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JP2007153941A - ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

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JP2007153941A
JP2007153941A JP2005347298A JP2005347298A JP2007153941A JP 2007153941 A JP2007153941 A JP 2007153941A JP 2005347298 A JP2005347298 A JP 2005347298A JP 2005347298 A JP2005347298 A JP 2005347298A JP 2007153941 A JP2007153941 A JP 2007153941A
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ink
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writing
ink composition
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Akiko Itabashi
明子 板橋
Katsuji Arisawa
克二 有澤
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Pentel Co Ltd
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Pentel Co Ltd
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Abstract


【目的】 早線割れ、洩れのない良好な筆跡と軽い筆記感を併せ持つボールペン用油性インキ組成物を得ること。
【構成】 顔料と有機溶剤と粘度調節剤と0.1重量%未満の非ニュートン粘性付与剤を含有し25℃でのせん断速度500s−1における粘度が800〜5000mPa・sであり、せん断速度5s−1における粘度が3000〜20000mPa・sであり、非ニュートン粘性指数が0.5以上0.9以下であるボールペン用油性インキ組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、線割れのない良好な筆跡が得られ、ペン先への下向き時のインキ洩れがなく筆記感が良好でボールペンの経時上下濃度差防止と経時分散安定性に優れたボールペン用顔料インキ組成物に関するものである。
従来、書き味の軽いボールペンインキとして、特開2002−003772号公報(特許文献1)に記載の発明には、顔料と、樹脂として分子量25万以上の高分子量ポリビニルピロリドンを1〜5%含有させ、インキの粘度を1.5Pa・s以下としたインキが開示されている。
また、特開平08−311388号公報(特許文献2)に記載の発明には、書き味が軽くインキ洩れを発生させないために、染料、有機溶剤、ケトン樹脂、ポリビニルピロリドンと共に、非ニュートン粘性付与剤としてアマイドワックスを添加したインキが開示されている。
特開2002−003772号公報 特開平08−311388号公報
特許文献1に記載の発明では、書き味を軽くするため粘度が1.5Pa・s以下であるために、筆記後ペン先を下にして放置しておくと、ボールペンチップのボールとボールホルダーとの微細な隙間からインキが洩れだして、ペン先やペン先に接触している物を汚すことがあった。
特許文献2に記載の発明では、詳細な説明中には着色材として染料、顔料ともに使用できると記載されているものの、実施例に具体的なインキとして開示されているのは、染料を使用したもののみで、顔料を使用した具体的なインキ及びその品質についての記載はない。染料は、インキに溶解する成分であるが、顔料を使用すると、インキ中の固形分量が多くなるために、筆記線が均一にならず筆記線の中心部に近い部分にインキが転写しない「線割れ」と呼ばれる現象や、低温環境下でインキ粘度が急増し、筆記カスレが発生するなどの筆記線の品質に問題があることがあり、また、低温環境下での粘度上昇は筆記感が重くなる原因ともなる。また、非ニュートン粘性付与剤と顔料とに凝集が起こり、経時的に、これらが顔料と共に沈降し、ペン先下向きでしばらく置いた後の筆記線が濃くなったり筆記カスレや筆記不能の原因となりやすいものであった。
