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JP2000284123A - 楕円偏光板およびtn型液晶表示装置 - Google Patents

楕円偏光板およびtn型液晶表示装置

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Publication number
JP2000284123A
JP2000284123A JP11092440A JP9244099A JP2000284123A JP 2000284123 A JP2000284123 A JP 2000284123A JP 11092440 A JP11092440 A JP 11092440A JP 9244099 A JP9244099 A JP 9244099A JP 2000284123 A JP2000284123 A JP 2000284123A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
transparent support
polarizing plate
refractive index
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11092440A
Other languages
English (en)
Inventor
Masataka Ogawa
雅隆 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP11092440A priority Critical patent/JP2000284123A/ja
Publication of JP2000284123A publication Critical patent/JP2000284123A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TN型液晶表示装置に適した一体型楕円偏光
板を得る。 【解決手段】 透明保護膜、偏光膜、透明支持体および
液晶性分子から形成された光学的異方性層がこの順に積
層されている楕円偏光板において、透明支持体の屈折率
異方性の波長分散値を0.7以上1.3未満の範囲内に
調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明保護膜、偏光膜、
透明支持体および液晶性分子から形成された光学的異方
性層がこの順に積層されている楕円偏光板およびTN型
液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】TN(Twisted Nematic)型液晶表示装
置は、TFT(Thin Film Transistor)やMIM(Meta
l Insulator Metal)のような能動素子と組み合わせ
て、最も広く用いられている液晶表示装置である。TN
型液晶表示装置は、TN型液晶セルおよび二枚の偏光素
子からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入
するための二枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加
えるための電極層からなる。TN型液晶セルでは、90
゜のねじれ角で棒状液晶性分子を配向させるための配向
膜が、二枚の基板に設けられる。TN型液晶表示装置の
視野角を改善するため、一般に液晶セルと偏光素子との
間に光学補償シート(位相差板)が設けられる。偏光素
子(偏光膜)と光学補償シートとの積層体は、楕円偏光
板として機能する。光学補償シートとしては、延伸複屈
折フイルムが従来から使用されている。
【0003】延伸複屈折フイルムからなる光学補償シー
トに代えて、透明支持体上に液晶性分子を含む光学的異
方性層を有する光学補償シートを使用することが提案さ
れている。光学的異方性層は、液晶性分子を配向させ、
その配向状態を固定することにより形成する。液晶性分
子、特にディスコティック液晶性分子は、一般に大きな
複屈折率を有する。そして、液晶性分子には、多様な配
向形態がある。液晶性分子を用いることで、従来の延伸
複屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を有
する光学補償シートを製造することが可能になる。ディ
スコティック液晶性分子を用いた光学補償シートについ
ては、特開平6−214116号公報、米国特許558
3679号、同5646703号、ドイツ特許公報39
11620A1号の各明細書に記載がある。これらの光
学補償シートは、主な用途としてTN型液晶表示装置を
想定して設計されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液晶性分子を用いた光
学補償シートと偏光素子(偏光膜)との積層体を楕円偏
光板として用いる場合、光学補償シートの透明支持体
を、偏光素子の一方の保護膜として機能させることがで
きる。そのような楕円偏光板は、透明保護膜、偏光膜、
透明支持体、そして液晶性分子から形成された光学的異
方性層の順序の層構成を有する。液晶表示装置は薄型で
軽量との特徴があり、構成要素の一つを兼用によって削
減すれば、装置をさらに薄く軽量にすることができる。
また、液晶表示装置の構成要素を一つ削減すれば、構成
要素の貼り合わせ工程も一つ削減され、装置を製造する
際に故障が生じる可能性が低くなる。
【0005】しかし、光学補償シートの透明支持体に要
求されている光学的性質と、偏光素子の保護膜に要求さ
れている光学的性質とは異なる場合が多い。そのため、
光学補償シートの透明支持体と偏光素子の一方の保護膜
を共通化した一体型楕円偏光板は、従来から提案されて
いる(例えば、特開平7−191217号および同8−
21996号の各公報記載)が、実際に使用されている
例は少なかった。
【0006】光学補償シートの透明支持体と偏光素子の
一方の保護膜を共通化した一体型楕円偏光板を実用化す
るためには、光学補償シートの透明支持体に要求されて
いる光学的性質と、偏光素子の保護膜に要求されている
光学的性質とを矛盾することなく満足する必要がある。
本発明の目的は、特にTN型液晶表示装置に適した一体
型楕円偏光板を提供することである。また、本発明の目
的は、製造が容易で、従来よりも軽量で薄いTN型液晶
表示装置を提供することでもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(6)の光学補償シートおよび下記(7)のT
N型液晶表示装置により達成された。 (1)透明保護膜、偏光膜、透明支持体および液晶性分
子から形成された光学的異方性層がこの順に積層されて
いる楕円偏光板であって、透明支持体が0.7以上1.
