JP3905642B2 - 多層成形体 - Google Patents
多層成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3905642B2 JP3905642B2 JP15440598A JP15440598A JP3905642B2 JP 3905642 B2 JP3905642 B2 JP 3905642B2 JP 15440598 A JP15440598 A JP 15440598A JP 15440598 A JP15440598 A JP 15440598A JP 3905642 B2 JP3905642 B2 JP 3905642B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- polystyrene
- layer
- molded body
- resins
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Molding Of Porous Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は建築材料の内外装材等として使用される合成樹脂製多層成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレン系樹脂は透明性、成形加工性、無公害性であり且つ安価な材料であるため、汎用合成樹脂として広く利用されている。
しかし、ポリスチレン系樹脂は、表面硬度および表面光沢が低く、また耐候性も不充分であるため、表面硬度や表面光沢を必要とする建築用内外装材料、特に化粧板等の表面材としては満足できる材料ではない。
このため、建築用の外装化粧材としては、例えば化粧胴差、化粧破風、化粧柱、笠木等は、表面光沢、耐候性の点から、その表層には専らポリメチルメタクリレート樹脂が使用されてきた。しかし、ポリメチルメタクリレート樹脂は比較的高価な材料であること、および耐衝撃性に劣るため、ポリメチルメタクリレート樹脂を単独で使用することは少なく、通常はポリメチルメタクリレート樹脂は表面にだけ使用し、表面以外は物性的に優れた且つより安価な他の樹脂を利用する多層積層体の形で使用するのが一般的である。
【0003】
しかしポリメチルメタクリレート樹脂は他の樹脂との接着性が悪く、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリレート−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂以外の樹脂とは、共押出成形において良好な接着性が得られない。近年の多層積層体の用途の多様化、軽量化、コスト等の要請により、基材樹脂として汎用的なポリスチレン系樹脂の使用が望まれていた。しかし、ポリスチレン系樹脂も他の樹脂との接着が悪く、当然ながらポリメチルメタクリレート樹脂とは接着しえず、ポリメチルメタクリレート樹脂を表面層とする多層積層体の基材樹脂とはなり得なかった。そのため、スチレン系樹脂の使用できる用途は限定されたものでしかあり得なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリスチレン系樹脂を基材とする、表面特性、成形加工性、軽量性、物性、材料としての加工性および経済性に優れた多層構造成形体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)発泡倍率1.1〜5倍のポリスチレン系樹脂(以降、PS系樹脂とも略称する)発泡体からなる厚さ5〜30mmの基材層、(b)メチルメタクリレート-スチレン共重合樹脂(以降、MS樹脂とも略称する)からなる厚さ0.2〜1.0mmの中間層、および(c)ポリメチルメタクリレート(以降、PMMAとも略称する)樹脂からなる厚さ0.2〜2.0mmの表面層からなり、3層共押出成形により得られた建築用内外装材に関する。特に、本発明は、ポリスチレン系樹脂がポリスチレン(PS)樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(以降、HIPSとも略称する)樹脂またはスチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(以降、PPE樹脂とも略称する)である上記建築用内外装材に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の多層成形体においては、基材樹脂としてポリスチレン系樹脂発泡体を使用する。ポリスチレン系樹脂は合成樹脂の中でも特に安価であり、また燃焼時にも有害物質を発生することない。またポリスチレン系樹脂は成型加工性に優れ、押出成形により容易に多層成形体を形成することができる。
本発明で使用することのできるポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂またはPPE樹脂が例示できる。これらの樹脂はそれぞれ単独で使用することもできるし、2種類以上を混合して使用することもできる。
【0007】
基材層のポリスチレン系樹脂は発泡体として用いる。これにより多層成形体を軽量化できるとともに、厚みを増すことができることにより重厚感を出すことができ、しかも加工性を付与することができる。
基材層の発泡倍率は1.1〜5倍程度、好ましくは1.5〜3.0倍程度である。特にPPE樹脂の場合はPPEの強度が高いため、高発泡倍率、例えば約2.0〜4.0倍くらいの高発泡とすることができる。
基材層の厚さは、用途によりそれぞれ適当な厚さとすることができ、一概に規定する必要はない。成形体としての重厚感および強度を出すためには一般に5mm以上が好ましく、また重量が増しすぎたり、取り付けの問題を生じないためには30mm以下くらいが好ましく、より好ましくは7〜20mmである。
