JP2009155401A - 油性インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】C.I.Basic Green1を含むインキの高温環境での経時安定性を向上させることを可能にした油性インキ組成物を提供すること。
【解決手段】C.I.Basic Green1および芳香族系スルホン酸化合物からなる造塩染料と、
インキ組成物中に0.1〜10質量%の量で存在する脂肪族系アミン化合物と、
溶剤と
を少なくとも含んで成る油性インキ組成物。
【選択図】なし
【解決手段】C.I.Basic Green1および芳香族系スルホン酸化合物からなる造塩染料と、
インキ組成物中に0.1〜10質量%の量で存在する脂肪族系アミン化合物と、
溶剤と
を少なくとも含んで成る油性インキ組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、油性インキに関し、特に、インキの緑色材としてC.I.Basic Green1を用いる油性インキ組成物に関するものである。
インキには、一般的に水性インキと、油性インキに分類される。種々の色を有するインキは色材により提供されるが、色材には、従来、染料、顔料、染料と顔料との混合物等が広く使用されている。インキは長期間の保管において安定であることが望まれる。
油性インキは種々の環境下で使用されるので、高温、低温、高湿、低湿のいずれの環境下においても経時安定性に優れたインキが望まれる。色材の種類によって、その溶解性、分散性が異なり、使用環境条件により色材の析出、沈降等が発生しインキ品質に悪影響を及ぼすことがある。色材が染料である場合と、顔料である場合とではインキの環境安定性が異なる。また、インキに用いる染料の種類によってもインキの環境安定性が異なることが知られている。特に緑染料としてC.I.Basic Green1を用いたインキは、他の色の染料を用いたインキと比較して高温環境の影響を受けやすく、染料自身が不安定化され、インキの粘度が増加し、結果として筆記カスレ現象を引き起こす場合がある。
インキの環境安定性を高めるために、通常、種々の化合物を添加することが行われる。
特開2004−59794号公報、特開2004−107591号公報および特開2001−201398号公報には、リン酸エステルとアミン系化合物との混合物を用いて書き出し時の筆記カスレ現象を防止することが記載されている。しかし、ここで用いられるアミン系化合物はいずれも、リン酸エステル化合物を中和させることを目的とするものであって、緑染料含有インキの高温環境での経時安定性を向上させようとするものではない。
特開2004−59794号公報、特開2004−107591号公報および特開2001−201398号公報には、リン酸エステルとアミン系化合物との混合物を用いて書き出し時の筆記カスレ現象を防止することが記載されている。しかし、ここで用いられるアミン系化合物はいずれも、リン酸エステル化合物を中和させることを目的とするものであって、緑染料含有インキの高温環境での経時安定性を向上させようとするものではない。
特開2003−292863号公報には、有機溶剤と共に、アミドアミン誘導体をインキに添加して染料の溶解性及び経時安定性を高める技法が記載されている。しかし、ここで対象となっている染料は、銅フタロシアニン構造を有するものであってC.I.Basic Green1を対象とするものではない。
これまで、C.I.Basic Green1を含有するインキの経時安定性を有効に高める添加物は見出されていない。
これまで、C.I.Basic Green1を含有するインキの経時安定性を有効に高める添加物は見出されていない。
本発明の目的は、C.I.Basic Green1を含むインキの上記問題点を解決することであり、特に、造塩染料タイプのC.I.Basic Green1を含むインキの高温環境での経時安定性を向上させた油性インキ組成物を提供することである。
さらに、本発明は、揮発性の高い溶剤を含むインキ組成物を用いたC.I.Basic Green1を含む油性インキ組成物の高温環境での経時安定性を向上させることを目的とする。
さらに、本発明は、揮発性の高い溶剤を含むインキ組成物を用いたC.I.Basic Green1を含む油性インキ組成物の高温環境での経時安定性を向上させることを目的とする。
本発明者は、油性インキ組成物が、以下に示す特徴を有することにより上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は、以下の油性インキ組成物を提供する。
(1)C.I.Basic Green1および芳香族系スルホン酸化合物からなる造塩染料と、
インキ組成物中に0.1〜10質量%の量で存在する脂肪族系アミン化合物と、
溶剤と
を少なくとも含んで成る油性インキ組成物。
(1)C.I.Basic Green1および芳香族系スルホン酸化合物からなる造塩染料と、
インキ組成物中に0.1〜10質量%の量で存在する脂肪族系アミン化合物と、
溶剤と
