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JP2004359902A - 光触媒塗料 - Google Patents

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JP2004359902A
JP2004359902A JP2003162662A JP2003162662A JP2004359902A JP 2004359902 A JP2004359902 A JP 2004359902A JP 2003162662 A JP2003162662 A JP 2003162662A JP 2003162662 A JP2003162662 A JP 2003162662A JP 2004359902 A JP2004359902 A JP 2004359902A
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coating
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JP2003162662A
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Koji Kishimoto
広次 岸本
Koichi Takahama
孝一 高濱
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

【課題】光触媒塗料において、簡単な構成により基材の意匠を損なうことなく光触媒反応から基材を保護できる1コート光触媒塗料を実現する。
【解決手段】光触媒塗料は、有機基材、又は、有機塗料の表面に塗装され、その塗膜は、可視光である波長500nmの光を50%以上透過させ、かつ、紫外線である320nmの光を80%以上遮断する。塗膜が可視光を透過させることで基材の意匠性を損なうことを防ぎ、紫外線を遮断することで基材が光触媒分解されることを防ぐ。この光触媒塗料は、平均組成式R SiO(OR(OH)で表され重量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含む。塗膜厚、光触媒の粒径と含有量、紫外線遮断性、光散乱粒子、Rの種類等を調整することによって、耐候性に優れ、意匠性を保持できる1コート光触媒塗料が得られる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光触媒を含有する塗料である光触媒塗料、それを塗装した塗膜、及び、塗膜を有する塗装品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光触媒を塗料に添加してなる光触媒塗料が多く開発されている。この光触媒塗料は、基材に付着(塗装)することにより、基材に汚れ防止性能や大気浄化性能を付与することができる。ここでいう光触媒は、主に太陽光に含まれる紫外線を吸収して、その内部で電荷分離が生じてホールとエレクトロンを発生する物質である。光触媒は、これらのホールとエレクトロンが汚れ成分や大気汚染生物の分解を引き起こしたり、その光触媒の表面が親水性になることを利用して浄化・殺菌や汚れ防止性能を発揮させる材料として用いられる。
【0003】
このような光触媒は、紫外線が当たると汚れ以外にほとんどすべての有機物を分解してしまう。そのため、プラスチックなどの有機基材や、有機塗料を塗装した基材の表面に光触媒塗料を塗装した場合、有機基材や基材表面の有機塗料を分解してしまい、その結果、光触媒塗料を用いた商品の寿命が非常に短くなるという問題がある。この問題を解消することが必須となっている。そのための代表的な方法として、光触媒塗料を塗装する前に、光触媒によって分解されない成分で構成される膜(アンダーコートと称される)を基材に形成し、その上に光触媒塗料を塗装する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
その他の方法として、塗料に着色塗料を使用し、紫外線や可視光が基材に到達することを防ぎ、基材の近辺での光触媒反応の発生を抑制することで基材を光触媒反応から保護する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許第3182107号公報
【特許文献2】
特開2002−069376号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1や特許文献2に示されるような光触媒反応から基材を保護する方法にはいくつかの問題点が存在する。特許文献1に示したようなアンダーコートを使用する方法においては、アンダーコート及び光触媒塗膜が透明であるため、基材の意匠を損なうことなく光触媒機能を基材に付与できる利点が挙げられるが、この方法はアンダーコート形成作業及びその材料に多くのコストと時間を必要とする。また、アンダーコートの硬化の程度によって、光触媒層の性能(密着性、分解性等)が大きく左右されてしまうことがあり、塗装が難しいという問題点もある。特に、既存の建築物に現場で塗装しようとする場合においては、アンダーコートを塗装した後に、光触媒塗料を塗装するまでに必要とする時間間隔(インターバル)が気温や湿度によって影響を受け易いという問題がある。
【0007】
また、特許文献2に示したような着色塗料を使用する方法は、基材の意匠を損うという問題がある。また、光触媒塗料は、その樹脂成分が光触媒によって分解されないように、通常、シリコーンやフッ素などの非常に高価な樹脂成分を用いているが、着色塗料によって光触媒反応から基材を保護する着色塗膜を形成する方法では、例えば、上述した20μm程度の透明のアンダーコートの場合の5倍以上の膜厚が必要である。膜厚が厚くなることで、塗膜がもろくなってクラックが発生しやすくなったり、コストが高くなる。
【0008】
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により基材の意匠を損なうことなく光触媒反応から基材を保護できる1コート光触媒塗料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、基材の表面に塗装することによって基材に光触媒機能を持たせる光触媒塗料において、その塗膜が波長500nmの光を50%以上透過させ、かつ、320nmの光を80%以上遮断する光触媒塗料である。
【0010】
上記構成においては、塗膜を可視光である波長500nmの光が50%以上透過し、かつ、紫外線である320nmの光が80%以上遮断される。すなわち、塗膜を可視光が透過することで、基材の意匠性を損なわれることがなくなり、また、紫外線が遮断されることで、基材が光触媒分解されることから保護される。従って、意匠性と基材保護性を兼ね備えて、1コート塗料として用いることができる光触媒塗料が得られる。これにより、低コスト、省工程の塗装ができ、また、その塗膜は耐候性、意匠性、密着性、及び耐クラック性に優れたものとなる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光触媒塗料において、波長500nmでの光透過性が70%以上で、かつ、320nmでの光遮断性が90%以上のものである。この構成においては、基材の意匠性の確保と、基材の光触媒分解の防止効果が高まる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1に記載の光触媒塗料において、波長500nmでの光透過性が75%以上で、かつ、320nmでの光遮断性が95%以上のものである。この構成においては、上記作用効果がより一層高まる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光触媒塗料において、平均組成式(I):R SiO(OR(OH)で表され、R、Rは互いに独立に同一又は異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、c及びdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数であり、重量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含むものである。