JP2700423B2 - グルコシル―サイクロデキストリン類の製造方法 - Google Patents
グルコシル―サイクロデキストリン類の製造方法Info
- Publication number
- JP2700423B2 JP2700423B2 JP30403190A JP30403190A JP2700423B2 JP 2700423 B2 JP2700423 B2 JP 2700423B2 JP 30403190 A JP30403190 A JP 30403190A JP 30403190 A JP30403190 A JP 30403190A JP 2700423 B2 JP2700423 B2 JP 2700423B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cyclodextrin
- cds
- glucose
- enzyme
- glucosyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はグルコシル−サイクロデキストリン類の製造
方法に関し、更に詳細には、グルコシル−α−サイクロ
デキストリン(以下「G1−α−CD」と略記する)、グル
コシル−β−サイクロデキストリン(以下「G1−β−C
D」と略記する)、グルコシル−γ−サイクロデキスト
リン(以下「G1−γ−CD」と略記する)等、あるいは、
グルコースがサイクロデキストリンに複数個分枝状に結
合した構造を有するジグルコシル−サイクロデキストリ
ン、トリグルコシル−サイクロデキストリン等のグルコ
シル−サイクロデキストリン類(以下「G1−CD類」と略
記する)の製造方法に関する。
方法に関し、更に詳細には、グルコシル−α−サイクロ
デキストリン(以下「G1−α−CD」と略記する)、グル
コシル−β−サイクロデキストリン(以下「G1−β−C
D」と略記する)、グルコシル−γ−サイクロデキスト
リン(以下「G1−γ−CD」と略記する)等、あるいは、
グルコースがサイクロデキストリンに複数個分枝状に結
合した構造を有するジグルコシル−サイクロデキストリ
ン、トリグルコシル−サイクロデキストリン等のグルコ
シル−サイクロデキストリン類(以下「G1−CD類」と略
記する)の製造方法に関する。
(従来の技術) サイクロデキストリン(以下「CD」と略記する)はグ
ルコースが6個以上α−1,4−結合した環状オリゴ糖で
あり、6個のグルコース単位からなるα−CD、7個のグ
ルコース単位からなるβ−CD、8個のグルコース単位か
らなるγ−CDが主として知られている。
ルコースが6個以上α−1,4−結合した環状オリゴ糖で
あり、6個のグルコース単位からなるα−CD、7個のグ
ルコース単位からなるβ−CD、8個のグルコース単位か
らなるγ−CDが主として知られている。
CDにはその構造上、分子に空洞があり、この空洞が疎
水性であるため、各種の油性物質を包接する。このた
め、不安定物質の安定化、揮発物質の保持、異臭のマス
キング等の特性を持っており、この性質を利用して、製
薬、化粧品、食品工業等の分野で利用されている。
水性であるため、各種の油性物質を包接する。このた
め、不安定物質の安定化、揮発物質の保持、異臭のマス
キング等の特性を持っており、この性質を利用して、製
薬、化粧品、食品工業等の分野で利用されている。
しかし、これらのCDの溶解度は低く、α−CDで14、β
−CDで2、γ−CDで23程度である。特にβ−CDの溶解度
は著しく低いため、実用化の場合不利である。そこで、
その改良として元のCDより10倍以上の溶解性を示す分岐
CDの製造法が各種提案され、種々の用途に利用されてい
る。なかでも、G1−CD類は、マルトース以上のオリゴ糖
がCDに結合した分岐CDと比較すると酵素に対する強い抵
抗性を持ち、かつ油性物質をよく包接化するため、実用
