JP2015104921A - 補正値算出方法、印刷制御装置およびプリンター - Google Patents
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Abstract
【課題】ラインプリンターを用いる場合に特に問題となる濃度ムラを抑制する必要があった。
【解決手段】第一方向に並ぶ複数のノズルを有するライン型印刷ヘッドの当該ノズルから当該第一方向と交差する第二方向へ搬送される被印刷物へ液体を吐出させてテストパターンを印刷させる印刷制御工程と、前記印刷されたテストパターンの測色値を取得する測色値取得工程と、所定数の前記ノズルから前記液体が吐出される前記第二方向を向く領域に対応する画像データを補正するための補正値を、当該領域に対応する前記測色値に基づいて算出する補正値算出工程とを備え、前記補正値は、前記画像データの値を減少させる補正値である、補正値算出方法。
【選択図】図4
【解決手段】第一方向に並ぶ複数のノズルを有するライン型印刷ヘッドの当該ノズルから当該第一方向と交差する第二方向へ搬送される被印刷物へ液体を吐出させてテストパターンを印刷させる印刷制御工程と、前記印刷されたテストパターンの測色値を取得する測色値取得工程と、所定数の前記ノズルから前記液体が吐出される前記第二方向を向く領域に対応する画像データを補正するための補正値を、当該領域に対応する前記測色値に基づいて算出する補正値算出工程とを備え、前記補正値は、前記画像データの値を減少させる補正値である、補正値算出方法。
【選択図】図4
Description
本発明は、補正値算出方法、印刷制御装置およびプリンターに関する。
液体を吐出するためのノズルを有するインクジェットプリンターの分野において、第1ノズルと第2ノズルとからある画素データに対応する媒体上の領域に液体を吐出してテストパターンを印刷するステップと、テストパターンをスキャナーに読み取らせ読取値を取得するステップと、読取値に基づいて、第1ノズルと第2ノズルとから吐出される領域に対応する画素データを補正する補正値を算出するステップと、を備える補正値算出方法が知られている(特許文献1)。
プリンターが有する複数のノズルから設計上の同一サイズ(同一重量)のインク滴を吐出させようとしても、現実に吐出されるインク滴あたりのサイズ(インク重量)をノズル間で正確に統一させることは、プリンターの製造上困難である。つまり、ノズル毎のインク重量にはばらつきが在る。このようなばらつきが存在すると、プリンターにより印刷された画像には、インク吐出に使用されたノズルの違いに応じて筋状のムラ(濃度ムラ)が発生し得、画質劣化に繋がる。
ここで、インクジェットプリンターの一種として、第一方向に並ぶ複数のノズルを有し当該第一方向と交差する第二方向へ搬送される被印刷物へノズルから液体を吐出するライン型印刷ヘッドを備える、いわゆるラインプリンターが知られている。ラインプリンターは、その構造上、被印刷物が搬送される方向と交差する方向に沿って印刷ヘッドが往復移動するいわゆるシリアルプリンターと異なり、被印刷物上の同一領域を異なる複数のノズルで重ねて印刷することができない。従って、ラインプリンターでは、ノズル毎のインク重量にばらつきが在ると、そのばらつきが印刷結果において濃度ムラとして(シリアルプリンターよりも)顕著に表れやすいという課題がある。
本発明は少なくとも上述の課題を解決するためになされたものであり、ライン型印刷ヘッドを用いる場合に生じ易い濃度ムラを解消するための補正値を的確に得ることが可能な補正値算出方法、印刷制御装置およびプリンターを提供する。
本発明の態様の一つは、補正値算出方法は、第一方向に並ぶ複数のノズルを有するライン型印刷ヘッドの当該ノズルから当該第一方向と交差する第二方向へ搬送される被印刷物へ液体を吐出させてテストパターンを印刷させる印刷制御工程と、前記印刷されたテストパターンの測色値を取得する測色値取得工程と、所定数の前記ノズルから前記液体が吐出される前記第二方向を向く領域に対応する画像データを補正するための補正値を、当該領域に対応する前記測色値に基づいて算出する補正値算出工程とを備え、前記補正値は、前記画像データが規定する前記液体の量を減少させる補正値である。
当該構成によれば、ライン型印刷ヘッドを用いる場合に生じ易い濃度ムラを解消するための補正値を、前記測色値に基づいて正確に算出することができる。また、算出される補正値は、画像データが規定する前記液体の量を減少させる補正値であるため、全ての階調範囲の画像データについて確実に補正することができる。
本発明の態様の一つは、前記印刷制御工程では、前記第一方向に並ぶ複数のノズルからなるノズル列を有するヘッドを前記第一方向に複数並べた構成のライン型印刷ヘッドを用いる。つまり、ライン型印刷ヘッドは、複数のヘッドを第一方向に連ねることにより構成されている。このような構成では、1ヘッド内ではノズル毎のインク重量のばらつきはそれほど大きくなく、異なるヘッド間でインク重量のばらつきが大きくなる傾向が見られる。そこで、前記所定数のノズルを、共通の前記ヘッドに属する1以上のノズルとすることにより、ヘッド間のインク重量のばらつきに起因する濃度ムラを的確に解消するような補正値を得ることができる。
本発明の態様の一つは、前記補正値算出工程は、前記測色値についての複数のプリンターに共通の基準値と前記測色値との差異に応じて前記補正値を算出する。
当該構成によれば、ライン型印刷ヘッドを備えるプリンター内におけるノズル毎のインク重量のばらつきに起因する濃度ムラを解消するだけでなく、プリンター間での色再現性のばらつきを解消するような補正値を得ることができる。