を少なくとも含んで成る油性インキ組成物。
(2)前記脂肪族系アミン化合物が、アルキルアミンまたはポリオキシエチレンアルキルアミンである前記(1)記載の油性インキ組成物。
(3)25℃での蒸気圧が0.001mmHg以上のアルコール、多価アルコールおよびグリコールエーテルから成る群より選ばれる1種または2種以上の溶剤を、全溶剤の50質量%以上の量で含む(1)記載の油性インキ組成物。
本発明に用いるC.I.Basic Green1の構造は次のとおりである。
本発明では、C.I.Basic Green1を芳香族系スルホン酸化合物との造塩体である造塩染料として用いる。芳香族系スルホン酸化合物の具体例としては、例えば、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ノニルジフェニルエーテルスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸等を用いることができる。本発明では、特にアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸が好ましい。
C.I.Basic Green1の造塩染料の具体例としては、SBN Green 550、同554(保土谷化学社製)等が挙げられる。
本発明の油性インキ組成物において、前記C.I.Basic Green1の造塩染料は単独で用いることができる。また顔料と組み合わせて用いることができ、他の色を提供することもできる。
本発明に用いる、C.I.Basic Green1の造塩染料の配合量は特に限定されないが、インキ組成物として、必要な濃度を提供する量である。一般的には、インキ組成物中、1〜50質量%であり、好ましくは、1〜30質量%である。
C.I.Basic Green1の造塩染料と組み合わせて用いる顔料としてはいずれの顔料も用いることができるが、分散後の平均粒径が30nm〜700nmとなるものが好ましい。顔料の配合量は、色材全量に対し、0.5〜40質量%、好ましくは0.5〜30質量%の範囲で必要に応じて配合することができる。
使用できる顔料は、1種又は2種以上の混合で使用することができる。また、必要に応じて無機顔料、更に、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル、アクリルニトリル、オレフィン系モノマーを重合して得られる樹脂粒子や、インキ中では膨潤して不定形となる中空樹脂粒子、または、これらの粒子自身を着色剤で染着して得られる染着樹脂粒子からなる有機多色顔料等が挙げられる。
本発明に使用することができる顔料の調製は、顔料分散インキ組成物を製造する従来から公知の種々の方法が採用できる。例えば、上記各成分を配合し、ディゾルバー等の攪拌機により混合攪拌することによって、また、ボールミルやロールミル、ビーズミル、サンドミル、ピンミル等によって混合粉砕した後、遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子、及び未溶解物、混入固形物を取り除くことによって容易に得ることができる。
顔料の具定例としては、イルガジンイエロー2GLTE、クロモフタルブルーA3R、Printex#25、同#35等を挙げることができる。
インキ中のC.I.Basic Green1の安定性を向上させるために添加する脂肪族系アミン化合物は1級アミン〜3級アミンのいずれであってもよい。また、モノアミンに限定されず、分子中にアミン基を2つ以上有していても良い。用いることができる脂肪族系アミン化合物は、一般式:R1R2R3N(R1、R2、R3は、それぞれ水素またはアルキル基)で表されるアルキルアミン、または一般式:H(CH2CH2O)n−NR4R5(R4、R5は、それぞれ水素またはアルキル基)若しくは一般式:H(CH2CH2O)n−NR6(CH2CH2O)Hn(R6は、水素またはアルキル基)で表されるポリオキシエチレンアルキルアミンとなることができる。
アミン基に置換する脂肪族炭化水素は溶剤等への溶解性やインキの経時安定性等の観点からC=5〜29であることが好ましく、更に好ましくはC=5〜23である。
アミン基に置換する脂肪族炭化水素は溶剤等への溶解性やインキの経時安定性等の観点からC=5〜29であることが好ましく、更に好ましくはC=5〜23である。
これらの脂肪族系アミンはいずれも、インキ中のC.I.Basic Green1の経時安定性に対して有効であるが、その化学構造によっては、このインキ組成物をボールペン用インクとして用いた場合に、ボテの誘発、ペン先のチップ内摩耗の誘発、チップ腐食性、書き味等に影響を及ぼす場合がある。本発明においては、酸化エチレンが付加されたポリオキシエチレンアルキルアミンが特に好ましい。ポリオキシエチレンアルキルアミンは、脂肪酸アミンに酸化エチレンを付加重合して得られるものである。酸化エチレンの付加モル数によって、C.I.Basic Green1の経時安定性向上に加えて、上記したチップ腐食性等のボールペンインキに求められる特性をコントロールすることができる。酸化エチレン付加モル数が1〜10であるのが好ましく、酸化エチレン付加モル数が2〜7であるのがさらに好ましい。
