JP2000017227A - コーティング組成物 - Google Patents
コーティング組成物Info
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Abstract
プレーコート工程でシリカ微粒子の凝集が起こりにく
く、耐候性、耐水性、耐薬品性、密着性に優れ、硬度の
高い塗膜を形成し得るコーティング組成物を提供する。 【解決手段】(A)表面疎水化シリカがアルコール分散
媒中に分散し、かつ固形分中のシリカの含有量が80重
量%以上であるアルコール分散液、(B)オルガノアル
コキシシランと水の反応により得られる構造単位 R1 n
SiOx/2(OH)y(OR2)z(ただし、式中、R1は炭素
数1〜3のアルキル基、フェニル基又はビニル基であ
り、R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、1≦n≦
1.7であり、2<x<3であり、y>0、z>0、か
つ y+z=4−n−x である。)を有するシリコーン
オリゴマーを含有する溶液及び(C)硬化剤を含有する
ことを特徴とするコーティング組成物。
Description
物に関する。さらに詳しくは、本発明は、ゾル−ゲル法
を用いて製造することができ、スプレーコート法により
金属、木材、紙、布帛、ガラス、セラミック、コンクリ
ート、合成樹脂などの表面に塗布して、常温〜200℃
程度の低温で硬化させ、優れた物性を有する塗膜を与え
ることができるコーティング組成物に関する。
密着性に優れ、低コストで硬度の高い塗膜を形成し得る
コーティング剤が求められ、多くの提案がなされてい
る。無機系コーティング剤としては、主として酸化物ゾ
ルと、加水分解、縮重合によりオルガノポリシロキサン
となるオルガノシランの複合化が検討されてきた。例え
ば、特開昭57−165429号公報には、短時間で硬
化し、プラスチック基体に対する表面耐傷性及び耐かき
傷性の被膜を与える方法として、シラノールの部分縮合
物の脂肪族アルコール−水の溶液にコロイドシリカを分
散させた分散液、緩衝化潜在性シラノール縮合触媒及び
β−ヒドロキシケトン化合物を含有する水性組成物を塗
布する方法が提案されている。特開昭62−32157
号公報には、金属、セメント、ガラスなどの表面に、耐
熱性に優れた塗膜を形成するコーティング組成物とし
て、オルガノアルコキシシラン、アルコール又はグリコ
ール、コロイド状アルミナ、酸及び非水溶性の充填剤を
混合してなるコーティング組成物が提案されている。こ
れらのコーティング組成物には、親水性溶媒であるアル
コール類が多量に添加されるとともに、ゾルの分散媒と
して多量の水が含まれているために、固形分濃度が低
く、さらに、加水分解と縮重合速度が速すぎて保存安定
性が悪いという問題がある。また、特開昭63−117
074号公報には、金属、セラミックス、ガラスなどの
表面に硬度が高く、物性の良好な塗膜を形成する保存安
定性の優れたコーティング組成物として、オルガノアル
コキシシランの縮合物、コロイド状シリカ、水及び親水
性有機溶媒を含有するコーティング組成物が提案されて
いる。このコーティング組成物は、スプレーコート工程
で親水性溶媒が揮発する際の温度低下により結露が生じ
やすく、その結果シリカ微粒子が凝集して均一な塗膜が
得られがたいという問題がある。さらに、特開平4−1
75388号公報には、金属、コンクリート、プラスチ
ック基材などの表面にコートして、低温で硬化が可能で
あり、硬度が高く、耐熱性、耐候性に優れた被膜を形成
し得るコーティング組成物として、オルガノシランのシ
リカ分散オリゴマー溶液、分子中にシラノール基を有す
るポリオルガノシロキサン及び触媒を必須成分とするコ
ーティング組成物が提案されている。このコーティング
組成物は、硬化触媒を添加したのちのポットライフが短
いなどの問題がある。
加したのちの保存安定性に優れ、スプレーコート工程で
シリカ微粒子の凝集が起こりにくく、耐候性、耐水性、
耐薬品性、密着性に優れ、硬度の高い塗膜を形成し得る
コーティング組成物を提供することを目的としてなされ
たものである。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、表面が炭化水素
基により疎水化されたシリカ微粒子のアルコール分散
液、オルガノアルコキシシランと水の反応により得られ
たシリコーンオリゴマーを含有する溶液及び硬化剤を含