本発明の目的は、線割れのない良好な筆記線が得られ、ペン先下向き時のインキ洩れがなく、筆記感が良好で、ボールペンの経時上下濃度差防止と経時分散安定性に優れたボールペン用顔料インキ組成物を提供することである。
本発明は、溶剤と、粘度調節剤と、顔料と、インキ全量に対し0.1重量%未満の非ニュートン粘性付与剤とから少なくともなり、25℃でのせん断速度500s−1における粘度が800mPa・s以上5000mPa・s以下であると共に、せん断速度5s−1における粘度が3000mPa・s以上20000mPa・s以下であり、非ニュートン粘性指数が0.5以上0.9以下であるボールペン用顔料インキ組成物を要旨とするものである。
本発明は、線割れ、インキ洩れや経時濃度差のない良好な筆跡を得られ、筆記感の良好なボールペン用顔料インキ組成物である。
本発明では、筆記状態に近いせん断速度500s−1における粘度を800mPa・s以上5000mPa・s以下として良好な筆記感を持たせ、静止状態に近いせん断速度5s−1における粘度を3000mPa・s以上20000mPa・s以下とすることで顔料の沈降による経時上下濃度差とインキ洩れを防止する。非ニュートン粘性指数は0.5以上0.9以下とする。0.9より大きいとせん断減粘性が不足し静止時粘度が低いためペン先からのインキ洩れが発生したり、これを防ぐために粘度を高めに調整すると書き味が重くなる。0.5より小さいと逆にせん断減粘性が強すぎ早書きカスレが生じる原因となる。
また、非ニュートン粘性付与剤の添加量を0.1重量%未満とすることで、顔料と非ニュートン粘性付与剤との接触機会が少なくなり、両者の凝集を極力抑制でき、経時における顔料分散安定性に優れたインキが得られる。
また、インキ成分中の全ての溶剤に対し沸点150℃以上の有機溶剤を60重量%以上含有することで溶剤蒸発を抑制することによりペン先部の顔料と非ニュートン粘性付与剤の凝集を防ぎ、カスレや書きだし時の筆記感が悪くなるのを防止できる。
更に、インキを15℃におけるせん断速度500s−1における粘度が10000mPa・s以下にすることで低温環境でも書き味の軽い顔料インキとすることができる。
以下に発明を詳細に検討する。本発明の非ニュートン粘性付与剤はインキ溶剤に良好に溶解し0.1重量%未満の添加で非ニュートン粘性指数が0.6以上0.9以下である十分なせん断減粘性を付与できるものであれば、無機・有機物を問わずに使用できる。好ましくは、ポリビニルブチラール(PVB)の高分子量タイプ(平均重合度1500以上程度)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の高分子量タイプ(平均分子量800000以上程度)、エチルヒドロキシエチルセルロース(HEEC)(平均重合度1600以上程度)などが好適に使用できる。添加量は0.1重量%未満であることが必要であり、それ以上添加すると筆記線が均一にならず、筆記線の中心部に近い部分にインキが転写しない「線割れ」が発生したり、顔料と非ニュートン粘性付与剤が凝集し、経時濃度変化やペン先に凝集物が詰まることによるカスレや筆記不能が発生しやすい。
本発明のボールペン用顔料インキ組成物は25℃での非ニュートン粘性指数が0.6以上0.9以下である。非ニュートン粘性指数は、降伏値のないインキの場合、S=αD(ただし1>n>0)、降伏値のあるインキの場合、S=αD+s0(ただし1>n>0)で示される粘性式中の「n」を指す。Sはせん断応力(Pa)、Dはせん断速度(s−1)、αは非ニュートン粘性係数を、s0は降伏値(Pa)を示す。非ニュートン粘性指数の測定は温度25℃で適切なコーンプレートを使用し、せん断速度1s−1以上500s−1以下で行う。
着色剤を顔料としたインキ組成物は固形分量が多いため、温度による粘度変化が大きくなる傾向があり、このため低温筆記時にインキ粘度が高くなりすぎ書き味が重くなったりインキの追従性が悪くなり筆記カスレが発生することがある。これを防ぐためには15℃におけるせん断速度500s−1における粘度が10000mPa・s以下であることが好ましい。
