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JP2004510849A - ポリプロピレンの製造 - Google Patents

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JP2004510849A
JP2004510849A JP2002532504A JP2002532504A JP2004510849A JP 2004510849 A JP2004510849 A JP 2004510849A JP 2002532504 A JP2002532504 A JP 2002532504A JP 2002532504 A JP2002532504 A JP 2002532504A JP 2004510849 A JP2004510849 A JP 2004510849A
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Abstract

ポリプロピレンの製造方法であって、(a)一般式R”(XR)(Cp’R’)MQ[式中、Xは、シクロペンタジエニル部分(Cp)またはヘテロ原子であり、Cp’は、置換もしくは未置換のフルオレニル環であり、各Rは、独立して、水素または炭素原子数が1から20のヒドロカルビルであり、0≦m≦4であり、各R’は、独立して、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルであり、0≦n≦8であり、R”は、C−C20アルキレン基、ジアルキルゲルマニウムもしくはケイ素またはシロキサン、またはアルキルホスフィンもしくはアミン基を含んで成るブリッジであり、このブリッジは置換されているか或は置換されておらず、Mは、IVB族の遷移金属、バナジウムまたはランタニド金属であり、そして各Qは、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルまたはハロゲンである]で表されるメタロセン触媒および(b)前記触媒成分を活性化する共触媒を含んで成るメタロセン触媒系の存在下でプロピレンを単独重合させるか或はプロピレンをエチレンおよびCからC10の1−オレフィンから選択される1種以上の共重合用単量体と一緒に共重合させるが、この単独重合または共重合をポリプロピレン用の希釈剤である炭化水素中のスラリー方法で実施するか或はポリプロピレン用の溶媒である炭化水素中の溶液方法で実施し、前記希釈剤または溶媒中のプロピレン単量体の濃度を前記希釈剤または溶媒の重量を基準にして70重量%未満にすることにより、ポリプロピレン分子上に長鎖分岐を有するポリプロピレン単独重合体または共重合体を生成させることを含んで成る方法。

Description

【0001】
本発明はポリプロピレンの製造方法に関する。特に、本発明は、長鎖分岐を有するポリプロピレンを製造する方法に関する。本発明は、また、特別なレオロジー特性を有するポリプロピレンにも関する。
【0002】
ポリプロピレン樹脂は多種多様な用途で用いられている。しかしながら、ポリプロピレン樹脂は、メルトインデックス(melt index)が高い時に溶融強度(melt strength)が低く、これがポリプロピレンの加工を困難にしていることから、ポリプロピレンの使用が数多くの用途で制限されると言った問題に苦しんでいる。
【0003】
チーグラー・ナッタおよびメタロセン(metallocene)触媒を用いると線状のポリプロピレンが生成する。そのような線状のポリプロピレンは溶融強度が劣ると言った欠点を持ち得る。また、メタロセン触媒は、これを希釈剤、例えばヘキサンなどを用いたスラリー方法(slurry process)で用いると劣った活性を示し得る。
【0004】
ポリプロピレンの溶融強度は例えばポリプロピレンに電子ビームを照射するか或は1種以上の過酸化物と共作用剤(co−agent)、例えばテトラビニルシランなどを用いた反応性押出し加工(reactive extrusion)により向上することが本技術分野で知られている。電子ビームによる照射または反応性押出し加工によってポリプロピレン分子の構造が有意に変化することが知られている。照射線量が特定の量まではチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造された線状のポリプロピレン分子から遊離末端の長鎖分岐(特に長鎖分岐として知られる)を有する変性された重合体分子を生成させることができる。
【0005】
ポリプロピレンにそのような長鎖分岐を持たせるとそれのレオロジー的挙動が劇的に変化し、例えばそれが示す伸びおよびせん断粘度(shear viscosity)などが変化することが知られている。
【0006】
WO 00/12572には、重量平均分岐指数(weight average branching index)gが0.95未満で多分散性(polydispersity)が4未満で融点が90℃より高い分岐したポリプロピレン組成物が開示されている。このような組成物は向上した溶融強度と良好な加工性を示す。
【0007】
米国特許第6,060,567号には、a)元素周期律表の3−10族またはランタニド系列の金属原子と環状の非局在化したπ結合部分を含んで成る金属配位錯体とb)活性化用共触媒を含んで成る触媒組成物を用いて長鎖分岐を有する共重合体の重合方法が記述されている。
【0008】
WO 99/41289には、a)3−10族の金属の錯体を含んで成る触媒系とb)シランまたはヒドロカルビルシランを含んで成る触媒組成物を用いた付加重合性重合体の重合方法が開示されている。
【0009】
WO 99/02540には、少なくとも4個の縮合環を含んで成るη配位子を有していてη配位子の全部に含まれる縮合環の合計が少なくとも6であるメタロセン化合物が開示されている。このようなメタロセン化合物は高分子量のポリエチレンおよび長鎖分岐を有するポリプロピレンの重合で用いられる。
【0010】
ヨーロッパ特許出願公開第190,889号には、遊離末端の長鎖分枝を有するポリプロピレンを高エネルギーの照射により生成させることが開示されている。
【0011】
ヨーロッパ特許出願公開第678,527号には、線状のポリプロピレンに架橋助剤を添加して混合しそしてその混合物を1から20kGyの線量で照射することにより生成させた分岐度が実質的に1のポリプロピレンが開示されている。
【0012】
