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JP2009034667A - 塗装方法およびそれにより得られる塗装体 - Google Patents

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JP2009034667A JP2008175087A JP2008175087A JP2009034667A JP 2009034667 A JP2009034667 A JP 2009034667A JP 2008175087 A JP2008175087 A JP 2008175087A JP 2008175087 A JP2008175087 A JP 2008175087A JP 2009034667 A JP2009034667 A JP 2009034667A
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Kazuyuki Tate
和幸 舘
Takeshi Narita
猛 成田
Satoshi Kodama
敏 児玉
Kazuyuki Kuwano
一幸 桑野
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

【課題】2種類以上の塗料をウェットオンウェットで積層して焼き付けて高耐久性の確保などのために少なくとも最上層を硬化させても、最上層表面の凹凸が少ない積層塗膜を得ることができる塗装方法を提供すること。
【解決手段】基材上に形成された少なくとも1層の下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を形成する塗装方法であって、
前記下層を形成するための下層用塗料のうちの少なくとも1種類として熱処理により硬化反応を起こさない非硬化型塗料を準備し、且つ、前記最上層を形成するための最上層用塗料として熱硬化型塗料を準備する工程と、
前記基材上に前記下層用塗料および前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
前記未硬化積層塗膜に熱処理を施して少なくとも前記最上層用塗料を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする塗装方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、2種類以上の塗料をウェットオンウェットで積層して焼き付ける塗装方法およびそれにより得られる塗装体に関する。
2種類以上の塗料をウェットオンウェットで積層した後、焼き付ける塗装方法により積層塗膜を形成する場合において、従来は、すべての塗料を積層した後に積層塗膜を構成するすべての層で焼き付けにより硬化反応が起こるように、すべての層について熱硬化型塗料が用いられ、積層塗膜全体が硬化されていた。この場合、下層を焼き付けてから最上層を形成する塗料を積層して焼き付けた場合に比べて、積層塗膜の肌および光沢が劣るという問題があった。このため、積層塗膜の肌および光沢を向上させるために種々の方法が提案されている。
例えば、特開平10−277478号公報(特許文献1)には、カラーベース塗料、光輝材含有ベース塗料およびクリア塗料を順次ウェットオンウェット方式で塗装した後、焼き付け処理を行って各層を硬化させる塗膜形成方法が開示されている。この方法では、各塗料の粘度上昇開始時間をカラーベース塗料、光輝材含有ベース塗料およびクリア塗料の順に長くなるように調整して、最上層を形成するクリア塗料が硬化に伴って粘度上昇する前に下層を形成するカラーベース塗料および光輝材含有ベース塗料の硬化を開始させている。
また、特開2005−193107号公報(特許文献2)には、中塗り塗料と上塗り塗料とをウェットオンウェットで塗装した後、これらを同時に硬化させる塗装方法において、積層塗膜の肌や光沢が劣る原因が中塗り塗膜層と上塗り塗膜層との混相による上塗り塗膜の平滑性の低下にあると考え、前記混相を防ぐために、中塗り塗料を塗布した後、未硬化の中塗り塗膜層の表面に中塗り塗膜層の硬化を促進させる硬化触媒を塗布することが開示されている。
一方、積層塗膜の肌や光沢を低下させる原因が焼き付け硬化前の積層塗膜中の溶剤の残存にあることが知られている。特に、積層塗膜中の溶剤が硬化反応時に急激に蒸発すると積層塗膜表面が荒れるため、これを防ぐために以下のような方法が提案されている。例えば、特開2000−84463号公報(特許文献3)には、溶液型熱硬化性塗料を塗布する工程と低温加熱工程および高温加熱工程とを含む2段階加熱による塗膜形成方法が開示されている。また、特開2004−275966号公報(特許文献4)には、中塗り塗料、ベース塗料およびクリア塗料を順次ウェットオンウェットで塗装する工程と低温加熱段階および高温加熱段階の2段階の加熱工程を含む塗膜形成方法が開示されている。これらの方法では、低温加熱段階では塗料を硬化させずに塗料中の溶媒を穏やかに蒸発させ、その後高温加熱段階で各層の塗料に含まれる熱硬化性樹脂を硬化させている。
このように、従来から積層塗膜の肌および光沢を向上させるために種々の方法が提案されているが、例えば、自動車用鋼板などではより外観品質に優れた塗装体が求められており、ウェットオンウェットによる塗装方法の更なる改良が望まれている。
特開平10−277478号公報 特開2005−193107号公報 特開2000−84463号公報 特開2004−275966号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、2種類以上の塗料をウェットオンウェットで積層して焼き付けて高耐久性の確保などのために少なくとも最上層は硬化させても、最上層表面の凹凸が少ない積層塗膜を得ることができる塗装方法、およびそれにより得られる外観品質に優れた塗装体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、積層塗膜の最上層の下層のうちの少なくとも1層を熱処理により硬化反応を起こさない非硬化型塗料を使用して形成することにより、最上層が硬化して流動性が著しく低下した後の積層塗膜の収縮を最小限に抑えることができ、2種類以上の塗料をウェットオンウェットで積層した後に焼き付けを実施しても外観品質に優れた積層塗膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の塗装方法は、基材上に形成された少なくとも1層の下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を形成する塗装方法であって、
前記下層を形成するための下層用塗料のうちの少なくとも1種類として熱処理により硬化反応を起こさない非硬化型塗料を準備し、且つ、前記最上層を形成するための最上層用塗料として熱硬化型塗料を準備する工程と、
前記基材上に前記下層用塗料および前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