3未満の範囲内に下記式で定義される屈折率異方性の波
長分散値を有することを特徴とする楕円偏光板。 α=Δn(450)/Δn(600) 式中、αは透明支持体の屈折率異方性の波長分散値であ
り;Δn(450)は波長450nmの光で測定した透
明支持体の屈折率異方性であり;そして、Δn(60
0)は波長600nmで測定した透明支持体の屈折率異
方性である。 (2)上記透明支持体と光学的異方性層との積層体が、
0乃至100nmの範囲内に下記式で定義されるReレ
ターデーション値を有し、かつ20乃至400nmの範
囲内に下記式で定義されるRthレターデーション値を有
する(1)に記載の楕円偏光板。 Re=│nx−ny│×d Rth={(n1+n2)/2−n3}×d 式中、nxおよびnyは積層体の面内の主屈折率であ
り;dは積層体の厚さ(nm)であり;そして、n1、
n2およびn3は、n1≧n2≧n3を満足する積層体
の三軸方向の屈折率である。 (3)上記透明支持体と光学的異方性層との積層体の遅
相軸と偏光膜の透過軸とが、実質的に平行である(1)
に記載の楕円偏光板。 (4)液晶性分子がディスコティック液晶性分子である
(1)に記載の楕円偏光板。 (5)液晶性分子が重合により配向した状態のまま固定
されている(1)に記載の楕円偏光板。 (6)透明支持体がセルロースエステルフイルムである
(1)に記載の楕円偏光板。
【0008】(7)TN型液晶セルおよびその両側に配
置された二枚の偏光素子からなり、偏光素子の少なくと
も一方が、外側から順に、透明保護膜、偏光膜、透明支
持体および液晶性分子から形成された光学的異方性層が
積層されている楕円偏光板であるTN型液晶表示装置で
あって、透明支持体が0.7以上1.3未満の範囲内に
下記式で定義される屈折率異方性の波長分散値を有する
ことを特徴とするTN型液晶表示装置。 α=Δn(450)/Δn(600) 式中、αは透明支持体の屈折率異方性の波長分散値であ
り;Δn(450)は波長450nmの光で測定した透
明支持体の屈折率異方性であり;そして、Δn(60
0)は波長600nmで測定した透明支持体の屈折率異
方性である。なお、本明細書において、遅相軸は、屈折
率が面内で最大となる方向を意味する。また、透過軸
は、透過率が面内で最大となる方向を意味する。さら
に、本明細書において「実質的に平行」とは、厳密な平
行との誤差が±10゜未満であることを意味する。誤差
は、±8゜未満であることが好ましく、±4゜未満であ
ることがより好ましく、±2゜未満であることがさらに
好ましく、±1゜未満であることが最も好ましい。
【0009】
【発明の効果】本発明者は研究の結果、透明支持体の屈
折率異方性の波長分散値を、0.7以上1.3未満の範
囲内に調整することにより、光学補償シートの透明支持
体に要求されている光学的性質と、偏光素子の保護膜に
要求されている光学的性質とを矛盾することなく満足で
きることが判明した。上記の波長分散値を有する透明支
持体を用いることで、光学的性質が優れた一体型楕円偏
光板を得ることができる。この一体型楕円偏光板は、特
にTN型液晶表示装置に用いると特に効果がある。一体
型楕円偏光板を使用することにより、製造が容易で、従
来よりも軽量で薄いTN型液晶表示装置が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、一体型楕円偏光板を用い
たTN型液晶表示装置の模式図である。TN型液晶表示
装置は、バックライト(BL)側から順に、下楕円偏光
板(1)、TN液晶セル(2)、上楕円偏光板(3)が
積層された層構成を有する。下楕円偏光板(1)と上楕
円偏光板(3)に記入した実線の矢印(TA1、TA
3)は、楕円偏光板における偏光膜の透過軸である。下
楕円偏光板(1)と上楕円偏光板(3)に記入した波線
の矢印(SA1、SA3)は、楕円偏光板における透明
支持体と光学的異方性層との積層体の遅相軸である。T
N液晶セル(2)に記入した矢印(RD1、RD2)
は、液晶セルに設けられた二枚の配向膜のラビング方向
である。図1に示すように、透明支持体と光学的異方性
層との積層体の遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に
平行であることが好ましい。
【0011】図2は、一体型楕円偏光板の模式図であ
る。図2に示すように、一体型楕円偏光板は、透明保護
膜(11)、偏光膜(12)、透明支持体(13)およ
び光学的異方性層(14)がこの順に積層されている構
成を有する。以下、この順序で、一体型楕円偏光板の各
構成要素を説明する。
【0012】[透明保護膜]透明保護膜としては、光学
的等方性のポリマーフイルムが用いられる。保護膜が透
明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味
する。光学的等方性とは、具体的には、面内レターデー
ション(Re)が10nm以下であることが好ましく、
5nm以下であることがさらに好ましい。また、厚み方
向のレターデーション(Rth)は、40nm以下である
ことが好ましく、20nm以下であることがさらに好ま
しい。面内レターデーション(Re)と厚み方向のレタ
ーデーション(Rth)の定義については、透明支持体に
ついて後述する。透明保護膜としては、一般にセルロー
スエステルフイルム、好ましくはトリアセチルセルロー
スフイルムが用いられる。セルロースエステルフイルム
は、ソルベントキャスト法により形成することが好まし
い。透明保護膜の厚さは、20乃至500μmであるこ
とが好ましく、50乃至200μmであることがさらに
好ましい。
【0013】[偏光膜]偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、
二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜が
ある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポ
リビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光
膜の透過軸(偏光軸)は、フイルムの延伸方向に垂直な
方向に相当する。
【0014】[透明支持体]透明支持体の厚さは、20
乃至500μmであることが好ましく、50乃至200
μmであることがさらに好ましい。本発明では、透明支
持体について、下記式で定義される屈折率異方性の波長
分散値を0.7以上1.3未満の範囲内に調整する。 α=Δn(450)/Δn(600) 式中、αは透明支持体の屈折率異方性の波長分散値であ
り;Δn(450)は波長450nmの光で測定した透
明支持体の屈折率異方性であり;そして、Δn(60
0)は波長600nmで測定した透明支持体の屈折率異
方性である。
【0015】また、透明支持体と(後述する)光学的異
方性層との積層体は、0乃至100nmの範囲内に下記
式で定義されるReレターデーション値を有し、かつ2
0乃至400nmの範囲内に下記式で定義されるRthレ
ターデーション値を有することが好ましい。 Re=│nx−ny│×d Rth={(n1+n2)/2−n3}×d 式中、nxおよびnyは積層体の面内の主屈折率であ
り;dは積層体の厚さ(nm)であり;そして、n1、
n2およびn3は、n1≧n2≧n3を満足する積層体
の三軸方向の屈折率である。
【0016】さらに、透明支持体の波長600nmにお
ける厚み方向のレターデーション値は、20乃至400
nmであることが好ましく、50乃至300nmである
ことがさらに好ましく、60乃至200nmであること
が最も好ましい。なお、厚み方向の複屈折率{(nx+
ny)/2−nz}は、7×10-4乃至4×10-3であ
ることが好ましく、1×10-3乃至4×10-3であるこ
とがより好ましく、1.5×10-3乃至4×10-3であ
ることがさらに好ましく、2×10-3乃至4×10-3
あることがさらにまた好ましく、2×10-3乃至3×1
-3であることが最も好ましく、2×10-3乃至2.5
×10-3であることが特に好ましい。
【0017】透明支持体は、レターデ−ションが高いセ
ルロースエステルフイルムを用いることが好ましい。セ
ルロースエステルフイルムの面内レターデーション(R
e)は、セルロースエステルフイルムの延伸により調整
(高い値と)することができる。セルロースエステルフ
イルムの厚み方向のレターデーション(Rth)は、
(1)レターデーション上昇剤の使用、(2)平均酢化
度(アセチル化度)の調整または(3)冷却溶解法によ
るフイルムの製造により調整(高い値と)することがで
きる。これにより、従来は光学的等方性と考えられてい
たセルロースエステルフイルムを、光学補償機能を有す
る光学的異方性透明支持体として使用できるようになっ
た。以下、レターデーションが高いセルロースエステル
フイルムの製造方法について説明する。
【0018】セルロースエステルとしては、セルロース
の低級脂肪酸エステルを用いることが好ましい。低級脂
肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭
素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロ
ースプロピオネート)または4(セルロースブチレー
ト)であることが好ましい。セルロースアセテートが特
に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセ
ルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エス
テルを用いてもよい。セルロースアセテートの平均酢化
度(アセチル化度)は、55.0%以上62.5%未満
であることが好ましい。フイルムの物性の観点では、平
均酢化度は、58.0%以上62.5%未満であること
がさらに好ましい。ただし、平均酢化度が55.0%以
上58.0%未満(好ましくは57.0%以上58.0
%未満)であるセルロースアセテートを用いると、厚み
方向のレターデーションが高いフイルムを製造すること
ができる。
【0019】レターデーション上昇剤を用いて、厚み方