溶融強度が重要な役割を果たすポリプロピレン加工操作には、ブロー成形、押出し加工被覆、熱成形、繊維紡糸および発泡体押出し加工が含まれる。熱成形では、溶融強度が劣ると結果としてたるみ現象が起こってしまう。繊維紡糸では、溶融強度が劣ると結果として横方向の力、例えば冷却用空気などが原因で繊維が望ましくなく動いてしまうことにより最終的に「融合した(married)」繊維および繊維の破断が起こってしまう可能性がある。他方、溶融強度があまりにも高いとタイターが低い繊維の達成が制限されるであろう。従って、溶融強度と延伸性を正確に均衡させるのが望ましい。ブロー加工(2軸配向)またはキャストフィルムの場合もまた溶融強度と伸長性を正確に均衡させることが非常に重要である。発泡体押出し加工では、溶融強度が劣ると結果として気泡が崩壊して気泡の構造が均一でなくなってしまう。そのような用途では、延伸性が劣ると壁の微細さが制限されるであろう。
【0013】
本発明の目的は、向上した特性、特に向上した溶融強度を示し得る長鎖分岐を有するポリプロピレン樹脂を照射工程も反応性押出し加工も必要なく製造することを可能にする製造方法を提供することにある。本発明の目的は、また、ポリプロピレン分子が有する長鎖分岐を実質的に多くするような方法を提供することにある。さらなる目的は、新規な特性を示す新規なポリプロピレン樹脂、特に長鎖分岐を有するそのような樹脂を製造することにある。
【0014】
従って、本発明は、ポリプロピレンの製造方法を提供し、この方法は、(a)一般式R”(XR)(Cp’R’)MQ[式中、Xは、シクロペンタジエニル部分(Cp)またはヘテロ原子であり、Cp’は、置換もしくは未置換のフルオレニル環であり、各Rは、独立して、水素または炭素原子数が1から20のヒドロカルビルであり、0≦m≦4であり、各R’は、独立して、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルであり、0≦n≦8であり、R”は、C−C20アルキレン基、ジアルキルゲルマニウムもしくはケイ素またはシロキサン、またはアルキルホスフィンもしくはアミン基を含んで成るブリッジ(bridge)であり、このブリッジは置換されているか或は置換されておらず、Mは、IVB族の遷移金属、バナジウムまたはランタニド金属であり、そして各Qは、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルまたはハロゲンである]で表されるメタロセン触媒および(b)前記触媒成分を活性化する共触媒を含んで成るメタロセン触媒系の存在下でプロピレンを単独重合させるか或はプロピレンをエチレンおよびCからC10の1−オレフィンから選択される1種以上の共重合用単量体と一緒に共重合させるが、この単独重合または共重合をポリプロピレン用の希釈剤である炭化水素中のスラリー方法で実施するか或はポリプロピレン用の溶媒である炭化水素中の溶液方法で実施し、前記希釈剤または溶媒中のプロピレン単量体の濃度を前記希釈剤または溶媒の重量を基準にして70重量%未満にすることにより、ポリプロピレン分子が長鎖分岐を有するポリプロピレン単独重合体または共重合体を生成させることを含んで成る。
【0015】
前記スラリー重合の場合には重合温度を50から120℃、例えば80℃にすることができ、そして圧力を50から60バールにすることができる。
【0016】
前記溶液重合の場合には重合温度を50から200℃にすることができ、そして圧力を5から100バールにすることができる。
【0017】
重合時間を好適には数分から数時間にする。
【0018】
前記単独重合または共重合は希釈剤を用いたスラリー中で超臨界条件下で実施可能である。この希釈剤にアルカン、例えばC−Cアルカンなどまたはこれらの混合物を含めてもよい。この希釈剤はプロパンであってもよい。温度および圧力を希釈剤(および存在する量の単量体)にとって最低限の超臨界値よりも高くすべきである。プロパンが示す最低限の超臨界温度Tcは96.8℃でありそして最低限の超臨界圧力Pcは41.5バールである。
【0019】
このような超臨界条件を用いるとメタロセン触媒の活性が極めて高くなる。メタロセン触媒をこれがそのような超臨界条件下で熱安定性を示すように選択する。メタロセン触媒の活性は、温度および圧力を超臨界値よりも高くし、最も好適には水素を存在させないと、触媒残渣の量が非常に少なくて長鎖分岐を有するポリプロピレン樹脂をもたらすに充分なほど高くなり得る。
【0020】
そのようなスラリー方法は直列の2基の反応槽内で実施するスラリーループ方法(slurry loop process)であってもよく、場合により、一方の反応槽を超臨界条件下で操作してもよい。
【0021】
そのような単独重合または共重合を好適には水素の存在なしに実施する。場合により、2基の反応槽を直列で存在させる時には、一方の反応槽を水素の非存在下操作することにより長鎖分岐度を高くしそしてもう一方を水素の存在下操作する結果として分子量の低い分子が生成する結果、加工性がより高い2種類の画分の混合物が生成する。
【0022】
そのようなポリプロピレンは好適には共重合用単量体の存在なしに生成させた単独重合体である。
【0023】
このポリプロピレンの合成はスラリーまたは溶液方法でバッチ(batch)、半連続または連続反応槽を用いて実施可能である。
【0024】
本発明は、更に、1未満の分岐指数gを示しかつ損失せん断弾性係数(loss shear modulus)G”と貯蔵せん断弾性係数(storage shear modulus)G’の間の関係に関して貯蔵せん断弾性係数G’の値がクロスオーバー点(cross−over point)[このクロスオーバー点の所では貯蔵せん断弾性係数G’と損失せん断弾性係数G”が等しくそしてクロスオーバー点の下方では貯蔵せん断弾性係数G’の方が損失せん断弾性係数G”より小さい]に相当する値より低い所のd(logG”)/d(logG’)比が0.9より大きいポリプロピレンを提供する。
【0025】
前記貯蔵せん断弾性係数G’の値が前記クロスオーバー点に相当する値より低い所のd(logG”)/d(logG’)比は好適には1より大きい。
【0026】
本発明は、更にその上、1未満の分岐指数gを示しかつ複素粘性率(complex viscosity)(η)と角振動数(angular frequency)(ω)の間の関係が、角振動数の値がクロスオーバー点[このクロスオーバー点の所では貯蔵せん断弾性係数G’と損失せん断弾性係数G”が等しくそしてクロスオーバー点の下方では貯蔵せん断弾性係数G’の方が損失せん断弾性係数G”より小さい]に相当する値より低い所に変曲点(inflection point)を示してこの変曲点の所のd(log η)/d(log ω)がゼロでありそして前記変曲点の下方で粘度が上昇するポリプロピレンを提供する。
【0027】
本発明は、更にその上、1未満の分岐指数gを示しかつtan δ(tan δはG”/G’比である)と角振動数(ω)の間の関係に関して角振動数ωの値がクロスオーバー点[このクロスオーバー点の所では貯蔵せん断弾性係数G’と損失せん断弾性係数G”が等しくそしてクロスオーバー点の下方では貯蔵せん断弾性係数G’の方が損失せん断弾性係数G”より小さい]に相当する値より低い所に曲線の最大値が存在していて前記最大値の所のd(tan δ)/dωの値がゼロであるポリプロピレンを提供する。
【0028】
このポリプロピレンはアイソタクチックポリプロピレンまたはシンジオタクチックポリプロピレンであり得る。
【0029】
本発明は、プロピレンを重合させてアイソタクチックもしくはシンジオタクチックポリプロピレンを生成させる時にフルオレニル部分を有するメタロセン触媒を低濃度のプロピレン単量体と組み合わせて用いるとポリプロピレン分子に長鎖分岐が生成する度合が高くなる傾向があることを本発明者らが見いだしたことが基になっている。この傾向は特に水素を存在させないと高くなる。理論で範囲を限定するものでないが、プロピレン単量体の濃度を低くすると単量体の取り込み度合が低下すると言った犠牲を伴うが成長する不飽和ポリプロピレン分子上に分岐がグラフト化する度合が高くなる傾向があると考えている。それとは対照的に、ポリプロピレンの重合を通常のスラリーバルク(bulk)方法または超臨界プロピレン方法で行うと鎖の中にプロピレン単量体が取り込まれるか或は不飽和ポリプロピレン鎖が取り込まれるかに関するそれらの間の競合がプロピレン単量体の挿入の方が大きく優先されることからアイソタクチックポリプロピレンに分岐が生じない。
【0030】
フルオレニル置換基を有するメタロセン触媒を用いてポリプロピレンの製造を行うが、この触媒を好適には
(Me2C(3−t−ブチル−5−Me−Cp)(Flu)ZrCl2;
イソプロピル−シクロペンタジエニル−フルオレニルジルコニウムジクロライド;および
(PhC)((MeSi)Cp)(Flu)ZrCl
から選択する。
【0031】
Cpは置換基であるシクロペンタジエニルであり、これは置換されていないか、或は例えばPhCH、MeC、MeSi、Me、MeとMeC、MeとSiMe、MeとPh、またはMeとCH−CH−CHなどで置換されている。
【0032】
Cp’は置換基であるフルオレニルであり、これは置換されていないか、或は例えばR’またはYR’[ここで、YはCまたはSiであり、そして各R’は、独立して、Hまたは炭素原子数が1から20のヒドロカルビルである]で置換されている。
【0033】
ヘテロ原子Xは例えばN、P、SまたはOであってもよい。
【0034】
構造ブリッジR”は、一般に、炭素原子数が1から20のアルキレン基、ジアルキルゲルマニウムもしくはケイ素またはシロキサン、アルキルホスフィンまたはアミン、好適にはMe−C−Me、Ph−C−Ph、−CH−、Et−C−Et、Me−Si−Me、Ph−Si−PhまたはEt−Si−Etである。
【0035】
金属Mは好適にはZrまたはHfであり、そして各Qは好適にはClである。
【0036】
前記メタロセン触媒成分を活性化する共触媒は、この目的で用いられることが知られている如何なる共触媒であってもよく、例えばアルミニウム含有共触媒またはホウ素含有共触媒であってもよい。このようなアルミニウム含有共触媒にはアルモキサン(alumoxane)、例えばメチルアルミニウムオキサンなどが含まれ得、その量はAl/M=10−2000になるような量である。支持型(supported)メタロセン触媒を用いるスラリーループ方法では、共触媒、例えばトリ−イソブチルアルミニウム(TIBAL)またはトリエチルアルミニウム(TEAL)から選択した共触媒を反応槽に注入する。
【0037】
本発明の方法で用いるアルモキサンは良く知られており、好適には、オリゴマー状の線状アルモキサンの場合には式:
【0038】
【化1】
Figure 2004510849
【0039】
で表されそしてオリゴマー状の環状アルモキサンの場合には式:
【0040】
【化2】
Figure 2004510849
【0041】
で表されるオリゴマー状の線状および/または環状のアルキルアルモキサンを含んで成り、ここで、
nは1−40、好適には10−20であり、mは3−40、好適には3−20であり、そしてRは、C−Cアルキル基、好適にはメチルである。
【0042】
アルモキサンの調製を例えばトリメチルアルミニウムと水を用いて行うと一般に線状化合物と環状化合物の混合物が得られる。
【0043】
適切なホウ素含有共触媒にはホウ酸トリフェニルカルベニウム、例えばヨーロッパ特許出願公開第0427696号に記述されている如きテトラキス−ペンタフルオロフェニル−ボラト−トリフェニルカルベニウム、またはヨーロッパ特許出願公開第0277004号(6頁の30行から7頁の7行)に記述されている如き一般式[L’−H]+[B Ar Ar X X]−で表される共触媒が含まれ得る。
【0044】
最も好適には、前記溶媒もしくは希釈剤中のプロピレン単量体の濃度は前記溶媒または希釈剤の重量を基準にして30から60重量%である。
【0045】
溶液重合方法の場合の溶媒は、生成した重合体を重合で用いる温度および圧力下で溶かし得る液体であり、典型的な溶媒にはトルエン、キシレン、シクロヘキサンおよびイソパー(isopar)(飽和イソパラフィンの混合物)が含まれる。前記メタロセン触媒を溶液方法で用いる時にはそれを好適には非支持型で用いる。トルエン、シクロヘキサンおよびイソパーの場合の個々の重合温度範囲は生成したPPの溶解度で決まり、これは、その溶媒の性質、温度、圧力および製造するPPの種類の関数である。
【0046】
スラリー重合方法の場合の典型的な希釈剤には、炭素原子数が1から6の炭化水素、例えばプロパン、イソブタン、ペンタンまたはヘキサンなどが含まれる。メタロセン触媒系をスラリーループ方法で用いることができ、その時には、前記触媒を不活性な支持体に担持させて用いてもよい。そのような不活性な支持体には、多孔質の固体状支持体、例えばタルク、無機酸化物および樹脂状支持体材料、例えばポリオレフィンなどが含まれ得る。この支持体材料は好適には微細に分割した形態の無機酸化物である。
【0047】
本発明に従って望ましく用いる適切な無機酸化物材料には、2a、3a、4aまたは4b族の金属の酸化物、例えばシリカ、アルミナおよびこれらの混合物などが含まれる。単独またはシリカもしくはアルミナと組み合わせて使用可能な他の無機酸化物はマグネシア、チタニア、ジルコニアなどである。しかしながら、他の適切な支持体材料、例えば微細に分割した官能化(functionalized)ポリオレフィン、例えば微細に分割したポリエチレンなどを用いることも可能である。この支持体は好適には表面積が200から900m/gで細孔容積が0.5から4ml/gの範囲のシリカである。
【0048】
そのような固体状支持型触媒を調製する時に便利に用いられるアルモキサンおよびメタロセンの量は幅広い範囲に渡って多様であり得る。好適には、アルミニウムと遷移金属のモル比を1:1から100:1の範囲、好適には5:1から50:1の範囲にする。