溶剤は、通常ボールペン用インキに使用できる溶剤であれば限定なく使用できる。例えば、水、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、等のグリコールエーテル系溶剤や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等のグリコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロプル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−n−アミル、酢酸−2−エチルヘキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸−n−ブチル等のエステル系溶剤、ベンジルアルコールやそのエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイド付加誘導体、β−フェニルエチルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルやそのエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイド付加誘導体等の芳香環を持つグリコールエーテル系溶剤が使用可能である。油性ボールペン用溶剤としてはインキ成分中の全ての溶剤に対し沸点150℃以上の有機溶剤を60重量%以上含有することが好ましい。低沸点の有機溶剤が全溶剤の60%以上を占めるとペン先での乾燥のためインキ中の顔料が固化し書き出し時の筆記感が重くなったり筆記できなくなったりする。特に、油性ボールペンに頻用されているエチレングリコールモノフェニルエーテルやベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ヘキシレングリコール、などが好適に使用でき、これらは単独で用いてもまた2種以上混合して用いても良く、配合量はインキ組成物全量に対し15〜90重量%である。
粘度調節剤としては、インキ溶剤に溶解する従来公知の樹脂を添加することができる。具体的にはアクリル樹脂、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、テルペン−フェノール共重合物、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物、フェノール樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、N−ビニルアセトアミド、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースやこれらの共重合体や各種誘導体などが挙げられる。これらの樹脂は粘度調節剤としてだけではなく顔料分散剤として使用したものも含まれる。
着色材としての顔料は不溶性アゾ顔料、アゾレーキ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、ペリノン、ペリレン系顔料などの有機顔料や酸化鉄、カーボンブラック、酸化チタン、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、群青、紺青等の無機顔料及び蛍光顔料、樹脂粒子を染料で着色した顔料で使用樹脂粒子がインキ溶剤に溶解しないものが使用でき、顔料の分散安定、結晶化制御などのためにあらかじめ活性剤、樹脂、顔料誘導体などで顔料表面を処理したものでもよい。また色調の調整や濃度向上に従来公知の染料を併用することもできる。顔料として具体的には以下のものが挙げられる。
黒色顔料としてはカーボンブラックが使用できる。チャンネル、ファーネスどちらのカーボンブラックも好適に使用できるが中性〜酸性カーボンブラックの方が溶剤内での分散性に優れる。青色顔料としては例えばC.I.Pigment Blue 2、同9、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同28、同29、同36、同60、同68、同76等が使用できるがフタロシアニン系顔料は特に鮮明な筆跡が得られる。溶剤中での結晶安定性や分散安定性からC.I.Pigment Blue15:3やその顔料誘導体処理タイプまたはC.I.Pigment Blue15:6が好適に使用できる。濃色の筆跡が得られる顔料としてはC.I.Pigment Blue60が好適である。赤色の顔料としてはC.I.Pigment Red 5、同8、同17、同31、同38、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同53:1、同57:1、同122、同144、同146、同166、同170、同177、同202、同207、同211、同213、同254、同255、同264、同270、同272等が使用できる。耐光性・耐溶剤性がよいことと、インキをリフィルに充填したときの外観色が鮮明な赤になることからジケトピロロピロール系のC.I.Pigment Red254、同255、同264が特に好適に使用できる。耐溶剤性が良く濃色の筆跡が得られる顔料としてはC.I.Pigment Red170が好適である。黄色の顔料としてはC.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同17、同55、同81、同83、同79、同93、同94、同95、同97、同109、同110、同120、同128、同138、同147、同151、同154、同167、同185、同191等が使用できる。緑色の顔料としてはC.I.Pigment Green 7、同36、同37等が使用できるが、緑色インキとしては青色顔料と黄色顔料の調色や青色染料と黄色顔料の調色でインキを作製する方がインキ外観色が鮮明なインキ組成物となる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて調色して用いてもよい。これらの着色剤の使用量はインキ組成物の全量に対して、3重量%以上35重量%以下が使用できる。使用量が少ないと筆跡が薄くなり、多くなるとインキ組成物の粘度が高くなり筆跡ムラが出たり、顔料が十分分散されずに沈降し筆跡濃度差が発生することがある。
従来公知の顔料分散剤が、界面活性剤、高分子型界面活性剤、樹脂分散剤の別なく使用できる。特に良好に使用できるのは、樹脂分散剤としてはポリビニルブチラール樹脂、ケトン樹脂、尿素樹脂、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、スチレンとマレイン酸又はそのエステルとの共重合体、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体、ポリアクリル酸などが挙げられる。このほかに分子内に極性基を導入し特に顔料分散安定性を高めた高分子型界面活性剤では、高分子部分の組成・構造や極性基の種類により多数の商品があるが好ましく使用できるものとしてアビシア社製ソルスパース20000、ソルスパース27000が挙げられる。
その他、必要に応じて使用できるものとして、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤、洩れ防止剤の他、筆記性、運筆性改良等に用いられる潤滑性を持つ各種界面活性剤、例えば、脂肪酸とその塩類、芳香族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸またはその塩等の陰イオン界面活性剤、デカグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの非イオン系界面活性剤等が好適に使用できる。特に、着色材が顔料のため受座の摩耗防止と書き出しカスレ防止のための潤滑剤は添加することが好ましく特にソルビタン脂肪酸エステル類やポリオキシエチレンリン酸トリエステルが好適に使用できる。
本発明のボールペン用顔料インキ組成物の作成は、溶剤量や、着色剤の種類や濃度によって加熱撹拌機やロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー等の分散混合機を適宜選択する。顔料を他の成分と共に分散させる、顔料を溶剤と分散樹脂と共に分散させた顔料分散体を作成し、粘度調節用樹脂や非ニュートン粘性付与剤、添加剤をインキ調整時に添加混合するなど各種の方法によってボールペン用インキ組成物を得ることができる。特に顔料の分散混合機としては、樹脂と顔料の分散時に温度コントロールのできるロールミル、ビーズミルが好ましい。
インキ組成物中の樹脂や添加剤の不溶解分等を除去するためや、顔料の粗大粒子除去のため、顔料の平均粒子経を設定値内にするために作成したインキベースやインキを遠心機や濾過機で処理することもできる。
このボールペン用顔料インキ組成物を収容する筆記具のインキ収容部は、金属製や合成樹脂製のものが使用可能である。透明・半透明の合成樹脂製であればインキ残量を明示できる。この場合、インキ溶剤に溶解・膨潤しない樹脂であれば従来ボールペン用インキ収容部として使用されている樹脂が全て使用できる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートのコポリマー、ポリアミド、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアクリレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂等があり、価格と視認性の面からポリプロピレンが良好に使用できる。また押し出し成形、射出成形等どのような成形方法のものでも良く、特に押し出し成型時に内面にシリコーン塗布した成形品はインキ付着防止の性能がありインキ残量視認性の良い収容部として好適である。また、インキ収容部内のインキ柱の後端に逆流防止用組成物を充填したり、この組成物内にフロートを配置してもよい。
以下、実施例、比較例の配合示す。なお、以下の配合数値は重量%を示す。
非ニュートン粘性付与剤溶液1の作成
クルーセル H(ヒドロキシプロピルセルロース、三晶(株)製) 1.0
エチレングリコールモノフェニルエーテル 99.0
上記組成物をプロペラ撹拌機で加熱撹拌(70℃、3時間)し、300メッシュの濾布で加圧ろ過して不溶解物を除き非ニュートン粘性付与剤溶液1とする。
非ニュートン粘性付与剤溶液2の作成
BERMOCOLL EBS 481FQ(Akzo Nobel Surface Chemistry AB社(蘭)製) 1.0
エチレングリコールモノフェニルエーテル 99.0
上記組成物をプロペラ撹拌機で加熱撹拌(70℃2時間)し、均一な溶液を得て非ニュートン粘性付与剤溶液2とする。
実施例1
プリンテックス#V(顔料、デグサ社製(独)) 25.0
ソルスパース #20000(分散剤、アビシア(株)製) 8.0
エチレングリコールモノフェニルエーテル 30.5
ヘキシレングリコール 14.0
レジンSK(ケトン樹脂、粘度調節剤、デグサ社(独)製) 12.0
デカグリン10−MAC(潤滑剤、日光ケミカルズ(株)製) 2.5
非ニュートン粘性付与剤溶液1 8.0
非ニュートン粘性付与剤溶液1以外の成分をビーズミルでジルコニア製ビーズを使用して40分間分散後、非ニュートン粘性付与剤溶液1を投入し、撹拌機で加熱攪拌(60℃、2時間)して非ニュートン粘性付与剤を0.08重量%含有した黒色のボールペン用顔料インキ組成物を得た。
実施例2
C.I.Pigment Red 170(顔料) 22.0
ソルスパース #20000(前述) 10.0
エチレングリコールモノフェニルエーテル 37.0
フェニルエチルアルコール 6.0
レジンSK(前述) 15.0
DDP−2(潤滑剤、日光ケミカルズ(株)製) 3.0
非ニュートン粘性付与剤溶液2 7.0
非ニュートン粘性付与剤溶液2以外の成分をビーズミルでアルミナ製ビーズを使用して35分間分散後、非ニュートン粘性付与剤溶液2を投入し、撹拌機で加熱攪拌(55℃、2時間)して非ニュートン粘性付与剤を0.07重量%含有した赤色のボールペン用顔料インキ組成物を得た。
実施例3
C.I.Pigment Red 254(顔料) 20.0
エスレック BL−1(ポリビニルブチラール、分散樹脂、積水化学工業(株)製)
3.5
エチレングリコールモノフェニルエーテル 36.0
ベンジルアルコール 10.0
PEG #200(ポリエチレングリコール) 10.0
ハイラック 110H(ケトン樹脂、粘度調節剤、日立化成(株)製) 6.0
PVP K−30(ポリビニルピロリドン、粘度調節剤、I.C.Iジャパン(株)製)
4.0
SO−30(日光ケミカルズ(株)製) 4.5
非ニュートン粘性付与剤溶液1 6.0
非ニュートン粘性付与剤溶液1と、エチレングリコールモノフェニルエーテルを12.0と、PVP K−30を4.0と以外の成分をビーズミルでジルコニア製ビーズを使用して40分間分散後、あらかじめ加熱溶解したエチレングリコールモノフェニルエーテルを12.0と、PVP K−30を4.0と、非ニュートン粘性付与剤溶液1との混合物を投入し、撹拌機で加熱攪拌(60℃、2時間)して非ニュートン粘性付与剤を0.06重量%を含有した赤色のボールペン用顔料インキ組成物を得た。
比較例1
実施例1において、非ニュートン粘性付与剤溶液1に代えてPVP K−90(ポリビニルピロリドン、I.C.Iジャパン(株)製)0.5と、エチレングリコールモノフェニルエーテルを7.5との溶解液にした以外は実施例1と同様になして黒色のボールペン用顔料インキ組成物を得た。
比較例2
実施例2において、非ニュートン粘性付与剤溶液2に代えてエチレングリコールモノフェニルエーテルにした以外は実施例2と同様になして赤色のボールペン用顔料インキ組成物を得た。
比較例3
実施例3において、非ニュートン粘性付与剤溶液1に代えてPVP K−90(前述)を3.0と、エチレングリコールモノフェニルエーテル3.0との溶解液にした以外は実施例3と同様になして赤色のボールペン用顔料インキ組成物を得た。
試験サンプルの作成
