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JP2016160504A - 無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法及びその形成方法で得られた無電解Ni/Auめっき皮膜 - Google Patents

無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法及びその形成方法で得られた無電解Ni/Auめっき皮膜 Download PDF

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友人 加藤
Yuto Kato
友人 加藤
秀人 渡邊
Hideto Watanabe
秀人 渡邊
高井 治
Osamu Takai
治 高井
本間 英夫
Hideo Honma
英夫 本間
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Abstract

【課題】無電解Ni/Auめっき皮膜を形成する際の無電解Niめっきの析出反応の反応速度を制御可能な範囲で安定化させ、且つ、良好な耐腐食性能を備える無電解Ni/Auめっき皮膜の形成可能な方法の提供を目的とする。
【解決手段】この目的を達成するため、配線回路基板の回路表面にニッケル皮膜を形成し、当該ニッケル皮膜の表面に金めっき皮膜を形成するNi/Auめっき皮膜の形成方法において、当該ニッケル皮膜は、配線回路基板の回路表面に無電解Niストライクめっきを行った後、無電解Niめっきを行うことで形成することを特徴とする無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法等を採用する。
【選択図】図1

Description

本件出願は、無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法及びその形成方法で得られた無電解Ni/Auめっき皮膜に関する。ここでいう無電解Ni/Auめっき皮膜は、特に配線回路の表面、半導体チップの接続端子の表面等に用いるものである。
近年、パソコン、モバイル通信機器等に組み込まれる配線板、半導体チップ等には、小型化、軽量化と同時に高機能化求められている。従って、これらに搭載される配線板及び半導体チップ搭載基板には高密度化と高速信号化が求められる。係る場合の配線板及び半導体チップ搭載基板には、めっきリード等の形成が不要になる無電解Ni/Auめっき層が用いられてきた。
この無電解Ni/Auめっき層とは、下地に無電解ニッケル皮膜があり、その表面に金めっき皮膜(少なくとも置換金めっき皮膜)が存在するものである。このときの無電解ニッケルめっき皮膜の形成には、次亜リン酸塩を還元剤として用いる溶液(以下、「次亜リン酸系めっき液」と称する。)が広く用いられてきた。この次亜リン酸系めっき液の場合、形成される無電解ニッケル皮膜のバルク内に、次亜リン酸塩が含有するリンとニッケルとが非晶質状態で共析し、厳密には「ニッケル−リン合金皮膜」を形成する。このような無電解ニッケルめっき皮膜は、置換金めっきの下地めっきとして用いられ、銅・銅合金等からなる金属導体配線の構成成分が金めっき皮膜に拡散し物性低下を招かないようにするバリア層として機能すると共に、優れた耐腐食性や耐摩耗性を得るためのものである。
また、無電解ニッケルめっき皮膜の表面に設ける置換金めっき皮膜(厚さ:0.01μm〜0.1μm)は、置換反応により無電解ニッケルめっき皮膜上に薄い金めっきで形成したものであり、耐腐食性を向上させ、金属導体配線のはんだ濡れ性改善等に寄与する。そして、ワイヤーボンディングにおける金めっき皮膜と金ワイヤーとの接合強度を高め、接続信頼性を向上させるためには、置換金めっきの後に無電解金めっき液で無電解金めっき皮膜(厚さ:0.1μm〜1.0μm)を設けて厚くすることもある。
以上のような無電解Ni/Auめっき皮膜を用いた回路の高密度化が進み、且つ、その回路に流れる信号電流が高速化すると回路表面に設ける無電解Ni/Auめっき層にも、隣接する回路間でのショート不良の発生、絶縁信頼性の低下を引き起こすこと等を極力回避する精度が要求されるようになる。
このような観点から、特許文献1には、微細な回路であっても回路断面形状を良好に保つことのできるセミアディティブ用エッチング剤、これを用いたセミアディティブ方法及び配線基板の製造方法を提供することを目的とした発明が開示されており、無電解Ni/Auメッキを行う場合、絶縁層表面に金属残渣が残っていると絶縁層表面にめっき金属が析出し、ショート不良や絶縁信頼性の低下を引き起こすことを防止することが開示されている。即ち、配線板形成に用いた銅箔表面の防錆成分であるCrやNi等が、銅箔をエッチングした後も絶縁樹脂の表面に残りやすい。そこで、絶縁樹脂への金属残渣の除去を行うために、フェリシアン化金属塩とキレート剤を含有するエッチング液とで金属残渣を除去する方法等を提案している。
ところが、上述のフェリシアン化金属塩は分解しやすく毒性が強く、廃液負担が大きくなる。そして、キレート剤を含有するエッチング液は強酸性であるため、回路と絶縁樹脂層との界面に与えるダメージが大きくなるという問題がある。そこで、特許文献2では、絶縁層表面に残存するCu、Ni、Crなどの金属残渣が除去可能であり、無電解Ni/Auめっきなどの析出異常を抑制する金属残渣除去液として、「キレート剤を含み、かつアルカリ性を示すことを特徴とする金属残渣除去液。」を採用している。
特開2004−277854号公報 特開2006−245199号公報
田嶋和貴;表面技術,62(8),387(2011).
