JP2950896B2 - D―α―フェニルグリシンの製造法 - Google Patents
D―α―フェニルグリシンの製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ラセミ体のフェニルグリシノニトリルから
微生物の作用によりD−α−フェニルグリシンを製造す
る方法に関するものである。
微生物の作用によりD−α−フェニルグリシンを製造す
る方法に関するものである。
D−α−フェニルグリシンは、ペニシリン系抗生物
質、或はセフェム系抗生物質など、医農薬品原料として
重要なものである。
質、或はセフェム系抗生物質など、医農薬品原料として
重要なものである。
D−α−フェニルグリシンの製造方法は、 (1) DL−5−置換ヒダントインをD体特異的ジヒド
ロピリミジナーゼによりN−カルバミル−D−アミノ酸
とし、次に脱カルバミル化する合成法〔S.Takahashi e
t.al.J.Ferment.Technol.,56 492(1978)、特開昭51−
157713号公報参照〕、 (2) DL−5−置換ヒダントインをD−ヒダントイナ
ーゼとN−カルバモイル−D−アミノ酸ヒドロラーゼを
含む微生物により1段でD−アミノ酸に変換する方法
〔特開昭54−89088号公報参照〕、 (3) DL−アミノ酸アミドをD体特異的アミダーゼに
より加水分解しD−アミノ酸に変換する方法〔特公昭63
−87998号公報参照〕などが公知である。
ロピリミジナーゼによりN−カルバミル−D−アミノ酸
とし、次に脱カルバミル化する合成法〔S.Takahashi e
t.al.J.Ferment.Technol.,56 492(1978)、特開昭51−
157713号公報参照〕、 (2) DL−5−置換ヒダントインをD−ヒダントイナ
ーゼとN−カルバモイル−D−アミノ酸ヒドロラーゼを
含む微生物により1段でD−アミノ酸に変換する方法
〔特開昭54−89088号公報参照〕、 (3) DL−アミノ酸アミドをD体特異的アミダーゼに
より加水分解しD−アミノ酸に変換する方法〔特公昭63
−87998号公報参照〕などが公知である。
しかし、DLアミノ酸アミドの加水分解法では、L体ア
ミノ酸アミドが未反応分として残り、これを分離、回収
後ラセミ化し再使用する工程がさらに必要となる。ま
た、ヒダントイン誘導体を原料とする方法では、原料の
ラセミ化を伴う反応となり経済的であるが、脂肪族ヒダ
ントインに対しては、一般的に芳香族ヒダントインと比
べてラセミ化しにくいという欠点があり対象とするヒダ
ントイン化合物が限定される。
ミノ酸アミドが未反応分として残り、これを分離、回収
後ラセミ化し再使用する工程がさらに必要となる。ま
た、ヒダントイン誘導体を原料とする方法では、原料の
ラセミ化を伴う反応となり経済的であるが、脂肪族ヒダ
ントインに対しては、一般的に芳香族ヒダントインと比
べてラセミ化しにくいという欠点があり対象とするヒダ
ントイン化合物が限定される。
一方、アミノニトリルから特異的に、アミノ酸を生産
する方法としては、 (1) ブレビバクテリウム属による相当するアミノニ
トリルからのL−メチオニン、L−アラニン、L−フェ
ニルアラニンなどの生産〔J.C.Jallageas.,et.al,Advan
ces in Biochemical Engineering 14 1参照〕、 (2) アシネトバクター属によるDL−α−アミノプロ
ピオニトリルからのL−アラニンの生産〔Anne M.,et.a
l,Biotechnology Letters 7 865(1985)参照〕、 (3) ノカルディア属、ミコバクテリウム属、コリネ
バクテリウム属による相当するDLアミノニトリルからの
L−バリン、L−ロイシンの生産方法〔特開平1−3173
93号公報参照〕などがある。
する方法としては、 (1) ブレビバクテリウム属による相当するアミノニ
トリルからのL−メチオニン、L−アラニン、L−フェ
ニルアラニンなどの生産〔J.C.Jallageas.,et.al,Advan
ces in Biochemical Engineering 14 1参照〕、 (2) アシネトバクター属によるDL−α−アミノプロ
ピオニトリルからのL−アラニンの生産〔Anne M.,et.a
l,Biotechnology Letters 7 865(1985)参照〕、 (3) ノカルディア属、ミコバクテリウム属、コリネ
バクテリウム属による相当するDLアミノニトリルからの
L−バリン、L−ロイシンの生産方法〔特開平1−3173
93号公報参照〕などがある。
しかし、これらの方法は、すべてアミノニトリルより
L−アミノ酸を製造する方法に関するものでありアミノ
ニトリルから直接D−アミノ酸を生産するものではな
い。またDL−α−フェニルグリシノニトリルからD−α
−フェニルグリシンを微生物作用により生産したという