【0008】
基材層を発泡体として成形するために、ポリスチレン系樹脂には発泡剤として、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アゾジカルボン酸アミド、p,p-オキシ-ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビスイソブチロニトリル等を使用する。
また基材層には所望に応じて、タルク等の無機質フィラー、加工助剤、滑剤、その他熱安定剤、着色剤等の添加剤を加えてもよい。
【0009】
表面層には、PMMA樹脂を使用する。PMMA樹脂は耐候性に優れるため、PMMA樹脂を表面層として使用した本発明の多層成形体は外装材として使用することができるという特徴を有する。またPMMA樹脂は優れた表面光沢を持つため本発明の多層成形体はその美観を生かして内装材としても好適に利用することができる。
表面層の厚さは0.2〜2.0mm、好ましくは0.3〜0.6mmである。2.0mmより大きいと経済的に不利となり、また加工性、軽量性の面でも好ましくない。一方0.2mmより薄いと耐候性が不充分となる。
PMMA樹脂には、その耐候性等の必要な性能を損なわない範囲で他の樹脂、例えばシリコン系樹脂や、加工助剤、紫外線吸収剤等の添加剤を添加してもよい。また透明性を阻害しない範囲で着色剤を添加してもよい。
【0010】
表面層として好適なPMMA樹脂と、PMMA樹脂に対して接着性に乏しい基材として使用するポリスチレン系樹脂とを一体化して積層された成形体を形成するために、中間層としてMS樹脂を介在させる。
MS樹脂はメチルメタクリレートとスチレンとの共重合樹脂であり、メチルメタクリレートとスチレンとの適切な割合はポリスチレン系樹脂の種類によってある程度異なるが重量比で一般にはメチルメタクリレート:スチレン=20:80〜60:40、好ましくは30:70〜40:60である。メチルメタクリレートの割合が60%より高いとMS樹脂とポリスチレン系樹脂との界面で剥離を起こしやすくなり、逆に20%より低いとMS樹脂とPMMA樹脂との界面で剥離を起こしやすくなる。
中間層の厚さは0.2〜1.0mmが好ましい。特に好ましくは0.3〜0.6mmである。
【0011】
MS樹脂には、接着性等の必要な性能を損なわない範囲で他の樹脂加工助剤、紫外線吸収剤、着色剤等を加えてもよい。
【0012】
本発明の多層成形体は共押出成形法によって製造することができる。例えば、発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を金型内に押し出すとともに、中間層樹脂および表面層樹脂を図1に示すように同様の金型内に押し出し、押し出された成形体をサイザー等を用いて冷却し、3層の共押出成形体を得ることができる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例 1
基材層、中間層および表面層の樹脂コンパウンドまたは合成樹脂を、それぞれ基材層用押出機、中間層用押出機および表面層用押出機からそれぞれ同時に押出して、ダイス内で積層して3層の押出成形体を次の成形条件で成形した。
基材用押出機:45mmφ、二軸押出機
中間層用押出機:40mmφ、一軸押出機
表面層用押出機:30mmφ、一軸押出機
ダイス :平板形状(10mm×120mm)
基材層の樹脂コンパウンドは表1に記載のものを使用し、中間層にはダイセル化学工業社製のMS樹脂(メチルメタクリレート:スチレン=30:70)、表面層には三菱レイヨン社製のPMMA樹脂(商品名;アクリペット)を用いた。
【0014】
【表1】
【0015】
いずれの例でも長時間にわたって安定に押出成形でき、連続的に長尺の3層成形体が容易に得られた。
実施例1〜5により得られた3層成形体は各層間が強固に接着一体化され、表面は表面光沢と耐候性に優れたPMMA樹脂で美しく被覆され、内外装材として使用することができる。
【発明の効果】
本発明は多層成形体の中間層としてMS樹脂を持ってくることにより、従来用途が限られていたポリスチレン系樹脂を種々の用途に使用することができる。特にポリスチレン系樹脂を基材層とする多層成形体の表面層にPMMA樹脂を使用できるため、外装材、内装材用としても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多層成形体の成形方法の1例を示す共押出成形の模式図。
【符号の説明】
A:表面層用押出機、 B:中間層用押出機、
C:基材層用メイン押出機。
Claims (2)
- (a)発泡倍率1.1〜5倍のポリスチレン系樹脂発泡体からなる厚さ5〜30mmの基材層、(b)メチルメタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)からなる厚さ0.2〜1.0mmの中間層、および(c)ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂からなる厚さ0.2〜2.0mmの表面層からなり、3層共押出成形により得られた建築用内外装材。
- ポリスチレン系樹脂がポリスチレン(PS)樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂またはスチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、またはその2種以上の混合物である請求項1記載の建築用内外装材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15440598A JP3905642B2 (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 多層成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15440598A JP3905642B2 (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 多層成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11348198A JPH11348198A (ja) | 1999-12-21 |
