なエステルが挙げられる。
また、上記以外の溶剤として、ジエーテルやジエステルを用いることができ、具体的には、例えば、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
本発明の油性ボールペン用インクは、添加剤を含有することを特徴とし、これにより、耐紙滑り性に優れた油性ボールペン用インク組成物を提供する。
本発明の油性ボールペン用インクに用いることができる添加剤は、ピロール類、γ−ラクタム類、インドール類、イミダゾール類及びそれらの誘導体から選ばれるモノマー又はオリゴマーである。なお、本願発明におけるオリゴマーとは重合度が2〜20のものをいう。
本発明の油性ボールペン用インクに用いることができるピロール類としては、ピロール、N−メチルピロール、1−エチルピロール、3−メチルピロール、2-エチルピロール、1,2,5−トリメチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール等が挙げられる。
本発明の油性ボールペン用インクに用いることができるγ−ラクタムとしては、2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−ビニル−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、ピラゾロン、3−メチル−5−ピラゾロン、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン等が挙げられる。
本発明の油性ボールペン用インクに用いることができるインドールとしては、N−メチルインドール、2−メチルインドール、3-メチルインドール、4−メチルインドール、5−メチルインドール、6−メチルインドール、7-メチルインドール等が挙げられる。
本発明の油性ボールペン用インクに用いることができるイミダゾールとしては、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記の添加剤の中でもγ−ラクタム類が特に好ましい。γ−ラクタムは五員環中に、原子団−CO−NR−を含む化合物である。ここで、Rは水素または、アルキル基もしくはアリール基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、が挙げられる。アリール基としては、フェニル基が挙げられる。
具体的には、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、ビニルピロリドン、ピラゾロン、3−メチル−5−ピラゾロン、又は3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン等が好ましい。
これらの化合物の配合量としては、インク組成物の全量基準で前記インク組成物の全量基準で0.5〜20質量%であり、より好ましくは5〜10質量%である。
その配合量が0.5質量%未満であると、十分な効果が得られず好ましくない。また、20質量%を超えると、目的とする効果は得られるものの、インクの安定性が損なわれる場合があり好ましくない。
本発明の油性ボールペン用インク組成物は、インクの粘度調整および耐擦過性の向上のために樹脂を用いることができる。本発明の油性インク組成物に使用することができる樹脂としては、例えば、ケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレンーアクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂がある。
これらの樹脂のインク組成物への配合量は、1〜30質量%であり、より好ましくは1〜20質量%である。その配合量が1質量%未満であると粘度調整やペン先での摩耗防止が困難となり、30質量%を超えると樹脂以外の原材料が配合できなくなったり、書き味に悪影響を及ぼすことになる。
本発明の油性ボールペン用インク組成物に用いることができる着色剤としては、顔料または顔料と染料との併用が考えられる。
本発明のインク組成物の着色剤に顔料を使用する場合、用いる分散剤としては上記に挙げるような樹脂の中から顔料を分散できるものを選択して使用することができる。また、活性剤やオリゴマー等、本発明の目的に合えばどの様なものでも用いることができる。具体的な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、スチレン−マレイン酸共重合体、ケトン樹脂、ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体等の合成樹脂やPO・EO付加物やポリエステルのアミン系オリゴマー等が挙げることができる。
本発明のインク組成物の着色剤に顔料を使用する場合、用いる分散剤としては上記に挙げるような樹脂の中から顔料を分散できるものを選択して使用することができる。また、活性剤やオリゴマー等、本発明の目的に合えばどの様なものでも用いることができる。具体的な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、スチレン−マレイン酸共重合体、ケトン樹脂、ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体等の合成樹脂やPO・EO付加物やポリエステルのアミン系オリゴマー等が挙げることができる。
