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JP3765346B2 - 熱硬化性樹脂組成物およびこれを含む成形材料、人工大理石 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物およびこれを含む成形材料、人工大理石 Download PDF

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JP3765346B2
JP3765346B2 JP13721697A JP13721697A JP3765346B2 JP 3765346 B2 JP3765346 B2 JP 3765346B2 JP 13721697 A JP13721697 A JP 13721697A JP 13721697 A JP13721697 A JP 13721697A JP 3765346 B2 JP3765346 B2 JP 3765346B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂組成物、および、これを含む成形材料に関するものである。上記の成形材料を成形してなる成形品は、例えば、浴槽(バスタブ)や洗面台(カウンター)、流し台(シンク)等、温水や熱水を使用する場所に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平6−248168号公報および特開平7−11117号公報には、熱硬化性樹脂の一種である不飽和ポリエステルに、ホスファイト系抗酸化剤を添加してなる不飽和ポリエステル組成物が開示されている。該不飽和ポリエステル組成物は、ホスファイト系抗酸化剤を含んでいるので、成型加工時における黄変や、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色が抑制される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ホスファイト系抗酸化剤を含んでなる上記従来の不飽和ポリエステル組成物は、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色が充分に抑制されているとは言い難い。つまり、ホスファイト系抗酸化剤を含んでなる上記従来の構成では、黄変等の変色を抑制する効果が不充分であり、例えば、該不飽和ポリエステル組成物を用いて浴槽等を製造すると、該浴槽は、使用するに従い経時変化によって変色する。従って、上記従来の熱硬化性樹脂組成物は、黄変等の変色に対する抑制効果が不充分であり、美観(外観)を損なうので耐久性に劣るという問題点を有している。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果に優れた熱硬化性樹脂組成物、および、これを含む成形材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記従来の問題点を解決すべく、熱硬化性樹脂組成物およびこれを含む成形材料について鋭意検討した。その結果、特定の構造を有する含硫黄抗酸化剤を含む熱硬化性樹脂組成物、および、該熱硬化性樹脂組成物を含む成形材料が、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果に優れていることを見い出して、本発明を完成させるに至った。
【0006】
即ち、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、および、(メタ)アクリルシラップからなる群より選ばれる少なくとも一種のラジカル重合型樹脂と、一般式(1)
a −S−CH2 −CH2 −COORb ……(1)
(式中、Ra 、Rb は、それぞれ独立して有機残基を表す)
で表される含硫黄抗酸化剤を含むことを特徴としている。
【0007】
上記構成によれば、所定の熱硬化性樹脂を含み、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【0008】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、不飽和ポリエステルと、ビニルエステル樹脂と、一般式(1)
a −S−CH 2 −CH 2 −COOR b ……(1)
(式中、R a 、R b は、それぞれ独立して有機残基を表す)
で表される含硫黄抗酸化剤とを含むことを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、所定の熱硬化性樹脂を含み、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【0010】
本発明の熱硬化性樹脂組成物では、含リン抗酸化剤をさらに含むことが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤との相乗効果により、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果により一層優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【0012】
また、本発明の成形材料は、上記の課題を解決するために、上記本発明の熱硬化性樹脂組成物を含むことを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果により一層優れた成形材料を提供することができる。該成形材料を用いて例えば浴槽等の成形品を製造すると、該成形品は、経時変化による変色が従来の成形品と比較して低減されるので、美観(外観)を損なうことがなく、耐久性が向上する。また、上記成形材料は、浴槽、洗面台または流し台に用いられることが好ましい。
【0014】
本発明の人工大理石は、上記本発明の成形材料からなることを特徴としている。
【0015】
以下に本発明を詳しく説明する。
【0016】
本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、特定の構造を有する含硫黄抗酸化剤と、必要に応じて含リン抗酸化剤とを含んでなる。
【0017】
上記の熱硬化性樹脂は、特に限定されるものではなく、成形材料に供することができる従来公知の全ての熱硬化性樹脂を採用することができるが、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、および、(メタ)アクリルシラップからなる群より選ばれる少なくとも一種のラジカル重合型樹脂がより好ましく、不飽和ポリエステルとビニルエステル樹脂とを含むことがさらに好ましい。
【0018】
上記の不飽和ポリエステルは、酸成分と、アルコール成分とを常法にて縮合させて得られる重量平均分子量(Mw)が数百〜数万程度の重合体を、ビニルモノマーに溶解してなるラジカル重合型樹脂である。
【0019】
酸成分としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸;フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘット酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等の飽和二塩基酸;トリメリト酸、トリメリト酸無水物、ピロメリト酸、ピロメリト酸二無水物等の三官能以上の多塩基酸;等が挙げられる。これら酸成分は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0020】
アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等のグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三官能以上のアルコール;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン等のエポキシド;等が挙げられる。これらアルコール成分は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0021】
上記酸成分とアルコール成分とを反応させる方法は、特に限定されるものではない。また、反応温度や反応時間等の反応条件は、例えば、酸成分およびアルコール成分の種類や組み合わせ、或いは、不飽和ポリエステルや成形材料に所望する各種物性等に応じて適宜設定すればよい。尚、酸成分およびアルコール成分の組み合わせや使用量等は、特に限定されるものではない。また、得られる重合体は、例えば、ジシクロペンタジエン等のジエン化合物や、末端官能性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等のゴム成分等の種々の成分により変性されていてもよい。
【0022】
上記のビニルモノマーは、反応性モノマーであり、加熱加圧成形時に上記重合体が有する不飽和基と架橋反応する。ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、メチルメタクリレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらビニルモノマーは、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。また、ビニルモノマーの使用量は、その種類や上記重合体等との組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0023】
上記不飽和ポリエステルの製造方法は、特に限定されるものではない。尚、上記重合体およびビニルモノマーの組み合わせ等は、特に限定されるものではない。つまり、不飽和ポリエステルの組成は、特に限定されるものではない。
【0024】
上記のビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート樹脂)は、ビスフェノールタイプやノボラックタイプ、環状脂肪族タイプ、エポキシ化ポリブタジエンタイプ等のエポキシ樹脂の末端に、アクリル酸やメタクリル酸等のビニル系不飽和カルボン酸を付加重合させて得られる反応物を、スチレンやビニルトルエン、メチルメタクリレート、酢酸ビニル、クロルスチレン、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のビニル系単量体に溶解してなるラジカル重合型樹脂である。
【0025】
上記ビニルエステル樹脂の製造方法、つまり、エポキシ樹脂の末端にビニル系不飽和カルボン酸を付加重合させる方法は、特に限定されるものではない。また、反応温度や反応時間等の反応条件は、例えば、エポキシ樹脂およびビニル系不飽和カルボン酸の種類や組み合わせ、或いは、ビニルエステル樹脂や成形材料に所望する各種物性等に応じて適宜設定すればよい。尚、エポキシ樹脂、ビニル系不飽和カルボン酸、および、ビニル系単量体の組み合わせや使用量等は、特に限定されるものではない。つまり、ビニルエステル樹脂の組成は、特に限定されるものではない。
【0026】
上記の(メタ)アクリルシラップは、単量体である(メタ)アクリル酸エステル、該(メタ)アクリル酸エステルの重合体、および、架橋剤からなる混合物であり、必要に応じて、ビニル化合物をさらに含んでなるラジカル重合型樹脂である。
【0027】
上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、(メタ)アクリルアミドを用いることもできる。これら(メタ)アクリル酸エステルは、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の化合物のうち、メチルメタクリレート、および、メチルメタクリレートを主成分とする(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。メチルメタクリレートを主成分とすることにより、(メタ)アクリルシラップを含む成形材料を成形してなる成形品の耐候性、透明性、表面の光沢等の各種物性や、外観、安全性等をより一層向上させることができる。
【0028】
上記(メタ)アクリル酸エステルの重合体は、該(メタ)アクリル酸エステルを重合することにより得られる。得られる重合体の重合度は、特に限定されるものでない。尚、該重合体となるべき単量体成分は、(メタ)アクリル酸エステルの他に、必要に応じて、ビニル化合物を含んでいてもよい。
【0029】
上記の架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら架橋剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。また、架橋剤の添加量は、その種類や(メタ)アクリル酸エステル等との組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0030】
上記のビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、酢酸ビニル、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸、およびこれら不飽和ジカルボン酸のモノエステル;スチレン、アクリロニトリル、マレイミド類;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。さらに、例えば、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体に(メタ)アクリル酸グリシジルエステル類を反応させて得られるような、側鎖に不飽和基を有する(メタ)アクリル系重合体等もビニル化合物として使用することができる。これらビニル化合物は、必要に応じて、一種類または二種類以上を併用すればよい。また、(メタ)アクリルシラップがビニル化合物を含む場合において、該ビニル化合物の添加量は、その種類や(メタ)アクリル酸エステル等との組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0031】
上記(メタ)アクリルシラップの製造方法は、特に限定されるものではなく、また、反応温度や反応時間等の反応条件は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、架橋剤およびビニル化合物の種類や組み合わせ、或いは、(メタ)アクリルシラップや成形材料に所望する各種物性等に応じて適宜設定すればよい。尚、(メタ)アクリル酸エステル、架橋剤およびビニル化合物の組成、並びに、(メタ)アクリル酸エステル、架橋剤およびビニル化合物の組み合わせや使用量等は、特に限定されるものではない。つまり、(メタ)アクリルシラップの組成は、特に限定されるものではない。
【0032】
そして、上記の熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、および、(メタ)アクリルシラップからなる群より選ばれるラジカル重合型樹脂を二種類以上含む場合、即ち、熱硬化性樹脂がこれらの混合物である場合において、その混合比は、特に限定されるものではない。つまり、熱硬化性樹脂が、例えば不飽和ポリエステルとビニルエステル樹脂とを含む場合等において、各々の樹脂の含有量は、特に限定されるものではない。また、熱硬化性樹脂は、上記例示のラジカル重合型樹脂以外のラジカル重合型樹脂を含んでいてもよい。
