JP3960193B2 - リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池並びにその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池並びにその製造方法に関し、詳しくは低温時においても大電流放電特性に優れるリチウム二次電池に好適に適用できるリチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラや携帯型電話機等のコードレス電子機器の発達はめざましく、これら民生用途の電源として電池電圧が高く、高エネルギー密度を有したリチウム二次電池が注目され、実用化が進んでいる。
【0003】
また民生用途とは別に、環境問題等を背景として自動車分野でも電気自動車やハイブリッド自動車の開発がなされており、車載用電源としてリチウム二次電池が注目され、検討されている。
【0004】
従来のリチウム二次電池の正極として、粉末状の活物質と導電材と結着材としてのカルボキシメチルセルロース水溶液とポリテトラフルオロエチレンの水性ディスパージョンを均一に混合し、圧延アルミ箔のようなフィルム状の導電性箔上に塗布、乾燥、圧延する方法が知られている(特許文献1)。
【0005】
結着材として、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロースといった耐有機溶媒性に優れる樹脂を用いた場合、リチウム二次電池の非水電解液の溶媒として用いられるエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の有機溶媒に対しても膨潤、溶解することがなく、活物質を強固に結着した状態を維持できるため、電池として良好なサイクル特性を実現できるという利点がある。特に電池の使用温度が高温になった場合、この差はより顕著に表れる。
【0006】
しかし一方で、結着材が活物質の表面を均一に被覆し強固に結合した場合、活物質表面でのリチウムイオンの伝導を阻害し、電池特性の低下を招く、これは、電池の動作温度が低くなるほど、また放電電流値が大きくなるほど影響が大きくなる。
【0007】
ここで、リチウム二次電池を車載用の電源として用いる場合、民生用途と比較して使用条件が厳しくなる。高エネルギー密度の要求に加えて、室温下での高出力特性、更には寒冷地でのエンジン始動の必要性から低温下(−30℃程度)での数秒間の高い出力特性まで要求される。
【0008】
【特許文献1】
特開平2−158055号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では、出力特性に優れたリチウム二次電池の提供を目的とし、リチウム二次電池に適用したときに高出力特性が得られるリチウム二次電池用電極、高出力特性を有するリチウム二次電池及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する目的で本発明者等は鋭意研究を行った結果、活物質表面を被覆している結着材の一部にリチウムイオンの伝導度が大きい部分を局所的に形成し、大電流を放電する時や低温で作動させる時においても、活物質と非水電解液との間でリチウムイオンが伝導し易い電極合材層の構造を実現することにより、電池反応を円滑に進行でき、出力特性の向上が可能であることを見出し以下の発明を行った。
【0011】
すなわち、活物質とその活物質表面を被覆する結着材とを含む電極合材層を有するリチウム二次電池用電極において、〈 1 〉正極におけるセルロース誘導体からなる親水性結着材とポリエーテル構造を化学構造中に含む親電解液性結着材とを含むリチウム二次電池の正極(請求項1)、又は〈2〉正負極のいずれかであって結着材がポリエーテル構造からなる親電解液性側鎖をグラフト化したセルロース誘導体からなるブロック型親水性−親電解液性結着材を含むリチウム二次電池用電極(請求項5)の大きく2つの種類の手段の発明を行った。
【0012】
〈1〉の手段では、正極の結着材として、非水電解液に対して安定であり良好なサイクル特性を実現できるセルロース誘導体からなる親水性結着材と、リチウムイオンの伝導性に優れたポリエーテル構造をもつ親電解液性結着材との混合物を用いることで、結着材全体としては正極活物質との密着性を向上しながら、リチウムイオンの伝導性が高い部位を形成できる。その結果、リチウム二次電池の正極に適用することで、出力特性を優れたものとできる。
【0013】
親水性結着材としてはカルボキシメチルセルロースを好ましい例として挙げることができる(請求項2)。また、親電解液性結着材としてはポリエチレンオキサイドを好ましい例として挙げることができる(請求項3)。
【0014】
更に、前記親電解液性結着材の前記電極合材層に対する含有量が3質量%以下であることが好ましい(請求項4)。3質量%以下の含有量とすることで、電極を作製する場合の結着材としての作用を充分に発揮することができる。その結果、電池性能が向上できる。
【0015】
そして、〈2〉の手段では、正負極のいずれかにおける結着材として、親水性であるセルロース構造と、親電解液性であるポリエーテル構造とを同一分子内に含む親水性−親電解液性結着材を用いることで、同一分子内で親水性部位と親電解液性部位とが生起し、親水性部位が活物質表面に強固に密着することによりサイクル特性が向上できると共に、親電解液性部位のイオン導電性の高さにより出力特性も良好になる。
【0016】
ブロック型親水性−親電解液性結着材としてはカルボキシメチルセルロースにポリエチレンオキサイドをエーテル結合させたものが好ましい例として挙げることができる(請求項6)。
【0017】
また、▲1▼及び▲2▼の手段についてセルロース誘導体の含有量としては、電極合材層全体に対して2質量%以下であることが好ましい(請求項7)。
【0020】
さらに、上記課題を解決するリチウム二次電池として、上述の〈1〉のリチウム二次電池用電極を正極に採用するか、又は、〈 2 〉の手段で記載したリチウム二次電池用電極を正負電極の少なくとも一方に用いた電池を発明した(請求項8)。
【0021】
そして、上記課題を解決するリチウム二次電池の製造方法として、前述の〈1〉のリチウム二次電池用電極を正極に採用するか、又は、〈2〉の手段で示したリチウム二次電池用電極を正負電極の少なくとも一方に用いた電池であって、非水電解液がポリエーテル構造部分を膨潤乃至は溶解する温度以上に加温する加温工程を有することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法を発明した(請求項9、13)。
【0022】
つまり、加温工程を設けることで、結着材のポリエーテル構造を有する部分(▲1▼の手段では親電解液性結着材であり、▲2▼の手段では親電解液性部位である)がより非水電解液に膨潤乃至は溶解でき、リチウムイオンの伝導経路がより多く形成できる結果、出力特性が良好なリチウム二次電池を製造することができる。また、親水性結着材若しくは親水性部位であるセルロース構造も加温工程により、膨潤乃至は溶解することも考えられ、親水性結着材等にもリチウムイオン伝導路が形成できることも期待できる。
