JP3225946B2 - ラクトンの製造方法およびその触媒 - Google Patents
ラクトンの製造方法およびその触媒Info
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Description
カルボン酸化合物を水素化還元することからなるラクト
ン化合物の製造方法および当該製造方法に用いる触媒に
関する。特に本発名の製造方法は、工業用溶剤や洗浄剤
として有用なN−メチルピロリドンや水溶性高分子とし
ての用途の広いポリビニルピロリドンの原料として用い
られるγ−ブチロラクトンや、香料として有用なアルキ
ルガンマラクトン類の製造方法として有用である。
してγ−ブチロラクトンを製造することに関して多くの
触媒の提案がなされている。例えば、ニッケル−パラジ
ウム/シリカ系を触媒として用いる方法(特開平9−1
10852号公報)、パラジウム−レニウム系触媒を用
いる方法(特開平9−25253号公報)などが提案さ
れている。しかし、これらの方法により得られるγ−ブ
チロラクトンの収率は50〜60%と満足のいくもので
はない。また、その他にも、コバルト−パラジウム系触
媒を用いる方法(例えば特公昭58−29142号公
報)、ニッケル系触媒を用いる方法(例えば特公昭43
−6947号公報)などが知られている。しかし、これ
らの方法は反応条件が一般に250℃,100kg/c
m2と過酷であるため、環状エーテルの生成や脱炭酸な
どの副反応が進行し、ラクトン類の選択性は満足いくも
のではない。
酸化合物を、比較的温和な条件下で水素化還元しラクト
ン化合物を高収率で製造する方法を提供することを目的
とする。
解決すべく鋭意研究を行った結果、ルテニウム金属とレ
ニウム金属からなる触媒を用いた反応系において、アル
カリ金属および/もしくはアルカリ土類金属またはこれ
らの金属化合物を触媒上または反応系中に共存させるこ
とにより、比較的温和な条件下にジカルボン酸化合物を
水素化還元して高収率でラクトン化合物を製造できるこ
とを見出した。
よび/またはその金属化合物とレニウムの金属および
/またはその金属化合物からなる触媒、ならびにアル
カリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの金属化合物
から選ばれる少なくとも1種の存在下に、ジカルボン酸
化合物を水素化還元することを特徴とするラクトン化合
物の製造方法、さらには前記ラクトン化合物の製造方法
において用いられる、ルテニウムの金属および/また
はその金属化合物とレニウムの金属および/またはそ
の金属化合物、ならびにアルカリ金属、アルカリ土類
金属およびこれらの金属化合物から選ばれる少なくとも
1種が担体に担持されている触媒に関する。
化合物としては、各種の飽和または不飽和のジカルボン
酸、さらには当該ジカルボン酸無水物等の誘導体があげ
られる。なお、ジカルボン酸化合物は、直鎖状のものに
限らず、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等
のアルキル基;アミノ基;ヒドロキシル基;メトキシ
基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基等の低級アルコ
キシ基などで置換された分岐鎖状のものでもよい。かか
るジカルボン酸化合物のなかでも本発明のジカルボン酸
化合物としては、ジカルボン酸化合物のカルボン酸が2
個の炭素原子を介して結合しているものが好ましい。特
に、コハク酸、無水コハク酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸およびフタル酸、無水フタル酸、フマル酸、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸無水物から選ばれる少なくとも1種を使
用するのが好ましい。
ン化合物は、原料のジカルボン酸化合物と同じ炭素骨格
を有する。たとえば、ジカルボン酸化合物として、2個
カルボン酸が2個の炭素原子を介して結合する化合物を
用いると、γ−ブチロラクトンまたはその誘導体が得ら
れる。なお、上記ジカルボン酸化合物のうちオレフィン
性の不飽和結合を有するものを用いた場合には、不飽和
結合の水素化が同時に進行する。