前記未硬化積層塗膜に熱処理を施して少なくとも前記最上層用塗料を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とするものである。
前記非硬化型塗料は、前記最上層用塗料の硬化温度における重量減少率が0.5質量%以下の塗料であることが好ましく、硬化剤を含有しない塗料であることがより好ましい。
前記下層が2層以上の場合、前記下層を形成するための下層用塗料のすべてが非硬化型塗料であることが好ましい。
また、前記最上層用塗料が、その硬化温度における重量減少率が0.5質量%以下の塗料であることが好ましく、熱処理による硬化反応において揮発性生成物を生成しない塗料であることがより好ましい。
本発明の塗装方法では、前記未硬化積層塗膜の揮発分濃度を3.5質量%以下に低減した後、[前記最上層用塗料の硬化温度−20℃]以上の温度で熱処理して少なくとも前記最上層用塗料を硬化させることが好ましい。また、前記未硬化積層塗膜に、[前記最上層用塗料の硬化温度−20℃]未満の温度で熱処理を施し、次いで[前記最上層用塗料の硬化温度−20℃]以上の温度で熱処理を施すことも好ましい。
本発明の塗装体は、基材上に形成された少なくとも1層の下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を有する塗装体であって、前記本発明の塗装方法により得られる塗装体であり、肌や光沢など外観品質に優れている。
なお、本発明の塗装方法によって2種類以上の塗料をウェットオンウェットで積層して焼き付けた場合にも積層塗膜の表面の凹凸が少なくなる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、従来のウェットオンウェットにより形成した積層塗膜では、最上層を含めすべての層で熱硬化型塗料が用いられているため、最上層を形成する熱硬化型塗料を熱処理により硬化させる際にその下層においても熱硬化型塗料が硬化する。このとき、積層塗膜の各層では縮合反応や硬化剤の脱ブロック反応の後の付加反応により熱硬化型塗料を硬化させるため、この縮合反応や脱ブロック反応により揮発性生成物が生成して残存する溶媒とともに揮発し、積層塗膜が収縮して塗膜表面に凹凸が形成される。この塗膜表面の凹凸は各層が十分に流動性を有している間はその流動などにより緩和されるが、各層、特に最上層の流動性が硬化により著しく低下すると凹凸は緩和されず、基材表面や各層の界面の凹凸が最上層表面に転写され、積層塗膜の肌や光沢が悪化することとなる。
一方、本発明の塗装方法では、下層のうちの少なくとも1層を非硬化型塗料を用いて形成するため、最上層を熱硬化型塗料を用いて形成してもこの熱硬化型塗料を熱処理により硬化させる際に非硬化型塗料を用いて形成した下層では実質的には硬化反応が起こらず、揮発性生成物が実質的に生成しない。その結果、従来のような積層塗膜の収縮に影響を与えるような揮発性生成物の揮発が起こらず、積層塗膜の収縮を残存する溶媒の揮発のみに起因する最小限のものに抑えることができるものと本発明者らは推察する。なお、本発明において、「実質的には揮発性生成物を生成しない」および「揮発性生成物の揮発が実質的には起こらない」には、揮発性生成物の揮発による塗膜の収縮が塗膜の表面平滑性に影響を及ぼさない程度に揮発性生成物が生成および揮発する場合を包含するものとする。具体的には、塗料を熱処理して揮発性生成物が生成して揮発しても塗膜の重量減少率が0.5質量%以下である場合には、この塗料は実質的には揮発性生成物を生成せず、揮発しないものとする。
本発明によれば、2種類以上の塗料をウェットオンウェットで積層して焼き付けて高耐久性の確保などのために少なくとも最上層を硬化させても、最上層表面の凹凸が少ない積層塗膜を得ることができる。これにより、肌(表面平滑性)や光沢など外観品質に優れた塗装体を得ることができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の塗装方法は、基材上に形成された少なくとも1層の下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を形成する塗装方法であって、
前記下層を形成するための下層用塗料のうちの少なくとも1種類として熱処理により硬化反応を起こさない非硬化型塗料を準備し、且つ、前記最上層を形成するための最上層用塗料として熱硬化型塗料を準備する工程と、
前記基材上に前記下層用塗料および前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
前記未硬化積層塗膜に熱処理を施して少なくとも前記最上層用塗料を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とするものである。
本発明の塗装方法では、基材上に1種類以上の下層用塗料を塗布し、必要に応じて乾燥等により溶媒等を蒸発させて未硬化の下層を形成する。次いで、この未硬化の下層の上に最上層用塗料を塗布し、必要に応じて乾燥等により溶媒等を蒸発させて未硬化の最上層を形成した後、得られた未硬化積層塗膜に熱処理を施して少なくとも前記最上層用塗料を硬化させる。
基材としては、特に限定されず、例えば、金属(鉄、銅、アルミニウム、錫、亜鉛およびこれらの金属の合金など)、鋼板、プラスチック、発泡体、紙、木、布、ガラスなどが挙げられる。中でも、外観品質に対する要求特性が高い自動車用鋼板に本発明は好適に適用される。これら基材表面は、予め電着塗装などの処理が施されていてもよい。
本発明の塗装方法では、基材上に少なくとも1層の下層を形成するが、前記下層のうちの少なくとも1層は下層用塗料として熱処理により硬化反応を起こさない非硬化型塗料を用いて形成される。具体的には、下層が1層の場合にはこの下層を非硬化型塗料を用いて形成し、下層が2層以上の場合にはそれらのうちの少なくとも1層を非硬化型塗料を用いて形成する。下層が2層以上の場合、積層塗膜の収縮が低減できる点ですべての下層が非硬化型塗料を用いて形成されることが好ましい。
熱処理により硬化反応を起こさない非硬化型塗料は、熱処理により実質的に硬化反応を起こさないものであればよく、使用する最上層用塗料の硬化温度における重量減少率が0.5質量%以下のものが好ましく、0.3質量%以下のものがより好ましく、0.1質量%以下のものが特に好ましい。このような熱処理による重量減少率が小さい非硬化型塗料を用いると最上層の流動性が硬化により著しく低下した後の積層塗膜の収縮を小さくできる傾向にある。さらにこのような観点から塗膜形成可能な樹脂を含み硬化剤を含まない塗料が最も好ましい。非硬化型塗料の形態は、溶剤型、水性のいずれでもよいが、揮発性有機化合物の排出量を削減できる点で水性が好ましい。