【0049】
支持体材料にメタロセンおよびアルモキサンを添加する順は多様であり得る。本発明の好適な態様に従い、アルモキサンを適切な不活性な炭化水素溶媒に溶解させそして同じまたは他の適切な炭化水素液に入れてスラリー状にしておいた支持体材料に加えた後、このスラリーにメタロセン触媒成分の混合物を加える。
【0050】
好適な溶媒には、反応温度で液状でありかつ個々の材料と反応しない鉱油およびいろいろな炭化水素が含まれる。有用な溶媒の説明的例にはアルカン、例えばペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびノナンなど、シクロアルカン、例えばシクロペンタンおよびシクロヘキサンなど、そして芳香族、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびジエチルベンゼンなどが含まれる。
【0051】
好適には、支持体材料をトルエンに入れてスラリー状にし、そしてメタロセンおよびアルモキサンをトルエンに溶解させた後にそれを前記支持体材料に添加する。
【0052】
本発明に従い、メタロセン触媒を反応槽に入れておいてこれにプロピレンおよび場合により任意の共重合用アルファ−オレフィン単量体を送り込む。典型的な共重合用単量体にはエチレン、ブテン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−ヘキセンが含まれる。追加的に水素を反応槽に供給してもよいが、最も好適には重合中に水素を存在させない。本発明のメタロセン触媒成分は良好な共重合用単量体応答(comonomer response)を示すばかりでなく良好な水素応答を示すことから、そのような共重合用単量体を存在させる時にはそれらの全部が実質的に消費される。
【0053】
本発明に従って製造したポリプロピレンが示すMFIは典型的に0.1から2000g/10’の範囲、好適には0.5から1000g/10’の範囲に入る。このポリプロピレンが示す溶融温度(melting temperature)は典型的に85℃より高く、最も好適には100℃より高い。このポリプロピレンが示す重量平均分子量(Mw)は好適には5から5000kDa、より好適には20から1000kDaの範囲である。その多分散度(D)は好適には2から25の範囲である。このポリプロピレンは長鎖分岐を有することから加工が容易である。
【0054】
本発明の態様に従って用いるCpFlu触媒の調製は幅広い意味でJournal of Organometallic Chemistry、435(1992)の299から310頁に公開された如きRazaviおよびFerraraの方法に従って実施可能である。
【0055】
このポリプロピレンはアイソタクチックポリプロピレンまたはシンジオタクチックポリプロピレンであり得る。最も詳細には、メタロセン触媒を用いてポリプロピレンの重合を行い、特にメタロセン触媒を用いてアイソタクチックポリプロピレン(本明細書では以降「miPP」と呼ぶ)の重合を行う。このポリプロピレンもしくはポリプロピレンブレンド物は一頂分子量分布または多頂分子量分布、例えば二頂分子量分布を示し得る。
【0056】
このようにして製造したポリプロピレンはより高い溶融強度を示すことから、このポリプロピレンは重合体を溶融状態で加工する時に溶融強度が要求される多種多様な用途、例えばブロー成形、フィルムのブローイング(blowing)、押出し加工熱成形および発泡体の製造などで使用可能である。
【0057】
このポリプロピレンはプロピレンの単独重合体、またはプロピレンとエチレンおよび線状または分岐していてもよいCからC10の1−オレフィンから選択される1種以上のオレフィンとのランダムもしくはブロック共重合体であってもよい。このポリプロピレンは例えばエチレン含有量が10重量%以下のエチレン−プロピレンランダム共重合体であってもよい。このポリプロピレン単独重合体をマトリックス相(matrix phase)として用いて、これにゴム粒子、例えばエチレン−プロピレンゴム粒子などを典型的に30重量%以下の量で添加することで強靭性を与えることができる。
【0058】
均一重合の場合には、重合後のポリプロピレンを酸性のアルコール溶液、例えばメタノールもしくはイソプロパノール溶液などで洗浄することで溶媒から沈澱させてもよい。その綿毛物(fluff)を通常の抗酸化添加剤で処理してポリプロピレンを安定化させる。その後、このポリオレフィンを溶融状態で機械的に加工、例えば押出し加工した後、粒状にする。
【0059】
本発明の好適な面に従うポリプロピレンは向上した溶融強度を示す。本発明に従って製造したポリプロピレンが基になった重合体はそのような特別なレオロジー特性を有することから卓越した加工挙動を示し、それによって、これは特にフィルム、シート、繊維、パイプ、発泡体、中空製品、パネルおよび被膜の製造で用いるに適する。
【0060】
本発明をここに下記の非限定実施例および添付図を参照してより詳細に記述する。
【0061】
本発明をここに下記の非限定実施例を参照してより詳細に記述する。
【0062】
(実施例)
実施例1および2
これらの実施例では、Me2C(3−t−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを含んで成るメタロセン触媒を用いてアイソタクチックポリプロピレン単独重合体を製造するが、この重合を重合工程中に水素ガスを添加しないで実施する(それによってメタロセン合成アイソタクチックポリプロピレンを示すmiPPを製造する)。この重合の実施では、3リットルの実験室用バッチ反応槽を用い、これにある量の溶媒または希釈剤とある量のプロピレン単量体を入れることで実施した。前記反応槽に窒素下のパージ洗浄を110℃で1時間行った後、これを反応温度である80℃になるまで冷却した。実施例1および2で用いた触媒の量はそれぞれ20mgおよび52mgであった。各場合とも共触媒はメチルアルミニウムオキサン(MAO)であり、これを希釈剤の量を基準にして850ppm重量の量で用いた。このMAOをトルエン中30重量%の溶液として1.5ml加えた。実施例1ではトルエンを溶媒として用いて重合を実施し、トルエンを1リットルとプロピレンを1リットル存在させた。実施例2では、イソブタンを希釈剤として用いて重合を実施し、イソブタンを1リットルとプロピレンを1リットル存在させた。従って、各実施例ともプロピレン単量体と溶媒もしくは希釈剤の体積比は50/50であった。反応温度を80℃にしそして圧力を30バールにした。反応時間を1時間にした。未反応の単量体を排出させることにより反応を停止させた。水素も共重合用単量体により供給しなかった。
【0063】
実施例1では、重合後に重合体を酸性のイソプロパノール溶液で洗浄して重合体を沈澱させた後に乾燥させることで、ポリプロピレン綿毛物を30グラム得た。この均一(非支持型)重合の収率は触媒1g当たりPPが1525gであった。実施例2では、重合後にポリプロピレン綿毛物を直接回収した後、乾燥させた。この均一(非支持型)重合の収率は触媒1g当たりPPが11500gであった。
【0064】
本実施例および比較実施例の全部で、CIBA Speciality Chemicalsから商標Irganox B215の下で商業的に入手可能な抗酸化剤をこれが前記綿毛物の重量を基準にして5000ppmを構成するように用いて前記綿毛物を抗酸化添加剤により安定化させた。
【0065】
結果として得たmiPPが示したメルトフローインデックス(MFI)は、実施例1の場合には約320dg/分でありそして実施例2の場合には約700dg/分であった。本明細書では、ポリプロピレンが示すメルトフローインデックス(MFI)の測定を、ASTM D 1238の手順を用い、2.16kgの荷重を用いて、230℃の温度で行う。実施例1および2のNMR分析でもたらされたmmmmmペンタッド(pentad)はそれぞれ82%および79%であった。
【0066】
実施例1および2のポリプロピレンが示した特性を表1に示す。
【0067】
分子量分布をゲル浸透クロマトグラフィーで測定した。その結果としてMw、即ち重量平均分子量の値および多分散度(D)(これはMw/Mnである)の値が得られ、ここで、Mnは数平均分子量である。分岐を有する分子のゲル浸透クロマトグラフィーで測定した分子量は線状の分子に比べて過小評価される傾向がある。
【0068】
長鎖分岐構造を含むポリプロピレンでは振動数が低い時に非常に高い溶融粘度(η)が観察されることは公知である。ポリプロピレン溶融物が示すせん断粘度と円振動数の間の関係は長鎖分岐度に依存する。
【0069】
アイソタクチックおよびシンジオタクチックポリプロピレンに含まれる長鎖分岐の量を量化する目的で、本出願者は、本明細書で分岐係数gと呼ぶパラメーターを公式化し、これを重合体のレオロジー特性から測定する。この長鎖分岐係数gをMw(COP)/Mw(η0)[ここで、Mw(COP)は、クロスオーバー点座標(WとG)(本明細書の以下に考察する如き)から計算した重量平均分子量であり、そしてMw(η0)は、ゼロせん断粘度から計算した重量平均分子量である]の比率を用いて確立した。この分岐係数は、線状のアイソタクチックもしくはシンジオタクチックポリプロピレンの場合には1±0.1に等しく、そして長鎖分岐を有するアイソタクチックもしくはシンジオタクチックポリプロピレンの場合には1未満である。粘弾性測定装置(viscoelastimeter)、例えばRheometrics Scientifics社から商標名RDA 700またはARES 700の下で商業的に入手可能なモデルなどを用いた動的振動数走査で推定される2つの重量平均分子量(M)値の比率から分岐係数gを決定する。
【0070】
分岐係数の測定を下記の如く行う。Rheometrics Scientificsから商標名ARESの下で入手可能な粘弾性測定装置では操作条件を下記の如く設定した:歪みを10から20%、即ち線形粘弾性範囲に設定し、振動数を0.1から500ラジアン/秒で走査し、板と板の幾何形態を25mmの直径にしてそれらの間に位置させる重合体の厚みを典型的に約2mmにした。ある場合には、同じ試験実験をいろいろな溶融物温度(melt temperatures)、例えば190℃および210℃などで実施し、そしてマスター曲線アプローチ(master curve approach)[これは、表題が「Temperature dependece of polyolefin melt rheology」の論文、H.MavridisおよびR.N.Shroff、Polymer Eng.Sci.32、1778(1992)に記述されている]を用いて基準温度である230℃の時の粘弾性応答(viscoelastic responses)を表す。
【0071】
得られたデータから貯蔵(G’)および損失(G”)せん断弾性係数ばかりでなく複素せん断溶融粘度(η*)を基準温度である230℃の時の円振動数の関数としてプロットした。試験を行ったアイソタクチックポリプロピレンの全部が示した貯蔵せん断弾性係数と損失せん断弾性係数のクロスオーバー点(COP)を観察した。このクロスオーバー点(COP)ではG’=G”=Gで等しく、そしてクロスオーバー点の所またはクロスオーバー点が2つ以上存在する時には最も高い振動数を示すクロスオーバー点の所の相当する円振動数Wを用いて重量平均分子量Mおよびこれの多分散性(polydispersity)に関する情報を推論することができる[G.R.ZeichnerおよびP.D.Patelの論文、Proc.2nd World Cong.Chem.Eng.6、333(1981)に初めて提案されたように]。
【0072】
本出願人らは、M値が70kDaから1200kDaの範囲で多分散指数(D=M/M)値が2から25の33種類の線状アイソタクチックポリプロピレンを試験して、クロスオーバー点の所の分子量に下記の式を当てはめることができることを確認した:
(COP)=exp(6.767−0.187*(LnWc)−0.0129*(LnWc))(アイソタクチックPPの場合)
重量平均分子量(Mw)をkDaで示しそしてこれの計算を標準偏差が約5%であると推定して行う。
【0073】
ゼロせん断粘度の時の重量平均分子量であるM(η0)値の計算を下記の如く行う。表題が「Correlation Between Molecular Structure and Rheological Behaviour of Polypropylene」の論文[K.Bernreitner、W.NeisslおよびM.Gahleitner、Polymer Testing、11、89(1992)]に記述されているCarreau−Yasuda式として知られる式を用いてゼロせん断速度の粘度に対する粘度をせん断粘度曲線から推定することができる。前記文献で良く知られているように、ηとMの間にパワーロー(power law)関係が存在する。従って、クロスオーバー点に関して述べたデータと同じデータを用いてゼロせん断粘度の時の重量平均分子量に関して下記の式を決定した:
(η)=exp(3.5897+0.267*Ln(η))(イソタクティックPPの場合)
シンジオタクチックポリプロピレン(sPP)の場合にもMwをCOPおよびηに関係させる同様な式を導き出すことができる。
【0074】
重量平均分子量MをkDaで表し、これは約6%の標準偏差を伴う。粘度をパスカルと秒で表す。
【0075】
所定のアイソタクチックもしくはシンジオタクチックポリプロピレンが示す分岐係数gはその計算した値であるM(COP)とM(η)の間の比率である。