当該構成によれば、ライン型印刷ヘッドを備えるプリンター内におけるノズル毎のインク重量のばらつきに起因する濃度ムラを解消するだけでなく、プリンター間での色再現性のばらつきを解消するような補正値を得ることができる。
本発明の技術的思想は、上述したような補正値算出方法とは別の物や方法によって実現されてもよい。一例として、第一方向に並ぶ複数のノズルを有するライン型印刷ヘッドの当該ノズルから当該第一方向と交差する第二方向へ搬送される被印刷物へ液体を吐出させてテストパターンを印刷させる印刷制御部と、前記印刷されたテストパターンの測色値を取得する測色値取得部と、所定数の前記ノズルから前記液体が吐出される前記第二方向を向く領域に対応する画像データを補正するための補正値を、当該領域に対応する前記測色値に基づいて算出する補正値算出部とを備え、前記補正値は、前記画像データが規定する前記液体の量を減少させる補正値である印刷制御装置を、一つの発明として捉えることができる。
また、第一方向に並ぶ複数のノズルを有し当該第一方向と交差する第二方向へ搬送される被印刷物へ当該ノズルから液体を吐出可能なライン型印刷ヘッド、を備えるプリンターであって、前記ノズルから前記液体を前記被印刷物へ吐出させてテストパターンを印刷する印刷部と、前記印刷したテストパターンの測色値に基づいて算出された、所定数の前記ノズルから前記液体が吐出される前記第二方向を向く領域に対応する画像データを補正するための補正値、を保持する補正値保持部とを備え、前記補正値は、前記画像データが規定する前記液体の量を減少させる補正値であるプリンターを、一つの発明として捉えることができる。
さらに、上述した方法をハードウェア(印刷制御装置やプリンターが搭載するコンピューター)に実行させるプログラム、さらには当該プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体、等にて本発明が実現されてもよい。
さらに、上述した方法をハードウェア(印刷制御装置やプリンターが搭載するコンピューター)に実行させるプログラム、さらには当該プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体、等にて本発明が実現されてもよい。
本発明の実施形態を、以下の順序に従って説明する。
1.装置構成の概略
2.補正テーブルの算出
3.補正を伴う印刷制御処理の流れ
4.まとめ
5.その他
1.装置構成の概略
2.補正テーブルの算出
3.補正を伴う印刷制御処理の流れ
4.まとめ
5.その他
1.装置構成の概略
図1は、本実施形態にかかる印刷制御システム1の構成を概略的に示している。印刷制御システム1は、プリンター20と、プリンター20を制御するための印刷制御装置(制御装置10)とを含む。制御装置10は、プリンター20を制御するためのプログラムを搭載した装置であり、補正値算出方法の実行主体となる。制御装置10は、代表的にはデスクトップ型あるいはラップトップ型のパーソナルコンピューター(PC)であるが、タブレット型端末や移動型端末等であってもよい。印刷制御システム1は、測色装置50を含んでもよい。測色装置50は、画像が印刷された被印刷物を測色するための装置であり、測色計や画像読み取り装置(スキャナー)等が該当する。
図1は、本実施形態にかかる印刷制御システム1の構成を概略的に示している。印刷制御システム1は、プリンター20と、プリンター20を制御するための印刷制御装置(制御装置10)とを含む。制御装置10は、プリンター20を制御するためのプログラムを搭載した装置であり、補正値算出方法の実行主体となる。制御装置10は、代表的にはデスクトップ型あるいはラップトップ型のパーソナルコンピューター(PC)であるが、タブレット型端末や移動型端末等であってもよい。印刷制御システム1は、測色装置50を含んでもよい。測色装置50は、画像が印刷された被印刷物を測色するための装置であり、測色計や画像読み取り装置(スキャナー)等が該当する。
印刷制御システム1を構成する制御装置10やプリンター20等は、通信可能に接続された個別の装置であってもよいし、それらがまとまった一製品を構成していてもよい。例えば、プリンター20が、機体の一部に制御装置10を含むとしてもよい。この場合、印刷制御10を機体内に含むプリンター20自身が、印刷制御システム1や印刷制御装置に該当し、補正値算出方法の実行主体となる。また、プリンター20は、前記スキャナーをさらに含む複合機であってもよい。印刷制御システム1を、印刷制御装置と呼んでも良い。
印刷制御システム1は、さらに標準機40を含んでも良い。標準機40とは、プリンター20と同型のプリンターであり、プリンター20を対象とした補正の基準となる機体である。本実施形態の補正値算出方法では、プリンター20の色再現性を標準機40の色再現性と同等とさせるような補正テーブルTを算出する。補正テーブルTの算出は、プリンター20が出荷される前にメーカー側で行われてもよいし、出荷後のプリンター20を所有するユーザー側で行われてもよい。補正テーブルTの算出をプリンター20の出荷前に行う場合、補正テーブルTの算出に用いられる制御装置10とは別に、補正テーブルTが算出された後のプリンター20(出荷後のプリンター20)を制御するための制御装置がユーザー側に存在することとなる。以下では説明を簡単にするために、補正テーブルTの算出に用いられる制御装置だけでなく、補正テーブルTが算出された後のプリンター20を制御するための制御装置についても、制御装置10であると仮定する。