【0023】
そして、加温工程は内部の電極が活性なリチウム二次電池を4.1V以上に充電した後に行うことがより好ましいことが実験から明らかとなっている(請求項16)。
【0024】
そして、親水性結着材としてはカルボキシメチルセルロースを好ましい例として挙げることができる(請求項10)。また、親電解液性結着材としてはポリエチレンオキサイドを好ましい例として挙げることができる(請求項11)。更に、前記親電解液性結着材の前記電極合材層に対する含有量が3質量%以下であることが好ましい(請求項12)。
【0025】
また、ブロック型親水性−親電解液性結着材としてはカルボキシメチルセルロースにポリエチレンオキサイドをエーテル結合させたものが好ましい例として挙げることができる(請求項14)。さらに、セルロース誘導体の含有量としては、電極合材層全体に対して2質量%以下であることが好ましい(請求項15)。
【0029】
【発明の実施形態】
(リチウム二次電池用電極)
本実施形態のリチウム二次電池用電極は、活物質と、結着材とを含む電極合材層を有する。さらに必要に応じた添加剤を含有可能である。電極合材層は一般的に集電体上に形成される。また、本電極は正負極のいずれにも適用可能である。
【0030】
本実施形態のリチウム二次電池用電極に用いることができる結着材は以下の〈 1 〉又は〈 2 〉に類別できる。以下の類別はそれぞれ排他的なものではなく、組み合わせることもできる。結着材は全体として水溶性乃至は水分散性であることが好ましい。疎水性の結着材を水分散性とするには結着材の表面に親水化処理を行うことで達成できる。更に〈 3 〉の結着材を合わせて採用することも可能である。
【0031】
さらに、必要に応じて結着材としては公知の結着材、PVDF、PTFE、SBR、及びそれらを親水化した結着材、並びにポリビニルアルコ−ル、ポリアクリル酸塩等を含有可能である。さらに、本電極に可とう性を付与するために非水電解液と反応しにくいPTFE、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルアルキルビニルエーテル共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体)、EPE(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素樹脂を併用できる。
【0032】
〈1〉親水性結着材と親電解液性結着材とを別分子で含む結着材(正極)
親水性結着材は、非水電解液に溶解しないセルロース誘導体である。セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HMCP)が例示でき、好ましくはCMCを用いる。親水性結着材としては電極合材層全体に対して2質量%以下とすることが好ましく、1質量%以下の含有量とすることがより好ましい。
【0033】
親電解液性結着材は、親水性結着材よりも非水電解液に対する親和性が高いポリエーテル構造をもつ化合物であり、好ましくはリチウム二次電池の使用温度よりも高温で非水電解液に溶解乃至は膨潤する化合物である。親電解液性結着材は電極合材全体に対して3質量%以下の含有量とすることが好ましい。非水電解液への溶解性は分子量の調整、電極製造後の後処理による分子間の架橋処理等により制御できる。親電解液性結着材としては、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体(PEO−PPO)が例示でき、好ましくはPEOを用いる。なお、親水性結着材と親電解液性結着材とは相溶性が高いものが好ましい。
【0034】
〈2〉セルロース骨格に親電解液性側鎖が結合した親水性−親電解液性結着材を含む結着材(親水性部位と親電解液性部位とを同一分子内に含む結着材:正極又は負極)
親水性−親電解液性結着材は、同一分子内に親水性の部位と親電解液性の部位とを有し、全体としてリチウム二次電池の使用温度範囲において、非水電解液に溶解しない化合物である。非水電解液への溶解性は分子量の調整、電極製造後の後処理による分子間の架橋処理等により制御できる。親水性部位と親電解液性部位とは活物質表面を被覆したときに海−島構造若しくはラメラ構造を形成することが好ましい。
【0035】
親水性−親電解液性結着材としては、CMCのカルボキシル基をポリエチレンオキサイドで置換した化合物、CMCのカルボキシル基とポリエチレンオキサイドとをエステル結合した化合物、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が例示でき、好ましくはCMCのカルボキシル基をポリエチレンオキサイドで置換した化合物又はCMCのカルボキシル基とポリエチレンオキサイドとをエステル結合した化合物を用いる。
【0036】
親水性−親電解液性結着材としては分子構造のうち、親水性の部位の含有量が電極合材層全体に対して2質量%以下とすることが好ましく、1質量%以下の含有量とすることがより好ましい。そして、親電解液性の部位の含有量が電極合材層全体に対して3質量%以下とすることが好ましい。
【0037】
〈3〉溶解性分散体を分散した結着材(正極又は負極)
本結着材は高分子マトリックス中に溶解性分散体を分散している。高分子マトリックスは特に限定されず、一般的に結着材と称される高分子化合物が好適に使用できる。サイクル特性の観点からは、高分子マトリックスとして水溶性の化合物を用いることが好ましい。たとえば、CMC、親水化処理したPTFE,SBR等である。
【0038】
溶解性分散体は、非水電解液に溶解可能な化合物である。リチウム塩を用いることで溶解性分散体が非水電解液中に溶解した後に電池性能に与える影響を少なくできる。また、結着材としては水溶性の化合物を用いる場合に、リチウム塩はリチウムイミド塩のように、水との反応性が少ないものが好ましい。
【0039】
溶解性分散体を分散させる方法としては、溶媒に溶解した高分子マトリックスと溶解性分散体(溶解、非溶解を問わない)とを混合した後に、溶媒を蒸発させる若しくは溶解性分散体及び高分子マトリックスを溶解しない溶媒に接触させる等して結着材を析出させる方法、高分子マトリックスと溶解性分散体とを常温下又は加温下で混練する方法等の一般的な方法が適用できる。
【0040】
結着材中の溶解性分散体の含有割合は結着材全体に対して50質量%以上とすることが好ましい。また、結着材中の溶解性分散体の分散は溶解性分散体の分子オーダーから、溶解性分散体の結晶オーダー、又はそれ以上のどのような大きさで行っても良いが、本結着材が活物質の表面を結着材と溶解性分散体とで分割して被覆できる大きさである必要がある。
【0041】