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されたように、絶縁層表面の金属残渣の問題を解消しても、無電解Niめっき皮膜にNiノジュールが発生し、後続の置換金めっきの析出状態に影響を及ぼすという問題が発生していた。特に、微細銅配線回路上に無電解Ni/Auめっきを行う場合、配線ピッチの狭小化に伴い無電解Niめっきを行った際に発生するブリッジ現象(以下、「Niブリッジ現象」と称する。)が大きな問題となっている。そして、この問題を解決するために,近年では無電解Ni/Auめっき皮膜の形成におけるNi薄膜化プロセスの適用が検討されてきている。
このNi薄膜化プロセスを用いて無電解Ni/Auめっき皮膜を形成する場合,無電解法で析出するNi粒子が不均一であるため、無電解ニッケル皮膜の表面に置換Auめっきを施すときに、無電解ニッケル皮膜の局部腐食現象が発生しやすい。また、無電解ニッケル法によるNi粒子の析出は,下地の表面状態やPd触媒の吸着状態に影響されやすい。この触媒として用いるPdは水素吸蔵性が非常に高く、置換反応性に優れるために、Pdの吸着状態によっては無電解Niめっきの析出反応が急激に進行し、制御が困難となりNiノジュールが発生する傾向があった。
以上のことから理解できるように、無電解Ni/Auめっき皮膜を形成する際の無電解Niめっきの析出反応の反応速度を制御可能な範囲で安定化させ、析出するNi粒子が均一でNiノジュールの発生を抑制し、且つ、良好な耐腐食性能を備える無電解Ni/Auめっき皮膜の形成が可能な方法が望まれてきた。
そこで、本件出願の発明者等は、触媒として用いるPdよりも水素吸蔵性が低く、次亜リン酸の酸化反応を生起させるNiに着目し、従来の無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法の代替として、以下の発明に想到した。
無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法: 本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法は、配線回路基板の回路表面にニッケル皮膜を形成し、当該ニッケル皮膜の表面に金めっき皮膜を形成するNi/Auめっき皮膜の形成方法において、当該ニッケル皮膜は、配線回路基板の回路表面に無電解Niストライクめっきを行った後、無電解Niめっきを行うことで形成することを特徴とする。
本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法で用いる前記無電解Niストライクめっきは、無電解Niストライクめっき液としてジメチルアミンボランを1g/L〜10g/L、Niを10ppm〜200ppm含有する水溶液を用いるものである。
本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法において、前記金めっき皮膜は、無電解金めっき法で形成するものである。
電子部品材料: 本件出願に係る電子部品材料は、上述の無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法を用いて得られることを特徴とする。
本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法は、無電解Niめっき皮膜の形成に、従来のPd触媒に代えて無電解Niストライクめっきを行い、その後無電解Niめっきを行うことで、無電解Niめっきの析出速度を制御し、均一なNi粒子を析出させNiノジュールの発生を抑制する。従って、最終的に施す無電解Auめっき皮膜も均一になり、良好な耐腐食性能を備える無電解Ni/Auめっき皮膜の形成ができる。しかも、本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法は、電解めっきを含んでいないため、製造コストも削減可能である。また、本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法を用いて得られる電子部品材料は、その表面に均一な厚さの無電解Ni/Auめっき皮膜を備え、良好な耐腐食性能を備えることになる。更に、本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法は、無電解めっき法を用いているため、当該電子部品材料の表面形状が複雑化していても、その表面に均一な無電解Ni/Auめっき皮膜を設けることができる。
実施例及び比較例の無電解金めっきを施す前の無電解ニッケル皮膜の表面状態を示す走査型電子顕微鏡像である。 実施例及び比較例の定電位電解法を用いたバリア性試験の結果を示す図である。