性は高い。
−CDで2、γ−CDで23程度である。特にβ−CDの溶解度
は著しく低いため、実用化の場合不利である。そこで、
その改良として元のCDより10倍以上の溶解性を示す分岐
CDの製造法が各種提案され、種々の用途に利用されてい
る。なかでも、G1−CD類は、マルトース以上のオリゴ糖
がCDに結合した分岐CDと比較すると酵素に対する強い抵
抗性を持ち、かつ油性物質をよく包接化するため、実用
性は高い。
G1−CD類の製造法として次のような方法が知られてい
る。
る。
1)澱粉を液化後、サイクロデキストリングルカノトラ
ンスフェラーゼ(以下「CGT−ase」と略記する)を作用
させてCD類を合成後、反応液よりCD類と未反応の分岐デ
キストリンを分離し、この分岐デキストリンを基質にし
て多量のCGT−aseを作用させ分岐CDを製造する。次にグ
ルコアミラーゼを作用させ、G1−CD類を製造する。[澱
粉化学、30、231〜239(1983)] 2)サイクロデキストリンとマルトースの混合物にプル
ラナーゼを作用させて得たマルトシル−サイクロデキス
トリンの反応液にグルコアミラーゼを作用させ、G1−CD
類を製造する。[特開昭61−197602] 3)サイクロデキストリンとマルトトリオースの混合物
にイソアミラーゼを作用させて得たマルトトリオシル−
サイクロデキストリンの反応液にグルコアミラーゼを作
用させ、G1−CD類を製造する。[澱粉化学、33、119〜1
26(1986)] これら従来の方法は、高価なオリゴ糖を基質にして分
岐CDを製造後、酵素によってG1−CD類を製造するもの
で、多段階の酵素反応で行われ、しかも未反応のオリゴ
糖は分解され再利用が困難であるため、工程数及びコス
ト面で工業的に満足できる方法とは言いがたい。
ンスフェラーゼ(以下「CGT−ase」と略記する)を作用
させてCD類を合成後、反応液よりCD類と未反応の分岐デ
キストリンを分離し、この分岐デキストリンを基質にし
て多量のCGT−aseを作用させ分岐CDを製造する。次にグ
ルコアミラーゼを作用させ、G1−CD類を製造する。[澱
粉化学、30、231〜239(1983)] 2)サイクロデキストリンとマルトースの混合物にプル
ラナーゼを作用させて得たマルトシル−サイクロデキス
トリンの反応液にグルコアミラーゼを作用させ、G1−CD
類を製造する。[特開昭61−197602] 3)サイクロデキストリンとマルトトリオースの混合物
にイソアミラーゼを作用させて得たマルトトリオシル−
サイクロデキストリンの反応液にグルコアミラーゼを作
用させ、G1−CD類を製造する。[澱粉化学、33、119〜1
26(1986)] これら従来の方法は、高価なオリゴ糖を基質にして分
岐CDを製造後、酵素によってG1−CD類を製造するもの
で、多段階の酵素反応で行われ、しかも未反応のオリゴ
糖は分解され再利用が困難であるため、工程数及びコス
ト面で工業的に満足できる方法とは言いがたい。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者は、上記の如き欠点に着目し種々研究を重ね
た結果、アミロ−1,6−グルコシダーゼ(以下「AG−as
e」と略記する)の縮合反応を利用することにより、1
段階の酵素反応でCDにグルコースを結合させることがで
きるとの知見を得、更に検討の結果、本発明を完成する
に至った。
た結果、アミロ−1,6−グルコシダーゼ(以下「AG−as
e」と略記する)の縮合反応を利用することにより、1
段階の酵素反応でCDにグルコースを結合させることがで
きるとの知見を得、更に検討の結果、本発明を完成する
に至った。
(問題点を解決するための手段) 本発明はグルコースとCDを含む混合物にAG−aseを作
用させてG1−CD類を生成させ、生成したG1−CD類を反応
液から分離採取することからなる、G1−CD類の製造方法