向のレターデーションを高い値とすることもできる。レ
ターデーション上昇剤としては、芳香族環を少なくとも
二つ有し、二つの芳香族環の立体配座を立体障害しない
分子構造を有する化合物を使用できる。レターデーショ
ン上昇剤は、セルロースエステル100重量部に対し
て、0.3乃至20重量部の範囲で使用することが好ま
しい。少なくとも二つの芳香族環を有する化合物は、炭
素原子7個分以上のπ結合性の平面を有する。二つの芳
香族環の立体配座を立体障害しなければ、二つの芳香族
環は、同一平面を形成する。本発明者の研究によれば、
セルロースエステルフイルムのレターデーションを上昇
させるためには、複数の芳香族環により同一平面を形成
することが重要である。本明細書において、「芳香族
環」は、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環
を含む。芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベン
ゼン環)であることが特に好ましい。
【0020】芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ
環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または
7員環であることが好ましく、5員環または6員環であ
ることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、
最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原
子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特
に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チ
オフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサ
ゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾ
ール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、
ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、
ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれ
る。芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフ
ェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、
イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミ
ジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が
好ましい。
【0021】レターデーション上昇剤が有する芳香族環
の数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至12
であることがより好ましく、2乃至8であることがさら
に好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。3以
上の芳香族環を有する場合、少なくとも二つの芳香族環
の立体配座を立体障害しなければよい。二つの芳香族環
の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単
結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合す
る場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形
成できない)。レターデーション上昇機能の観点では、
(a)〜(c)のいずれでもよい。ただし、(b)また
は(c)の場合は、二つの芳香族環の立体配座を立体障
害しないことが必要である。
【0022】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、ナフタセン
環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベン
ゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベ
ンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミ
ダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダ
ゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、
キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサ
リン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール
環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン
環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイ
ン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれ
る。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾ
オキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾ
ール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ま
しい。(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間
の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの
芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環ま
たは非芳香族性複素環を形成してもよい。
【0023】(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO
−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−
CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0024】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。ただし、置換基は、二つの芳香族環の立体
配座を立体障害しないことが必要である。立体障害で
は、置換基の種類および位置が問題になる。置換基の種
類としては、立体的に嵩高い置換基(例えば、3級アル
キル基)が立体障害を起こしやすい。置換基の位置とし
ては、芳香族環の結合に隣接する位置(ベンゼン環の場
合はオルト位)が置換された場合に、立体障害が生じや
すい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、B
r、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミ
ノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファモイル、
ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アルコキシ
基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルア
ミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、脂肪
族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族置換アミ
ノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換スルファ
モイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香族性複素
環基が含まれる。
【0025】アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であ
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0026】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0027】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。、脂
肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含
まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の
例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド
およびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族
置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。
【0028】レターデーション上昇剤の分子量は、30
0乃至800であることが好ましい。レターデーション
上昇剤の沸点は、260℃以上であることが好ましい。
沸点は、市販の測定装置(例えば、TG/DTA10
0、セイコー電子工業(株)製)を用いて測定できる。
【0029】ソルベントキャスト法によりセルロースエ
ステルフイルムを製造することが好ましい。ソルベント
キャスト法では、セルロースエステルを有機溶媒に溶解