【0076】
本実施例および比較実施例では、Rheometrics装置を用いてレオロジー的測定を230℃で実施した(マスター曲線を用いる時には0.01−1000ラジアン/秒の最大値の範囲)。
【0077】
実施例1および2の測定活性化エネルギーEaはそれぞれ58および48kJ/モルであった。このようにエネルギー値が相対的に高いことは長鎖分岐の度合が大きいことを示している。線状のアイソタクチックポリプロピレンが示す活性化エネルギーEaは37から42kJ/モルの間である。
【0078】
実施例1および2の測定分岐係数gはそれぞれ0.61および0.5の値であった。これらは線状ポリプロピレンが示す1の値よりも有意に小さい。
【0079】
実施例1および2のポリプロピレンの各々に関して、G”とG’の対数値の間の関係を決定して、実施例1の結果を図1に示す。本発明に従い、損失せん断弾性係数G”と貯蔵せん断弾性係数G’の間の関係に関して、貯蔵せん断弾性係数G’の値がクロスオーバー点[このクロスオーバー点の所では貯蔵せん断弾性係数G’と損失せん断弾性係数G”が等しくそしてクロスオーバー点の下方では貯蔵せん断弾性係数G’の方が損失せん断弾性係数G”より小さい]に相当する値より低い所のd(logG”)/d(logG’)比は0.9より大きい。図1では、振動数が低い領域の曲線の傾き(低G’が約100Paより低い時の傾き)は2.04であった。実施例2の相当する傾きは1.7であった。log G”をlog G’に対比させることで生じさせたプロットに1より大きい傾きが存在することは長鎖分岐が大きな度合で存在することを示している。これは、反応槽後の方法(post reactor process)、例えば照射または過酸化物と共作用剤の添加などで得られる長鎖分岐を有するポリプロピレンが与える傾きが0.7から0.9であるのとは対照的であり、比較として、線状のアイソタクチックポリプロピレンが与える傾きは0.6から0.7である。
【0080】
本発明のポリプロピレン重合体は、長鎖分岐構造が存在することに起因し得るレオロジー的特徴、例えば0.9未満の分岐係数g(これとは対照的に線状のポリプロピレンが示す値gは1±0.1である)を示し、アイソタクチックPPの場合には42kJ/モルを超える活性化エネルギーEaを示し、かつG’値がクロスオーバー点より低い所、典型的には100Pa未満の所のlog G”−log G’曲線の傾きは0.7より高い。
【0081】
その上、本発明に従って製造したポリプロピレンは、複素粘性率と振動数の間の関係に関して特別な流動曲線(flow curves)を示す、即ち振動数が低い所に降伏応力(yield stress)を伴うS字形の曲線の存在を示す。従って、図2に示すように、実施例1および2のポリプロピレンが示した複素粘性率の値を振動数に対比させてプロットした時、1秒当たり約2ラジアン未満の値の所のプロットに変曲点が存在し、それによって、振動数が低い方の所の複素粘性率が有意に高い(10%より高い)。このように、このポリプロピレンが示す流動曲線には振動数が低い所に降伏点(yield point)が存在し、せん断粘度をもはやCarreau−Yasuda式で記述することができなくなる。このことは、複素粘性率と振動数の間の関係を示すプロットの形状がS字形であることで明らかになる。そのようなS字形の曲線は数学的に表示され、複素粘性率(η)と角振動数(ω)の間の関係に関して、角振動数の値がクロスオーバー点[このクロスオーバー点の所では貯蔵せん断弾性係数G’と損失せん断弾性係数G”が等しくそしてクロスオーバー点の下方では貯蔵せん断弾性係数G’の方が損失せん断弾性係数G”より小さい]に相当する値より低い所のd(log η)/d(log ω)の値はゼロである。このような特徴により、本発明に従って製造したポリプロピレンは照射または過酸化物と恐らくは共作用剤を用いた反応性押出し加工で製造された長鎖分岐を含む高溶融強度のポリプロピレンから区別される。それとは対照的に、そのような公知の長鎖分岐を有する高溶融強度のポリプロピレンは流動曲線に降伏点を示さずかつS字形の流動曲線も示さない。むしろ、その複素粘性率の値は1秒当たり約2ラジアン未満の低振動数の所で最大値になって平らになる。
【0082】
H.C.Booijによる表題が「Long chain branching and viscoelasticity of ethylene−propylene−diene elastomers」、Kautschukt & Gummi Kunststoffe、44巻、128頁、1991の論文の中で考察されているように、線状鎖の末端弛緩に近い時間−温度領域における1秒当たり0.1ラジアンの所の位相角(phase angle)と100ラジアンの所の位相角の差が小さいことはポリプロピレンに含まれる長鎖分岐の数が多いことを意味する。本発明に従って製造したポリプロピレンが示す粘弾性減衰(viscoelastic damping)はtan δ値(G”/G’比)で示され、これは、振動数が低い所、即ち振動数がG”の方がG’よりも大きくなるクロスオーバー点より下の所にtan δ値の最大値を示す。これは数学的に示され、tan δ(tan δはG”/G’比である)と角振動数(ω)の間の関係に関して、角振動数ωの値がクロスオーバー点[このクロスオーバー点の所では貯蔵せん断弾性係数G’と損失せん断弾性係数G”が等しくそしてクロスオーバー点の下方では貯蔵せん断弾性係数G’の方が損失せん断弾性係数G”より小さい]に相当する値より低い所のd(tan δ)/dωの値はゼロである。このことは図3に示されており、実施例1および実施例2の両方のポリプロピレンはtan δの最大値を1秒当たり100ラジアンの振動数値よりも小さい所に示すことが分かる。それとは対照的に、線状ポリプロピレンおよび照射によって生成した高溶融強度のポリプロピレンの場合には、振動数で定義されるクロスオーバー点(このクロスオーバー点ではG’とG”が等しいそしてそれの下方ではG”の方がG’より大きい)より小さい振動数の所の減衰パラメーター(damping parameter)tan δが連続的に高くなることが観察される。振動数の値を一定にすると分子量が大きくなるにつれて減衰が増大する。MFI値を一定にした時には、長鎖分岐を有するサンプルが示す減衰の方が線状サンプルのそれよりも低い。実施例1のポリプロピレンが1秒当たり0.1ラジアンの所に示した減衰パラメーターtan δは、最も分岐しているポリプロピレンサンプルのそれより小さく、クロスオーバー点の振動数(1秒当たり900ラジアン)の下方にtan δの最大値が観察され、これは1秒当たり25ラジアンの所に位置する。
【0083】