である。また、本発明は、澱粉類にサイクロデキストリ
ン合成酵素を作用させた後グルコアミラーゼを作用させ
て得た反応生成物にアミロ−1,6−グルコシダーゼを作
用させることからなるG1−CD類の製造方法である。
用させてG1−CD類を生成させ、生成したG1−CD類を反応
液から分離採取することからなる、G1−CD類の製造方法
である。また、本発明は、澱粉類にサイクロデキストリ
ン合成酵素を作用させた後グルコアミラーゼを作用させ
て得た反応生成物にアミロ−1,6−グルコシダーゼを作
用させることからなるG1−CD類の製造方法である。
本発明によれば、G1−CD類は次のごとくして製造され
る。即ち、グルコースとCDを含む基質濃度30〜85%溶液
にAG−aesを所定量加え、液の温度、pH等を酵素の好適
作用範囲に維持して、1〜10日間反応させ、G1−CD類を
生成し、ついで所望によりクロマトグラフィーなどの方
法によって反応液から分離採取することにより製造され
る。
る。即ち、グルコースとCDを含む基質濃度30〜85%溶液
にAG−aesを所定量加え、液の温度、pH等を酵素の好適
作用範囲に維持して、1〜10日間反応させ、G1−CD類を
生成し、ついで所望によりクロマトグラフィーなどの方
法によって反応液から分離採取することにより製造され
る。
また、本発明では、出発原料として澱粉類を用い、こ
れに公知の方法によりサイクロデキストリン合成酵素を
作用させて、α−CD、β−CD、γ−CD等のCDとデキスト
リン等の糖液混合物を製造し、次いで、このものに更に
グルコアミラーゼを作用させて、糖液中のデキストリン
糖をグルコースに分解することにより得たCDとグルコー
スを含む混合物に、前記と同様にAG−aseを作用させる
方法を用いることもできる。
れに公知の方法によりサイクロデキストリン合成酵素を
作用させて、α−CD、β−CD、γ−CD等のCDとデキスト
リン等の糖液混合物を製造し、次いで、このものに更に
グルコアミラーゼを作用させて、糖液中のデキストリン
糖をグルコースに分解することにより得たCDとグルコー
スを含む混合物に、前記と同様にAG−aseを作用させる
方法を用いることもできる。
本発明において原料として用いられるグルコース、CD
(α−CD、β−CD、γ−CD等)及びグルコアミラーゼ
は、いずれも市販の製品をそのまま使用することができ
る。
(α−CD、β−CD、γ−CD等)及びグルコアミラーゼ
は、いずれも市販の製品をそのまま使用することができ
る。
澱粉類としては、バレイショ、トウモロコシ、小麦等
由来の澱粉及びこれらを液化して得られる液化澱粉、澱
粉糖等を用いることができる。
由来の澱粉及びこれらを液化して得られる液化澱粉、澱
粉糖等を用いることができる。
サイクロデキストリン合成酵素としては、バチルス・
マセランス、バチルス・ステアロサーモフィラス、バチ
ルス・サーキュランス等サイクロデキストリンを生成可
能なものであれば種類を問わず使用できる。
マセランス、バチルス・ステアロサーモフィラス、バチ
ルス・サーキュランス等サイクロデキストリンを生成可
能なものであれば種類を問わず使用できる。
本発明に用いられるAG−aseは、α−1,4−グルコシド
結合からなるグルカンの分枝α−1,6−グルコシド結合
に作用してグルコースを生成させる加水分解活性と逆反
応の転移作用を有する酵素で、酵母類の他、動物組織か
ら単離されている。[酵素ハンドブック、504、朝倉書
店(1983)] 通常、AG−ase酵素としては、酵母死菌体あるいは兎
筋肉の抽出酵素の精製純化したしたものまたは部分精製
した液状品、粉末等が用いられる。また、これらの酵素
は、架橋法、吸着法、包接法等の固定化技術を用いて固
定化酵素として使用できる。
結合からなるグルカンの分枝α−1,6−グルコシド結合
に作用してグルコースを生成させる加水分解活性と逆反