無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法の形態: 本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法は、配線回路基板の回路表面にニッケル皮膜を形成し、当該ニッケル皮膜の表面に金めっき皮膜を形成するNi/Auめっき皮膜の形成方法において、当該ニッケル皮膜は、配線回路基板の回路表面に無電解Niストライクめっきを行った後、無電解Niめっきを行うことで形成することを特徴とする。即ち、この無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法を工程別に記載すると、以下のようになる。
無電解Ni/Auめっき皮膜を適用する対象物: 無電解Ni/Auめっき皮膜を設けるのは、プリント配線板の銅配線回路の表面、半導体のウェハめっき、コネクタ部品の端子めっき等であり、特段の限定は要さない。
無電解ニッケル皮膜の形成: 本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法では、上述の試験用回路基板が備える配線回路の表面に無電解ニッケル皮膜を形成するにあたり、最初に無電解Niストライクめっき浴を用いてニッケル触媒核を形成する。
そして、無電解Niストライクめっき液としては、DMAB(ジメチルアミンボラン)を1g/L〜10g/L、Niを10ppm〜200ppm含有する水溶液を用いることが好ましい。一方、DMABが1g/L未満の場合には、ニッケル触媒核の形成速度が遅くなり、工業的に要求される生産性を満足できないため好ましくない。DMABが10g/Lを超える場合でも特段の問題は無いが、ニッケル触媒核の形成速度が向上する効果が飽和し、資源の無駄遣いとなり好ましくない。そして、Niが10ppm未満の場合には、ニッケル触媒核の形成量が少なくなりストライクめっきを行う意義が無くなるため好ましくない。一方、Niが200ppmを超える場合には、銅配線間の樹脂上へ過剰なニッケル触媒核が生成し、Niブリッジ現象が発生してしまうため、好ましくない。
この無電解Niストライクめっき液は、液温20℃〜40℃の範囲で用いることが好ましい。液温が20℃未満になると、ニッケル触媒核の形成速度が遅く、配線回路の表面へのニッケル触媒核の付着状態も場所によるバラツキが大きくなるため好ましくない。一方、液温が40℃を超えると、ニッケル触媒核の生成速度が過剰になり、且つ、無電解Niストライクめっき液からの水分量蒸発が大きく組成変動も大きくなり好ましくない。
以上に述べてきた無電解Niストライクめっき液に、無電解Ni/Auめっき皮膜を適用する対象物を、30秒〜300秒間浸漬してニッケル触媒核の形成を行うことが好ましい。この浸漬時間が30秒未満の場合、上述の無電解Niストライクめっき液で良好なニッケル触媒核の形成が困難である。一方、浸漬時間が300秒を超える場合でも特段の問題はないが、工業的に要求される生産性を満足できないため好ましくない。
以上のようにして無電解Niストライクめっきが終了すると、その後、ニッケル触媒核を形成した表面に、厚さ0.01μm〜3μmの無電解Niめっき皮膜を形成する。厳密に言えば、この無電解Niめっき皮膜の中に、無電解Niストライクめっきで形成したニッケル触媒核が含まれている。無電解Niめっき皮膜厚さが0.01μm未満の場合には、下にある配線回路表面を十分に被覆できずに耐腐食性能が低下する傾向があり好ましくない。一方、無電解Niめっき皮膜厚さが3μmを超える場合には、ニッケルの析出速度も遅くなり、無電解Niめっき皮膜表面が粗らくなり、後の無電解金めっき皮膜の表面状態に影響を与えるため好ましくない。
そして、この無電解Niめっき皮膜の形成には、公知の無電解Niめっき液の全てを使用することが可能であるが、最も良好な膜厚均一性とめっきの付き周り性を考慮すると、硫酸Ni 23g/L、リンゴ酸 13g/L、乳酸 18g/L、鉛 0.2ppm、次亜リン酸Na 23g/Lの組成の無電解ニッケルめっき液を用いることが好ましい。
無電解金めっき皮膜の形成: 上述のようにして配線回路の表面への無電解Niめっき皮膜の形成が終了すると、当該無電解Niめっき皮膜の表面に無電解Auめっき皮膜を形成する。無電解Auめっき皮膜は、厚さ0.01μm〜0.2μmである。無電解Auめっき皮膜の厚さが0.01μm未満の場合は、無電解Niめっき皮膜の表面を均一に被覆できていないことがあり好ましくない。一方、無電解Auめっき皮膜の厚さが0.2μmを超える場合には、無電解Auめっき皮膜の表面が粗くなるため好ましくない。
