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JP2009078627A - 空気入りタイヤおよびタイヤ・ホイール組立体 - Google Patents

空気入りタイヤおよびタイヤ・ホイール組立体 Download PDF

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JP2009078627A
JP2009078627A JP2007247854A JP2007247854A JP2009078627A JP 2009078627 A JP2009078627 A JP 2009078627A JP 2007247854 A JP2007247854 A JP 2007247854A JP 2007247854 A JP2007247854 A JP 2007247854A JP 2009078627 A JP2009078627 A JP 2009078627A
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Chuon Sai
忠恩 崔
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】タイヤの耐偏摩耗性能を向上できる空気入りタイヤおよびタイヤ・ホイール組立体を提供すること。
【解決手段】この空気入りタイヤ1は、複数のベルトプライ41、42が積層されて成ると共にカーカス層3のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層4を備える。また、空気入りタイヤ1は、一方のリムフランジ部(ハイフランジ部)11の外径が他方のリムフランジ部(ローフランジ部)12の外径よりも大きいホイール10に装着される。ここで、ベルトプライ42が配列された複数のベルトコード材から成ると共に、これらのベルトコード材の傾斜方向とタイヤ周方向とのなす角をベルト角度θと呼ぶ。このとき、タイヤのホイール装着時にて、ハイフランジ部11側のショルダー部におけるベルトプライ42のベルト角度θとローフランジ部12側のショルダー部におけるベルトプライ42のベルト角度θとがθ<θの関係を有する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、空気入りタイヤおよびタイヤ・ホイール組立体に関し、さらに詳しくは、タイヤの耐偏摩耗性能を向上できる空気入りタイヤおよびタイヤ・ホイール組立体に関する。
近年では、一方のリムフランジ部(ハイフランジ部)の外径が他方のリムフランジ部(ローフランジ部)の外径よりも大きいホイールが開発されている。かかるホイールは、車両装着時にて、ハイフランジ部側を車幅方向外側に向けることにより、車両のドレスアップなどの視覚的なイメージ効果を高める。
ここで、一般的な左右対称のリムフランジ部を有するホイールでは、このホイールに装着されたタイヤの接地形状および接地圧がタイヤ左右で対称となる。しかしながら、上記のような左右非対称なリムフランジ部を有するホイールでは、ハイフランジ部側の接地長がローフランジ部側の接地長よりも長くなり、タイヤの接地圧が左右で非対称となる。このため、かかるホイールでは、タイヤのショルダー部に偏摩耗が発生し易いという課題がある。
このような課題に関する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の空気入りタイヤ(乗用車用空気入りタイヤ)は、一対の環状のビード部と、そのビード部から各々外周側へ延びるサイドウォール部と、そのサイドウォール部の各々の外周側端同士をショルダー部を介して連ねるトレッド部と、前記サイドウォール部の少なくとも片側に、リムフランジの外周側湾曲面に当接してサイドウォール部の変形を抑制可能な内周側面を有する環状の膨出部とを備え、その膨出部はノミナル径を基準として55mm以上の高さに頂点が位置し、その頂点のサイドウォール延長線からの高さが3mm以上であると共に、タイヤ赤道線を境界として、タイヤ装着時に外側となる側の領域におけるボイド比をVoとし、反対側の領域におけるボイド比をViとするとき、Vo<Viを満たすことを特徴とする。
特開2004−359078号公報