よび/またはその金属化合物(以下ルテニウム成分と
いう)とレニウムの金属および/またはその金属化合
物(以下、レニウム成分という)からなる触媒を用い
る。
0価の金属そのもの;ルテニウムの硝酸塩、酢酸塩、塩
化物等の各種無機化合物;アセチルアセトナト等の各種
有機化合物;アミン錯体、カルボニル錯体等の各種錯体
化合物等があげられる。具体的には、ルテニウムブラッ
ク、ルテニウムパウダー、酸化ルテニウム、硝酸ニトロ
シルルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム、ヨ
ウ化ルテニウム、オキシデカクロロジルテニウム酸アン
モニウム、ペンアクロロアクアルテニウム酸アンモニウ
ム、塩化ルテニウム酸アンモニウム、オキシデカクロロ
ジルテニウム酸カリウム、オキシデカクロロジルテニウ
ム酸ナトリウム、ペンタクロロアクアルテニウム酸カリ
ウム、過ルテニウム酸カリウム、ヘキサアンミンルテニ
ウム塩化物、ペンタアンミンクロロルテニウム塩化物、
ヘキサアンミンルテニウム臭化物、トリルテニウムドデ
カカルボニル(ルテニウムカルボニル)、ヘキサカルボ
ニルテトラクロロジルテニウム、トリス(アセチルアセ
トナト)ルテニウム、ジクロロトリカルボニルルテニウ
ムダイマー、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、ジクロロジカルボニルビル(トリフェ
ニルホスフィン)ルテニウム、ジカルボニルシクロペン
タジエルルテニウムダイマー、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ルテニウム等を用いることができ、これらは1種
を単独で、または2種以上を併用して用いることができ
る。
の0価の金属そのもの;レニウムの硝酸塩、酢酸塩、塩
化物等の各種無機化合物;アセチルアセトナト等の各種
有機化合物;アミン錯体、カルボニル錯体等各種錯体化
合物があげられる。具体的には、ジレニウムデカカルボ
ニル(レニウムカルボニル)、酸化レニウム、過レニウ
ム酸、過レニウム酸アンモニウム、塩化レニウム、シク
ロペンタジエニルレニウムトリカルボニル等を用いるこ
とができ、これらは1種を単独で、または2種以上を併
用して用いることができる。これらの中でも、水素化反
応の反応速度の点で、カルボニル化合物が好ましい。
成分からなる触媒は、そのまま反応系に存在させること
ができるが、本発明では担体に担持して使用するのが好
ましい。前記触媒を担体に担持して使用する場合、使用
される担体は多孔性の物質であれば特に制限されない。
具体的には、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ゼオ
ライト、珪藻土、チタニア、ジルコニアなどの結晶性も
しくは非結晶性の金属酸化物または複合酸化物、テニオ
ライト、ヘクトライトなどの層状粘土化合物、活性炭な
どがあげられる。これらのでもアルミナ、シリカ、活性
炭が好ましく、さらに好ましくは活性炭である。また、
触媒の形状も特に制限はなく、粉末のまま、または成形
して用いることができる。担体担持触媒の調製は特に制
限されす、たとえば、含浸法、イオン交換法、物理混合
法等の各種方法を採用できる。なお、ルテニウム成
分、レニウム成分は必ずしも一度にすべてを担持する
必要はなく、いずれか一方の成分を先に担持した後、残
りの成分を担持することができる。
化方法としては、特に限定されるものではないが、通常
は還元により活性化される。例えば、ルテニウムおよ
びレニウム成分を担体に担持した後、これを直接還元
してもよく、これを焼成した後に還元してもよい。もち
ろん反応系中で還元してもよい。還元方法は特に制限さ
れず、気相または液相で還元される。還元操作後のルテ
ニウムおよびレニウムの金属の価数は特に制限なく、0
価の金属であっても、酸化された状態であってもよい。
の金属担持量は、触媒総重量に対して、0.1〜60重
量%、好ましくは下限が0.5重量%、上限が50重量
%である。この担持量が60重量%より多い場合、ルテ
ニウムの金属単位重量あたりの活性増加が小さくなる傾
向があり、また0.1重量%より低い場合、充分な活性
が得られないおそれがある。
金属分を基準とし、原料であるジカルボン酸化合物に対
するルテニウム金属分の使用量が下限としては通常0.