【0033】
本発明にかかる含硫黄抗酸化剤は、一般式(1)
a −S−CH2 −CH2 −COORb ……(1)
(式中、Ra 、Rb は、それぞれ独立して有機残基を表す)
で表される構造を有していればよく、特に限定されるものではない。該含硫黄抗酸化剤としては、具体的には、例えば、
【0034】
【化1】
Figure 0003765346
【0035】
【化2】
Figure 0003765346
【0036】
【化3】
Figure 0003765346
【0037】
【化4】
Figure 0003765346
【0038】
【化5】
Figure 0003765346
【0039】
等のチオエーテル系抗酸化剤が挙げられる。これら含硫黄抗酸化剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の含硫黄抗酸化剤のうち、化合物A、および、化合物Gがより好ましい。
【0040】
熱硬化性樹脂組成物における含硫黄抗酸化剤の含有量は、特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂、および必要に応じて用いられる低収縮化剤(後述する)等の合成樹脂を含む全合成樹脂成分100重量部に対して、含硫黄抗酸化剤を0.05重量部〜3.0重量部の範囲内で添加することがより好ましく、0.1重量部〜1.5重量部の範囲内で添加することがさらに好ましい。含硫黄抗酸化剤の添加量が0.05重量部よりも少ない場合には、含硫黄抗酸化剤を添加することにより得られる効果が乏しくなるおそれがある。また、含硫黄抗酸化剤の添加量が2.0重量部よりも多い場合には、熱硬化性樹脂が備えている各種物性を低下させるおそれがある。
【0041】
本発明にかかる含リン抗酸化剤としては、具体的には、例えば、
【0042】
【化6】
Figure 0003765346
【0043】
【化7】
Figure 0003765346
【0044】
【化8】
Figure 0003765346
【0045】
【化9】
Figure 0003765346
【0046】
【化10】
Figure 0003765346
【0047】
【化11】
Figure 0003765346
【0048】
【化12】
Figure 0003765346
【0049】
【化13】
Figure 0003765346
【0050】
【化14】
Figure 0003765346
【0051】
【化15】
Figure 0003765346
【0052】
【化16】
Figure 0003765346
【0053】
【化17】
Figure 0003765346
【0054】
【化18】
Figure 0003765346
【0055】
【化19】
Figure 0003765346
【0056】
【化20】
Figure 0003765346
【0057】
【化21】
Figure 0003765346
【0058】
【化22】
Figure 0003765346
【0059】
【化23】
Figure 0003765346
【0060】
【化24】
Figure 0003765346
【0061】
【化25】
Figure 0003765346
【0062】
【化26】
Figure 0003765346
【0063】
ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイト等のホスファイト系抗酸化剤が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら含リン抗酸化剤は、必要に応じて、一種類のみを含硫黄抗酸化剤と併用してもよく、また、二種類以上を含硫黄抗酸化剤と併用してもよい。上記例示の含リン抗酸化剤のうち、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、および、化合物Fがより好ましい。
【0064】
含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤とを併用する場合において、熱硬化性樹脂組成物における含リン抗酸化剤の含有量は、特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂、および必要に応じて用いられる低収縮化剤等の合成樹脂を含む全合成樹脂成分100重量部に対して、含リン抗酸化剤を0.05重量部〜2.0重量部の範囲内で添加することがより好ましく、0.1重量部〜1.0重量部の範囲内で添加することがさらに好ましく、0.2重量部〜0.6重量部の範囲内で添加することが特に好ましい。含リン抗酸化剤の添加量が0.05重量部よりも少ない場合には、含リン抗酸化剤を併用することにより得られる相乗効果が乏しくなる。また、含リン抗酸化剤の添加量が2.0重量部よりも多い場合には、熱硬化性樹脂が備えている各種物性を低下させるおそれがある。
【0065】
含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤とを併用する場合において、両者の重量比は、特に限定されるものではない。また、含硫黄抗酸化剤や含リン抗酸化剤を熱硬化性樹脂組成物、即ち、熱硬化性樹脂に添加する際の添加方法や、その時期(タイミング)等は、特に限定されるものではない。つまり、含硫黄抗酸化剤や含リン抗酸化剤は、熱硬化性樹脂組成物を硬化させる時点、具体的には、熱硬化性樹脂組成物を含む成形材料を成形する時点で、熱硬化性樹脂組成物に含まれていればよい。
【0066】
以上のように、本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、前記一般式(1)で表される構造を有する含硫黄抗酸化剤と、必要に応じて含リン抗酸化剤とを含んでなる。これにより、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤とを併用すると、両者の相乗効果により、黄変等の変色に対する抑制効果により一層優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【0067】
尚、熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、従来公知のフェノール系抗酸化剤をさらに含んでなっていてもよい。つまり、本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物においては、含硫黄抗酸化剤とフェノール系抗酸化剤とを併用することもでき、或いは、含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤とフェノール系抗酸化剤とを併用することもできる。
【0068】
本発明にかかる成形材料は、上記構成の熱硬化性樹脂組成物を含んでなる。さらに、成形材料は、必要に応じて、従来公知の副資材(添加剤)や補強材等を含んでいてもよい。上記の副資材としては、具体的には、例えば、硬化剤、増粘剤、充填剤、低収縮化剤、(内部)離型剤、顔料、減粘剤、カップリング剤等が挙げられる。本発明にかかる成形材料は、例えば、注型用材料、SMC(シートモールディングコンパウンド)、BMC(バルクモールディングコンパウンド)等として好適である。
【0069】
上記の硬化剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等のアゾ化合物;等のラジカル重合開始剤が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら硬化剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。また、硬化剤の添加量は、その種類や熱硬化性樹脂との組み合わせ、成形材料の成形条件、或いは、成形材料を成形してなる成形品の用途や所望される物性等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0070】