応の転移作用を有する酵素で、酵母類の他、動物組織か
ら単離されている。[酵素ハンドブック、504、朝倉書
店(1983)] 通常、AG−ase酵素としては、酵母死菌体あるいは兎
筋肉の抽出酵素の精製純化したしたものまたは部分精製
した液状品、粉末等が用いられる。また、これらの酵素
は、架橋法、吸着法、包接法等の固定化技術を用いて固
定化酵素として使用できる。
これらAG−aseの使用量は、基質の品質あるいは反応
の実施形式により多少の違いはあるが、通常の場合、CD
1グラム当たり1×10-3単位以上用いられる。このAG−a
seの酵素活性は次の如き方法により測定される。即ち、
5%G1−β−CD溶液(G1−β−CDを50mM酢酸ナトリウム
緩衝液、pH5.0に溶解したもの)1.9mlに酵素液0.1mlを
加え、60分間、30℃で酵素反応させる。反応後、反応液
中に生成したグルコースを高速液体クロマトグラフィー
分析で測定する。
の実施形式により多少の違いはあるが、通常の場合、CD
1グラム当たり1×10-3単位以上用いられる。このAG−a
seの酵素活性は次の如き方法により測定される。即ち、
5%G1−β−CD溶液(G1−β−CDを50mM酢酸ナトリウム
緩衝液、pH5.0に溶解したもの)1.9mlに酵素液0.1mlを
加え、60分間、30℃で酵素反応させる。反応後、反応液
中に生成したグルコースを高速液体クロマトグラフィー
分析で測定する。
○測定条件 カラムサイズ;6.4φ×150mm 担体 ;YMC AM−312(山村科学株式会社製) 液相 ;エタノール:水=3.5:96.5 流速 ;1.5ml 検出器 ;示差屈折計ERC7520(エルマ光学株式
会社製) 酵素単位はこの条件で1分間に1μmoleのグルコース
を生成する酵素量を1単位とする。
会社製) 酵素単位はこの条件で1分間に1μmoleのグルコース
を生成する酵素量を1単位とする。
本発明では、グルコース及びCDの使用量は、CDに対し
て通常、グルコース0.5〜10倍量、好ましくは1〜5倍
量用いられる。また、溶液の濃度は本発明の方法がAG−
aseの縮合反応を利用するものである関係上、一般的
に、原料基質の濃度が高いほど好ましく、したがって、
本発明における基質濃度は30〜85%、好ましくは50〜70
%で使用される。
て通常、グルコース0.5〜10倍量、好ましくは1〜5倍
量用いられる。また、溶液の濃度は本発明の方法がAG−
aseの縮合反応を利用するものである関係上、一般的
に、原料基質の濃度が高いほど好ましく、したがって、
本発明における基質濃度は30〜85%、好ましくは50〜70
%で使用される。
本発明においては、反応はAG−aseの作用条件に適合
させて実施される。したがって、反応温度、pHなどは使
用されるAG−ase酵素の種類(起源)によって差はある
が、一般的に筋肉由来の酵素の場合は、25〜40℃、pH4
〜6、酵母由来の酵素の場合は、40〜70℃、pH4〜8で
行うのが好ましい。
させて実施される。したがって、反応温度、pHなどは使
用されるAG−ase酵素の種類(起源)によって差はある
が、一般的に筋肉由来の酵素の場合は、25〜40℃、pH4
〜6、酵母由来の酵素の場合は、40〜70℃、pH4〜8で
行うのが好ましい。
生成したG1−CD類を反応液から分離するには、例えば
OSD担体を用いたCD類の吸着、溶出、分離クロマトグラ
フィー(特開昭63−227602)、あるいはイオン交換樹脂
を用いた分離クロマトグラフィーを用いることにより容
易に行うことができる。
OSD担体を用いたCD類の吸着、溶出、分離クロマトグラ
フィー(特開昭63−227602)、あるいはイオン交換樹脂
を用いた分離クロマトグラフィーを用いることにより容
易に行うことができる。
(実施例) 次に、参考例及び実施例を示し、本発明を更に詳細か
つ具体的に説明する。
