JP3988202B2 - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス浄化用触媒に関し、特に自動車等の内燃機関から排出される排気ガス中の炭化水素(以下、「HC」と称す)、一酸化炭素(以下、「CO」と称す)及び窒素酸化物(以下、「NOx」と称す)を効率良く浄化することができ、しかも、高温耐久性に優れるとともに耐久後も低温活性と浄化性能に優れる排気ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、排気ガス浄化用触媒は高温下での耐久性が十分でなく、耐久後は触媒が劣化し排気ガスに対する浄化能が著しく低下するため、高温耐久後も低温活性と浄化性能に優れる排気ガス浄化用触媒の開発が期待されている。
【0003】
かかる排気ガス浄化用触媒としては、例えば、特公昭58−20307号公報、特開昭62−282641号公報、特開平4−284847号公報、特開平6−378号公報及び特開平7−60118号公報に開示されているものがある。
特公昭58−20307号公報に記載された排気ガス浄化用触媒は、白金、ロジウム及びセリウムから成る組成物を耐火性担体に担持させたものであり、具体的にはアルミナや酸化セリウムなどに白金、パラジウム及びロジウムなどの白金族元素を担持させ、これをモノリス担体にコーティングした構造のものである。
【0004】
また特開昭62−282641号公報には、ロジウムを酸化ジルコニウムに担持させた排気ガス浄化用触媒が開示されており、具体的にはロジウムを含有させた酸化ジルコニウム、活性アルミナ、酸化セリウムとアルミナゾルとを含むスラリーを、担体に付着・乾燥・焼成した後、白金を担持させた排気ガス浄化用触媒が開示されている。
【0005】
特開平4−284847号公報には、白金、ロジウム、活性アルミナ、酸化セリウム等の従来から触媒成分として使用されているものに加え、酸化セリウムとランタン、プラセオジウム、イットリウム、ネオジウム、2A族及び3B族から選ばれた一種又は一種以上の金属酸化物により安定化されたジルコニウム化合物とを組み合わせた排気ガス浄化用触媒が開示されている。
【0006】
特開平6−378号公報には、活性アルミナと酸化セリウムに、触媒成分として白金及び/又はパラジウムと、塩基性元素であるカリウム、セシウム、ストロンチウム及びバリウムから成る群より選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物とが担持された排気ガス浄化用触媒が提案されている。換言すれば、当該触媒は、白金族元素、活性アルミナ、酸化セリウム等の従来から触媒成分として使用されているものに加え、塩基性元素である、カリウム化合物、セシウム化合物、ストロンチウム化合物及びバリウム化合物のうち少なくとも一種類と組み合わせてなるものである。
【0007】
特開平7−60118号公報には、イットリア、カルシア、マグネシア又はスカンジアで安定化されたジルコニウム酸化物と40〜95重量%のアルミナ又はチタニアからなり、30〜300m2 gの表面積を有する酸素イオン伝導性複合体を、ロジウム/白金、ロジウム/パラジウムの担持基材として用いる貴金属触媒が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記公報中に記載された従来の触媒は、初期状態から高温耐久後まで高い排気ガス浄化性能を維持するため、高価な貴金属を多量に使用しなければならず、このため、排気ガスの浄化を目的とする三元触媒として、使用する貴金属量が少なくても高い浄化性能が得られる触媒が望まれている。然るに、従来の触媒中の貴金属量を低減した場合には、高温下における耐久性が不十分となり、また耐久後は低温域での触媒活性や排気ガス浄化性能が悪化するという問題点があった。
【0009】
これは、理論空燃比(以下、「ストイキ」と称す)を中心に、酸素濃度が不十分な還元雰囲気(以下、「リッチ」と称す)から酸素濃度が過剰な酸化雰囲気(以下、「リーン」と称す)まで幅広く組成が変化する自動車の排気ガス雰囲気下では、貴金属種の劣化(シンタリング)が促進され、その結果浄化性能が低下するためと考えられる。特に、貴金属量を低減する場合には、上記影響が顕著に現れて、さらに浄化性能が低下するという問題があった。
【0010】
また、通常アルミナは熱安定性が不十分で、高温下ではその結晶構造が変化し、BET比表面積が著しく小さなα−アルミナへ相転移を起こす。この際に、貴金属のシリングを促進したり、また、アルミナが貴金属と固相反応を起こして不活性な化合物を形成し、その結果浄化性能が大きく低下する。
一方、酸化ジルコニウムは熱に対する構造安定性に優れるが、BET比表面積が小さいため貴金属の分散性が悪く、初期状態から高温耐久後まで充分な低温活性や浄化性能を得ることが難しいという問題もあった。
【0011】
従って、本発明の目的は、従来の触媒よりも高温耐久性が向上し、耐久後においても優れた低温活性と浄化性能を有する排気ガス浄化用触媒を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために研究した結果、白金及びロジウムの高温耐久性と触媒活性を向上させるために、触媒成分担持中に白金やロジウムと共に、ジルコニウム酸化物を含有させることにより、高温耐久性を改善し、耐久後の低温活性や浄化性能が著しく向上して維持されることを見出し、本発明に到達した。
【0013】
請求項1記載の排気ガス浄化用触媒は、触媒成分担持層を有する一体構造型触媒において、少なくともロジウム担持ジルコニウム酸化物と白金担持ジルコニウム酸化物とを含有することを特徴とする。
【0014】