この構成においては、上述の効果に加え、R SiO(OR(OH)で表される樹脂が含まれていることから、塗膜自身が高耐候性となる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光触媒塗料において、塗膜厚が1乃至10μmのものである。この構成においては、塗膜の耐クラック性と低コスト性を確保することができる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光触媒塗料において、光触媒の粒径が10乃至30nmのものである。この構成においては、上述の効果に加え、さらに塗膜の透明性、紫外線遮断性、耐クラック性、光触媒性能を確保することができる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光触媒塗料において、固形分中の酸化チタンの含有量が10乃至50%のものである。この構成においては、さらに塗膜の透明性、紫外線遮断性、耐クラック性、光触媒性能を確保することができる。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の光触媒塗料において、酸化亜鉛、又は、酸化セリウムの少なくともいずれかを含有するものである。この構成においては、さらに塗膜の紫外線遮断性を確保し、下地の劣化を防止することができ、塗膜自身が高耐候性となる。
【0018】
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の光触媒塗料において、粒径300nm以上のシリカを含むものである。この構成においては、さらに塗膜のつやを制御するとともに、紫外線を散乱して下地及び塗膜の劣化を防ぎ、高い耐クラック性を確保することができる。また、紫外線の散乱によって光触媒への光入射率が高まり光触媒性能も向上する。
【0019】
請求項10の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の光触媒塗料において、R中にグリシジル基を含有するものである。この構成においては、さらに塗膜の基材に対する密着性を確保することができる。
【0020】
請求項11の発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の光触媒塗料において、R中に(メタ)アクリル酸エステルを含有するものである。この構成においては、さらに塗膜の光触媒性能が増し、基材に対する密着性を向上することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る1コート光触媒塗料について説明する。図1(a)(b)は本発明の光触媒塗料を塗布した基材の塗膜構造を示す。光触媒塗料1は、有機基材2、又は、下地となる有機塗料3を塗装した基材4に対して塗装される場合に、その利点を大いに発揮するが、光触媒塗料1が塗装の対象とする基材は上記に限定されない。特に、光触媒塗料1は、図1(a)に示すように、1コート塗料として用いることができる。以下では、これら有機塗料3、光触媒塗料1、及びそれらの塗膜と基材2,4について順次説明する。
【0022】
光触媒塗料1の光透過特性について、図2(a)(b)を参照して説明する。光触媒塗料1による塗膜は、図2(a)に示されるように、可視光である波長500nmの光に対して、50%以上透過し、好ましくは70%以上透過し、さらに好ましくは75%以上透過するように構成される。また、光触媒塗料1による塗膜は、図2(b)に示されるように、紫外線である波長320nmの光に対して、80%以上遮断し、好ましくは90%以上遮断し、さらに好ましくは95%以上遮断するように構成される。
【0023】
光触媒塗料1がこのような光特性を有するので、空間5から光触媒塗料1に入射する光の可視光部分は、波長500nmの光と同様の光透過率で光触媒塗料層を通過して基材2に達し、基材2からの反射光が、入射光と同じ光透過率で光触媒塗料層を通過して空間5に放射される。すなわち、基材2の表面を、光触媒塗料層によって殆ど妨げられることなく、見ることができる。
【0024】
また、空間5から光触媒塗料1に入射する光の紫外線部分は、波長320nmの光と同様の光遮断率を有する光触媒塗料層を通過するため、基材2に至る紫外光はわずかな量となる。従って、基材2近傍における光触媒塗料1中の光触媒は殆ど活性化されることがなく、基材2の光触媒分解反応は殆ど発生しない。
【0025】
〔有機塗膜層〕
有機塗膜層は、光触媒塗膜層と基材との間に形成される塗膜層である。その塗料は、有機樹脂を基本構造とし、これに顔料、溶剤又は水、その他増粘剤や消泡剤などの添加剤等を含有することができる。その一般的なものとして、アクリル、アクリルウレタン、アクリルシリコン、フッ素等を基本とする樹脂に、顔料を配合し、水又は有機溶剤を溶媒とする塗料が数多く市販されている。このような有機塗料3は、基材4と密着し、求める意匠性を発現できるものであればよい。
【0026】
〔光触媒塗膜層〕
光触媒塗膜層の形成に用いられる光触媒塗料の500℃での加熱残分は、元の塗料重量に対し、好ましくは55〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%、さらに好ましくは80〜90重量%である。この加熱残分の割合が55重量%未満では、光触媒塗膜層の耐候性が低く、また、光触媒により分解され易い等の傾向があり、95重量%を超えると、光触媒塗料の保存安定性が低い等の傾向があるので、このような加熱残分の割合となるものは好ましくない。
【0027】
光触媒塗料としては、特に限定されるわけではないが、例えば、透明性、耐候性、耐久性、造膜性、塗料の保存安定性、100℃以下の低温(常温を含む)での硬化性等の点から、下記成分を含んでなるシリコーンコーティング材組成物が好ましい。
【0028】
平均組成式(I):R SiO(OR(OH)で表され、その重量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物。ここでR、Rは、互いに独立に同一又は異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、c及びdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である。
【0029】
前記式(I)中のR及びRは互いに独立に同一又は異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示す。R及びRは互いに同一のものであってもよいし異なるものであってもよい。また、Rが複数ある場合、複数のRは互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、Rが複数ある場合、複数のRは互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0030】
は、置換もしくは非置換で1価の炭化水素基であれば特に限定はされないが、置換又は非置換で炭素数1〜8の1価の炭化水素基が好適である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等を例示することができる。これらの中でも、合成の容易さ又は入手の容易さから炭素数1〜4のアルキル基及びフェニル基が好ましい。
【0031】
また、Rは、置換もしくは非置換で1価の炭化水素基であれば特に限定はされない。例えば、オルガノシロキサン部分加水分解物の架橋反応性の観点から、炭素数1〜4のアルキル基が好適である。オルガノシロキサン部分加水分解物の調製方法としては、特に限定はされない。例えば、前記式(I)中のRがアルキル基(ORがアルコキシ基)であるものを得る場合について以下に例示する。加水分解性オルガノクロロシラン及び加水分解性オルガノアルコキシシランからなる群の中から選ばれた1種もしくは2種以上の加水分解性オルガノシランを公知の方法により大量の水で加水分解することで得られるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノール基を部分的にアルコキシ化することにより、オルガノシロキサン部分加水分解物を得ることができる。