005モル金属%以上、好ましくは0.01モル金属%
以上、特に好ましくは2モル金属%以上であり、上限と
しては通常25モル金属%以下、好ましくは10モル金
属%以下である。0.005モル金属%より少ない場合
には反応が十分進行しなかったり、副反応の進行する速
度と主反応の進行する速度の差が少なくラクトン化合物
の収率が低くなるおそれがある。なお、本発明において
は、反応速度を高めるために相対的に多量の触媒を用い
た場合、主反応であるラクトンの生成速度を選択的に顕
著に促進することができ、かつ副反応を促進しないので
有利である。
レニウムの原子比が100:1〜1:50、好ましくは
50:1〜1:20である。アルコール化合物の収率に
着目した場合、ルテニウムとレニウムの原子比は4:1
〜1:20、より好ましくは、1:1〜1:10であ
る。
る反応系には、原料となる前記ジカルボン酸化合物およ
び触媒に加えて、アルカリ金属、アルカリ土類金属お
よびこれらの金属化合物から選ばれる少なくとも1種
(以下、アルカリ(土類)金属成分という)を存在さ
せる。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カ
リウム、ルビジウム、セシウム等の0価の金属そのもの
があげられる。アルカリ土類金属としては、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の0価の
金属そのものがあげられる。アルカリ金属化合物、アル
カリ土類金属化合物としては各種の化合物を使用できる
が、なかでもアルカリ金属、アルカリ土類金属の金属塩
が好ましく、たとえば硝酸塩、炭酸塩、塩化物等の各種
無機塩、各種錯塩、酢酸塩等のカルボン酸金属塩等の有
機金属塩等があげられる。またアルカリ(土類)金属
成分のアルカリ金属種としてはナトリウム、カリウム、
アルカリ土類金属種としてはマグネシウム、カルシウム
が好ましい。アルカリ(土類)金属成分の具体例とし
ては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウ
ム、硝酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、ジカルボン酸化合物のナトリウム
塩等があげられる。これらは1種を単独で、または2種
以上を併用して用いることができる。
ボン酸化合物および触媒とともに反応系内に存在させる
方法としては、たとえば、単にアルカリ(土類)金属
成分を反応系内に加えて共存させる方法がある。この場
合、アルカリ(土類)金属成分としては、前記例示の
もののなかでもジカルボン酸金属塩を使用するのが副反
応が抑制されラクトン化合物の収率が大幅に上昇するの
で好ましい。特に原料のジカルボン酸化合物のアルカリ
(土類)金属塩が好ましい。なお、アルカリ(土類)
金属成分は反応の形態に応じて溶媒に均一に溶解してい
てもよく不均一に混合されていてもよい。
は、前記アルカリ(土類)金属成分を前記ルテニウ
ム成分およびレニウム成分を担持した担体に担持させ
た触媒を使用することによっても、反応系内に存在させ
ることもできる。担体への担持方法、触媒の活性化方法
は前記と同様の方法を採用できる。
合は、ルテニウム:アルカリ金属および/またはアルカ
リ土類金属の原子比が100:1〜1:50、好ましく
は50:1〜1:20である。ラクトン化合物の収率に
着目した場合、ルテニウム:アルカリ金属および/また
はアルカリ土類金属の原子比は4:1〜1:20、より
好ましくは、1:1〜1:10である。
常、原料のジカルボン酸化合物を溶媒に溶解させた後、
反応に供する。溶媒としてはジカルボン酸化合物を溶解
するものであれば特に制限されないが、好ましくは、水
素化反応に不活性であり、反応物、生成物と反応しない
溶媒である。本発明においては、例えば、ジエチルエー
テル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、トリグライム、テトラグライム、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、エタノー
ル、ブタノール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、
シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素等
を用いることができる。これらの中でもエーテル系溶媒
が好ましく、特にジイソプロピルエーテル、ジメトキシ
エタンおよびテトラヒドロフランからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。なかでも反応速度の点で
ジイソプロピルエーテルが特に好ましく、触媒量が多い
ほど顕著に優れる。なお、溶媒の使用量は、反応温度に
おいて原料が溶解する程度であれば特に限定されない。
反応方法は特に制限はなく、例えば回分式、または半回
分式、流通式であってもよい。
度、好ましくは下限が100℃、上限が170℃であ
る。230℃より温度を高くすると副反応性生成物が増
加する傾向があり、逆に温度を50℃より低くすると反