した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造する。有機
溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子
数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエ
ステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水
素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エーテル、
ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよ
い。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわ
ち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを
二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることが
できる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の
官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有す
る有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能
基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
【0030】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の
有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0031】冷却溶解法を採用せずに、一般的な方法で
溶液を調製してもよい。一般的な方法とは、0℃以上の
温度(常温または高温)で、処理することを意味する。
溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるド
ープの調製方法および装置を用いて実施することができ
る。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロ
ゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いること
が好ましい。セルロースエステルの量は、得られる溶液
中に10乃至40重量%含まれるように調整する。セル
ロースエステルの量は、10乃至30重量%であること
がさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述す
る任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温
(0乃至40℃)でセルロースエステルと有機溶媒とを
攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶
液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的
には、セルロースエステルと有機溶媒とを加圧容器に入
れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、か
つ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌す
る。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは
60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃至1
10℃である。
【0032】各成分は予め粗混合してから容器に入れて
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0033】冷却溶解法により、溶液を調製することも
できる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒(ハロゲン化炭化水素以外の有
機溶媒)中にも、セルロースエステルを溶解させること
ができる。なお、通常の溶解方法でセルロースエステル
を溶解できる溶媒(例えば、ハロゲン化炭化水素)であ
っても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られ
るとの効果がある。また、冷却溶解法を用いると、製造
するセルロースエステルフイルムのレターデーションが
高い値になる。冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒
中にセルロースエステルを撹拌しながら徐々に添加す
る。セルロースエステルの量は、この混合物中に10乃
至40重量%含まれるように調整することが好ましい。
セルロースエステルの量は、10乃至30重量%である
ことがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する
任意の添加剤を添加しておいてもよい。
【0034】次に、混合物を−100乃至−10℃(好
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、セルロースエステルと有機溶媒の混合物は固
化する。冷却速度は、4℃/分以上であることが好まし
く、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃
/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速い
ほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であ
り、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして10
0℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷
却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却
を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で
割った値である。
【0035】さらに、これを0乃至200℃(好ましく
は0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、
最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒
中にセルロースエステルが溶解する。昇温は、室温中に
放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。加温
速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分
以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であ
ることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましい
が、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000
℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実
用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する
時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始してか
ら最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値であ
る。
【0036】以上のようにして、均一な溶液が得られ
る。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作
を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目
視により溶液の外観を観察するだけで判断することがで
きる。
【0037】冷却溶解法においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20重量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
平均酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機
溶媒により異なる。
【0038】調製したセルロースエステル溶液(ドー
プ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースエス
テルフイルムを製造する。ドープは、ドラムまたはバン
ド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。
流延前のドープは、固形分量が18乃至35%となるよ
うに濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバン
ドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法につ
いては、米国特許2336310号、同2367603
号、同2492078号、同2492977号、同24
92978号、同2607704号、同2739069
号、同2739070号、英国特許640731号、同
736892号の各明細書、特公昭45−4554号、
同49−5614号、特開昭60−176834号、同
60−203430号、同62−115035号の各公
報に記載がある。ドープは、表面温度が10℃以下のド
ラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延し