【0032】
なお、この調製方法において、加水分解性オルガノアルコキシシランを用いて加水分解を行う場合は、水量を調節することでアルコキシ基の一部のみを加水分解することにより、未反応のアルコキシ基と、シラノール基とが共存したオルガノシロキサン部分加水分解物を得ることができるので、前述した、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノール基を部分的にアルコキシ化する処理が省ける場合がある。
【0033】
前記加水分解性オルガノクロロシランとしては、特に限定はされないが、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等が挙げられる。前記加水分解性オルガノアルコキシシランとしては、特に限定はされないが、例えば、一般式(II):R Si(OR4−mで表される加水分解性オルガノシランのうち、Rがアルキル基であるものが挙げられる。ここでR、Rは前記式(I)中のものと同じであり、mは0〜3の整数である。
【0034】
具体的には、m=0のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが例示でき、m=1のオルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。
【0035】
また、m=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが例示でき、m=3のトリオルガノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどが例示できる。
【0036】
加水分解性オルガノシランを部分加水分解するために用いられる触媒は、特に限定するものではないが、酸性触媒としては、塩酸、硝酸等の水溶性の酸や、酸性コロイダルシリカ等が例示でき、塩基性触媒としては、アンモニア水溶液や塩基性コロイダルシリカ等が例示できる。
【0037】
オルガノシロキサン部分加水分解物を表す前記式(I)中のa、b、c及びdは前述した関係を満たす数である。aが3以上のものは、塗布被膜の硬化がうまく進行しないという不都合がある。b=0のものは、モノマーであり、硬化被膜を形成できないという問題がある。bが2のものは、シリカ(SiO(オルガノシロキサンではない))であり、硬化被膜にクラックを生じるという問題がある。
【0038】
また、c=0のものは、分子末端が、R基と、親水基であるOH基のみになるため、分子全体での親水性が増加して樹脂の長期安定性が得られない。c=4のものは、モノマーであり、硬化被膜を形成できないという問題がある。さらに、d=0のものは、分子末端がR基とOR基の疎水基のみになるため、樹脂の長期安定性には有利であるが、OR基は塗布被膜硬化時の架橋反応性に欠けるため、十分な硬化被膜を得ることができない。d=4のものは、モノマーであり、硬化被膜を形成できないという問題がある。
【0039】
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で、通常600〜5000、好ましくは2000〜4000、より好ましくは2500〜3000の範囲である。この重量平均分子量が600未満の場合は、塗布硬化被膜にクラックを生じる等の不都合があり、5000を超えると、硬化がうまく進行しないという不都合を生じる。
【0040】
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)は、上記の構造を持ち、かつ、その重量平均分子量が上記所定範囲内にあるため、反応性が高い。そのため、これを含む光触媒塗料は、100℃以上に加熱すれば塗膜の硬化に硬化触媒を必要としない。また、硬化触媒を使用すれば100℃以下の低温加熱硬化及び常温硬化が可能である。また、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)は、反応性が高いにも関わらず、その分子末端基の親水性−疎水性バランスが良好であるため、長期間安定である。
【0041】
光触媒塗料組成物中のオルガノシロキサン部分加水分解物(A)の配合量は、特に限定されないが、例えば、組成物全量に対し、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜35重量%、さらに好ましくは20〜30重量%の割合である。また、その配合量が5重量%未満であると、塗膜の強度が低下したり、耐久性のある塗膜の形成ができなかったり、塗膜の透明性が低下したり、硬化が阻害されたりする傾向がある。また、その配合量が40重量%を超えると、塗膜の透明性が低下したり、塗膜にクラックが生じやすくなったり、光触媒塗料組成物の安定性が低下したりする傾向がある。
【0042】
光触媒層形成用塗料に用いられる光触媒としては、特に限定はされないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化レニウム等の金属酸化物が例示でき、この他、チタン酸ストロンチウム等が例示できる。
【0043】
これらの中でも、上記金属酸化物が、実用的に容易に利用可能な点で好ましく、金属酸化物の中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ニオブが、100℃以下の低温で焼き付け硬化を行った場合にでも活性を示す点から好ましい。さらに、これらの中でも特に酸化チタンが、その光触媒性能、硬化促進性能、安全性、入手の容易さ及びコストの面で好ましい。なお、酸化チタンを光触媒として用いる場合は、結晶型がアナタース型(アナターゼ型)であるものを用いる方が、光触媒性能及び硬化促進性能が最も強く、しかも長期間発現するとともに、光触媒性能及び硬化促進性能がより短時間で発現する点で好ましい。
【0044】
光触媒(D)の形状としては、特に限定はされないが、例えば、粒状、針状等が挙げられる。混合安定性、分散安定性の点からは、粒状、特に微粒子が好ましい。光触媒は、最終的に光半導体の性質を示すものであれば使用可能であり、その原料状態によっては制限されない。
【0045】
光触媒の粒子径は、特に限定はされないが、安定に分散でき、ハードケーキ等の沈殿を生じないためには、平均1次粒子径が1〜100nmであることが好ましく、6〜50nmであることがより好ましく、10〜30nmであることがさらに好ましい。粒子径が10nmよりも小さいと塗膜にクラックが生じやすくなり、30nmよりも大きいと光触媒性能が小さくなるとともに、塗膜の透明性が低下する。
【0046】
光触媒は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。光触媒は、励起波長(例えば、320nm)の光(紫外線)が照射されると、活性酸素を発生すること(光触媒性)は公知である。活性酸素は、有機物を酸化、分解させることができるため、その特性を利用して、塗装品に付着したカーボン系汚れ成分(例えば、自動車の排気ガス中に含まれるカーボン留分や、タバコのヤニ等)を分解する自己洗浄効果;アミン化合物、アルデヒド化合物に代表される悪臭成分を分解する消臭効果;大腸菌、黄色ブドウ球菌に代表される菌成分の発生を防ぐ抗菌効果;防カビ効果等を得ることができる。
【0047】
また、光触媒を含む塗膜に紫外線が当たると、光触媒がその光触媒作用で水を水酸化ラジカル化する。この水酸化ラジカルが、塗膜表面に付着して水をはじいてしまう有機物等の汚れを分解除去するので、水に対する塗膜の親水性(濡れ性)が向上し、例えばガラスや鏡が水滴で曇りにくいという防曇性や、雨水洗浄による防汚性などの効果が、光触媒を含む塗膜によって、より高いレベルで得られたり、また長期間維持されたりする。
【0048】
さらに、光触媒作用には帯電防止機能もあり、この機能によっても防汚効果がさらに向上する。例えば、光触媒を含む塗膜に紫外線を照射すると、この塗膜に含まれる光触媒の作用により塗膜の表面抵抗値が下がることで帯電防止効果が発現されて、塗膜表面が汚れにくくなる。光触媒含有塗膜に紫外線が照射されたとき、どのようなメカニズムで塗膜の表面抵抗値が下がるかということは、まだ明確には確認されていないが、紫外線照射により生成された電子とホ−ルが作用することで塗膜の表面抵抗値が下がるものと考えられる。
【0049】
光触媒の市販品は、粉体又は分散液として入手できる。分散液のものは水分散のものが多いが、一部、有機溶媒分散液のものも入手できる。光触媒の水分散液は、一般に、固形分としての光触媒を1〜30重量%含有しており、酸性あるいは塩基性で光触媒が安定に分散している。粉体ベースの光触媒の分散方法は、特に限定はされず、通常の分散法でよい。その際、分散助剤、カップリング剤等の使用も可能である。
【0050】
光触媒の表面に金属が担持されていると、光触媒の光触媒効果がより高くなる。そのメカニズムは、まだ明確には確認されていないが、光触媒の表面に金属が担持されることにより光触媒の電荷分離が促進されて、電荷分離により生成された電子とホ−ルの消失確率が小さくなることが関係していると考えられる。
【0051】
光触媒の表面に担持してよい金属としては、例えば、銀、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、白金、金、パラジウム、カドミウム、コバルト、ロジウム、ルテニウム等が、光触媒の電荷分離をより促進させる点で好ましい。担持される金属は、1種のみでも2種以上でもよい。金属の担持量は、特に限定はされないが、例えば、光触媒に対し、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.2〜5重量%であることがより好ましい。担持量が0.1重量%未満だと、担持効果が充分に得られない傾向があり、10重量%を超えて担持しても、効果はあまり増加せず、逆に変色や性能劣化等の問題が起きる傾向がある。
【0052】
金属の担持方法としては、特に限定するわけではないが、浸漬法、含浸法、光還元法等が挙げられる。光触媒は、それを層間に挿入した粘土架橋体の形で用いても良い。その理由は、光触媒が層間で微粒子状に分散して光触媒性能が向上するからである。
【0053】
光触媒塗料中の光触媒の配合量は、光触媒の光触媒性能、その求められる効果、防汚性、使用される用途等によって異なるが、塗料中の全固形分に対して、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは10〜50重量%の割合である。光触媒の配合量が20重量%未満では、光触媒性能の発現が弱く、防汚性が期待できない傾向があり、また、酸化チタン自身による紫外線遮断の性能が不十分になり、下地を分解してしまう可能性がある。光触媒の配合量が50重量%を超えると、塗布被膜中での光触媒の比率が多くなり、被膜としての強度が低下したり、耐久性のある塗膜の形成ができなかったり、塗膜の透明性が低下したり、硬化が阻害されたりする傾向がある。
【0054】
光触媒塗料は、必要に応じ、平均組成式(III):HO(R SiO)H(ここでRは1価の炭化水素基を示し、nは3≦n≦50の数である)で表される両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオール(以下、「直鎖状ポリシロキサンジオール」又は単に「ポリシロキサンジオール」と記すことがある)をも含むことができる。このポリシロキサンジオールは、組成物の硬化を促進して100℃以下の低温での硬化をより確実に達成させたり、組成物の塗布硬化被膜に靭性(柔軟性)を付与して該被膜の耐クラック性を向上させたり、該被膜表面に撥水性又は非粘着性を付与したりするための成分である。
【0055】
両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオールを表す前記平均組成式(III)中、Rは、1価の炭化水素基であれば特に限定はされないが、例えば、前記式(I)中のRとして前述したものと同じものが使用できる。そのようなRを有する直鎖状ポリシロキサンジオールの中でも、硬化被膜の耐候性を低下させない点、該被膜の耐クラック性をより向上させる点、及び入手の容易さの点から、ジメチルシロキサンジオール、メチルフェニルシロキサンジオールが好ましい。
【0056】
両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオールは、分子末端のOH基以外に反応基を有していないため、比較的反応性に乏しい分子である。そのため、硬化被膜中において、ポリシロキサンジオールは、分子末端のみがオルガノシロキサン部分加水分解物(A)成分と結合又は未結合の状態にある。ポリシロキサンジオールの主鎖は、2次元構造であり、比較的動きやすい状態で存在するため、この(A)成分の架橋による硬化収縮を吸収してクラックの発生を防止することができる。
【0057】
また、ポリシロキサンジオールは、その両末端の水酸基がオルガノシロキサン部分加水分解物(A)成分のOR基と比較的容易に結合することができるため、この(A)成分の分子間の架橋剤としての構造を100℃以下の低温で形成することができる。そのため、(A)成分のOR基に見合うポリシロキサンジオールの水酸基が存在すれば、100℃以下の低温での塗布被膜の硬化をより確実に達成することができる。つまり、ポリシロキサンジオールにより、光触媒塗料による塗布被膜の柔軟化及び硬化促進の両効果を得ることができる。
【0058】
これらの効果は、前記式(III)中のnが3≦n≦50(好ましくは5≦n≦45、より好ましくは5≦n≦40)の範囲内にあるポリシロキサンジオールで最も大きい。ポリシロキサンジオールは、直鎖状なので、硬化応力を吸収しやすく、架橋剤としてのネットワーク構造を形成しやすい。nが大きいもの程、柔軟化剤としての効果が大きく、また、nが3未満のものは柔軟化剤としての効果はない。
【0059】
また、nが小さいもの程、末端−OH基の反応性が高くなるため硬化剤としての効果が高く、硬化被膜内部に取り込まれる。nが大きくなるにつれて相溶性に欠け、ポリシロキサンジオールの一部が硬化被膜表面に遊離する傾向にあるため、硬化被膜表面に撥水性又は非粘着性を付与する効果が大きくなる。nが50より大きい場合は、相溶性がさらに低下したり、末端−OH基の反応性が低くなるため硬化剤としての効果が低かったり、その分子が大きくなったりする傾向があり、そのため、硬化被膜中にまったく取り込まれず、塗膜中で相分離や白濁等を招来する恐れがある。
【0060】
光触媒塗料の組成物中ポリシロキサンジオールの配合量は、nの大きさによって異なり、特に限定はされないが、例えば、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)成分に対し、好ましくは0.1〜100重量%、より好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%の割合である。配合量が0.1重量%未満では十分な架橋剤としてのネットワーク構造を形成できなかったり、柔軟化効果が期待できなかったりする傾向があり、100重量%を超えると未結合のポリシロキサンジオールが塗膜の硬化阻害を引き起こす等の不都合が生じる傾向がある。
【0061】
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)成分に対し、nが大きいものから小さいものまでポリシロキサンジオールを適量混合することにより、100℃以下の低温での硬化性がより高く、且つ、耐クラック性の向上した硬化被膜を形成することのできるシリコーンコーティング材組成物が得られる。
【0062】