JP3905642B2 true JP3905642B2 (ja) | 2007-04-18 |
Family
ID=15583440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15440598A Expired - Fee Related JP3905642B2 (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 多層成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3905642B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4949003B2 (ja) * | 2006-12-15 | 2012-06-06 | テクノポリマー株式会社 | 発泡成形用熱可塑性樹脂組成物、発泡成形品及びその製造方法、並びに積層品 |
BE1019203A4 (fr) * | 2010-02-25 | 2012-04-03 | Nmc Sa | Procede de realisation de planches synthetiques moussees. |
JP2012172015A (ja) * | 2011-02-18 | 2012-09-10 | Sekisui Plastics Co Ltd | 発泡性樹脂粒子及び発泡成形体 |
CN113321887B (zh) * | 2021-05-28 | 2022-08-30 | 武汉金发科技有限公司 | 一种超高耐候透明材料及其制备方法 |
-
1998
- 1998-06-03 JP JP15440598A patent/JP3905642B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11348198A (ja) | 1999-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3905642B2 (ja) | 多層成形体 | |
JP3730008B2 (ja) | 加飾性多層成形体 | |
CN2545121Y (zh) | 聚乙烯复合包装膜结构 | |
JPH11240091A (ja) | 化粧シート及び転写シート | |
JPH0469545B2 (ja) | ||
JP4723956B2 (ja) | 一体押出成形体および建築用部材 | |
JP3020476B2 (ja) | 加飾性多層成形体 | |
JP4387809B2 (ja) | 凹凸感模様を有する加飾性多層成形体 | |
JP4912339B2 (ja) | 加飾性多層成形体 | |
JP3155103B2 (ja) | 外装用シート及び該外装用シートを利用した樹脂成形体 | |
CN218279075U (zh) | 一种环保型封边条 | |
JP3916602B2 (ja) | 凹凸感模様を有する加飾性多層成形体 | |
JP2004314470A (ja) | 両面装飾性発泡積層材 | |
JP2003334892A (ja) | 加飾性多層成形体 | |
JP4758088B2 (ja) | 加飾性多層共押出成形体 | |
CN205296652U (zh) | 一种防水板材 | |
CN218366845U (zh) | 一种汽车内饰板材及侧饰板、后舱盖 | |
CN2642495Y (zh) | 三层共挤发泡板 | |
JP2001205688A (ja) | 加飾性多層押出成形体 | |
CN2604316Y (zh) | 五层共挤复合塑料板 | |
JP2593287Y2 (ja) | 化粧パネル | |
JP4914152B2 (ja) | 一体押出成形体および建築用部材 | |
JP2003001742A (ja) | 装飾性発泡積層材 | |
TW200413160A (en) | Method for making five-layer co-extruded foamed boards | |
JP3087014B2 (ja) | 石目調シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040915 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060614 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061010 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061207 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061226 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070112 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110119 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110119 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |