JP3753465B2 - 微生物によるアミノ酸の製造法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は微生物の作用により、アンモニアおよびアンモニウム塩等の存在下、アルデヒドシアンヒドリンから直接的にアミノ酸を製造する方法に関する。本発明によって製造される天然型または非天然型のアミノ酸、特にその光学活性体は食品や医農薬原料として重要な化合物が多い。
【0002】
【従来の技術とその課題】
光学活性アミノ酸は発酵法、酵素法、有機合成法、天然物からの抽出、またはそれらの技術の組み合わせによる様々な手法により工業生産されている。酵素法に関し、微生物のニトリルの加水分解活性を利用した光学活性なアミノ酸を製造する方法としては、アミノニトリルまたはその誘導体を出発物質に用いる方法〔Anne M. et.al, Biotechnology Letters, 7, 865-870 (1985)、Tek C. B. et. al, Applied Microbiology and Biotechnology, 37, 184-190 (1992)、特開平1-317392号、同 1-317393 号、同 1-317394 号、同 3-117493 号および同 2-31694号各公報参照〕が提案されている。
【0003】
しかし、原料となるアミノニトリルは、一般に中性以上のpHでは極めて不安定であり、収率の低下を引き起こすと共に、蒸留や水溶液からの抽出、分離が困難であるという問題がある。また、アミノニトリルは部分的に水溶液中でラセミ化する性質があると考えられるものの〔Anne M. et.al, Biotechnology Letters, 7, 865-870 (1985)〕、その速度は遅い。一方、アミノニトリルのラセミ化作用を有するアミノニトリルラセマーゼを光学特異的ニトリル加水分解活性を有する微生物と組み合わせることにより、光学活性アミノ酸の収率向上を図る手法も開発されている〔特表昭63-500004 号および特表平3-500484号各公報参照〕が、未だ大幅な収率向上は認められていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような状況に鑑み、本発明者らは微生物のニトリル加水分解活性を利用して、原料シアンヒドリンをアミノ酸に変換する方法、特に原料シアンヒドリンを一方の光学活性なアミノ酸に変換する方法を開発すべく鋭意研究を行った結果、この変換反応が、全く意外にも、水性媒体中、アンモニアおよび/またはアンモニウム塩の存在下に、該微生物をシアンヒドリンに作用させることにより極めて効率よく行えることを見い出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、水性媒体中、アンモニアおよび/またはアンモニウム塩の存在下に、一般式(1)で示されるシアンヒドリンに該シアンヒドリンのシアノ基を加水分解する能力を有するアシネトバクター (Acinetobacter) 属、アルカリゲネス (Alcaligenes) 属、オーレオバクテリウム (Aureobacterium) 属、バクテリジウム (Bacteridium) 属、ブレビバクテリウム (Brevibacterium) 属、カセオバクター (Caseobacter) 属、ゴルドナ (Gordona) 属、ノカルディア (Nocardia) 属、シュードモナス (Pseudomonas) 属またはロドコッカス (Rhodococcus) 属に属する微生物または該処理物を作用させることにより、該シアンヒドリンを一般式(2)で示されるアミノ酸に変換せしめるアミノ酸の製造法、である。
【0006】
R1 (CH2 )n−CH(OH)CN (1)
R1 (CH2 )n−CH(NH2 )COOH (2)
【0007】
式中、R1 は置換または無置換のアルキル基、フェニル基、ピリジル基、フリル基またはチエニル基、および nは0〜4の整数を表す。
【0008】
また、本発明は、一般式(1)で示されるシアンヒドリンに代えてこれを構成するアルデヒドと青酸を使用しても、これらと該シアンヒドリンとの間で速やかに解離平衡が形成され、同様に目的が達成される。
【0009】
上記したところを要旨とする本発明の反応機構は明らかではないが、アルデヒドとアンモニアまたはアンモニウムイオンが水性媒体中でシッフ塩基を形成し、このシッフ塩基の炭素原子に青酸が可逆的に求核反応してアミノニトリルを若干量生成せしめ、これがニトリルの加水分解活性酵素の基質になるものと考えられる。この条件下で形成されるアミノニトリルはシッフ塩基との間で解離平衡状態にあるものと推測され、未反応のアミノニトリルはこの系により繰り返しラセミ化し、最終的には全てのシッフ塩基が光学活性アミノ酸に変換されるものと推察される。
【0010】
それ故、本発明においては、原料のシアンヒドリンまたはこれを構成するアルデヒドと青酸を原理的に全量R体またはS体いずれか一方のアミノ酸に変換することが可能である。
【0011】
一般式(1)〜(2)におけるR1 で表される各種の基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、塩素、臭素等のハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、チオール基などが挙げられる。
【0012】
本発明で得られる一般式(2)で示されるアミノ酸の代表例としては、RまたはS体のフェニルグリシン、p−ヒドロキシフェニルグリシン、o−クロルフェニルグリシン、m−クロルフェニルグリシン、p−クロルフェニルグリシン、2−ピリジルグリシン、3−ピリジルグリシン、4−ピリジルグリシン、2−フリルグリシン、3−フリルグリシン、2−チエニルグリシン、3−チエニルグリシン、β−フェニルアラニン、チロシン、アラニン、セリン、バリン、ロイシン、メチオニン、α−アミノ−n−酪酸、α−アミノ−β−フェニル酪酸、α−アミノ−γ−フェニル酪酸、α−アミノ−n−バレリアン酸、α−アミノ−i−バレリアン酸およびα−アミノヘキサン酸などを挙げることができる。
【0013】
アンモニウム塩としては、反応を阻害しない化合物であれば無機・有機塩いずれでもよく、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、硼酸アンモニウム、酢酸アンモニウムなどを挙げることができ、アンモニアはアンモニアガスまたはアンモニア水として使用できる。また、これらアンモニアおよびアンモニウム塩は2種以上併用してもよい。
【0014】
水性媒体は水または緩衝液、例えば、燐酸緩衝液、硼酸緩衝液、炭酸緩衝液であり、基質の溶解性向上等、必要により、メタノール、エタノールなどの水可溶性有機溶媒やトルエン、酢酸エチル、n−ヘキサン、t−ブタノール、1−ヘプタノール、2−オクタノール、メチルシクロヘキサノール、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロルエタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ベンゼン、エトキシベンゼン、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ジメチルフタレートなどの水不溶性有機溶媒を、目的とする生成物の種類に応じ適宜併用することができる。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、あるいは2種以上混合して使用することができる。
特に、水不溶性有機溶媒の併用は、α−ヒドロキシ酸の生成を完全に阻止しながら高い光学純度のアミノ酸を再現性よく製造することができるので好ましい。
【0015】
本発明で使用される微生物は、一般式(1)で示されるシアンヒドリンのシアノ基に対し加水分解活性をもつものであれば特に制限されず、例えば、アシネトバクター (Acinetobacter)属、アルカリゲネス (Alcaligenes)属、オーレオバクテリウム (Aureobacterium) 属、バクテリジウム (Bacteridium)属、ブレビバクテリウム (Brevibacterium) 属、カセオバクター (Caseobacter)属、ゴルドナ (Gordona)属、ノカルディア (Nocardia) 属、シュードモナス (Pseudomonas)属およびロドコッカス (Rhodococcus)属に属する微生物を挙げることができる。
【0016】
具体的には、アシネトバクター エスピー (Acinetobacter sp.) BC9-2 (FERM BP-3317) 、アルカリゲネス エスピー (Alcaligenes sp.) BC12-2 (FERM P-11263)、オーレオバクテリウム テスタセウム (Aureobacterium testaceum) IAM 1561、バクテリジウム エスピー (Bacteridium sp.) CBS 496、ブレビバクテリウム エスピー (Brevibacterium sp.) CBS 498 、カセオバクター エスピー (Caseobacter sp.) BC23 (FERM P-11261)、ゴルドナ テラエ (Gordona terrae) MA-1 (FERM BP-4535) 、ノカルディア アステロイデス (Nocardia asteroides) IFO 3384 、シュードモナス エスピー (Pseudomonas sp.) BC13-2 (FERM BP-3319)、ロドコッカス エスピー (Rhodococcus sp.) HT40-6 (FERM BP-5231)および同 SK92 (FERM BP-3324)などを挙げることができる。
【0017】
これらの微生物のうち、BC9-2 、BC12-2、BC23、MA-1、BC13-2、HT40-6およびSK92株は、本出願人により自然界から分離採取されたものであり、上記寄託番号にて工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されており、その菌学的性質は、特開平5-192189号公報、同 6-237789 号公報等に記載されている。
【0018】
また、その他の菌株も公知であり、FERM P-760 は工業技術院生命工学工業技術研究所から、IAM 12340 、IAM 1561、は東京大学分子細胞生物研究所から、CBS 496 、CBS 498 は Centraalbureau voor Schimmelcultures から、IFO 3384
は財団法人発酵研究所から容易に入手することができる。
【0019】
次に、本発明の実施態様について説明する。
本発明に使用される微生物の培養は、資化し得る炭素源(グリセロール、グルコース、サッカロース、ラクトース、フラクトースなど)、窒素源(肉エキス、酵母エキス、麦芽エキスなど)、および各微生物の生育に必須の無機塩(塩化マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、塩化鉄など)を含有した通常の培地を用いて行われる。培養の初期、または中期に生育を阻害しない濃度のニトリル類(o−アミノベンゾニトリル、1−シクロヘキセニルアセトニトリル、ケイ皮酸ニトリル、n−ブチロニトリルなど)、アミド類(ε−カプロラクタムなど)等の添加は、より高い酵素活性が得られるので好ましい。
【0020】
培養はpH4〜10、温度5〜50℃の範囲で、好気的条件下1〜7日間程度活性が最大となるまで行えばよい。
【0021】
加水分解および水和反応は、基質である一般式(1)で示されるシアンヒドリンまたは該シアンヒドリンを構成するアルデヒドと青酸の水溶液または緩衝液にアンモニア、アンモニウム塩等を溶解した後、上記に準じて培養した微生物の菌体または菌体処理物(乾燥菌体、菌体の破砕物、粗・精製酵素、固定化菌体・酵素など)を混合して行う。
【0022】
基質の濃度はシアンヒドリンの濃度として、通常0.05〜6.0重量%、好ましくは0.2〜2.0重量%の範囲である。
アンモニアおよびアンモニウムの濃度は、通常0.1Mから飽和濃度の範囲である。
反応液のpHは6〜12、好ましくは8〜11、特に好ましくは9〜11の範囲であり、通常、上記のpH範囲で使用可能な燐酸緩衝液、ほう酸緩衝液、炭酸緩衝液等を、その濃度10〜400mM、好ましくは20〜100mMの範囲で使用する。
【0023】
本発明における目的生成物の回収は、反応終了液から菌体などの不溶物を除去した後に、陽イオン、陰イオン交換樹脂で吸着回収する方法、濃縮後に等電点付近で冷却晶析する方法など公知の方法により行うことができる。