更に、請求項1記載の排気ガス浄化用触媒の耐久性と触媒能を更に向上させるために、請求項2記載の排気ガス浄化用触媒は、上記のロジウムを担持するジルコニウム酸化物が、次の一般式;
Nda Cab Zrc Od
(式中、a,b及びcは、各元素の原子比率を示し、金属換算で、a=0.01〜20モル%、b=0.05〜20モル%、c=60〜95モル%、dは上記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子数である)で表されることを特徴とする。
【0015】
更に、請求1又は2記載の排気ガス浄化用触媒の耐被毒性とリッチ雰囲気下における触媒活性を更に向上させるために、請求項3記載の排気ガス浄化用触媒は、上記の白金を担持するジルコニウム酸化物が、次の一般式;
〔X〕 eCef Zrg Oh
(式中、Xは、プラセオジウム、イットリウム、ランタン及びネオジウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素であり、e,f及びgは、各元素の原子比率を示し、金属換算で、e=0.01〜10モル%、f=5〜30モル%、g=65〜95モル%、hは上記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子数である)で表されることを特徴とする。
【0016】
更に、請求項1〜3いずれかの項記載の排気ガス浄化用触媒のコーティング性を改良し、しかも、耐久性を更に高めるために、請求項4記載の排気ガス浄化用触媒は、上記触媒成分担持層中に更にパラジウム担持アルミナを含有し、該アルミナはセリウム、ジルコニウム及びランタンからなる群より選ばれた少なくとも一種を金属換算で1〜10%含むことを特徴とする。
【0017】
請求項1〜4いずれかの項記載の排気ガス浄化用触媒の低温活性とHC浄化性能を更に向上させるために、請求項5記載の排気ガス浄化用触媒は、上記触媒成分担持層中に、更にパラジウム担持セリウム酸化物を含有し、該セリウム酸化物は、ジルコニウム、ネオジウム及びランタンからなる群より選ばれた一種を金属換算で1〜40モル%含むことを特徴とする。
【0018】
更に、請求項4又は5記載の排気ガス浄化用触媒におけるパラジウムとロジウムとの耐被毒性向上という相乗効果をよく発現させるために、請求項6記載の排気ガス浄化用触媒は、請求項4又は5記載の排気ガス浄化用触媒において、ロジウム担持ジルコニウム酸化物を表層側に、パラジウム担持触媒成分を内層側に配置して成ることを特徴とする。
【0019】
更に、請求項1〜6いずれかの項記載の排気ガス浄化用触媒の高温耐久後の低温活性とNOx 浄化性能を更に向上させるために、請求項7記載の排気ガス浄化用触媒は、、更に、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選ばれた少なくとも一種が含有することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の排気ガス浄化用触媒の触媒成分担持層に含有される貴金属としては、少なくともロジウムと白金がある。
当該ロジウムの含有量は、触媒1L容量中0.01〜3gである。0.01g未満では低温活性や浄化性能が十分に発現せず、逆に3gを越えてもロジウムの触媒活性は飽和し、経済的ではない。
当該白金の含有量は、触媒1L容量中0.01〜5gである。0.01g未満では低温活性や浄化性能が十分に発現せず、逆に5gを越えても白金の触媒活性は飽和し、経済的にも有効ではない。
このように、ロジウムと白金を共存させることにより、鉛やイオウ等の被毒物質に対する耐被毒性を向上させることができる。
【0021】
前記ロジウムが担持される基材としては、ロジウムの分散性を高め、高温耐久性を向上させるために、ジルコニウム酸化物が、また白金が担持される基材としても、白金の耐久性を向上させるためにジルコニウム酸化物が適切である。
【0022】
すなわち、ロジウムをジルコニウム酸化物に担持することによって、耐久後のロジウムの不活性化を抑制でき、また、白金をジルコニウム酸化物に担持することによって、耐久後の白金の触媒能の低下を抑制できる。
【0023】
また、請求項2記載の排気ガス浄化用触媒は、請求項1記載の排気ガス浄化用触媒の耐久後の浄化性能を特に高めるために、上記ロジウムを担持するジルコニウム酸化物が、ネオジウムとカルシウムとを含有するもので、かかるジルコニウム酸化物の組成は、Nda Cab Zrc Od で表され、前記式中、a=0.01〜20モル%、b=0.05〜20モル%、c=60〜95モル%である。
【0024】
a=0.01モル%未満では、ジルコニウム酸化物に添加されているネオジウムの結晶構造安定化という作用が小さく、充分なBET表面積改良効果が得られず、ジルコニア(Zr02 )のみの場合と変わらない。また、a=20モル%を越えると、ネオジウムがジルコニウム酸化物に固溶した上記式で表されるジルコニウム複合酸化物を形成し難くなり、BET比表面積等のジルコニア酸化物の物性が低下するためロジウムの分散性が悪く、初期状態において充分な浄化性能が得られない。
【0025】
b=0.05モル%未満では、ジルコニウム酸化物に添加されているカルシウムのロジウムへの電子供与という作用が小さく、充分な浄化性能改良効果が得られず、ジルコニア(Zr02 )のみの場合と変わらない。また、b=20モル%を越えると、カルシウムがジルコニウム酸化物に固溶した上記式で表されるジルコニウム複合酸化物を形成し難くなり、熱安定性等のジルコニア酸化物の物性が低下するため、高温耐久中にロジウムのシンタリングが促進され、耐久後の浄化性能が悪化する。
【0026】