知見はない。
L−アミノ酸を製造する方法に関するものでありアミノ
ニトリルから直接D−アミノ酸を生産するものではな
い。またDL−α−フェニルグリシノニトリルからD−α
−フェニルグリシンを微生物作用により生産したという
知見はない。
本発明者らは、D−α−フェニルグリシンの工業的に
有利な製造方法を開発すべく化学合成で安価に得られる
DL−α−フェニルグリシノニトリルをD−α−フェニル
グリシンに特異的に変換する新規な技術について鋭意研
究を行った結果、DL−α−フェニルグリシノニトリルに
対し光学特異的なニトリル加水分解活性を有する微生物
の作用により、DL−α−フェニルグリシノニトリルをD
−α−フェニルグリシンに特異的に変換し得ること、さ
らにこの微生物によるD特異的な加水分解反応とアンモ
ニアの存在下で中性ないし塩基性の水性媒体中で起こる
フェニルグリシノニトリルのラセミ化反応と共役的な反
応により実質的にDL−α−フェニルグリシノニトリルの
全てをD−α−フェニルグリシンに変換できることを見
出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
有利な製造方法を開発すべく化学合成で安価に得られる
DL−α−フェニルグリシノニトリルをD−α−フェニル
グリシンに特異的に変換する新規な技術について鋭意研
究を行った結果、DL−α−フェニルグリシノニトリルに
対し光学特異的なニトリル加水分解活性を有する微生物
の作用により、DL−α−フェニルグリシノニトリルをD
−α−フェニルグリシンに特異的に変換し得ること、さ
らにこの微生物によるD特異的な加水分解反応とアンモ
ニアの存在下で中性ないし塩基性の水性媒体中で起こる
フェニルグリシノニトリルのラセミ化反応と共役的な反
応により実質的にDL−α−フェニルグリシノニトリルの
全てをD−α−フェニルグリシンに変換できることを見
出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、DL−α−フェニルグリシノニト
リルに対し光学特異的なニトリル加水分解活性を有する
微生物の作用により、水性媒体中で該ニトリルをD−α
−フェニルグリシンに変換せしめること、あるいはさら
にこの加水分解反応をアンモニアの存在下、中性ないし
は塩基性条件下で行うことを特徴とするD−α−フェニ
ルグリシンの製造法である。
リルに対し光学特異的なニトリル加水分解活性を有する
微生物の作用により、水性媒体中で該ニトリルをD−α
−フェニルグリシンに変換せしめること、あるいはさら
にこの加水分解反応をアンモニアの存在下、中性ないし
は塩基性条件下で行うことを特徴とするD−α−フェニ
ルグリシンの製造法である。
本発明によれば、基質アミノニトリルの化学的なラセ
ミ化とD特異的なニトリル加水分解とにより、DL−α−
フェニルグリシノニトリルから理論的に100%の収率で
目的物を得ることができ経済的に有利である。
ミ化とD特異的なニトリル加水分解とにより、DL−α−
フェニルグリシノニトリルから理論的に100%の収率で
目的物を得ることができ経済的に有利である。
本発明において、使用される微生物は、アシネトバク
ター(Acinetobacter)属、カセオバクター(Caseobact
er)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属またはシュ
ードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物、または
これらより誘導された変異株であり、具体的には本発明
者らが土壌中より新たに分離したカセオバクターsp.BC4
(微工研条寄第3316号)、カセオバクターsp.BC23(微
工研菌寄第11261号)、シュードモナスsp.BC13−2(微
工研条寄第3319号)、シュードモナスsp.BC15−2(微
工研条寄第3320号)、アルカリゲネスsp.BC16−2(微
工研条寄第3321号)、アシネトバクターsp.BC9−2(微
工研条寄第3317号)の菌株を挙げることができる。これ
らの微生物は、いずれも工業技術院微生物工業技術研究
所(微工研)に上記番号にて寄託されており、それぞれ
の菌学的性質は以下に示すとおりである。
ター(Acinetobacter)属、カセオバクター(Caseobact
er)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属またはシュ
ードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物、または
これらより誘導された変異株であり、具体的には本発明
者らが土壌中より新たに分離したカセオバクターsp.BC4
(微工研条寄第3316号)、カセオバクターsp.BC23(微
工研菌寄第11261号)、シュードモナスsp.BC13−2(微
工研条寄第3319号)、シュードモナスsp.BC15−2(微
工研条寄第3320号)、アルカリゲネスsp.BC16−2(微
工研条寄第3321号)、アシネトバクターsp.BC9−2(微
工研条寄第3317号)の菌株を挙げることができる。これ
らの微生物は、いずれも工業技術院微生物工業技術研究
所(微工研)に上記番号にて寄託されており、それぞれ
の菌学的性質は以下に示すとおりである。
以上の菌学的性質をバージーズ マニュアル オブ
システマチック バクテリオロジー(Bergey's Manual
of Systematic Bacteriology)(1986)に従って分類す
るとBC4およびBC23株はカセオバクター属、BC13−2お
よびBC15−2株はシュードモナス属、BC16−2株はアル
カリゲネス属およびBC9−2株はアシネトバクター属に
属する細菌とそれぞれ同定された。
システマチック バクテリオロジー(Bergey's Manual
of Systematic Bacteriology)(1986)に従って分類す
るとBC4およびBC23株はカセオバクター属、BC13−2お
よびBC15−2株はシュードモナス属、BC16−2株はアル
カリゲネス属およびBC9−2株はアシネトバクター属に
属する細菌とそれぞれ同定された。
次に本発明の実施態様について説明する。
本発明に使用される微生物の培養には、通常資化しう
る炭素源、窒素源および微生物の生育に必要な無機栄養
素を含有する培地が用いられる。例えば、炭素源として
はグルコース、グリセロール、シュークロース、糖蜜
等、窒素源としては酵母エキス、硫酸アンモニウム、塩
化アンモニウム等、無機栄養源としては硫酸ナトリウ
ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マンガ
ン、塩化第2鉄、硫酸亜鉛等である。また、培養の初期
または中期に生育を大きく阻害しない濃度のニトリル類
(ケイ皮酸ニトリル、ベンジルシアニド、ベンゾニトリ
ル、2−シアノピリジン、プロピオニトリル、イソブチ
ロニトリル等)、アミド類(フェニルアセトアミド、4
−ピリジンカルボン酸アミド、イソブチルアミド)、ラ
クタム類(ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム
等)を添加すると、より高い酵素活性が得られるので好
ましい。
る炭素源、窒素源および微生物の生育に必要な無機栄養
素を含有する培地が用いられる。例えば、炭素源として
はグルコース、グリセロール、シュークロース、糖蜜
等、窒素源としては酵母エキス、硫酸アンモニウム、塩
化アンモニウム等、無機栄養源としては硫酸ナトリウ
ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マンガ
ン、塩化第2鉄、硫酸亜鉛等である。また、培養の初期
または中期に生育を大きく阻害しない濃度のニトリル類
(ケイ皮酸ニトリル、ベンジルシアニド、ベンゾニトリ
ル、2−シアノピリジン、プロピオニトリル、イソブチ
ロニトリル等)、アミド類(フェニルアセトアミド、4
−ピリジンカルボン酸アミド、イソブチルアミド)、ラ
クタム類(ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム
等)を添加すると、より高い酵素活性が得られるので好
ましい。
培養は、好気的条件下でpH4〜10、温度20〜50℃、24
〜96時間で、それぞれの微生物に適した範囲に制御しつ
つ行えばよい。
〜96時間で、それぞれの微生物に適した範囲に制御しつ
つ行えばよい。
加水分解反応は、上記により微生物を培養し、その培
養液、培養液から分離した菌体、菌体処理物(菌体破砕
物、抽出酵素)または常法により固定化した菌体あるい
は酵素をDL−α−フェニルグリシノニトリルと混合すれ
ばよい。この際、反応系にアンモニアを共存させ、且つ
該系を中性ないし塩基性、pH値で7〜11に調整すること
により、DL−α−フェニルグリシノニトリルから理論的
に100%の収率で目的物を得ることができる。さらにア
ンモニアを加えてシアンイオンを存在させることにより
より一層の収率向上が期待できる。
養液、培養液から分離した菌体、菌体処理物(菌体破砕
物、抽出酵素)または常法により固定化した菌体あるい
は酵素をDL−α−フェニルグリシノニトリルと混合すれ
ばよい。この際、反応系にアンモニアを共存させ、且つ
該系を中性ないし塩基性、pH値で7〜11に調整すること
により、DL−α−フェニルグリシノニトリルから理論的
に100%の収率で目的物を得ることができる。さらにア
ンモニアを加えてシアンイオンを存在させることにより
より一層の収率向上が期待できる。
アンモニアの添加量は、原料ニトリル1モルに対しア