【0024】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1
(1)培養
ゴルドナ テラエ MA-1 菌株を、誘導剤として0.03重量%o−アミノベンゾニトリルを添加した下記の培地で、30℃、72時間好気的に培養した。培地から遠心分離により菌体を採取し、50mMリン酸緩衝液(pH8.2)で洗浄した後、少量の同じ緩衝液に再懸濁し濃菌体液を作成した。
【0025】
培地組成(pH7.5)
グリセロール 20g
酵母エキス 3g
燐酸一カリウム 6.8g
燐酸二ナトリウム 7.1g
硫酸ナトリウム 2.8g
塩化マグネシウム 0.4g
塩化カルシュウム 0.04g
硫酸マンガン 0.03g
塩化鉄 0.006g
硫酸亜鉛 0.003g
蒸留水 1000ml
【0026】
(2)加水分解反応
30mMのマンデルニトリルと1M硫酸アンモニウムを含む5mlの50mM燐酸緩衝液(pH7.0,8.0)および50mM硼酸緩衝液(pH8.0、9.0、9.5、10.0)に上記培養菌体をOD630 =2.0になるように懸濁し、30℃、24時間振盪しながら反応させた。
【0027】
(3)分析
反応終了後、反応液を遠心し菌体を除去した後、上清液中の生成物を液体クロマトグラフィー(カラム;Wakosil ODS 5C18、溶出液;0.1M燐酸、モニター波長;254nm)で定量した。
また、フェニルグリシンの光学純度は SUMICHIRAL OA-5000 (溶出液;1mM硫酸銅、モニター波長;254nm、カラム温度30℃)を用いて測定した。
結果を表−1に示す。
【0028】
【0029】
実施例2
30mMのマンデロニトリルと1Mの表−2に示すアンモニウム塩を含む5mlの50mM硼酸緩衝液(pH10.0)に、実施例1と同様に調整した菌体をOD630 =2.0となるように添加し、30℃、24時間振盪して反応させた。生成したフェニルグリシンの生成量を実施例1と同様にして定量した。
尚、比較のためアンモニウム塩を添加しない反応系と菌体を添加しない反応系(硫酸アンモニウム添加区)についても検討を行った。
結果を表−2に示す。
【0030】
【0031】
実施例3
実施例1と同様にして表−3に示す菌株を培養し菌体を得た。
次に、50mM硼酸緩衝液(pH10.0)に各菌体をOD630 =5〜10となるように懸濁し、実施例1と同様にして加水分解反応および上清液中の生成物の定量を行った。
結果を表−3に示す。
【0032】
【0033】
実施例4
20mMマンデロニトリルと1M硝酸アンモニウム塩を含む50mM硼酸緩衝液(pH10.0)15mlに、それぞれ5mlのトルエン、メチルシクロヘキサノール、クロロホルム、n−ヘキサン/トルエン=90/10、トルエン/メチルシクロヘキサノール=50/50を添加し、15分間攪拌後、実施例1と同様にして調製したゴルドナ テラエ MA-1 菌体をOD630 =5となるように添加し、30℃、24時間攪拌しながら反応させた。生成したフェニルグリシンおよびマンデル酸の量を実施例1と同様にして定量した。
結果を表−4に示す。
【0034】
【0035】
実施例5
10mMベンズアルデヒド、10mMシアン化カリウムおよび1M硝酸アンモニウム塩を含む50mM硼酸緩衝液(pH10.0)15mlに、5mlのトルエンを添加し、15分間攪拌した。これに実施例1と同様にして調製したゴルドナ テラエ MA-1 菌体をOD630 =5となるように添加し、30℃、24時間攪拌しながら反応させた。生成したフェニルグリシンおよびマンデル酸の量を実施例1と同様にして定量した。その結果、8.9mMのR−フェニルグリシン(94%ee)が生成し、マンデル酸の生成は認められなかった。
【0036】
実施例6
表−5に示す菌株を実施例1と同様に培養、集菌した。0.5M硫酸アンモニウムとそれぞれ20mMの3−ピリジンカルボキシアルデヒドシアンヒドリン、2−フルアルデヒドシアンヒドリンおよび2ーチオフェンカルボキシアルデヒドシアンヒドリンを含む5mlの硼酸緩衝液(pH10)に菌体をOD630 =10〜20で混合し、30℃、24時間振とうして反応させた。生成物の定量分析は、化学合成したラセミ体の3−ピリジルグリシン、2−フリルグリシンおよび2−チエニルグリシンを標準として、実施例1と同様の分析条件で高速液体クロマトグラフィーを用いて行った。結果を表−5に示す。
