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JP3552732B2 - 新規な分岐シクロデキストリン - Google Patents

新規な分岐シクロデキストリン Download PDF

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JP3552732B2
JP3552732B2 JP10596893A JP10596893A JP3552732B2 JP 3552732 B2 JP3552732 B2 JP 3552732B2 JP 10596893 A JP10596893 A JP 10596893A JP 10596893 A JP10596893 A JP 10596893A JP 3552732 B2 JP3552732 B2 JP 3552732B2
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galactosyl
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浩司 原
寿美雄 北畑
孝輝 藤田
京子 小泉
宣洋 桑原
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Ensuiko Sugar Refining Co Ltd
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Ensuiko Sugar Refining Co Ltd
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な分岐シクロデキストリンに関し、詳しくはシクロデキストリンのグルコシル基の2級水酸基、すなわち2位または3位水酸基にα結合でガラクトシル基を結合させた新規ガラクトシル−シクロデキストリンに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
シクロデキストリン(以下、CDと略記する。)は、グルコースがα−1,4結合で連なった環状デキストリンで、グルコース6,7,8個より成るそれぞれα−,β−およびγ−CDが良く知られている。最近ではCDの溶解度を改善するため、これらCDにα−1,6結合でグルコシル基やマルトシル基を結合させた分岐CDが合成されている。
【0003】
これらCDおよび分岐CDには分子内部に空洞があり、しかもこの空洞内部が疏水性になっているため、包接作用があり、各種油性物質を取り込む性質を有している。CDおよび分岐CDは、このような性質をもっているため、食品工業,化粧品工業,医薬品工業などの分野で広く使用されている。
【0004】
最近、医薬品工業の分野では、薬剤の副作用を少なくするため、糖質の細胞認識性に着目して、これをドラッグ・デリバリー・システムの薬剤運搬体の標識細胞へのセンサーとして利用する研究が活発に行われている。特に、ガラクトースは肝臓組織に、マンノースは肝臓実質細胞,肝臓非実質細胞,マクロファージに強い親和性を示すことが良く知られている。
【0005】
以前、我々は上述した現状に鑑み、分岐シクロデキストリンの側鎖のグルコシル基にガラクトシル基またはマンノシル基が結合しているガラクトシル−分岐CD,マンノシル−分岐CDの開発、およびCDのグルコシル基の6位水酸基にガラクトシル基またはマンノシル基が結合しているガラクトシル−CD,マンノシル−CDの開発に成功している。
【0006】
そこで、本発明者らはCDの有する包接作用とガラクトースのこの特質を利用して、ドラッグ・デリバリー・システムに応用することを目的として、CD環のグルコシル基の2級水酸基、すなわち2位または3位水酸基に直接ガラクトシル基を転移結合させたガラクトシル−CDの合成を試みた。その結果、市販のα−ガラクトシル基転移酵素がα−ガラクトシル糖化合物からα−,β−およびγ−CDのグルコシル基の2級水酸基にα結合でガラクトシル基を転移結合させたガラクトシル−CDを合成することを見出した。特に、このうち未熟コーヒー豆由来のα−ガラクトシル基転移酵素は、α−,β−およびγ−CDのグルコシル基の2級水酸基にα結合でガラクトシル基を転移結合させたガラクトシル−CDを効率よく合成することを見出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明はCDのグルコシル基の2位または3位水酸基にα結合でガラクトシル基が結合している新規ガラクトシル−CDを提供するものである。
【0008】
本発明に係る新規分岐CDは、図1に示す構造式I〜III で表すことができる。
【0009】
本発明の新規な分岐CDは、CDとα−ガラクトシル糖化合物を含有する溶液に、α−ガラクトシル基転移酵素を作用させることによって得られる。
本発明において、CDとしてはα−CD,β−CDおよびγ−CDおよびこれらの分岐CDのいずれでもよく、またこれらの混合物であってもよい。
【0010】