この無電解金めっき液としては、公知の無電解金めっき液の全てを用いることが可能である。しかし、シアン化金カリウム 2.8g/L、クエン酸3K 30g/L、リン酸 8g/L、エチレンジアミン四酢酸 58g/L、のシアン系置換型無電解Auめっき液を用いることが、膜厚均一性に優れた無電解Auめっき皮膜を得るために好ましい。また、環境負荷及び作業性向上を考慮して、ノンシアン系置換型無電解Auめっき液を用いる場合には、例えば、亜硫酸金ナトリウム 5g/L、亜硫酸ナトリウム 25g/L、チオ硫酸ナトリウム 30g/L、L−アスコルビン酸ナトリウム 15g/L、塩化アンモニウム 5g/Lの組成を用いることが好ましい。
この無電解Auめっき皮膜を形成する無電解Auめっき液は、液温70℃〜95℃の範囲で用いることが好ましい。液温が70℃未満になると、無電解Auめっき皮膜の析出速度が極度に低下するため好ましくない。一方、液温が95℃を超えると、無電解Auめっき液の組成変動が大きく、無電解Auめっき皮膜の表面状態にバラツキが生じるため好ましくない。
以上に述べた無電解Auめっき液に、無電解Ni/Auめっき皮膜を適用する対象物を、60秒〜20分間浸漬して無電解Auめっきを行うことが好ましい。この浸漬時間が60秒未満の場合、無電解Auめっき皮膜が0.01μmとなり、無電解Niめっき皮膜を十分に被覆できないことがあり好ましくない。一方、浸漬時間が20分を超える場合、厚さ0.2μmを超える無電解Auめっき皮膜が形成され、表面が粗くなるため好ましくない。
電子部品材料の形態: 本件出願に係る電子部品材料は、上述の無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法を用いて得られることを特徴とする。ここでいう「電子部品材料」とは、プリント配線板・半導体チップ搭載基板・チップ部品・コネクター部品等のあらゆる導電端子めっき等を必要とするものとして記載している。本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法を用いることで、電子部品材料のボンディング部位・接続端子部等の耐腐食性を向上が可能となる。
試験用配線板の調製: 両面銅張積層板の表面にある銅箔層を、希塩酸を用いて酸洗処理し、その清浄化した銅箔層の表面にドライフィルムラミネートを行い、100μmピッチ(回路幅50μm、回路間ギャップ50μm)の試験用直線回路を形成した。その後、リン酸と過酸化水素とを含むデスマット溶液を用いてデスマット処理して試験用回路基板を得た。
無電解ニッケル皮膜の形成: 上述の試験用回路基板が備える銅回路の表面に、無電解Niストライクめっきを用いてニッケル触媒核を形成した。このときの無電解Niストライクめっきは、DMABを4g/L、Niを20ppm含有する水溶液であり、ここに試験用回路基板を60秒間浸漬してニッケル触媒核の形成を行った。その後、ニッケル触媒核を形成した表面に、厚さ0.5μmの無電解Niめっき皮膜を形成した。このときの無電解Niめっき皮膜の形成には、硫酸Ni 23g/L、リンゴ酸 13g/L、乳酸 18g/L、鉛 0.2ppm、次亜リン酸Na 23g/Lで処理した。
無電解金めっき皮膜の形成: 銅回路の表面に無電解Niめっき皮膜を形成した試験用回路基板を用いて、無電解Niめっき皮膜の表面に無電解Auめっき皮膜を形成した。ここでは、シアン化金カリウム 2.8g/L、クエン酸3K 30g/L、リン酸 8g/L、エチレンジアミン四酢酸 58g/Lのシアン系置換型無電解Auめっき液を用いて、ここに銅回路の表面に無電解Niめっき皮膜を形成した試験用回路基板を300秒間浸漬して、無電解Niめっき皮膜上にのみ選択的に、厚さ0.05μmの無電解Auめっき皮膜を形成し、微細銅配線回路上に無電解Ni/Auめっき皮膜を設けた。
比較例
無電解ニッケル皮膜の形成: 上述の試験用回路基板が備える銅回路の表面に、塩化Pd触媒溶液を用いてパラジウム触媒核を形成した。このときの塩化Pd触媒溶液は、Pdを50ppm含有する水溶液であり、ここに試験用回路基板を60秒間浸漬して、Pd触媒核の形成を行った。その後、Pd触媒を形成した表面に、厚さ0.5μmの無電解Niめっき皮膜を形成した。無電解Niめっき皮膜の形成には、実施例と同じ溶液を用いた。
無電解金めっき皮膜の形成: 銅回路の表面に無電解Niめっき皮膜を形成した試験用回路基板を用いて、無電解Niめっき皮膜の表面に無電解Auめっき皮膜を形成した。ここでは、実施例と同様のシアン系置換型無電解Auめっき液を用いて、ここに銅回路の表面に無電解Niめっき皮膜を形成した試験用回路基板を300秒間浸漬して、無電解Niめっき皮膜上にのみ選択的に、厚さ0.05μmの無電解Auめっき皮膜を形成し、微細銅配線回路上に無電解Ni/Auめっき皮膜を設けた。