c=60モル%未満では、ネオジウムやカルシウムが固溶した上記式で表されるジルコニウム複合酸化物を形成し難くなり、熱安定性やBET比表面積等のジルコニウム酸化物の物性が低下するため、初期状態から充分な浄化性能が得られなかったり、高温耐久後の該ジルコニウム酸化物の構造安定性が悪化する。また、c=95モル%を越えると、ネオジウムやカルシウムの構造安定化や電子供与という作用が小さく、充分な浄化性能改良効果が得られずジルコニア(Zr02 )のみの場合と変わらない。
【0027】
かかるジルコニウム酸化物の使用量は、触媒1Lあたり5〜100gである。5g未満だと貴金属の分散性が得られず、100gより多く使用しても前記改良効果は飽和し有効でない。
【0028】
このように、ネオジウム及びカルシウムの組成比を特定したジルコニウム酸化物とすることによって、添加した元素がジルコニウム酸化物の結晶構造中に容易に固溶し、しかも、高温下での構造安定性が向上し、大きなBET比表面積のジルコニウム酸化物を得ることができる。
【0029】
特に請求項3記載の排気ガス浄化用触媒は、請求項1又は2記載の排気ガス浄化用触媒の高温耐久後の浄化性能を特に高めるために、プラセオジウム、イットリウム、ランタン及びネオジウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素と、セリウムとを含有するもので、かかるジルコニウム酸化物の組成は、次の式〔X〕e Cef Zrg Oh で表され、前記式中、e=0.01〜10モル%、f=5〜30モル%、g=65〜95モル%である。
【0030】
e=0.01モル%未満では、Zr02 のみの場合と変わらず、上記した元素のZr02 のBET比表面積や熱安定性を改良する効果が現れず、e=10モル%を越えるとこの効果が飽和もしくは逆に低下する。
【0031】
f=5モル%未満ではセリウムの酸素吸蔵能が充分に発現せず、耐久後のロジウムや白金の浄化性能の改良効果が十分に得られず、逆に、f=30モル%を越えると、この効果が飽和もしくは逆に結晶構造の熱安定性が低下する。
【0032】
かかるジルコニウム酸化物の使用量は、触媒1Lあたり5〜100gである。5g未満だと充分な貴金属の分散性が得られず、100gより多く使用しても改良効果は飽和し有効でない。
【0033】
このように、プラセオジウム、イットリウム、ランタン及びネオジウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素とセリウムの組成比を特定したジルコニウム酸化物とすることによって、添加した元素がジルコニウム酸化物の結晶構造中に容易に固溶し高温下での構造安定性が向上し、しかも、酸素吸蔵能の高いジルコニウム酸化物を得ることができる。
【0034】
このように、酸素吸蔵能の高いセリウム含有ジルコニウム酸化物に白金を担持することによって、リッチ雰囲気及びストイキ近傍で格子酸素や吸着酸素を放出し易くなるため、ロジウムの酸化状態を排気ガスの浄化に適したものとし、ロジウムの触媒能の低下を抑制できる。
【0035】
また、請求項4記載の排気ガス浄化用触媒は、請求項1〜3いずれかの項記載の排気ガス浄化用触媒に加えて、更に、パラジウム担持アルミナを含有するものである。
当該パラジウムの含有量は、触媒1L容量中0.1〜20gである。0.01g未満では低温活性や浄化性能が十分に発現せず、逆に20gを越えてもパラジウムの触媒活性は飽和し、経済的にも有効でない。
【0036】
前記パラジウムが担持される基材としては、白金やパラジウムの分散性を高め、触媒性能を向上させるため、アルミナ、特に活性アルミナが適切である。特に、高温耐久後のアルミナの構造安定性を高め、α−アルミナへの相転移やBET比表面積の低下を抑制するために、上記アルミナにはセリウム、ジルコニウム及びランタンからなる群より選ばれた少なくとも一種が金属換算で1〜10モル%含有される。
【0037】
かかるアルミナの使用量は、触媒1Lあたり10〜200gである。10g未満だと充分な貴金属の分散性が得られず、200gより多く使用しても触媒性能は飽和し、顕著な改良効果は得られない。
【0038】
これにより、スラリー化した触媒成分担持層のコーティング性を改善でき、しかも、触媒成分層の剥離を防止することができる。
【0039】
更に、請求項5記載の排気ガス浄化用触媒は、請求項1〜4いずれかの項記載の排気ガス浄化用触媒に、更に、パラジウム担持セリウム酸化物を含有するものである。当該セリウム酸化物には、ジルコニウム、ネオジウム及びランタンからなる群より選ばれた少なくとも一種を金属換算で1〜40モル%、セリウムを60〜98モル%含有するのである。1〜40モル%としたのは、セリウム酸化物(CeO2 )にジルコニウム、ネオジウム及びランタンからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を添加し、CeO2 の酸素放出能やBET比表面積、熱安定性を顕著に改良するためである。
1モル%未満ではCeO2 のみの場合と変わらず、上記した元素の添加効果が現れず、40モル%を超えるとこの効果が飽和もしくは逆に低下する。
【0040】
これにより、高温耐久後の低温活性及びHC浄化能を向上させることができる。
【0041】
請求項6記載の排気ガス浄化用触媒は、請求項4又は5記載の排気ガス浄化用触媒において、上記パラジウム含有触媒成分をコート層の内層側(下側)に配置し、前記ロジウム担持ジルコニウム酸化物をコート表層側(上側)に配置したものである。
上記パラジウム含有触媒成分とは、上記パラジウム担持アルミナ、又は、上記パラジウム担持アルミナと上記パラジウム担持セリウム酸化物である。このような配置とすることにより、ロジウムとパラジウムの間の耐被毒性向上という相乗作用が効率良く発現することとなる。