活物質はリチウムイオンを吸蔵乃至は放出できる化合物である。
【0042】
正極の活物質は、リチウムイオンを充電時には放出し且つ放電時には吸蔵することができる。正極活物質としては、層状構造またはスピネル構造のリチウム−金属複合酸化物のうちの1種以上であるリチウム−金属複合酸化物含有活物質が例示できる。
【0043】
リチウム−金属複合酸化物含有活物質としては、たとえば、Li(1-X)NiO2、Li(1-X)MnO2、Li(1-X)Mn2O4、Li(1-X)CoO2、Li(1-X)FeO2等や、各々にLi、Al、そしてCr等の遷移金属を添加または置換した材料等である。この例示におけるXは0〜1の数を示す。なお、これらのリチウム−金属複合酸化物を正極活物質として用いる場合には単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。このなかでもリチウム−金属複合酸化物含有活物質としては、層状構造またはスピネル構造のリチウムマンガン含有複合酸化物、リチウムニッケル含有複合酸化物およびリチウムコバルト含有複合酸化物のうちの1種以上であることが好ましい。コスト低減の観点からはリチウム−金属複合酸化物含有活物質は、層状構造またはスピネル構造のリチウムマンガン含有複合酸化物およびリチウムニッケル含有複合酸化物のうちの1種以上であることがさらに好ましい。
【0044】
負極の活物質は、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出することができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料・構成のものを用いることができる。たとえば、リチウム金属、グラファイト又は非晶質炭素等の炭素材料等である。そのなかでも特に炭素材料を用いることが好ましい。炭素材料は比表面積が比較的大きくでき、リチウムの吸蔵、放出速度が速いため大電流での充放電特性、出力・回生密度に対して良好となる。特に、出力・回生密度のバランスを考慮すると、充放電に伴ない電圧変化の比較的大きい炭素材料を使用することが好ましい。また、このような炭素材料を負極活物質に用いることで、より高い充放電効率と良好なサイクル特性とが得られる。
【0045】
本電極を正極とする場合には、さらに導電材等の公知の添加材が添加できる。正極の集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレスなど、負極の集電体としては、例えば、銅、ニッケルなどを鋼、パンチメタル、フォームメタルや板状に加工した箔などが用いられる。
【0046】
本電極の製造は、▲3▼で説明した結着材を用いた場合には後述するリチウム二次電池用電極の製造方法で製造することもできるし、一般的な方法(活物質と結着材とその他必要に応じた添加剤とを適正な溶媒中に分散乃至は溶解して製造したペーストを集電体上に塗布・乾燥した後にプレス等を行う方法:後述する電極の製造方法における電極合材形成方法とほぼ同様の方法)で製造可能である。
【0047】
(参考:リチウム二次電池用電極の製造方法)
本リチウム二次電池用電極の製造方法は、前述のリチウム二次電池用電極欄で説明した〈3〉の結着材を用いた電極の製造に好適に適用できる方法である。本製造方法は、電極合材形成工程と溶解工程とをもつ。
【0048】
電極合材形成工程は活物質と、溶解性分散体を分散したその活物質表面を被覆した結着材とをもつ電極合材層を形成する工程である。電極合材層は集電体上に形成することができる。ここで、活物質としては前述のリチウム二次電池用電極欄で説明したものと同様であり、結着材としては前述のリチウム二次電池用電極欄の▲3▼で説明したものと同様であるので、ここでのそれぞれ更なる説明を省略する。なお、結着材に用いる溶解性分散体については、電池内から除去できるので、電池内に混入するとあまり好ましくない化合物であっても使用可能である。
【0049】
電極合材層を形成する方法としては、活物質と結着材と必要に応じて添加される添加剤とを適正な溶媒(たとえば水)に分散乃至は溶解させたペーストを集電体上に塗布した後に、溶媒を乾燥させて形成する方法が例示できる。具体的にペーストを集電体に塗布する塗布方法としては、ダイコータ、コンマコータ、リーバースローラー、ドクターブレードなどをはじめ、各種の塗布方法が例示できる。その後、プレス等により電極合材層の密度を向上させることができる。
【0050】
溶解工程は溶解性分散体を適正な溶媒で溶解する工程である。溶解された溶解性分散体は溶媒中に抽出される。本工程は加温下で行うことで溶解速度を向上可能である。溶媒は電池中には混合されないので、電池反応を考慮することなく適正な溶媒を選択できる。
【0051】
(リチウム二次電池)
本実施形態のリチウム二次電池は、正負電極とその正負電極に狭持されたセパレータと非水電解液とを有する。正負電極の少なくとも一方、好ましくは両方は前述したリチウム二次電池用電極を用いる。
【0052】
本電池は、その形状に特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型等、種々の形状の電池として使用できる。本実施形態では、円筒型のリチウム二次電池に基づいて説明を行う。
【0053】
本実施形態のリチウム二次電池は、正極および負極をシート形状として両者をセパレータを介して積層し渦巻き型に多数回巻回した巻回体を空隙を満たす非水電解液とともに所定の円筒状のケース内に収納したものである。正極と正極端子部とが、そして負極と負極端子部とが、それぞれ電気的に接合されている。
【0054】
非水電解液は、有機溶媒に支持塩を溶解させたものである。
【0055】
有機溶媒は、通常リチウム二次電池の非水電解液の用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等及びそれらの混合溶媒が適当である。
【0056】
例に挙げたこれらの有機溶媒のうち、特に、カーボネート類、エーテル類からなる群より選ばれた一種以上の非水溶媒を用いることにより、支持塩の溶解性、誘電率および粘度において優れ、電池の充放電効率も高いので、好ましい。
【0057】
支持塩は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF3)2、LiN(SO3CF3)2、LiN(SO2C2F5)2およびLiN(SO2CF3)(SO2C4F9)から選ばれる有機塩、並びにその有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
【0058】
これらの支持塩の使用により、電池性能をさらに優れたものとすることができ、かつその電池性能を室温以外の温度域においてもさらに高く維持することができる。支持塩の濃度についても特に限定されるものではなく、用途に応じ、支持塩および有機溶媒の種類を考慮して適切に選択することが好ましい。
