JP2009147387A - 多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 下層導体回路の上面と側面とが異なる粗化面を有することに起因する樹脂部分のクラックの発生を防止することができる、信頼性の高い多層プリント配線板を提供すること。
【解決手段】 内部に樹脂が充填されたスルーホールが設けられるとともに、表面が粗化された下層導体回路が両面に設けられた基板上に、さらに層間樹脂絶縁層及び表面が粗化された上層導体回路が順次積層形成されてなるビルドアップ多層プリント配線板において、前記下層導体回路の上面と側面とが同種類の粗化方法により粗化されていることを特徴とする多層プリント配線板である。
【選択図】 図3
【解決手段】 内部に樹脂が充填されたスルーホールが設けられるとともに、表面が粗化された下層導体回路が両面に設けられた基板上に、さらに層間樹脂絶縁層及び表面が粗化された上層導体回路が順次積層形成されてなるビルドアップ多層プリント配線板において、前記下層導体回路の上面と側面とが同種類の粗化方法により粗化されていることを特徴とする多層プリント配線板である。
【選択図】 図3
Description
本発明は、樹脂絶縁層のクラックの発生を防止することができる構造の導体回路を有する配線基板およびプリント配線板に関する。
近年、多層配線板の高密度化の要請から、いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼ばれる多層プリント配線板が注目されている。
この多層ビルドアップ配線基板は、コアと呼ばれる100〜1000μm程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、銅等による配線層と層間樹脂絶縁層とが交互に積層され、コアを挟んだ配線層同士はスルーホールにより、また、層間樹脂絶縁層を挟んだ配線層はバイアホールにより、それぞれ電気的に接続されて構成されている。
この多層ビルドアップ配線基板は、コアと呼ばれる100〜1000μm程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、銅等による配線層と層間樹脂絶縁層とが交互に積層され、コアを挟んだ配線層同士はスルーホールにより、また、層間樹脂絶縁層を挟んだ配線層はバイアホールにより、それぞれ電気的に接続されて構成されている。
特許文献1等には、このような多層ビルドアップ配線基板を製造する方法が記載されている。
これらの公報によれば、まず、銅張積層板にスルーホールおよび導体回路を形成した後、スルーホールの内壁および導体回路表面を黒化−還元処理により粗化処理し、スルーホール内や導体回路間等に樹脂を充填した後、樹脂充填層を含む基板表面に研磨処理を施して樹脂充填層および導体回路を平坦化するとともに、樹脂充填層上面と導体回路上面とを同一平面化する。
これらの公報によれば、まず、銅張積層板にスルーホールおよび導体回路を形成した後、スルーホールの内壁および導体回路表面を黒化−還元処理により粗化処理し、スルーホール内や導体回路間等に樹脂を充填した後、樹脂充填層を含む基板表面に研磨処理を施して樹脂充填層および導体回路を平坦化するとともに、樹脂充填層上面と導体回路上面とを同一平面化する。
この後、層間樹脂絶縁層等との密着性を向上させるために、導体回路に黒化−還元処理とは異なる粗化処理を施した後、この導体回路と樹脂充填層の上に層間樹脂絶縁層を設け、バイアホール用貫通孔を形成するとともに、この層間樹脂絶縁層上にバイアホールを有する上層導体回路を形成していた。
上記製造方法により多層プリント配線板を製造する際に、スルーホールの内壁には大きな応力は発生せず、層間樹脂絶縁層を粗化するために用いられる粗化液とも接触しにくいため、上記黒化−還元処理により粗化面を形成すれば、内部に充填された樹脂を充分に保持することができ、樹脂充填剤にクラック等の発生もない。
一方、下層導体回路の表面は、製造過程において各種粗化液と接触したり、熱履歴等により応力が発生したり、その上に層間樹脂絶縁層やバイアホールが形成されるため、より強固な粗化方法(例えば、Cu−Ni−P合金からなる針状または多孔質状めっき、有機酸と第二銅錯体による酸素共存下でのエッチング処理)が必要とされていた。
しかしながら、このような方法で製造した多層プリント配線板では、導体回路の側面と上面とで粗化方法が異なっているため、ヒートサイクル時に導体回路の上面と側面とで膨張や収縮の程度や方向が異なる。
従って、これに伴って導体回路と接触している樹脂の膨張や収縮が側面近傍と上面近傍とで異なることとなり、このような膨張や収縮の程度の差に起因して境界部分の樹脂に大きな応力が発生し、境界部分の層間樹脂絶縁層にクラックが発生することがあった。
従って、これに伴って導体回路と接触している樹脂の膨張や収縮が側面近傍と上面近傍とで異なることとなり、このような膨張や収縮の程度の差に起因して境界部分の樹脂に大きな応力が発生し、境界部分の層間樹脂絶縁層にクラックが発生することがあった。
また、このような従来の方法では、スルーホール内と導体回路間とに樹脂を充填した後、樹脂充填層を研磨除去するとともに、導体回路の上部も研磨除去し、導体回路上面と樹脂充填層上面とを同一平面とするため、研磨工程が複雑化し、導体回路の研磨の際に発生した金属の破片が樹脂充填層に突き刺さり、導体回路間のショートが発生する等の事故も発生しやすかった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、下層導体回路の上面と側面とが異なる粗化面を有することに起因する樹脂部分のクラックの発生を防止することができる、信頼性の高い多層プリント配線板、および、より簡略化された方法により上記多層プリント配線板を安価に製造することができる多層プリント配線板の製造方法を提供することにある。
発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究した結果、以下に示す内容を要旨構成とする発明に想到した。
即ち、本発明の多層プリント配線板は、内部に樹脂が充填されたスルーホールが設けられるとともに、表面が粗化された下層導体回路が両面に設けられた基板上に、さらに層間樹脂絶縁層及び表面が粗化された上層導体回路が順次積層形成されてなるビルドアップ多層プリント配線板において、
上記下層導体回路の上面と側面とが同種類の粗化方法により粗化されていることを特徴とする。
即ち、本発明の多層プリント配線板は、内部に樹脂が充填されたスルーホールが設けられるとともに、表面が粗化された下層導体回路が両面に設けられた基板上に、さらに層間樹脂絶縁層及び表面が粗化された上層導体回路が順次積層形成されてなるビルドアップ多層プリント配線板において、
上記下層導体回路の上面と側面とが同種類の粗化方法により粗化されていることを特徴とする。
上記多層プリント配線板において、上記下層導体回路の厚さは、30μm以下であることが望ましい。
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、金属層が形成された基板にスルーホール用貫通孔を形成し、
上記スルーホール用貫通孔の内壁を含む基板表面に金属層を形成してスルーホールを設け、
上記スルーホールの内壁を含む基板表面を粗化し、
粗化されたスルーホールの内部に樹脂を充填した後、基板表面を平滑化し、
平滑化された基板表面の金属層をエッチング処理して下層導体回路を形成し、
形成された上記下層導体回路の上面および側面を同時に粗化処理し、
粗化処理された下層導体回路を含む基板面に層間樹脂絶縁層と上層導体回路とを順次積層形成することを特徴とする。