ンモニア1〜500モル、好ましくは10〜100モルで、アン
モニア源としては、通常用いられるアンモニア水、アン
モニウム塩であれば何れでもよく、アンモニア水−塩化
アンモニウムをはじめとするアンモニア系緩衝液とすれ
ば効果的である。また、シアンイオン源としてはシアン
化カリウム、シアン化ナトリウム等のシアン化合物が使
用できるが、その添加量は、原料ニトリル1モルに対し
0.1〜100モル、好ましくは1〜50モルである。
ンモニア1〜500モル、好ましくは10〜100モルで、アン
モニア源としては、通常用いられるアンモニア水、アン
モニウム塩であれば何れでもよく、アンモニア水−塩化
アンモニウムをはじめとするアンモニア系緩衝液とすれ
ば効果的である。また、シアンイオン源としてはシアン
化カリウム、シアン化ナトリウム等のシアン化合物が使
用できるが、その添加量は、原料ニトリル1モルに対し
0.1〜100モル、好ましくは1〜50モルである。
反応液中のDL−α−フェニルグリシノニトリルは、通
常0.01〜5.0重量%、DL−α−フェニルグリシノニトリ
ルに対する微生物の使用量は、乾燥菌体量として0.01〜
5.0重量%、反応温度は氷点〜60℃、好ましくは、10〜5
0℃で、0.5〜72時間反応させればよい。
常0.01〜5.0重量%、DL−α−フェニルグリシノニトリ
ルに対する微生物の使用量は、乾燥菌体量として0.01〜
5.0重量%、反応温度は氷点〜60℃、好ましくは、10〜5
0℃で、0.5〜72時間反応させればよい。
また、原料のDL−α−フェニルグリシノニトリル、ア
ンモニアおよびシアン化合物は、反応開始時に一括添加
または反応開始後逐次あるいは連続添加する等の何れの
方法を採用してもよい。
ンモニアおよびシアン化合物は、反応開始時に一括添加
または反応開始後逐次あるいは連続添加する等の何れの
方法を採用してもよい。
D−α−フェニルグリシンを含む反応液からのD−α
−フェニルグリシンの単離は、遠心分離等により菌体を
除去後、濃縮、イオン交換、抽出、晶析など公知の方法
を利用することにより目的物であるD−α−フェニルグ
リシンを取得することができる。
−フェニルグリシンの単離は、遠心分離等により菌体を
除去後、濃縮、イオン交換、抽出、晶析など公知の方法
を利用することにより目的物であるD−α−フェニルグ
リシンを取得することができる。
本発明によれば、DL−α−フェニルグリシノニトリル
をD特異的に加水分解することができ、さらにこの微生
物によるD特異的な加水分解反応とアンモニアの存在下
で中性付近ないし塩基性の水性媒体中で起こるフェニル
グリシノニトリルのラセミ化反応との共役的な反応によ
り実質的にDL−α−フェニルグリシノニトリルの全てを
D−α−フェニルグルシンに変換できる。
をD特異的に加水分解することができ、さらにこの微生
物によるD特異的な加水分解反応とアンモニアの存在下
で中性付近ないし塩基性の水性媒体中で起こるフェニル
グリシノニトリルのラセミ化反応との共役的な反応によ
り実質的にDL−α−フェニルグリシノニトリルの全てを
D−α−フェニルグルシンに変換できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するがこれ
ら実施例は本発明を限定するものではない。
ら実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1 (1) 培養 表1に示す各微生物を下記の培地に接種し培養した。
培地組成 グリセロール 30 g/ ベンジルシアニド 0.2 g/ 酵母エキス 3 g/ K2HPO4 3 g/ Na2SO4 0.3 g/ MgCl2 0.2 g/ CaCl2 40 mg/ MnSO2・4H2O 4 mg/ FeCl3・7H2O 0.7mg/ ZnSO4 0.1mg/ pH 7.2 培養 上記培地100mlを含む500ml容三角フラスコで30℃、2
日間振とう培養を行った。
日間振とう培養を行った。
(3) 加水分解反応 得られた培養液から菌体を遠心分離にて回収し20mMり
ん酸緩衝液(pH 7.5)で洗浄し、沈澱した菌体を同りん
酸緩衝液10mlに再懸濁した。終濃度を10mMDL−α−フェ
ニルグリシノニトリルとする50mMりん酸緩衝液(pH 7.
5)に上記菌体懸濁液1mlを添加して全体で2mlとし15℃
で9時間反応させた。反応終了後、反応液を遠心分離し
て菌体を除去した後、上清液をダイセル化学工業社製CH
IR−ALPAK CR(+)を充填剤とするカラムを用いて高速
液体クロマトグラフィーで分析し、反応液中のD−α−
フェニルグリシン量を測定した。
ん酸緩衝液(pH 7.5)で洗浄し、沈澱した菌体を同りん
酸緩衝液10mlに再懸濁した。終濃度を10mMDL−α−フェ
ニルグリシノニトリルとする50mMりん酸緩衝液(pH 7.