た2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られ
たフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに
100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥
して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法
は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方
法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮するこ
とが可能である。この方法を実施するためには、流延時
のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル
化することが必要である。本発明に従い調製した溶液
(ドープ)は、この条件を満足する。製造するフイルム
の厚さは、40乃至120μmであることが好ましく、
70乃至100μmであることがさらに好ましい。
【0039】セルロースエステルフイルムには、機械的
物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため
に、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル
酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フ
タル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが
含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DE
P、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用
いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤
の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25
重量%であることが好ましく、1乃至20重量%である
ことがさらに好ましく、3乃至15重量%であることが
最も好ましい。
【0040】セルロースエステルフイルムには、劣化防
止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止
剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止
剤を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3
−199201号、同5−1907073号、同5−1
94789号、同5−271471号、同6−1078
54号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、
調製する溶液(ドープ)の0.01乃至1重量%である
ことが好ましく、0.01乃至0.2重量%であること
がさらに好ましい。添加量が0.01重量%未満である
と、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量
が1重量%を越えると、フイルム表面への劣化防止剤の
ブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。
特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロ
キシトルエン(BHT)を挙げることができる。紫外線
防止剤については、特開平7−11056号公報に記載
がある。なお、平均酢化度が55.0乃至58.0%で
あるセルロースアセテートは、平均酢化度が58.0%
以上であるセルローストリアセテートと比較して、調製
した溶液の安定性や製造したフイルムの物性が劣るとの
欠点がある。しかし、上記のような劣化防止剤、特にブ
チル化ヒドロキシトルエン(BHT)のような酸化防止
剤を用いることで、この欠点を実質的に解消することが
可能である。
【0041】[配向膜]配向膜は、有機化合物(好まし
くはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸
着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラン
グミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物
(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモ
ニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のよう
な手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、
磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配
向膜も知られている。ポリマーのラビング処理により形
成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマ
ー層の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることに
より実施する。配向膜に使用するポリマーの種類は、液
晶セルの表示モードの種類に応じて決定する。液晶セル
内の棒状液晶性分子の多くが実質的に垂直に配向してい
る表示モード(例、VA、OCB、HAN)では、光学
的異方性層の液晶性分子を実質的に水平に配向させる機
能を有する配向膜を用いる。液晶セル内の棒状液晶性分
子の多くが実質的に水平に配向している表示モード
(例、STN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実
質的に垂直に配向させる機能を有する配向膜を用いる。
液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に斜めに配
向している表示モード(例、TN)では、光学的異方性
層の液晶性分子を実質的に斜めに配向させる機能を有す
る配向膜を用いる。
【0042】具体的なポリマーの種類については、前述
した様々な表示モードに対応するディスコティック液晶
性分子を用いた光学補償シートについての文献に記載が
ある。配向膜に使用するポリマーを架橋して、配向膜の
強度を強化してもよい。配向膜に使用するポリマーに架
橋性基を導入して、架橋性基を反応させることにより、
ポリマーを架橋させることができる。なお、配向膜に使
用するポリマーの架橋については、特開平8−3389
13号公報に記載がある。配向膜の厚さは、0.01乃
至5μmであることが好ましく、0.05乃至1μmで
あることがさらに好ましい。なお、配向膜を用いて液晶
性分子を配向させてから、その配向状態のまま液晶性分
子を固定して光学的異方性層を形成し、光学的異方性層
のみを支持体上に転写してもよい。配向状態で固定され
たディスコティック液晶性分子は、配向膜がなくても配
向状態を維持することができる。そのため、光学補償シ
ートでは、配向膜は(ディスコティック液晶性分子を含
む光学補償シートの製造において必須ではあるが)必須
の要素ではない。
【0043】[光学的異方性層]光学的異方性層は、液
晶性分子から形成する。液晶性分子としては、棒状液晶
性分子またはディスコティック液晶性分子が好ましく、
ディスコティック液晶性分子が特に好ましい。棒状液晶
性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビ
フェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エス
テル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル
類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェ
ニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン
類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニル
シクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられ
る。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分
子液晶性分子も用いることができる。高分子液晶性分子
は、以上のような低分子液晶性分子に相当する側鎖を有
するポリマーである。高分子液晶性分子を用いた光学補
償シートについては、特開平5−53016号公報に記
載がある。
【0044】ディスコティック液晶性分子は、様々な文
献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., v
ol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総
説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節
(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. C
omm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am.Che
m. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されて
いる。ディスコティック液晶性分子の重合については、
特開平8−27284公報に記載がある。ディスコティ
ック液晶性分子を重合により固定するためには、ディス
コティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重