その上、本発明の工程で生成した長鎖分岐を示すポリプロピレンは、また、貯蔵せん断弾性係数G’と損失せん断弾性係数G”が等しい臨界振動数によって構成されるクロスオーバー点(COP)を2つ以上示す。その追加的クロスオーバー点は、線状のポリプロピレン分子または照射されたか或は過酸化物による処理を行った高溶融強度のポリプロピレンが示した古典的なクロスオーバー点の振動数よりも低い振動数の所に存在する。
【0084】
実施例1および2に従って製造しアイソタクチックポリプロピレンは両方ともクロスオーバー点を数箇所示す。
実施例3
この実施例では、シクロヘキサンを希釈剤として41.58リットル用いて、これにプロピレンを単量体として30重量パーセント添加することにより、シンジオタクチックポリプロピレン(sPP)を製造した。イソプロピル−シクロペンタジエニル−フルオレニルジルコニウムジクロライドを75mg含んで成る触媒そしてMAOを120mlの量で含んで成る共触媒(3段階で添加)を導入した後、重合を55℃の温度で2時間進行させた。得られたsPPの量は5160グラムであり、これは収率が触媒1g当たり69067gのPPであることに相当する。
【0085】
このポリプロピレンの特性を表1に要約する。
【0086】
このsPPは複素粘性率と振動数の間の関係に関して降伏点を示す流動曲線を示し、この曲線にクロスオーバー点が3カ所存在し、クロスオーバー点の下方にtan δの最大値が存在しそしてlog G”/log G’曲線は大きな傾きを示した。
比較実施例1
この比較実施例では、MAO処理シリカである支持体に担持されている(Me2Si(2Me−ベンジル−インデニル)2ZrCl2を含んで成る触媒をバルク(bulk)プロピレン単量体に入れて用いることで、表1に示す特性を有するアイソタクチックポリプロピレンを得た。log G”とlog G’の間の関係を図1に示す。log G’の値が100Pa未満の所のプロットの傾きは1未満(0.62)であることが分かるであろう。複素粘性率と振動数の間の関係を図2に示す。振動数が低い所に降伏点が存在しないことが分かるであろう。tan δと振動数の間の関係を図3に示す。振動数が1秒当たり100ラジアン未満の所にtan δの最大値が存在しないことが分かるであろう。
比較実施例2
この比較実施例では、実施例1で用いた触媒と同じ触媒を13mgの量で用いてアイソタクチックポリプロピレンを製造した。しかしながら、トルエンを溶媒として存在させないで重合を実施した。その代わりに、液状のプロピレン単量体を単独で用いてその中で重合を実施した。このように、反応槽にプロピレンを2リットル導入した。30分間の反応時間後、アイソタクチックポリプロピレン綿毛状物を218g得た。この生成させたポリプロピレンの特性を表1に要約する。複素粘性率と振動数の間の関係を図2に示す。振動数が低い所に降伏点が存在しないことが分かるであろう。tan δと振動数の間の関係を図3に示す。振動数が1秒当たり100ラジアン未満の所にtan δの最大値が存在しないことが分かるであろう。
比較実施例3
この比較実施例では、実施例1の反応槽にプロピレン単量体を2リットル入れて、これにベンジルインデニルジルコニウムジクロライドを2.5mg含んで成る触媒を添加した。収率が高くなった、即ち触媒1g当たり230,000gの収率になったことから20分間後に反応を停止させた。このアイソタクチックポリプロピレンの特性もまた表1に示す。
比較実施例4
この比較実施例では、1リットルのプロピレン単量体を1リットルのトルエンに置き換え(それによってプロピレンと溶媒の体積比を50/50にし)そして触媒を0.7mgの量で存在させて比較実施例3を繰り返した。回収したアイソタクチックポリプロピレンの特性を表1に要約する。
比較実施例5
この比較実施例のポリプロピレンは、Montellから商標PROFAX 813の下で商業的に入手可能な高溶融強度のポリプロピレンであった。このポリプロピレンは振動数が1秒当たり100ラジアン未満の所にtan δの最大値を示さないことが図3から分かるであろう。また、流動曲線(図2)には屈曲点が見られず、かつG’に対比させたG”のグラフの傾きも0.9未満である(図1および表1)。このような結果は、本発明に従って生成させたポリプロピレンと公知の高溶融強度ポリプロピレン(これもまた長鎖分岐を有する)の間に分子構造の差があることを強調している。
【0087】
比較実施例5を除く他の比較実施例の全部が示した活性化エネルギーEaは42kJ/モル未満であることが分かり、このことは、生成したポリプロピレン分子が有する長鎖分岐の度合は低く、実質的に線状であることを示している。比較実施例1から4のポリプロピレンが示した分岐指数gは約1であり、このこともまたそのポリプロピレン分子が線状であることを示している。比較実施例1から4の各々のlog G’に対比させたlog G”のプロットの傾きは0.7未満であり、再び、線状であることを示している。比較実施例1から4に従って生成させたポリプロピレンのいずれも流動曲線に降伏点を示さずまたtan δ/振動数のグラフに最大値を示さなかった。その上、前記比較実施例に従って生成させたポリプロピレンはどれもG’およびG”の両方と振動数の間のプロットに数個のクロスオーバー点を示さなかった。比較実施例1から4は、シクロペンタジエニルフルオレニル(CpFlu)または他の触媒を用いてアイソタクチックポリプロピレンをバルク(即ちプロピレン単量体を高濃度で使用)で合成するか或はビスインデニル触媒を用いて溶液の状態で合成するとそのようなアイソタクチックポリプロピレンは長鎖分岐に関係した有意なレオロジー的特徴を全く示さないことを示している。そのようなポリプロピレンの挙動はむしろ典型的な線状ポリプロピレンに類似している。
【0088】
【表1】
Figure 2004510849

【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、実施例1に従って製造したポリプロピレンそして比較実施例1および5に従って製造したポリプロピレンが示した貯蔵せん断弾性係数log G”と損失せん断弾性係数log G’の間の関係を示すグラフである。
【図2】
図2は、本発明の方法の実施例1、2および3に従って製造したポリプロピレンそして比較実施例1、2および5に従って製造したポリプロピレンが示した複素粘性率ηと角振動数ωの間の関係を示すグラフである。
【図3】
図3は、本実施例1、2および3そして比較実施例1、2および5が示したtan δと角振動数ωの間の関係を示すグラフである。

Claims (30)

