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JP2001100031A - 光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置

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Publication number
JP2001100031A
JP2001100031A JP27757299A JP27757299A JP2001100031A JP 2001100031 A JP2001100031 A JP 2001100031A JP 27757299 A JP27757299 A JP 27757299A JP 27757299 A JP27757299 A JP 27757299A JP 2001100031 A JP2001100031 A JP 2001100031A
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JP
Japan
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liquid crystal
transparent support
film
discotic liquid
refractive index
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JP27757299A
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English (en)
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Hiroyuki Mori
裕行 森
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TN型液晶セルを正確に光学的に補償する。 【解決手段】 透明支持体および5乃至85度の平均傾
斜角で配向しているディスコティック液晶性分子から形
成された光学異方性層を有し、ディスコティック液晶性
分子の傾斜角がディスコティック液晶性分子と透明支持
体面との距離に伴って変化している光学補償シートにお
いて、透明支持体として、光学的に正の一軸性または光
学的二軸性を有し、最大屈折率の方向が透明支持体面と
実質的に平行であるポリマーフイルムを使用し、さら
に、透明支持体の最大屈折率の方向がディスコティック
液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体面に投影して得
られる線の平均方向と実質的に平行または直交している
ように配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学補償シート、楕円
偏光板および液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】TN(Twisted Nematic)型液晶表示装
置は、TFT(Thin Film Transistor)やMIM(Meta
l Insulator Metal)のような能動素子と組み合わせ
て、最も広く用いられている液晶表示装置である。TN
型液晶表示装置は、TN型液晶セルおよび二枚の偏光素
子からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入
するための二枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加
えるための電極層からなる。TN型液晶セルでは、90
゜のねじれ角で棒状液晶性分子を配向させるための配向
膜が、二枚の基板に設けられる。TN型液晶表示装置の
視野角を改善するため、一般に液晶セルと偏光素子との
間に光学補償シート(位相差板)が設けられる。偏光素
子(偏光膜)と光学補償シートとの積層体は、楕円偏光
板として機能する。光学補償シートとしては、延伸複屈
折フイルムが従来から使用されている。
【0003】延伸複屈折フイルムからなる光学補償シー
トに代えて、透明支持体上にディスコティック液晶性分
子を含む光学異方性層を有する光学補償シートを使用す
ることが提案されている。光学異方性層は、ディスコテ
ィック液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定する
ことにより形成する。ディスコティック液晶性分子は、
一般に大きな複屈折率を有する。ディスコティック液晶
性分子を用いることで、従来の延伸複屈折フイルムでは
得ることができない光学的性質を有する光学補償シート
を製造することが可能になる。ディスコティック液晶性
分子を用いたTN型液晶セル用の光学補償シートについ
ては、特開平6−214116号公報、米国特許558
3679号、同5646703号、ドイツ特許3911
620A1号の各明細書に記載がある。TN型液晶セル
用の光学補償シートでは、光学異方性層内でディスコテ
ィック液晶性分子を5乃至85度の平均傾斜角で配向さ
せ、さらにディスコティック液晶性分子の傾斜角をディ
スコティック液晶性分子と透明支持体面との距離に伴っ
て変化させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の延伸複屈折フイ
ルムに代えて、ディスコティック液晶性分子を用いるこ
とで、従来よりも正確にTN型液晶セルを光学的に補償
することが可能になった。しかし、本発明者の研究によ
れば、ディスコティック液晶性分子を用いても、TN型
液晶セルを問題なく完全に光学的に補償することは非常
に難しい。本発明者が従来の光学補償シートを検討した
ところ、偏光板の斜め方向からの光漏れが認められ、視
野角が充分に(理論的に期待できる程度まで)拡大して
いない。本発明の目的は、液晶セルを正確に光学的に補
償することができる光学補償シートを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(4)の光学補償シート、下記(5)の楕円偏
光板および下記(6)の液晶表示装置により達成され
た。 (1)透明支持体および5乃至85度の平均傾斜角で配
向しているディスコティック液晶性分子から形成された
光学異方性層を有し、ディスコティック液晶性分子の傾
斜角がディスコティック液晶性分子と透明支持体面との
距離に伴って変化している光学補償シートであって、透
明支持体が、光学的に正の一軸性または光学的二軸性を
有し、最大屈折率の方向が透明支持体面と実質的に平行
であるポリマーフイルムからなり、そして、透明支持体
の最大屈折率の方向がディスコティック液晶性分子の円
盤面の法線を透明支持体面に投影して得られる線の平均
方向と実質的に平行または直交しているように配置され
ていることを特徴とする光学補償シート。
【0006】(2)透明支持体がポリカーボネートフイ
ルムからなる(1)に記載の光学補償シート。 (3)透明支持体が一軸延伸または二軸延伸したポリカ
ーボネートフイルムからなる(1)に記載の光学補償シ
ート。 (4)透明支持体がポリカーボネートフイルムとセルロ
ースエステルフイルムとの積層体からなり、ポリカーボ
ネートフイルムが光学的に正の一軸性または光学的二軸