アルキルアミン化合物の具体例としては、ラウリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン等が挙げられる。これらのアルキルアミン化合物は、例えば、花王株式会社から市販されている、ファーミン20D、ファーミンDM−0898、ファーミンDM−2098、ファーミンDM−2458、ファーミンM2−2095等を用いることができる。
ポリオキシエチレンアルキルアミン化合物の具体例としては、ヒドロキシエチルラウリルアミン(酸化エチレン付加モル数1)、ポリオキシエチレンラウリルアミン(酸化エチレン付加モル数2)、ポリオキシエチレンラウリルアミン(酸化エチレン付加モル数7)、ポリオキシエチレンアルキル(牛脂)プロピレンジアミン(酸化エチレン付加モル数8)、ポリオキシエチレンオレイルアミン(酸化エチレン付加モル数5)、ポリオキシエチレンオレイルアミン(酸化エチレン付加モル数15)、等が挙げられる。これらのポリオキシエチレンアルキルアミン化合物は、例えば、日本油脂株式会社から市販されている、ナイミーン−201、ナイミーン−202、ナイミーン−207、ナイミーンDT208等、を用いることができる。また、日光ケミカルズ株式会社から市販されている、TAMNO−5、TAMNO−15等を用いることができる。
脂肪族系アミン化合物の配合量は、インキ組成物の全量を基準として0.1〜10質量%である。好ましくは、インキ組成物の全量を基準として0.1〜7質量%であり、さらに好ましくは、インキ組成物の全量を基準として0.1〜3質量%である。脂肪族系アミン化合物の配合量が、0.1質量%未満であると、高温環境で保存した場合、C.I.Basic Green1の経時安定性を向上させるには十分な量ではなく、配合量が10質量%を超えると、C.I.Basic Green1を分解し、発色性を失わさせる傾向を有し、インキが退色し、経時安定性が却って悪くなり、また、本発明の油性インキ組成物を、筆記具用インキに用いた場合、ボテの誘発、ペン先チップ内摩耗の誘発、書き味の悪化等を引き起こす傾向がある。
本発明の油性インキ組成物では、溶剤として、油性インキ組成物に通常用いられるいずれの溶剤も用いることができる。
それらの例として、多価アルコール類誘導体があり、ソルビタン脂肪酸系、ポリクリセリン高級脂肪酸系、ショ糖脂肪酸系、プロピレングリコール脂肪酸系等の誘導体が挙げられる。
それらの例として、多価アルコール類誘導体があり、ソルビタン脂肪酸系、ポリクリセリン高級脂肪酸系、ショ糖脂肪酸系、プロピレングリコール脂肪酸系等の誘導体が挙げられる。
エステル類の溶剤としては例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレート、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート等様々なエステルが挙げられる。
また、分子内に水酸基を持たない溶剤として、ジエーテルやジエステルを用いることができ、具体的には、例えば、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
本発明の油性インキ組成物は、各種筆記具用の油性インキとして用いることができる。
筆記具用油性インキとして用いる場合、25℃での蒸気圧が0.001mmHg以上のアルコール、多価アルコール、グリコールエーテルから選ばれる溶剤を、インキ組成物の全溶剤の50質量%以上用いることが特に好ましい。この様に蒸気圧の高い溶剤を使用することで筆跡の滑らかな筆感などの効果を与えることができる。必要に応じてこの量は、70質量%以上、さらには80質量%以上、特に90質量%以上とすることができる。
筆記具用油性インキとして用いる場合、25℃での蒸気圧が0.001mmHg以上のアルコール、多価アルコール、グリコールエーテルから選ばれる溶剤を、インキ組成物の全溶剤の50質量%以上用いることが特に好ましい。この様に蒸気圧の高い溶剤を使用することで筆跡の滑らかな筆感などの効果を与えることができる。必要に応じてこの量は、70質量%以上、さらには80質量%以上、特に90質量%以上とすることができる。
具体的にアルコール類としては、炭素数が2以上の脂肪族アルコールであり、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−デカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコールやその他多種の高級アルコール等が挙げられる。
また、多価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,3−ブンタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の分子内に2個以上の炭素、2個以上の水酸基を有する多価アルコールが挙げられる。