有するコーティング組成物が、硬化剤添加後のポットラ
イフが長く、スプレーコート工程でシリカ微粒子の凝集
が起こりにくく、優れた物性を有する塗膜が得られるこ
とを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、(1)(A)成分とし
て、表面疎水化シリカがアルコール分散媒中に分散し、
かつ固形分中のシリカの含有量が80重量%以上である
アルコール分散液、(B)成分として、オルガノアルコ
キシシランと水の反応により得られる構造単位 R1 nS
iOx/2(OH)y(OR2)z(ただし、式中、R1は炭素数
1〜3のアルキル基、フェニル基又はビニル基であり、
R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、1≦n≦1.7
であり、2<x<3であり、y>0、z>0、かつ y
+z=4−n−x である。)を有するシリコーンオリ
ゴマーを含有する溶液及び(C)成分として、硬化剤を
含有することを特徴とするコーティング組成物、(2)
(A)成分と(B)成分の割合が、(A)成分の含有量が固形
分換算で10〜70重量%、(B)成分の含有量が固形分
換算で90〜30重量%であり、(C)成分の含有量が
(A)成分と(B)成分の固形分の合計100重量部に対し
て1〜40重量部である第(1)項記載のコーティング組
成物、(3)表面疎水化シリカが、シリカ微粒子と、構
造 R3 mSiX4-m(ただし、式中、R3は炭素数1〜3
のアルキル基、フェニル基又はビニル基であり、mは
1、2又は3であり、XはCl、OCH3又はOC2H5
である。)を有するオルガノアルコキシシラン又はオル
ガノハロシランの反応により得られるものである第(1)
項記載のコーティング組成物、(4)(B)成分のシリコ
ーンオリゴマーが、金属キレート化合物を触媒として製
造されたものである第(1)項記載のコーティング組成
物、(5)金属キレート化合物の配位子が、β−ジケト
ン類又は大環状ポリエーテルである第(4)項記載のコー
ティング組成物、(6)(C)成分が、構造 M(Che)
(OR4)p(ただし、式中、Mは3価以上の金属であり、
Cheはキレート剤であり、R4は炭素数1〜4のアル
キル基であり、pは2以上である。)を有する化合物又
はこれを基本単位とする多核錯体を配合したものである
第(1)項記載のコーティング組成物、(7)キレート剤
が、β−ジケトン類である第(6)項記載のコーティング
組成物、及び、(8)(C)成分が、カルボン酸、カルボ
ニル基を有するアルコール又はエーテル基を有するアル
コールであって、沸点が200℃以下の化合物を含有す
る第(1)項記載のコーティング組成物、を提供するもの
である。
(A)成分として、表面疎水化シリカがアルコール分散
媒中に分散し、かつ固形分中のシリカの含有量が80重
量%以上であるアルコール分散液、(B)成分として、
オルガノアルコキシシランと水の反応により得られる構
造単位 R1 nSiOx/2(OH)y(OR2)z を有するシリコ
ーンオリゴマーを含有する溶液及び(C)成分として、
硬化剤を含有する。ただし、上記の構造式中、R1は炭
素数1〜3のアルキル基、フェニル基又はビニル基であ
り、R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、1≦n≦
1.7であり、2<x<3であり、y>0、z>0、か
つ y+z=4−n−x である。本発明において、表面
疎水化シリカとは、シリカ微粒子の表面が鎖状、環状又
は芳香族炭化水素基で覆われ、水との親和力が減少した
シリカである。本発明組成物において、(A)成分として
用いる表面疎水化シリカのアルコール分散液の製造方法
に特に制限はなく、例えば、アルコール分散媒中にシリ
カ微粒子を分散したアルコールゾルにオルガノアルコキ
シシラン又はオルガノハロシランを添加し、シリカ微粒
子の表面の吸着水と反応させることにより、シリカ微粒
子の表面を炭化水素基で覆って疎水化することができ、
あるいは、シリカ微粒子とオルガノアルコキシシラン又
はオルガノハロシランを反応させることによりシリカ微
粒子の表面を炭化水素基で覆って疎水化したのち、得ら
れた表面疎水化シリカをアルコール分散媒中に分散する
こともできる。シリカ微粒子は、粒径が0.5μm以下
であることが好ましい。分散媒として用いるアルコール
に特に制限はないが、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノールなどの低沸点のアルコー