合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに
重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を
保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基
との間に、連結基を導入する。従って、ディスコティッ
ク液晶性分子は、下記式(I)で表わされる化合物であ
ることが好ましい。
【0045】(I) D(−L−Q)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。式(I)の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味
する。
【0046】
【化1】
【0047】
【化2】
【0048】
【化3】
【0049】
【化4】
【0050】
【化5】
【0051】
【化6】
【0052】
【化7】
【0053】
【化8】
【0054】
【化9】
【0055】式(I)において、二価の連結基(L)
は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−
CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み
合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であること
が好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、ア
ルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−
O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少
なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好まし
い。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレ
ン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群
より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基
であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤
状コア(D)に結合し、右側が重合性基(P)に結合す
る。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味
し、ARはアリーレン基を意味する。
【0056】 L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO− L11:−O−AL− L12:−O−AL−O−
【0057】 L13:−O−AL−O−CO− L14:−O−AL−O−CO−NH−AL− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L21:−S−AL− L22:−S−AL−O− L23:−S−AL−O−CO− L24:−S−AL−S−AL− L25:−S−AR−AL−
【0058】なお、STNモードのような棒状液晶性分
子がねじれ配向している液晶セルを、光学的に補償する
ためには、ディスコティック液晶性分子もねじれ配向さ
せることが好ましい。上記AL(アルキレン基またはア
ルケニレン基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディス
コティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させること
ができる。また、不斉炭素原子を含む光学活性を示す化
合物(カイラル剤)を光学的異方性層に添加しても、デ
ィスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させる
ことができる。
【0059】式(I)の重合性基(Q)は、重合反応の
種類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
【0060】
【化10】
【0061】
【化11】
【0062】
【化12】
【0063】重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1
〜Q7)、エポキシ基(Q7)またはアジリジニル基
(Q8)であることが好ましく、不飽和重合性基である
ことがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q
1〜Q6)であることが最も好ましい。式(I)におい
て、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、デ
ィスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。
なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよ
いが、同一であることが好ましい。
【0064】二種類以上のディスコティック液晶性分子
を併用してもよい。例えば、以上述べたような重合性デ
ィスコティック液晶性分子と非重合性ディスコティック
液晶性分子とを併用することができる。非重合性ディス
コティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティ
ック液晶性分子の重合性基(P)を、水素原子またはア
ルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すな
わち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、下記式
(II)で表わされる化合物であることが好ましい。 (II) D(−L−R)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、n
は4乃至12の整数である。式(II)の円盤状コア
(D)の例は、LP(またはPL)をLR(またはR
L)に変更する以外は、前記の重合性ディスコティック
液晶分子の例と同様である。また、二価の連結基(L)
の例も、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と
同様である。Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至4
0であることが好ましく、1乃至30であることがさら
に好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方
が好ましく、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状
アルキル基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素
原子数が1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特
に好ましい。
【0065】光学的異方性層は、液晶性分子、あるいは
下記の重合性開始剤や任意の添加剤(例、可塑剤、モノ
マー、界面活性剤、セルロースエステル、1,3,5−
トリアジン化合物、カイラル剤)を含む塗布液を、配向
膜の上に塗布することで形成する。塗布液の調製に使用
する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有
機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルム
アミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシ
ド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素
(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、
クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸
メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチル
エチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハラ
イドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を
併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、押
し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティン
グ法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティ
ング法)により実施できる。
【0066】液晶性分子は、実質的に均一に配向してい
ることが好ましく、実質的に均一に配向している状態で
固定されていることがさらに好ましく、重合反応により
液晶性分子が固定されていることが最も好ましい。重合
反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開
始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好
ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物
(米国特許2367661号、同2367670号の各
明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448
828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロ
イン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、