グリコールエーテルとしては、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
特に好ましいのは下記化学構造式に示されるような溶剤である。
具体的には、1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール等が挙げられる。
本発明の油性インキ組成物を、筆記具用の油性インキとして用いる場合、上述した成分以外に、樹脂、分散剤を含むことができる。
筆記具用油性インキ組成物において樹脂は、粘度調整やペン先での摩耗性の改良などの目的で添加されるが、顔料を添加する場合にはその分散剤としても使用される。ケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂がある。
筆記具用油性インキ組成物において樹脂は、粘度調整やペン先での摩耗性の改良などの目的で添加されるが、顔料を添加する場合にはその分散剤としても使用される。ケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂がある。
これらの樹脂の配合量としては、1〜30質量%がよく、より好ましくは1〜20質量%である。その配合量が1質量%未満であると粘度調整やペン先での摩耗が困難となり、30質量%超だと樹脂以外の原材料が配合できなくなったり、書き味に悪影響を及ぼすことになる。
本発明のインキ組成物の色材に顔料を併用する場合、用いる分散剤としては上記に挙げたような樹脂の中から顔料を分散できるものを選択して使用することができ、活性剤やオリゴマーでも目的にあえばどの様なものでも種類を問わない。具体的な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、スチレン−マレイン酸共重合体、ケトン樹脂、ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体等の合成樹脂やPO・EO付加物やポリエステルのアミン系オリゴマー等が挙げられる。
更に、本発明では必要に応じて、インキに悪影響を及ぼさず相溶することができる防錆剤、防黴剤、界面活性剤、潤滑剤及び湿潤剤等を配合することができる。特に脂肪酸などは、潤滑剤として好適に使用できる。また、乾燥抑制用添加剤として製品特性上、悪影響を及ぼさない範囲で主溶剤に相溶する不揮発性溶剤等も配合することができる。
本発明の油性インキ組成物を、筆記具用、特にボールペン用インキとして用いた以下の実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
本発明の油性インキ組成物の調製は、インキの技術分野において知られている通常のインキ組成物の調製方法を用いることができる。溶剤溶解成分は、攪拌混合機で予め各成分を溶解し、その後それらの成分を混合することによりインキ組成物を得ることができる。色材として、染料に加えて顔料を用いる場合は、別途、分散混合機で顔料を分散剤および他の成分と一緒に分散させ、他のインキ成分と混合することによってインキ組成物を得ることができる。なお、製造時に、染料等の固形分を溶解させるために加熱すること、また顔料等の粗大粒子を除去するために、フィルター、遠心分離機等を、必要に応じて随時用いることができる。
以下の実施例及び比較例で用いた成分は下記のものである。
本発明のインキ組成物の実施例1〜4を以下の処方で調製した。
実施例1〜9
これらの実施例では、緑造塩染料としてSBN.Green.550、顔料としてイルガジンイエロー2GLTEを用いて、色材とした。使用した脂肪族系アミン化合物は表1に記載のとおりである。
実施例1〜9
これらの実施例では、緑造塩染料としてSBN.Green.550、顔料としてイルガジンイエロー2GLTEを用いて、色材とした。使用した脂肪族系アミン化合物は表1に記載のとおりである。
比較例1〜3
比較例1は、本発明に係る脂肪族系アミン化合物を添加しない例である。比較例2は、本発明に係る脂肪族系アミン化合物を12質量%添加した例である。比較例3は、本発明に係る脂肪族系アミン化合物であるPOEオレイルアミンに代えて、ステアリン酸エチルアミノアマイドを用いた例である。
比較例1は、本発明に係る脂肪族系アミン化合物を添加しない例である。比較例2は、本発明に係る脂肪族系アミン化合物を12質量%添加した例である。比較例3は、本発明に係る脂肪族系アミン化合物であるPOEオレイルアミンに代えて、ステアリン酸エチルアミノアマイドを用いた例である。
インキ組成物の経時安定性(インキ粘度)の評価
各インキ組成物サンプルの初期状態の粘度値を測定し、それらを70℃環境に1週間放置した。その後サンプルを室温環境に戻し、1時間後に再度それらの粘度を測定した。粘度測定は、E型粘度計を用い、25℃、せん断速度:19.15/s-1の条件で測定した。初期状態の粘度値に対する70℃環境に1週間放置後の粘度値の増加率を表1に記載する。