【0042】
また、請求項7記載の排気ガス浄化触媒は、請求項1〜6いずれかの項記載の排気ガス浄化用触媒に、更にアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有するものである。使用されるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属には、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが含まれる。その含有量は触媒1L中1〜40gである。1g未満では、炭化水素類の吸着被毒やパラジウムのシンタリングを抑制できず、40gを越えても有為な増量効果が得られず逆に性能を低下させる。
【0043】
このように、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選ばれた少なくとも一種を含有することにより更に、浄化性能向上効果が得られる。これらを触媒成分担持層に含有させると、リッチ雰囲気下でのHC吸着被退く作用を緩和し、また、パラジウムのシンタリングを抑制するため、低温活性や還元雰囲気でNOx 浄化能をさらに向上させることができる。
【0044】
本発明の排気ガス浄化用触媒を製造するに際しては、上記ジルコニウム酸化物を構成する添加元素とジルコニウム成分を各々含む触媒原料を純水に加えて攪拌する。この際、各触媒原料を同時に又は別個に溶解した液を加えても良い。
【0045】
次いで、この混合溶液にアンモニア水及びアンモニウム化合物の水溶液を徐々に添加し、溶液のpHを6.0〜10.0の範囲になるように調整した後、水分を除去し、残留物を熱処理してジルコニウム酸化物を得、これにロジウム及び/又は白金を含浸担持してさらに熱処理することにより請求項1〜3いずれかの項記載の排気ガス浄化用触媒が得られる。
【0046】
請求項1〜3いずれかの項記載の排気ガス浄化用触媒のジルコニウム酸化物は、前記添加元素とジルコニウム成分の各水溶液塩を水に溶解又は分散させた後、アンモニア水あるいはアンモニウム化合物の水溶液を加え、溶液のpHを6.0から10.0の範囲になるように調整になるように調整した後、水分を除去して乾燥し、次いで焼成することにより得られる。
【0047】
または、請求項1〜3いずれかの項記載の排気ガス浄化用触媒のジルコニウム酸化物は、予めジルコニウム酸化物の沈殿を生成した懸濁液に、前記添加元素の水溶液塩を水に溶解又は分散させた溶液を徐々に滴下した後、溶液のpHを6.0から10.0の範囲になるように調整し、水分を除去して乾燥し、次いで焼成することにより得ることもできる。
【0048】
本発明の排気ガス浄化用触媒に用いるジルコニウム酸化物は、前記各元素の硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩及び酸化物等の水溶性塩を任意に組み合わせて製造することができる。
【0049】
前記ジルコニウム酸化物の調製方法としては特別な方法に限定されず、成分の著しい偏在を伴わない限り、公知の沈殿法、含浸法、蒸発乾固法等の種々の方法の手化から適宜選択して使用することができるが、上記各元素の塩を水に溶解又は分散させた後、アンモニア水あるいはアンモニウム化合物の水溶液を沈殿剤として加える沈殿法を用いることが、ジルコニウム酸化物の結晶構造を均一にし、また、表面積を充分に確保するために好ましい。
【0050】
上記沈殿法を実施するに際しては、溶液のpHを6.0〜10.0の範囲に調整することにより、各種金属塩の沈殿物を形成することができる。pHが6.0より低いと各種元素が充分に沈殿を形成させず、逆にpHが10.0より高いと沈殿した成分の一部が再溶解することがある。
【0051】
水の除去は、例えば濾過法や蒸発乾固法の公知の方法の中から適宜選択して行うことができる。本発明に用いるジルコニウム酸化物を得るために最初の熱処理は、特に制限されないが、添加した元素をジルコニウム酸化物に固溶させた複合酸化物を形成し、また、ロジウムや白金の分散性良く担持するための大木な比表面積を得るため、例えば400℃〜800℃の比較的低温で空気中及び/又は空気流通下で焼成を行うこと好ましい。
【0052】
前記ジルコニウム酸化物にロジウムや白金を担持する方法としては、例えば含浸法や混練法等の公知の方法の中から適宜選択して行うことができるが、特に含浸法を用いることが好ましい。
【0053】
ロジウムの原料化合物としては、硝酸塩等の水溶性のものであれば任意のものが使用できる。白金の原料化合物としては、ジニトロジアンミン酸塩、塩化物、硝酸塩等の水溶性のものであれば任意のものが使用できる。
【0054】
本発明にかかる排気ガス浄化用触媒は、沈殿法で得られたジルコニウム酸化物が有する微細な細孔構造と大きなBET比表面積及び均一な結晶構造が、低温におけるロジウムの触媒活性の発現に重要な役割を果たしている。これに対し、上記沈殿法を用いずに得たジルコニウム酸化物は、反応に有効な比表面積が小さくなり、また、添加した元素がジルコニウム酸化物に固溶した複合酸化物を形成せず担持表面に偏在し、ロジウムや白金の触媒活性や耐久後の浄化性能が低下する。
【0055】
また、請求項1〜3記載の排気ガス浄化用触媒中の触媒成分に加えて、アルミナ粉末にパラジウムを含浸法で担持した粉末を加えることにより、請求項4記載の排気ガス浄化用触媒が得られる。パラジウムの原料化合物としては、ジニトロジアンミン酸塩、塩化物、硝酸塩等水溶性のものであれば任意のものが使用できる。
【0056】