【0059】
セパレータは、正極および負極を電気的に絶縁し、非水電解液を保持する役割を果たすものである。たとえば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いればよい。なおセパレータは、正極と負極との絶縁を担保するため、正極および負極よりもさらに大きいものとするのが好ましい。
【0060】
ケースは、特に限定されるものではなく、公知の材料、形態で作成することができる。
【0061】
ガスケットは、ケースと正負の両端子部の間の電気的な絶縁と、ケース内の密閉性とを担保するものである。たとえば、非水電解液にたいして、化学的、電気的に安定であるポリプロピレンのような高分子等から構成できる。
【0062】
(リチウム二次電池の製造方法)
本実施形態のリチウム二次電池の製造方法は、たとえば公知のリチウム二次電池の製造方法を用いて製造した後に、非水電解液がポリエーテル構造部分を膨潤乃至は溶解する温度以上に加温する加温工程を有する。
【0063】
公知のリチウム電池の製造方法としては、たとえば、正極と負極とをセパレータを介して積層した状態で電池容器に収納し、この電池容器内に非水電解液を注入し、密閉封止することで製造する方法を挙げることができる。
【0064】
加温工程で加温する温度及び時間は、使用された結着材及び非水電解液の種類により適正値は異なるが、親水性結着材又は親水性−親電解液性結着材の親水性部分を溶解させることなく、親電解液性結着材又は親水性−親電解液性結着材の親電解液性部分を溶解乃至は膨潤できる温度及び時間とする。ポリエーテル構造部分がポリエチレンオキサイドである場合の適正な加温温度としては40〜80℃程度である。
【0065】
さらに、加温工程は、電池を4.1V以上に充電した状態で行うことが好ましい。
【0066】
【実施例】
〔実施例1〕
実施例1のリチウム二次電池を作製した。ここで、実施例において作製されたリチウム二次電池を図1に示す。
【0067】
この円筒形リチウム二次電池100は、リチウムを含む正極活物質をもち、かつ充電時にはリチウムをリチウムイオンとして放出し、放電時にはリチウムイオンを吸蔵することができる正極1と、炭素材料からなる負極活物質をもち、充電時にはリチウムイオンを吸蔵し放電時にはリチウムイオンを放出することができる負極2と、有機溶媒にリチウムが含まれる支持塩が溶解されて形成された非水電解液3と、正極と負極との間に配されるセパレータ4とを備えたリチウム二次電池である。
【0068】
正極1は、アルミニウム箔よりなる正極集電体11と、正極集電体11の表面上に形成されたLiCoO2からなる正極活物質と結着材とを有する正極合材層12と、正極集電体に接合された正極集電リード13と、からなる電極であり、シート状に形成した。
【0069】
負極2は、銅箔よりなる負極集電体21と、負極集電体21の表面上に形成された負極活物質と結着材とを有する負極合材層22と、負極集電体21に接合された負極集電リード23と、からなる電極であり、シート状に形成した。
【0070】
また、正極1と負極2とは、シート状のセパレータ4を介して巻回した状態で、ケース7内に保持されている。また、正極1および負極2の集電リード13、23は、それぞれケース7の正極端子部5および負極端子部6と接続した。
【0071】
セパレ−タ4は、厚さが25μmの微多孔質ポリエチレンフィルムを用いた。
【0072】
電解液は、電解質としてLiPF6を、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比で混合した溶媒に、1mol/Lの割合で溶解させた溶液を用いた。
【0073】
実施例のリチウム二次電池の各構成要素は、以下の手順で作製した。
【0074】
(正極の製造)
正極活物質としてリチウムニッケル酸化物87質量%、導電材としてアセチレンブラック(品番:HS−100)10質量%に、2質量%濃度のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩水溶液を親水性結着材としてのカルボキシメチルセルロースナトリウムの固形分が1質量%となるように混合し、さらに親電解液性結着材としてのポリエチレンオキサイド粉末1質量%と所定量の水を混合し、二軸攪拌機にて1時間攪拌する。その後、その他の結着材としての固形分比率約50%のPTFE水性ディスパージョンをPTFEの固形分が1質量%となるように添加し、真空乳化攪拌装置を使い30分間攪拌する。このようにして得られたペーストをコンマコータにてアルミ箔上に片面あたり目付量6.51(mg/cm2)で両面塗布する。次にこの電極をロールプレス機を通し、線圧740(kg/cm)の荷重をかけ電極密度を2.20(g/cm3)まで上げる。次にこの電極を幅5.4(cm)、長さ86(cm)にカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部として長さ2.5(cm)分の電極合剤を掻き取った。この電極の有効反応面積は5.4(cm)×83.5(cm)×2=901.8(cm2 )である。
【0075】
(負極の製造)
負極としては負極活物質として鱗片状グラファイト92.5質量%、結着材としてPVDF7.5質量%を用い、N−メチル−2−ピロリドン中にPVDFを溶解した溶液にグラファイトを分散させたペーストを同様にコンマコータを使い銅箔上に片面あたりの目付量3.74(mg/cm2 )で両面塗布し、その後ロールプレス機を通し、線圧250(kg/cm)の荷重をかけ電極密度を1.25(g/cm3 )まで上げた電極を作製した。次にこの電極を幅5.6(cm)、長さ90.5(cm)にカットし、電極取り出し用のリードタブ溶接部として長さ0.5(cm)分の電極合剤を掻き取った。この電極の有効反応面積は、5.6(cm)×90(cm)×2=1008(cm2 )である。
【0076】
(電池の組立)
以上で得られたシート状正極およびシート状負極を、セパレータを介した状態で巻回させて、巻回型電極体を形成した。セパレ−タにはポリエチレン製厚み25μmのものを用いた。得られた巻回型電極体は、ケースの内部に挿入され、ケース内に保持された。このとき、シート状正極およびシート状負極のリードタブ溶接部に一端が溶接された集電リードは、ケースの正極端子あるいは負極端子に接合された。その後、巻回型電極体が保持されたケース内に電解液を注入した後に、ケースを密閉、封止した。
【0077】
以上の手順により、φ18mm、軸方向の長さ65mmの円筒形リチウム二次電池を製造し、リチウム二次電池の各種特性を以下の測定方法により測定した。
【0078】
(電池初期容量)
初回は充電電流250(mA)で4.1(V)までCC−CV充電し、放電電流333(mA)で3.0(V)までCC放電を行った。次に充電電流1000(mA)で4.1(V)までCC−CV充電、放電電流1000(mA)で3.0(V)までCC放電を4回行った後、充電電流流1000(mA)で4.1(V)までCC−CV充電、放電電流333(mA)で3.0(V)までCC放電し、この時の放電容量を電池初期容量とした。なお、測定は25℃の雰囲気で行った。