応速度の面で不利になる。本発明においては、特に17
0℃以下の低温で反応させることにより副反応を顕著に
抑制することができる。また、本発明においては、多量
の触媒を使用し低温で反応させるのが、ラクトン化合物
の生成速度を促進し、かつ副反応を抑制する点で特に好
ましい。
g/cm2程度、好ましくは20kg/cm2以上、12
0kg/cm2以下である。これより高圧になると安全
ならびに経済上不利であり、これより低圧では反応速度
が遅くなり不利である。
量等の反応条件によって変わるため、一概にその範囲を
決めることは困難であるが、回分式、半回分式において
は通常0.5〜30時間程度である。反応時間が短いと
高い転化率が得られないことがあるため、反応時間は1
時間以上、さらには2時間以上とするのが好ましい。反
応時間は30時間より長くてもよく、通常は30時間内
で充分反応は進行するが、反応時間が長時間になると副
反応がおこり易くなるため、反応時間は20時間以下、
10時間以下、さらには7時間以下にするのが好まし
い。
類)金属成分の作用によって、ルテニウム−レニウム触
媒存在下におけるジカルボン酸化合物を水素化還元する
際の選択性が高まり、副反応を抑制できるためラクトン
化合物の収率を高めることができる。また、本発明によ
れば温和な条件下に反応を行なうことができる。
明するが、本反応はこれら各例に限定されるものではな
い。なお、各例中の%は、触媒担持量については重量基
準、それ以外はモル基準である。
80gの水に溶解し、これにルテニウム−活性炭担持触
媒として5%ルテニウム−活性炭粉末Kタイプ(エヌ・
イーケムキャット(株)製、比表面積1200m2/
g)5gを加え一晩放置した。ロータリーエバポレータ
ーを用いて水を減圧留去し、得られた粉末を水素気流下
450℃で2時間還元し、4.2%ルテニウム−15.
6%レニウム−活性炭粉末(以下、触媒(1)という)
4.7gを得た。酢酸ナトリウム0.226gを40g
の水に溶解し、これに触媒(1)2gを加え一晩放置し
た。ロータリーエバポレーターを用いて水を減圧留去
し、得られた粉末を水素気流下450℃で2時間還元
し、4.1%ルテニウム−15.3%レニウム−1.9
%ナトリウム−活性炭粉末(以下、触媒(2)という)
1.9gを得た。 (水素化反応)300mlの回転撹拌式オートクレーブ
に、コハク酸5g(0.025モル)、前記触媒(2)
を1g、およびテトラヒドロフラン(以下、THFとい
う)150gを仕込み、系内を水素で十分置換した後、
75kg/cm2 になるように水素を圧入した。撹拌し
ながら昇温し、反応温度170℃となったところで反応
圧力を100kg/cm2に昇圧した。このときを反応
開始時刻とし、5時間水素化反応を行った。反応終了
後、オートクレーブを室温まで冷却し、続いて水素をパ
ージし、反応液を取り出した。反応液をガスクロマトグ
ラフィーにより分析した。γ−ブチロラクトンの収率は
83%であった。
酸5g(0.025モル)、実施例1で調製した触媒
(2)を1g、およびテトラヒドロフラン(以下、TH
Fという)150gを仕込み、系内を水素で十分置換し
た後、75kg/cm2になるように水素を圧入した。
撹拌しながら昇温し、反応温度170℃となったところ
で反応圧力を100kg/cm2に昇圧した。このとき
を反応開始時刻とし、6時間水素化反応を行った。反応
終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、続いて水素
をパージし、反応液を取り出した。反応液をガスクロマ
トグラフィーにより分析した。γ−ブチロラクトンの収
率は77%であった。
5g(0.003モル)、実施例1で調製した触媒
(2)を0.1g、およびイソプロピルエーテル5gを
仕込み、系内を水素で十分置換した後、75kg/cm
2になるように水素を圧入した。撹拌しながら昇温し、
反応温度170℃となったところを反応開始時刻とし、
6時間水素化反応を行った。反応終了後、オートクレー
ブを室温まで冷却し、続いて水素をパージし、反応液を
取り出した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分
析した。フタリドの収率は69%であった。
0.5g(0.003モル)、実施例1で調製した触媒
(2)を0.1g、およびイソプロピルエーテル5gを
仕込み、系内を水素で十分置換した後、75kg/cm
2になるように水素を圧入した。撹拌しながら昇温し、
反応温度170℃となったところを反応開始時刻とし、
6時間水素化反応を行った。反応終了後、オートクレー
ブを室温まで冷却し、続いて水素をパージし、反応液を
取り出した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分
析した。フタリドの収率は77%であった。
ロヘキサンジカルボン酸0.5g(0.003モル)、
実施例1で調製した触媒(2)を0.1g、およびイソ
プロピルエーテル5gを仕込み、系内を水素で十分置換
した後、75kg/cm2になるように水素を圧入し
た。撹拌しながら昇温し、反応温度170℃となったと
ころを反応開始時刻とし、6時間水素化反応を行った。