<無電解Ni/Auめっき皮膜の評価方法>
無電解Ni/Auめっき皮膜の評価として、「NiおよびAu皮膜表面形態観察」、「下地Ni局部腐食状態観察」、「定電位電解法を用いたバリア性試験」を行った。以下、各試験の試験方法に関して述べる。
Ni及びAu皮膜表面形態観察方法:各めっき表面は、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて観察した。
下地Ni局部腐食状態観察:Auめっき皮膜まで施された試料を、シアン系金剥離液を用いてAu皮膜を溶解除去し、FE−SEMで下地Ni表面を観察した。下地Ni局部腐食によって形成されるPリッチ層の分析には、オージェ電子分光分析装置を用いて皮膜深さ方向分析を行った。
定電位電解法を用いたバリア性試験:Auめっきまで施した試料をアノードとし、対極に白金コイル、参照極に銀/塩化銀電極とした。それらの電極を、10vol%硫酸水溶液に浸漬し、−50mVの電圧を印加し、その際に流れる電流を読み取った。
<実施例と比較例との対比>
Ni及びAu皮膜表面形態観察における対比: 「実施例の無電解金めっきを施す前の無電解ニッケル皮膜」と「比較例の無電解金めっきを施す前の無電解ニッケル皮膜」との各表面状態を走査型電子顕微鏡で観察したが、これらの表面形態に顕著な差異はなかった。しかし、「実施例の無電解金めっき後の金めっき表面」と「比較例の無電解金めっき後の金めっき表面」との各表面状態を走査型電子顕微鏡で観察すると、図1から理解できるように、比較例の無電解金めっきを構成するAu粒子は粗く、実施例の無電解金めっきを構成するAu粒子の方が微細で平滑な表面となっていることが分かる。
下地Ni局部腐食状態観察における対比: 下地Ni局部腐食状態観察の結果、実施例の無電解Ni/Auめっき皮膜の方が、比較例の無電解Ni/Auめっき皮膜に比べて、無電解金めっき皮膜剥離後の下地Ni局部腐食が少なかった。
定電位電解法を用いたバリア性試験における対比: 図2から理解できるように、比較例に比べ、実施例の方が溶出電流が小さくなっていることが分かる。従って、比較例に比べ、実施例の方がピンホール等の表面欠陥の少ない緻密な無電解金めっきを備えているといえる。
以上のことから、本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法のように無電解ニッケル皮膜の形成に際して無電解Niストライクめっきを用いることで、従来の方法に比べ均一な析出状態で、且つ、耐腐食性に優れた無電解Ni/Auめっき皮膜の形成が可能になる。
本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法は、従来のPd触媒を用いず、且つ、電解めっき法を採用していないため、製造コストが安価である。そして、本件出願に係る無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法は、プリント配線板・コネクタ端子・シリコンウェハ上の回路表面に、良好な耐腐食性能を備える無電解Ni/Auめっき皮膜の形成が可能である。よって、高品質の無電解Ni/Auめっき皮膜を備える電子部品材料を市場に供給することができる。

Claims (4)

  1. 配線回路基板の回路表面にニッケル皮膜を形成し、当該ニッケル皮膜の表面に金めっき皮膜を形成するNi/Auめっき皮膜の形成方法において、
    当該ニッケル皮膜は、配線回路基板の回路表面に無電解Niストライクめっきを行った後、無電解Niめっきを行うことで形成することを特徴とする無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法。
  2. 前記無電解Niストライクめっきは、無電解Niストライクめっき液としてジメチルアミンボランを1g/L〜10g/L、Niを10ppm〜200ppm含有する水溶液を用いるものである請求項1に記載の無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法。
  3. 前記金めっき皮膜は、無電解金めっき法で形成する請求項1又は請求項2に記載の無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法を用いて得られることを特徴とする電子部品材料。
JP2015041733A 2015-03-03 2015-03-03 無電解Ni/Auめっき皮膜の形成方法及びその形成方法で得られた無電解Ni/Auめっき皮膜 Pending JP2016160504A (ja)

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