【0079】
(室温出力)
初期放電容量測定後、25℃に保ち、充電電流1000mAで3.750V(SOC60%)までCC−CV充電した。
【0080】
その後、300mA、900mA、2.7A、5.4A、8.1Aの順にそれぞれ10秒間放電、10秒間充電を繰り返し、それぞれの電流値及び閉回路電池電圧を直線近似し、その直線が3.0Vと交差する点の電流値を読み取り、その電流値に3Vを乗ずることにより出力を求めた。なお、測定はすべて25℃で行った。
【0081】
(低温出力)
初期放電容量測定後、25℃に保ち、充電電流1000mAで3.618V(SOC40%)までCC−CV充電した。
【0082】
その後、100mA、200mA、300mA、400mA、600mA、1000mAの順に2点をそれぞれ10秒間放電、10秒間充電を繰り返し、それぞれの点の電流値、閉回路電池電圧を測定し、3.0V前後の2点を結んだ直線が3.0Vと交差する点の電流値を読み取り、その電流値に3Vを乗ずることにより出力を求めた。なお、測定はすべて−30℃で行った。
【0083】
(高温サイクル特性評価)
電池初期容量評価した電池を60℃一定の恒温槽のなかで、2.2mA/cm2の一定電流で、電池極間電圧が4.1Vから3Vの間の充放電を繰り返した。そして1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の割合、即ちサイクル後容量維持率を求めた。
【0084】
(結果)
この電池の初期放電容量は926mAh、室温出力は37.1W、低温出力は1.60Wと大きな値を示すことがわかった。サイクル後容量維持率は81.8%と良好な値を示した。
【0085】
〔実施例2〕
実施例1の正極において、カルボキシメチルセルロースの比率を0.5質量%、正極活物質の比率を87.5質量%にした以外は実施例1と同じ電池である。カルボキメチルセルロースの量が減ることにより、リチウムイオン伝導性ポリマーであるPEOの影響が大きくなり、初期放電容量は925mAh、室温出力は37.3Wと変わらないものの低温における出力は2.20Wまで向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.5%と良好な値を示した。
【0086】
〔実施例3〕
実施例1の正極において、カルボキシメチルセルロースの比率を2質量%、正極活物質の比率を86質量%にした以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は925mAh,室温出力は37.1Wと変わらないものの低温における出力は0.95Wまで向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.6%と良好な値を示した。
【0087】
〔実施例4〕
実施例1の正極において、カルボキシメチルセルロースの比率を3質量%、正極活物質の比率を85質量%にした以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は925mAh,室温出力は37.3Wと変わらないものの低温における出力は0.90Wまで向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.5%と良好な値を示した。
【0088】
〔実施例5〕
実施例1の正極において、親水性結着材としてのカルボキシメチルセルロースと親電解液性結着材としてのポリエチレンオキサイドの代わりに、カルボキシメチルセルロースのカルボキシ基をポリエチレンオキサイド構造の官能基に置換した構造の親水性−親電解液性結着材としての高分子ポリマーを2質量%用いた以外は実施例1と同じ電池である。ポリマー内に部分的にリチウムイオン伝導性が大きい部分を設けることにより、2種類のポリマーを混合することと同様の効果を得ることができる。初期放電容量は924mAh、室温出力は37.2Wと変わらないものの低温における出力は2.10Wまで向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は80.5%と良好な値を示した。
【0089】
〔実施例6〕
実施例1の正極において、カルボキシメチルセルロース水溶液中にカルボキシメチルセルロースの固形分に対して20%のLiN(C2F5SO2)(C2F5SO2)を混合して電池を作製した。つまり、高分子マトリックスとしてのカルボキシメチルセルロース中に溶解性分散体としてのLiN(C2F5SO2)(C2F5SO2)を混合・分散した結着材である。この電池では非水電解液注入後にCMC被膜の中からLiN(C2F5SO2)(C2F5SO2)が抽出されることにより、リチウムイオン伝導性が向上する。その結果初期放電容量は926mAh、室温出力は37.3Wと変わらず、低温出力を1.20Wまで向上させることができる。サイクル後容量維持率は81.3%と良好な値を示した。
【0090】
〔実施例7〕
実施例1の電池について、電池作製、初期放電容量測定後(3.0V)、60℃の恒温槽に24時間保管し、エージングを行い(加温工程)、実施例7の電池とした。エージングを行うことにより、結着材のポリエチレンオキサイドが非水電解液溶媒に溶解し、電極のリチウムイオン伝導性が向上した。その結果初期放電容量は926mAh、室温出力は37.3Wと変わらず、低温出力を2.30Wまで向上させることができる。サイクル後容量維持率は81.6%と良好な値を示した。
【0091】
〔実施例8〕
実施例1の電池において、電池作製、初期放電容量測定後、さらに4.1Vまで充電し、その後60℃の恒温槽に24時間保管し、エージングを行い(加温工程)、実施例8の電池とした。エージングを行うことにより、結着材のポリエチレンオキサイドが非水電解液溶媒に溶解し、電極のリチウムイオン伝導性が向上した。その結果初期放電容量は926mAh、室温出力は37.3Wと変わらず、低温出力を2.60Wまで向上させることができる。サイクル後容量維持率は81.7%と良好な値を示した。
【0092】
〔実施例9〕
実施例1の正極において、カルボキシメチルセルロースの比率を1.9質量%、正極活物質の比率を86.1質量%にした以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は925mAh,室温出力は37.1Wとほとんど変わらないものの低温における出力は1.00Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.5%と良好な値を示した。
【0093】
〔実施例10〕