5)に上記菌体懸濁液1mlを添加して全体で2mlとし15℃
で9時間反応させた。反応終了後、反応液を遠心分離し
て菌体を除去した後、上清液をダイセル化学工業社製CH
IR−ALPAK CR(+)を充填剤とするカラムを用いて高速
液体クロマトグラフィーで分析し、反応液中のD−α−
フェニルグリシン量を測定した。
結果を表1に示した。
実施例2 実施例1と同様に各属の微生物を培養後、遠心分離に
て集菌、洗浄し20mMりん酸緩衝液に懸濁した。次に、上
記菌体1mlを含むDL−α−フェニルグリシノニトリル10m
M、アンモニア水0.4M、シアン化カリウム02Mとする。2m
lの反応液を調製した。この溶液を35℃で4時間反応さ
せた。反応終了後、反応液を遠心分離して菌体を除去
し、上清液を実施例1と同様に高速液体クロマトグラフ
ィーにて分析した。
て集菌、洗浄し20mMりん酸緩衝液に懸濁した。次に、上
記菌体1mlを含むDL−α−フェニルグリシノニトリル10m
M、アンモニア水0.4M、シアン化カリウム02Mとする。2m
lの反応液を調製した。この溶液を35℃で4時間反応さ
せた。反応終了後、反応液を遠心分離して菌体を除去
し、上清液を実施例1と同様に高速液体クロマトグラフ
ィーにて分析した。
結果を表2に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:05) (C12P 13/04 C12R 1:01) (C12P 13/04 C12R 1:05) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 41/00 C12P 13/04 CA(STN) REGISTRY(STN) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)
Claims (2)
- 【請求項1】DL−α−フェニルグリシノニトリルに対し
光学特異的なニトリル加水分解活性を有するアシネトバ
クター(Acinetobacter)属、カセオバクター(Caseoba
cter)属またはアルカリゲネス(Alcaligenes)属に属
する微生物の作用により、水性媒体中で該ニトリルをD
−α−フェニルグリシンに変換せしめることを特徴とす
るD−α−フェニルグリシンの製造法。 - 【請求項2】加水分解反応をアンモニアの存在下、中性
ないし塩基性条件下で行うことを特徴とする請求項1記
載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8069590A JP2950896B2 (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | D―α―フェニルグリシンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8069590A JP2950896B2 (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | D―α―フェニルグリシンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03280895A JPH03280895A (ja) | 1991-12-11 |
JP2950896B2 true JP2950896B2 (ja) | 1999-09-20 |
Family
ID=13725466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8069590A Expired - Lifetime JP2950896B2 (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | D―α―フェニルグリシンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2950896B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100489326B1 (ko) * | 1999-12-27 | 2005-05-16 | 아사히 가세이 가부시키가이샤 | 글리신의 제조 방법 |
JP4560164B2 (ja) * | 2000-02-03 | 2010-10-13 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | グリシンの微生物学的製造法 |
JP4497638B2 (ja) * | 2000-03-24 | 2010-07-07 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | アンモニアの反応分離を利用したグリシンの微生物学的製造方法 |
JP4596593B2 (ja) * | 2000-03-29 | 2010-12-08 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | グリシンの着色を防止した微生物学的製造方法 |
JP4544685B2 (ja) * | 2000-03-29 | 2010-09-15 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | グリシンの着色を防止した微生物学的製造法 |
JP4647059B2 (ja) * | 2000-04-24 | 2011-03-09 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | グリシンの着色を防止した微生物学的な製造方法 |
JP4544695B2 (ja) * | 2000-04-28 | 2010-09-15 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | グリシンの微生物学的な製造法 |
JP2001340096A (ja) * | 2000-06-01 | 2001-12-11 | Asahi Kasei Corp | グリシンの微生物学的な製造方法 |
JP4497659B2 (ja) * | 2000-06-01 | 2010-07-07 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | グリシンを微生物学的に製造する方法 |
AU2003281546A1 (en) * | 2002-07-23 | 2004-02-09 | Nippon Soda Co., Ltd | Process for the production of methionine |
CN104725273B (zh) * | 2015-04-16 | 2017-03-01 | 重庆紫光化工股份有限公司 | 一种苯胺基乙腈新晶型及其制备方法 |
-
1990
- 1990-03-30 JP JP8069590A patent/JP2950896B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH03280895A (ja) | 1991-12-11 |
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