また、請求項1〜4記載の排気ガス浄化用触媒中の触媒成分に加えて、セリウム酸化物粉末にパラジウムを含浸法で担持した粉末を加えることにより、請求項5記載の排気ガス浄化用触媒が得られる。また、該セリウム酸化物には、ジルコニウム、ネオジウム及びランタンからなる群より選ばれる少なくとも1種が含有される。当該ジルコニウム、ネオジウム及びランタンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有するセリウム酸化物にパラジウムが担持されたものを添加することにより、還元雰囲気下において、パラジウムの酸化状態を、排気ガス浄化に適した状態に、より有効に維持することができる。
【0057】
このようにして得られる本発明にかかる排気ガス浄化用触媒は、無担体でも有効に使用することができるが、粉砕・スラリーとし、触媒担体にコートして、400〜900℃で焼成して用いることが好ましい。
【0058】
従って、得られた前記ロジウム及び/又は白金担持ジルコニウム酸化物粉末、上記パラジウム担体アルミナ粉末及び上記パラジウム担持セリウム酸化物粉末に、アルミナゾルを加えて湿式にて粉砕してスラリーとし、触媒担体に付着させ、400〜650℃の範囲の温度で空気中及び/又は空気流通下で焼成を行う。
【0059】
更に、ロジウム及びパラジウムの耐被毒性向上という相乗作用を効率よく発現させるために、パラジウムを含有する触媒成分層はコート層の下側(内層側)に配置し、ロジウムを含有する触媒成分層はコート層の上側(表層側)に配置することが好ましく、これにより請求項6記載の排気ガス浄化用触媒が得られる。白金は、ロジウムを含有する触媒成分層(表層側)及びパラジウムを含有する触媒成分層(内層側)いずれの触媒成分層中に含有させることもできるが、特に、ロジウムを含有する触媒成分層(表層側)中に均一に配置することが耐久性改良の点から好ましい。
【0060】
触媒担体としては、公知の触媒担体の中から適宜選択して使用することができ、例えば耐火性材料からなるモノリス担体やメタル担体等が挙げられる。
前記触媒担体の形状は、特に制限されないが、通常はハニカム形状で使用することが好ましく、ハニカム状の各種基材に触媒粉末を塗布して用いられる。
【0061】
このハニカム材料としては、一般にセラミック等のコージェライト質のものが多く用いられるが、フェライト系ステンレス等の金属材料からなるハニカム材料を用いることも可能であり、更には触媒成分粉末そのものをハニカム状に成形しても良い。触媒の形状をハニカム状とすることにより、触媒と排気ガスとの接触面積が大きくなり、圧力損失も抑制できるため自動車用排気ガス浄化用触媒として用いる場合に極めて有効である。
【0062】
ハニカム材料に付着させる触媒成分コート層の量は、触媒成分全体のトータルで、触媒1Lあたり、50g〜400gが好ましい。
触媒成分担持層が多い程、触媒寿命の面から好ましいが、コート層が厚くありすぎると、触媒成分担持層内部で反応ガスが拡散不良となり触媒と充分に接触できなくなるため、活性に対する増量効果が飽和し、更にはガスの通過抵抗も大きくなってしまう。このため、コート層量は、上記触媒1Lあたり50g〜400gが好ましい。
【0063】
更に好ましくは、得られた排気ガス浄化用触媒に、アルカリ金属及びアルカリ土類金属を含浸担持させることにより、請求項7記載の排気ガス浄化用触媒が得られる。
使用できるアルカリ金属及びアルカリ土類金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素が挙げられるが、特に、カリウム及び/又はバリウムが好ましい。
【0064】
使用できるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の化合物は、酸化物、硝酸塩及び水酸化物等の水溶性のものである。これにより、白金及びパラジウムの近傍に塩基性元素であるアルカル金属及び/又はシルカリ土類金属を分散性良く担持することが可能となる。
【0065】
具体的には、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属からなる粉末の水溶液を、ウォッシュコート成分を担持した上記担体に含浸し、乾燥し、次いで空気中及び/又は空気流通下で200〜600℃の比較的低温で焼成するものである。
かかる焼成温度が200℃未満だとアルカリ金属及びアルカリ土類金属化合物が酸化物形態になることが充分にできず、逆に600℃を越えても焼成温度の効果は飽和し、顕著な差異は得られない。
【0066】
本発明を次の実施例及び比較例により説明する。
【0067】
【実施例】
実施例1
セリウム3モル%(CeO2 に換算して8.7重量%)、ジルコニウム3モル%(ZrO2 に換算して6.3重量%)とランタン2モル%(La2 O3 に換算して5.5重量%)を含有するアルミナ粉末(粉末A)に硝酸パラジウム水溶液を含浸し、150℃で12時間乾燥した後、400℃で1時間焼成して、Pd担持アルミナ粉末(粉末B)を得た。この粉末BのPd濃度は4.8重量%であった。
【0068】
ランタン1モル%(La2 O3 に換算して2重量%)とジルコニウム32モル%(ZrO2 に換算して25重量%)を含むセリウム酸化物粉末(粉末C)に硝酸パラジウム水溶液を含浸し、150℃で12時間乾燥した後、400℃で1時間焼成して、Pd担持セリウム酸化物(La0.01Zr0.32Ce0.67Ox )粉末(粉末D)を得た。この粉末DのPd濃度は0.9重量%であった。
【0069】
上記粉末B907g、粉末D400gと活性アルミナ193g、硝酸水溶液1000gを磁性ボールミルに投入し、混合・粉砕してスラリーを得た。このスラリー液をコージェラト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを除去・乾燥し、400℃で1時間焼成した。この作業を2度行い、コート層重量150g/L一担体(担体A)を得た。パラジウム担持量は133.3g/cf(4.71g/L)であった。