上記の増粘剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の多価金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の多価金属水酸化物;多官能イソシアネート;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら増粘剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。増粘剤の使用量は、その種類や熱硬化性樹脂との組み合わせ、熱硬化性樹脂の重量平均分子量や粘度、成形品の用途や所望される物性等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0071】
上記の充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、タルク、ミルドファイバー、シリカ(珪砂)、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、寒水石、ガラス粉末、ガラス球、ポリマービーズ等の、無機充填剤および有機充填剤が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら充填剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。また、充填剤の配合量は、その種類や熱硬化性樹脂との組み合わせ、成形材料の成形条件、或いは、成形品の用途や所望される物性等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。尚、充填剤を適宜選択することにより、成形品にいわゆる透明感を付与することもできる。
【0072】
上記の低収縮化剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、三次元架橋ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、セルロースブチレート、アセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクトン、飽和ポリエステル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら低収縮化剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。また、低収縮化剤の添加量は、その種類や熱硬化性樹脂との組み合わせ、成形材料の成形条件、或いは、成形品の用途や所望される物性等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。低収縮化剤を添加することにより、成形材料を成形してなる成形品の寸法安定性をより一層向上させることができる。
【0073】
上記の離型剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アミド、ラウリル酸、トリフェニルホスフェート、アルキルホスフェート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、一般に用いられているワックス類、シリコーンオイル等の離型剤を用いることもできる。これら離型剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。また、離型剤の添加量は、その種類や熱硬化性樹脂との組み合わせ、成形材料の成形条件、或いは、成形品の用途や所望される物性等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0074】
上記の顔料は、特に限定されるものではなく、従来より熱硬化性樹脂に使用されている無機顔料や有機顔料を用いることができる。顔料の添加量は、特に限定されるものではなく、成形品の用途等に応じて適宜設定すればよい。
【0075】
上記の減粘剤は、特に限定されるものではなく、従来より熱硬化性樹脂に使用されている減粘剤を用いることができる。また、上記のカップリング剤は、特に限定されるものではなく、従来より熱硬化性樹脂に使用されているカップリング剤を用いることができる。
【0076】
上記の補強材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックからなる繊維等の無機繊維;アラミドやポリエステル等からなる有機繊維;天然繊維等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、繊維の形態は、例えば、ロービング、チョップトストランド、マット、クロス(織物)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら補強材は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。また、補強材の使用量は、その種類や熱硬化性樹脂との組み合わせ、成形品の用途や所望される物性等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0077】
また、熱硬化性樹脂組成物と補強材とを混合する方法は、特に限定されるものではなく、該補強材の形態に応じて適宜設定すればよい。例えば、補強材の形態がマットやクロス等である場合には、該補強材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させればよい。また、例えば、補強材の形態がロービングやチョップトストランド等である場合には、該補強材と熱硬化性樹脂組成物とを混練すればよい。補強材を含む成形材料は、例えばSMCやBMCとして好適である。
【0078】
本発明にかかる成形材料の製造方法、つまり、熱硬化性樹脂組成物に上記副資材や補強材を添加する方法は、特に限定されるものではない。また、成形材料の硬化方法や硬化条件、つまり、成形品の製造方法は、特に限定されるものではない。
【0079】
以上のように、本発明にかかる成形材料は、上記構成の熱硬化性樹脂組成物を含んでなる。該成形材料は、種々の成形方法に適用可能である。上記の成形材料を成形してなる成形品は、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果に優れており、経時変化による変色が従来の成形品と比較して低減されるので、美観(外観)を損なうことがなく、耐久性が向上する。成形材料を成形してなる成形品は、例えば、人工大理石として好適であり、浴槽(バスタブ)や洗面台(カウンター)、流し台(シンク)等、温水や熱水を使用する場所に好適に用いられる。
【0080】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載の「部」は、「重量部」を示す。
【0081】
〔実施例1〕
不飽和ポリエステル70部およびビニルエステル樹脂18部からなる熱硬化性樹脂88部に、含硫黄抗酸化剤としての前記化合物A(旭電化工業株式会社製;商品名 アデカスタブ AO−23)0.5部を添加し、均一に混合することにより、本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0082】
上記の不飽和ポリエステルは、無水マレイン酸と、水素化ビスフェノールAと、プロピレングリコールとをモル比が「1.00:0.30:0.75」となるように用いて縮合させた後、得られた重合体を、スチレンの割合が45重量%となるように該スチレンに溶解することにより製造した。また、上記のビニルエステル樹脂は、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂1.00モル(エポキシ当量として)に対して、メタクリル酸1.05モルの割合で用いて付加重合させて得られた反応物を、スチレンの割合が45重量%となるように該スチレンに溶解することにより製造した。
【0083】
次に、上記の熱硬化性樹脂組成物に、硬化剤としての1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1部、充填剤としての水酸化アルミニウム150部、低収縮化剤としての三次元架橋ポリスチレン粒子12部、増粘剤としての酸化マグネシウム0.7部、および、離型剤としてのステアリン酸亜鉛4部を加えて混合した。
【0084】
次いで、得られたコンパウンドをSMC製造装置に適用し、補強材としてのガラス繊維60部に含浸させることにより、本発明にかかる成形材料としてのSMCを製造した。上記のSMCを、110℃〜150℃に加熱された金型を用い、所定の成形条件で加熱加圧成形した。これにより、厚みが約4mmの成形品を製造した。
【0085】
得られた成形品の耐久性、つまり、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果を評価するために、以下に示す試験を行った。即ち、先ず、成形品の黄色度(YI)を色差計(日本電色工業株式会社製・SZ−Σ90)を用いて測定した。次に、成形品を98℃の熱水に100時間浸漬し、浸漬後の成形品の黄色度と色差(ΔE)とを上記色差計を用いて測定した。そして、浸漬前の成形品の黄色度と、浸漬後の成形品の黄色度との差を求め、この数値を黄変度(ΔYI)とした。尚、上記の試験において、浸漬時間100時間は、例えば成形品が浴槽である場合には、該浴槽に40℃〜50℃の温水を満たし、毎日4時間、3年〜5年にわたって使用した場合に相当する。
【0086】
また、上記と同様にして、成形品を98℃の熱水に200時間浸漬した後、並びに300時間浸漬した後の、該成形品の黄色度と色差とを測定すると共に、黄変度を求めた。上記の試験結果、即ち、色差および黄変度を、表1にまとめて記載した。
【0087】
〔比較例1〕
熱硬化性樹脂に前記化合物Aを添加しない以外は、実施例1の操作等と同様の操作等を行って、比較用のSMC(比較用成形材料)を製造した。つまり、実施例1において、含硫黄抗酸化剤を用いないで比較用SMCを製造した。
【0088】
上記の比較用SMCを、実施例1のSMCの成形条件と同一の成形条件で加熱加圧成形した。これにより、厚みが約4mmの比較用の成形品を製造した。次いで、実施例1と同様にして、得られた比較用成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表1にまとめて記載した。
【0089】
〔実施例2〕
不飽和ポリエステル70部およびビニルエステル樹脂18部からなる熱硬化性樹脂88部に、含硫黄抗酸化剤としての前記化合物A(同社製・アデカスタブ AO−23)0.3部と、含リン抗酸化剤としての前記化合物C(旭電化工業株式会社製;商品名 アデカスタブ PEP−36)0.3部とを添加し、均一に混合することにより、本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物を調製した。尚、上記の不飽和ポリエステルおよびビニルエステル樹脂の組成は、実施例1で用いた不飽和ポリエステルおよびビニルエステル樹脂の組成と同一である。
【0090】
次に、上記の熱硬化性樹脂組成物に、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1部、水酸化アルミニウム150部、三次元架橋ポリスチレン粒子12部、酸化マグネシウム0.7部、および、ステアリン酸亜鉛4部を加えて混合した。
【0091】
次いで、得られたコンパウンドをSMC製造装置に適用し、補強材としてのガラス繊維60部に含浸させることにより、本発明にかかる成形材料としてのSMCを製造した。上記のSMCを、実施例1のSMCの成形条件と同一の成形条件で加熱加圧成形した。これにより、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例1と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表1にまとめて記載した。
【0092】
〔比較例2〕
熱硬化性樹脂に前記化合物Aを添加しない以外は、実施例2の操作等と同様の操作等を行って、比較用のSMC(比較用成形材料)を製造した。つまり、実施例2において、含硫黄抗酸化剤を用いないで比較用SMCを製造した。
【0093】
上記の比較用SMCを、実施例1のSMCの成形条件と同一の成形条件で加熱加圧成形した。これにより、厚みが約4mmの比較用の成形品を製造した。次いで、実施例1と同様にして、得られた比較用成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表1にまとめて記載した。
【0094】
【表1】
Figure 0003765346
【0095】
実施例1と比較例1との対比から明らかなように、含硫黄抗酸化剤が添加されているSMCを成形してなる成形品は、含硫黄抗酸化剤が添加されていない比較用SMCを成形してなる比較用成形品と比較して、色差および黄変度の経時変化が低減されていることがわかる。即ち、本発明にかかるSMCを成形してなる成形品は、熱水に長期間曝された場合における変色に対する抑制効果に優れていることがわかる。
【0096】
また、実施例1と実施例2との対比、並びに、実施例2と比較例2との対比から明らかなように、含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤とが添加されているSMCを成形してなる成形品は、両者の相乗効果により、色差および黄変度の経時変化がより一層低減されていることがわかる。
【0097】
尚、比較例1と比較例2との対比から明らかなように、含リン抗酸化剤のみが添加されている比較用SMCを成形してなる比較用成形品は、浸漬時間が100時間の時点では色差および黄変度の経時変化が低減されているものの、浸漬時間が200時間を越えると色差および黄変度の経時変化が顕著となっている。つまり、含リン抗酸化剤のみを用いてなる比較用成形品は、含リン抗酸化剤を用いないでなる比較用成形品よりも、変色が促進されてしまっている。
【0098】
〔実施例3〕
熱硬化性樹脂としてのアクリルシラップ100部に、含硫黄抗酸化剤としての前記化合物A(同社製・アデカスタブ AO−23)0.6部を添加し、均一に混合することにより、本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0099】
上記のアクリルシラップは、メチルメタクリレートと、メタクリル酸と、エチレングリコールジメタクリレートとを重量比が「91.7:3.3:5.0」となるように用いると共に、上記メチルメタクリレートを部分重合することにより製造した。
【0100】
次に、上記の熱硬化性樹脂組成物に、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1部、水酸化アルミニウム150部、酸化マグネシウム0.7部、および、ステアリン酸亜鉛4部を加えて混合した。これにより、本発明にかかる成形材料を製造した。
【0101】
上記の成形材料を、80℃〜130℃に加熱された金型を用い、所定の成形条件で加熱加圧成形した。これにより、厚みが約7mmの成形品を製造した。次いで、実施例1と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表2にまとめて記載した。
【0102】
〔比較例3〕
熱硬化性樹脂に前記化合物Aを添加しない以外は、実施例3の操作等と同様の操作等を行って、比較用の成形材料を製造した。つまり、実施例3において、含硫黄抗酸化剤を用いないで比較用成形材料を製造した。
【0103】
上記の比較用成形材料を、実施例3の成形材料の成形条件と同一の成形条件で加熱加圧成形した。これにより、厚みが約7mmの比較用の成形品を製造した。次いで、実施例1と同様にして、得られた比較用成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表2にまとめて記載した。
【0104】
〔実施例4〕
熱硬化性樹脂としてのアクリルシラップ100部に、含硫黄抗酸化剤としての前記化合物A(同社製・アデカスタブ AO−23)0.3部と、含リン抗酸化剤としての前記化合物C(同社製・アデカスタブ PEP−36)0.3部とを添加し、均一に混合することにより、本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物を調製した。尚、上記のアクリルシラップの組成は、実施例3で用いたアクリルシラップの組成と同一である。
【0105】
次に、上記の熱硬化性樹脂組成物に、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1部、水酸化アルミニウム150部、酸化マグネシウム0.7部、および、ステアリン酸亜鉛4部を加えて混合した。これにより、本発明にかかる成形材料を製造した。
【0106】
上記の成形材料を、実施例3の成形材料の成形条件と同一の成形条件で加熱加圧成形した。これにより、厚みが約7mmの成形品を製造した。次いで、実施例1と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表2にまとめて記載した。
【0107】
【表2】
Figure 0003765346
【0108】
実施例3と比較例3との対比から明らかなように、含硫黄抗酸化剤が添加されている成形材料を成形してなる成形品は、含硫黄抗酸化剤が添加されていない比較用成形材料を成形してなる比較用成形品と比較して、色差および黄変度の経時変化が低減されていることがわかる。即ち、本発明にかかる成形材料を成形してなる成形品は、熱水に長期間曝された場合における変色に対する抑制効果に優れていることがわかる。
【0109】
また、実施例3と実施例4との対比から明らかなように、含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤とが添加されている成形材料を成形してなる成形品は、両者の相乗効果により、色差および黄変度の経時変化がより一層低減されていることがわかる。
【0110】
〔実施例5〕
実施例1で用いた熱硬化性樹脂の組成と同一の組成の熱硬化性樹脂、即ち、不飽和ポリエステル70部およびビニルエステル樹脂18部からなる熱硬化性樹脂88部に、含硫黄抗酸化剤としての前記化合物A(同社製・アデカスタブ AO−23)0.23部と、含リン抗酸化剤としての前記化合物F(同社製・アデカスタブ 1500)0.23部とを添加し、均一に混合することにより、本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0111】
次に、上記の熱硬化性樹脂組成物に、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1部、水酸化アルミニウム150部、三次元架橋ポリスチレン粒子12部、酸化マグネシウム0.7部、および、ステアリン酸亜鉛4部を加えて混合した。
【0112】
次いで、得られたコンパウンドをSMC製造装置に適用し、補強材としてのガラス繊維60部に含浸させることにより、本発明にかかる成形材料としてのSMCを製造した。上記のSMCを、実施例1のSMCの成形条件と同一の成形条件で加熱加圧成形した。これにより、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例1と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表3にまとめて記載した。
【0113】
〔実施例6〕
化合物F0.23部の代わりに、含リン抗酸化剤としての前記化合物E(同社製・アデカスタブ 260)0.23部を添加した以外は、実施例5の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例5と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表3にまとめて記載した。
【0114】
〔実施例7〕
化合物F0.23部の代わりに、含リン抗酸化剤としての前記化合物B(同社製・アデカスタブ PEP−24G)0.23部を添加した以外は、実施例5の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例5と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表3にまとめて記載した。
【0115】
〔比較例4〕
熱硬化性樹脂に前記化合物Aと前記化合物Fとを添加しない以外は、実施例5の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの比較用の成形品を製造した。つまり、実施例5において、含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤とを用いないで比較用成形品を製造した。次いで、実施例5と同様にして、得られた比較用成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表3にまとめて記載した。
【0116】
【表3】
Figure 0003765346
【0117】
実施例5〜7と比較例4との対比から明らかなように、含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤とが添加されているSMCを成形してなる成形品は、含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤とが添加されていない比較用SMCを成形してなる比較用成形品と比較して、色差および黄変度の経時変化が低減されていることがわかる。即ち、本発明にかかるSMCを成形してなる成形品は、熱水に長期間曝された場合における変色に対する抑制効果に優れていることがわかる。
【0118】
〔実施例8〕
実施例1で用いた熱硬化性樹脂の組成と同一の組成の熱硬化性樹脂、即ち、不飽和ポリエステル70部およびビニルエステル樹脂18部からなる熱硬化性樹脂88部に、含硫黄抗酸化剤としての前記化合物G(同社製・アデカスタブ AO−412S)0.3部を添加し、均一に混合することにより、本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0119】
次に、上記の熱硬化性樹脂組成物に、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1部、水酸化アルミニウム150部、三次元架橋ポリスチレン粒子12部、酸化マグネシウム0.7部、および、ステアリン酸亜鉛4部を加えて混合した。
【0120】