ルはコーティング時に揮発しやすいので、好適に使用す
ることができる。
ア、ジルコニアなどの酸化物微粒子を用い、同様にオル
ガノアルコキシシラン又はオルガノハロシランとの反応
により表面疎水化された微粒子がアルコール分散媒中に
分散したアルコール分散液も(A)成分として用いること
ができる。酸化物微粒子としては、塗膜の透明性を考慮
すると、低屈折率のオルガノポリシロキサンに最も近い
屈折率を有するシリカ微粒子が優れている。シリカ微粒
子を分散したアルコールゾルとしては、市販のアルコー
ルゾルや、粒径0.5μm以下のシリカ微粒子をアルコ
ール分散媒中に分散させた分散液を用いることができ
る。シリカ微粒子を分散させたアルコールゾルを用いる
と、オルガノアルコキシシラン又はオルガノハロシラン
と表面の吸着水との反応により、シリカ微粒子の表面が
炭化水素基により疎水化される。使用するオルガノアル
コキシシラン又はオルガノハロシランは、構造 R3 mS
iX4-m を有する化合物であることが好ましい。ただ
し、式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基、フェニル
基又はビニル基であり、mは1、2又は3であり、Xは
Cl、OCH3又はOC2H5である。このようなオルガ
ノシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン
(MTMS)、メチルトリエトキシシラン(MTE
S)、エチルトリメトキシシラン(ETMS)、フェニ
ルトリエトキシシラン(PhTES)、ビニルトリエト
キシシラン(VTES)、n−プロピルトリメトキシシ
ラン(n−PrTMS)、イソプロピルトリメトキシシ
ラン(iso−PrTMS)などのトリアルコキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン(DMDE)、ジフェニ
ルジメトキシシラン(DPhDM)、メチルエチルジメ
トキシシラン(MEDM)などのジアルコキシシラン、
トリメチルメトキシシラン(TMMS)などのモノアル
コキシシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリ
クロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジク
ロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリメチルク
ロロシランなどのオルガノクロロシランなどを挙げるこ
とができる。これらのオルガノシランは、1種を単独で
用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて
用いることもできる。
したアルコールゾルにオルガノアルコキシシラン又はオ
ルガノハロシランを添加するとき、その添加量は、シリ
カ微粒子表面の吸着水とアルコール分散媒中に微量に含
まれる水分の合計量に対して、等モル以上とすることが
好ましい。反応に際しては、分散媒中への水の混入を極
力避けることが好ましい。分散媒中に過剰の水が存在す
ると、オルガノアルコキシシラン又はオルガノハロシラ
ンの加水分解、縮重合反応が促進され、シリカ微粒子表
面の疎水化効果が低下する。本発明組成物において、
(A)成分に含まれる固形分中のシリカの含有量は80重
量%以上であり、より好ましくは85重量%以上であ
る。ここに、固形分中のシリカとは、オルガノアルコキ
シシラン又はオルガノハロシランを添加する前のアルコ
ールゾルに含まれていたシリカであり、オルガノアルコ
キシシラン又はオルガノハロシランに由来する炭化水素
基と結合したケイ素は、固形分中のシリカには含めな
い。固形分中のシリカの含有量が80重量%未満である
と、シリカ微粒子表面の疎水化層の割合が高くなり、結
果的に塗膜に多くの未反応のアルコキシル基又は塩素が
残り、塗膜の品質に悪影響を与えるおそれがある。本発
明のコーティング組成物においては、シリカ微粒子の表
面を疎水性とするために、シリカ微粒子を均一にオルガ
ノポリシロキサンからなる塗膜に取り込むことが可能と
なり、機械的強度が大きく、化学的耐久性に優れた硬度
の高い塗膜を得ることができる。
ノアルコキシシランと水の反応により得られる構造単位
R1 nSiOx/2(OH)y(OR2)z を有するシリコーンオ
リゴマーを含有する溶液である。ただし、式中、R1は
炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基又はビニル基で
あり、R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、1≦n
≦1.7、より好ましくは1≦n≦1.3であり、2<x
<3であり、y>0、z>0、かつ y+z=4−n−
x である。nが1未満であると、塗膜の乾燥段階で応
力が緩和しがたく、塗膜にクラックが入るおそれがあ
る。nが1.7を超えると、三次元網目構造を形成しが
たくなり、塗膜の機械的性質が低下するおそれがある。
また、xが2以下であると、線状ポリマーが形成されが
たく、揮発成分が多くなるおそれがある。xが3以上で
あると、塗膜の乾燥段階で応力が緩和しがたく、膜にク
ラックが入るおそれがある。OH基は、硬化剤の作用に
よって架橋する架橋点となるために、存在することが必
須である。また、アルコキシル基は、硬化剤添加前の溶
液の保存安定性を保つために、存在することが必須であ
る。(B)成分の製造に用いるオルガノアルコキシシラン
に特に制限はなく、例えば、メチルトリメトキシシラン
(MTMS)、メチルトリエトキシシラン(MTE
S)、エチルトリメトキシシラン(ETMS)、フェニ
ルトリエトキシシラン(PhTES)、ビニルトリエト
キシシラン(VTES)、n−プロピルトリメトキシシ
ラン(n−PrTMS)、イソプロピルトリメトキシシ
ラン(iso−PrTMS)などのトリアルコキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン(DMDE)、ジフェニ
ルジメトキシシラン(DPhDM)などのジアルコキシ
シランなどを挙げることができる。
いては、オルガノアルコキシシランと水を、H2O/S
iのモル比が1.4〜4.0となるように、より好ましく
は1.4〜2.5となるように混合して、加水分解、縮重
合を行うことが好ましい。H2O/Siのモル比が1.4
未満であると、未反応のアルコキシル基が多く残り、オ
リゴマーの高分子化率が低くなり、塗膜の機械的性質に
悪影響を及ぼすおそれがある。H2O/Siのモル比が
4.0を超えると、親水性成分が増えすぎて、成膜時に
均一な塗膜を形成することが困難となるおそれがある。
H2O/Siのモル比を1.4〜4.0とすることによ
り、アルコキシル基の一部が残存して、(B)成分である
シリコーンオリゴマーを含有する溶液の安定性を向上さ
せる効果をもたらす。本発明組成物において、(B)成分
であるシリコーンオリゴマーを含有する溶液の溶媒は、
ほとんどがオルガノアルコキシシランの加水分解により
生成したアルコールである。他の溶媒を添加することな
く、加水分解により生成したアルコールを溶媒として利
用することにより、安定でかつ固形分濃度の高いシリコ
ーンオリゴマー溶液を調製することが可能となる。本発
明組成物において、シリコーンオリゴマーの分子量に特
に制限はなく、オルガノアルコキシシランの加水分解に
より生成したシリコーンオリゴマーが、同時に生成した
アルコールに溶解して均一な溶液を形成する限り、分子
量の大きいシリコーンオリゴマーも使用することができ
る。
に際して、加水分解の触媒として、通常ゾル−ゲル反応
に用いられる酸触媒を使用せず、金属キレート化合物触
媒を使用することが好ましい。酸触媒を使用すると、ゲ
ル化を生じやすくなるおそれがある。加水分解の触媒で
ある金属キレート化合物は、アルコキシドの加水分解に
触媒効果を果たすだけでなく、原料に多量のメチルトリ
アルコキシシランを用いる場合には、結晶の析出をも抑
制する。また、金属キレート化合物を触媒として使用す
ることにより、得られたシリコーンオリゴマー溶液はゲ
ル化時間が長く、長期保存安定性に優れる。使用する金
属キレート化合物に特に制限はないが、β−ジケトン類
又は大環状ポリエーテルを配位子とする金属キレート化
合物を好適に使用することができる。また、金属イオン
の種類に特に制限はないが、配位子との錯体生成定数の
大きい金属を好適に使用することができる。このような
金属キレート化合物としては、例えば、トリス(アセチ
ルアセトナト)アルミニウム(III)、トリス(エチルア
セトアセタト)アルミニウム(III)、トリス(ジエチル
マロナト)アルミニウム(III)、ビス(アセチルアセト
ナト)銅(II)、テトラキス(アセチルアセトナト)ジル
コニウム(IV)、トリス(アセチルアセトナト)クロム