【0070】
Nd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末(粉末E)に硝酸ロジウム水溶液を含浸し、150℃で12時間乾燥した後、400℃で1時間焼成して、Rh担持Nd0.1 Ca0.1 Zr0.8 Ox 粉末(粉末F)を得た。この粉末FのRh濃度は1.5重量%であった。
【0071】
La1モル%、Ce20モル%、Zr79モル%のジルコニウム酸化物粉末(粉末G)にジニトロジアンミン酸白金水溶液を含浸し、150℃で12時間乾燥した後、400℃で1時間焼成してPt担持ジルコニウム酸化物粉末(粉末H)を得た。この粉末HのPt濃度は1.5重量%であった。
【0072】
上記粉末F313g、粉末H313gと、ジルコニウム3モル%(ZrO2 に換算して6.3重量%)とを含むアルミナ粉末(粉末I)149gと活性アルミナ25g、硝酸水溶液1000gを磁性ボールミルに投入し、混合・粉砕してスラリーを得た。このスラリー液を前記Pd含有触媒成分層を担持したコージェラト質モノリス担体(1.7L、400セル)(担持A)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを除去・乾燥し、400℃で1時間焼成した。コート層重量80g/L一担体(担持B)を得た。Rhの担持量は13.3g/cf(0.47g/L)、Ptの担持量は13.3g/cf(0.47g/L)であった。
次いで、上記触媒成分担持コージェラト質モノリス担体(担持B)に酢酸バリウム溶液を付着させた後、400℃で1時間焼成し、BaOとして10g/Lを含有させて、排気ガス浄化用触媒を得た。
【0073】
実施例2
Nd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd5モル%、Ca10モル%、Zr85モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0074】
実施例3
Nd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd20モル%、Ca10モル%、Zr70モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0075】
実施例4
Nd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd5モル%、Ca5モル%、Zr90モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0076】
実施例5
Nd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd5モル%、Ca20モル%、Zr75モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0077】
実施例6
Nd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd15モル%、Ca15モル%、Zr70モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0078】
実施例7
La1モル%、Ce20モル%、Zr79モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、La1モル%、Ce10モル%、Zr89モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0079】
実施例8
La1モル%、Ce20モル%、Zr79モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、La1モル%、Ce30モル%、Zr69モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0080】
実施例9
実施例1で得られた粉末B907g、粉末D400g、粉末H157g、活性アルミナ36g、硝酸水溶液1000gを磁性ボールミルに投入し、混合・粉砕してスラリーを得た。このスラリー液をコージェラト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを除去・乾燥し、400℃で1時間焼成した。この作業を2度行い、コート層重量150g/Lの担体(担体C)を得た。パラジウム担持量は133.3g/cf(4.71g/L)、白金担持量6.7g/cf(0.24g/L)であった。
【0081】
実施例1で得られた粉末F313g、粉末G157g、粉末H157gと、ジルコニウム3モル%(ZrO2 に換算して6.3重量%)とを含むアルミナ粉末(粉末I)148gと活性アルミナ25g、硝酸水溶液1000gを磁性ボールミルに投入し、混合・粉砕してスラリーを得た。このスラリー液を前記PdとPt含有触媒成分層を担持したコージェラト質モノリス担体(1.7L、400セル)(担体C)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを除去・乾燥し、400℃で1時間焼成した。コート層重量80g/L一担体(担体D)を得た。Rhの担持量は13.3g/cf(0.47g/L)、Ptの担持量は6.7g/cf(0.24g/L)であった。
次いで、上記触媒成分担持コージェラト質モノリス担体(担体D)に酢酸バリウム溶液を付着させた後、400℃で1時間焼成し、BaOとして10g/Lを含有させた。