実施例1の正極において、ポリエチレンオキサイド粉末の比率を0.3質量%、正極活物質の比率を87.7質量%にした以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は926mAh,室温出力は37.1Wとほとんど変わらないものの低温における出力は0.92Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.6%と良好な値を示した。
【0094】
〔実施例11〕
実施例1の正極において、ポリエチレンオキサイド粉末の比率を0.7質量%、正極活物質の比率を87.3質量%にした以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は926mAh,室温出力は37.1Wとほとんど変わらないものの低温における出力は1.20Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.5%と良好な値を示した。
【0095】
〔実施例12〕
実施例1の正極において、ポリエチレンオキサイド粉末の比率を2質量%、正極活物質の比率を86質量%にした以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は926mAh,室温出力は37.2Wとほとんど変わらないものの低温における出力は2.00Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.4%と良好な値を示した。
【0096】
〔実施例13〕
実施例1の正極において、ポリエチレンオキサイドの比率を3質量%、正極活物質の比率を85質量%にした以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は925mAh,室温出力は37.2Wとほとんど変わらないものの低温における出力は2.10Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.4%と良好な値を示した。
【0097】
〔実施例14〕
実施例1の正極において、PTFEの比率を0質量%、正極活物質の比率を88質量%にした以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は925mAh,室温出力は37.1Wとほとんど変わらないものの低温における出力は1.60Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.5%と良好な値を示した。
【0098】
〔実施例15〕
実施例1の正極において、カルボキシメチルセルロース(CMC)の比率を2質量%、PTFEの比率を0%、正極活物質の比率を87質量%にした以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は925mAh,室温出力は37.1Wとほとんど変わらないものの低温における出力は0.95Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.4%と良好な値を示した。
【0099】
〔実施例16〕
実施例1の正極において、CMCに代えて、メチルセルロースを採用した以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は925mAh,室温出力は37.1Wとほとんど変わらないものの低温における出力は1.55Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.6%と良好な値を示した。
【0100】
〔実施例17〕
実施例9の正極において、CMCに代えて、メチルセルロースを採用した以外は実施例9と同じ電池である。初期放電容量は925mAh,室温出力は37.3Wとほとんど変わらないものの低温における出力は0.99Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.5%と良好な値を示した。
【0101】
〔実施例18〕
実施例3の正極において、CMCに代えて、メチルセルロースを採用した以外は実施例3と同じ電池である。初期放電容量は925mAh,室温出力は37.1Wとほとんど変わらないものの低温における出力は0.94Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.5%と良好な値を示した。
【0102】
〔実施例19〕
実施例1の正極において、CMCに代えて、酢酸フタル酸セルロースを採用した以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は924mAh,室温出力は37.2Wとほとんど変わらないものの低温における出力は1.50Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.6%と良好な値を示した。
【0103】
〔実施例20〕
実施例9の正極において、CMCに代えて、酢酸フタル酸セルロースを採用した以外は実施例9と同じ電池である。初期放電容量は924mAh,室温出力は37.1Wとほとんど変わらないものの低温における出力は0.98Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.3%と良好な値を示した。
【0104】
〔実施例21〕
実施例3の正極において、CMCに代えて、酢酸フタル酸セルロースを採用した以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は924mAh,室温出力は37.0Wとほとんど変わらないものの低温における出力は0.93Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.6%と良好な値を示した。
【0105】
〔実施例22〕
実施例1の正極において、CMCに代えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを採用した以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は924mAh,室温出力は37.2Wとほとんど変わらないものの低温における出力は1.52Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.2%と良好な値を示した。
【0106】
〔実施例23〕
実施例9の正極において、CMCに代えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを採用した以外は実施例9と同じ電池である。初期放電容量は924mAh,室温出力は37.3Wとほとんど変わらないものの低温における出力は0.98Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.3%と良好な値を示した。
【0107】
〔実施例24〕