各インキ組成物サンプルの初期状態の粘度値を測定し、それらを70℃環境に1週間放置した。その後サンプルを室温環境に戻し、1時間後に再度それらの粘度を測定した。粘度測定は、E型粘度計を用い、25℃、せん断速度:19.15/s-1の条件で測定した。初期状態の粘度値に対する70℃環境に1週間放置後の粘度値の増加率を表1に記載する。
実施例1〜9の粘度増加率は、1%〜9%の範囲であった。これに対し、脂肪族系アミン化合物を用いない比較例1では21%であり、本発明の範囲外のアミン化合物を用いた比較例3は13%であり、いずれも実施例に比べると高い増加率を示した。本発明に係る脂肪族系アミン化合物を12質量%添加した比較例2は、粘度増加率は2%であったが、次に述べるようにインキの退色が見られた。
さらに、実施例1〜9および比較例1〜3のインキ組成物をペン体に充填して、70℃環境に1週間放置した後、室温環境に戻して1時間後に筆記して、各インキ組成物の描線状態、インキ退色、および初筆性をそれぞれ評価した。
試験に用いたペン体は、内径1.60mmのポリプロピレンチューブ、ステンレスチップ(ボールは超硬合金で、直径1.0mmである)を有するポールペンである。
描線状態
描線状態を以下の基準に沿って評価し、その結果を表1および表2に示す。
◎:初期状態とほぼ変わらない筆記描線
○:初期状態より若干のカスレがあるものの殆ど変わらない筆記描線
△:初期状態に比べて、カスレの多い筆記描線
×:カスレて書けない。
実施例1〜9のインキ組成物は、カスレて書けないものは無かったが、比較例1および3はカスレて書けなかった。
描線状態を以下の基準に沿って評価し、その結果を表1および表2に示す。
◎:初期状態とほぼ変わらない筆記描線
○:初期状態より若干のカスレがあるものの殆ど変わらない筆記描線
△:初期状態に比べて、カスレの多い筆記描線
×:カスレて書けない。
実施例1〜9のインキ組成物は、カスレて書けないものは無かったが、比較例1および3はカスレて書けなかった。
インキ退色
インキ退色を以下の基準に沿って評価し、その結果を表1および表2に示す。
○:初期状態とほぼ変わらない描線色
△:初期状態より若干の退色が見られる
×:初期状態とは全く異なる描線色
実施例1〜9のインキ組成物は、実施例5、7および9において若干の退色が見られたが、その他は退色していなかった。比較例2は初期状態とは全く異なる描線色を呈した。
インキ退色を以下の基準に沿って評価し、その結果を表1および表2に示す。
○:初期状態とほぼ変わらない描線色
△:初期状態より若干の退色が見られる
×:初期状態とは全く異なる描線色
実施例1〜9のインキ組成物は、実施例5、7および9において若干の退色が見られたが、その他は退色していなかった。比較例2は初期状態とは全く異なる描線色を呈した。
初筆性
「三菱」という文字を書き、書き出し時の文字のカスレ度合いを初筆性として評価し、その結果を表1および表2に示す。
「三菱」という文字を書き、書き出し時の文字のカスレ度合いを初筆性として評価し、その結果を表1および表2に示す。
◎:ほとんどカスレないもの(「三」の1あるいは2番目の線以降書ける)
○僅かにカスレるもの(「三」の2番目の線が多少カスレるが、それ以降カスレない)
△少し多いもの(「菱」以降カスレない);
×非常に多いもの(「菱」が最後まで書けない)
実施例1〜9のインキ組成物は、いずれもほぼ良好な結果がえられたが、比較例1および3はカスレが少し多かった。
○僅かにカスレるもの(「三」の2番目の線が多少カスレるが、それ以降カスレない)
△少し多いもの(「菱」以降カスレない);
×非常に多いもの(「菱」が最後まで書けない)
実施例1〜9のインキ組成物は、いずれもほぼ良好な結果がえられたが、比較例1および3はカスレが少し多かった。
Claims (5)
- C.I.Basic Green1および芳香族系スルホン酸化合物からなる造塩染料と、
インキ組成物中に0.1〜10質量%の量で存在する脂肪族系アミン化合物と、
溶剤と
を少なくとも含んで成る油性インキ組成物。 - 前記脂肪族系アミン化合物が、アルキルアミンまたはポリオキシエチレンアルキルアミンである請求項1記載の油性インキ組成物。
- 前記ポリオキシエチレンアルキルアミンの酸化エチレン付加モル数が、1〜10である請求項2記載の油性インキ組成物。
- 前記芳香族系スルホン酸化合物が、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ノニルジフェニルエーテルスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸から成る群より選ばれる請求項3記載の油性インキ組成物。
- 25℃での蒸気圧が0.001mmHg以上のアルコール、多価アルコールおよびグリコールエーテルから成る群より選ばれる1種または2種以上の溶剤を、全溶剤の50質量%以上の量で含む請求項1記載の油性インキ組成物。
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