制御装置10では、演算処理の中枢をなすCPU12がシステムバスを介して制御装置10全体を制御する。当該バスには、ROM13、RAM14、各種インターフェース(I/F19a,19b等)が接続され、またハードディスクドライブ(HD DRV)15を介して記憶手段としてのハードディスク(HD)16が接続されている。HD16には、補正ターゲット値TG、測色値V、補正テーブルT等が記憶され得る。また、HD16には、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム、プリンタードライバーPD等が記憶され、これらプログラム類はCPU12によって適宜RAM14に読み出され実行される。なお、CPU12、ROM13、RAM14をまとめて制御部11と呼ぶ。I/F19aはプリンター20や標準機40と接続し、I/F19bは測色装置50と接続している。さらに制御装置10は、例えば液晶ディスプレーによって構成される表示部17や、例えばキーボードやマウスやタッチパッドやタッチパネルによって構成される操作部18等を備える。
図2は、制御部11がプリンタードライバーPDに従った処理をして実現する各機能を示している。図2によれば、制御部11は、印刷制御部F1、測色値取得部F2、補正値算出部F3、インク量データ補正部F4、等の各機能を有する。こられ各機能については後述する。
プリンター20(および標準機40。図1の説明において以下同様。)では、I/F25が制御装置10側のI/F19aと有線あるは無線により通信可能に接続し、かつ、制御部21等がシステムバスを介して接続されている。制御部21においては、CPU22が、ROM23等に記憶されたプログラム(ファームウェア)を適宜RAM24に読み出して所定の演算処理を実行する。制御部21は、印刷ヘッド26、ヘッド駆動部27、送り機構28の各部と接続して各部を制御する。
印刷ヘッド26は、複数種類のインク(例えば、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インク、ブラック(K)インク、等)毎の不図示のインクカートリッジから各種インクの供給を受ける。印刷ヘッド26は、各種インクに対応して設けられた複数のインク吐出孔(ノズル)からインク滴を噴射(吐出)可能である。むろん、プリンター20が使用する液体の具体的な種類や数は上述したものに限られず、例えば、ライトシアン、ライトマゼンダ、オレンジ、グリーン、グレー、ライトグレー、ホワイト、メタリック…等、種々のインクや液体を使用可能である。
図3は、印刷ヘッド26の一部を例示している。印刷ヘッド26は、長手方向(第一方向)に並ぶ複数のノズルNzを有するライン型印刷ヘッドである。つまり、プリンター20(および標準機40)は、ラインプリンターである。印刷ヘッド26は複数のヘッド29を有する。印刷ヘッド26は、複数のヘッド29の集合であることから、ヘッドユニット等と表現しても良い。個々のヘッド29は、互いに平行なノズル列を複数(図3の例では2列)有する。ノズル列は、第一方向に一定間隔で並ぶ複数のノズルNzにより構成されている。ヘッド29内の各ノズル列は、互いに第一方向にずれており、これにより、ヘッド29内の全ノズルNzが、第一方向に沿って等間隔に配置されている。図3において、第一方向に交差する第二方向は、送り機構28によって被印刷物が搬送される方向を示している。ここで言う「交差」とは基本的に直交を意味する。ただし本明細書において、印刷ヘッド26内外の各構成の方向や位置等について、平行、等間隔、直交、等と表現した場合であっても、それらは厳密な平行、等間隔、直交のみを意味するのではなく、製品性能上許容される程度の誤差や製品製造時に生じ得る程度の誤差も含む意味である。
図3では便宜上、複数のヘッド29を、ハッチングの有無や当該ハッチングによる線の密度や方向の違いによって複数のグループ(ヘッド群)に分けており、このようなヘッド群が異なるごとにノズルNzから吐出するインクが異なることを表現している。一例として図3では、複数のヘッド29は4つのヘッド群に分けられており、その結果、印刷ヘッド26は4色(例えば、C,M,Y,K)のインクを吐出可能となっている。ここで、便宜上、ヘッド列という言葉を定義する。ヘッド列とは、第一方向へ直線状に並ぶ複数のヘッド29からなる列を言う。1つのインク色に対応するヘッド群は、図3の例では、2つのヘッド列によって構成されている。より具体的には、1つのヘッド群において、一方のヘッド列に属するヘッド29と他方のヘッド列に属するヘッド29とが第一方向に沿って交互に配置される。このような配置により、1つのヘッド群内で、同色のインクを吐出するノズルNzが第一方向に沿って等間隔に存在することとなる。また、各ヘッド群は、少なくとも、被印刷物における印刷可能な領域の第一方向の幅に亘って、ノズルNzを等間隔に配設している。
図1に基づく説明に戻る。送り機構28は、制御部21に制御されて、不図示のローラー等によって被印刷物を所定の送り方向(第二方向)へ搬送する。被印刷物(print substrate)とは、印刷画像を保持する素材のことである。形状は長方形のものが一般的であるが、円形(例えばCD−ROM、DVD等の光ディスク)、三角形、四角形、多角形などがあり、少なくとも、日本工業規格「JIS P0001:1998 紙・板紙及びパルプ用語」に記載の紙・板紙の品種及び加工製品のすべてを含む。
ヘッド駆動部27は、制御部21がI/F25を介して制御装置10から取得した印刷データ(印刷データについては後述。)に基づいて、印刷ヘッド26の各ノズルNzに対応して設けられた圧電素子を駆動するための駆動電圧を生成する。ヘッド駆動部27は、当該駆動電圧を印刷ヘッド26へ出力する。これにより、印刷ヘッド26の各ノズルNzから、前記搬送された被印刷物へインク種類毎のインク滴が吐出される。吐出されたインク滴が被印刷物に付着し、被印刷物上にドットが形成されることで、被印刷物上に印刷データに基づく画像が再現される。