性を有し、最大屈折率の方向が透明支持体面と実質的に
平行であり、そして、最大屈折率の方向がディスコティ
ック液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体面に投影し
て得られる線の平均方向と実質的に平行または直交して
いるように配置されている(1)に記載の光学補償シー
ト。 (5)5乃至85度の平均傾斜角で配向しているディス
コティック液晶性分子から形成された光学異方性層、透
明支持体、偏光膜、そして、透明保護膜が、この順に積
層されている楕円偏光板であって、透明支持体が、光学
的に正の一軸性または光学的二軸性を有し、最大屈折率
の方向が透明支持体面と実質的に平行であるポリマーフ
イルムからなり、そして、透明支持体の最大屈折率の方
向がディスコティック液晶性分子の円盤面の法線を透明
支持体面に投影して得られる線の平均方向と実質的に平
行または直交しているように配置されていることを特徴
とする楕円偏光板。
【0007】(6)TN型液晶セルおよびその両側に配
置された二枚の偏光板からなる液晶表示装置であって、
偏光板の少なくとも一方が、5乃至85度の平均傾斜角
で配向しているディスコティック液晶性分子から形成さ
れた光学異方性層、透明支持体、偏光膜、そして、透明
保護膜が、液晶セル側からこの順に積層されている楕円
偏光板であり、透明支持体が、光学的に正の一軸性また
は光学的二軸性を有し、最大屈折率の方向が透明支持体
面と実質的に平行であるポリマーフイルムからなり、そ
して、透明支持体の最大屈折率の方向がディスコティッ
ク液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体面に投影して
得られる線の平均方向と実質的に平行または直交してい
るように配置されていることを特徴とする液晶表示装
置。なお、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角
は、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体
平面との平均角度を意味する。実質的に平行または直交
とは、厳密な平行または直交との角度差が±20゜未満
であることを意味する。角度差は、±16゜未満である
ことが好ましく、±12゜未満であることがより好まし
く、±8゜未満であることがさらに好ましく、±4゜未
満であることが最も好ましい。
【0008】
【発明の効果】本発明者の研究の結果、透明支持体に特
定の光学異方性を導入して、光学異方性層に含まれるデ
ィスコティック液晶性分子と協調して、TN型液晶セル
を光学的に補償すれば、液晶表示装置の視野角を充分に
(理論的に期待できる程度まで)拡大できることが判明
した。具体的には、透明支持体として光学的に正の一軸
性または光学的二軸性を有し、最大屈折率の方向が透明
支持体面と実質的に平行であるポリマーフイルムを使用
する。さらに、透明支持体の最大屈折率の方向がディス
コティック液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体面に
投影して得られる線の平均方向と実質的に平行または直
交しているように透明支持体と光学異方性層とを配置す
る。ディスコティック液晶性分子の光学異方性と透明支
持体の光学異方性とが協調して、従来のディスコティッ
ク液晶性分子の光学異方性のみでは不可能であった程度
まで、TN型液晶セルの光学的性質に正確に対応(光学
的に補償)することができる。このような光学補償シー
トを用いることで、偏光板の斜め方向からの光漏れが防
止され、TN型液晶表示装置の視野角を充分に(従来以
上に)拡大することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、TN型液晶表示装置の基
本的な構成を示す模式図である。図1に示すTN型液晶
表示装置は、バックライト(BL)側から順に、透明保
護膜(1a)、偏光膜(2a)、透明支持体(3a)、
光学異方性層(4a)、液晶セルの下基板(5a)、棒
状液晶性分子(6)、液晶セルの上基板(5b)、光学
異方性層(4b)、透明支持体(3b)、偏光膜(2
b)、そして透明保護膜(1b)からなる。液晶セルの
下基板、棒状液晶性分子および液晶セルの上基板(5a
〜5b)がTN型液晶セルを構成する。透明支持体およ
び光学異方性層(3a〜4aおよび4b〜3b)が光学
補償シートを構成する。透明保護膜、偏光膜、透明支持
体および光学異方性層(1a〜4aおよび4b〜1b)
が楕円偏光板を構成する。
【0010】図2は、TN型液晶表示装置の別の基本的
な構成を示す模式図である。図2に示すTN型液晶表示
装置は、バックライト(BL)側から順に、透明保護膜
(1a)、偏光膜(2a)、透明支持体(3a)、光学
異方性層(4a)、液晶セルの下基板(5a)、棒状液
晶性分子(6)、液晶セルの上基板(5b)、透明保護
膜(1b)、偏光膜(2b)、そして透明保護膜(1
c)からなる。液晶セルの下基板、棒状液晶性分子およ
び液晶セルの上基板(5a〜5b)がTN型液晶セルを
構成する。透明支持体および光学異方性層(3a〜4
a)が光学補償シートを構成する。透明保護膜、偏光
膜、透明支持体および光学異方性層(1a〜4a)が楕
円偏光板を構成する。
【0011】図3は、TN型液晶表示装置のさらに別の
基本的な構成を示す模式図である。図3に示すTN型液
晶表示装置は、バックライト(BL)側から順に、透明
保護膜(1a)、偏光膜(2a)、透明保護膜(1
b)、液晶セルの下基板(5a)、棒状液晶性分子
(6)、液晶セルの上基板(5b)、光学異方性層(4
b)、透明支持体(3b)、偏光膜(2b)、そして透
明保護膜(1c)からなる。液晶セルの下基板、棒状液
晶性分子および液晶セルの上基板(5a〜5b)がTN
型液晶セルを構成する。透明支持体および光学異方性層
(4b〜3b)が光学補償シートを構成する。透明保護
膜、偏光膜、透明支持体および光学異方性層(4b〜1
c)が楕円偏光板を構成する。
【0012】[透明支持体]本発明では、光学補償シー
トの透明支持体として、光学異方性のポリマーフイルム
が用いる。透明支持体の面内レターデーション(Re)
は、20nm以上であることが好ましく、30nm以上
であることがさらに好ましい。また、厚み方向のレター
デーション(Rth)は、10nm以上であることが好ま
しく、15nm以上であることがさらに好ましい。面内
レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーショ
ン(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。 Re=(nx−ny)×d Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d 式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であ
り、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そし
てdは透明支持体の厚さである。
【0013】透明支持体を形成するポリマーとしては、
セルロースエステル(例、セルロースアセテート)また