【0037】
【0038】
実施例7
実施例6と同じ菌株を用い、0.5M硫酸アンモニウムとそれぞれ20mMのプロピオンアルデヒドシアンヒドリン、ブチルアルデヒドシアンヒドリンおよびイソブチルアルデヒドシアンヒドリンを含む5mlの硼酸緩衝液(pH10)に菌体をOD630 =10〜20で混合し、30℃、24時間振とうして反応させた。生成物の定量分析は市販および化学合成したラセミ体のα−アミノ−n−酪酸、α−アミノ−n−バレリアン酸およびα−アミノ−i−バレリアン酸を標準として、高速液体クロマトグラフィー(カラム;Wakosil ODS 5C18, 溶出液;0.1M燐酸:アセトニトリル=95:5、モニター波長;208nm)で行った。結果を表−6に示す。
【0039】
【0040】
実施例8
ロドコッカス エスピー SK92 菌株を実施例1と同様に培養、集菌した。0.5M硫酸アンモニウムと10mMのα−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリルを含む5mlの硼酸緩衝液(pH10)に菌体をOD630 =15で混合し、30℃、24時間振とうして反応した。生成物の定量分析は化学合成したラセミ体のα−アミノ−γ−フェニル酪酸を標準として、高速液体クロマトグラフィー(カラム;Wakosil ODS 5C18, 溶出液;0.1M燐酸:アセトニトリル=80:20、モニター波長;254nm)で行った。
結果
α−アミノ−γ−フェニル酪酸生成量 8mM
【0041】
実施例9
実施例8と同じ菌株を用い、0.5M硫酸アンモニウムと20mMのプロピオンアルデヒドシアンヒドリンを含む5mlの硼酸緩衝液(pH10)に菌体をOD630 =15で混合し、、30℃、24時間、振とうして反応させた。生成物の定量分析は実施例7と同様に行い、光学純度の分析は市販のラセミ体およびS体のα−アミノ−n−酪酸を標準として光学分割カラム(MCI gel CRS-10W, 溶出液;2mMCuSO4 :アセトニトリル=95:5,モニター波長;208nm) 2 本を直列に接続した高速液体クロマトグラフィーにより行った。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、原料のシアンヒドリンまたはこれを構成するアルデヒドと青酸を原理的に全量、R体またはS体いずれか一方のアミノ酸に変換することが可能な、工業的要望を満足し得る新規な技術を提供するものである。
Claims (4)
- 水性媒体中、アンモニアおよび/またはアンモニウム塩の存在下に、一般式(1)で示されるシアンヒドリンに該シアンヒドリンのシアノ基を加水分解する能力を有するアシネトバクター (Acinetobacter) 属、アルカリゲネス (Alcaligenes) 属、オーレオバクテリウム (Aureobacterium) 属、バクテリジウム (Bacteridium) 属、ブレビバクテリウム (Brevibacterium) 属、カセオバクター (Caseobacter) 属、ゴルドナ (Gordona) 属、ノカルディア (Nocardia) 属、シュードモナス (Pseudomonas) 属またはロドコッカス (Rhodococcus) 属に属する微生物または該処理物を作用させることにより、該シアンヒドリンを一般式(2)で示されるアミノ酸に変換せしめるアミノ酸の製造法。
〔式中、R1 は置換または無置換のアルキル基、フェニル基、ピリジル基、フリル基またはチエニル基、および nは0〜4の整数を表す〕 - 一般式(1)で示されるシアンヒドリンに代えて該シアンヒドリンを構成するアルデヒドと青酸を用いる請求項1記載の製造法。
- 一般式(2)で示されるアミノ酸が光学活性を有する請求項1または2記載の製造法。
- 水性媒体が、これに水不溶性有機溶媒を加えた不均一混合媒体である請求項1から3いずれか1項に記載の製造法。
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