このようなライン型印刷ヘッド(印刷ヘッド26)を備えるプリンター20では、第一方向におけるノズル密度(1インチあたりのノズル数(npi))が第一方向における印刷解像度に相等する。また、第二方向における印刷解像度は、主に、送り機構28による被印刷物の搬送速度に依存する。さらに、プリンター20は、例えば液晶ディスプレーによって構成される表示部30や、例えばボタンやタッチパネル等によって構成される操作部31等を備える。また、プリンター20において、ノズルNzからインク滴を吐出させる手段は、前記圧電素子に限られず、発熱素子によりインクを加熱してノズルNzからインク滴を吐出させる構成を採用してもよい。
2.補正テーブルの算出
図4は、補正テーブル算出処理(補正値算出方法)をフローチャートにより示している。
ステップS100では、印刷制御部F1(図2)は、所定のテストパターンTPを表現するテストパターンデータに基づいて、プリンター20にテストパターンTPを被印刷物Sへ印刷させる。テストパターンデータは、各画素がインク量に相等する階調値(例えば、0〜255の256階調)を有するビットマップデータであり、予め用意されている。ステップS100は、テストパターンを印刷させる印刷制御工程に該当する。
図4は、補正テーブル算出処理(補正値算出方法)をフローチャートにより示している。
ステップS100では、印刷制御部F1(図2)は、所定のテストパターンTPを表現するテストパターンデータに基づいて、プリンター20にテストパターンTPを被印刷物Sへ印刷させる。テストパターンデータは、各画素がインク量に相等する階調値(例えば、0〜255の256階調)を有するビットマップデータであり、予め用意されている。ステップS100は、テストパターンを印刷させる印刷制御工程に該当する。
当該ステップS100では、印刷制御部F1が、テストパターンデータに、ハーフトーン処理(ハーフトーニング)を施す。ハーフトーン処理の具体的手法は特に問わない。印刷制御部F1は、例えば、予め規定されたディザマスクを用いたディザリングによりハーフトーン処理を実行してもよいし、誤差拡散法によりハーフトーン処理を実行してもよい。ハーフトーン処理により、画素毎にCMYKの各色インクの吐出(ドット形成)又は非吐出(ドット非形成)を規定したハーフトーンデータが生成される。ハーフトーンデータは、印刷データに該当する。印刷制御部F1は、生成した印刷データを、印刷ヘッド26に転送すべき順に並べ替える。当該並べ替えの処理により、印刷データが規定するインクのドットは、その画素位置およびインク色に応じて、いずれのノズルNzによって、どのタイミングで吐出されるかが確定される。かかる並べ替えの処理後の印刷データを、印刷制御部F1は、その他の印刷条件を規定した情報とともにI/F19aを介してプリンター20側へ送信する。これにより、プリンター20において、当該送信された印刷データに基づくテストパターンTPの印刷が行われる。
図5は、ステップS100において被印刷物Sに印刷されたテストパターンTPを例示している。図5に示すテストパターンTPは、プリンター20が使用するインク(例えば、CMYKの各インク)のうち1色のインク(例えば、Cインク)のみで印刷された単色のパターンである。このようなテストパターンTPは、第二方向と直交する方向が長手方向である帯領域を第二方向に沿って複数(図5の例では4つ)並べて有しており、帯領域のそれぞれは図5に示すように異なる濃度で印刷されている。つまり、1色のインクによるテストパターンTPを構成する複数の帯領域は、最低濃度(階調値0)から最高濃度(階調値255)の間における所定間隔の複数の濃度(階調値)で表現されている。テストパターンデータにおいて、1つの帯領域内の画素は全て、ある1つのインク色についての同じ階調値を有している。このようなテストパターンTPは、プリンター20が使用するインク色CMYK毎に印刷される。
図5には、第二方向を向く(第二方向を長手方向とする)領域であって、所定数m(m=1)のノズルNzで印刷される領域を符号Aにより例示している。例えば、図5に示したテストパターンTPがCインクで印刷されている場合、領域Aは、印刷ヘッド26内のCインクに対応するヘッド群に属するいずれかのノズルNzによって印刷されている。言い換えると、印刷ヘッド26によって印刷された画像は、ノズルNz毎の領域Aが束になって構成されている。
ステップS110では、測色値取得部F2(図2)が、ステップS100で印刷されたテストパターンTPの測色値を取得する。つまり、被印刷物Sに印刷されたテストパターンTPを測色装置50により測色させ、測色結果を測色装置50から入力する。例えば、測色装置50は、テストパターンTPを構成する各帯領域を、帯領域の長手方向に沿って所定の読取頻度で(かつ、第二方向における位置を変えて複数回)測色する。測色値取得部F2は、例えば、国際照明委員会(CIE)で規定されたCIE L*a*b*色空間のL*,a*,b*成分で表される色彩値を、測色値として入力する。ステップS110で取得したテストパターンTPの測色値を、便宜上、測色値Vと呼ぶ。むろん、測色値取得部F2は、プリンター20が使用するインク色毎に印刷された各テストパターンTPの測色値Vを取得する。測色値Vは、所定の記憶領域(例えば、HD16。図1参照。)に一旦保存される。ステップS110は、測色値取得工程に該当する。
図6は、1つのインク色によるテストパターンTPから得られた、帯領域毎(帯領域の階調値毎)の測色値Vをグラフにより例示している。図6に示すグラフは、縦軸を測色値V、横軸を位置P(1番目〜N番目の位置)としている。測色値V(および後述の補正ターゲット値TG)は、例えば、明度(L*)である。ただし、L*,a*,b*を線形加算して得た値等を測色値V(や補正ターゲット値TG)としてもよい。位置Pは、帯領域を測色した際の帯領域の長手方向に沿った読取位置であり、テストパターンTPのインク色に対応するヘッド群に属するノズルNzの第一方向における位置に相等する。1つの位置Pと1つの領域Aとは、一対一で対応している。図6に示す帯領域毎の測色値Vは、帯領域毎に複数回行われた測色の、位置P毎の平均値からなる。同じ帯領域に関して位置P毎の測色値Vが一定でないのは、ノズルNz毎のインク重量が一定でないことに起因している。
ステップS120では、補正値算出部F3(図2)が、前記第二方向を向く領域(領域A)に対応する画像データ(後述のインク量データ)を補正するための補正値(補正テーブルT)を、当該領域に対応する測色値Vに基づいて算出する。つまり、補正テーブルTは、位置P毎に算出される。ステップS120は補正値算出工程に該当する。
補正テーブルTの算出にあたり、補正値算出部F3は、補正ターゲット値TGを取得する。補正ターゲット値TGとは、前記テストパターンデータに基づくテストパターンTPを標準機40によって被印刷物Sに印刷させ、そのテストパターンTPを測色装置50に測色させることにより得られた測色値である。補正ターゲット値TGと測色値Vとをそれぞれ取得する工程の違いは、テストパターンTPの印刷に用いるプリンターが標準機40かプリンター20かの違いだけである。補正ターゲット値TGは、量産される多数のプリンター20毎に必要な補正テーブルTを生成する際に用いられる共通の値であり、特許請求の範囲における「基準値」に該当する。補正ターゲット値TGは予め測定されて所定の記憶領域(例えば、HD16)に保存されており、補正値算出部F3は、当該記憶領域から補正ターゲット値TGを読み出す。
補正値算出部F3は、補正ターゲット値TGと測色値Vとの差異に応じて、位置P毎の補正テーブルTを算出する。
図7は、一例として、プリンター20によりCインクで印刷されたテストパターンTPの測色値(測色値V)であって、Pn番目の位置Pn(図6)における測色値Vを、白丸でプロットしている。図7の横軸に示した階調値Cn1,Cn2,Cn3…は、テストパターンTPを表現するテストパターンデータにおける帯領域毎の階調値である。また、図7では、このような測色値Vを補間して得られる直線(あるいは曲線でも可)を実線L1にて例示している。
図7は、一例として、プリンター20によりCインクで印刷されたテストパターンTPの測色値(測色値V)であって、Pn番目の位置Pn(図6)における測色値Vを、白丸でプロットしている。図7の横軸に示した階調値Cn1,Cn2,Cn3…は、テストパターンTPを表現するテストパターンデータにおける帯領域毎の階調値である。また、図7では、このような測色値Vを補間して得られる直線(あるいは曲線でも可)を実線L1にて例示している。
ここで、図7において、ある1つの帯領域の階調値Cn2に対応する測色値Vが「Vn2」であるとする。また、標準機40によりCインクで印刷されたテストパターンTPの測色値(補正ターゲット値TG)であって、位置Pnにおける測色値(補正ターゲット値TG)のうち、前記階調値Cn2に対応する測色値(補正ターゲット値TG)が「TGn2」であるとする。この場合、補正値算出部F3は、プリンター20が補正ターゲット値TGn2と同等の色彩値を実現するために必要なCインクの階調値を、前記階調値Cn2の補正後の値として特定する。具体的には、補正ターゲット値TGn2を前記実線L1上で実現するための階調値Cn2´が、前記階調値Cn2の補正後の値となる。補正値算出部F3は、このような階調値の補正関係を、全ての帯領域の階調値Cn1,Cn2,Cn3…について特定し、さらに、帯領域の階調値Cn1,Cn2,Cn3…毎に特定した補正関係を、全階調0〜255に亘って補間する。
図8は、このような補間で得られた直線(あるいは曲線でも可)を実線L2にて例示している。実線L2は、位置PnにおけるCインクのための補正テーブルTに該当する。補正テーブルTは、全階調0〜255に亘る入力階調値と、補正後の階調値(出力階調値)とを対応付けたテーブルである。補正値算出部F3は、全ての位置P(1番目〜N番目)毎、且つ、プリンター20が使用するインク色CMYK毎に、同様に補正テーブルTを算出する。
ステップS130では、補正値算出部F3は、上述のようにステップS120で算出した補正テーブルTを、対応する位置Pやインク色の情報と紐付けて保存する。保存先は、制御装置10側の所定の記憶領域(例えば、HD16)やプリンター20側の所定の記憶領域(例えば、制御部21内のメモリー)である。以上で、補正テーブル算出処理が終了する。プリンター20側でこのように補正テーブルTを保持する手段は、補正値保持部に該当する。また、任意の画像(テストパターンTP等)の印刷のために稼働するプリンター20内の構成は、印刷部に該当する。
3.補正を伴う印刷制御処理の流れ
図9は、制御装置10がプリンタードライバーPDに従ってプリンター20に印刷を実行させる処理(印刷制御処理)をフローチャートにより示している。当該処理は、前記のように算出された補正テーブルTを用いた補正処理を伴う。
ステップS200では、印刷制御部F1(図2)は、ユーザーによって任意に選択された画像データを所定の入力元から取得する。つまりユーザーは、表示部17等に表示されたユーザーインターフェース画面(UI画面)を視認しながら操作部18等を操作することにより、印刷したい画像を表現した画像データを任意に選択することができる。画像データの入力元は特に限定されず、例えば、HD16、制御装置10に外部から挿入された不図示のメモリーカード等の他、制御装置10と通信可能に接続されたあらゆる画像入力装置が該当する。
図9は、制御装置10がプリンタードライバーPDに従ってプリンター20に印刷を実行させる処理(印刷制御処理)をフローチャートにより示している。当該処理は、前記のように算出された補正テーブルTを用いた補正処理を伴う。