は合成ポリマー(例、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメ
タクリレート、ノルボルネン樹脂)が一般に用いられ
る。本発明では、セルロースエステルフイルムまたはポ
リカーボネートフイルムを用いることが好ましく、ポリ
カーボネートフイルムを用いることが特に好ましい。な
お、セルロースエステルフイルムは、一般には、光学等
方性が高い(レターデーションが低い)ポリマーフイル
ムとして知られている。しかし、欧州特許091165
656A2号明細書に記載されている(1)レターデー
ション上昇剤の使用、(2)セルロースアセテートの酢
化度の低下、あるいは(3)冷却溶解法によるフイルム
の製造により、レターデーションの高い(光学異方性
の)セルロースエステルフイルムを得ることができる。
【0014】透明支持体を二枚のポリマーフイルムの積
層体としてもよい。二枚のポリマーフイルムとしては、
ポリカーボネートフイルムとセルロースエステルフイル
ムとの組み合わせが好ましい。二枚のポリマーフイルム
を組み合わせる場合は、少なくとも一方が本発明が定義
する光学的性質を有していればよい。ポリカーボネート
フイルムとセルロースエステルフイルムとの組み合わせ
では、ポリカーボネートフイルムが本発明が定義する光
学的性質を有していることが好ましい。一方のポリマー
フイルム(例えば、ポリカーボネートフイルム)が本発
明が定義する光学的性質を有している場合、他方(例え
ば、セルロースエステルフイルム)は、光学等方性であ
ってもよい。ポリカーボネートフイルムとセルロースエ
ステルフイルムとの組み合わせでは、セルロースエステ
ルフイルムを光学異方性層(または配向膜)側に配置す
ることが好ましい。ポリマーフイルムは、ソルベントキ
ャスト法により形成することが好ましい。形成したポリ
マーフイルムは、一般に延伸することによって、光学異
方性を得る。すなわち、一軸延伸処理または二軸延伸処
理により、光学的に正の一軸性または光学的二軸性を有
し、最大屈折率の方向が透明支持体面と実質的に平行で
あるポリマーフイルムを得ることができる。
【0015】一軸延伸は、フイルムの縦方向(流延方
向)または横方向(流延方向に直交する方向)に対して
実施することが好ましく、横方向に対して実施すること
がさらに好ましい。延伸率は、0.2乃至20%である
ことが好ましく、0.5乃至10%であることがさらに
好ましく、1乃至5%であることが最も好ましい。二軸
延伸は、フイルムの縦方向(流延方向)と横方向(巾方
向)に対して実施することが好ましい。縦方向の延伸率
は、0.1乃至10%であることが好ましく、0.2乃
至5%であることがさらに好ましく、0.5乃至2%で
あることが最も好ましい。横方向の延伸率は、0.2乃
至20%であることが好ましく、0.5乃至10%であ
ることがさらに好ましく、1乃至5%であることが最も
好ましい。透明支持体の最大屈折率の方向は、ディスコ
ティック液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体面に投
影して得られる線の平均方向と実質的に平行または直交
しているように配置する。製造工程段階では、下記の配
向膜のラビング方向と、ポリマーフイルムの延伸方向と
が、実質的に平行または直交しているように配置すれば
よい。透明支持体の厚さは、20乃至500μmである
ことが好ましく、50乃至200μmであることがさら
に好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着
層、配向膜あるいは光学異方性層)との接着を改善する
ため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コ
ロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施
してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を
設けてもよい。
【0016】[配向膜]配向膜は、有機化合物(好まし
くはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸
着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラン
グミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物
(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモ
ニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のよう
な手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、
磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配
向膜も知られている。ポリマーのラビング処理により形
成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマ
ー層の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることに
より実施する。配向膜を構成するポリマーとしては、配
向膜の表面エネルギーを低下させないポリマー(通常の
配向膜用ポリマー)を用いることが好ましい。配向膜の
厚さは、0.01乃至5μmであることが好ましく、
0.05乃至1μmであることがさらに好ましい。な
お、配向膜を用いて、光学異方性層のディスコティック
液晶性分子を配向させてから、光学異方性層を透明支持
体上に転写してもよい。配向状態で固定されたディスコ
ティック液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維
持することができる。
【0017】[光学異方性層]光学異方性層は、ディス
コティック液晶性分子から形成する。光学異方性層で
は、5乃至95度の平均傾斜角でディスコティック液晶
性分子を配向させる。平均傾斜角は、5乃至45度であ
ることが好ましい。さらに、ディスコテック液晶性分子
の傾斜角は、ディスコティック液晶性分子と透明支持体
面との距離に伴って変化させる。ディスコティック液晶
性分子は、様々な文献(C. Destrade et al., Mol. Cry
sr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化
学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5
章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew.
Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang
et al., J. Am.Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (19
94))に記載されている。ディスコティック液晶性分子
は、重合反応により配向状態を固定することが好まし
い。ディスコティック液晶性分子の重合については、特
開平8−27284公報に記載がある。ディスコティッ