【0082】
実施例10
粉末Fを調製する際のNd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd5モル%、Ca10モル%、Zr85モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0083】
実施例11
粉末Fを調製する際のNd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd20モル%、Ca10モル%、Zr70モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0084】
実施例12
粉末Fを調製する際のNd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd5モル%、Ca5モル%、Zr90モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0085】
実施例13
粉末Fを調製する際のNd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd5モル%、Ca20モル%、Zr75モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0086】
実施例14
粉末Fを調製する際のNd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd15モル%、Ca15モル%、Zr70モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0087】
実施例15
粉末Gを調製する際のLa1モル%、Ce20モル%、Zr79モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、La1モル%Ce10モル%Zr89モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0088】
実施例16
粉末Gを調製する際のLa1モル%、Ce20モル%、Zr79モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、La1モル%、Ce30モル%、Zr69モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0089】
実施例17
粉末Gを調製する際のLa1モル%、Ce20モル%、Zr79モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Pr1モル%、Le20モル%、Zr78モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0090】
実施例18
粉末Gを調製する際のLa1モル%、Ce20モル%、Zr79モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Y1モル%、Nd1モル%、Ce20モル%、Zr78モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0091】
実施例19
粉末Gを調製する際のLa1モル%、Ce20モル%、Zr79モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Pr1モル%、Nd1モル%、Y1モル%、La1モル%、Ce10モル%、Zr86モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0092】
実施例20
粉末Gを調製する際のLa1モル%、Ce20モル%、Zr79モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Pr1モル%、Nd1モル%、La1モル%、Ce30モル%、Zr66モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0093】
比較例1
粉末Fを調製する際のNd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、活性アルミナを用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0094】
比較例2
粉末Fを調製する際のNd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、ZrO2 を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0095】
比較例3
粉末Fを調製する際のNd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd20モル%、Ca30モル%、Zr50モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0096】
比較例4
粉末Fを調製する際のNd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、活性アルミナを用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0097】
比較例5
粉末Fを調製する際のNd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、ZrO2 を用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0098】