光触媒塗料は、必要に応じて、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ゴム樹脂、ウレタン樹脂及びメラミン樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の有機樹脂をも含むことができる。
【0063】
これらの有機樹脂は、光触媒塗料組成物の塗布硬化被膜に靭性(柔軟性)を付与して該被膜の耐クラック性を向上させることのできる成分である。光触媒塗料組成物の必須成分であるシリコーン樹脂と、前記有機樹脂とは、一般に、有機溶媒系では互いの相溶性に欠けるため、溶液中では相分離を、塗布被膜では同被膜の白濁を引き起こす傾向にある。しかし、シリコーン樹脂成分に相溶性を改善する官能基を導入したり、逆に有機樹脂中にシリコーン成分との相溶性を改善する官能基などを導入することによってこの問題は回避できる。
【0064】
光触媒塗料の組成物として前記有機樹脂を含む場合、その配合量は、有機樹脂の種類によって異なり、特に限定はされないが、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)成分の硬化を阻害せず、必要とされる柔軟性が付与される範囲であればよく、例えば、(A)成分に対し、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜20重量%の割合である。1重量%未満では十分な柔軟性が得られない恐れがあり、50重量%を超えると、(A)成分の硬化阻害を引き起こしたり、光触媒により塗布硬化被膜の分解・劣化が進行して同被膜の耐久性が低下する恐れがある。
【0065】
前記有機樹脂を追加成分として含ませた光触媒塗料を、屋外等の自然光が当たるような環境下で使用される部材の表面への塗布硬化被膜の形成に使用する場合、前記有機樹脂は、下記(F)成分であることが好ましい。(F)成分は、一般式(IV):CH=CR(COOR)で表される(ここでRは水素原子及び/又はメチル基を示す)モノマーであって、Rが置換もしくは非置換で炭素数1〜9の1価炭化水素基である第1の(メタ)アクリル酸エステルと、Rがエポキシ基、グリシジル基及びこれらのうちの少なくとも一方を含む炭化水素基からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の基である第2の(メタ)アクリル酸エステルと、Rがアルコキシシリル基及び/又はハロゲン化シリル基を含む炭化水素基である第3の(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であるアクリル樹脂(以下、「アクリル樹脂(F)と記す」である。
【0066】
本明細書中、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルのいずれか一方又は両方を指す。アクリル樹脂(F)は、光触媒塗料組成物の塗布硬化被膜の靭性を改善する効果を持ち、これによりクラックの発生を防止して厚膜化を可能にする。また、アクリル樹脂(F)は、光触媒塗料組成物の塗布硬化被膜の3次元骨格となる(A)成分の縮合架橋物に取り込まれて該縮合架橋物をアクリル変性にする。前記縮合架橋物がアクリル変性されると、基材に対する光触媒塗料組成物の塗布硬化被膜の密着性がさらに向上する。
【0067】
アクリル樹脂(F)の構成モノマーの一つである第1の(メタ)アクリル酸エステルは、それを表す前記式(IV)中のRが置換又は非置換で炭素数1〜9の1価の炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化炭化水素基;2−ヒドロキシエチル基等のヒドロキシ炭化水素基;等であるものの内の少なくとも1種である。
【0068】
アクリル樹脂(F)の別の構成モノマーである第2の(メタ)アクリル酸エステルは、それを表す前記式(IV)中のRがエポキシ基、グリシジル基及びこれらのうちの少なくとも一方を含む炭化水素基(例えば、γ−グリシドキシプロピル基等)からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の基であるものの内の少なくとも1種である。
【0069】
アクリル樹脂(F)のさらに別の構成モノマーである第3の(メタ)アクリル酸エステルは、それを表す前記式(IV)中のRがアルコキシシリル基及び/又はハロゲン化シリル基を含む炭化水素基、例えば、トリメトキシシリルプロピル基、ジメトキシメチルシリルプロピル基、モノメトキシジメチルシリルプロピル基、トリエトキシシリルプロピル基、ジエトキシメチルシリルプロピル基、エトキシジメチルシリルプロピル基、トリクロロシリルプロピル基、ジクロロメチルシリルプロピル基、クロロジメチルシリルプロピル基、クロロジメトキシシリルプロピル基、ジクロロメトキシシリルプロピル基等であるものの内の少なくとも1種である。
【0070】
アクリル樹脂(F)は、上記第1、第2、第3の(メタ)アクリル酸エステル中、それぞれ少なくとも1種、合計少なくとも3種を含む(メタ)アクリル酸エステルの共重合体であり、上記第1、第2、第3の(メタ)アクリル酸エステルの中から選ばれたさらに1種あるいは2種以上、あるいは上記以外の(メタ)アクリル酸エステルの中から選ばれたさらに1種あるいは2種以上を含む共重合体であっても構わない。
【0071】
上記第1の(メタ)アクリル酸エステルは、光触媒塗料による塗布硬化被膜の靭性を改善するための成分である。このためには、Rの置換あるいは非置換炭化水素基が、ある程度以上の体積を持つことが望ましく、炭素数が2以上であることが好ましい。第2の(メタ)アクリル酸エステルは、光触媒塗料の塗布硬化被膜と基材との密着性を向上させるための成分である。
【0072】
第3の(メタ)アクリル酸エステルは、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物の塗膜硬化時に、アクリル樹脂(F)とオルガノシロキサン部分加水分解物(A)成分との間に化学結合を形成し、これによりアクリル樹脂(F)が塗布硬化被膜中に固定化される。また、第3の(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル樹脂(F)と(A)成分との相溶性を改善する効果もある。
【0073】
アクリル樹脂(F)の分子量は、アクリル樹脂(F)と(A)成分との相溶性に大きく関わる。そのため、アクリル樹脂(F)は、好ましくは1000〜50000、より好ましくは1000〜20000の範囲内のポリスチレン換算重量平均分子量を有する。アクリル樹脂(F)のポリスチレン換算重量平均分子量が50000を超えると、相分離し、塗膜が白化することがある。上記分子量が1000未満だと、塗膜の靭性が下がり、クラックが発生しやすくなる傾向がある。
【0074】
第2の(メタ)アクリル酸エステルは、共重合体中の単量体モル比率で2%以上であることが望ましい。2%未満では、塗膜の密着性が不十分となる傾向がある。第3の(メタ)アクリル酸エステルは、共重合体中の単量体モル比率で2〜50%の範囲であることが望ましい。2%未満においては、アクリル樹脂(F)と(A)成分との相溶性が悪く、塗膜が白化することがある。また、50%を超えると、アクリル樹脂(F)と(A)成分との結合密度が高くなり過ぎ、アクリル樹脂本来の目的である靭性の改善が見られなくなる傾向がある。
【0075】
アクリル樹脂(F)の合成方法は、例えば、公知の有機溶媒中での溶液重合、乳化重合、懸濁重合によるラジカル重合法、あるいはアニオン重合法、カチオン重合法を用いることができるが、これに特定するものではない。溶液重合によるラジカル重合法においては、例えば、公知の方法で、前記第1、第2及び第3の(メタ)アクリル酸エステル単量体を反応容器中で有機溶媒に溶解し、さらにラジカル重合開始剤を加え、窒素気流下加熱し反応させる。このときに用いられる有機溶媒は、特に限定するものではないが、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどが使われる。
【0076】