ク液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコ
ティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合
性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重
合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保
つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基と
の間に、連結基を導入する。従って、ディスコティック
液晶性分子は、下記式(I)で表わされる化合物である
ことが好ましい。
【0018】(I)D(−L−Q)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味
する。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】上記式において、二価の連結基(L)は、
アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO
−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わ
せからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好
ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケ
ニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−
および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なく
とも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。
二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン
基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群よ
り選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基で
あることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤
状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合す
る。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味
し、ARはアリーレン基を意味する。
【0027】L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO− L11:−O−AL− L12:−O−AL−O− L13:−O−AL−O−CO−
【0028】L14:−O−AL−O−CO−NH−AL
− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L21:−S−AL− L22:−S−AL−O− L23:−S−AL−O−CO− L24:−S−AL−S−AL− L25:−S−AR−AL−
【0029】式(I)の重合性基(Q)は、重合反応の
種類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
【0030】
【化8】
【0031】重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1
〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基
(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基である
ことがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q
1〜Q6)であることが最も好ましい。式(I)におい
て、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、デ
ィスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。
なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよ
いが、同一であることが好ましい。
【0032】二種類以上のディスコティック液晶性分子
を併用してもよい。例えば、以上述べたような重合性デ
ィスコティック液晶性分子と非重合性ディスコティック
液晶性分子とを併用することができる。非重合性ディス
コティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティ
ック液晶性分子の重合性基(P)を、水素原子またはア
ルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すな
わち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、下記式
(II)で表わされる化合物であることが好ましい。 (II)D(−L−R)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、n
は4乃至12の整数である。式(II)の円盤状コア
(D)の例は、LP(またはPL)をLR(またはR
L)に変更する以外は、前記の重合性ディスコティック
液晶分子の例と同様である。また、二価の連結基(L)
の例も、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と
同様である。Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至4
0であることが好ましく、1乃至30であることがさら
に好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方
が好ましく、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状
アルキル基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素
原子数が1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特
に好ましい。
【0033】光学異方性層は、ディスコティック液晶性
分子あるいは下記の重合性開始剤や任意の添加剤(例、
可塑剤、モノマー、界面活性剤、セルロースエステル、
1,3,5−トリアジン化合物、カイラル剤)を含むデ
ィスコティック液晶組成物(塗布液)を、配向膜の上に
塗布することで形成する。ディスコティック液晶組成物
の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用
いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジ
メチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルス
ルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化
水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド
(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル
(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセト
ン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒド
ロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。ア
ルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の
有機溶媒を併用してもよい。ディスコティック液晶組成
物の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティン
グ法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコ
ーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイ
コーティング法)により実施できる。
【0034】ディスコティック液晶性分子は、実質的に
均一に配向していることが好ましく、実質的に均一に配
向している状態で固定されていることがさらに好まし
く、重合反応により液晶性分子が固定されていることが
最も好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱
重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれ
る。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α
−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2
367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル
(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水
素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許272251
2号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許304
6127号、同2951758号の各明細書記載)、ト
リアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニル
ケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細
書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭
60−105667号公報、米国特許4239850号
明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許
4212970号明細書記載)が含まれる。光重合開始
剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20重量
%であることが好ましく、0.5乃至5重量%であるこ
とがさらに好ましい。ディスコティック液晶性分子の重
合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J/cm
2 であることが好ましく、100乃至800mJ/cm
2 であることがさらに好ましい。光重合反応を促進する
ため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。光学異方
性層の厚さは、それぞれ独立に、0.1乃至20μmで
あることが好ましく、0.5乃至15μmであることが
さらに好ましく、1乃至10μmであることが最も好ま
しい。
【0035】[偏光膜]偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、
二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜が
ある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポ
リビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光
膜の透過軸(偏光軸)は、フイルムの延伸方向に垂直な
方向に相当する。
【0036】[透明保護膜]透明保護膜としては、光学
的等方性のポリマーフイルムが用いられる。保護膜が透
明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味
する。光学的等方性とは、具体的には、面内レターデー
ション(Re)が10nm以下であることが好ましく、
5nm以下であることがさらに好ましい。また、厚み方
向のレターデーション(Rth)は、40nm以下である
ことが好ましく、20nm以下であることがさらに好ま
しい。面内レターデーション(Re)と厚み方向のレタ
ーデーション(Rth)の定義については、透明支持体に
ついて前述した通りである。透明保護膜としては、一般
にセルロースエステルフイルム、好ましくはトリアセチ
ルセルロースフイルムが用いられる。セルロースエステ
ルフイルムは、ソルベントキャスト法により形成するこ
とが好ましい。透明保護膜の厚さは、20乃至500μ
mであることが好ましく、50乃至200μmであるこ
とがさらに好ましい。
【0037】[液晶表示装置]本発明は、様々な表示モ
ードの液晶セルに適用できる。ただし、本発明は、TN
(Twisted Nematic)モードの液晶表示装置において特
に効果がある。
【0038】
【実施例】[実施例1] (第1透明支持体の作製)2,2’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンポリカーボネート樹脂(粘度平
均分子量:28000)をジクロロメタンに溶解して、
18重量%溶液を得た。この溶液を真空脱泡して、ドー
プを得た。ドープをバンド上に流延し、50℃で10分
間乾燥後に剥ぎ取り、さらに100℃で10分間乾燥し
た。得られた厚さ60μmのポリカーボネートフイルム
を、190℃で1時間熱緩和した。さらにフイルムを1
70℃で縦一軸方向に1.8%延伸した。このようにし
て、延伸ポリカーボネートフイルムからなる第1透明支
持体を作製した。波長546nmでフイルム法線方向か
ら面内レターデーション(Re)を測定したところ62
nmであり、光学的に正の一軸性を示した。第1透明支
持体の表面をコロナ放電処理した。
【0039】(第2透明支持体の作製)室温において、
平均酢化度60.9%のセルロースアセテート45重量
部、下記のレターデーション上昇剤1.35重量部、メ
チレンクロリド232.72重量部、メタノール42.