実施例3の正極において、CMCに代えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを採用した以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は923mAh,室温出力は37.0Wとほとんど変わらないものの低温における出力は0.92Wとなり比較例の電池と比べて向上していることがわかった。サイクル後容量維持率は81.4%と良好な値を示した。
【0108】
〔比較例1〕
正極活物質としてリチウムニッケル酸化物87質量%、導電材としてアセチレンブラック(品番:HS−100)10質量%に増粘剤となる2質量%濃度のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩水溶液をカルボキシメチルセルロースナトリウムの固形分が1質量%となるように混合し、さらに所定量の水を混合し、二軸攪拌機にて1時間攪拌する。その後、結着材として固形分比率約50%のPTFE水性ディスパージョンをPTFEの固形分が1質量%となるように添加し、真空乳化攪拌装置を使い30分間攪拌する。このようにして得られたペーストをコンマコータにてアルミ箔上に片面あたり目付量6.51(mg/cm2 )で両面塗布する。その他の構成要素及び製造方法については実施例1と同様に電池を作製する。この電池の初期放電容量は926mAhと高容量を示し、室温における出力は37.2Wであったが、低温における低温出力は0.90Wと小さな値である。サイクル後容量維持率は81.4%と良好な値を示した。
【0109】
〔比較例2〕
比較例1の正極において、正極活物質を88.5質量%、カルボキシメチルセルロースを0.5質量%にした以外は比較例1と同じ電池である。この電池の初期放電容量は926mAh、室温出力は37.1W、低温出力は0.91Wであった。サイクル後容量維持率は81.4%と良好な値を示した。
【0110】
〔比較例3〕
比較例1の正極において、正極活物質を87質量%、カルボキシメチルセルロースを2質量%にした以外は比較例1と同じ電池である。この電池の初期放電容量は926mAh、室温出力は37.2W、低温出力は0.89Wであった。サイクル後容量維持率は81.6%と良好な値を示した。
【0111】
〔比較例4〕
比較例1の正極において、正極活物質を86質量%、カルボキシメチルセルロースを3質量%にした以外は比較例1と同じ電池である。この電池の初期放電容量は926mAh、室温出力は37.2W、低温出力は0.88Wであった。サイクル後容量維持率は81.3%と良好な値を示した。
【0112】
〔比較例5〕
実施例1の電池において、電池作製、初期放電容量を測定後(3.0V)、25℃の恒温槽に24時間保管し、エージングを行い、比較例5の電池とした。初期放電容量は926mAh、室温出力は37.2W、低温出力は1.60Wとエージング前後で低温出力の変化はみられなかった。サイクル後容量維持率は81.8%と良好な値を示した。
【0113】
〔比較例6〕
比較例1の正極において、リチウムニッケル酸化物86質量%、導電材としてアセチレンブラック(品番:11S−100)10質量%、結着材としてPVDFを4質量%をN−メチル−2−ピロリドン中に溶解・分散させたペーストを用いた以外は同じ電池である。初期放電容量は926mAh、室温出力は37.2W、低温出力は1.50Wであった。サイクル後容量維持率は67.9%とセルロース誘導体としてのカルボキシメチルセルロースを結着材に用いた電池よりも低い値を示した。
【0114】
〔比較例7〕
実施例1の正極において、ポリエチレンオキサイドの比率を4質量%、正極活物質の比率を84質量%にした以外は実施例1と同じ電池である。初期放電容量は900mAh,室温出力は32.5Wであり実施例1と比べて低下が認められた。低温における出力は0.60Wであった。サイクル後容量維持率は75.3%であった。
【0115】
〔比較例8〕
比較例3の正極において、CMCに代えて、メチルセルロースを採用した以外は比較例3と同じ電池である。初期放電容量925mAh,室温出力37.0W、低温における出力0.88Wであり比較例3の電池とほぼ同様であった。サイクル後容量維持率は81.3%と良好な値を示した。
【0116】
〔比較例9〕
比較例3の正極において、CMCに代えて、酢酸フタル酸セルロースを採用した以外は比較例3と同じ電池である。初期放電容量924mAh,室温出力37.0W、低温における出力0.87Wであり比較例3の電池とほぼ同様であった。サイクル後容量維持率は81.3%と良好な値を示した。
【0117】
〔比較例10〕
比較例3の正極において、CMCに代えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを採用した以外は比較例3と同じ電池である。初期放電容量923mAh,室温出力37.0W、低温における出力0.86Wであり比較例3の電池とほぼ同様であった。サイクル後容量維持率は81.2%と良好な値を示した。結果を表1〜6に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【0121】
【表4】
【0122】
【表5】
【0123】
【表6】
【0124】
〔考察〕
初期放電容量の値及び室温出力の値は、比較例7を除き各実施例及び比較例の間では大きな変化が無く、結着材の種類は初期放電容量の値及び室温出力の値に大きな影響を与えないことが明らかとなった。比較例7の電池は、親電解液性結着材としてのポリエチレンオキサイドを電極合材層全体に対して3質量%を超えて(4%)含有させたために、結着材の効果が充分に発揮できなかったものと考えられる。従って、親電解液性結着材の適正な含有量は電極合材層全体に対して4質量%未満、確実には3質量%以下とすることが好ましいことが明らかとなった。
【0125】
図2に示す実施例1〜4、9及び比較例1〜4の比較から明らかなように、さらに結着材として親電解液性結着材を加えることにより、低温出力の値が向上することが分かった。特に2質量%以下のカルボキシメチルセルロースの添加によって、電池の低温出力の値を飛躍的に向上させることができた。また、カルボキシメチルセルロースの添加量を1質量%以下とすると確実に低温出力の値が向上できた。
【0126】
図3に示す実施例1、10〜13及び比較例7の比較から明らかなように、親電解液性結着材としてのPEOの添加量としては電極合材層全体に対して4質量%未満、確実には3質量%以下とすることにより低温出力が向上できることが明らかとなった。
【0127】
また、PTFEを含有しない実施例14及び15の低温出力の結果から、結着材としてPTFEの含有の有無は低温出力に大きな影響を与えないことが明らかとなった。
【0128】