多核キノン化合物(米国特許3046127号、同29
51758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾ
ールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わ
せ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジ
ンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667
号公報、米国特許4239850号明細書記載)および
オキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明
細書記載)が含まれる。光重合開始剤の使用量は、塗布
液の固形分の0.01乃至20重量%であることが好ま
しく、0.5乃至5重量%であることがさらに好まし
い。ディスコティック液晶性分子の重合のための光照射
は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギー
は、20mJ/cm2 乃至50J/cm2 であることが
好ましく、100乃至800mJ/cm2 であることが
さらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件
下で光照射を実施してもよい。
【0067】光学的異方性層の厚さは、0.1乃至10
μmであることが好ましく、0.5乃至5μmであるこ
とがさらに好ましく、1乃至5μmであることが最も好
ましい。。ただし、液晶セルのモードによっては、高い
光学的異方性を得るために、光学的異方性層を厚く(3
乃至10μm)する場合がある。光学的異方性層内での
液晶性分子の配向状態は、前述したように、液晶セルの
表示モードの種類に応じて決定される。液晶性分子の配
向状態は、具体的には、液晶性分子の種類、配向膜の種
類および光学異方性層内の添加剤(例、可塑剤、バイン
ダー、界面活性剤)の使用によって制御される。
【0068】[液晶表示装置]本発明の楕円偏光板は、
様々な表示モードの液晶セルに適用できる。既に、TN
(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switchin
g)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OC
B(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper
Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)ある
いはHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な
表示モードが提案されている。本発明の楕円偏光板は、
TNモードの液晶表示装置において、特に有効である。
【0069】
【実施例】[実施例1] (透明支持体の作製)室温において、平均酢化度60.
9%のセルロースアセテート45重量部、下記のレター
デーション上昇剤(1)1.35重量部、リン酸トリフ
ェニル(可塑剤)2.75重量部、リン酸ビフェニルジ
フェニル(可塑剤)2.20重量部、メチレンクロリド
232.72重量部、メタノール42.57重量部およ
びn−ブタノール8.50重量部を混合して、溶液(ド
ープ)を調製した。
【0070】
【化13】
【0071】得られたドープを、有効長6mのバンド流
延機を用いて、乾燥膜厚が100μmになるように流延
して乾燥した。得られたセルロースアセテートフイルム
(透明支持体)について、エリプソメーター(M−15
0、日本分光(株)製)を用いて、波長600nmにお
ける厚み方向のレターデーション(Rth)を測定したと
ころ、80nmであった。また、面内のレターデーショ
ン(Re)は、10nmであった。さらに、透明支持体
の屈折率異方性の波長分散値として、波長450nmの
光で測定した透明支持体の屈折率異方性であるΔn(4
50)と、波長600nmで測定した透明支持体の屈折
率異方性であるΔn(600)との比、Δn(450)
/Δn(600)を測定したところ、0.86であっ
た。
【0072】(配向膜の形成)透明支持体の上に、0.
1μmの厚さのゼラチン下塗り層を設けた。下塗り層の
上に、長鎖アルキル変性ポリビニルアルコール(MP−
203、クラレ(株)製)の水溶液を塗布し、60℃の
温風で90秒間乾燥した後、ラビング処理を行い配向膜
を形成した。
【0073】(光学的異方性層の形成)下記のディスコ
ティック液晶性化合物1.8g、エチレンオキサイド変
性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#36
0、大阪有機化学(株)製)0.2g、セルロースアセ
テートブチレート(CAB531−1.0、イーストマ
ンケミカル社製)0.04g、光重合開始剤(イルガキ
ュア907、日本チバガイギー(株)製)0.06gお
よび増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)
製)0.02gを、メチルエチルケトン8.43gに溶
解して塗布液を調製した。塗布液を#2.5のワイヤー
バーで配向膜の上に塗布した。これを金属枠に貼り付け
た状態で、130℃の恒温槽中で2分間加熱し、ディス
コティック液晶性化合物を配向させた。130℃の温度
を維持して、120W/cmの高圧水銀灯を用いて1分
間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物のビ
ニル基を重合させ、配向状態を固定した。その後、室温
まで放冷した。
【0074】
【化14】
【0075】光学的異方性層の厚さは、1.0μmであ
った。光学的異方性層と透明支持体との積層体のレター
デーションを、配向膜のラビング方向に沿って測定した
ところ、光学軸の平均傾斜角は14.5゜、厚み方向の
レターデーション(Rth)は135nm、面内レターデ
ーション(Re)は25nmであった。
【0076】(透明保護膜の作製)レターデーション上
昇剤を添加しなかった以外は、透明支持体の作製と同様
にして、セルロースアセテートフイルム(透明保護膜)
を作製した。
【0077】(楕円偏光板の作製)延伸したポリビニル
アルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作
製した。偏光膜の片側に、ポリビニルアルコール系接着
剤を用いて、光学的異方性層と透明支持体との積層体
を、光学的異方性層が外側となるように貼り付けた。反
対側には、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、透
明保護膜を貼り付けた。偏光膜の透過軸と、光学的異方
性層と透明支持体の積層体の遅相軸とは、平行になるよ
うに配置した。このようにして、楕円偏光板を作製し
た。楕円偏光板を、アクリル系接着剤を用いてガラス板
に貼り付け、高温、加圧下でエイジングした後、90℃
の恒温槽に入れ、500時間放置した。楕円偏光板を調
べたところ、剥離、泡の発生あるいは皺の発生のような
問題は全く認められなかった。さらに500時間(合計
1000時間)90℃の恒温槽に入れてから調べても、
剥離、泡の発生あるいは皺の発生のような問題は全く認
められなかった。
【0078】(液晶表示装置の作製)ITO透明電極が
設けられたガラス基板の上に、ポリイミド配向膜を設
け、ラビング処理を行った。5μmのスペーサーを介し
て、二枚の基板を配向膜が向かい合うように重ねた。配
向膜のラビング方向が直交するように、基板の向きを調
節した。基板の間隙に、棒状液晶性分子(ZL479
2、メルク社製)を注入し、液晶層を形成した。液晶性
分子のΔnは0.0969であった。以上のように作製
したTN液晶セルの両側に、楕円偏光板を、光学的異方
性層が基板と対面するように貼り付けて液晶表示装置を
作製した。光学的異方性層と透明支持体の積層体の遅相
軸と、液晶セルのラビング方向は、直交するように配置
した。液晶表示装置の液晶セルに、電圧を印加し、白表
示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示との透過率
の比をコントラスト比として、上下左右でコントラスト
比が10、かつ階調反転のない領域を視野角として測定
した。その結果、上下の視野角は70゜、左右の視野角
は126゜であった。また、正面コントラストは、12
2であった。
【0079】[実施例2] (光学的異方性層の形成)実施例1で作製した透明支持
体の上に、実施例1と同様にして配向膜を形成した。配
向膜の上に、#3.4のワイヤーバー(実施例1では#
2.5)を用いた以外は、実施例1と同様に光学的異方
性層を形成した。光学的異方性層の厚さは、1.4μm
であった。光学的異方性層と透明支持体との積層体のレ
ターデーションを、配向膜のラビング方向に沿って測定
したところ、光学軸の平均傾斜角は18゜、厚み方向の
レターデーション(Rth)は180nm、面内レターデ
ーション(Re)は55nmであった。
【0080】(楕円偏光板の作製)上記のように作製し
た透明支持体と光学的異方性層との積層体を用いた以外
は、実施例1と同様にして楕円偏光板を作製した。楕円
偏光板を、アクリル系接着剤を用いてガラス板に貼り付
け、高温、加圧下でエイジングした後、90℃の恒温槽
に入れ、500時間放置した。楕円偏光板を調べたとこ
ろ、剥離、泡の発生あるいは皺の発生のような問題は全
く認められなかった。さらに500時間(合計1000
時間)90℃の恒温槽に入れてから調べても、剥離、泡
の発生あるいは皺の発生のような問題は全く認められな
かった。
【0081】(液晶表示装置の作製)上記の楕円偏光板
を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置
を作製した。液晶表示装置の液晶セルに、電圧を印加
し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示と