57重量部およびn−ブタノール8.5重量部を混合し
て溶液(ドープ)を調製した。
【0040】
【化9】
【0041】得られたドープを、有効長6mのバンド流
延機を用いて、流延方向に1%、幅方向に1%延伸なが
ら乾燥し、厚さ100μmの第2透明支持体を得た。得
られた第2透明支持体について、エリプソメーターを用
いて測定したところ、流延方向に面内レターデーション
(Re)が5nmであり、厚み方向のレターデーション
(Rth)が80nmであった。第2透明支持体の上に、
厚さ0.1μmのゼラチン下塗り層を設けた。
【0042】(配向膜の形成)下塗り層の上に、下記の
末端アクリレート変性ポリビニルアルコールを塗布し、
80℃の温風で乾燥した後、ラビング処理を行い配向膜
を形成した。配向膜のラビング方向は、透明支持体の流
延方向と平行であった。
【0043】
【化10】
【0044】(光学異方性層の形成)下記のディスコテ
ィック液晶性化合物(1)1.8g、エチレンオキサイ
ド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#
360、大阪有機化学(株)製)0.2g、セルロース
アセテートブチレート(CAB551−0.2、イース
トマンケミカル社製)0.04g、光重合開始剤(イル
ガキュア907、日本チバガイギー(株)製)0.06
gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬
(株)製)0.02gを、3.43gのメチルエチルケ
トンに溶解して、塗布液を調製した。
【0045】
【化11】
【0046】配向膜の上に、塗布液を#4のワイヤーバ
ーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて固定した状
態で、120℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコテ
ィック液晶性分子を配向させた。120℃の温度を維持
しながら、120W/cmの高圧水銀灯を用いて、1分
間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性分子のビニ
ル基を重合させ、配向状態を固定した。その後、室温ま
で冷却した。形成した光学異方性層の厚さは、2.0μ
mであった。エリプソメータ−によりレターデーション
の角度依存性を測定することにより、ディスコティック
液晶性分子の平均傾斜角を求めたところ、38度であっ
た。また、光学異方性層の厚み方向のレターデーション
(Rth)は、70nmであった。
【0047】(光学補償シートの作製)光学異方性層を
形成した第2透明支持体の裏側に、第1透明支持体をア
クリル系粘着剤を用いて貼り付けた。第1透明支持体の
遅相軸(最大屈折率の方向)と配向膜のラビング方向と
は平行になるように配置した。このようにして、光学補
償シートを作製した。
【0048】(楕円偏光板の作製)延伸したポリビニル
アルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作
製した。偏光膜の片面と、作製した光学補償シートの透
明支持体面とを、ポリビニルアルコール系接着剤を用い
て貼り付けた。第1透明支持体の遅相軸(最大屈折率の
方向)と偏光膜の透過軸とは、平行になるように配置し
た。偏光膜の反対側の面に、厚さ100μmのトリアセ
チルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイル
ム(株)製)を透明保護膜として、ケン化処理を実施し
た後、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り付け
た。このようにして、楕円偏光板を作製した。
【0049】(液晶表示装置の作製)ITO透明電極が
設けられたガラス基板の上に、ポリイミド配向膜を設
け、ラビング処理を行った。4.5μmのスペーサーを
介して、二枚の基板を配向膜が向き合うように重ねた。
二枚の基板は、配向膜のラビング方向が直交するように
配置した。基板の間隙に、棒状液晶性分子(ZLI−4
792、メルク社製)を注入し、棒状液晶層を形成し
た。以上のように作製したTN液晶セルの両側に、作製
した楕円偏光板を二枚、光学異方性層が基板と対面する
ように貼り付けて、液晶表示装置を作製した。配向膜の
ラビング方向と、それに隣接する液晶セルの配向膜のラ
ビング方向とは、反平行になるように配置した。液晶表
示装置の液晶セルに、55Hzの矩形波電圧を印加し、
白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示との透
過率をコントラスト比として、上下左右でコントラスト
比10が得られる視野角を測定した。測定結果は、第1
表に示す。
【0050】[実施例2]実施例1の光学補償シートの
作製において、第1透明支持体の遅相軸(最大屈折率の
方向)と配向膜のラビング方向とが直交するように配置
した以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、
楕円偏光板および液晶表示装置を作製して評価した。結
果は、第1表に示す。
【0051】[実施例3]2,2’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンポリカーボネート樹脂(粘度平
均分子量:28000)をジクロロメタンに溶解して、
18重量%溶液を得た。この溶液を真空脱泡して、ドー
プを得た。ドープをバンド上に流延し、50℃で10分
間乾燥後に剥ぎ取り、さらに100℃で10分間乾燥し
た。得られた厚さ60μmのポリカーボネートフイルム
を、190℃で1時間熱緩和した。さらにフイルムを1
70℃で縦方向に1.0%延伸し、さらに横方向に2.