また、ラジカル重合開始剤は特に限定するものではないが、例えば、クメンヒドロペルオキシド、第3ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ第3ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素−Fe2+塩、過硫酸塩−NaHSO、クメンヒドロペルオキシド−Fe2+塩、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン、過酸化物−トリエチルアルミニウムなどが用いられる。分子量をコントロールするためには、連鎖移動剤を添加することも可能である。
【0077】
連鎖移動剤としては、特に限定するわけではないが、例えば、モノエチルハイドロキノン、p−ベンゾキノンなどのキノン類;メルカプトアセチックアシッド−エチルエステル、メルカプトアセチックアシッド−n−ブチルエステル、メルカプトアセチックアシッド−2−エチルヘキシルエステル、メルカプトシクロヘキサン、メルカプトシクロペンタン、2−メルカプトエタノールなどのチオール類;ジ−3−クロロベンゼンチオール、p−トルエンチオール、ベンゼンチオールなどのチオフェノール類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのチオール誘導体;フェニルピクリルヒドラジン;ジフェニルアミン;第3ブチルカテコールなどを用いることができる。
【0078】
光触媒塗膜層の厚みは、特に制限はなく、例えば、0.1〜50μm程度が好ましいが、これらの塗膜層が長期的に安定に密着、保持され、かつ、クラックや剥離等が発生しないためには、より好ましくは1〜10μmである。
【0079】
光触媒塗料は、必要に応じ、さらに硬化触媒を含んでいてもよい。硬化触媒を含む必要は必ずしもないのであるが、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の縮合反応を促進することによって、塗布被膜の加熱硬化を促進させたり同被膜を100℃以下の低温及び常温で硬化させたりする目的で必要に応じて、硬化触媒を含むことができる。硬化触媒としては、特に限定はされないが、例えば、アルキルチタン酸塩類;ラウリン酸錫、オクチル酸錫、オクチル酸鉄、オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレエート等のカルボン酸金属塩類;n−ヘキシルアミン、グアニジン等のアミン化合物及びその塩酸塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のアミンのカルボン酸塩類;酢酸テトラメチルアンモニウム等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミン等のアミン類、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系シランカップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合物;酢酸リチウム、酢酸カリウム、蟻酸リチウム、蟻酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲン化シラン類等の少なくとも1種を用いることができる。しかし、これらの他に、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の縮合反応等の促進に有効なものであれば特に制限はない。
【0080】
光触媒塗料は、必要に応じて、上記以外の成分、例えば、光散乱剤やつや消し剤として用いられる比較的粒径の大きい(300nm以上の)シリカ粒子、酸化亜鉛や酸化セリウム等の無機紫外線吸収剤、分散剤、レベリング剤、金属粉、抗菌剤(好ましくは無機抗菌剤)、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤、防カビ剤等の各種添加剤をも、本発明の効果に悪影響を与えない範囲内で含むことができる。それらの添加量も特に限定はされず、適宜設定すればよい。
【0081】
光触媒塗膜層、及び必要に応じて下地とされる有機塗膜層の形成に用いられる各塗料を塗布する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、刷毛塗り、スプレー、浸漬(ディッピング)、バー、フロー、ロール、カーテン、ナイフコート、スピンコート等の通常の各種塗布方法を選択することができる。基材に塗布された各塗料を硬化させる方法は、公知の方法を用いればよく、特に限定はされない。また、硬化の際の温度も特に限定はされず、所望される塗布硬化被膜性能や硬化触媒の使用の有無や光触媒又は基材の耐熱性等に応じて常温から加熱による温度までの広い範囲をとることができる。
【0082】
〔基材〕
本発明の光触媒塗料を塗布する基材としては、特に限定はされないが、例えば、無機質基材、有機質基材、無機有機複合基材、及び、これらのうちのいずれかの基材の表面に少なくとも1層の無機物被膜及び/又は少なくとも1層の有機物被膜を有する基材(以下、塗装基材という)等が挙げられる。
【0083】
無機質基材としては、特に限定はされないが、例えば、金属基材;ガラス基材;ホーロー;水ガラス化粧板、無機質硬化体等の無機質建材;セラミックス等が挙げられる。金属基材としては、特に限定はされないが、例えば、非鉄金属〔例えば、アルミニウム(JIS−H4000等)、アルミニウム合金(ジュラルミン等)、銅、亜鉛等〕、鉄、鋼〔例えば、圧延鋼(JIS−G3101等)、溶融亜鉛めっき鋼(JIS−G3302等)、(圧延)ステンレス鋼(JIS−G4304、G4305等)等〕、ブリキ(JIS−G3303等)、その他の金属全般(合金含む)が挙げられる。
【0084】
ガラス基材としては、特に限定はされないが、例えば、ナトリウムガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。前記ホーローとは、金属表面にガラス質のホーローぐすりを焼き付け、被覆したものである。その素地金属としては、例えば、軟鋼板、鋼板、鋳鉄、アルミニウム等が挙げられるが、特に限定はされない。ホーローぐすりも通常のものを用いればよく、特に限定はされない。
【0085】
前記水ガラス化粧板とは、例えば、ケイ酸ソーダをスレート板などのセメント基材に塗布し、焼き付けた化粧板などを指す。無機質硬化体としては、特に限定はされないが、例えば、繊維強化セメント板(JIS−A5430等)、窯業系サイディング(JIS−A5422等)、木毛セメント板(JIS−A5404等)、パルプセメント板(JIS−A5414等)、スレート・木毛セメント積層板(JIS−A5426等)、石膏ボード製品(JIS−A6901等)、粘土瓦(JIS−A5208等)、厚形スレート板(JIS−A5402等)、陶磁器質タイル(JIS−A5209等)、建築用コンクリートブロック(JIS−A5406等)、テラゾ(JIS−A5411等)、プレストレストコンクリートダブルTスラブ(JIS−A5412等)、ALCパネル(JIS−A5416等)、空洞プレストレストコンクリートパネル(JIS−A6511等)、普通煉瓦(JIS−R1250等)等の無機材料を硬化、成形させた基材全般を指す。
【0086】
なお、前記スレート板とは、一般に、繊維とセメントからなり、建築部材等に用いられる板のことを言う。上記繊維は、特に限定はされず、例えば、アスベスト、ガラスウール、岩綿等、どのようなものでもよい。スレート板は、その性質(多孔性)によって、塗料を塗布したときの「吸い込み量」が異なるが、この量も特に限定はされず、どのようなものであってもよい。
【0087】
セラミックス基材としては、特に限定はされないが、例えば、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
【0088】