なお、本発明において、「塗料の硬化温度」とは、対象とする塗料を基材上に塗装して熱処理を施し塗膜を硬化せしめて基材上に定着させるために硬化時間などの硬化条件との関係で最も効率よく硬化できる温度をいい、一般的には塗料毎に設定(設計)されている焼付温度をいう。本発明では、この硬化温度(焼付温度)としてカタログ値を採用することができる。また、「塗料の重量減少率」は、以下の方法により測定される値である。すなわち、対象とする塗料を熱処理後の膜厚が積層塗膜での目標膜厚となるようにアルミ箔上に塗装し、得られたアルミ箔試料を最上層用塗料の硬化温度よりも40℃低い温度および10−2Torr以下の真空条件で90分間乾燥した後、加熱脱着導入装置(例えば、GERSTEL社製Thermal Desorption System)付きガスクロマトグラフ/質量分析装置(例えば、Agilent社製6890GC/5975MSD)を用いて最上層用塗料の硬化温度で30分間加熱して揮発性生成物量(Rc(単位:g))と残存溶媒量を定量し、式(1)により重量減少率を算出する。この重量減少率は、塗膜中の全バインダー量に対する前記揮発性生成物量の割合である。
重量減少率=100×Rc/W×100/(100−P) (1)
式(1)中、Wは前記真空乾燥工程で得られた塗膜の質量(単位:g)であり、Pはその塗膜100gに含まれる顔料の質量(単位:g)である。なお、顔料の質量は塗料の配合表の値(カタログ値など)を採用できる。
また、本発明に用いられる非硬化型塗料としては、使用する最上層用塗料のゲル化開始時における相対損失弾性率が1s−2以下である塗料が好ましい傾向にある。なお、「最上層用塗料のゲル化開始時における相対損失弾性率」とは、以下の方法により測定される相対損失弾性率で定義されるものである。すなわち、先ず、最上層用塗料を40mm×50mmのステンレス鋼板(厚さ0.5mm)に熱硬化処理後の膜厚が35±5μmとなるように塗布する。具体的には、前記ステンレス鋼板を水平な台に配置し、前記ステンレス鋼板の対向する2辺の縁からそれぞれ5mm程度の領域に厚さ70μmの粘着テープを貼り付け、刃先が直線であるナイフを前記テープ上で滑らせて、前記ステンレス鋼板とナイフの刃先との隙間に最上層用塗料を塗り込む。
このようにして最上層用塗料からなる塗膜を形成してから7±1分間後に、前記塗膜の相対貯蔵弾性率(E’)を測定する。測定は、刃先角度40°のナイフエッジを取り付けた直径74mmの円環状振子を装着した剛体振子型物性試験器((株)エー・アンド・デイ製RPT−5000型)を使用して実施する。測定時の温度プログラムは、室温(25℃)から最上層用塗料の硬化温度まで昇温速度20±4℃/分で昇温し、その後、前記硬化温度を維持するように設定する。
得られた相対貯蔵弾性率(E’)の測定値を時間に対してプロットすると、図1に示すように、時間の経過に従って下に凸の曲線から上に凸の曲線に変化する(以下、この変化する時点を「変曲点」という)という結果が得られる。この変曲点から15分間の部分について下記式(2):
’=A〔1−exp{k(t−t}〕 (2)
(式(2)中、Aおよびkは定数であり、tは時間を示す。)
を当てはめ、非線形最小二乗法により時間軸切片tを求める。このtは、測定を開始してから最上層用塗料がゲル化を開始するまでの時間を表す。
次に、対象とする下層用塗料について、前記最上層用塗料の場合と同様にして塗膜を形成し、前記最上層用塗料の場合と同一条件で相対損失弾性率(E”)を測定する。この測定結果から前記時間tにおける相対損失弾性率(E”)を求め、これを「最上層用塗料のゲル化開始時における相対損失弾性率」とする。
なお、前記相対貯蔵弾性率(E’)および前記相対損失弾性率(E”)は、それぞれ一般的な貯蔵弾性率(E’)および相対損失弾性率(E”)と下記式:
’=BE’
”=BE”
で関連付けることができる。ここで、Bは測定条件によって決まる値あり、下記式:
B=(bhcosφ)/(Isinθ)
(式中、bは塗膜とナイフエッジとが接する長さ[単位:m]を示し、hは塗膜の膜厚[単位:m]を示し、φは静止した振子のナイフエッジ面と基材(上記の場合はステンレス鋼板)の表面とがなす角度を示し、Iは振子の刃先を軸とした回転慣性モーメント[単位:kg・m]を示す)
で表されるものである。したがって、測定条件が固定されればBは一定値となる。
前記非硬化型塗料に含まれる塗膜形成可能な樹脂としては、それ単独では熱処理により硬化反応を起こさない樹脂であればよく、例えば、特開2004−275966号公報に記載の中塗り塗料やベース塗料などから硬化剤を除いた樹脂成分、具体的には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの樹脂の中から熱処理により硬化反応を起こさないものを2種以上選択して併用してもよい。
また、本発明にかかる非硬化型塗料には、必要に応じて従来公知の着色顔料や光輝性顔料などが従来公知の範囲で含まれていてもよい。また、各種物性を調整するために粘性制御剤、表面調整剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、消泡剤などの各種添加剤を従来公知の範囲で配合してもよい。
本発明では、下層が2層以上の場合、少なくとも1層が前記非硬化型塗料を用いて形成された層であれば、残りの層は熱硬化型塗料を用いて形成してもよい。
下層用熱硬化型塗料としては、通常の焼付塗装に使用される熱硬化型塗料が使用でき、例えば、特開2004−275966号公報に記載の中塗り塗料やベース塗料などが挙げられる。下層用熱硬化型塗料の形態は、溶剤型、水性のいずれでもよいが、揮発性有機化合物の排出量を削減できる点で水性が好ましい。また、下層用熱硬化型塗料は、熱処理により最上層が硬化して流動性が著しく低下した後の塗膜の収縮を最小限にできる観点から、使用する最上層用塗料の硬化温度における重量減少率が小さいものほど好ましい。
下層用熱硬化型塗料の具体例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂と、アミン化合物、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、イソシアネート樹脂などの硬化剤とを含む熱硬化型塗料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記熱硬化性樹脂および前記硬化剤はそれぞれ1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
下層用熱硬化型塗料には、必要に応じて従来公知の着色顔料や光輝性顔料などが従来公知の範囲で含まれていてもよい。また、各種物性を調整するために粘性制御剤、表面調整剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、消泡剤などの各種添加剤を従来公知の範囲で配合してもよい。
本発明では最上層用塗料として熱硬化型塗料を使用する。この最上層用熱硬化型塗料としては、塗膜形成可能な熱硬化性樹脂および硬化剤(例えば、前記熱硬化性樹脂の官能基と反応可能な官能基を2個以上有する化合物や樹脂)を含むものであればよく、通常の焼付塗装の最上層用塗料として使用される熱硬化型塗料(例えば、特開2004−275966号公報に記載のクリア塗料など)が挙げられる。その形態は溶剤型、水性、粉体のいずれでもよい。
最上層用熱硬化型塗料の硬化温度は、特に限定されないが、通常40〜200℃、好ましくは60〜160℃である。
最上層用塗料に含まれる塗膜形成可能な熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい硬化剤としてはアミン化合物、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、およびイソシアネート樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの樹脂および硬化剤はそれぞれ1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の塗装方法では、前記最上層用塗料は熱処理による硬化反応において実質的に揮発性生成物を生成しない塗料であることが好ましい。このような塗料としてはその硬化温度における重量減少率が0.5質量%以下のものが好ましく、0.3質量%以下のものがより好ましく、0.1質量%以下のものが特に好ましい。このような重量減少率が小さい熱硬化型塗料を最上層用塗料として使用すると熱処理による塗膜の収縮を最小限にすることができる傾向にある。また、このような観点から揮発性生成物を生成しない塗料(重量減少率が0質量%)が最も好ましい。
熱処理による硬化反応において揮発性生成物を生成しない前記熱硬化性樹脂と前記硬化剤との組み合わせとしては、水酸基含有アクリル樹脂とイソシアネート化合物および/またはイソシアネート樹脂との組み合わせ、エポキシ基含有アクリル樹脂と多価カルボン酸化合物および/またはカルボキシル基含有樹脂との組み合わせなどが挙げられる。
更に、前記最上層用塗料には、必要に応じて従来公知の着色顔料や光輝性顔料などが従来公知の範囲で含まれていてもよい。また、各種物性を調整するために粘性制御剤、表面調整剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、消泡剤などの各種添加剤を従来公知の範囲で配合してもよい。
本発明の塗装方法では、先ず、前記基材上に前記下層用塗料を塗布し、必要に応じて乾燥等により溶媒を蒸発させて未硬化の下層を形成する。このとき、下層が1層の場合にはこの下層を前記非硬化型塗料を用いて形成する。下層が2層以上の場合には少なくとも1層を前記非硬化型塗料を用いて形成し、残りの層は下層用熱硬化型塗料を用いて形成することができるが、積層塗膜の収縮を最小限にできる点ですべての下層を前記非硬化型塗料を用いて形成することが好ましい。また、下層を2層以上形成する場合、非硬化型塗料を用いた層はいずれの位置に形成してもよい。
下層用塗料を塗布する際、非硬化型塗料および熱硬化型塗料のいずれの塗料を使用する場合でもエアー静電スプレー塗装や回転霧化式静電塗装などの従来公知の方法を適用することができる。
下層の各層の膜厚は所望の用途により適宜設定することができるが、例えば、熱処理後の膜厚で5〜50μmであることが好ましく、10〜40μmであることがより好ましい。各下層の膜厚が前記下限未満では均一な下層の塗膜が得にくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると最上層の塗膜に含まれる溶媒などを多く吸収する傾向にあるとともにその層自身に含まれる溶媒の揮発も抑制され積層塗膜の外観品質を悪化させる傾向にある。
次に、前記未硬化の下層の上に前記最上層用塗料を塗布し、必要に応じて乾燥等により溶媒を蒸発させて未硬化の最上層を形成する。最上層用塗料の塗布方法としては、エアー静電スプレー塗装や回転霧化式静電塗装などの従来公知の方法が挙げられる。
最上層の膜厚は所望の用途により適宜設定することができるが、例えば、熱処理後の膜厚で15〜60μmであることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましい。最上層の膜厚が前記下限未満では流動性が不十分であり積層塗膜の外観品質が悪化する傾向にあり、他方、前記上限を超えると流動性が過度に大きくなり鉛直方向に塗装する場合にはタレなどの欠陥が発生する傾向にある。
このようにして、前記下層用塗料および前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して形成された未硬化積層塗膜に熱処理を施して少なくとも前記最上層用塗料を硬化させる。本発明の塗装方法において、前記熱処理は、少なくとも最上層が硬化する温度以上、例えば[前記最上層用塗料の硬化温度−20℃]以上の温度での加熱処理(以下、「高温加熱処理」という)を含んでいることが好ましい。
高温加熱温度は、さらに、[前記最上層用塗料の硬化温度±20℃]の範囲の温度が好ましい。具体的には、最上層用塗料の硬化温度が140℃の場合、高温加熱温度は120℃以上であることが好ましく、120℃以上160℃以下であることが好ましい。高温加熱時間は最上層用塗料の硬化時間の50%以上150%以下であることが好ましく、60%以上100%以下であることが好ましい。具体的には、最上層用塗料の硬化時間が30分の場合、高温加熱時間は15分以上45分以下であることが好ましく、18分以上30分以下であることが好ましい。
また、本発明の塗装方法では、前記高温加熱処理を施す前に最上層を硬化させずに積層塗膜の揮発分濃度を好ましくは3.5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下に低減する。これにより高温加熱処理により最上層が硬化して流動性が著しく低下した後の積層塗膜の収縮を最小限にすることができる傾向にある。なお、本発明において、「積層塗膜の揮発分濃度」は、式(3)より算出される値である。
V=(Wt−We)/Wt×100 (3)
式(3)中、Vは積層塗膜の揮発分濃度(単位:質量%)、Wtは任意の熱処理時間tにおける積層塗膜の質量(単位:g)、Weは熱処理終了時の積層塗膜の質量(単位:g)である。
最上層を硬化させずに積層塗膜の揮発分濃度を低減する方法としては、[前記最上層用塗料の硬化温度−20℃]未満の温度で加熱処理(以下「低温加熱処理」という)を施す方法が好ましい。低温加熱温度は、さらに[前記最上層用塗料の硬化温度−30℃]未満の温度が好ましく、[前記最上層用塗料の硬化温度−40℃]未満の温度が特に好ましい。具体的には、最上層用塗料の硬化温度が140℃の場合、低温加熱温度は120℃未満であることが好ましく、110℃未満であることがより好ましく、100℃未満であることが特に好ましい。低温加熱時間は最上層用塗料の硬化時間の10%以上50%未満であることが好ましく、20%以上40%以下であることが好ましい。具体的には、最上層用塗料の硬化時間が30分の場合、低温加熱時間は3分以上15分以下であることが好ましく、6分以上12分以下であることが好ましい。前記低温加熱温度および低温加熱時間の範囲で未硬化積層塗膜を熱処理すると最上層を実質的には硬化させずに積層塗膜の揮発分濃度を低減することができる傾向にある。
さらに、本発明の塗装方法では、ウェットオンウェットにより積層された未硬化状態の塗膜を安定させるために、前記熱処理前に室温で静置(セッティング)させることが好ましい。セッティング時間は通常1〜20分に設定される。
また、本発明において、さらに高級な外観を有する塗装体を得るためには、前記塗装方法により得られた塗装体の前記最上層の上にさらに1種以上の塗料を塗布して硬化処理を施し、表面層を形成することが好ましい。前記塗料としては、前記最上層用塗料として例示したものを使用することができる。また、前記塗料の塗布方法としては、エアスプレー塗装やエアー静電スプレー塗装、回転霧化式静電塗装などの従来公知の方法が挙げられる。
本発明の塗装体は、前記本発明の塗装方法により製造されたものであり、積層塗膜表面の凹凸が従来のウェットオンウェットで製造した積層塗膜よりも少なく、外観品質に優れている。このような塗装体は、特に乗用車、トラック、バス、オートバイなどの自動車用車体やその部品として有用である。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、最上層用塗料のゲル化開始時における下層用塗料の相対損失弾性率および塗料の熱処理による重量減少率は以下の方法により測定した。
(最上層用塗料のゲル化開始時における下層用塗料の相対損失弾性率)
先ず、最上層用塗料を40mm×50mmのステンレス鋼板(厚さ0.5mm)に熱処理後の膜厚が35±5μmとなるように塗布した。具体的には、前記ステンレス鋼板を水平な台に配置し、前記ステンレス鋼板の対向する2辺の縁からそれぞれ5mm程度の領域に厚さ70μmの粘着テープを貼り付け、刃先が直線であるナイフを前記テープ上で滑らせて、前記ステンレス鋼板とナイフの刃先との隙間に最上層用塗料を塗り込んだ。
このようにして最上層用塗料からなる塗膜を形成してから7±1分間後に、前記塗膜の相対貯蔵弾性率(E’)を測定した。測定は、刃先角度40°のナイフエッジを取り付けた直径74mmの円環状振子を装着した剛体振子型物性試験器((株)エー・アンド・デイ製RPT−5000型)を使用して実施した。測定時の温度プログラムは、室温(25℃)から最上層用塗料の硬化温度まで昇温速度20±4℃/分で昇温し、その後、前記硬化温度を維持するように設定した。
得られた相対貯蔵弾性率(E’)の測定値を時間に対してプロットし、上記した変曲点から15分間の部分について下記式(2):
’=A〔1−exp{k(t−t}〕 (2)
(式(2)中、Aおよびkは定数であり、tは時間を示す。)
を当てはめ、非線形最小二乗法により時間軸切片、すなわち測定を開始してから最上層用塗料がゲル化を開始するまでの時間tを求めた。
次に、対象とする下層用塗料について、前記最上層用塗料の場合と同様にして塗膜を形成し、前記最上層用塗料の場合と同一条件で相対損失弾性率(E”)を測定した。この測定結果から前記時間tにおける相対損失弾性率(E”)を求め、これを「最上層用塗料のゲル化開始時における相対損失弾性率」とした。
(重量減少率の測定)
対象とする塗料を熱処理後の膜厚が積層塗膜の目標膜厚となるようにアルミ箔上に塗装し、得られたアルミ箔試料を最上層用塗料の硬化温度よりも40℃低い温度および10−2Torr以下の真空条件で90分間乾燥した後、加熱脱着導入装置(例えば、GERSTEL社製Thermal Desorption System)付きガスクロマトグラフ/質量分析装置(例えば、Agilent社製6890GC/5975MSD)を用いて最上層用塗料の硬化温度で30分間加熱して揮発性生成物量(Rc(単位:g))と残存溶媒量を定量し、式(1)により重量減少率を算出した。この重量減少率は、塗膜中の全バインダー量に対する前記揮発性生成物量の割合である。
重量減少率=100×Rc/W×100/(100−P) (1)
式(1)中、Wは前記真空乾燥工程で得られた塗膜の質量(単位:g)であり、Pはその塗膜100gに含まれる顔料の質量(単位:g)である。なお、顔料の質量は塗料の配合表の値を使用した。
(合成例1)アクリル樹脂Aの合成
メタクリル酸4.5質量部、アクリル酸エチル26.0質量部、水酸基含有モノマー(ダイセル化学工業社製、商品名「プラクセルFM−1」)64.5質量部、メチルスチレンダイマー(三井東圧化学社製、商品名「MSD−100」)5.0質量部およびアゾイソブチロニトリル13.0質量部を混合して混合溶液Aを調製した。
攪拌機、温度調節器および還流冷却管を備えた反応容器にキシレン82.0質量部を仕込み、次いで前記混合溶液Aのうちの20.0質量部を加え、攪拌しながら加熱して温度を上昇させた。その後、還流させながら前記混合溶液Aの残り93.0質量部を3時間かけて滴下して、次いでアゾイソブチロニトリル1.0質量部およびキシレン12.0質量部からなる溶液を30分間かけて滴下して反応を行なった。得られた反応溶液をさらに1時間攪拌しながら還流させ、数平均分子量2000のアクリル樹脂Aを含む樹脂溶液Aを得た。この樹脂溶液Aを固形分濃度が75質量%になるまでエバポレータで脱溶媒し、アクリル樹脂ワニスAを得た。
(合成例2)アクリル樹脂Bの合成
アクリル酸5.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル17.0質量部、メタクリル酸n−ブチル66.0質量部、アクリル酸ステアリル12.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.8質量部を混合して混合溶液Bを調製した。
攪拌機、温度調節器および還流冷却管を備えた反応容器にイソプロピルアルコール82.0質量部を仕込み、窒素置換した後、温度80℃まで加熱した。次いで前記混合溶液B(100.8質量部)を5時間かけて滴下した後、1時間攪拌を継続して数平均分子量15000のアクリル樹脂Bを含む樹脂溶液Bを得た。この樹脂溶液Bを固形分濃度が80質量%になるまでエバポレータで脱溶媒した後、ジメチルエタノールアミン6.0質量部およびイオン交換水36.0質量部を添加し、固形分濃度60質量%のアクリル樹脂ワニスBを得た。
(調製例1)熱硬化型水性中塗り塗料Aの調製
反応容器に合成例1で作製した固形分濃度75質量%のアクリル樹脂ワニスAを337質量部と酸化チタン(石原産業社製、商品名「CR−93」)1000質量部とカーボンブラック(デグサ社製、商品名「FW−200P」)10質量部とを仕込み、次いで酢酸ブチル163質量部とキシレン84質量部とを添加した。その後、仕込み全質量と同じ質量のガラスビーズ(粒径1.6mm)を投入し、卓上SGミルで3時間分散した。グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。その後、キシレン84質量部を添加した後、ガラスビーズを濾別し、顔料ペーストを作製した。この顔料ペーストに、前記アクリル樹脂ワニスAとメラミン樹脂(サイテック社製、商品名「サイメル254」)とをアクリル樹脂とメラミン樹脂との固形分質量比が10:1.5になるように、且つ中塗り塗膜中の顔料濃度が50.0質量%になるように添加し、イオン交換水で希釈して固形分濃度が50質量%の熱硬化型水性中塗り塗料Aを調製した。この熱硬化型水性中塗り塗料Aの硬化温度は140℃であり、140℃での重量減少率は1.6質量%(P=50.0として算出)であった。
(調製例2)熱硬化型水性中塗り塗料Bの調製
前記アクリル樹脂ワニスAとメラミン樹脂(サイテック社製、商品名「サイメル254」)とをアクリル樹脂とメラミン樹脂との固形分質量比が10:3になるように使用した以外は調製例1と同様にして固形分濃度が50質量%の熱硬化型水性中塗り塗料Bを調製した。この熱硬化型水性中塗り塗料Bの硬化温度は140℃であり、140℃での重量減少率は3.3質量%(P=50.0として算出)であった。
(調製例3)非硬化型水性ベース塗料Aの調製
合成例2で作製した固形分濃度60質量%のアクリル樹脂ワニスBにその固形分質量と同じ質量の1−t−ブトキシ−2−プロパノールを添加し、さらに水性塗料用アルミペーストをベース塗膜中の顔料濃度が17.7質量%になるように添加し、イオン交換水で希釈して固形分濃度が20質量%の非硬化型水性ベース塗料Aを作製した。この非硬化型水性ベース塗料Aの140℃での重量減少率は0質量%であった。
(調製例4)熱硬化型水性ベース塗料Bの調製
合成例2で作製した固形分濃度60質量%のアクリル樹脂ワニスBにメラミン樹脂(サイテック社製、商品名「サイメル325」)をアクリル樹脂とメラミン樹脂との固形分質量比が10:2になるように添加し、さらに水性塗料用アルミペーストをベース塗膜中の顔料濃度が17.7質量%になるように添加し、イオン交換水で希釈して固形分濃度が20質量%の熱硬化型水性ベース塗料Bを作製した。この熱硬化型水性ベース塗料Bの硬化温度は140℃であり、140℃での重量減少率は1.6質量%(P=17.7として算出)であった。
(調製例5)熱硬化型水性ベース塗料Cの調製
前記アクリル樹脂ワニスBとメラミン樹脂(サイテック社製、商品名「サイメル325」)とをアクリル樹脂とメラミン樹脂との固形分質量比が10:1になるように使用した以外は調製例4と同様にして固形分濃度が20質量%の熱硬化型水性ベース塗料Cを作製した。この熱硬化型水性ベース塗料Cの硬化温度は140℃であり、140℃での重量減少率は0.8質量%(P=17.7として算出)であった。
(調製例6)熱硬化型クリア塗料Aの調製
表1に示す割合でポリオール、添加剤および溶剤を混合して2液型の熱硬化型クリア塗料の主剤を調製した。また、前記熱硬化型クリア塗料の硬化剤として表1に示すイソシアネート硬化剤を使用した。実施例1、3〜4および比較例1〜4ではこの主剤と硬化剤とを表1に示す割合で混合したもの(固形分濃度55質量%)を熱硬化型クリア塗料Aとして使用した。この熱硬化型クリア塗料Aの硬化温度は140℃であり、140℃での重量減少率は0質量%であった。
(調製例7)熱硬化型クリア塗料Bの調製
表1に示す割合でポリオール、添加剤および溶剤を混合して2液型の熱硬化型クリア塗料の主剤を調製した。また、イソシアネート硬化剤(Bayer社製、商品名「Desmodur N 3390 Ba/SN」)の固形分100質量部に対してブロック剤として4.3質量部の3,5−ジメチルピラゾールを添加したものを前記熱硬化型クリア塗料の硬化剤として使用した。実施例2ではこの主剤と硬化剤とを表1に示す割合で混合したものを熱硬化型クリア塗料Bとして使用した。この熱硬化型クリア塗料Bの硬化温度は140℃であり、140℃での重量減少率は1.5質量%であった。
Figure 2009034667
(実施例1)
最上層用塗料として調製例6で調製した熱硬化型クリア塗料A(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=0質量%)を使用し、下層用塗料として調製例3で調製した非硬化型水性ベース塗料A(重量減少率(140℃)=0質量%)を使用した。前記熱硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記非硬化型水性ベース塗料Aの相対損失弾性率は0.29s−2であった。
電着塗装板(神東ハーバーツ社製、商品名「サクセード80V グレー」)の表面に調製例3で調製した非硬化型水性ベース塗料Aを熱処理後の膜厚が20μmになるように塗装し、80℃で3分間加熱して水および有機溶剤などを揮発させた。次いで、この非硬化型水性ベース塗料Aの層の上に調製例6で調製した熱硬化型クリア塗料Aを熱処理後の膜厚が35μmになるように塗装し、非硬化型水性ベース塗料Aと熱硬化型クリア塗料Aとをウェットオンウェットで積層した未硬化積層塗膜を得た。この未硬化積層塗膜を室温で10分間静置(セッティング)した後、90℃で10分間の加熱処理と140℃で30分間の加熱処理を順次施して熱硬化型クリア塗料Aを硬化させた。この間、所定のタイミングで積層塗膜の質量Wt(単位:g)を測定し、式(3)より積層塗膜の揮発分濃度V(単位:質量%)を算出した。
V=(Wt−We)/Wt×100 (3)
式(3)中、Weは熱処理終了時の積層塗膜の質量(単位:g)である。
また、前記質量測定とともにウェーブスキャン(BYK−Gardner社製Wave−Scan Dual)を用いてウェーブスキャン値〔Wa(波長<0.3mm)、Wb(波長0.3〜1mm)、Wc(波長1〜3mm)、Wd(波長3〜10mm)〕を測定した。これらのウェーブスキャン値は、Waが小さいほど光沢が優れ、Wdが小さいほど肌がよいことを意味する。
熱処理後の積層塗膜のWa〜Wdを表2に示す。また、熱処理中におけるVとWaとの関係を図2に示す。
(実施例2)
クリア塗料として前記熱硬化型クリア塗料Aの代わりに調製例7で調製した熱硬化型クリア塗料B(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=1.5質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。なお、前記熱硬化型クリア塗料Bのゲル化開始時における前記非硬化型水性ベース塗料Aの相対損失弾性率は0.35s−2であった。
熱処理後の積層塗膜のWa〜Wdを表2に示す。また、熱処理中におけるVとWaとの関係を図2に示す。
(比較例1)
ベース塗料として前記非硬化型水性ベース塗料Aの代わりに調製例4で調製した熱硬化型水性ベース塗料B(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=1.6質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。なお、前記熱硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記熱硬化型水性ベース塗料Bの相対損失弾性率は1.1s−2であった。
熱処理後の積層塗膜のWa〜Wdを表2に示す。また、熱処理中におけるVとWaとの関係を図2に示す。
Figure 2009034667
表2に示した結果から明らかなように、非硬化型水性ベース塗料を最上層の下層に使用し、熱処理により脱ブロック反応を伴う硬化反応が起こり収縮する熱硬化型クリア塗料を最上層に使用した本発明の積層塗膜(実施例2)のWa〜Wdはいずれも、熱硬化型水性ベース塗料を最上層の下層に使用し、熱処理による硬化反応において収縮しない熱硬化型クリア塗料を最上層に使用した積層塗膜(比較例1)に比べて小さく、実施例2の積層塗膜は光沢、肌ともに比較例1の積層塗膜よりも優れていることが確認された。また、非硬化型水性ベース塗料を最上層の下層に使用し、熱処理による硬化反応において収縮しない熱硬化型クリア塗料を最上層に使用した積層塗膜(実施例1)のWa〜Wdはいずれも、実施例2の積層塗膜の約1/2、比較例1の積層塗膜の1/2以下であり、実施例1の積層塗膜は光沢、肌ともに非常に優れたものであることが確認された。
図2に示すように、90℃での熱処理で実施例1の積層塗膜は揮発分濃度Vが約2質量%まで、実施例2の積層塗膜は揮発分濃度Vが約2.5質量%まで低下したのに対して比較例1の積層塗膜は約4質量%までしか低下しなかった。その結果、140℃での熱処理の際に比較例1では揮発分濃度Vが約4質量%も減少したのに対して、実施例1では揮発分濃度Vの減少が約2質量%に抑えられ、実施例2では揮発分濃度Vの減少が約2.5質量%に抑えられた。なお、実施例2における揮発分濃度Vは140℃での熱処理による脱ブロック反応で生成する揮発分を含むものである。
図2および表2に示した結果から明らかなように、140℃での熱処理の際の揮発分濃度Vの減少量が小さい(実施例1<実施例2<比較例1)ほどWa〜Wdが小さくなり(実施例1<実施例2<比較例1)、光沢および肌については実施例1の積層塗膜が最も良く、次に実施例2の積層塗膜が良く、比較例1の積層塗膜は光沢および肌に劣るものであることが確認された。
実施例1〜2および比較例1の積層塗膜においては、いずれも140℃での熱処理により熱硬化型クリア塗料が硬化を開始する(実施例2の場合においても素早く脱ブロック反応が起こり、即座に実施例1と同様の硬化反応が起こる。)が、熱硬化型クリア塗料の層の流動性が硬化により著しく低下した後には、140℃での熱処理の際の前記揮発分濃度Vの減少量に相当する分の積層塗膜の収縮が起こる。したがって、140℃での熱処理の際の揮発分濃度Vの減少量が小さいものほど、熱硬化型クリア塗料の層の流動性が硬化により著しく低下した後の収縮がより確実に抑えられ、その結果、積層塗膜表面の凹凸の形成(顕在化)がより抑制され、Wa〜Wdがより小さくなり、光沢および肌がより向上することが確認された。
(実施例3)
前記非硬化型水性ベース塗料Aの代わりにポリウレタン樹脂系熱硬化型塗料(関西ペイント社製、商品名「レタンPG60改」、2液型(硬化剤:イソシアネート化合物))の主剤を非硬化型の溶剤型ベース塗料として用い、この非硬化型の溶剤型ベース塗料を熱処理後の膜厚が25μmになるように塗装した以外は実施例1と同様にして積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。なお、前記非硬化型の溶剤型ベース塗料(ポリウレタン樹脂系熱硬化型塗料の主剤)の140℃での重量減少率は0質量%であった。また、前記熱硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記非硬化型の溶剤型ベース塗料の相対損失弾性率は0.16s−2であった。
熱処理後の積層塗膜のWa〜Wdを表3に示す。また、熱処理中におけるVとWaとの関係を図3に示す。
(比較例2)
前記熱硬化型水性ベース塗料Bを熱処理後の膜厚が25μmになるように塗装した以外は比較例1と同様にして積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。
熱処理後の積層塗膜のWa〜Wdを表3に示す。また、熱処理中におけるVとWaとの関係を図3に示す。
Figure 2009034667
表3に示した結果から明らかなように、本発明のように最上層の下層に非硬化型の溶剤型ベース塗料を使用したウェットオンウェットによる積層塗膜(実施例3)のWa〜Wdはいずれも、最上層の下層に熱硬化型水性ベース塗料を使用した積層塗膜(比較例2)に比べて小さく、実施例3の積層塗膜は光沢、肌ともに比較例2の積層塗膜よりも向上していることが確認された。
図3に示すように、90℃での熱処理で実施例3の積層塗膜は揮発分濃度Vが約3質量%まで低下したのに対して比較例2の積層塗膜は約4質量%までしか低下しなかった。その結果、140℃での熱処理の際に比較例2では揮発分濃度Vが約4質量%も減少したのに対して、実施例3では揮発分濃度Vの減少が約3質量%に抑えられた。この140℃での熱処理の際の揮発分濃度Vの減少は積層塗膜の収縮に相当する。したがって、実施例3の積層塗膜は比較例2の積層塗膜に比べて140℃での熱処理の際、熱硬化型の溶剤型クリア塗料の層の流動性が硬化により著しく低下した後の収縮が確実に抑えられ、その結果、積層塗膜表面の凹凸の形成(顕在化)が抑制され、Wa〜Wdがいずれも小さくなり、光沢および肌が比較例2の積層塗膜よりも向上していることが確認された。
(実施例4)
最上層用塗料として調製例6で調製した熱硬化型クリア塗料A(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=0質量%)を使用し、下層用塗料として調製例1で調製した熱硬化型水性中塗り塗料A(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=1.6質量%)および調製例3で調製した非硬化型水性ベース塗料A(重量減少率(140℃)=0質量%)を使用した。なお、前記熱硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記熱硬化型水性中塗り塗料Aおよび前記非硬化型水性ベース塗料Aの相対損失弾性率は、それぞれ4.7s−2および0.29s−2であった。
電着塗装板(神東ハーバーツ社製、商品名「サクセード80V グレー」)の表面に調製例1で調製した熱硬化型水性中塗り塗料Aを熱処理後の膜厚が20μmになるように塗装し、100℃で3分間加熱して水および有機溶剤などを揮発させ、この熱硬化型水性中塗り塗料Aの層の上に調製例3で調製した非硬化型水性ベース塗料Aを熱処理後の膜厚が15μmになるように塗装し、この非硬化型水性ベース塗料Aの層の上に調製例6で調製した熱硬化型クリア塗料Aを熱処理後の膜厚が35μmになるように塗装した以外は実施例1と同様にして積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。
熱処理後の積層塗膜のWa〜Wdを表4に示す。また、熱処理中におけるVとWaとの関係を図4に示す。
(比較例3)
中塗り塗料として前記熱硬化型水性中塗り塗料Aの代わりに調製例2で調製した熱硬化型水性中塗り塗料B(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=3.3質量%)を用い、ベース塗料として前記非硬化型水性ベース塗料Aの代わりに調製例4で調製した熱硬化型水性ベース塗料B(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=1.6質量%)を用いた以外は実施例4と同様にして積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。なお、前記熱硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記熱硬化型水性中塗り塗料Bおよび前記熱硬化型水性ベース塗料Bの相対損失弾性率は、それぞれ7.5s−2および1.1s−2であった。
熱処理後の積層塗膜のWa〜Wdを表4に示す。また、熱処理中におけるVとWaとの関係を図4に示す。
(比較例4)
ベース塗料として非硬化型水性ベース塗料Aの代わりに調製例5で調製した熱硬化型水性ベース塗料C(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=0.8質量%)を用いた以外は実施例4と同様にして積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。なお、前記熱硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記熱硬化型水性ベース塗料Cの相対損失弾性率は1.0s−2であった。
熱処理後の積層塗膜のWa〜Wdを表4に示す。また、熱処理中におけるVとWaとの関係を図4に示す。
Figure 2009034667
表4に示した結果から明らかなように、本発明のように最上層の下層に非硬化型の水性ベース塗料を使用したウェットオンウェットによる積層塗膜(実施例4)のWa〜Wdはいずれも、最上層の下層に熱硬化型水性ベース塗料のみを使用した積層塗膜(比較例3〜4)に比べて小さく、実施例4の積層塗膜は光沢、肌ともに比較例3〜4の積層塗膜よりも向上していることが確認された。
図4に示すように、90℃での熱処理で実施例4の積層塗膜は揮発分濃度Vが約2質量%まで低下したのに対して比較例3および4の積層塗膜はそれぞれ約5質量%および約4質量%までしか低下しなかった。その結果、140℃での熱処理時において比較例3および4では揮発分濃度Vがそれぞれ約5質量%および約4質量%も減少したのに対して、実施例4では揮発分濃度Vの減少が約2質量%に抑えられた。この140℃での熱処理による揮発分濃度Vの減少は積層塗膜の収縮に相当する。したがって、実施例4の積層塗膜は比較例3および4の積層塗膜に比べて140℃での熱処理の際、熱硬化型の溶剤型クリア塗料の層の流動性が硬化により著しく低下した後の収縮が確実に抑えられ、その結果、積層塗膜表面の凹凸の形成(顕在化)が抑制され、Wa〜Wdがいずれも小さくなり、光沢および肌が比較例3および4の積層塗膜よりも向上していることが確認された。
なお、実施例と比較例における積層塗膜の収縮量の違いは以下のようにして起こるものと推察される。下層のすべてに熱硬化型ベース塗料を使用した比較例1〜4の積層塗膜では下層が140℃での熱処理により硬化し、その際アクリル樹脂の水酸基とメラミン樹脂とが反応して揮発性のアルコールや水が生成する。これに対して、下層のうちの少なくも1層に非硬化型ベース塗料を使用した実施例1〜4の積層塗膜では熱硬化型の溶剤型クリア塗料の層の流動性が硬化により著しく低下する140℃での熱処理において非硬化型ベース塗料により形成された下層では硬化反応が実質的には起こらず揮発性生成物が生成しない。その結果、比較例1〜4では揮発性生成物が揮発して塗膜が収縮するのに対して実施例1〜4では揮発性生成物が実質的には生成しないため塗膜の収縮が少なくなると推察される。
以上説明したように、本発明によれば、2種類以上の塗料をウェットオンウェットで積層して焼き付けて少なくとも最上層を硬化させても、最上層表面の凹凸が少ない積層塗膜を得ることができる。これにより、肌(表面平滑性)や光沢など外観品質に優れた塗装体を得ることができる。
したがって、本発明は、2種類以上の塗料をウェットオンウェットで積層して焼き付ける場合においても外観品質に優れた塗装体を得ることができる塗装方法として有用であり、特に乗用車、トラック、バス、オートバイなどの自動車用車体やその部品の塗装方法として有用である。
相対貯蔵弾性率(Er’)の経時変化を模式的に示すグラフである。 実施例1〜2および比較例1で作製した積層塗膜の熱処理中における揮発分濃度Vとウェーブスキャン値Waとの関係を示すグラフである。 実施例3および比較例2で作製した積層塗膜の熱処理中における揮発分濃度Vとウェーブスキャン値Waとの関係を示すグラフである。 実施例4および比較例3〜4で作製した積層塗膜の熱処理中における揮発分濃度Vとウェーブスキャン値Waとの関係を示すグラフである。
符号の説明
P…変曲点、t…時間、t…最上層用塗料について相対貯蔵弾性率の測定を開始してからゲル化が開始するまでの時間。

Claims (9)

  1. 基材上に形成された少なくとも1層の下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を形成する塗装方法であって、
    前記下層を形成するための下層用塗料のうちの少なくとも1種類として熱処理により硬化反応を起こさない非硬化型塗料を準備し、且つ、前記最上層を形成するための最上層用塗料として熱硬化型塗料を準備する工程と、
    前記基材上に前記下層用塗料および前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
    前記未硬化積層塗膜に熱処理を施して少なくとも前記最上層用塗料を硬化させる工程と、
    を含むことを特徴とする塗装方法。
  2. 前記非硬化型塗料が、前記最上層用塗料の硬化温度における重量減少率が0.5質量%以下の塗料であることを特徴とする請求項1に記載の塗装方法。
  3. 前記非硬化型塗料が硬化剤を含有しない塗料であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗装方法。
  4. 前記下層が2層以上であり、前記下層を形成するための下層用塗料のすべてが非硬化型塗料であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の塗装方法。
  5. 前記最上層用塗料が、その硬化温度における重量減少率が0.5質量%以下の塗料であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の塗装方法。
  6. 前記最上層用塗料が熱処理による硬化反応において揮発性生成物を生成しない塗料であることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の塗装方法。
  7. 前記未硬化積層塗膜の揮発分濃度を3.5質量%以下に低減した後、[前記最上層用塗料の硬化温度−20℃]以上の温度で熱処理して少なくとも前記最上層用塗料を硬化させることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の塗装方法。
  8. 前記未硬化積層塗膜に、[前記最上層用塗料の硬化温度−20℃]未満の温度で熱処理を施し、次いで[前記最上層用塗料の硬化温度−20℃]以上の温度で熱処理を施すことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の塗装方法。
  9. 基材上に形成された少なくとも1層の下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を有する塗装体であって、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の塗装方法により得られたものであることを特徴とする塗装体。
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