次いで、得られたコンパウンドをSMC製造装置に適用し、補強材としてのガラス繊維60部に含浸させることにより、本発明にかかる成形材料としてのSMCを製造した。上記のSMCを、実施例1のSMCの成形条件と同一の成形条件で加熱加圧成形した。これにより、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、成形品を浸漬する熱水の温度を98℃から90℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表4にまとめて記載した。
【0121】
〔実施例9〕
化合物Gの添加量を0.3部から0.5部に変更した以外は、実施例8の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例8と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表4にまとめて記載した。
【0122】
〔実施例10〕
化合物Gの添加量を0.3部から0.8部に変更した以外は、実施例8の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例8と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表4にまとめて記載した。
【0123】
〔実施例11〕
熱硬化性樹脂に、含硫黄抗酸化剤としての前記化合物G(同社製・アデカスタブ AO−412S)0.3部と、含リン抗酸化剤としての前記化合物F(同社製・アデカスタブ 1500)0.3部とを添加した以外は、実施例8の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例8と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表4にまとめて記載した。
【0124】
〔実施例12〕
熱硬化性樹脂に、含硫黄抗酸化剤としての前記化合物G(同社製・アデカスタブ AO−412S)0.3部と、含リン抗酸化剤としての前記化合物E(同社製・アデカスタブ 260)0.3部とを添加した以外は、実施例8の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例8と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表4にまとめて記載した。
【0125】
〔実施例13〕
熱硬化性樹脂に、含硫黄抗酸化剤としての前記化合物G(同社製・アデカスタブ AO−412S)0.3部と、含リン抗酸化剤としての前記化合物C(同社製・アデカスタブ PEP−36)0.3部とを添加した以外は、実施例8の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例8と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表4にまとめて記載した。
【0126】
〔比較例5〕
熱硬化性樹脂に前記化合物Gを添加しない以外は、実施例8の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの比較用の成形品を製造した。つまり、実施例8において、含硫黄抗酸化剤を用いないで比較用成形品を製造した。次いで、実施例8と同様にして、得られた比較用成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表4にまとめて記載した。
【0127】
【表4】
Figure 0003765346
【0128】
実施例8〜10と比較例5との対比から明らかなように、含硫黄抗酸化剤が添加されているSMCを成形してなる成形品は、含硫黄抗酸化剤が添加されていない比較用SMCを成形してなる比較用成形品と比較して、色差および黄変度の経時変化が低減されていることがわかる。即ち、本発明にかかるSMCを成形してなる成形品は、熱水に長期間曝された場合における変色に対する抑制効果に優れていることがわかる。
【0129】
また、実施例8と実施例11〜13との対比から明らかなように、含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤とが添加されている成形材料を成形してなる成形品は、両者の相乗効果により、色差および黄変度の経時変化がより一層低減されていることがわかる。
【0130】
〔実施例14〕
熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル88部に、含硫黄抗酸化剤としての前記化合物A(同社製・アデカスタブ AO−23)0.5部を添加し、均一に混合することにより、本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物を調製した。尚、上記の不飽和ポリエステルの組成は、実施例1で用いた不飽和ポリエステルの組成と同一である。
【0131】
次に、上記の熱硬化性樹脂組成物に、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1部、水酸化アルミニウム150部、三次元架橋ポリスチレン粒子12部、酸化マグネシウム0.7部、および、ステアリン酸亜鉛4部を加えて混合した。
【0132】
次いで、得られたコンパウンドをSMC製造装置に適用し、補強材としてのガラス繊維60部に含浸させることにより、本発明にかかる成形材料としてのSMCを製造した。上記のSMCを、実施例1のSMCの成形条件と同一の成形条件で加熱加圧成形した。これにより、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、成形品を浸漬する熱水の温度を98℃から90℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表5にまとめて記載した。
【0133】
〔実施例15〕
熱硬化性樹脂に、含硫黄抗酸化剤としての前記化合物A(同社製・アデカスタブ AO−23)0.3部と、含リン抗酸化剤としての前記化合物C(同社製・アデカスタブ PEP−36)0.3部とを添加した以外は、実施例14の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例14と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表5にまとめて記載した。
【0134】
〔比較例6〕
熱硬化性樹脂に前記化合物Aを添加しない以外は、実施例14の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの比較用の成形品を製造した。つまり、実施例14において、含硫黄抗酸化剤を用いないで比較用成形品を製造した。次いで、実施例14と同様にして、得られた比較用成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表5にまとめて記載した。
【0135】
〔実施例16〕
不飽和ポリエステル88部の代わりに、不飽和ポリエステル79.2部およびビニルエステル樹脂8.8部からなる熱硬化性樹脂88部を用いた以外は、実施例14の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。尚、上記の不飽和ポリエステルおよびビニルエステル樹脂の組成は、実施例1で用いた不飽和ポリエステルおよびビニルエステル樹脂の組成と同一である。
【0136】
次いで、実施例14と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表5にまとめて記載した。
【0137】
〔実施例17〕