有機質基材としては、特に限定はされないが、例えば、木、木材、紙等が挙げられる。また、プラスチック基材も有機質基材の部類に含まれる。本発明では、このプラスチック基材のように光触媒に侵されやすい基材も使用可能である。プラスチック基材としては、特に限定はされないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性もしくは熱可塑性プラスチック、及び、これらのプラスチックをナイロン繊維等の有機繊維で強化した繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられる。
【0089】
無機有機複合基材としては、特に限定はされないが、例えば、上記プラスチックをガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維で強化した繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられる。前記塗装基材を構成する有機物被膜としては、特に限定はされないが、例えば、アクリル系、アルキド系、ポリエステル系、エポキシ系、ウレタン系、アクリルシリコーン系、塩化ゴム系、フェノール系、メラミン系等の有機樹脂を含むコーティング材の硬化被膜等が挙げられる。
【0090】
前記塗装基材のうち、被膜を無機物で構成する場合の無機物被膜としては、特に限定はされないが、例えば、シリコーン樹脂等の無機樹脂を含むコーティング材の硬化被膜等が挙げられる。なお、基材と各塗膜(被膜)層との密着性をさらに向上させるために、必要に応じ、基材の表面に、各塗料を塗布する前に予めプライマー層を形成させておいてもよい。プライマー層としては、有機、無機を問わず、特に限定はされないが、有機プライマー層の例としては、ナイロン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、有機変性シリコーン樹脂(例えば、アクリルシリコーン樹脂等)、塩化ゴム樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂及びメラミン樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の有機樹脂を固形分として10重量%以上含有する有機プライマー組成物の硬化樹脂層等が挙げられ、無機プライマー層の例としては、シリコーン樹脂等の無機樹脂を固形分として90重量%以上含有する無機プライマー組成物の硬化樹脂層等が挙げられる。
【0091】
プライマー層の厚みは、特に限定はされないが、例えば、0.1〜50μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。この厚みが薄すぎると所望の密着性が得られない恐れがあり、厚すぎると乾燥時に発泡等の恐れがある。なお、表面に上記のような有機プライマー層及び/又は無機プライマー層を少なくとも1層有する基材は、前記塗装基材の範疇に含まれる。すなわち、前記塗装基材が表面に有する前記被膜は上記プライマー層であってもよいのである。
【0092】
基材の形態については、特に限定はされず、例えば、フィルム状、シート状、板状、繊維状等が挙げられる。また、基材は、これらの形状の材料の成形体、又は、これらの形状の材料もしくはその成形体の少なくとも1つを一部に備えた構成体等であってもよい。基材は、上述した各種材料単独からなるものでもよいし、上述した各種材料のうちの少なくとも2つを組み合わせてなる複合材料又は上述した各種材料のうちの少なくとも2つを積層してなる積層材料でもよい。
【0093】
本発明の光触媒塗料を塗布して形成した塗装品は、各種材料又は物品として、あるいは、該塗装品を各種材料又は物品の少なくとも一部に装備させることにより、例えば、下記の用途に好適に用いることができる。建物関連の部材又は物品、例えば、外装材(例えば、外壁材、平板瓦・日本瓦・金属瓦等の瓦等)、塩ビ雨とい等の樹脂製雨とい・ステンレス雨とい等の金属製雨とい等の雨とい、門及びそれに用いるための部材(例えば、門扉・門柱・門塀等)、フェンス(塀)及びそれに用いるための部材、ガレージ扉、ホームテラス、ドア、柱、カーポート、駐輪ポート、サインポスト、宅配ポスト、配電盤・スイッチ等の配線器具、ガスメーター、インターホン、テレビドアホン本体及びカメラレンズ部、電気錠、エントランスポール、縁側、換気扇吹き出し口、建物用ガラス等;窓(例えば、採光窓、天窓、ルーバー等の開閉窓等)及びそれに用いるための部材(例えば、窓枠、雨戸、ブラインド等)、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、機械装置、道路周辺部材(例えば、防音壁、トンネル内装板、各種表示装置、ガードレール、車止め、高欄、交通標識の標識板及び標識柱、信号機、ポストコーン等)、広告塔、屋外又は屋内用照明器具及びそれに用いるための部材(例えば、ガラス、樹脂、金属及びセラミックスからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の材料を含む部材等)、太陽電池用ガラス、農業用ビニール及びガラスハウス、エアコン用室外機、VHF・UHF・BS・CS等のアンテナ等。
【0094】
なお、本発明の塗装品は、各塗料を上記の各種材料又は物品の少なくとも一部に直接塗布し、硬化させたものであってもよい。また、これに限定されず、例えば、各塗料をフィルム基材の表面に塗布し、硬化させてなるフィルムを上記の各種材料又は物品の少なくとも一部に貼ったものであってもよい。このようなフィルムの基材の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂及びそれらの複合樹脂等の樹脂が挙げられるが、特に限定はされない。
【0095】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。
【0096】
(調製例A−1)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計をつけたフラスコ中にIPA−ST(イソプロパノール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20nm、固形分30%、水分0.5%、日産化学工業社製)100g、メチルトリメトキシシラン68g、水2.2gを投入して攪拌しながら65℃の温度で5時間加水分解を行い、冷却してオルガノシロキサン部分加水分解物(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置した時の固形分が36%であった。ここで得た(A)成分をA−1と称する。成分A−1の調製条件を表1に示す。
【0097】
【表1】
Figure 2004359902
【0098】
(調製例B−1)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート、窒素ガス導入・排出孔及び温度計を取り付けたフラスコに、n−ブチルメタクリレート(BMA)5.69g(40mmol)、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート(SMA)1.24g(5mmol)、グリシジルメタクリレート(GMA)0.71g(5mmol)、さらに連鎖移動剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.784g(4mmol)をトルエン8.49gに溶解した反応液に、窒素気流下、アゾビスイソブチロニトリル0.025g(0.15mmol)をトルエン3gに溶解したものを滴下し、70℃で2時間反応させた。重量平均分子量1,000の重合物が得られた。ここで得たアクリル樹脂溶液をB−1と称する。なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより(測定機種:HLC−802UR、東ソー株式会社製)、標準ポリスチレン換算値を求めた。以後の分子量も同様の方法で測定した。B−1の調製条件を表2に示す。
【0099】
【表2】
Figure 2004359902
【0100】