着色剤として用いる顔料は使用する有機溶剤に溶解し難く、そして分散後の平均粒径が30nm〜700nmとなるものが好ましい。顔料の配合量は、インク組成物全量に対し、0.5〜25質量%の範囲で必要に応じて配合することができ。好ましくは、0.5〜20質量%の範囲で配合することができる。
顔料としては、例えば、カーボンブラック、フタロシアニン、アゾ、キナクリドン、ジケトピロロピロール、インダスレン、ジオキサジン等の有機顔料を使用することができる。顔料は単独で、または2種以上の混合で使用することができる。また、必要に応じて無機顔料を用いた分散体も分散安定性に悪影響を与えない程度で添加することができる。更に、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル、アクリルニトリル、オレフィン系モノマーを重合して得られる樹脂エマルションや、インク中では膨潤して不定形となる中空樹脂エマルション、または、これらのエマルション自身を着色剤で染着して得られる染着樹脂粒子からなる有機多色顔料等も用いることができる。
着色剤が顔料である場合、顔料分散インク組成物の製造には、従来から公知の種々の方法が採用できる。例えば、上記各成分を配合し、ディソルバー等の撹拌機により混合撹拌することによって、および/または、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、サンドミル、もしくはピンミル等によって混合粉砕した後、遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子、及び未溶解物、混入固形物を取り除いて容易に得ることができる。
着色剤として顔料と染料とを併用する場合、併用する染料は分散系を破壊しないものであればいずれの染料も使用することができる。それらの染料の例としては、通常の染料インク組成物に用いられる直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、酒精溶性染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、食用染料、金属錯塩染料等や通常の顔料インク組成物に用いられる無機および有機顔料の中から任意のものを使用することができる。その配合量は、組成物全量当たり1〜50質量%の範囲となることができる。
更に、本発明では必要に応じて、インクに悪影響を及ぼさず相溶することができる防錆剤、防徽剤、界面活性剤、潤滑剤および湿潤剤等を配合することがでる。特に脂肪酸等は、潤滑剤として好適に使用できる。また、製品特性上、悪影響を及ぼさない範囲で主溶剤に相溶する不揮発性溶剤等を、乾燥抑制用添加剤として配合することができる。
本発明のボールペンは、ボール、チップホルダーからなるペン先、インク収容管、チップと該収容管をつなぐ継ぎ手、ペン軸等から構成され、前記インク収容管に本発明のボールペン用インク組成物を充填したものである。
本発明のインク組成物をボールペンに用いる際には、インク追従体をボールペン後端部に付与することが好ましい。使用する溶剤は揮発性が高いので、揮発防止、吸湿性防止、インク漏れ防止としてインク追従体を添加するものである。
インク追従体としては、インクに使用する溶剤に対して低透過性、低拡散性であることが重要であり、そのベースとしては不揮発性や難揮発性の流動体、具体的には、ポリブテンや流動パラフィン等、本発明で用いる化学構造式1で表される溶剤と基本的に相溶性を有さない非シリコン系の油脂類を使用することができる。これらの物質の粘度が低い場合は、増粘剤やゲル化剤を用いるとよい。具体的例としては、金属セッケン類、ベントナイト類、脂肪酸アマイド類、水添ヒマシ油類、酸化チタンやシリカやアルミナ等を含む金属微粒子類、セルロース類、エラストマー類等が挙げられる。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1
実施例1〜6では、添加剤として、2−ピロリドンを用い、その添加量をそれぞれ、10質量%、5質量%、3質量%、1質量%とした。比較例1は添加剤である2−ピロリドンを含んでいない。実施例1〜6、比較例1のインク組成物の組成は次の表1のとおりであった。
実施例1〜6では、添加剤として、2−ピロリドンを用い、その添加量をそれぞれ、10質量%、5質量%、3質量%、1質量%とした。比較例1は添加剤である2−ピロリドンを含んでいない。実施例1〜6、比較例1のインク組成物の組成は次の表1のとおりであった。
実施例1〜6、比較例1のインク組成物に用いた材料の詳細は以下の表2とおりである。
実施例1〜6、比較例1のインク組成物をボールペンのインク収容管に充填し、下記評価テストを行った。この試験に用いたボールペンは、三菱鉛筆株式会社製SXN−150−05(ボール径0.5mm)であった。また、充填した後、所定にて30分後に耐紙滑り性の評価を行った。