(III)、トリス(アセチルアセトナト)コバルト(II
I)、酸化チタン(II)アセチルアセトネート[(CH3
COCHCOCH3)2TiO]などのβ−ジケトン類金
属キレート、希土類金属のβ−ジケトン類金属キレー
ト、18−クラウン−6−カリウムキレート化合物塩、
12−クラウン−4−リチウムキレート化合物塩、15
−クラウン−5−ナトリウムキレート化合物塩などの大
環状ポリエーテル化合物金属キレートなどを挙げること
ができる。金属キレート化合物触媒の添加量に特に制限
はなく、触媒効果に応じて、オルガノアルコキシシラン
に対して0.001〜5モル%、より好ましくは0.01
〜1モル%の範囲で添加することが好ましい。金属キレ
ート化合物の添加量がオルガノアルコキシシランに対し
て0.001モル%未満であると、加水分解の触媒効果
が十分に発現しないおそれがある。金属キレート化合物
の添加量がオルガノアルコキシシランに対して5モル%
を超えると、金属キレート化合物が析出し、塗膜の性質
に悪影響を及ぼすおそれがある。金属キレート化合物
は、加水分解触媒としての作用の他に、縮重合反応を制
御し、反応初期に線状ポリマーを生成させる作用も有
し、塗膜形成に有利にはたらく。
いる硬化剤は、構造 M(Che)(OR4)p を有する化合
物又はこれを基本単位とする多核錯体を配合したもので
あることが好ましい。ただし、式中、Mは3価以上の金
属であり、Cheはキレート剤であり、R4は炭素数1
〜4のアルキル基であり、pは2以上である。本発明組
成物において、(C)成分である硬化剤は、コーティング
組成物の塗工の前に(A)成分と(B)成分の混合液に添加
されるものであり、塗膜形成過程において架橋を促進す
る効果を有する。Mで表される3価以上の金属イオンと
しては、例えば、Al3+、Ti4+、Zr4+などを挙げる
ことができる。反応性の官能基OR4としては、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキ
シ基を挙げることができる。pを2以上、すなわち反応
性の官能基OR4の数を2以上とすることにより、硬化
剤が脱水作用によって架橋を促す効果を示すほかに、自
身が架橋剤となる効果が発現する。Cheで表されるキ
レート剤に特に制限はないが、β−ジケトン類を好適に
用いることができる。β−ジケトン類としては、例え
ば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸ジ
エチルなどを挙げることができる。
化剤は、カルボン酸、カルボニル基を有するアルコール
又はエーテル基を有するアルコールであって、沸点20
0℃以下、好ましくは170℃以下の化合物を含有する
ことが好ましい。このような化合物としては、例えば、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、
イソ吉草酸、アクリル酸、イソクロトン酸、メタクリル
酸などのカルボン酸、ジアセトンアルコールなどのβ−
ヒドロキシケトン化合物、エチレングリコールモノアセ
テートなどのカルボニル基を有するアルコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、2−(メトキシメトキシ)エタノー
ル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテルなどのエーテル基を有する
アルコールなどを挙げることができる。これらの化合物
は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以
上を組み合わせて用いることもできる。硬化剤にカルボ
ン酸、カルボニル基を有するアルコール又はエーテル基
を有するアルコールを含有せしめることにより、これら
の化合物が安定剤として作用し、(A)成分、(B)成分及
び(C)成分を含有するコーティング組成物のポットライ
フが長くなり、取り扱いが容易になる。これらの化合物
は、硬化剤成分であるM(Che)(OR4)p のOR4と配
位子交換し、部分キレート金属錯体を生成して硬化剤の
安定性を向上させ、その結果コーティング組成物の安定
性を向上させる。しかし、コーティング組成物の塗工後
は、配位子交換した化合物が遊離するために、塗工後の
硬化促進効果を低下させることはない。これによって、
均一で機械的性質に優れた塗膜を得ることができる。こ
れらの化合物の添加量は、金属M1モルに対して、0.