つ具体的に説明する。
参考例1 兎の背筋肉350gをミンチ化し、EMバッファ−[5mMト
リス塩酸バッファー、pH7.2(0.5mM EDTA,10mM 2−メル
カプトエタノール含む)]300mlを加え、ホモジナイズ
(6,000rpm、10分)後、遠心分離(10,000rpm、20分)
し、上清液275mlを得た。次に硫安分画により粗精製を
行った。硫安濃度10〜40%で遠心分離(10,000rpm、20
分)により、沈殿物をEMバッファ中で一夜透析し、凍結
乾燥によりアミロ−1,6−グルコシダーゼ(AG−ase)の
粗酵素粉末1.85g(87.3単位)を得た。(47.2単位/g) 参考例2 酵母(オーレオバシディウムsp.SN−G42株、微工研菌
寄第8940号)培養液100mlを遠心分離(5,000rpm、5
分)し、菌体を透析して冷アセトンで処理した後、凍結
乾燥して酵母粉末15gを得た。この酵母のAG−ase酵素活
性は0.0897単位/gであった。
リス塩酸バッファー、pH7.2(0.5mM EDTA,10mM 2−メル
カプトエタノール含む)]300mlを加え、ホモジナイズ
(6,000rpm、10分)後、遠心分離(10,000rpm、20分)
し、上清液275mlを得た。次に硫安分画により粗精製を
行った。硫安濃度10〜40%で遠心分離(10,000rpm、20
分)により、沈殿物をEMバッファ中で一夜透析し、凍結
乾燥によりアミロ−1,6−グルコシダーゼ(AG−ase)の
粗酵素粉末1.85g(87.3単位)を得た。(47.2単位/g) 参考例2 酵母(オーレオバシディウムsp.SN−G42株、微工研菌
寄第8940号)培養液100mlを遠心分離(5,000rpm、5
分)し、菌体を透析して冷アセトンで処理した後、凍結
乾燥して酵母粉末15gを得た。この酵母のAG−ase酵素活
性は0.0897単位/gであった。
実施例1 グルコース100gとβ−CD20gを酢酸緩衝液(50mM,pH5.
5)50mlに煮沸溶解する。冷却後参考例1で得たAG−ase
液30ml(1.4単位)を加え、35℃で9日間反応させる。
終了後、この反応液を加熱し酵素を失った後、市販のイ
オン交換樹脂で脱色、脱塩し、糖の濃度を35%に調整し
た。
5)50mlに煮沸溶解する。冷却後参考例1で得たAG−ase
液30ml(1.4単位)を加え、35℃で9日間反応させる。
終了後、この反応液を加熱し酵素を失った後、市販のイ
オン交換樹脂で脱色、脱塩し、糖の濃度を35%に調整し
た。
反応液の糖組成は、グルコース(81.9%)、ジグルコ
シル−β−CD(3.7%)、G1−β−CD(9.1%)、β−CD
(5.3%)であった。この糖液をPREPAPATIVE C 18(ウ
オーターズ社製、ODS型)300gを充填したカラムにSV=2
0で通液してCD類をカラムに吸着させ、更に1.8リットル
の水でカラムを水洗した。次に7%エタノール水溶液を
通液して、ジグルコシル−β−CD、G1−β−CD、β−CD
の順に溶離する溶出液を3分割した。分画物の糖組成は
表1の通りであった。G1−β−CD画分を濃縮乾固して高
純度G1−β−CD粉末4.2gを得た。
シル−β−CD(3.7%)、G1−β−CD(9.1%)、β−CD
(5.3%)であった。この糖液をPREPAPATIVE C 18(ウ
オーターズ社製、ODS型)300gを充填したカラムにSV=2
0で通液してCD類をカラムに吸着させ、更に1.8リットル
の水でカラムを水洗した。次に7%エタノール水溶液を
通液して、ジグルコシル−β−CD、G1−β−CD、β−CD
の順に溶離する溶出液を3分割した。分画物の糖組成は
表1の通りであった。G1−β−CD画分を濃縮乾固して高
純度G1−β−CD粉末4.2gを得た。
実施例2 グルコース400gとγ−CD80gを酢酸緩衝液(50mM,pH5.