更に、親水性結着材としてのメチルセルロースを用いた電池(実施例16〜18及び比較例8)、親水性結着材としての酢酸フタル酸セルロースを用いた電池(実施例19〜21及び比較例9)並びに親水性結着材としてのヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(実施例22〜24及び比較例10)の結果から、親水性結着材としてカルボキシメチルセルロース以外のセルロース誘導体を用いても低温出力向上の効果があることが明らかとなった。同様の効果は実施例5及び6の結果から明らかなように、親水性−親電解液性結着材の結着材への添加や溶解性分散体を分散させた結着材の採用によっても達成できた。なお、親電解液性結着材の単独使用では電極形成に必要なスラリーが得られず電池を作成できなかった。
【0129】
さらに、実施例7及び8の結果から明らかなように、25℃でエージングを行った比較例5と比べて、60℃程度での加温工程(エージング)によって低温出力の値の更なる向上が認められた。そして、加温工程前に電池を充電しておくことで加温工程の効果が増加することが分かった。
【0130】
実施例1及び比較例1と、比較例6との比較の結果、従来のPVDFに代えて親水性結着材若しくは親水性−親電解液性結着材を添加することにより、サイクル特性が向上していることが判明した。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池において、電極に含まれる結着材に親水性の部分と親電解液性の部分とを設けることで、親水性の部分に由来するサイクル特性の向上効果を維持したまま、低温出力の値の向上が達成できる。
【0132】
さらに、加温工程を有するリチウム二次電池の製造方法を採用することで、低温出力の値の更なる向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例において作成される円筒形リチウム二次電池の構成を示した図である。
【図2】 低温出力の値のCMC添加量依存性について示したグラフである。
【図3】 低温出力の値のPEO添加量依存性について示したグラフである。
【符号の説明】
100…リチウム二次電池
1…正極 11…正極集電体
12…正極合材層 13…集電リード
2…負極 21…負極集電体
22…負極合材層 23…集電リード
3…電解液 4…セパレータ
5…正極端子部 6…負極端子部 7…ケース
Claims (16)
- リチウム二次電池の正極であって、正極活物質と、セルロース誘導体からなる親水性結着材とポリエーテル構造を化学構造中に含む親電解液性結着材とを含み該正極活物質表面を被覆した結着材と、を含む電極合材層を有することを特徴とするリチウム二次電池用電極。
- 前記親水性結着材がカルボキシメチルセルロースであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用電極。
- 前記親電解液性結着材がポリエチレンオキサイドであることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用電極。
- 前記親電解液性結着材の前記電極合材層に対する含有量が3質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池用電極。
- 活物質と、ポリエーテル構造からなる親電解液性側鎖をグラフト化したセルロース誘導体からなるブロック型親水性−親電解液性結着材を含み該活物質表面を被覆した結着材と、を含む電極合材層を有することを特徴とするリチウム二次電池用電極。
- 前記ブロック型親水性−親電解液性結着材がカルボキシメチルセルロースにポリエチレンオキサイドをエーテル結合させたものである請求項5に記載のリチウム二次電池用電極。
- 前記セルロース誘導体の前記電極合材層に対する含有量が2質量%以下である請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム二次電池用電極。
- 正負電極と該正負電極に狭持されたセパレータと非水電解液とを有するリチウム二次電池であって、
該正極が請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用電極であるか、又は、該正負電極のうちの少なくとも一方が請求項5〜7のいずれかに記載のリチウム二次電池用電極であることを特徴とするリチウム二次電池。 - 正負電極と該正負電極に狭持されたセパレータと非水電解液とを有し、
該正極は、活物質と、セルロース誘導体からなる親水性結着材とポリエーテル構造を化学構造中に含む親電解液性結着材とを含み該活物質表面を被覆した結着材と、を含む電極合材層を有するリチウム二次電池の製造方法であって、
前記非水電解液が前記ポリエーテル構造部分を膨潤乃至は溶解する温度以上に加温する加温工程を有することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。 - 前記親水性結着材がカルボキシメチルセルロースであることを特徴とする請求項9に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記親電解液性結着材がポリエチレンオキサイドであることを特徴とする請求項9又は10に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記親電解液性結着材の前記電極合材層に対する含有量が3質量%以下である請求項9〜11のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 正負電極と該正負電極に狭持されたセパレータと非水電解液とを有し、
該正負電極のうちの少なくとも一方は、活物質と、ポリエーテル構造からなる親電解液性側鎖をグラフト化したセルロース誘導体からなるブロック型親水性−親電解液性結着材を含み該活物質表面を被覆した結着材と、を含む電極合材層を有するリチウム二次電池の製造方法であって、
前記非水電解液が前記ポリエーテル構造部分を膨潤乃至は溶解する温度以上に加温する加温工程を有することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。 - 前記ブロック型親水性−親電解液性結着材がカルボキシメチルセルロースとポリエチレンオキサイドとのエステルである請求項13に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記セルロース誘導体の前記電極合材層に対する含有量が2質量%以下である請求項9〜14のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記加温工程は、前記リチウム二次電池を4.1V以上に充電した後に行う請求項9〜15のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
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