反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、続いて
水素をパージし、反応液を取り出した。反応液をガスク
ロマトグラフィーにより分析した。ヘキサハイドロフタ
リドの収率は65%であった。
ロヘキサンジカルボン酸無水物0.5g(0.003モ
ル)、実施例1で調製した触媒(2)を0.1g、およ
びイソプロピルエーテル5gを仕込み、系内を水素で十
分置換した後、75kg/cm2になるように水素を圧
入した。撹拌しながら昇温し、反応温度170℃となっ
たところを反応開始時刻とし、6時間水素化反応を行っ
た。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、続
いて水素をパージし、反応液を取り出した。反応液をガ
スクロマトグラフィーにより分析した。ヘキサハイドロ
フタリドの収率は70%であった。
g(0.025モル)、実施例1で調製した触媒(1)
を1g、およびテトラヒドロフラン(以下、THFとい
う)150gを仕込み、系内を水素で十分置換した後、
75kg/cm 2になるように水素を圧入した。撹拌し
ながら昇温し、反応温度170℃となったところで反応
圧力を100kg/cm2に昇圧した。このときを反応
開始時刻とし、5時間水素化反応を行った。反応終了
後、オートクレーブを室温まで冷却し、続いて水素をパ
ージし、反応液を取り出した。反応液をガスクロマトグ
ラフィーにより分析した。γ−ブチロラクトンの収率は
56%であった。
Claims (8)
- 【請求項1】 ルテニウムの金属および/またはその
金属化合物とレニウムの金属および/またはその金属
化合物からなる触媒、ならびにアルカリ金属、アルカ
リ土類金属およびこれらの金属化合物から選ばれる少な
くとも1種の存在下に、ジカルボン酸化合物を水素化還
元することを特徴とするラクトン化合物の製造方法。 - 【請求項2】ジカルボン酸化合物が、2個のカルボン酸
が2個の炭素原子を介して結合する化合物である請求項
1記載の製造方法。 - 【請求項3】 ジカルボン酸化合物がコハク酸、無水コ
ハク酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタ
ル酸、無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸および1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物
から選ばれるいずれか少なくとも1種の化合物である請
求項1または2記載の製造方法。 - 【請求項4】 アルカリ金属、アルカリ土類金属およ
びこれらの金属化合物から選ばれる少なくとも1種が、
アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩であ
る請求項1、2または3記載の製造方法。 - 【請求項5】 アルカリ金属塩および/またはアルカリ
土類金属塩が、ジカルボン酸のアルカリ金属塩および/
またはアルカリ土類金属塩である請求項4記載の製造方
法。 - 【請求項6】 ルテニウムの金属および/またはその
金属化合物とレニウムの金属および/またはその金属
化合物からなる触媒が担体担持触媒である請求項1〜5
のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項7】 アルカリ金属、アルカリ土類金属およ
びこれらの金属化合物から選ばれる少なくとも1種が、
ルテニウムの金属および/またはその金属化合物と
レニウムの金属および/またはその金属化合物が担持さ
れた担体に担持されている請求項6記載の製造方法。 - 【請求項8】 請求項7記載のラクトン化合物の製造方
法において用いられる、ルテニウムの金属および/ま
たはその金属化合物とレニウムの金属および/または
その金属化合物、ならびにアルカリ金属、アルカリ土
類金属およびこれらの金属化合物から選ばれる少なくと
も1種が担体に担持されている触媒。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06667399A JP3225946B2 (ja) | 1998-03-23 | 1999-03-12 | ラクトンの製造方法およびその触媒 |
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JP10-95471 | 1998-03-23 | ||
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JPH11335363A JPH11335363A (ja) | 1999-12-07 |
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1999
- 1999-03-12 JP JP06667399A patent/JP3225946B2/ja not_active Expired - Lifetime
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