0%延伸した。このようにして、延伸ポリカーボネート
フイルムからなる第1透明支持体を作製した。波長54
6nmでフイルム法線方向から面内レターデーション
(Re)を測定したところ50nmであった。また、厚
み方向のレターデーション(Rth)は、90nmであっ
て、光学的二軸性を示した。第1透明支持体の表面をコ
ロナ放電処理した。以上のように作製した第1透明支持
体を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学補償シ
ート、楕円偏光板および液晶表示装置を作製して評価し
た。結果は、第1表に示す。
【0052】[実施例4] (透明支持体の作製)室温において、平均酢化度60.
9%のセルロースアセテート45重量部、実施例1で用
いたレターデーション上昇剤1.35重量部、メチレン
クロリド232.72重量部、メタノール42.57重
量部およびn−ブタノール8.5重量部を混合して溶液
(ドープ)を調製した。得られたドープを、有効長6m
のバンド流延機を用いて、流延方向に1%、幅方向に1
5%延伸ながら乾燥し、厚さ100μmの透明支持体を
得た。得られた透明支持体について、エリプソメーター
を用いて測定したところ、面内レターデーション(R
e)が45nmであり、厚み方向のレターデーション
(Rth)が80nmであった。そして、幅方向の屈折率
が延伸方向よりも大きく、光学的二軸性を示した。透明
支持体の上に、厚さ0.1μmのゼラチン下塗り層を設
けた。
【0053】(配向膜の形成)下塗り層の上に、実施例
1で用いた末端アクリレート変性ポリビニルアルコール
を塗布し、80℃の温風で乾燥した後、ラビング処理を
行い配向膜を形成した。配向膜のラビング方向は、透明
支持体の流延方向(遅相軸)と垂直であった。
【0054】(光学異方性層の形成)実施例1で用いた
ディスコティック液晶性化合物(1)1.8g、エチレ
ンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.2g、
セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.
2、イーストマンケミカル社製)0.04g、光重合開
始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)
製)0.06gおよび光増感剤(カヤキュアーDET
X、日本化薬(株)製)0.02gを、3.43gのメ
チルエチルケトンに溶解して、塗布液を調製した。配向
膜の上に、塗布液を#3のワイヤーバーで塗布した。こ
れを金属の枠に貼り付けて固定した状態で、120℃の
恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性分子
を配向させた。120℃の温度を維持しながら、120
W/cmの高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線を照射
し、ディスコティック液晶性分子のビニル基を重合さ
せ、配向状態を固定した。その後、室温まで冷却した。
形成した光学異方性層の厚さは、1.5μmであった。
エリプソメータ−によりレターデーションの角度依存性
を測定することにより、ディスコティック液晶性分子の
平均傾斜角を求めたところ、36度であった。また、光
学異方性層の厚み方向のレターデーション(Rth)は、
70nmであった。このようにして、光学補償シートを
作製した。光学補償シートはアルカリ水溶液に浸漬し
て、ケン化処理した。
【0055】(楕円偏光板の作製)延伸したポリビニル
アルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作
製した。偏光膜の片面と、作製した光学補償シートの透
明支持体面とを、ポリビニルアルコール系接着剤を用い
て貼り付けた。配向膜のラビング方向と偏光膜の吸収軸
とは、平行になるように配置した。偏光膜の反対側の面
に、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフイルム
(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明保護
膜として、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り
付けた。このようにして、楕円偏光板を作製した。
【0056】(液晶表示装置の作製)実施例1で作製し
たTN液晶セルの両側に、作製した楕円偏光板を二枚、
光学異方性層が基板と対面するように貼り付けて、液晶
表示装置を作製した。配向膜のラビング方向と、それに
隣接する液晶セルの配向膜のラビング方向とは、反平行
になるように配置した。液晶表示装置の液晶セルに、5
5Hzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示5V
における白表示と黒表示との透過率をコントラスト比と
して、上下左右でコントラスト比10が得られる視野角
を測定した。測定結果は、第1表に示す。
【0057】[比較例1] (液晶表示装置の作製)実施例1で作製したTN液晶セ
ルの両側に、市販の偏光板(HLC2−5618HC、
サンリッツ社製)を二枚貼り付けて、液晶表示装置を作
製した。偏光膜の吸収軸方向と、それに隣接する液晶セ
ルの配向膜のラビング方向とは、平行になるように配置
した。液晶表示装置の液晶セルに、55Hzの矩形波電
圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と
黒表示との透過率をコントラスト比として、上下左右で
コントラスト比10が得られる視野角を測定した。測定
結果は、第1表に示す。