比較例6
粉末Fを調製する際のNd10モル%、Ca10モル%、Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末の代わりに、Nd20モル%、Ca30モル%、Zr50モル%のジルコニウム酸化物粉末を用いた以外は、実施例9と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0099】
上記実施例1〜20及び比較例1〜6で得られた排気ガス浄化用触媒中におけるロジウム、白金、パラジウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の含有量を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
試験例
前記実施例1〜20及び比較例1〜6の排気ガス浄化用触媒について、以下の耐久条件により耐久を行った後、下記評価条件で触媒活性評価を行った。
【0102】
【0103】
評価条件1:低温活性
エンジン排気量 2000cc
燃料 無鉛ガソリン
昇温速度 10℃/分
測定温度範囲 150〜500℃
耐久後の各排気ガス浄化用触媒の低温活性を、HC、CO及びNOx の転化率が50%になった時の温度(T50/℃)で表し、その結果を表2に示す。
【0104】
耐久後の各排気ガス浄化用触媒の浄化性能を、ストイキ雰囲気におけるHC、CO及びNOx の平均転化率(%)を以下の式により決定し、その結果を表2に示す。
【0105】
【数1】
【数2】
【数3】
【0106】
【表2】
【0107】
【発明の効果】
請求項1記載の排気ガス浄化用触媒は、耐久性と耐被毒性に優れ、耐久後の低温活性及びストイキ転化率等の排気ガス浄化性能を向上させることができる。
【0108】
請求項2記載の排気ガス浄化用触媒は、上記効果に加えて、更にロジウムの不活性化を抑制し、耐久後の触媒性能を向上させることができる。
【0109】
請求項3記載の排気ガス浄化用触媒は、上記効果に加えて、触媒成分の低下を抑制できる。
【0110】
請求項4記載の排気ガス浄化用触媒は、上記効果に加えて、更に低温活性や浄化性能を向上し、触媒成分の完全に起因する触媒性能の低下を抑制できる。
【0111】
請求項5記載の排気ガス浄化用触媒は、上記効果に加えて、更にパラジウムの還元による不活性化を抑制し、更に耐久後の触媒性能の低下を抑制できる。
【0112】
請求項6記載の排気ガス浄化用触媒は、上記効果に加えて、パラジウムの耐被毒性を向上し、更に、ロジウムの耐久後の触媒性能の低下を抑制できる。
【0113】
請求項7記載の排気ガス浄化用触媒は、上記効果に加えて、触媒成分中のパラジウムのシンタリングを抑制して、更に低温活性や浄化性能を向上させることができる。
Claims (5)
- 触媒成分担持層を有する一体構造型触媒において、少なくともロジウム担持ジルコニウム酸化物(但し、ジルコニアを除く。以下、ジルコニウム酸化物について同じ。)と白金担持ジルコニウム酸化物とを含有し、
ロジウムを担持するジルコニウム酸化物は、次の一般式;
Nd a Ca b Zr c O d
(式中、a,b及びcは、各元素の原子比率を示し、金属換算で、a=0.01〜20モル%、b=0.05〜20モル%、c=60〜95モル%、dは上記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子数である)で表され、
白金を担持するジルコニウム酸化物は、次の一般式;
〔X〕 e Ce f Zr g O h
(式中、Xは、プラセオジウム、イットリウム、ランタン及びネオジウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素であり、e,f及びgは、各元素の原子比率を示し、金属換算で、e=0.01〜10モル%、f=5〜30モル%、g=65〜95モル%、hは上記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子数である)で表されることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 請求項1記載の排気ガス浄化用触媒の触媒成分担持層中に、更にパラジウム担持アルミナが含有され、該アルミナはセリウム、ジルコニウム及びランタンからなる群より選ばれた少なくとも一種を金属換算で1〜10%含むことを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
- 請求項1又は2記載の排気ガス浄化用触媒の触媒成分担持層中に、更にパラジウム担持セリウム酸化物が含有され、該セリウム酸化物は、ジルコニウム、ネオジウム及びランタンからなる群より選ばれた少なくとも一種を金属換算で1〜40モル%含むことを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
- 請求項2又は3記載の排気ガス浄化用触媒において、ロジウム担持ジルコニウム酸化物を表層側に、パラジウム担持触媒成分を内層側に配置して成ることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
- 請求項1〜4いずれかの項記載の排気ガス浄化用触媒に、更に、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選ばれた少なくとも一種が含有されることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
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