ステップS200では、印刷制御部F1(図2)は、ユーザーによって任意に選択された画像データを所定の入力元から取得する。つまりユーザーは、表示部17等に表示されたユーザーインターフェース画面(UI画面)を視認しながら操作部18等を操作することにより、印刷したい画像を表現した画像データを任意に選択することができる。画像データの入力元は特に限定されず、例えば、HD16、制御装置10に外部から挿入された不図示のメモリーカード等の他、制御装置10と通信可能に接続されたあらゆる画像入力装置が該当する。
ステップS200で取得される画像データの形式は、例えば、ビットマップ形式であり、画素毎にR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各階調値を有している。また、印刷制御部F1は、取得した画像データがこのようなRGB表色系に対応していない場合、取得した画像データを当該表色系のデータに変換する。さらに、印刷制御部F1は、画像データに対して、プリンター20の印刷解像度(第一方向および第二方向の印刷解像度)に合わせるための解像度変換処理などを適宜施する。
ステップS210では、印刷制御部F1は、ステップS100後の画像データを対象として色変換処理を実行する。つまり、画像データの表色系を、プリンター20が印刷に使用するインク表色系に変換する。上述したように画像データが各画素の色をRGBで階調表現する場合、画素毎にRGBの階調値をCMYK毎の階調値に変換する。以下では、画素毎にCMYKの階調値で表現された画像データを「インク量データ」と呼ぶ。色変換処理は、任意の色変換ルックアップテーブルを参照することにより実行可能である。
ステップS220では、インク量データ補正部F4(図2)は、ステップS210で得られたインク量データを、補正テーブルTを用いて補正する。インク量データ補正部F4は、補正テーブルTを、印刷制御10側の所定の記憶領域(例えば、HD16)やプリンター20側の所定の記憶領域(例えば、制御部21内の所定のメモリー)から読み出すことができる。上述したように、補正テーブルTはプリンター20側にも保存されているため、補正テーブルTが算出された後のプリンター20を制御するための制御装置は、補正テーブルTの算出に用いられた制御装置と異なる場合であっても、確実に補正テーブルTを取得することができる。
図10は、ステップS220における補正処理の詳細をフローチャートにより示している。インク量データ補正部F4は、インク量データを構成する複数の画素から補正対象とする画素を1つ選択する(ステップS221)。次に、インク量データ補正部F4は、補正対象の画素が有するCMYK毎の階調値から補正対象とするインク色の階調値を1つ選択する(ステップS222)。次に、インク量データ補正部F4は、補正対象の画素の補正対象のインク色に対応する補正テーブルTを読み出し、当該読み出した補正テーブルTに、補正対象の画素の補正対象のインク色の階調値を入力することにより、当該入力したインク色の階調値を補正する(ステップS223)。
上述したように補正テーブルTは、位置P毎に生成されている。また、位置Pは、ビットマップデータであるインク量データの2軸方向(互いに直交するX,Y方向)のうち、前記第一方向に相等する方向(例えばX方向)における座標(X座標)と同義である。従って、前記ステップS223では、インク量データ補正部F4は、補正対象の画素のX座標に対応する位置Pにかかる補正テーブルTであって、補正対象のインク色に対応する補正テーブルTを読み出す。なお、インク量データ補正部F4は、位置PとX座標とを一対一で対応付けたテーブルを備え、該テーブルを参照して補正対象の画素のX座標に対応する位置Pにかかる補正テーブルTを読み出すとしてもよい。インク量データ内でX座標が同じである画素からなる画素列(前記第二方向に相等するY方向に並ぶ画素の列)は、前記第二方向を向く領域Aの1つに対応し、当該画素列内の同じインク色の階調値は、同じ補正テーブルTによって補正される。
インク量データ補正部F4は、補正対象とした画素が有する全インク色CMYKの階調値についてステップS223の補正を終えたか否か判定し(ステップS224)、補正を終えていないインク色がある場合には、ステップS222へ戻り、未補正のインク色にかかる階調値を新たに選択する。一方、全インク色CMYKの階調値についてステップS223の補正を終えた場合には、ステップS225へ進む。ステップS225では、インク量データ補正部F4は、インク量データを構成する全画素について補正を終えたか否か判定し、補正を終えていない画素がある場合には、ステップS221へ戻り、未補正の画素を新たに選択する。一方、全画素の補正を終えた場合には、当該補正処理を終える。
ステップS230(図9)では、印刷制御部F1は、上述の補正処理後のインク量データに、ハーフトーン処理を施し、ハーフトーンデータ(印刷データ)を生成する。
ステップS240では、印刷制御部F1は、ステップS230により生成された印刷データについて上述の並べ替えの処理を行い、並べ替えの処理後の印刷データをI/F19aを介してプリンター20側へ送信する。これにより、プリンター20において、当該送信された印刷データに基づく印刷(ステップS200で取得した画像データが表現する画像の印刷)が行われる。
ステップS240では、印刷制御部F1は、ステップS230により生成された印刷データについて上述の並べ替えの処理を行い、並べ替えの処理後の印刷データをI/F19aを介してプリンター20側へ送信する。これにより、プリンター20において、当該送信された印刷データに基づく印刷(ステップS200で取得した画像データが表現する画像の印刷)が行われる。