【0058】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 光学補償シート 上下視野角 左右視野角 ──────────────────────────────────── 実施例1 130゜ 150゜ 実施例2 125゜ 155゜ 実施例3 120゜ 150゜ 実施例4 120゜ 140゜ 比較例1(なし) 40゜ 90゜ ────────────────────────────────────
【図面の簡単な説明】
【図1】TN型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式
図である。
【図2】TN型液晶表示装置の別の基本的な構成を示す
模式図である。
【図3】TN型液晶表示装置のさらに別の基本的な構成
を示す模式図である。
【符号の説明】
BL バックライト 1a、1b、1c 透明保護膜 2a、2b 偏光膜 3a、3b 透明支持体 4a、4b 光学異方性層 5a 液晶セルの下基板 5b 液晶セルの上基板 6 棒状液晶性分子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13363 G02F 1/13363 Fターム(参考) 2H049 BA04 BA06 BA42 BB03 BB23 BB33 BB44 BB46 BB49 BC04 BC09 BC22 2H088 EA47 HA03 JA05 KA07 MA07 MA20 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FB02 FC23 FC25 FD06 GA13 GA16 GA17 HA07 KA02 LA19 4F100 AG00 AJ06B AK01A AK21 AK25C AK45A AL06 AR00A AR00C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C EG002 EH462 EJ37A EJ38A EJ862 GB41 JA11C JN01A JN30C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体および5乃至85度の平均傾
    斜角で配向しているディスコティック液晶性分子から形
    成された光学異方性層を有し、ディスコティック液晶性
    分子の傾斜角がディスコティック液晶性分子と透明支持
    体面との距離に伴って変化している光学補償シートであ
    って、透明支持体が、光学的に正の一軸性または光学的
    二軸性を有し、最大屈折率の方向が透明支持体面と実質
    的に平行であるポリマーフイルムからなり、そして、透
    明支持体の最大屈折率の方向がディスコティック液晶性
    分子の円盤面の法線を透明支持体面に投影して得られる
    線の平均方向と実質的に平行または直交しているように
    配置されていることを特徴とする光学補償シート。
  2. 【請求項2】 透明支持体がポリカーボネートフイルム
    からなる請求項1に記載の光学補償シート。
  3. 【請求項3】 透明支持体が一軸延伸または二軸延伸し
    たポリカーボネートフイルムからなる請求項1に記載の
    光学補償シート。
  4. 【請求項4】 透明支持体がポリカーボネートフイルム
    とセルロースエステルフイルムとの積層体からなり、ポ
    リカーボネートフイルムが光学的に正の一軸性または光
    学的二軸性を有し、最大屈折率の方向が透明支持体面と
    実質的に平行であり、そして、最大屈折率の方向がディ
    スコティック液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体面
    に投影して得られる線の平均方向と実質的に平行または
    直交しているように配置されている請求項1に記載の光
    学補償シート。
  5. 【請求項5】 5乃至85度の平均傾斜角で配向してい
    るディスコティック液晶性分子から形成された光学異方
    性層、透明支持体、偏光膜、そして、透明保護膜が、こ
    の順に積層されている楕円偏光板であって、透明支持体
    が、光学的に正の一軸性または光学的二軸性を有し、最
    大屈折率の方向が透明支持体面と実質的に平行であるポ
    リマーフイルムからなり、そして、透明支持体の最大屈
    折率の方向がディスコティック液晶性分子の円盤面の法
    線を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向と実
    質的に平行または直交しているように配置されているこ
    とを特徴とする楕円偏光板。
  6. 【請求項6】 TN型液晶セルおよびその両側に配置さ
    れた二枚の偏光板からなる液晶表示装置であって、偏光
    板の少なくとも一方が、5乃至85度の平均傾斜角で配
    向しているディスコティック液晶性分子から形成された
    光学異方性層、透明支持体、偏光膜、そして、透明保護
    膜が、液晶セル側からこの順に積層されている楕円偏光
    板であり、透明支持体が、光学的に正の一軸性または光
    学的二軸性を有し、最大屈折率の方向が透明支持体面と
    実質的に平行であるポリマーフイルムからなり、そし
    て、透明支持体の最大屈折率の方向がディスコティック
    液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体面に投影して得
    られる線の平均方向と実質的に平行または直交している
    ように配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
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