上記スルーホール用貫通孔の内壁を含む基板表面に金属層を形成してスルーホールを設け、
上記スルーホールの内壁を含む基板表面を粗化し、
粗化されたスルーホールの内部に樹脂を充填した後、基板表面を平滑化し、
平滑化された基板表面の金属層をエッチング処理して下層導体回路を形成し、
形成された上記下層導体回路の上面および側面を同時に粗化処理し、
粗化処理された下層導体回路を含む基板面に層間樹脂絶縁層と上層導体回路とを順次積層形成することを特徴とする。
本発明の多層プリント配線板の製造方法においては、スルーホール用貫通孔を形成する前に、金属層が形成された基板をエッチング処理することにより、上記金属層の厚さを1〜10μmに調整することが望ましい。
また、上記多層プリント配線板の製造方法においては、層間樹脂絶縁層を形成した後、上記層間樹脂絶縁層が形成された基板をプレス処理することにより、上記層間樹脂絶縁層の表面を平坦化することが望ましい。
本発明の多層プリント配線板によれば、下層導体回路の上面と側面とが異なる粗化面を有することに起因する樹脂部分のクラックの発生を防止することができる、信頼性の高い多層プリント配線板を提供することができる。
また、本発明の多層プリント配線板の製造方法によれば、簡略化された工程により、信頼性の高い多層プリント配線板を安価に製造することができる。
本発明の多層プリント配線板は、内部に樹脂が充填されたスルーホールが設けられるとともに、表面が粗化された下層導体回路が両面に設けられた基板上に、さらに層間樹脂絶縁層及び表面が粗化された上層導体回路が順次積層形成されてなるビルドアップ多層プリント配線板において、
上記下層導体回路の上面と側面とが同種類の粗化方法により粗化されていることを特徴とする。
上記下層導体回路の上面と側面とが同種類の粗化方法により粗化されていることを特徴とする。
このような本発明の構成によれば、下層導体回路の上面と側面とが同種類の粗化方法により粗化されているので、ヒートサイクル時にも、上記下層導体回路の上面の近傍に存在する樹脂と側面の近傍に存在する樹脂とで、膨張、収縮の程度は殆ど異ならないため、樹脂に大きな応力は発生せず、従って、下層導体回路に接する層間樹脂絶縁層にクラックが発生することはない。
上記多層プリント配線板において、下層導体回路上に形成する層間樹脂絶縁層上面の平坦性を保つためには、上記下層導体回路の厚さが薄い方が望ましく、そのの厚さは、具体的には、30μm以下であることが望ましい。
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、金属層が形成された基板にスルーホール用貫通孔を形成し、上記スルーホール用貫通孔の内壁を含む基板表面に金属層を形成してスルーホールを設け、上記スルーホールの内壁を含む基板表面を粗化し、粗化されたスルーホールの内部に樹脂を充填した後、基板表面を平滑化し、平滑化された基板表面の金属層をエッチング処理して下層導体回路を形成し、形成された上記下層導体回路の上面および側面を同時に粗化処理し、粗化処理された下層導体回路を含む基板面に層間樹脂絶縁層と上層導体回路とを順次積層形成することを特徴とする。
このような本発明の構成によれば、より簡略化された方法により、信頼性の高い上記多層プリント配線板を安価に製造することができる。
このような本発明の構成によれば、より簡略化された方法により、信頼性の高い上記多層プリント配線板を安価に製造することができる。
以下、本発明の多層プリント配線板を製造する方法について説明する。
(1) まず、スルーホールが形成され、かつ、基板の両面全体に金属層が形成された基板を作製する。
通常は、銅張積層板等の金属層が形成された基板にスルーホール用貫通孔を形成した後、無電解めっきを施すことによりスルーホールを形成するが、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、セラミック基板などの基板に無電解めっき用接着剤層を形成し、スルーホール用貫通孔を形成した後、この無電解めっき用接着剤層表面を粗化して粗化面とし、その後、無電解めっきを施す方法等を用いることもできる。
銅張積層板を用いた場合、無電解めっきにより表面の導体層も厚くなるので、無電解めっきを施す前に、エッチングにより導体層の厚さを1〜10μm程度に薄くしておくことが望ましい。
(1) まず、スルーホールが形成され、かつ、基板の両面全体に金属層が形成された基板を作製する。
通常は、銅張積層板等の金属層が形成された基板にスルーホール用貫通孔を形成した後、無電解めっきを施すことによりスルーホールを形成するが、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、セラミック基板などの基板に無電解めっき用接着剤層を形成し、スルーホール用貫通孔を形成した後、この無電解めっき用接着剤層表面を粗化して粗化面とし、その後、無電解めっきを施す方法等を用いることもできる。
銅張積層板を用いた場合、無電解めっきにより表面の導体層も厚くなるので、無電解めっきを施す前に、エッチングにより導体層の厚さを1〜10μm程度に薄くしておくことが望ましい。
(2) 上記(1) の工程の後、スルーホール内の導体層を粗化する。
上記粗化方法は特に限定されるものではなく、例えば、エッチング処理、黒化還元処理、めっき処理等が挙げられるが、スルーホール内の粗化は、余り凹凸の高さの高い粗化面を形成する必要はないので、上記黒化還元処理等を用いて粗化面を形成することができる。
上記粗化方法は特に限定されるものではなく、例えば、エッチング処理、黒化還元処理、めっき処理等が挙げられるが、スルーホール内の粗化は、余り凹凸の高さの高い粗化面を形成する必要はないので、上記黒化還元処理等を用いて粗化面を形成することができる。
上記黒化還元処理を行う際には、NaOH(20g/l)、NaClO2(50g/l)、Na3PO4(15.0g/l)を含む水溶液からなる黒化浴(酸化浴)、および、NaOH(2.7g/l)、NaBH4(1.0g/l)を含む水溶液からなる還元浴を用いて粗化面を形成する方法が望ましい。
(3) 上記粗化処理の後、スルーホール内に樹脂充填材を充填し、乾燥させた後、基板の両面の平坦化を行い、続いてエッチングにより導体回路を形成する。
スルーホール内を充填するために用いる樹脂充填材は、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等を主成分とする余り粘度の高くないものが挙げられる。
スルーホール内を充填するために用いる樹脂充填材は、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等を主成分とする余り粘度の高くないものが挙げられる。
基板表面の導体層の平坦化は、研磨処理により行うことができ、下層導体回路は、表面に導体回路パターン状のエッチングレジストを形成した後、エッチングを行うことにより形成することができる。
この工程により形成される導体回路の厚さは、従来のものに比べて薄くすることが望ましく、30μm以下が望ましい。層間樹脂絶縁層を形成する場合に、導体回路が形成された部分とそうでない部分との間で凹凸が余り大きくならないようにするためである。
この工程により形成される導体回路の厚さは、従来のものに比べて薄くすることが望ましく、30μm以下が望ましい。層間樹脂絶縁層を形成する場合に、導体回路が形成された部分とそうでない部分との間で凹凸が余り大きくならないようにするためである。
(4) 上記(3) の工程の後、基板上に形成された導体回路に粗化処理を施し、粗化面または粗化層を形成する。
上記粗化面または粗化層は、研磨処理、エッチング処理、黒化還元処理およびめっき処理のうちのいずれかの方法により形成されることが望ましい。
上記粗化面または粗化層は、研磨処理、エッチング処理、黒化還元処理およびめっき処理のうちのいずれかの方法により形成されることが望ましい。
上記めっき処理により粗化層を形成する際には、硫酸銅(1〜40g/l)、硫酸ニッケル(0.1〜6.0g/l)、クエン酸(10〜20g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10〜100g/l)、ホウ酸(10〜40g/l)、界面活性剤(日信化学工業社製、サーフィノール465)(0.01〜10g/l)を含むpH=9の無電解めっき浴にて無電解めっきを施し、Cu−Ni−P合金からなる粗化層を形成する方法が望ましい。
この範囲で析出する被膜の結晶構造は針状構造になるため、アンカー効果に優れるからである。この無電解めっき浴には上記化合物に加えて錯化剤や添加剤を加えてもよい。
この範囲で析出する被膜の結晶構造は針状構造になるため、アンカー効果に優れるからである。この無電解めっき浴には上記化合物に加えて錯化剤や添加剤を加えてもよい。
上記黒化還元処理を行う際には、上記(2) の工程において、スルーホール内に粗化面を形成した際の条件と同様の条件を用いることができる。
上記エッチング処理の方法としては、第二銅錯体および有機酸からなるエッチング液を酸素共存化で作用させる方法が挙げられる。この場合、上記エッチング液をスプレーすることにより導体回路に粗化面を形成する方法が望ましい。
この場合、下記の式(1)および式(2)の化学反応によりエッチングが進行する。
この場合、下記の式(1)および式(2)の化学反応によりエッチングが進行する。
上記第二銅錯体としては、アゾール類の第二銅錯体が望ましい。このアゾール類の第二銅錯体は、金属銅等を酸化する酸化剤として作用する。アゾール類としては、例えば、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾールが挙げられる。これらのなかでも、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール等が望ましい。上記エッチング液中のアゾール類の第二銅錯体の含有量は、1〜15重量%が望ましい。溶解性および安定性に優れ、また、触媒核を構成するPdなどの貴金属をも溶解させることができるからである。
また、酸化銅を溶解させるために、有機酸をアゾール類の第二銅錯体に配合する。上記有機酸の具体例としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、安息香酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、スルファミン酸等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エッチング液中の有機酸の含有量は、0.1〜30重量%が望ましい。酸化された銅の溶解性を維持し、かつ溶解安定性を確保することができるからである。
上記式(2)に示したように、発生した第一銅錯体は、酸の作用で溶解し、酸素と結合して第二銅錯体となって、再び銅の酸化に寄与する。
上記式(2)に示したように、発生した第一銅錯体は、酸の作用で溶解し、酸素と結合して第二銅錯体となって、再び銅の酸化に寄与する。
銅の溶解やアゾール類の酸化作用を補助するために、ハロゲンイオン、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン等を上記エッチング液に加えてもよい。また、塩酸、塩化ナトリウム等を添加することにより、ハロゲンイオンを供給することができる。エッチング液中のハロゲンイオンの含有量は、0.01〜20重量%が望ましい。形成された粗化面と層間樹脂絶縁層との密着性に優れるからである。
エッチング液を調製する際には、アゾール類の第二銅錯体と有機酸(必要に応じてハロゲンイオンを有するものを使用)を、水に溶解する。また、上記エッチング液として、市販のエッチング液、例えば、メック社製、商品名「メック エッチボンド」を使用する。上記エッチング液を用いた場合のエッチング量は0.1〜10μmが望ましく、1〜5μmがより望ましい。エッチング量が10μmを超えると、形成された粗化面とバイアホール導体との接続不良を起こし、一方、エッチング量が0.1μm未満では、その上に形成する層間樹脂絶縁層との密着性が不充分となるからである。
上記方法により形成される粗化面は、イオン化傾向が銅より大きくチタン以下である金属または貴金属の層(以下、金属層という)で被覆されていてもよい。このような金属としては、例えば、チタン、アルミニウム、亜鉛、鉄、インジウム、タリウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、ビスマスなどが挙げられる。また、貴金属としては、例えば、金、銀、白金、パラジウムなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用して複数の層を形成してもよい。
これらの金属層は粗化層を被覆し、層間樹脂絶縁層を粗化処理しても局部電極反応を防止して導体回路の溶解を防止する。これらの金属の厚さは0.1〜2μmが望ましい。
上記金属層を構成する金属のなかでは、スズが望ましい。スズは無電解置換めっきにより薄い層を形成することができ、粗化層に追従することができるたらである。
スズからなる金属層を形成する場合は、ホウフッ化スズ−チオ尿素を含む溶液、または、塩化スズ−チオ尿素を含む溶液を使用して置換めっきを行う。この場合、Cu−Snの置換反応により、0.1〜2μm程度のSn層が形成される。
貴金属からなる金属層を形成する場合は、スパッタや蒸着などの方法を採用することができる。
スズからなる金属層を形成する場合は、ホウフッ化スズ−チオ尿素を含む溶液、または、塩化スズ−チオ尿素を含む溶液を使用して置換めっきを行う。この場合、Cu−Snの置換反応により、0.1〜2μm程度のSn層が形成される。
貴金属からなる金属層を形成する場合は、スパッタや蒸着などの方法を採用することができる。
(5) 上記のようにして形成した粗化面を有する導体回路を含む基板面に有機溶剤を含む粗化面形成用樹脂組成物を塗布、乾燥して粗化面形成用樹脂組成物の層を設ける。
上記粗化面形成用樹脂組成物は、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質が分散されたものが望ましい。
なお、本発明で使用する「難溶性」「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
なお、本発明で使用する「難溶性」「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、例えば、熱硬化性樹脂や熱硬化性樹脂(熱硬化基の一部を感光化したものも含む)と熱可塑性樹脂との複合体などを使用することができる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂を感光化する場合は、メタクリル酸やアクリル酸などを用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させる。特にエポキシ樹脂の(メタ)アクリレートが最適である。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などを使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミドなどを使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミドなどを使用することができる。
上記酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質は、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子、ゴム粒子、液相樹脂および液相ゴムから選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、ドロマイトなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アルミナ粒子は、フッ酸で溶解除去することができ、炭酸カルシウムは塩酸で溶解除去することができる。また、ナトリウム含有シリカやドロマイトはアルカリ水溶液で溶解除去することができる。
上記アルミナ粒子は、フッ酸で溶解除去することができ、炭酸カルシウムは塩酸で溶解除去することができる。また、ナトリウム含有シリカやドロマイトはアルカリ水溶液で溶解除去することができる。
上記樹脂粒子としては、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂など)、エポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂など挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記エポキシ樹脂は、酸や酸化剤に溶解するものや、これらに難溶解性のものを、オリゴマーの種類や硬化剤を選択することにより任意に製造することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂をアミン系硬化剤で硬化させた樹脂はクロム酸に非常によく溶けるが、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂をイミダゾール硬化剤で硬化させた樹脂は、クロム酸には溶解しにくい。
なお、上記エポキシ樹脂は、酸や酸化剤に溶解するものや、これらに難溶解性のものを、オリゴマーの種類や硬化剤を選択することにより任意に製造することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂をアミン系硬化剤で硬化させた樹脂はクロム酸に非常によく溶けるが、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂をイミダゾール硬化剤で硬化させた樹脂は、クロム酸には溶解しにくい。
上記樹脂粒子は予め硬化処理されていることが必要である。硬化させておかないと上記樹脂粒子が樹脂マトリックスを溶解させる溶剤に溶解してしまうため、均一に混合されてしまい、酸や酸化剤で樹脂粒子のみを選択的に溶解除去することができないからである。
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウムなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム粒子としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリルゴム、多硫系剛性ゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ABS樹脂などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記液相樹脂としては、上記熱硬化性樹脂の未硬化溶液を使用することができ、このような液相樹脂の具体例としては、例えば、未硬化のエポキシオリゴマーとアミン系硬化剤の混合液などが挙げられる。
上記液相ゴムとしては、例えば、上記ゴムの未硬化溶液などを使用することができる。
上記液相ゴムとしては、例えば、上記ゴムの未硬化溶液などを使用することができる。
上記液相樹脂や液相ゴムを用いて上記感光性樹脂組成物を調製する場合には、耐熱性樹脂マトリックスと可溶性の物質が均一に相溶しない(つまり相分離するように)ように、これらの物質を選択する必要がある。
上記基準により選択された耐熱性樹脂マトリックスと可溶性の物質とを混合することにより、上記耐熱性樹脂マトリックスの「海」の中に液相樹脂または液相ゴムの「島」が分散している状態、または、液相樹脂または液相ゴムの「海」の中に、耐熱性樹脂マトリックスの「島」が分散している状態の感光性樹脂組成物を調製することができる。
上記基準により選択された耐熱性樹脂マトリックスと可溶性の物質とを混合することにより、上記耐熱性樹脂マトリックスの「海」の中に液相樹脂または液相ゴムの「島」が分散している状態、または、液相樹脂または液相ゴムの「海」の中に、耐熱性樹脂マトリックスの「島」が分散している状態の感光性樹脂組成物を調製することができる。
そして、このような状態の感光性樹脂組成物を硬化させた後、「海」または「島」の液相樹脂または液相ゴムを除去することにより粗化面を形成することができる。
上記粗化液として用いる酸としては、例えば、リン酸、塩酸、硫酸や、蟻酸、酢酸などの有機酸などが挙げられるが、これらのなかでは有機酸を用いることが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホールから露出する金属導体層を腐食させにくいからである。
上記酸化剤としては、例えば、クロム酸、アルカリ性過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウムなど)の水溶液などを用いることが望ましい。
また、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液が望ましい。
上記酸化剤としては、例えば、クロム酸、アルカリ性過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウムなど)の水溶液などを用いることが望ましい。
また、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液が望ましい。
本発明において、上記無機粒子、上記金属粒子および上記樹脂粒子を使用する場合は、その平均粒径は、10μm以下が望ましい。
また、特に平均粒径が2μm未満であって、平均粒径の相対的に大きな粗粒子と平均粒径が相対的に小さな微粒子との混合粒子を組み合わせて使用することにより、無電解めっき膜の溶解残渣をなくし、めっきレジスト下のパラジウム触媒量を少なくし、しかも、浅くて複雑な粗化面を形成することができる。そして、このような複雑な粗化面を形成することにより、浅い粗化面でも実用的なピール強度を維持することができる。
また、特に平均粒径が2μm未満であって、平均粒径の相対的に大きな粗粒子と平均粒径が相対的に小さな微粒子との混合粒子を組み合わせて使用することにより、無電解めっき膜の溶解残渣をなくし、めっきレジスト下のパラジウム触媒量を少なくし、しかも、浅くて複雑な粗化面を形成することができる。そして、このような複雑な粗化面を形成することにより、浅い粗化面でも実用的なピール強度を維持することができる。
上記粗粒子と微粒子とを組み合わせることにより、浅くて複雑な粗化面を形成することができるのは、使用する粒子径が粗粒子で平均粒径2μm未満であるため、これらの粒子が溶解除去されても形成されるアンカーは浅くなり、また、除去される粒子は、相対的に粒子径の大きな粗粒子と相対的に粒子径の小さな微粒子の混合粒子であるから、形成される粗化面が複雑になるのである。
また、この場合、使用する粒子径は、粗粒子で平均粒径2μm未満であるため、粗化が進行しすぎて空隙を発生させることはなく、形成した層間樹脂絶縁層は層間絶縁性に優れている。
また、この場合、使用する粒子径は、粗粒子で平均粒径2μm未満であるため、粗化が進行しすぎて空隙を発生させることはなく、形成した層間樹脂絶縁層は層間絶縁性に優れている。
上記粗粒子は平均粒径が0.8μmを超え2.0μm未満であり、微粒子は平均粒径が0.1〜0.8μmであることが望ましい。
この範囲では、粗化面の深さは概ねRmax=3μm程度となり、セミアディティブ法では、無電解めっき膜をエッチング除去しやすいだけではなく、無電解めっき膜下のPd触媒をも簡単に除去することができ、また、実用的なピール強度1.0〜1.3kg/cmを維持することができるからである。
この範囲では、粗化面の深さは概ねRmax=3μm程度となり、セミアディティブ法では、無電解めっき膜をエッチング除去しやすいだけではなく、無電解めっき膜下のPd触媒をも簡単に除去することができ、また、実用的なピール強度1.0〜1.3kg/cmを維持することができるからである。
上記粗化面形成用樹脂組成物中の有機溶剤の含有量は、10重量%以下であることが望ましい。
粗化面形成用樹脂組成物の塗布を行う際には、ロールコータ、カーテンコータなどを使用することができる。
粗化面形成用樹脂組成物の塗布を行う際には、ロールコータ、カーテンコータなどを使用することができる。
(6) 上記(5) で形成した粗化面形成用樹脂組成物層を乾燥して半硬化状態とした後、バイアホール用開口を設ける。
粗化面形成用樹脂組成物層を乾燥させた状態では、導体回路パターン上の上記樹脂組成物層の厚さが薄く、大面積を持つプレーン層上の層間樹脂絶縁層の厚さが厚くなり、また導体回路と導体回路非形成部の凹凸に起因して、層間樹脂絶縁層に凹凸が発生していることが多いため、金属板や金属ロールを用い、加熱しながらプレスして、層間樹脂絶縁層の表面を平坦化することが望ましい。
粗化面形成用樹脂組成物層を乾燥させた状態では、導体回路パターン上の上記樹脂組成物層の厚さが薄く、大面積を持つプレーン層上の層間樹脂絶縁層の厚さが厚くなり、また導体回路と導体回路非形成部の凹凸に起因して、層間樹脂絶縁層に凹凸が発生していることが多いため、金属板や金属ロールを用い、加熱しながらプレスして、層間樹脂絶縁層の表面を平坦化することが望ましい。
バイアホール用開口は、粗化面形成用樹脂組成物層に紫外線などを用いて露光した後現像処理を行うことにより形成する。また、露光現像処理を行う場合には、前述したバイアホール用開口に相当する部分に、黒円のパターンが描画されたフォトマスク(ガラス基板が好ましい)の黒円のパターンが描画された側を粗化面形成用樹脂組成物層に密着させた状態で載置し、露光、現像処理する。
(7) 次に、粗化面形成用樹脂組成物層を硬化させて層間樹脂絶縁層とし、この層間樹脂絶縁層を粗化する。
粗化処理は、上記層間樹脂絶縁層の表面に存在する、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子、ゴム粒子、液相樹脂、液相ゴムから選ばれる少なくとも1種の可溶性の物質を、上記した酸、酸化剤、アルカリなどの粗化液を用いて除去することにより行う。粗化面の深さは、1〜5μm程度が望ましい。
粗化処理は、上記層間樹脂絶縁層の表面に存在する、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子、ゴム粒子、液相樹脂、液相ゴムから選ばれる少なくとも1種の可溶性の物質を、上記した酸、酸化剤、アルカリなどの粗化液を用いて除去することにより行う。粗化面の深さは、1〜5μm程度が望ましい。
(8) 次に、層間樹脂絶縁層に粗化処理が施された基板に触媒核を付与する。
触媒核の付与には、貴金属イオンや貴金属コロイドなどを用いることが望ましく、一般的には、塩化パラジウムやパラジウムコロイドを使用する。なお、触媒核を固定するために加熱処理を行うことが望ましい。このような触媒核としてはパラジウムが好ましい。
触媒核の付与には、貴金属イオンや貴金属コロイドなどを用いることが望ましく、一般的には、塩化パラジウムやパラジウムコロイドを使用する。なお、触媒核を固定するために加熱処理を行うことが望ましい。このような触媒核としてはパラジウムが好ましい。
(9) 次に、粗化面全面に無電解めっき膜を形成する。
めっき液組成としては、例えば、NiSO4(0.001〜0.003mol/l)、硫酸銅(0.02〜0.04mol/l)、酒石酸(0.08〜0.15mol/l)、水酸化ナトリウム(0.03〜0.08mol/l)、37%ホルムアルデヒド(0.03〜0.06mol/l)を含む水溶液が望ましい。無電解めっき膜の厚みは0.1〜5μmが望ましく、0.5〜3μmがより望ましい。
めっき液組成としては、例えば、NiSO4(0.001〜0.003mol/l)、硫酸銅(0.02〜0.04mol/l)、酒石酸(0.08〜0.15mol/l)、水酸化ナトリウム(0.03〜0.08mol/l)、37%ホルムアルデヒド(0.03〜0.06mol/l)を含む水溶液が望ましい。無電解めっき膜の厚みは0.1〜5μmが望ましく、0.5〜3μmがより望ましい。
(10)ついで、無電解めっき膜上に感光性樹脂フィルム(ドライフィルム)をラミネートし、めっきレジストパターンが描画されたフォトマスク(ガラス基板が好ましい)を感光性樹脂フィルムに密着させて載置し、露光、現像処理することにより、めっきレジストパターンを形成する。
(11)次に、めっきレジスト非形成部に電解めっきを施し、導体回路およびバイアホールを形成する。
ここで、上記電解めっきとしては、銅めっきを用いることが望ましく、その厚みは、1〜20μmが望ましい。
ここで、上記電解めっきとしては、銅めっきを用いることが望ましく、その厚みは、1〜20μmが望ましい。
(12)さらに、めっきレジストを除去した後、硫酸と過酸化水素の混合液や過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化第二銅などのエッチング液で無電解めっき膜を溶解除去して、独立した導体回路とする。この後、必要に応じて、クロム酸などでパラジウム触媒核を溶解除去する。
(13)次に、(4) 〜(12)の工程を繰り返してさらに上層の導体回路を設け、その上にはんだパッドとして機能する平板状の導体パッドやバイアホールなどを形成する。最後にソルダーレジスト層およびハンダバンプ等を形成することにより、多層多層プリント配線板の製造を終了する。なお、以下の方法は、セミアディティブ法によるものであるが、フルアディティブ法を採用してもよい。
以下、実施例をもとに説明する。
以下、実施例をもとに説明する。
(実施例1)
A.感光性樹脂組成物の調製
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製、分子量:2500)の25%アクリル化物をジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に溶解させた樹脂液34重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)2重量部、感光性モノマーであるカプロラクトン変成トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成社製、商品名:アロニックスM325)4重量部、光重合開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学社製)2重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、感光性モノマー(日本化薬社製 KAYAMER PM−21)10重量部、および、エポキシ樹脂粒子( 三洋化成社製 ポリマーポール) の平均粒径1.0μmのもの15重量部と平均粒径0.5μmのもの10重量部を混合した後、N−メチルピロリドン(NMP)30.0重量部添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練して感光性樹脂組成物(層間樹脂絶縁材)を調製した。
A.感光性樹脂組成物の調製
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製、分子量:2500)の25%アクリル化物をジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に溶解させた樹脂液34重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)2重量部、感光性モノマーであるカプロラクトン変成トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成社製、商品名:アロニックスM325)4重量部、光重合開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学社製)2重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、感光性モノマー(日本化薬社製 KAYAMER PM−21)10重量部、および、エポキシ樹脂粒子( 三洋化成社製 ポリマーポール) の平均粒径1.0μmのもの15重量部と平均粒径0.5μmのもの10重量部を混合した後、N−メチルピロリドン(NMP)30.0重量部添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練して感光性樹脂組成物(層間樹脂絶縁材)を調製した。
B.プリント配線板の製造方法
(1) 厚さ0.6mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に12μmの銅箔18がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図1(a)参照)。
(2) まず、この銅貼積層板を、過酸化水素/硫酸などのエッチング液を用いて、エッチング処理を施すことにより、銅箔18の厚さを5μmの厚さまで薄くし(図1(b)参照)、続いてこの基板を水洗いした後ドリル削孔し、スルーホール用貫通孔1aを形成した(図1(c)参照)。
(1) 厚さ0.6mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に12μmの銅箔18がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図1(a)参照)。
(2) まず、この銅貼積層板を、過酸化水素/硫酸などのエッチング液を用いて、エッチング処理を施すことにより、銅箔18の厚さを5μmの厚さまで薄くし(図1(b)参照)、続いてこの基板を水洗いした後ドリル削孔し、スルーホール用貫通孔1aを形成した(図1(c)参照)。
(3) 次に、めっき液として、NiSO4(0.001〜0.003mol/l)、硫酸銅(0.02〜0.04mol/l)、酒石酸(0.08〜0.15mol/l)、水酸化ナトリウム(0.03〜0.08mol/l)、37%ホルムアルデヒド(0.03〜0.06mol/l)を含む水溶液を用いて無電解めっきを行い、基板面におけるトータルの厚さが29μmの銅からなる導体層8、および、スルーホール9を形成した(図1(d)参照)。
(4) スルーホール9および導体層8を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2(40g/l)、Na3PO4(16g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(19g/l)、NaBH4(5g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール9を含む導体層8の全表面に粗化面8a、9aを形成した(図1(e)参照)。
(5) 次に、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含む樹脂充填剤10を、スルーホール9内に充填し、100℃で10分間加熱乾燥させた後(図2(a)参照)、基板の片面をバフ研磨することにより基板表面の導体層を平坦化し、ついで、他の面も同様の方法で平坦化した(図2(b)参照)。
これにより、基板表面の銅からなる導体層8の厚さは、23.8μmとなった。
これにより、基板表面の銅からなる導体層8の厚さは、23.8μmとなった。
(6) 市販の感光性ドライフィルムを導体層8の表面に熱圧着することにより貼り付け、クロム層によって、めっきレジスト非形成部分がマスクパターンとして描画された厚さ5mmのソーダライムガラス基板を、クロム層が形成された側を感光性ドライフィルムに密着させて、110mJ/cm2で露光した後、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ15μmのエッチングレジスト11を設けた(図2(c)参照)。
(7) 次に、硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理を行って、エッチングレジストが形成されていない部分の導体層8を溶解除去し、導体回路(スルーホール9を含む)4を形成した。(図2(d)参照)。
(8) 上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成し、さらに、この粗化面4a、9aに厚さ0.05μmのSn層を設けた(図3(a)参照)。但し、Sn層については図示しない。
なお、エッチングの際、エッチング液として、イミダゾール銅 (II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部およびイオン交換水78重量部を混合したものを使用した。また、Sn層は、ホウフッ化スズ(0.1mol/l)、チオ尿素(1.0mol/l)を含むpH=1.2、温度50℃の無電解スズ置換めっき浴に基板を浸漬することにより形成した。
(9) 上記Aに記載の方法により調製した感光性樹脂組成物を、上記(8) の処理を終えた基板の両面に、ロールコータを用いて塗布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30分の乾燥を行い、厚さ30μmの感光性樹脂組成物層(層間樹脂絶縁層)2を形成した(図3(b)参照)。さらに、この感光性樹脂組成物層2上に粘着剤を介してポリエチレンテレフタレートフィルムを貼付した。
(10)上記(9) で感光性樹脂組成物層2を形成した基板1の両面に、遮光インクによって厚さ5μmの黒円が描画された厚さ5mmのソーダライムガラス基板を黒円が描画された側を感光性樹脂組成物層2に密着させ、超高圧水銀灯により3000mJ/cm2強度で露光した後、DMDG溶液でスプレー現像し、100μmの直径のバイアホール用開口6を形成した。この後、100℃で1時間、150℃で5時間の加熱処理を施し、フォトマスクフィルムに相当する寸法精度に優れたバイアホール用開口6を有する厚さ50μmの層間樹脂絶縁層2を形成した(図3(c)参照)。なお、バイアホールとなる開口には、粗化層を部分的に露出させた。この後、金属ロールを用い、加熱しながらプレスして、層間樹脂絶縁層の表面を平坦化した。