耐紙滑り性評価
温度25℃、湿度65%の条件下でボールペンを機械筆記試験機に筆記角度70度にセットし、筆記時にペンを回転させない状態で固定し、筆記荷重40g、筆記速度を0.1〜0.5m/分の範囲で0.1m/分ずつ変化させ、鈍角方向(即ち110度の方向)へ押し出すようにそれぞれ50mm、計250mmの直線を、付箋紙(住友スリーエム社製:商品名ポスト・イット)の表面側に筆記し、筆記描線の長さを測定した。実施例1〜6、比較例1のインク組成物に対してそれぞれ5回実施して、その平均値を求めた。結果を表5に表す。
温度25℃、湿度65%の条件下でボールペンを機械筆記試験機に筆記角度70度にセットし、筆記時にペンを回転させない状態で固定し、筆記荷重40g、筆記速度を0.1〜0.5m/分の範囲で0.1m/分ずつ変化させ、鈍角方向(即ち110度の方向)へ押し出すようにそれぞれ50mm、計250mmの直線を、付箋紙(住友スリーエム社製:商品名ポスト・イット)の表面側に筆記し、筆記描線の長さを測定した。実施例1〜6、比較例1のインク組成物に対してそれぞれ5回実施して、その平均値を求めた。結果を表5に表す。
表5の添加量に対する耐紙滑り性の結果から明らかなように、効果が添加量に比例し、5質量%以上添加することで良好な結果が得られることが分かった。
実施例7〜16、比較例2,3
実施例7〜12では、添加剤として、それぞれ、1−メチル−2ピロリドン、4−メチルイミダゾール、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、2−メチルインドール、ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー(重合度3〜4)を用いた。比較例2,3はいずれも、添加剤を含んでいない例である。実施例7〜16、比較例2,3のインク組成物の組成は次の表3のとおりである。
実施例7〜12では、添加剤として、それぞれ、1−メチル−2ピロリドン、4−メチルイミダゾール、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、2−メチルインドール、ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー(重合度3〜4)を用いた。比較例2,3はいずれも、添加剤を含んでいない例である。実施例7〜16、比較例2,3のインク組成物の組成は次の表3のとおりである。
実施例7〜16、比較例2、3のインク組成物で実施例1〜6で用いた以外の材料の詳細は以下の表4のとおりである。
実施例7〜16、比較例2,3のインク組成物をボールペンのインク収容管に充填し、下記評価テストを行った。この試験に用いたボールペンは、三菱鉛筆株式会社製SXN−150−05(ボール径0.5mm)であった。また、充填した後、所定にて30分後に耐紙滑り性の評価を行った。
耐紙滑り性評価
温度25℃、湿度65%の条件下でボールペンを機械筆記試験機に筆記角度70度にセットし、筆記時にペンを回転させない状態で固定し、筆記荷重40g、筆記速度を0.1〜0.5m/分の範囲で0.1m/分ずつ変化させ、鈍角方向(即ち110度の方向)へ押し出すようにそれぞれ50mm、計250mmの直線を、付箋紙(住友スリーエム社製:商品名ポスト・イット)の表面側に筆記し、筆記描線の状態を観察した。実施例7〜16、比較例2,3のインク組成物に対してそれぞれ5回実施して、その平均値を求めた。結果を表5に表す。
温度25℃、湿度65%の条件下でボールペンを機械筆記試験機に筆記角度70度にセットし、筆記時にペンを回転させない状態で固定し、筆記荷重40g、筆記速度を0.1〜0.5m/分の範囲で0.1m/分ずつ変化させ、鈍角方向(即ち110度の方向)へ押し出すようにそれぞれ50mm、計250mmの直線を、付箋紙(住友スリーエム社製:商品名ポスト・イット)の表面側に筆記し、筆記描線の状態を観察した。実施例7〜16、比較例2,3のインク組成物に対してそれぞれ5回実施して、その平均値を求めた。結果を表5に表す。
評価基準
200mm以上紙滑り現象を起こすことなく筆記できた:◎
筆記できた距離が125mm以上200mm未満:○
筆記できた距離が75mm以上125mm未満:△
筆記できた距離が75mm未満:×
この評価基準で△、○、◎と判定されたものを、合格とした。
200mm以上紙滑り現象を起こすことなく筆記できた:◎
筆記できた距離が125mm以上200mm未満:○
筆記できた距離が75mm以上125mm未満:△
筆記できた距離が75mm未満:×
この評価基準で△、○、◎と判定されたものを、合格とした。
以上の結果から明らかなように、本発明の範囲に入る実施例7〜16のインク組成物は、添加剤を含まない比較例2、3のインク組成物に比べて明らかに紙滑り性の改善が見られた。また、樹脂の種類を変えてもその効果に大きな差は現われなかった。
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