不飽和ポリエステル88部の代わりに、実施例16で用いた熱硬化性樹脂88部を用いた以外は、実施例15の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例14と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表5にまとめて記載した。
【0138】
〔比較例7〕
不飽和ポリエステル88部の代わりに、実施例16で用いた熱硬化性樹脂88部を用いた以外は、比較例6の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの比較用の成形品を製造した。つまり、実施例16において、含硫黄抗酸化剤を用いないで比較用成形品を製造した。次いで、実施例14と同様にして、得られた比較用成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表5にまとめて記載した。
【0139】
〔実施例18〕
不飽和ポリエステル88部の代わりに、不飽和ポリエステル61.6部およびビニルエステル樹脂26.4部からなる熱硬化性樹脂88部を用いた以外は、実施例14の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。尚、上記の不飽和ポリエステルおよびビニルエステル樹脂の組成は、実施例1で用いた不飽和ポリエステルおよびビニルエステル樹脂の組成と同一である。
【0140】
次いで、実施例14と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表5にまとめて記載した。
【0141】
〔実施例19〕
不飽和ポリエステル88部の代わりに、実施例18で用いた熱硬化性樹脂88部を用いた以外は、実施例15の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの成形品を製造した。次いで、実施例14と同様にして、得られた成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表5にまとめて記載した。
【0142】
〔比較例8〕
不飽和ポリエステル88部の代わりに、実施例18で用いた熱硬化性樹脂88部を用いた以外は、比較例6の操作並びに加熱加圧成形等と同様の操作並びに加熱加圧成形等を行って、厚みが約4mmの比較用の成形品を製造した。つまり、実施例18において、含硫黄抗酸化剤を用いないで比較用成形品を製造した。次いで、実施例14と同様にして、得られた比較用成形品の色差および黄変度を測定した。上記の色差および黄変度を、表5にまとめて記載した。
【0143】
【表5】
Figure 0003765346
【0144】
実施例14・15と比較例6との対比、実施例16・17と比較例7との対比、並びに、実施例18・19と比較例8との対比から明らかなように、含硫黄抗酸化剤が添加されているSMCを成形してなる成形品は、含硫黄抗酸化剤が添加されていない比較用SMCを成形してなる比較用成形品と比較して、色差および黄変度の経時変化が低減されていることがわかる。即ち、本発明にかかるSMCを成形してなる成形品は、熱水に長期間曝された場合における変色に対する抑制効果に優れていることがわかる。
【0145】
そして、上記実施例1〜19の結果から明らかなように、本発明にかかる成形材料は、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果に優れているので、該成形材料を用いて例えば浴槽等の成形品を製造すると、該成形品は、経時変化による変色が従来の成形品と比較して低減される。従って、該成形品は、美観(外観)を損なうことがないので、耐久性が向上する。
【0146】
【発明の効果】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、以上のように、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、および、(メタ)アクリルシラップからなる群より選ばれる少なくとも一種のラジカル重合型樹脂と、一般式(1)
a −S−CH2 −CH2 −COORb ……(1)
(式中、Ra 、Rb は、それぞれ独立して有機残基を表す)
で表される含硫黄抗酸化剤を含む構成である。
【0147】
これにより、所定の熱硬化性樹脂を含み、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することができるという効果を奏する。
【0148】
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、以上のように、不飽和ポリエステルと、ビニルエステル樹脂と、一般式(1)
a −S−CH 2 −CH 2 −COOR b ……(1)
(式中、R a 、R b は、それぞれ独立して有機残基を表す)
で表される含硫黄抗酸化剤とを含む構成である。
【0149】
これにより、所定の熱硬化性樹脂を含み、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することができるという効果を奏する。
【0150】
本発明の熱硬化性樹脂組成物では、以上のように、含リン抗酸化剤をさらに含む構成であることが好ましい。
【0151】
これにより、含硫黄抗酸化剤と含リン抗酸化剤との相乗効果により、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果により一層優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することができるという効果を奏する。
【0152】
本発明の成形材料は、以上のように、上記本発明の熱硬化性樹脂組成物を含む構成であることが好ましい。
【0153】
これにより、熱水に長期間曝された場合の黄変等の変色に対する抑制効果により一層優れた成形材料を提供することができる。該成形材料を用いて例えば浴槽等の成形品を製造すると、該成形品は、経時変化による変色が従来の成形品と比較して低減されるので、美観(外観)を損なうことがなく、耐久性が向上するという効果を奏する。

Claims (6)

  1. 不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、および、(メタ)アクリルシラップからなる群より選ばれる少なくとも一種のラジカル重合型樹脂と、
    一般式(1)
    a −S−CH2 −CH2 −COORb ……(1)
    (式中、Ra 、Rb は、それぞれ独立して有機残基を表す)
    で表される含硫黄抗酸化剤を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 不飽和ポリエステルと、
    ビニルエステル樹脂と、
    一般式(1)
    a −S−CH 2 −CH 2 −COOR b ……(1)
    (式中、R a 、R b は、それぞれ独立して有機残基を表す)
    で表される含硫黄抗酸化剤とを含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  3. 含リン抗酸化剤をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1ないし3の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする成形材料。
  5. 浴槽、洗面台または流し台に用いられることを特徴とする請求項4に記載の成形材料。
  6. 請求項4に記載の成形材料からなることを特徴とする人工大理石。
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