(11)バイアホール用開口6を形成した基板を、クロム酸水溶液に浸漬して層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、層間樹脂絶縁層2の表面を粗面(深さ5μm)とし、その後、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした(図3(d)参照)。
さらに、粗面化処理した該基板の表面に、パラジウム触媒(アトテック製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用開口6の内壁面に触媒核を付着させた。
さらに、粗面化処理した該基板の表面に、パラジウム触媒(アトテック製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用開口6の内壁面に触媒核を付着させた。
(12)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ3μmの無電解銅めっき膜12を形成した(図4(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
EDTA 150 g/l
硫酸銅 20 g/l
HCHO 30 ml/l
NaOH 40 g/l
α、α’−ビピリジル 80 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.1 g/l
〔無電解めっき条件〕
70℃の液温度で30分
〔無電解めっき水溶液〕
EDTA 150 g/l
硫酸銅 20 g/l
HCHO 30 ml/l
NaOH 40 g/l
α、α’−ビピリジル 80 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.1 g/l
〔無電解めっき条件〕
70℃の液温度で30分
(13)市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき膜12に熱圧着することにより貼り付け、クロム層によって、めっきレジスト非形成部分がマスクパターンとして描画された厚さ5mmのソーダライムガラス基板を、クロム層が形成された側を感光性ドライフィルムに密着させて、110mJ/cm2で露光した後、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ15μmのめっきレジスト3を設けた(図4(b)参照)。
(14)ついで、以下の条件で電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜13を形成した(図4(c)参照)。
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 180 g/l
硫酸銅 80 g/l
添加剤 1 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1.2 A/dm2
時間 30 分
温度 室温
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 180 g/l
硫酸銅 80 g/l
添加剤 1 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1.2 A/dm2
時間 30 分
温度 室温
(15)めっきレジスト3を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解めっき膜12を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜12と電解銅めっき膜13からなる厚さ18μmの導体回路(バイアホール7を含む)5を形成した。さらに、800g/lのクロム酸を含む溶液に1〜2分間浸漬して、層間樹脂絶縁層2の表面に残存するパラジウム触媒を除去した(図4(d)参照)。
(16)次に、上記(8) の工程で用いた液と同じ組成のエッチング(第二銅錯体と有機酸とを含むエッチング液)をスプレーすることにより、導体回路(バイアホール7を含む)5に粗化面を形成した(図5(a)参照)。また、この粗化面に厚さ0.05μaのSn層を設けた。但し、Sn層については図示しない。
(17)上記 (9)〜(16)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の層間樹脂絶縁層と導体回路とを形成し、多層配線板を得た(図5(b)〜図6(b)参照)。
(18)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)6.67重量部、同じくビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコートE−1001−B80)6.67重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマー(日本化薬社製 KAYAMER PM−21)6重量部、アクリル酸エステル重合物からなるレベリング剤(共栄化学社製、商品名:ポリフローNo.75)0.36重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてイルガキュアI−907(チバガイギー社製)2.0重量部、光増感剤としてのDETX−S(日本化薬社製)0.2重量部、DMDG0.6重量部を加えることにより、粘度を25℃で1.4±0.3Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
(19)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、クロム層によってソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのソーダライムガラス基板を、クロム層が描画された側をソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件で加熱処理してソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジスト層14を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件で加熱処理してソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジスト層14を形成した。
(20)次に、ソルダーレジスト層14を形成した基板を、塩化ニッケル(30g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g/l)、クエン酸ナトリウム(10g/l)を含むpH=5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(2g/l)、塩化アンモニウム(75g/l)、クエン酸ナトリウム(50g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g/l)を含む無電解めっき液に93℃の条件で23秒間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。
(21)この後、ソルダーレジスト層14の開口にはんだペーストを印刷して、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)17を形成し、はんだバンプ17を有する多層配線プリント基板を製造した(図6(c)参照)。
(比較例1)
上記(1) 〜(8) の工程に代わって、下記の(1) 〜(4) の工程を行って、スルーホール9および樹脂充填材10の表層部および下層導体回路4の表面が平坦化され、樹脂充填材10と下層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材10とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た後(図7(a)〜(d)参照)、本発明の上記(9) 〜(21)と同様の工程を行い、多層プリント配線板を得た。
上記(1) 〜(8) の工程に代わって、下記の(1) 〜(4) の工程を行って、スルーホール9および樹脂充填材10の表層部および下層導体回路4の表面が平坦化され、樹脂充填材10と下層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材10とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た後(図7(a)〜(d)参照)、本発明の上記(9) 〜(21)と同様の工程を行い、多層プリント配線板を得た。
(1) 厚さ0.6mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図1(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に下層導体回路4とスルーホール9を形成した。
(2) スルーホール9および下層導体回路4を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2(40g/l)、Na3PO4(16g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(19g/l)、NaBH4(5g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール9を含む下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図1(b)参照)。
(3) ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含む樹脂充填剤10を、基板の片面にロールコータを用いて塗布することにより、下層導体回路4間あるいはスルーホール9内に充填し、加熱乾燥させた後、他方の面についても同様に樹脂充填剤10を導体回路4間あるいはスルーホール9内に充填し、加熱乾燥させた(図1(c)参照)。
(4) 上記(3) の処理を終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、内層銅パターン4の表面やスルーホール9のランド表面に樹脂充填剤10が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填剤10を硬化した。この後、上記実施例1の(9) 〜(21)と同様の工程を行い、多層プリント配線板を得た。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填剤10を硬化した。この後、上記実施例1の(9) 〜(21)と同様の工程を行い、多層プリント配線板を得た。
このようにして製造した実施例1および比較例1のプリント配線板について、−55℃で30分保持した後、125℃で30分保持するヒートサイクルを1000回繰り返すヒートサイクル試験を実施し、下層導体回路4を含む部分をクロスカットして、下層導体回路4と層間樹脂絶縁層2との境界部分を顕微鏡観察することにより、層間樹脂絶縁層2のクラックの発生状態を調べた。
その結果、実施例1に係る多層プリント配線板では、同様の条件で製造されたもの全てについて、下層導体回路付近の層間樹脂絶縁層にクラックは全く発見されなかったが、比較例1に係る多層プリント配線板では、一部のものに下層導体回路4の縁部に近い部分において、層間樹脂絶縁層にクラックが発見された。
1 基板
2 層間樹脂絶縁層(無電解めっき用接着剤層)
3 めっきレジスト
4 下層導体回路(内層銅パターン)
4a 粗化面
5 上層導体回路
6 バイアホール用開孔
7 バイアホール
8 導体層
9 スルーホール
9a 粗化面
10 樹脂充填剤
11 エッチングレジスト
12 無電解めっき膜
13 電気めっき膜
14 ソルダーレジスト層
15 ニッケルめっき層
16 金めっき層
17 はんだバンプ
2 層間樹脂絶縁層(無電解めっき用接着剤層)
3 めっきレジスト
4 下層導体回路(内層銅パターン)
4a 粗化面
5 上層導体回路
6 バイアホール用開孔
7 バイアホール
8 導体層
9 スルーホール
9a 粗化面
10 樹脂充填剤
11 エッチングレジスト
12 無電解めっき膜
13 電気めっき膜
14 ソルダーレジスト層
15 ニッケルめっき層
16 金めっき層
17 はんだバンプ
Claims (5)
- 内部に樹脂が充填されたスルーホールが設けられるとともに、表面が粗化された下層導体回路が両面に設けられた基板上に、さらに層間樹脂絶縁層及び表面が粗化された上層導体回路が順次積層形成されてなるビルドアップ多層プリント配線板において、
前記下層導体回路の上面と側面とが同種類の粗化方法により粗化されていることを特徴とする多層プリント配線板。 - 前記下層導体回路の厚さは、30μm以下である請求項1に記載の多層プリント配線板。
- 金属層が形成された基板にスルーホール用貫通孔を形成し、
前記スルーホール用貫通孔の内壁を含む基板表面に金属層を形成してスルーホールを設け、
前記スルーホールの内壁を含む基板表面を粗化し、
粗化されたスルーホールの内部に樹脂を充填した後、基板表面を平滑化し、
平滑化された基板表面の金属層をエッチング処理して下層導体回路を形成し、
形成された前記下層導体回路の上面および側面を同時に粗化処理し、
粗化処理された下層導体回路を含む基板面に層間樹脂絶縁層と上層導体回路とを順次積層形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 - スルーホール用貫通孔を形成する前に、金属層が形成された基板をエッチング処理することにより、前記金属層の厚さを1〜10μmに調整する請求項3に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 層間樹脂絶縁層を形成した後、前記層間樹脂絶縁層が形成された基板をプレス処理することにより、前記層間樹脂絶縁層の表面を平坦化する請求項3または4に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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Cited By (2)
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JP2013050633A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 配線基板の製造方法 |
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-
2009
- 2009-03-27 JP JP2009079761A patent/JP2009147387A/ja active Pending
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