5モル以上であることが好ましい。塗膜の硬化条件とし
ては、常温〜200℃までの条件を適用することが好ま
しい。
と(B)成分の割合が、(A)成分の含有量が固形分換算で
10〜70重量%、(B)成分の割合が固形分換算で90
〜30重量%であることが好ましい。(A)成分と(B)成
分の割合において、(A)成分の含有量が固形分換算で1
0重量%未満であり、(B)成分の割合が固形分換算で9
0重量%を超えると、塗膜の硬度や機械的強度が低下す
るおそれがある。(A)成分の含有量が固形分換算で70
重量%を超え、(B)成分の含有量が固形分換算で30重
量%未満であると、シリカ微粒子のバインダーとなるオ
ルガノポリシロキサンが少なすぎるために塗膜が脆くな
るおそれがある。(A)成分と(B)成分の割合は、(A)成
分の含有量が固形分換算で15〜60重量%であり、
(B)成分の含有量が固形分換算で85〜40重量%であ
ることがより好ましい。本発明組成物は、(C)成分の含
有量が(A)成分と(B)成分の固形分の合計100重量部
に対して1〜40重量部であることが好ましい。(C)成
分の含有量が(A)成分と(B)成分の固形分の合計100
重量部に対して1重量部未満であると、コーティング後
の硬化が不十分となるおそれがある。(C)成分の含有量
が(A)成分と(B)成分の固形分の合計100重量部に対
して40重量部を超えると、(A)成分と(B)成分と(C)
成分を混合したコーティング組成物のポットライフが短
くなり、作業上不都合が生じるおそれがある。(C)成分
の含有量は、(A)成分と(B)成分の固形分の合計100
重量部に対して2〜25重量部であることがより好まし
い。本発明のコーティング組成物の塗工方法に特に制限
はなく、被塗物の形状や塗工の目的などに応じて、任意
の公知の塗工方法を選択することができる。例えば、ス
プレー法、浸漬法、フロー法、ロール法などを選択する
ことができる。塗膜の厚さは塗工の目的に応じて選択す
ることができるが、通常は1〜50μmとすることが好
ましい。本発明のコーティング組成物は、金属、ガラ
ス、セラミック、コンクリートなどの無機基材や、アク
リル樹脂、ABS樹脂、木材、紙などの有機基材に用い
て基材の表面を保護するとともに、その美観を高めるこ
とができる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例において、コーテ
ィング組成物及び塗膜の評価は下記の方法により行っ
た。なお、塗膜の評価には、鉛筆引っかき値3H以上の
塗膜を用いた。 (1)鉛筆引っかき値 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 8.
4.2にしたがって評価した。 (2)透水度 セメントボードに塗工した塗膜について、JIS K 5
400 8.16に準じて評価した。 (3)耐酸性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 8.
22に準じ、50℃に保った5w/v%硫酸に15時間浸
漬して評価した。 (4)耐屈曲性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 8.
1に準じ、直径6mmの心棒を用いて評価した。 (5)耐冷熱繰返し性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 9.
3に準じ、120℃×1時間、−10℃×1時間を1サ
イクルとし、4サイクルの試験を行った。 (6)耐水性 ガラス板に塗工した塗膜について、JIS K 5400
8.19に準じ、60℃に保った脱イオン水に7日間浸
漬して評価した。 (7)耐湿性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 9.
2.1に準じ、7日間の試験を行った。 (8)付着性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 8.
5.3にしたがって評価した。 (9)促進耐候性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 9.