の透過率の比をコントラスト比として、上下左右でコン
トラスト比が10、かつ階調反転のない領域を視野角と
して測定した。その結果、上下の視野角は80゜、左右
の視野角は124゜であった。また、正面コントラスト
は、118であった。
【0082】[実施例3] (透明支持体の作製)レターデーション上昇剤(1)
1.35重量部に代えて、レターデーション上昇剤
(1)1.01重量部と下記のレターデーション上昇剤
(2)0.24重量部との混合物を用いた以外は、実施
例1と同様にして透明支持体を作製した。
【0083】
【化15】
【0084】得られた透明支持体について、エリプソメ
ーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波
長600nmにおける厚み方向のレターデーション(R
th)を測定したところ、80nmであった。また、面内
のレターデーション(Re)は、10nmであった。さ
らに、透明支持体の屈折率異方性の波長分散値として、
波長450nmの光で測定した透明支持体の屈折率異方
性であるΔn(450)と、波長600nmで測定した
透明支持体の屈折率異方性であるΔn(600)との
比、Δn(450)/Δn(600)を測定したとこ
ろ、0.86であった。
【0085】(光学的異方性層の形成)作製した透明支
持体の上に、実施例1と同様にして配向膜および光学的
異方性層を形成した。光学的異方性層の厚さは、1.0
μmであった。光学的異方性層と透明支持体との積層体
のレターデーションを、配向膜のラビング方向に沿って
測定したところ、光学軸の平均傾斜角は14.5゜、厚
み方向のレターデーション(Rth)は148nm、面内
レターデーション(Re)は25nmであった。
【0086】(楕円偏光板の作製)上記のように作製し
た透明支持体と光学的異方性層との積層体を用いた以外
は、実施例1と同様にして楕円偏光板を作製した。楕円
偏光板を、アクリル系接着剤を用いてガラス板に貼り付
け、高温、加圧下でエイジングした後、90℃の恒温槽
に入れ、500時間放置した。楕円偏光板を調べたとこ
ろ、剥離、泡の発生あるいは皺の発生のような問題は全
く認められなかった。さらに500時間(合計1000
時間)90℃の恒温槽に入れてから調べても、剥離、泡
の発生あるいは皺の発生のような問題は全く認められな
かった。
【0087】(液晶表示装置の作製)上記の楕円偏光板
を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置
を作製した。液晶表示装置の液晶セルに、電圧を印加
し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示と
の透過率の比をコントラスト比として、上下左右でコン
トラスト比が10、かつ階調反転のない領域を視野角と
して視野角を測定した。その結果、上下の視野角は70
゜、左右の視野角は126゜であった。また、正面コン
トラストは、122であった。
【0088】[比較例1] (透明支持体の作製)レターデーション上昇剤を添加し
なかった以外は、実施例1と同様にして、セルロースア
セテートフイルム(透明支持体)を作製した。得られた
透明支持体について、エリプソメーター(M−150、
日本分光(株)製)を用いて、波長600nmにおける
厚み方向のレターデーション(Rth)を測定したとこ
ろ、40nmであった。また、面内のレターデーション
(Re)は、10nmであった。さらに、透明支持体の
屈折率異方性の波長分散値として、波長450nmの光
で測定した透明支持体の屈折率異方性であるΔn(45
0)と、波長600nmで測定した透明支持体の屈折率
異方性であるΔn(600)との比、Δn(450)/
Δn(600)を測定したところ、−5.80であっ
た。
【0089】(光学的異方性層の形成)作製した透明支
持体の上に、実施例1と同様にして配向膜および光学的
異方性層を形成した。光学的異方性層の厚さは、1.0
μmであった。光学的異方性層と透明支持体との積層体
のレターデーションを、配向膜のラビング方向に沿って
測定したところ、光学軸の平均傾斜角は22.5゜、厚
み方向のレターデーション(Rth)は110nm、面内
レターデーション(Re)は25nmであった。
【0090】(楕円偏光板の作製)上記のように作製し
た透明支持体と光学的異方性層との積層体を用いた以外
は、実施例1と同様にして楕円偏光板を作製した。
【0091】(液晶表示装置の作製)上記の楕円偏光板
を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置
を作製した。液晶表示装置の液晶セルに、電圧を印加
し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示と
の透過率の比をコントラスト比として、上下左右でコン
トラスト比が10、かつ階調反転のない領域を視野角と
して視野角を測定した。その結果、上下の視野角は70
゜、左右の視野角は124゜であった。また、正面コン
トラストは、120であった。
【0092】[比較例2] (偏光板の作製)延伸したポリビニルアルコールフイル
ムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作製した。偏光膜の
両側に、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施
例1で作製した透明保護膜を二枚貼り付けた。このよう
にして、偏光板を作製した。
【0093】(液晶表示装置の作製)上記の偏光板を楕
円偏光板に代えて用いた以外は、実施例1と同様にし
て、液晶表示装置を作製した。液晶表示装置の液晶セル
に、電圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vにおける白
表示と黒表示との透過率の比をコントラスト比として、
上下左右でコントラスト比が10、かつ階調反転のない
領域を視野角として視野角を測定した。その結果、上下
の視野角は50゜、左右の視野角は70゜であった。ま
た、正面コントラストは、120であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】一体型楕円偏光板を用いたTN型液晶表示装置
の模式図である。
【図2】一体型楕円偏光板の模式図である。
【符号の説明】 BL バックライト 1 下楕円偏光板 2 TN液晶セル 3 上楕円偏光板 TA1、TA3 偏光膜の透過軸 SA1、SA3 透明支持体と光学的異方性層との積層
体の遅相軸 RD1、RD2 液晶セルに設けられた配向膜のラビン
グ方向 11 透明保護膜 12 偏光膜 13 透明支持体 14 光学的異方性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA04 BA06 BA27 BA42 BB33 BB43 BB49 BC05 BC09 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FB02 FB12 FC01 FC23 FD08 FD10 FD14 GA06 HA07 KA02 LA11 LA12 4H027 BA08 BB03 BE06 DM02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明保護膜、偏光膜、透明支持体および
    液晶性分子から形成された光学的異方性層がこの順に積
    層されている楕円偏光板であって、透明支持体が0.7
    以上1.3未満の範囲内に下記式で定義される屈折率異
    方性の波長分散値を有することを特徴とする楕円偏光
    板。 α=Δn(450)/Δn(600) 式中、αは透明支持体の屈折率異方性の波長分散値であ
    り;Δn(450)は波長450nmの光で測定した透
    明支持体の屈折率異方性であり;そして、Δn(60
    0)は波長600nmで測定した透明支持体の屈折率異
    方性である。
  2. 【請求項2】 上記透明支持体と光学的異方性層との積
    層体が、0乃至100nmの範囲内に下記式で定義され
    るReレターデーション値を有し、かつ20乃至400
    nmの範囲内に下記式で定義されるRthレターデーショ
    ン値を有する請求項1に記載の楕円偏光板。 Re=│nx−ny│×d Rth={(n1+n2)/2−n3}×d 式中、nxおよびnyは積層体の面内の主屈折率であ
    り;dは積層体の厚さ(nm)であり;そして、n1、
    n2およびn3は、n1≧n2≧n3を満足する積層体
    の三軸方向の屈折率である。
  3. 【請求項3】 上記透明支持体と光学的異方性層との積
    層体の遅相軸と偏光膜の透過軸とが、実質的に平行であ
    る請求項1に記載の楕円偏光板。
  4. 【請求項4】 液晶性分子がディスコティック液晶性分
    子である請求項1に記載の楕円偏光板。
  5. 【請求項5】 液晶性分子が重合により配向した状態の
    まま固定されている請求項1に記載の楕円偏光板。
  6. 【請求項6】 透明支持体がセルロースエステルフイル
    ムである請求項1に記載の楕円偏光板。
  7. 【請求項7】 TN型液晶セルおよびその両側に配置さ
    れた二枚の偏光素子からなり、偏光素子の少なくとも一
    方が、外側から順に、透明保護膜、偏光膜、透明支持体
    および液晶性分子から形成された光学的異方性層が積層
    されている楕円偏光板であるTN型液晶表示装置であっ
    て、透明支持体が0.7以上1.3未満の範囲内に下記
    式で定義される屈折率異方性の波長分散値を有すること
    を特徴とするTN型液晶表示装置。 α=Δn(450)/Δn(600) 式中、αは透明支持体の屈折率異方性の波長分散値であ
    り;Δn(450)は波長450nmの光で測定した透
    明支持体の屈折率異方性であり;そして、Δn(60
    0)は波長600nmで測定した透明支持体の屈折率異
    方性である。
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