4.まとめ
このように本実施形態は、第一方向に並ぶ複数のノズルNzを有するライン型印刷ヘッド(印刷ヘッド26)を備えるプリンター20を使用することを前提とし、所定数m(m=1)のノズルNzから液体が吐出される第二方向を向く領域、に対応する画像データ(インク量データ)を補正するための補正値(補正テーブルT)を、当該領域に対応する測色値V(プリンター20が印刷したテストパターンTPの測色値)に基づいて算出し、プリンター20に保存するとした。つまり、印刷ヘッド26が有するノズルNz毎のインク重量にばらつきが存在する状態であっても、各ノズルNzが吐出するインク量を規定するインク量データが調整されることにより、ノズルNz毎に印刷される前記領域A毎の色の差異が抑制される。この結果、ライン型印刷ヘッドを備えるプリンターにおいて顕著であった印刷結果の濃度ムラが抑制される。
このように本実施形態は、第一方向に並ぶ複数のノズルNzを有するライン型印刷ヘッド(印刷ヘッド26)を備えるプリンター20を使用することを前提とし、所定数m(m=1)のノズルNzから液体が吐出される第二方向を向く領域、に対応する画像データ(インク量データ)を補正するための補正値(補正テーブルT)を、当該領域に対応する測色値V(プリンター20が印刷したテストパターンTPの測色値)に基づいて算出し、プリンター20に保存するとした。つまり、印刷ヘッド26が有するノズルNz毎のインク重量にばらつきが存在する状態であっても、各ノズルNzが吐出するインク量を規定するインク量データが調整されることにより、ノズルNz毎に印刷される前記領域A毎の色の差異が抑制される。この結果、ライン型印刷ヘッドを備えるプリンターにおいて顕著であった印刷結果の濃度ムラが抑制される。
また本実施形態では、補正の基準となる補正ターゲット値TGは、量産される複数のプリンター20それぞれの補正に共通使用される基準値である。そのため、各プリンター20について補正テーブルTを算出したとき、それら補正テーブルTは、1台のプリンター20が有するノズルNz間のインク重量のばらつきに起因する濃度ムラを解消させるだけでなく、プリンター20間の印刷結果のばらつきをも解消させるものである。
ここで、図8に示す2点鎖線は、補正テーブルTの入力階調値=出力階調値、を示す傾き「1」の直線である。図8から判るように、補正テーブルTが規定する補正後の値(出力階調値)は、補正前の値(入力階調値)よりも低い値となっている。このような構成により、補正前の値を実質的に補正できないという事態を回避している。つまり、仮に補正テーブルTが、入力値を増加させる特性を有する場合、入力値が最大値255や最大値255に近い値であると、補正後の値も最大値255を超える値は採り得ないため、補正後の値は補正前と変らないか殆ど変らない。そのため、本来必要な程度の補正(プリンター20の色再現性を標準機40の色再現性に近似させるために必要な補正)ができないことがある。一方、補正テーブルTが、入力値を減少させる特性を有していれば、入力値が最大値255や最大値255に近い値である場合にも、確実に必要な程度の補正が実行される。
そこで、上述したように、補正テーブルTはインク量データの値を減少させるとしている。このような補正テーブルTを実現するには、標準機40は、ノズルNzが吐出するインク滴のインク重量が、量産されるプリンター20の中で当該インク重量が最も少ない部類のプリンター20と同程度となるように設定されている。かかる設定とすることで、あるプリンター20について補正テーブル算出処理(図4)を行った際、必ず、入力されたインク量データの値を減少させる補正を行う補正テーブルT(プリンター20の色再現性を標準機40の色再現性に近似させるために必要な補正を実現できる補正テーブルT)が得られる。
5.その他
これまでは、前記所定数m=1である場合を例に説明を行ったが、所定数mは1より多い数であってもよい。つまり、ヘッド群内の1本のノズルNzで印刷される領域Aよりも広い(第一方向に太い)領域毎に補正テーブルTを生成するとしてもよい。具体的には、ステップS120(図4)では、補正値算出部F3は、共通のヘッド29内で第一方向に連続して並ぶm(m>1)本のノズルNzで印刷される領域毎の測色値Vの平均値と、補正ターゲット値TGとの比較に基づいて、当該領域に対応する画像データ(インク量データ)を補正するための補正テーブルTを算出する。ただし、1つのヘッド29内で第一方向に並ぶノズルNz数の最大値をMとした場合、所定数mはM以下とする。すなわち本実施形態では、所定数mのノズルNzと言った場合、共通のヘッド29内で第一方向に連続する1以上のノズルNzを意味する。
これまでは、前記所定数m=1である場合を例に説明を行ったが、所定数mは1より多い数であってもよい。つまり、ヘッド群内の1本のノズルNzで印刷される領域Aよりも広い(第一方向に太い)領域毎に補正テーブルTを生成するとしてもよい。具体的には、ステップS120(図4)では、補正値算出部F3は、共通のヘッド29内で第一方向に連続して並ぶm(m>1)本のノズルNzで印刷される領域毎の測色値Vの平均値と、補正ターゲット値TGとの比較に基づいて、当該領域に対応する画像データ(インク量データ)を補正するための補正テーブルTを算出する。ただし、1つのヘッド29内で第一方向に並ぶノズルNz数の最大値をMとした場合、所定数mはM以下とする。すなわち本実施形態では、所定数mのノズルNzと言った場合、共通のヘッド29内で第一方向に連続する1以上のノズルNzを意味する。