本発明に用いるα−ガラクトシル糖化合物(以下、糖供与体と記す。)としては、例えばメリビオース,ラフィノース,フェニル−α−ガラクトシド,パラニトロフェニル−α−ガラクトシド,α−ガラクトオリゴ糖などのα−ガラクトシル基を含む配糖体やオリゴ糖あるいは多糖やその部分分解物およびそれらの混合物なども用いることができる。
【0011】
本発明に用いるα−ガラクトシル基転移酵素としては、α−ガラクトシル糖化合物とCDを含有する溶液に作用させたとき、糖供与体を分解し、そのα−ガラクトシル基をCDのグルコシル基の2級水酸基にα結合で転移させ、α−ガラクトシル−CDを合成するものであれば、いずれも使用可能である。
【0012】
本発明に用いるα−ガラクトシル基転移酵素は、自然界に広く分布しているものである。例えば、未熟コーヒー豆のような植物由来の酵素、アスペルギルス・ニガー,エスヘリチヤ・コリ,モルティエレラ・ヴィナセなどの微生物由来の酵素がよく知られている。
【0013】
本発明の反応系において、CDと糖供与体を含む溶液(水溶液または懸濁液)は、CDの濃度が約1〜50%(W/W)、糖供与体の濃度が約1〜90%(W/W)であることが望ましく、かつCDに対する糖供与体の比率(重量)は、使用する糖供与体の種類によって異なるが、0.1〜50倍の範囲、好ましくは0.3〜2倍の範囲とするのが適当である。また、水と親水性有機溶媒、例えばジメチルスルホキサイド,メタノール,アセトン等との混合液も使用可能である。
【0014】
反応液のpHは3〜10、好ましくは4〜9、温度は20〜70℃、好ましくは30〜60℃に調整して反応させることが適当である。使用酵素量は反応時間と密接な関係があるので、通常は反応が5〜100時間、好ましくは5〜20時間で終了するような酵素量とすればよいが、これらに限定されるものではない。
【0015】
以上のような方法で反応させて得られた液を、高速液体クロマトグラフィーにかけて、CDへの転移生成物を分画・分取した後、酵素分解法,FAB−MSによる分子量測定および核磁気共鳴法(NMR)により構造解析を行った結果、図1に示す構造式I〜III で表される分岐CDであることを確認した。
【0016】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(1)転移反応
メリビオース1g,α−CD0.5gを0.4mlのジメチルスルホキサイドを含む50mM酢酸緩衝液(pH6.5)4.0mlに溶解させた後、未熟コーヒー豆のα−ガラクトシル基転移酵素(シグマ社製)を16単位加え、40℃にて48時間反応させた。反応液の一部を高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果を図2に示す。
【0017】
反応終了後、酵素を熱失活させた溶液をアミノ系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにかけて転移生成物Aを分取した。単離した転移生成物AをODS系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、2つのピークに分離し(図3)、それぞれを単離した結果、転移生成物A1が137mg、転移生成物A2が8mg得られた。
【0018】
(2)構造解析
上記(1)で単離された転移生成物A1は、FAB−MS分析および13C−NMR解析により、本発明者が先に見出したα−CDのCD環内のグルコシル基の6位水酸基に1分子のガラクトシル基がα結合した構造であることが分かった(特開平6−16705号公報)。また、転移生成物A2は、FAB−MS分析により、分子量は1135であることが分かった(図4)。
【0019】
また、図5に示すように、未熟コーヒー豆のα−ガラクトシダーゼにより、完全に等モルのガラクトースとα−CDに分解された。これらのことより、転移生成物A2はα−CDに1分子のガラクトシル基がα結合したものであることが分かった。さらに、転移生成物A2は、ODS系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーの分析より、転移生成物A1とはリテンションタイムが異なることから、α−CDのCD環内のグルコシル基の2位または3位水酸基に1分子のガラクトシル基がα結合した構造であることが分かった。
【0020】
実施例2
(1)転移反応
メリビオース1g,β−CD0.4gを0.4mlのジメチルスルホキサイドを含む50mM酢酸緩衝液(pH6.5)4.0mlに溶解させた後、未熟コーヒー豆のα−ガラクトシル基転移酵素(シグマ社製)を16単位加え、40℃にて48時間反応させた。反応液の一部を高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果を図6に示す。
【0021】