5)200mlに煮沸溶解する。冷却後参考例2で得たAG−as
e50g(4.5単位)を加え、50℃で6日間反応を行った。
終了後、この反応液を加熱し酵素を失活した後、市販の
イオン交換樹脂で脱色、脱塩し、糖の濃度を35%に調整
した。この糖液をPREPAPATIVE C 18(ウオーターズ社
製、ODS型)1.5Kgを充填したカラムにSV=10で通液して
CD類をカラムに吸着させた後、水6.0リットルをカラム
に通液してグルコースを溶出する。次に10%エタノール
水溶液0.8リットルを通液して、CD類を溶出した。この
溶出液を濃縮乾固し粉末84.8gを得た。
5)200mlに煮沸溶解する。冷却後参考例2で得たAG−as
e50g(4.5単位)を加え、50℃で6日間反応を行った。
終了後、この反応液を加熱し酵素を失活した後、市販の
イオン交換樹脂で脱色、脱塩し、糖の濃度を35%に調整
した。この糖液をPREPAPATIVE C 18(ウオーターズ社
製、ODS型)1.5Kgを充填したカラムにSV=10で通液して
CD類をカラムに吸着させた後、水6.0リットルをカラム
に通液してグルコースを溶出する。次に10%エタノール
水溶液0.8リットルを通液して、CD類を溶出した。この
溶出液を濃縮乾固し粉末84.8gを得た。
粉末の糖組成は、トリグルコシル−γ−CD(3.3
%)、ジグルコシル−γ−CD(16.0%)、G1−γ−CD
(34.4%)、γ−CD(46.3%)であった。
%)、ジグルコシル−γ−CD(16.0%)、G1−γ−CD
(34.4%)、γ−CD(46.3%)であった。
実施例3 液化バレイショ澱粉にバチルス・マセランスのサイク
ロデキストリン合成酵素を作用させて得た反応液(糖濃
度;30%、糖組成α−CD18%、β−CD9%、γ−CD4%、
デキストリン他69%)100gにグルコアミラーゼ(生化学
工業株式会社製、16.8単位/mg)41mgを加え、40℃で72
時間反応させて、反応物中のデキストリンをグルコース
に分解した。反応後、酵素を加熱して失活させた後、濃
縮して糖濃度70%に調整した。
ロデキストリン合成酵素を作用させて得た反応液(糖濃
度;30%、糖組成α−CD18%、β−CD9%、γ−CD4%、
デキストリン他69%)100gにグルコアミラーゼ(生化学
工業株式会社製、16.8単位/mg)41mgを加え、40℃で72
時間反応させて、反応物中のデキストリンをグルコース
に分解した。反応後、酵素を加熱して失活させた後、濃
縮して糖濃度70%に調整した。
次に、この糖液に参考例1で得たAG−ase 1.5g(70.8
単位)を添加し、37℃で10日間反応を行い、G1−CD類を
生成させた。この反応液を加熱し酵素を失活後、水を加
えて糖濃度を30%に調整した糖液をイオン交換樹脂カラ
ム(強酸性陽イオン交換樹脂、Fe型)によるクロマトグ
ラフィーを行い、CD類とグルコースに分離した。分画し
たCD類の溶出部を更に混床式のイオン交換樹脂で脱色、
脱塩後濃縮、乾燥して粉末9.5gを得た。
単位)を添加し、37℃で10日間反応を行い、G1−CD類を
生成させた。この反応液を加熱し酵素を失活後、水を加
えて糖濃度を30%に調整した糖液をイオン交換樹脂カラ
ム(強酸性陽イオン交換樹脂、Fe型)によるクロマトグ
ラフィーを行い、CD類とグルコースに分離した。分画し
たCD類の溶出部を更に混床式のイオン交換樹脂で脱色、
脱塩後濃縮、乾燥して粉末9.5gを得た。
粉末の糖組成はG1−CD類50.4%、CD−(α−、β−、
γ−CD)48.3%、その他1.3%であった。
γ−CD)48.3%、その他1.3%であった。
(発明の効果) 本発明によれば、CDを原料に用いた場合は、1段階の
酵素反応で、また、澱粉を出発原料に用いた場合は、生
成したCD、デキストリン等を分離することなくそのまま
原料として使用することができ、しかも未反応物に変化
がないので回収して再利用が可能であることから、短い
工程で、安易な工程管理で、経済的に有利にG1−CD類の
製造が可能になる。
酵素反応で、また、澱粉を出発原料に用いた場合は、生
成したCD、デキストリン等を分離することなくそのまま
原料として使用することができ、しかも未反応物に変化
がないので回収して再利用が可能であることから、短い
工程で、安易な工程管理で、経済的に有利にG1−CD類の
製造が可能になる。
Claims (2)
- 【請求項1】サイクロデキストリンとグルコースの混合
物にアミロ−1,6−グルコシダーゼを作用させることを
特徴とするグルコシル−サイクロデキストリン類の製造
方法。 - 【請求項2】澱粉類にサイクロデキストリン合成酵素を
作用させた後グルコアミラーゼを作用させて得た反応生
成物にアミロ−1,6−グルコシダーゼを作用させること
を特徴とするグルコシル−サイクロデキストリン類の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30403190A JP2700423B2 (ja) | 1990-11-13 | 1990-11-13 | グルコシル―サイクロデキストリン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30403190A JP2700423B2 (ja) | 1990-11-13 | 1990-11-13 | グルコシル―サイクロデキストリン類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04179491A JPH04179491A (ja) | 1992-06-26 |