  1. ポリプロピレンの製造方法であって、(a)一般式R”(XR)(Cp’R’)MQ[式中、Xは、シクロペンタジエニル部分(Cp)またはヘテロ原子であり、Cp’は、置換もしくは未置換のフルオレニル環であり、各Rは、独立して、水素または炭素原子数が1から20のヒドロカルビルであり、0≦m≦4であり、各R’は、独立して、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルであり、0≦n≦8であり、R”は、C−C20アルキレン基、ジアルキルゲルマニウムもしくはケイ素またはシロキサン、またはアルキルホスフィンもしくはアミン基を含んで成るブリッジであり、このブリッジは置換されているか或は置換されておらず、Mは、IVB族の遷移金属、バナジウムまたはランタニド金属であり、そして各Qは、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルまたはハロゲンである]で表されるメタロセン触媒および(b)前記触媒成分を活性化する共触媒を含んで成るメタロセン触媒系の存在下でプロピレンを単独重合させるか或はプロピレンをエチレンおよびCからC10の1−オレフィンから選択される1種以上の共重合用単量体と一緒に共重合させるが、この単独重合または共重合をポリプロピレン用の希釈剤である炭化水素中のスラリー方法で実施するか或はポリプロピレン用の溶媒である炭化水素中の溶液方法で実施し、前記希釈剤または溶媒中のプロピレン単量体の濃度を前記希釈剤または溶媒の重量を基準にして70重量%未満にすることにより、ポリプロピレン分子上に長鎖分岐を有するポリプロピレン単独重合体または共重合体を生成させることを含んで成る方法。
  2. 前記スラリー重合の場合には重合温度を50から120℃にしそして圧力を5から60バールにする請求項1記載の方法。
  3. 前記希釈剤が炭素原子数が1から6の少なくとも1種の炭化水素である請求項2記載の方法。
  4. 前記希釈剤が少なくとも1種のCからCのアルカンである請求項3記載の方法。
  5. 前記溶液重合の場合には重合温度を50から200℃にしそして圧力を5から100バールにする請求項1記載の方法。
  6. 前記溶媒がトルエン、キシレン、シクロヘキサンおよびイソパーの少なくとも1種から選択される請求項5記載の方法。
  7. 前記ホモ重合もしくは共重合を水素の存在なしに実施する請求項1〜6のいずれか記載の方法。
  8. 前記ホモ重合もしくは共重合を直列の2基の反応槽内で実施する請求項1〜7のいずれか記載の方法。
  9. 1番目の反応槽を水素を伴わせないで操作しそして2番目の反応槽を水素を伴わせて操作する請求項8記載の方法。
  10. 前記ポリプロピレンをスラリーもしくは溶液方法で少なくとも1基のバッチ、半連続または連続反応槽内で合成する請求項1〜9のいずれか記載の方法。
  11. 請求項2に付随して前記ホモ重合もしくは共重合を前記希釈剤を伴うスラリー中で超臨界条件下で実施する請求項2、3もしくは4または請求項7から10のいずれか1項記載の方法。
  12. 前記希釈剤がC−Cアルカンまたはそれらの混合物を含んで成る請求項11記載の方法。
  13. 前記希釈剤がプロパンである請求項12記載の方法。
  14. 前記スラリー方法が直列の2基の反応槽内で実施するスラリーループ方法である請求項1〜13のいずれか記載の方法。
  15. 一方の反応槽を超臨界条件下で操作する請求項14記載の方法。
  16. Xがシクロペンタジエニル部分(Cp)を含んで成る請求項1〜15のいずれか記載の方法。
  17. 前記触媒がMe2C(3−t−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを含んで成る請求項16記載の方法。
  18. 前記触媒がイソプロピル−シクロペンタジエニル−フルオレニルジルコニウムジクロライドを含んで成る請求項16記載の方法。
  19. 前記希釈剤または溶媒中のプロピレン単量体の濃度を前記希釈剤または溶媒の重量を基準にして30から50重量%にする請求項1〜18のいずれか記載の方法。
  20. ポリプロピレンであって、1未満の分岐指数gを示しかつ損失せん断弾性係数G”と貯蔵せん断弾性係数G’の間の関係に関して貯蔵せん断弾性係数G’の値がクロスオーバー点[このクロスオーバー点の所では貯蔵せん断弾性係数G’と損失せん断弾性係数G”が等しくそしてクロスオーバー点の下方では貯蔵せん断弾性係数G’の方が損失せん断弾性係数G”より小さい]に相当する値より低い所のd(logG”)/d(logG’)比が0.9より大きいポリプロピレン。
  21. 前記貯蔵せん断弾性係数G’の値が前記クロスオーバー点に相当する値より低い所のd(logG”)/d(logG’)比が1より大きい請求項20記載のポリプロピレン。
  22. ポリプロピレンであって、1未満の分岐指数gを示しかつ複素粘性率(η)と角振動数(ω)の間の関係が角振動数の値がクロスオーバー点[このクロスオーバー点の所では貯蔵せん断弾性係数G’と損失せん断弾性係数G”が等しくそしてクロスオーバー点の下方では貯蔵せん断弾性係数G’の方が損失せん断弾性係数G”より小さい]に相当する値より低い所に変曲点を示してこの変曲点の所のd(log η)/d(log ω)がゼロでありそして前記変曲点の下方で粘性率ηが上昇するポリプロピレン。
  23. ポリプロピレンであって、1未満の分岐指数gを示しかつG”/G’比であるtan δと角振動数(ω)の間の関係に関して角振動数ωの値がクロスオーバー点[このクロスオーバー点の所では貯蔵せん断弾性係数G’と損失せん断弾性係数G”が等しくそしてクロスオーバー点の下方では貯蔵せん断弾性係数G’の方が損失せん断弾性係数G”より小さい]に相当する値より低い所に曲線の最大値が存在していて前記最大値の所のd(tan δ)/dωの値がゼロであるポリプロピレン。
  24. アイソタクチックポリプロピレンまたはシンジオタクチックポリプロピレンである請求項20から23のいずれか1項記載のポリプロピレン。
  25. このポリプロピレンがプロピレンのホモ重合体である請求項20から24のいずれか1項記載のポリプロピレン。
  26. このポリプロピレンがプロピレンと、エチレンおよび線状もしくは分岐していてもよいCからC10の1−オレフィンから選択される1種以上のオレフィンのランダムもしくはブロック共重合体である請求項20から25のいずれか1項記載のポリプロピレン。
  27. このポリプロピレンのMFIが0.1から2000g/10’の範囲である請求項20から26のいずれか1項記載のポリプロピレン。
  28. このポリプロピレンの溶融温度が85℃を超える請求項20から27のいずれか1項記載のポリプロピレン。
  29. このポリプロピレンが5から5000kDaの範囲の重量平均分子量(Mw)を有する請求項20から28のいずれか1項記載のポリプロピレン。
  30. このポリプロピレンの多分散指数(D)が2から25の範囲である請求項20から29のいずれか1項記載のポリプロピレン。
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