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JP3086076B2 - 新規ガラクトシル−分岐シクロデキストリン - Google Patents

新規ガラクトシル−分岐シクロデキストリン

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JP3086076B2
JP3086076B2 JP04191368A JP19136892A JP3086076B2 JP 3086076 B2 JP3086076 B2 JP 3086076B2 JP 04191368 A JP04191368 A JP 04191368A JP 19136892 A JP19136892 A JP 19136892A JP 3086076 B2 JP3086076 B2 JP 3086076B2
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JP
Japan
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galactosyl
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branched
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glucosyl
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JP04191368A
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寿美雄 北畑
浩司 原
孝輝 藤田
宣洋 桑原
京子 小泉
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Ensuiko Sugar Refining Co Ltd
Original Assignee
Ensuiko Sugar Refining Co Ltd
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  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ガラクトシル−分
岐シクロデキストリンに関し、詳しくは分岐シクロデキ
ストリンのシクロデキストリン環のグルコシル基の水酸
基にα結合でガラクトシル基を結合させた新規ガラクト
シル−分岐シクロデキストリンに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】シク
ロデキストリン(以下、CDと略記する。)は、グルコ
ースがα−1,4結合で連なった環状デキストリンで、
グルコース6,7および8個より成るそれぞれα−,β
−およびγ−CDが良く知られている。最近ではCDの
溶解度を改善するため、これらCDにα−1,6結合で
グルコシル基やマルトシル基などを結合させた分岐CD
が合成されている。
【0003】これらCDおよび分岐CDには分子内部に
空洞があり、しかもこの空洞内部が疎水性になっている
ため、包接作用があり、各種油性物質を取り込む性質を
有している。CDおよび分岐CDは、このような性質を
もっているため、食品工業,化粧品工業,医薬品工業な
どの分野で広く使用されている。
【0004】最近、医薬品工業の分野では、薬剤の副作
用を少なくするため、糖質の細胞認識性に着目して、こ
れをドラッグ・デリバリー・システムの薬剤運搬体の標
識細胞へのセンサーとして利用する研究が活発に行われ
ている。特に、ガラクトースは肝臓組織に強い親和性を
示すことが良く知られている。
【0005】既に、本発明者らはCDの有する包接作用
とガラクトースのこの特質を利用して、ドラッグ・デリ
バリー・システムに応用することを目的として、分岐C
Dの側鎖のグルコシル基にガラクトシル基が結合してい
るガラクトシル−分岐CDおよびCDに直接ガラクトシ
ル基が結合しているガラクトシル−CDの開発に成功し
ている。
【0006】そこで、本発明者らはCDとガラクトース
のこの特質を併せもち、さらには有機溶媒に対して溶解
度の高い化合物を合成することを目的として、分岐CD
のCD環に直接ガラクトシル基を転移結合させた新規ガ
ラクトシル−分岐CDの合成を試みた。その結果、市販
のα−ガラクトシル基転移酵素がα−ガラクトシル糖化
合物からグルコシル−α−,β−およびγ−CD(以
下、それぞれG1−α−CD,G1−β−CDおよびG
1−γ−CDと略記する。)およびマルトシル−α−,
β−およびγ−CD(以下、それぞれG2−α−CD,
G2−β−CDおよびG2−γ−CDと略記する。)の
CD環のグルコシル基の水酸基にα結合でガラクトシル
基を転移結合させた新規ガラクトシル−分岐CDを合成
することを見出した。特に、このうち未熟コーヒー豆由
来のα−ガラクトシル基転移酵素は、各種分岐CDのC
D環のグルコシル基にα−1,6結合で1個のガラクト
シル基を転移結合させた新規ガラクトシル−分岐CDを
効率よく合成することを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成したのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はCD
環のグルコシル基の水酸基に、ガラクトシル基とグルコ
シル基がα結合で結合したガラクトースとグルコースの
側鎖を持つ新規ガラクトシル−分岐CDおよびCD環の
グルコシル基の水酸基に、ガラクトシル基とマルトシル
基がα結合で結合したガラクトースとマルトースの側鎖
を持つ新規ガラクトシル−分岐CDを提供するものであ
る。
【0008】本発明に係る新規ガラクトシル−分岐CD
は、図1に示す構造式I〜VIで表すことができる。
【0009】本発明の新規ガラクトシル−分岐CDは、
分岐CDとα−ガラクトシル糖化合物を含有する溶液
に、α−ガラクトシル基転移酵素を作用させることによ
って得ることができる。本発明において、分岐CDとし
てはG1−α−CD,G1−β−CD,G1−γ−C
D,G2−α−CD,G2−β−CDおよびG2−γ−
CDのいずれでもよく、これらの混合物であってもよ
い。さらには、CD環にマルトオリゴ糖や分岐オリゴ糖
が結合している分岐CDであってもよい。
【0010】本発明に用いるα−ガラクトシル糖化合物
(以下、糖供与体と記す。)としては、例えばメリビオ
ース,フェニル−α−ガラクトシド,パラニトロフェニ
ル−α−ガラクトシド,α−ガラクトオリゴ糖などのα
−ガラクトシル基を含む配糖体やオリゴ糖あるいは多糖
やその部分分解物およびそれらの混合物なども用いるこ
とができる。
【0011】本発明に用いるα−ガラクトシル基転移酵
素としては、α−ガラクトシル糖化合物と分岐CDを含
有する溶液に作用させたとき、糖供与体を分解し、その
α−ガラクトシル基を分岐CDのCD環に直接α結合で
転移させ、α−ガラクトシル−分岐CDを合成するもの
であれば、いずれも使用可能である。
【0012】本発明に用いるα−ガラクトシル基転移酵
素は、自然界に広く分布しているものである。例えば、
未熟コーヒー豆のような植物由来の酵素、アスペルギル
ス・ニガー,エシェリヒア・コリ,モルティエレラ・ヴ
ィナセなどの微生物由来の酵素がよく知られている。
【0013】本発明の反応系において、分岐CDと糖供
与体を含む溶液(水溶液または懸濁液)は、分岐CDの
濃度が約1〜50%(W/W)、糖供与体の濃度が約1
〜90%(W/W)であることが望ましく、かつ分岐C
Dに対する糖供与体の比率(重量)は、使用する糖供与
体の種類によって異なるが、0.1〜50倍の範囲、好ま
しくは0.3〜2倍の範囲とするのが適当である。また、
水とジメチルスルホキサイドのような有機溶媒との混合
物も使用可能である。
【0014】反応液のpHは3〜10、好ましくは4〜
9、温度は20〜70℃、好ましくは30〜60℃に調
整して反応させることが適当である。使用酵素量は反応
時間と密接な関係があるので、通常は反応が5〜100
時間、好ましくは5〜20時間で終了するような酵素量
とすればよいが、これらに限定されるものではない。
【0015】以上のような方法で反応させて得られた液
を、高速液体クロマトグラフィーにかけて、CDへの転
移生成物を分画・分取した後、酵素分解法,FAB−M
Sによる分子量測定により構造解析を行った結果、図1
に示す構造式I〜VIで表される新規ガラクトシル−分岐
CDであることを確認した。
【0016】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 (1)転移反応 メリビオース6g,G1−α−CD3gをジメチルスル
ホキサイド2mlを合せ60mM酢酸緩衝液(pH6.
5)10mlに溶解させた後、未熟コーヒー豆のα−ガ
ラクトシル基転移酵素(シグマ社製)を50単位加え、
40℃にて48時間反応させた。反応液の一部を高速液
体クロマトグラフィーにより分析した結果を図2に示
す。反応終了後、酵素を熱失活させた溶液を高速液体ク
ロマトグラフィーにかけて転移生成物A,Bをそれぞれ
156mg,468mg分取した。
【0017】(2)構造解析 上記(1)で単離された転移生成物A(図3)は、図4
に示すように、未熟コーヒー豆由来のα−ガラクトシダ
ーゼにより、完全に等モルのガラクトースとG1−α−
CDに分解された。同様に転移生成物B(図5)も、図
6に示すように、未熟コーヒー豆由来のα−ガラクトシ
ダーゼにより、完全に等モルのガラクトースとG1−α
−CDに分解された。また、FAB−MS分析により転
移生成物A(図7),B(図8)ともに分子量は129
7であることが判った。ここで、図7と図8を比較する
と、図7には971にピークが認められるが、図8には
そのピークが存在しない。これは転移生成物AがG1−
α−CDの側鎖のグルコシル基にガラクトースが結合し
ていることを意味しており、転移生成物BがG1−α−
CDのCD環のいずれかのグルコシル基に直接ガラクト
ースが結合していることを意味している(Carbohydrate
Research, 215(1991)127-136)。
【0018】よって以上の結果と、特願平4−1143
04号明細書に記載したCDへのガラクトシル基転移の
結果を踏まえて、転移生成物AはG1−α−CDの側鎖
のグルコシル基の6位の水酸基にα結合で1分子のガラ
クトシル基が結合した化合物であり、転移生成物BはG
1−α−CDのCD環のいずれかのグルコシル基の6位
の水酸基にα結合で1分子のガラクトシル基が結合した
化合物であることが確認された。
【0019】実施例2 有機溶媒に対する溶解試験 転移生成物Aと転移生成物Bの有機溶媒に対する溶解性
について試験した。水:有機溶媒=1:1の反応系10
0mlにおいて25℃で行い、有機溶媒としてはメタノ
ール,エタノール,イソプロパノールおよびアセトンを
用いた。結果を第1表に示す。表からも判るように、い
ずれの有機溶媒系でも転移生成物Bの方が、高い溶解性
を示した。
【0020】
【表1】 第 1 表 ────────────────────────────────── 転移生成物A 転移生成物B ────────────────────────────────── メタノール 120 151 エタノール 115 150 イソプロパノール 15 25 アセトン 85 110 ────────────────────────────────── (g/dl,25℃)
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、α−ガラクトシル基転
移酵素の糖転移作用を利用して、分岐CD分子中のCD
環のグルコシル基の水酸基にα−1,6結合でガラクト
シル基が結合している新規ガラクトシル分岐CDを効率
よく得ることができる。本発明の新規ガラクトシル分岐
CDは有機溶媒に対する溶解性もよく、医薬品分野のほ
か食品分野,化粧品分野等における幅広い利用が期待さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】新規ガラクトシル分岐CDの構造式を示す。
【図2】実施例1の反応液の高速液体クロマトグラムで
ある。
【図3】実施例1の転移生成物Aの高速液体クロマトグ
ラムである。
【図4】実施例1の転移生成物Aの酵素分解物の高速液
体クロマトグラムである。
【図5】実施例1の転移生成物Bの高速液体クロマトグ
ラムである。
【図6】実施例1の転移生成物Bの酵素分解物の高速液
体クロマトグラムである。
【図7】実施例1の転移生成物AのFAB−MS分析ス
ペクトルである。
【図8】実施例1の転移生成物BのFAB−MS分析ス
ペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 孝輝 神奈川県横浜市鶴見区大黒町13番46号 塩水港精糖株式会社内 (72)発明者 桑原 宣洋 神奈川県横浜市鶴見区大黒町13番46号 塩水港精糖株式会社内 (72)発明者 小泉 京子 大阪府藤井寺市春日丘3−14−3 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 37/16 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロデキストリン環のグルコシル基の
    水酸基に、ガラクトシル基とグルコシル基がα結合で結
    合したガラクトースとグルコースの側鎖を持つ新規ガラ
    クトシル−分岐シクロデキストリン。
  2. 【請求項2】 シクロデキストリン環のグルコシル基の
    水酸基に、ガラクトシル基とマルトシル基がα結合で結
    合したガラクトースとマルトースの側鎖を持つ新規ガラ
    クトシル−分岐シクロデキストリン。
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