上記実施例1〜3及び比較例1〜3で得た各ボールペン用顔料インキ組成物を、直径0.7mmの超硬製のボールをステンレス製のボールホルダーにて、ボールホルダーの先端開口部より一部突出した状態で抱持したボールペンペン先と、押出成形により成形したポリプロピレン製パイプとを接続したリフィル体を収容するノック式ボールペン(Rolly、製品符号BP127、ぺんてる(株)製)のインキ収容管に0.25g充填し、試験用ボールペンサンプルとした。
尚、試験用ボールペンサンプルにて使用した、「Rolly(製品符号BP127)」は、ボールペンペン先として、ボールホルダー先端部におけるボールとの隙間距離が、5μm以上15μm以下程度、好ましくは9μm程度、該部におけるインキの吐出口となる隙間の断面積が0.01mm以上0.03mm以下、好ましくは0.018mm程度に調整されており、また、ボールを配置後にボールに衝撃力を付与することによってボールホルダーの受部にボールの曲率を転写するような変形加工を施し、この加工された部分の表面積がボールの表面積に対して5%以上17%以下、好ましくは11%程度に調整されているものである。
線割れ試験:23℃の室温でJIS P3201筆記用紙Aに直径約2cmの連続した丸を手書きで15個筆記し目視と10倍拡大鏡で筆跡を観察した。
◎:線割れなし:筆跡の両端と中心で色の濃度差がない
○:線割れ小:拡大鏡では筆跡の両端と中心で濃度差が確認できるが目視ではほぼ濃度差無し
△:線割れ中:筆記線の一部に周期的に目視で確認できる線割れが発生
×:線割れ大:筆記線のほぼすべての部分に目視で確認できる線割れが発生
洩れ試験
線割れ試験の直後にRolly BP127(前述)の外装内に試験用ボールペンサンプルを収納し、温度40℃湿度80%の恒温槽に下向きに15時間放置しペン先からのインキの洩れを観察する。
◎:洩れなし:ペン先にインキの洩れやにじみ出しがない
○:洩れ小 :ペン先にインキのにじみ出しがあるが0.5mm以内
△:洩れ中 :ペン先に0.5mmを超えるインキのにじみ出しがある
×:洩れ大 :ペン先からインキが洩れ外部に汚れが発生している
常温筆記感官能試験:線割れ試験時の筆記感を評価した。
◎:筆記感が非常に軽い
○:筆記感が軽い
△:筆記感が重い
×:筆記感が非常に重く筆記しにくい
低温筆記感官能試験:10℃恒温槽に各ボールペンサンプルを1時間横向き放置し取出直後に線割れ試験と同様に筆記しその際の筆記感を評価した。
◎:筆記感が非常に軽い
○:筆記感が軽い
△:筆記感が重い
×:筆記感が非常に重く筆記しにくい
経時後筆記試験:各ボールペンサンプルを50℃恒温槽で3ヶ月下向き放置した後前記と同様の条件にて筆記試験機で筆記し筆記線の状態を調べた。
○:経時前と同等の良好な筆跡が得られる
△:下向きで初期より濃色の筆記線になっている
×:筆記不能や筆跡カスレが見られる
経時後インキ観察:上記経時筆記試験を行ったボールペンサンプルインキをスライドガラスに塗布し、顕微鏡で顔料の分散性を評価した。
○:顔料凝集は見られず均一に分散している
△:顔料のわずかな凝集物や他の成分ののわずかな析出が見られるが実用上問題ない
×:顔料の凝集や他の成分の析出が見られ分散が不均一である
粘度測定
VAR 100型レオメータ(ジャスコインタナショナル(株))で、1°、20mmのコーンプレートを使用し、温度25℃せん断速度5s−1と500s−1の粘度を測定した。
低温粘度測定
上記レオメータで温度15℃せん断速度500s−1の粘度を測定した。
非ニュートン粘性指数の測定
上記のレオメータで温度25℃でせん断速度を1s−1〜500s−1まで連続で変化させ、その際のせん断速度−応力曲線から非ニュートン粘性指数nを算出した。
Figure 2007153941
以上詳細に説明したように本発明のボールペン用顔料インキ組成物は線割れやインキ洩れのなく書き味の良好で顔料分散性に優れたものである。

Claims (3)

  1. 溶剤と、粘度調節剤と、顔料と、インキ全量に対し0.1重量%未満の非ニュートン粘性付与剤とから少なくともなり、25℃でのせん断速度500s−1における粘度が800mPa・s以上5000mPa・s以下であると共に、せん断速度5s−1における粘度が3000mPa・s以上20000mPa・s以下であり、非ニュートン粘性指数が0.5以上0.9以下であるボールペン用顔料インキ組成物。
  2. インキ成分中の全ての溶剤に対し沸点150℃以上の有機溶剤を60重量%以上含有する請求項1記載のボールペン用油性顔料インキ組成物。
  3. 15℃におけるせん断速度500s−1における粘度が10000mPa・s以下である請求項1または2記載のボールペン用顔料インキ組成物。
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