JP2700423B2 true JP2700423B2 (ja) | 1998-01-21 |
Family
ID=17928230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30403190A Expired - Fee Related JP2700423B2 (ja) | 1990-11-13 | 1990-11-13 | グルコシル―サイクロデキストリン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2700423B2 (ja) |
-
1990
- 1990-11-13 JP JP30403190A patent/JP2700423B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04179491A (ja) | 1992-06-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4668626A (en) | Method for the preparation of branched cyclodextrins | |
EP0710674B1 (en) | Method for producing a glucan having cyclic structure | |
US4384898A (en) | Process for producing cyclodextrins | |
US6248566B1 (en) | Glucan having cyclic structure and method for producing the same | |
EP0307534B1 (en) | A heterogeneous multiple-branched cyclodextrin and method for the preparation thereof | |
US5686132A (en) | Glucans having a cycle structure, and processes for preparing the same | |
US4931389A (en) | Method for the preparation of multiple glucosyl branched-cyclodextrins | |
Bender | An improved method for the preparation of cyclooctaamylose, using starches and the cyclodextrin glycosyltransferase of Klebsiella pneumoniae M 5 al | |
EP0607264B1 (en) | Increased cyclodextrin production | |
JP2700423B2 (ja) | グルコシル―サイクロデキストリン類の製造方法 | |
JPS6346201A (ja) | 重分岐サイクロデキストリン、及びその製法 | |
EP0565106B1 (en) | Method of preparing branched cyclodextrin | |
JPS6170996A (ja) | マルトシル−α−サイクロデキストリンの製造方法 | |
JP2845386B2 (ja) | 内分岐大環状サイクロデキストリンを含む大環状サイクロデキストリン混合物の製造方法 | |
EP0045464B1 (en) | Process for producing cyclodextrins | |
FI81116B (fi) | Metod foer tillverkning av cyklodextriner innehaollande maltodextriner, staerkelse- och maltossiraper. | |
JP3122203B2 (ja) | 新規ヘテロ分岐シクロデキストリンおよびその製造方法 | |
JP2863262B2 (ja) | 分岐シクロデキストリンの側鎖部分にα―結合でガラクトシル基を転移結合させた新規ヘテロ分岐シクロデキストリン及びその製造方法 | |
JP3655325B2 (ja) | マンノシル−シクロデキストリンの新規製造方法 | |
JP3637086B2 (ja) | マンノシル−シクロデキストリンの製法 | |
JP3637085B2 (ja) | マンノシル−シクロデキストリンの製造方法 | |
JPH02255095A (ja) | γ―サイクロデキストリンおよび/またはα―グルコシルグリチルリチンの効率的生産方法 | |
JPH042237B2 (ja) | ||
JPS5835663B2 (ja) | マルトテトラオ−スを含むサイクロデキストリン水アメの製法 | |
JPS633002A (ja) | サイクロデキストリン類の精製方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |