JP3857360B2 - ジオールの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、触媒の存在下にジカルボン酸を水素化還元することからなるジオールの製造方法に関するものである。ジオールは例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂のジオール成分等として用いられ、得られる樹脂に優れた性能を付与するほか、医薬品原料などの合成原料としても用いられる有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジカルボン酸からジオールを製造するには、ジカルボン酸のジエステルを銅クロマイト等の触媒を用いて水素化還元する方法が一般的である。特開平6−228067号および特開平6−228028号には、Ru−Sn担持触媒を用いてジカルボン酸ジエステルの水素化還元によるジオールの製造方法が記載されている。しかし、これらのエステルを原料とする場合には、ジカルボン酸をエステル化する工程が必要であり、工業的に採用するには不利である。また、二官能であることに加えて高温条件下で反応を行うために、生成物であるアルコールと原料との間でエステル交換反応が進行したエステルが副生するので、ジオールの収率が低いという欠点があった。
このため、ジカルボン酸を直接水素化還元してジオールを製造する効率の良い方法が望まれていた。これまでに、ジカルボン酸を水素化還元してジオールを製造する方法として、七酸化レニウム触媒によるグルタル酸の水素化還元が公知である[H.Smith Broadbentら、J.Org.Chem.,24,1847(1959)]。しかし、この触媒では収率よく1,5−ペンタンジオールを得るためには、水溶媒中250℃という高温、179気圧という高圧で長時間(50時間)反応を行う必要があるという欠点を有している。また、レニウムとパラジウムからなる触媒も公知である[ドイツ公開公報(Offenlegungsschrift)26 05 107]。しかしながら、この触媒においても210℃以上の高温、300気圧という高圧を必要とするという欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、合成樹脂や医薬品の原料として広く使われているジオールを、比較的安価なジカルボン酸の触媒的水素化還元を用いて、温和な条件下に収率良く製造する方法を提供することにある。
本発明者らは上記の問題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、公知の遷移金属触媒単独では達成不可能であった高活性な触媒作用が、ルテニウム金属および/もしくはその金属化合物とレニウム金属および/もしくはその金属化合物を組合せることにより初めて可能となることを見いだした。すなわち、ルテニウム金属および/もしくはその金属化合物とレニウム金属および/もしくはその金属化合物からなる触媒の存在下に、原料としてジカルボン酸を用いて水素化還元を行なうことで、温和な条件下に収率良くジオールを製造できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(1)
HOOC−R−COOH (1)
(式中、Rは置換基を有していてもよく、置換基以外の炭素数が3〜20である飽和、不飽和、または芳香族の二価の炭化水素基を表す)で表されるジカルボン酸を、ルテニウム金属および/もしくはその金属化合物とレニウム金属および/もしくはその金属化合物からなり、かつルテニウムとレニウムの原子比が、4:1〜1:20の範囲にある触媒の存在下に水素化還元することを特徴とする、一般式(2)
HOCH2−R’−CH2OH (2)
(式中R’は、Rが飽和の炭化水素基の場合はRと同じであり、Rが不飽和または芳香族の炭化水素基の場合はRと同じ骨格を有する飽和炭化水素基である)で表されるジオールの製造方法に関する。
【0005】
本発明で原料として用いられるジカルボン酸は一般に工業的に容易に入手しうる化合物であり、例えば前記一般式(1)で表されるジカルボン酸を挙げることができる。なお、工業的に容易に入手できるもののほか、対応するシクロアルカノールもしくはシクロアルカノンの酸化的開裂あるいは2個のメチル基を有する芳香族化合物又はパラフィン類の酸化等によっても、容易に製造することができる。前記一般式(1)中、Rは飽和、不飽和または芳香族の二価の炭化水素基であり、その側鎖を除いた主鎖の炭素数が3〜20のものであって、直鎖状、分枝状、または環状のいずれであってもよく、あるいは鎖状構造と環状構造の組み合わせであってもよい。上記一般式(1)で表されるジカルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸、しょうのう酸等の飽和脂肪族もしくは脂環式ジカルボン酸;ペンテン二酸、ヘキセン二酸、トリデセン二酸、イコサジエン二酸、ドコサトリエン二酸、シクロペンテンジカルボン酸等の不飽和脂肪族もしくは脂環式カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ホモフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などを例示することができる。これらのジカルボン酸は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基等の低級アルキル基、アミノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基等の低級アルコキシ基などで置換されていてもよい。また、これらのジカルボン酸の混合物であっても何等問題はない。 本発明の方法においては、上記ジカルボン酸のうち不飽和結合(芳香族化されているものを含む)を有するものは、水素添加が同時に進行するため、生成物として、原料ジカルボン酸と同じ炭素骨格を有する飽和のジオールが得られる。
【0006】
本発明における触媒としては、ルテニウム金属および/もしくはその金属化合物とレニウム金属および/もしくはその金属化合物からなる触媒が使用される。これらの触媒は担体に担持されていても差し支えない。
【0007】
本発明で用いられるルテニウムの金属および金属化合物としては、0価の金属そのもの、およびルテニウムの各種無機化合物、有機化合物あるいは錯体化合物等が挙げられる。具体的には、ルテニウムブラック、ルテニウムパウダー、酸化ルテニウム、硝酸ニトロシルルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム、ヨウ化ルテニウム、オキシデカクロロジルテニウム酸アンモニウム、ペンタクロロアクアルテニウム酸アンモニウム、塩化ルテニウム酸アンモニウム、オキシデカクロロジルテニウム酸カリウム、オキシデカクロロジルテニウム酸ナトニウム、ペンタクロロアクアルテニウム酸カリウム、過ルテニウム酸カリウム、ヘキサアンミンルテニウム塩化物、ペンタアンミンクロロルテニウム塩化物、ヘキサアンミンルテニウム臭化物、トリルテニウムドデカカルボニル(ルテニウムカルボニル)、ヘキサカルボニルテトラクロロジルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、ジクロロトリカルボニルルテニウムダイマー、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジカルボニルシクロペンタジエニルルテニウムダイマー、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム等を用いることができる。
【0008】
本発明で用いられるレニウム金属および金属化合物としては、0価の金属そのもの、およびレニウムの各種無機化合物、有機化合物あるいは錯体化合物である。具体的には、ジレニウムデカカルボニル(レニウムカルボニル)、酸化レニウム、過レニウム酸、過レニウム酸アンモニウム、塩化レニウム、シクロペンタジエニルレニウムトリカルボニル等のレニウムをあげることができる。これらのうち、水素化反応の効率の点で、カルボニル化合物が好ましい。
【0009】
担体に担持された触媒の調製に使用するルテニウムの金属化合物としては、水素化反応中あるいは反応に用いる前に金属状のルテニウムに変化できるものであれば特に制限はない。
【0010】
担体に担持された触媒におけるルテニウムの金属担持量は、触媒総重量に対して、0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜50重量%である。この担持量が60重量%より多い場合、ルテニウムおよび/もしくはロジウムの金属単位重量あたりの活性増加は小さくなる傾向があり、また0.1重量%より低い場合、充分な活性が得られない恐れがある。
【0011】
担体に担持された触媒における担持量は、ジオールの収率に着目した場合、ルテニウム金属および/もしくはその金属化合物とレニウム金属および/もしくはその金属化合物との原子比が好ましくは4:1〜1:20、より好ましくは1:1〜1:10である。
【0012】
担体に担持された触媒を使用する場合の触媒の製造法は特に制限はなく、公知の方法で製造したものを使用できる。例えば含浸法、イオン交換法、物理混合法等で調製することができる。
含浸法で調製する場合には、ルテニウムの金属化合物においてはさらにレニウムの金属化合物を適当な溶媒に溶解し、これに担体を加え、必要ならば所定の時間靜置した後、乾燥する。乾燥後直接還元してもよいし、場合によっては焼成した後に還元しても差支えない。もちろん反応系中で還元しても構わない。還元方法は特に制限なく、ルテニウムの0価の金属が得られれば、例えば水素等を用いて気相で還元しても、あるいはヒドラジン等を用いて液相で還元しても構わない。還元温度は少なくともルテニウムの金属化合物が0価の金属にまで還元されれば特に制限はない。還元操作後のレニウムの金属の価数に特に制限なく、0価の金属であっても、酸化された状態であっても差支えない。一般的には600℃までの温度でよい。なお、触媒成分は必ずしも一度に全てを担持する必要はなく、いずれかの一方を先に担持した後、残りの成分を担持しても構わないのは言うまでもない。
【0013】
本発明で触媒を担体に担持して使用する場合、使用される担体は多孔性の物質であればよい。具体的に例示するとアルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ゼオライト、珪藻土、チタニア、ジルゴニア等結晶性または非結晶性の金属酸化物あるいは複合酸化物、テニオライト、ヘクトライト等の層状粘土化合物、活性炭等が挙げられる。中でもアルミナ、シリカ、活性炭が好ましい。また、触媒の形状には特に制限はなく、粉末のままもしくは成形して用いることができる。
【0014】
使用する触媒量は特に限定されないが、ルテニウム金属および/もしくはその金属化合物の使用量、ならびに、レニウム金属および/もしくはその金属化合物の使用量は、いずれも原料に対し0.01〜10モル金属%とすることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜5モル金属%である。
【0015】
本発明の方法においては、原料のジカルボン酸は好ましくは溶媒に溶解させた後、反応に供する。溶媒としては、水素化反応に不活性であり、また、反応物、生成物と反応しないものであれば特に制限はなく、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素などが挙げられる。溶媒の使用量は、反応温度において原料が溶解する程度であれば特に限定されない。
【0016】
本発明による反応は、加温、水素加圧下で実施される。反応方法は特に制限はなく、例えば回分式または半回分式の反応方法であってもよい。
反応温度は、通常50〜250℃、好ましくは100〜200℃である。これより温度を高くすると副反応生成物が増加する傾向があり、逆に温度をこれより低くすると反応速度の面で不利になる。また、水素の圧力は、通常10〜150kg/cm2G、好ましくは20〜120kg/cm2Gが選ばれる。これより高圧では安全ならびに経済上不利であり、これより低圧では反応速度が遅くなり不利になる。
反応時間は、温度、圧力および触媒量等の設定の仕方によって変わるため、一概にその範囲を決めることは困難であるが、回分式、半回分式においては通常1〜30時間、好ましくは2〜20時間がよい。反応時間は30時間より長くても構わないが、その範囲内で充分反応は進行する。一方、1時間未満では高い転化率が得られないことがある。
【0017】
以下、本反応を実施例および比較例によりさらに詳しく説明するが、本反応はこれらの実施例および比較例に限定されるものではない。
なお、各例中の%は、触媒担持量については重量基準、それ以外はモル基準である。
【実施例】
【0018】
実施例1(Ru/Re=4/1)
300mlの回転攪拌式オートクレーブにセバシン酸5g(0.025mol)、5%Ru/C(エヌ・イー ケムキャット社製)1g、レニウムカルボニル0.041g及びテトラヒドロフラン150mlを仕込み、系内を水素で十分置換した後、65kg/cm2となるように水素を圧入した。加熱攪拌しながら昇温し、反応温度160℃となったところで反応圧力を100kg/cm2に昇圧した。このときを反応開始時刻とし、7時間水素化反応を行った。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、続いて水素をパージし、反応液を取り出した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,10-デカンジオールの収率は原料のセバシン酸に対して41%であった。
【0019】
実施例2(Ru/Re=1/1)
300mlの回転攪拌式オートクレーブにセバシン酸5g(0.025mol)、5%Ru/C(エヌ・イー ケムキャット社製)1g、レニウムカルボニル0.161gおよびテトラヒドロフラン150mlを仕込み、系内を水素で十分置換した後、65kg/cm2となるように水素を圧入した。加熱攪拌しながら昇温し、反応温度160℃となったところで反応圧力を100kg/cm2に昇圧した。このときを反応開始時刻とし、7時間水素化反応を行った。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、続いて水素をパージし、反応液を取り出した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,10-デカンジオールの収率は原料のセバシン酸に対して69%であった。
【0020】
実施例3(Ru/Re=1/2)
300mlの回転攪拌式オートクレーブにセバシン酸5g(0.025mol)、5%Ru/C(エヌ・イー ケムキャット社製)1g、レニウムカルボニル0.323g及びテトラヒドロフラン150mlを仕込み、系内を水素で十分置換した後、65kg/cm2となるように水素を圧入した。加熱攪拌しながら昇温し、反応温度160℃となったところで反応圧力を100kg/cm2に昇圧した。このときを反応開始時刻とし、7時間水素化反応を行った。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、続いて水素をパージし、反応液を取り出した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,10-デカンジオールの収率は原料のセバシン酸に対して76%であった。
【0021】
実施例4(Ru/Re=1/4)
300mlの回転攪拌式オートクレーブにセバシン酸5g(0.025mol)、5%Ru/C(エヌ・イー ケムキャット社製)1g、レニウムカルボニル0.646gおよびテトラヒドロフラン150mlを仕込み系内を水素で十分置換した後、65kg/cm2となるように水素を圧入した。加熱攪拌しながら昇温し、反応温度160℃となったところで反応圧力を100kg/cm2に昇圧した。このときを反応開始時刻とし、7時間水素化反応を行った。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、続いて水素をパージし、反応液を取り出した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,10-デカンジオールの収率は原料のセバシン酸に対して82%であった。
【0022】
比較例1
10mlのステンレス製オートクレーブにペンタデカン二酸136.2mg(0.5mmol)、レニウムカルボニル1.7mgおよびジメトキシエタン1mlを仕込み、系内を水素で十分置換した後、100kg/cm2になるように水素を圧入した。加熱撹拌しながら180℃に昇温し、16時間水素化反応を行った。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、続いて水素をパージし、反応液を取り出した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、ペンタデカン二酸の転化率は10%であり、1,15-ペンタデカンジオールの収率は原料のペンタデカン二酸に対して5%であった。
【0023】
比較例2
300mlの回転攪拌式オートクレーブにセバシン酸7g(0.035mol)、活性炭(クラレケミカル社製)1.4gおよびテトラヒドロフラン150mlを仕込み、系内を水素で十分置換した後、65kg/cm2となるように水素を圧入した。加熱攪拌しながら昇温し、反応温度160℃となったところで反応圧力を100kg/cm2に昇圧した。このときを反応開始時刻とし、7時間水素化反応を行った。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、続いて水素をパージし、反応液を取り出した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,10-デカンジオールの収率は原料のセバシン酸に対して0%であった。
【0024】
比較例3
活性炭の代わりにルテニウムカルボニル(エヌ・イー ケムキャット社製)0.148gを用いた以外は比較例2と同様に反応及び分析を行った。その結果、1,10-デカンジオールの収率は原料のセバシン酸に対して0%であった。
【0025】
比較例4
活性炭の代わりに5%Ru/C(エヌ・イー ケムキャット社製)1gを用いた以外は比較例2と同様に反応及び分析を行った。その結果、1,10-デカンジオールの収率は原料のセバシン酸に対して5%であった。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、ルテニウム金属および/もしくはその金属化合物とレニウム金属および/もしくはその金属化合物からなる触媒の存在下にジカルボン酸を水素化還元することにより、温和な条件下に収率良くジオールが製造できる。得られるジオールは、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂のジオール成分等として用いられ、得られる樹脂に優れた性能を付与するほか、医薬品原料などの合成原料としても用いられる有用な化合物である。
Claims (1)
- 一般式(1)
HOOC−R−COOH (1)
(式中、Rは置換基を有していてもよく、置換基以外の炭素数が3〜20である飽和、不飽和、または芳香族の二価の炭化水素基を表す)で表されるジカルボン酸を、ルテニウム金属および/もしくはその金属化合物とレニウム金属および/もしくはその金属化合物からなり、かつルテニウムとレニウムの原子比が、4:1〜1:20の範囲にある触媒の存在下に水素化還元することを特徴とする、一般式(2)
HOCH2−R’−CH2OH (2)
(式中R’は、Rが飽和の炭化水素基の場合はRと同じであり、Rが不飽和または芳香族の炭化水素基の場合はRと同じ骨格を有する飽和炭化水素基である)で表されるジオールの製造方法。
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