(調製例D−1)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けたフラスコにメチルトリイソプロポキシシラン220g(1mol)のトルエン150gの溶液を仕込み、1%塩酸水溶液108gを上記混合液に20分で滴下してメチルトリイソプロポキシシランを加水分解した。滴下40分後に攪拌を止め、二層に分離した少量の塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混合液を分液し、後に残ったトルエンの樹脂溶液中に残存する塩酸を水洗で除去し、さらにトルエンを減圧除去し、イソプロピルアルコールで希釈して、重量平均分子量約2,000のシラノール基含有オルガノポリシロキサンのイソプロピルアルコール40%溶液を得た。これをD−1と称する。
【0101】
(調合例1)以下の表1に示す各成分・分量を混合、攪拌することで光触媒塗料1を作製した。
【0102】
【表3】
Figure 2004359902
【0103】
<実施例1>
5センチ×17センチのスレート板の表面に、神東塗料(株)製「浸透性エポキシシーラー」をローラーで150g/mの塗布量になるように塗布し、これを室温(約23℃)で24時間乾燥させ、この上に同社製「シントップUP白」をローラーで200g/mの塗装量となるように塗布し、室温(約23℃)で24時間乾燥させることにより、塗布硬化被膜を形成した。
【0104】
次いで、上記調合例1で調合した光触媒塗料1をスプレーにて10g/mとなるように塗装した。この塗膜の物性は、石英板上に同時に作製した塗膜の物性を調べた結果によると、膜厚は2μm、波長500nmの光透過率84%、波長320nmの紫外線遮断率99%であった。このようにして基材に光触媒塗料1を塗装した塗装品は、サンシャインウエザオメーター(耐候性試験機)4000時間試験後において、塗膜の外観に異常がなく、また、碁盤目テープ剥離試験による密着性試験の結果も良好であった。
【0105】
<実施例2>
表3に示した調合例1の成分に対し、イソプロピルアルコールに分散した酸化亜鉛を、固形分比で樹脂:酸化チタン:酸化亜鉛=70:10:20となるように加えて調製し、このようにして光触媒塗料を得た以外は実施例1と同様にして基材に光触媒塗料を塗装した塗装品を作成した。前記同様に、石英板上に同時に作製した塗膜の物性を調べた結果によると、膜厚は2μm、波長500nmの光透過率87%、波長320nmの紫外線遮断率98%であった。この塗装品は、サンシャインウエザオメーター(耐候性試験機)4000時間試験後において、塗膜の外観に異常がなく、また、碁盤目テープ剥離試験による密着性試験の結果も良好であった。
【0106】
<実施例3>
表3に示した調合例1の成分に対し、イソプロピルアルコールに分散した酸化セリウムを、固形分比で樹脂:酸化チタン:酸化セリウム=70:10:20となるように加えて調製し、このようにして光触媒塗料を得た以外は実施例1と同様にして基材に光触媒塗料を塗装した塗装品を作成した。前記同様に、石英板上に同時に作製した塗膜の物性を調べた結果によると、膜厚は2μm、波長500nmの光透過率89%、波長320nmの紫外線遮断率95%であった。この塗装品は、サンシャインウエザオメーター(耐候性試験機)4000時間試験後において、塗膜の外観に異常がなく、また、碁盤目テープ剥離試験による密着性試験の結果も良好であった。
【0107】
<実施例4>
表3に示した調合例1の成分に対し、イソプロピルアルコールに分散した酸化亜鉛及び粒径300nmのシリカを、固形分比で樹脂:酸化チタン:酸化亜鉛:シリカ=68:10:20:2となるように加えて調製し、このようにして光触媒塗料を得た以外は実施例1と同様にして基材に光触媒塗料を塗装した塗装品を作成した。前記同様に、石英板上に同時に作製した塗膜の物性を調べた結果によると、膜厚は2μm、波長500nmの光透過率70%、波長320nmの紫外線遮断率99%であった。この塗装品は、サンシャインウエザオメーター(耐候性試験機)4000時間試験後において、塗膜の外観に異常がなく、また、碁盤目テープ剥離試験による密着性試験の結果も良好であった。
【0108】
<比較例1>
松下電工(株)製光触媒塗料フレッセラP−S1000を、実施例1で作製した塗布硬化被膜付きの基材(スレート板にシーラーと白色塗料を塗装したもの)に、スプレーで5g/mとなるように塗装した。なお、この塗料は、通常、有機塗料上に塗装する場合は「フレッセラNA」なるプロテクト層(アンダーコート)を用いることが標準仕様である。しかし、比較例1では、比較のためフレッセラNAを用いずに直接塗装した。比較例として作製した塗装品は、サンシャインウエザオメーター500時間の試験においてチョーキングを生じた。
【0109】
このように、従来の光触媒塗料ではアンダーコートを施さない場合に耐候性が低くなるのに対し、上述の実施例で示したように、本発明の光触媒塗料ではアンダーコートを施さない1コート塗布の場合でも良好な結果が得られることが判った。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る光触媒塗料を塗布した基材の断面図、(b)は前記光触媒塗料を塗布した他の例を示す基材の断面図。
【図2】(a)は本発明の一実施形態に係る光触媒塗料による塗膜の波長500nmの光に対する光透過率のグラフ、(b)は前記光触媒塗料による塗膜の波長320nmの光に対する光透過率のグラフ。
【符号の説明】
1 光触媒塗料
2 有機基材
3 有機塗料
4 基材

Claims (11)

  1. 基材の表面に塗装することによって基材に光触媒機能を持たせる光触媒塗料において、その塗膜が波長500nmの光を50%以上透過させ、かつ、320nmの光を80%以上遮断することを特徴とする光触媒塗料。
  2. 波長500nmでの光透過性が70%以上で、かつ、320nmでの光遮断性が90%以上である請求項1に記載の光触媒塗料。
  3. 波長500nmでの光透過性が75%以上で、かつ、320nmでの光遮断性が95%以上である請求項1に記載の光触媒塗料。
  4. 平均組成式(I):R SiO(OR(OH)で表され、R、Rは互いに独立に同一又は異種の置換もしくは非置換で1価の炭化水素基を示し、a、b、c及びdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数であり、重量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物を含む請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光触媒塗料。
  5. 塗膜厚が1乃至10μmである請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光触媒塗料。
  6. 光触媒の粒径が10乃至30nmである請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光触媒塗料。
  7. 固形分中の酸化チタンの含有量が10乃至50%である請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光触媒塗料。
  8. 酸化亜鉛、又は、酸化セリウムの少なくともいずれかを含有する請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の光触媒塗料。
  9. 粒径300nm以上のシリカを含む請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の光触媒塗料。
  10. 中にグリシジル基を含有する請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の光触媒塗料。
  11. 中に(メタ)アクリル酸エステルを含有する請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の光触媒塗料。
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