この発明は、タイヤの耐偏摩耗性能を向上できる空気入りタイヤおよびタイヤ・ホイール組立体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、複数のベルトプライが積層されて成ると共にカーカス層のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層を備え、且つ、一方のリムフランジ部(以下、ハイフランジ部という。)の外径が他方のリムフランジ部(以下、ローフランジ部という。)の外径よりも大きいホイールに装着される空気入りタイヤであって、前記ベルトプライが配列された複数のベルトコード材から成ると共に、前記ベルトコード材の傾斜方向とタイヤ周方向とのなす角をベルト角度θと呼ぶときに、タイヤのホイール装着時にて、前記ハイフランジ部側のショルダー部における前記ベルトプライのベルト角度θと前記ローフランジ部側のショルダー部における前記ベルトプライのベルト角度θとがθ<θの関係を有することを特徴とする。
この空気入りタイヤでは、ハイフランジ部側(のショルダー部におけるベルトプライ部分)のベルト角度θがローフランジ部側のベルト角度θよりも小さいので(ベルトコードの配置密度が密なので)、ハイフランジ部側のベルト剛性がローフランジ部側のベルト剛性よりも大きくなる。すると、このベルト剛性の差によって、ハイフランジ部側のショルダー部のトレッド剛性がローフランジ部側のショルダー部のトレッド剛性よりも大きくなる。すると、タイヤ接地時にて、タイヤ左右のショルダー部の接地長が均一化される(接地形状が略円形になる)。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、複数の前記ベルトプライのうちタイヤ径方向の最も外側にあるベルトプライのベルト角度θ、θがθ<θの関係を有する。
この空気入りタイヤでは、タイヤ径方向の最も外側にあるベルトプライのベルト角度θ、θが上記の関係を有することにより、タイヤ左右のショルダー部の剛性差が効果的に適正化される。これにより、ショルダー部の偏摩耗が効果的に低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ベルトプライのセンター部のベルト角度が前記ローフランジ部側のショルダー部のベルト角度θと略同一である。
この空気入りタイヤでは、ベルトプライの一部(ハイフランジ部側のショルダー部)のみのベルト角度θが全体(センター部とローフランジ部側のショルダー部)のベルト角度θに対して異なることにより、簡易な構成にてハイフランジ部側のベルト剛性を変更できる利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ベルトプライが単一構造を有する。
この空気入りタイヤでは、ベルトプライが分割構造を有する構成と比較して、ベルトプライにおけるタイヤの製造故障が低減される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ハイフランジ部側のショルダー部のベルト角度θと前記ローフランジ部側のショルダー部のベルト角度θとがθ−θ≧2[deg]の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、タイヤ左右のショルダー部のベルト角度差θ−θが適正化されることにより、各ショルダー部の剛性差が適正化される。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ベルトプライの前記ハイフランジ部側の端部から幅Wbの位置に仮想線lを引くと共に、この仮想線lよりもタイヤ幅方向外側の領域にて、前記ハイフランジ部側のショルダー部のベルト角度θと前記ローフランジ部側のショルダー部のベルト角度θとがθ−θ≧2[deg]の関係を有するときに、前記ベルトプライの総幅Wと幅WbとがWb/W<1/4の関係を有する。
ハイフランジ部側のショルダー部のうち、ベルト角度θの設定によりトレッド剛性が補強される範囲が適正化される。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ハイフランジ部側のベルト角度θがθ−θ≧2[deg]となる幅Wbの範囲は、前記ハイフランジ部側のタイヤ接地端よりもタイヤ幅方向内側かつWb/W<1/8の範囲である。
この空気入りタイヤでは、幅Wbの範囲がより適正化されるので、ショルダー部の偏摩耗が効果的に低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ベルトプライがタイヤ赤道面を境界としてタイヤ幅方向に区画されるときに、前記ハイフランジ部側にある前記ベルトプライの部分の幅Wと、前記ローフランジ部側にある前記ベルトプライの部分の幅WとがW>Wの関係を有する。
この空気入りタイヤでは、ハイフランジ部側のショルダー部のトレッド剛性が増加するので、タイヤ接地時にて、タイヤ左右のショルダー部の接地長が均一化される。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ベルト層のタイヤ径方向外側にベルトカバー層が配置されるときに、タイヤ赤道面よりも前記ハイフランジ部側にある前記ベルトカバー層の剛性が前記ローフランジ部側にある前記ベルトカバー層の剛性よりも高い。
この空気入りタイヤは、ハイフランジ部側のショルダー部のトレッド剛性が増加するので、タイヤ接地時にて、タイヤ左右のショルダー部の接地長が均一化される。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかるタイヤ・ホイール組立体は、複数のベルトプライが積層されて成ると共にカーカス層のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層を備える空気入りタイヤと、一方のリムフランジ部(以下、ハイフランジ部という。)の外径が他方のリムフランジ部(以下、ローフランジ部という。)の外径よりも大きいホイールとが組み立てられて成るタイヤ・ホイール組立体であって、前記ベルトプライが配列された複数のベルトコード材から成ると共に、前記ベルトコード材の傾斜方向とタイヤ周方向とのなす角をベルト角度θと呼ぶときに、前記ハイフランジ部側のショルダー部における前記ベルトプライのベルト角度θと前記ローフランジ部側のショルダー部における前記ベルトプライのベルト角度θとがθ<θの関係を有することを特徴とする。
このタイヤ・ホイール組立体では、ハイフランジ部側(のショルダー部におけるベルトプライ部分)のベルト角度θがローフランジ部側のベルト角度θよりも小さいので(ベルトコードの配置密度が密なので)、ハイフランジ部側のベルト剛性がローフランジ部側のベルト剛性よりも大きくなる。すると、このベルト剛性の差によって、ハイフランジ部側のショルダー部のトレッド剛性がローフランジ部側のショルダー部のトレッド剛性よりも大きくなる。すると、タイヤ接地時にて、タイヤ左右のショルダー部の接地長が均一化される(接地形状が略円形になる)。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
この発明にかかる空気入りタイヤおよびタイヤ・ホイール組立体では、ハイフランジ部側(のショルダー部におけるベルトプライ部分)のベルト角度θがローフランジ部側のベルト角度θよりも小さいので(ベルトコードの配置密度が密なので)、ハイフランジ部側のベルト剛性がローフランジ部側のベルト剛性よりも大きくなる。すると、このベルト剛性の差によって、ハイフランジ部側のショルダー部のトレッド剛性がローフランジ部側のショルダー部のトレッド剛性よりも大きくなる。すると、タイヤ接地時にて、タイヤ左右のショルダー部の接地長が均一化される(接地形状が略円形になる)。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤ(タイヤ・ホイール組立体)を示すタイヤ子午線方向の断面図である。図2は、図1に記載した空気入りタイヤのベルト層を示す平面図である。図3は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
[空気入りタイヤ]
この空気入りタイヤ1は、一方のリムフランジ部(ハイフランジ部)11の外径が他方のリムフランジ部(ローフランジ部)12の外径よりも大きいホイール10に対して装着される(図1参照)。かかるホイール10は、ハイフランジ部11側を車幅方向外側に向けて車両に装着されることにより、車両のドレスアップなどの視覚的効果を高める。かかるホイール10では、一般に、ハイフランジ部11の外径がローフランジ部12の外径よりも1[インチ]以上大きく設定される。
この空気入りタイヤ1は、ビードコア2と、カーカス層3と、ベルト層4と、トレッドゴム5と、サイドウォールゴム6とを含んで構成される(図1参照)。ビードコア2は、環状構造を有し、左右一対を一組として構成される。カーカス層3は、左右のビードコア2、2間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。ベルト層4は、積層された複数のベルトプライ41、42から成り、カーカス層3のタイヤ径方向外周に配置される。トレッドゴム5は、カーカス層3およびベルト層4のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。サイドウォールゴム6は、カーカス層3のタイヤ幅方向外側に配置されてタイヤのサイドウォール部を構成する。
[ベルト層のベルト角度]
また、この空気入りタイヤ1では、ベルト層4のベルトプライ41、42が配列された複数のベルトコード材421から成る(図2参照)。具体的には、傾斜方向を揃えて配列された複数のベルトコード材421が圧延加工されることにより、帯状のベルトプライ41、42が成形される。ここで、トレッド部の平面視にて、ベルトコード材の傾斜方向とタイヤ周方向(タイヤ赤道面CL)とのなす角をベルト角度θと呼ぶ。このとき、タイヤのホイール装着時にて、ハイフランジ部11側のショルダー部におけるベルトプライ42のベルト角度θと、ローフランジ部12側のショルダー部におけるベルトプライ42のベルト角度θとがθ<θの関係を有する。
かかる構成では、ハイフランジ部11側(のショルダー部におけるベルトプライ42部分)のベルト角度θがローフランジ部12側のベルト角度θよりも小さいので(ベルトコード材421の配置密度が密なので)、ハイフランジ部11側のベルト剛性がローフランジ部12側のベルト剛性よりも大きくなる。すると、このベルト剛性の差によって、ハイフランジ部11側のショルダー部のトレッド剛性がローフランジ部12側のショルダー部のトレッド剛性よりも大きくなる。すると、タイヤ接地時にて、タイヤ左右のショルダー部の接地長が均一化される(接地形状が略円形になる)。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
[付加的事項1]
なお、この空気入りタイヤ1では、複数のベルトプライ41、42のうちタイヤ径方向の最も外側にあるベルトプライ42のベルト角度θ、θが上記の関係(θ<θ)を有することが好ましい(図1および図2参照)。タイヤ径方向の最も外側にあるベルトプライ42は、トレッド部の剛性に対する寄与率が高い。したがって、タイヤ径方向の最も外側にあるベルトプライ42のベルト角度θ、θが上記の関係を有することにより、タイヤ左右のショルダー部の剛性差が効果的に適正化される。これにより、ショルダー部の偏摩耗が効果的に低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
例えば、この実施例では、ベルト層4が積層された一対のベルトプライ41、42により構成されている。そして、タイヤ径方向外側に配置されるベルトプライ42のベルト角度θ、θが上記の関係(θ<θ)に設定されている。また、タイヤ径方向内側のベルトプライ41のベルト角度θ、θが一定(θ=θ)に設定されている。これにより、タイヤ左右のショルダー部の剛性差が適正化されている。
なお、これに限らず、ベルト層4を構成するすべてのベルトプライ41、42のベルト角度θ、θが上記の関係(θ<θ)に設定されていても良いし、タイヤ径方向の最も外側にあるベルトプライ42以外のベルトプライ41のベルト角度θ、θが上記の関係(θ<θ)に設定されていても良い。
また、この空気入りタイヤ1では、ベルトプライ42のセンター部のベルト角度θCLがローフランジ部12側のショルダー部のベルト角度θと略同一であることが好ましい(図2参照)。すなわち、ベルトプライ42のセンター部のベルト角度θCLとローフランジ部12側のショルダー部のベルト角度θとが一様に設定され、且つ、ハイフランジ部11側のショルダー部のベルト角度θがこれらのベルト角度θよりも小さく設定される(θ<θ)。
かかる構成では、ベルトプライ42の一部(ハイフランジ部11側のショルダー部)のみのベルト角度θが全体(センター部とローフランジ部12側のショルダー部)のベルト角度θに対して異なることにより、簡易な構成にてハイフランジ部側のベルト剛性を変更できる利点がある。例えば、(1)ベルトプライのセンター部とローフランジ部側のショルダー部とハイフランジ部側のショルダー部とがそれぞれ異なるベルト角度を有する構成や、(2)ベルトプライのベルト角度がローフランジ側からハイフランジ側に向かって徐々に変化していく構成では、ベルト角度の調整が難しい。しかし、これに限らず、上記の(1)あるいは(2)の構成が採用されても良い。
例えば、この実施例では、ベルトプライ42のベルトコード材421が、ローフランジ部12側のショルダー部からセンター部まで略一様なベルト角度θにて直線的に延在し、ハイフランジ部12側のショルダー部にてタイヤ周方向に湾曲して、より小さなベルト角度θを有している(図2参照)。したがって、ベルトプライ42の一部のみが全体に対して異なるベルト角度を有している。
また、この空気入りタイヤ1では、ベルトプライ42が単一構造を有することが好ましい(図2参照)。これにより、ベルトプライ42におけるタイヤの製造故障が低減される利点がある。例えば、ハイフランジ部側のショルダー部と、センター部およびローフランジ部側のショルダー部とがそれぞれ別個の部材から成り、これらが継ぎ合わされて一つのベルトプライが成形される構成(分割型ベルトプライ)では、その継ぎ合わせ部分にて製造故障が発生し易い。
また、この空気入りタイヤ1では、ハイフランジ部11側のショルダー部のベルト角度θとローフランジ部12側のショルダー部のベルト角度θとがθ−θ≧2[deg]の関係を有することが好ましい(図2参照)。すなわち、タイヤ左右のショルダー部のベルト角度差θ−θが少なくとも2[deg]以上あることが好ましい。かかる構成では、タイヤ左右のショルダー部のベルト角度差θ−θが適正化されることにより、各ショルダー部の剛性差が適正化される。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
例えば、この実施例では、ローフランジ部12側のショルダー部からセンター部までベルト角度θが20[deg]≦θ≦32[deg]の範囲内にあり、且つ、ハイフランジ部12側のショルダー部のベルト角度θが18[deg]≦θ≦30[deg]の範囲内にある。また、各ベルト角度θ、θが、この範囲にてθ−θ≧2[deg]の関係を有するように設定されている。
なお、ベルト角度θ、θとは、タイヤが適用リムに装着されて規定内圧を付与されると共に無負荷状態とされたときのタイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜角度をいう。
ここで、適用リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、正規内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
具体的には、ベルト角度θ、θが以下のように測定される。まず、タイヤのトレッドゴム5およびベルトカバー層43、44が除去されてベルト層4の剥離サンプルが取り出される。次に、各ショルダー部のベルト角度θ、θが10[mm]間隔で分度器を用いて測定される。このとき、角度のバラつきや、空気圧等の負荷によるベルト角度の変化などが考慮される。
[付加的事項2]
ここで、ベルトプライ42のハイフランジ部11側の端部から幅Wbの位置に仮想線lを引き、また、ローフランジ部12側の端部から幅Wbの位置に仮想線mを引く(図2参照)。また、これらの仮想線l、mよりもタイヤ幅方向外側の領域(ショルダー部)にてベルトプライ42がベルト角度θ、θを有する。また、ハイフランジ部11側のショルダー部のベルト角度θとローフランジ部12側のショルダー部のベルト角度θとがθ−θ≧2[deg]の関係を有する。
このとき、ベルトプライ42の総幅Wとハイフランジ部11側の端部からの幅WbとがWb/W<1/4の関係を有することが好ましい。すなわち、ハイフランジ部11側の端部からW/4の位置(仮想線l)よりもタイヤ幅方向外側の領域にて、ベルトプライ42のベルト角度θが所定の範囲(θ>θ)に設定される。かかる構成では、ハイフランジ部11側のショルダー部のうち、ベルト角度θの設定によりトレッド剛性が補強される範囲が適正化される。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。例えば、Wb/W≧1/4では、ハイフランジ部11側のショルダー部と他の領域(ローフランジ部12側のショルダー部)との剛性差が小さくなり、偏摩耗の低減効果が得られ難い。
また、上記の構成において、ハイフランジ部11側のベルト角度θがθ−θ≧2[deg]となる幅Wbの範囲は、ハイフランジ部11側のタイヤ接地端よりもタイヤ幅方向内側かつWb/W<1/8の範囲であることが好ましい(図2参照)。具体的には、ハイフランジ部11側のタイヤ接地端から10[mm]以上の範囲にて、ベルト角度θが上記の関係(θ−θ≧2[deg])を有することが好ましい。かかる構成では、幅Wbの範囲がより適正化されるので、ショルダー部の偏摩耗が効果的に低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
[付加的事項3]
また、この空気入りタイヤ1では、ベルトプライ42がタイヤ赤道面CLを境界としてタイヤ幅方向に区画されるときに、ハイフランジ部11側にあるベルトプライ42の部分の幅Wと、ローフランジ部12側にあるベルトプライ42の部分の幅WとがW>Wの関係を有することが好ましい(図2参照)。すなわち、ベルトプライ42がハイフランジ部11側寄りに配置される。かかる構成では、ハイフランジ部11側のショルダー部のトレッド剛性が増加するので、タイヤ接地時にて、タイヤ左右のショルダー部の接地長が均一化される。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
[ベルトカバー層]
また、この空気入りタイヤ1は、ベルトカバー層43、44を有する(図1参照)。このベルトカバー層43、44は、ベルト層4のタイヤ径方向外側に配置されてベルト層4を補強する。
このとき、タイヤ赤道面CLよりもハイフランジ部11側にあるベルトカバー層43の剛性がローフランジ部12側にあるベルトカバー層44の剛性よりも高いことが好ましい。かかる構成では、ハイフランジ部11側のショルダー部のトレッド剛性が増加するので、タイヤ接地時にて、タイヤ左右のショルダー部の接地長が均一化される。これにより、ショルダー部の偏摩耗が低減されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。なお、各ベルトカバー層43、44の剛性差は、例えば、各ベルトカバー層43、44の幅、材質、エンド数、設置枚数などの相異により調整される。
例えば、この実施例では、ハイフランジ部11側のショルダー部およびローフランジ部12側のショルダー部に、ナイロン製のベルトカバー層43、44がそれぞれ配置されている(図1参照)。そして、ハイフランジ部11側のベルトカバー層43がローフランジ部12側のベルトカバー層よりも幅広に設定されることにより、ハイフランジ部11側のベルトカバー層43の剛性が高められている。
なお、上記に限らず、ベルトカバー層は、タイヤ左右のショルダー部に渡って延在する単一かつ幅広な構造を有しても良い(図示省略)。かかる構成では、例えば、ベルトカバー層がタイヤ赤道面CLよりもハイフランジ部11側寄りに配置されることにより、ハイフランジ部11側のショルダー部とローフランジ部12側のショルダー部との剛性差が形成され得る。
[性能試験]
この実施例では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、耐偏摩耗性能に関する性能試験が行われた(図3参照)。
この性能試験では、タイヤサイズ205/55R16の空気入りタイヤがリムサイズ16×6 1/2JJのホイール(左右非対称なリムフランジ部を有するホイール)に組み付けられ、この空気入りタイヤにJATMA規定の最高内圧および最大荷重が負荷される。そして、このタイヤ・ホイール組立体が排気量2000[cc]かつ前輪駆動の試験車両に装着される。そして、試験車両がテストコースを50000[km]走行し、走行後にハイフランジ部側のショルダー部に発生した偏摩耗が観察される。そして、観察結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。評価結果は、その数値が大きいほど好ましい。
従来例の空気入りタイヤでは、ベルト層のベルトプライおよびベルトカバー層がタイヤ赤道面を中心として左右対称に構成されている。一方、発明例1〜4の空気入りタイヤ1では、ハイフランジ部11側のショルダー部におけるベルトプライ42のベルト角度θとローフランジ部12側のショルダー部におけるベルトプライ42のベルト角度θとがθ<θの関係を有している(図1および図2参照)。
試験結果に示すように、発明例1〜4の空気入りタイヤ1では、タイヤの耐偏摩耗性能が向上することが分かる。また、発明例1と発明例2とを比較すると、ハイフランジ部11側のベルト角度θが変化し始める位置(θ−θ≧2[deg]の関係となる位置)が適正化されることにより、タイヤの耐偏摩耗性能がさらに向上することが分かる。また、発明例1と発明例3とを比較すると、ハイフランジ部11側のベルト幅(ベルトプライ42の部分の幅W)と、ローフランジ部12側にあるベルト幅(ベルトプライ42の部分の幅W)との関係が適正化されることにより、タイヤの耐偏摩耗性能がさらに向上することが分かる。発明例1と発明例3とを比較すると、発明例1と発明例4とを比較すると、ハイフランジ部11側のベルトカバー幅(ベルトカバー層43の幅)と、ローフランジ部12側にあるベルトカバー幅との関係が適正化されることにより、タイヤの耐偏摩耗性能がさらに向上することが分かる。
以上のように、この発明にかかる空気入りタイヤおよびタイヤ・ホイール組立体は、タイヤの耐偏摩耗性能を向上できる点で有用である。
この発明の実施例にかかる空気入りタイヤ(タイヤ・ホイール組立体)を示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図1に記載した空気入りタイヤのベルト層を示す平面図である。 この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 ビードコア
3 カーカス層
4 ベルト層
41、42 ベルトプライ
43、44 ベルトカバー層
421 ベルトコード材
5 トレッドゴム
6 サイドウォールゴム
10 ホイール
11 ハイフランジ部
12 ローフランジ部

Claims (10)

  1. 複数のベルトプライが積層されて成ると共にカーカス層のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層を備え、且つ、一方のリムフランジ部(以下、ハイフランジ部という。)の外径が他方のリムフランジ部(以下、ローフランジ部という。)の外径よりも大きいホイールに装着される空気入りタイヤであって、
    前記ベルトプライが配列された複数のベルトコード材から成ると共に、前記ベルトコード材の傾斜方向とタイヤ周方向とのなす角をベルト角度θと呼ぶときに、
    タイヤのホイール装着時にて、前記ハイフランジ部側のショルダー部における前記ベルトプライのベルト角度θと前記ローフランジ部側のショルダー部における前記ベルトプライのベルト角度θとがθ<θの関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 複数の前記ベルトプライのうちタイヤ径方向の最も外側にあるベルトプライのベルト角度θ、θがθ<θの関係を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルトプライのセンター部のベルト角度が前記ローフランジ部側のショルダー部のベルト角度θと略同一である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ベルトプライが単一構造を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ハイフランジ部側のショルダー部のベルト角度θと前記ローフランジ部側のショルダー部のベルト角度θとがθ−θ≧2[deg]の関係を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ベルトプライの前記ハイフランジ部側の端部から幅Wbの位置に仮想線lを引くと共に、この仮想線lよりもタイヤ幅方向外側の領域にて、前記ハイフランジ部側のショルダー部のベルト角度θと前記ローフランジ部側のショルダー部のベルト角度θとがθ−θ≧2[deg]の関係を有するときに、
    前記ベルトプライの総幅Wと幅WbとがWb/W<1/4の関係を有する請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ハイフランジ部側のベルト角度θがθ−θ≧2[deg]となる幅Wbの範囲は、前記ハイフランジ部側のタイヤ接地端よりもタイヤ幅方向内側かつWb/W<1/8の範囲である請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ベルトプライがタイヤ赤道面を境界としてタイヤ幅方向に区画されるときに、
    前記ハイフランジ部側にある前記ベルトプライの部分の幅Wと、前記ローフランジ部側にある前記ベルトプライの部分の幅WとがW>Wの関係を有する請求項1〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記ベルト層のタイヤ径方向外側にベルトカバー層が配置されるときに、
    タイヤ赤道面よりも前記ハイフランジ部側にある前記ベルトカバー層の剛性が前記ローフランジ部側にある前記ベルトカバー層の剛性よりも高い請求項1〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. 複数のベルトプライが積層されて成ると共にカーカス層のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層を備える空気入りタイヤと、一方のリムフランジ部(以下、ハイフランジ部という。)の外径が他方のリムフランジ部(以下、ローフランジ部という。)の外径よりも大きいホイールとが組み立てられて成るタイヤ・ホイール組立体であって、
    前記ベルトプライが配列された複数のベルトコード材から成ると共に、前記ベルトコード材の傾斜方向とタイヤ周方向とのなす角をベルト角度θと呼ぶときに、
    前記ハイフランジ部側のショルダー部における前記ベルトプライのベルト角度θと前記ローフランジ部側のショルダー部における前記ベルトプライのベルト角度θとがθ<θの関係を有することを特徴とするタイヤ・ホイール組立体。
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