このような構成によれば、生成される補正テーブルTは、最多でヘッド群内で第一方向に並ぶノズルNzの数×プリンター20が使用するインク色数となり、最少でヘッド群内で第一方向に並ぶヘッド29の数×該インク色数となる。特に、ノズルNz毎のインク重量のばらつきは、同じヘッド29内では少ない一方で、異なるヘッド29間で大きくなる傾向が見られる。従って、ヘッド29が対応する領域毎の補正テーブルT(かつインク色毎の補正テーブルT)を生成することにより、できるだけ少ない補正テーブル数で、異なるヘッド29で印刷される領域間で特に目立つ濃度ムラを解消し、かつ、他のプリンター20との間での印刷結果のばらつきを解消することができる。
なお、図3に例示した印刷ヘッド26では、ヘッド群を構成する各ヘッド29は、第一方向の両端あるいは一端で、他のヘッド29の端部と一部重なって配置されている。図3の例では、このようにヘッド29の端部が重なる範囲(オーバーラップ範囲)を第二方向に沿って見たとき、ヘッド群内で2本のノズルNzが重なっている。しかし本実施形態では、オーバーラップ範囲の位置に対応して生成された印刷データは、上述した並べ替えの処理の際に、当該重なる2本のノズルNzのいずれかへ所定の比率で割り振られる。従って、これまで説明した補正テーブルTの生成処理やインク量データの補正処理に関しては、オーバーラップ範囲の存在を特に考慮せず、オーバーラップ範囲内の当該重なる2本のノズルNzを1本と見なして差し支えない。
1…印刷制御システム、10…制御装置、11…制御部、12…CPU、13…ROM、14…RAM、15…HD DRV、16…HD、17…表示部、18…操作部、19a,19b…I/F、20…プリンター、21…制御部、22…CPU、23…ROM、24…RAM、25…I/F、26…印刷ヘッド、27…ヘッド駆動部、28…送り機構、29…ヘッド、30…表示部、31…操作部、40…標準機、50…測色装置、F1…印刷制御部、F2…測色値取得部、F3…補正値算出部、F4…インク量データ補正部、Nz…ノズル、PD…プリンタードライバー、S…被印刷物、T…補正テーブル、TG…補正ターゲット値、TP…テストパターン、V…測色値
Claims (5)
- 第一方向に並ぶ複数のノズルを有するライン型印刷ヘッドの当該ノズルから当該第一方向と交差する第二方向へ搬送される被印刷物へ液体を吐出させてテストパターンを印刷させる印刷制御工程と、
前記印刷されたテストパターンの測色値を取得する測色値取得工程と、
所定数の前記ノズルから前記液体が吐出される前記第二方向を向く領域に対応する画像データを補正するための補正値を、当該領域に対応する前記測色値に基づいて算出する補正値算出工程とを備え、
前記補正値は、前記画像データが規定する前記液体の量を減少させる補正値である、ことを特徴とする補正値算出方法。 - 前記印刷制御工程では、前記第一方向に並ぶ複数のノズルからなるノズル列を有するヘッドを前記第一方向に複数並べた構成のライン型印刷ヘッドを用い、
前記所定数のノズルとは、共通の前記ヘッドに属する1以上のノズルであることを特徴とする請求項1に記載の補正値算出方法。 - 前記補正値算出工程は、前記測色値についての複数のプリンターに共通の基準値と前記測色値との差異に応じて前記補正値を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の補正値算出方法。
- 第一方向に並ぶ複数のノズルを有するライン型印刷ヘッドの当該ノズルから当該第一方向と交差する第二方向へ搬送される被印刷物へ液体を吐出させてテストパターンを印刷させる印刷制御部と、
前記印刷されたテストパターンの測色値を取得する測色値取得部と、
所定数の前記ノズルから前記液体が吐出される前記第二方向を向く領域に対応する画像データを補正するための補正値を、当該領域に対応する前記測色値に基づいて算出する補正値算出部とを備え、
前記補正値は、前記画像データが規定する前記液体の量を減少させる補正値である、ことを特徴とする印刷制御装置。 - 第一方向に並ぶ複数のノズルを有し当該第一方向と交差する第二方向へ搬送される被印刷物へ当該ノズルから液体を吐出可能なライン型印刷ヘッド、を備えるプリンターであって、
前記ノズルから前記液体を前記被印刷物へ吐出させてテストパターンを印刷する印刷部と、
前記印刷したテストパターンの測色値に基づいて算出された、所定数の前記ノズルから前記液体が吐出される前記第二方向を向く領域に対応する画像データを補正するための補正値、を保持する補正値保持部とを備え、
前記補正値は、前記画像データが規定する前記液体の量を減少させる補正値である、ことを特徴とするプリンター。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2013249859A JP2015104921A (ja) | 2013-12-03 | 2013-12-03 | 補正値算出方法、印刷制御装置およびプリンター |
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Publications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020066197A (ja) * | 2018-10-26 | 2020-04-30 | セイコーエプソン株式会社 | 記録制御装置、記録装置および記録制御方法 |
JP2021030472A (ja) * | 2019-08-16 | 2021-03-01 | 株式会社Screenホールディングス | 色合わせ方法および色合わせプログラム |
-
2013
- 2013-12-03 JP JP2013249859A patent/JP2015104921A/ja active Pending
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