反応終了後、酵素を熱失活させた溶液をアミノ系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにかけて転移生成物Bを分取した。単離した転移生成物BをODS系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、2つのピークに分離し(図7)、それぞれを単離した結果、転移生成物B1が105mg、転移生成物B2が6mg得られた。
【0022】
(2)構造解析
上記(1)で単離された転移生成物B1は、FAB−MS分析および13C−NMR解析により、本発明者が先に見出したβ−CDのCD環内のグルコシル基の6位水酸基に1分子のガラクトシル基がα結合した構造であることが分かった(特開平6−16705号公報)。また、転移生成物B2は、FAB−MS分析により、分子量は1297であることが分かった。
【0023】
また、図8に示すように、未熟コーヒー豆のα−ガラクトシダーゼにより、完全に等モルのガラクトースとβ−CDに分解された。これらのことより、転移生成物B2はβ−CDに1分子のガラクトシル基がα結合したものであることが分かった。さらに、転移生成物B2は、ODS系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーの分析より、転移生成物B1とはリテンションタイムが異なることから、β−CDのCD環内のグルコシル基の2位または3位水酸基に1分子のガラクトシル基がα結合した構造であることが分かった。
【0024】
実施例3
(1)転移反応
メリビオース1g,γ−CD0.5gを0.4mlのジメチルスルホキサイドを含む50mM酢酸緩衝液(pH6.5)4.0mlに溶解させた後、未熟コーヒー豆由来のα−ガラクトシル基転移酵素(シグマ社製)を16単位加え、40℃にて48時間反応させた。反応液の一部を高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果を図9に示す。
【0025】
反応終了後、酵素を熱失活させた溶液をアミノ系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにかけて転移生成物Cを分取した。単離した転移生成物CをODS系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、2つのピークを分離し(図10)、それぞれを単離した結果、転移生成物C1が146mg、転移生成物C2が9mg得られた。
【0026】
(2)構造解析
上記(1)で単離された転移生成物C1は、FAB−MS分析および13C−NMR解析により、本発明者が先に見出したγ−CDのCD環内のグルコシル基の6位水酸基に1分子のガラクトシル基がα結合した構造であることが分かった(特開平6−16705号公報)。また、転移生成物C2は、FAB−MS分析により、分子量は1459であることが分かった。
【0027】
また、図11に示すように、未熟コーヒー豆のα−ガラクトシダーゼにより、完全に等モルのガラクトースとγ−CDに分解された。これらのことより、転移生成物C2はγ−CDに1分子のガラクトシル基がα結合したものであることが分かった。さらに、転移生成物C2は、ODS系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーの分析より、転移生成物C1とはリテンションタイムが異なることから、γ−CDのCD環内のグルコシル基の2位または3位水酸基に1分子のガラクトシル基がα結合した構造であることが分かった。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、α−ガラクトシル基転移酵素の糖転移作用を利用して、CD分子中のグルコシル基の2級水酸基、すなわち2位または3位水酸基にα結合でガラクトシル基が結合している新規な分岐CDを効率よく得ることができる。本発明の新規な分岐CDは、医薬品分野のほか食品分野,化粧品分野等における幅広い利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる分岐CDの構造を示す。
【図2】実施例1の反応液の高速液体クロマトグラムである。
【図3】実施例1の転移生成物Aの高速液体クロマトグラムである。
【図4】実施例1の転移生成物A2のFAB−MS分析である。
【図5】実施例1の転移生成物A2の酵素分解液の高速液体クロマトグラムである。
【図6】実施例2の反応液の高速液体クロマトグラムである。
【図7】実施例2の転移生成物Bの高速液体クロマトグラムである。
【図8】実施例2の転移生成物B2の酵素分解液の高速液体クロマトグラムである。
【図9】実施例3の反応液の高速液体クロマトグラムである。
【図10】実施例3の転移生成物Cの高速液体クロマトグラムである。
【図11】実施例3の転移生成物C2の酵素分解液の高速液体クロマトグラムである。

Claims (1)

  1. シクロデキストリンのグルコシル基の2位または3位水酸基にα結合でガラクトシル基が結合している新規ガラクトシル−シクロデキストリン。
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