8.1に準じ、500時間の試験を行った。 (10)保存安定性 (A)成分、(B)成分及び(C)成分を所定量混合したコー
ティング組成物300gを容量500mlのガラス容器に
入れ、密封して25℃の恒温室におき、コーティング組
成物が流動性を保持する日数により評価した。
分散液の製造) イソプロピルアルコール分散媒のシリカゾル[日産化学
工業(株)、IPA−ST、固形分30重量%]100重
量部に、メチルトリエトキシシラン[信越化学工業
(株)、LS−1890]10重量部を混合し、25℃で
1日間静置して、シリカ微粒子表面をメチル基で疎水化
した表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液
A−1を得た。この分散液の固形分中のシリカの含有量
は、89重量%である。 製造例2(表面疎水化シリカのアルコール分散液の製
造) イソプロピルアルコール分散媒のシリカゾル[日産化学
工業(株)、IPA−ST、固形分30重量%]100重
量部に、メチルトリエトキシシラン[信越化学工業
(株)、LS−1890]5重量部を混合し、25℃で1
日間静置して、シリカ微粒子表面をメチル基で疎水化し
た表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A
−2を得た。この分散液の固形分中のシリカの含有量
は、94重量%である。 製造例3(表面疎水化シリカのアルコール分散液の製
造) 平均粒径0.1μmのシリカ微粒子100重量部を、1
0重量%メチルトリクロロシラン[信越化学工業(株)、
LS−40]トルエン溶液100重量部に分散し、発生
した塩化水素ガスをアンモニア水で中和した。エバポレ
ーターでトルエンを留去し、乾燥して表面疎水化シリカ
微粒子102重量部を得た。さらに、この微粒子30重
量部を70重量部のイソプロピルアルコールに分散し、
メチル基で疎水化した表面疎水化シリカのイソプロピル
アルコール分散液A−3を得た。この分散液の固形分中
のシリカの含有量は、98重量%である。 製造例4(シリコーンオリゴマー溶液の製造) メチルトリエトキシシラン[信越化学工業(株)、LS−
1890]100重量部に、トリス(アセチルアセトナ
ト)アルミニウム(III)[(株)同仁化学研究所]0.02
重量部を溶解し、さらに蒸留水18重量部を添加して密
閉し、50℃で1日間反応させ、透明なシリコーンオリ
ゴマー溶液B−1を得た。このシリコーンオリゴマー溶
液の固形分は、32重量%である。 製造例5(シリコーンオリゴマー溶液の製造) メチルトリエトキシシラン[信越化学工業(株)、LS−
1890]100重量部とジメチルジエトキシシラン
[信越化学工業(株)、LS−1370]83重量部を混
合し、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム(III)
[(株)同仁化学研究所]0.04重量部を溶解し、さら
に蒸留水30重量部を添加して密閉し、50℃で1日間
反応させ、透明なシリコーンオリゴマー溶液B−2を得
た。このシリコーンオリゴマー溶液の固形分は、37重
量%である。 製造例6(硬化剤の製造) アルミニウムトリ−sec−ブトキシド[関東化学(株)]
100重量部に、アセチルアセトン40.5重量部、酢
酸50重量部及びエタノール200重量部を混合し、硬
化剤C−1を得た。 製造例7(硬化剤の製造) アルミニウムトリ−sec−ブトキシド[関東化学(株)]
100重量部に、アセチルアセトン40.5重量部及び
ジアセトンアルコール240重量部を混合し、硬化剤C
−2を得た。 製造例8(硬化剤の製造) チタンテトラ−n−ブトキシド[関東化学(株)]100
重量部に、アセチルアセトン29.4重量部、酢酸9重
量部及びエチレングリコールモノメチルエーテル170
重量部を混合し、硬化剤C−3を得た。
1を20重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を8
0重量部、硬化剤C−1を4重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ8μm
の塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が得
られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値はHであ
り、さらにこれを80℃で1時間加熱したのちの鉛筆引
っかき値は5Hであった。透水度は、10ml/m2・day
以下であった。耐酸性試験において、割れ、はがれ、
穴、軟化、さびは認められず、浸漬溶液の着色や濁りが
なく、原状試験片と比べて、つやの変化はなかった。耐
屈曲性試験において、割れ、はがれは認められなかっ
た。耐冷熱繰返し性試験において、割れ、はがれ、膨
れ、白化は認められなかった。耐水性試験において、し
わ、膨れ、割れ、はがれ、つやの変化、くもり、白化、
変色は認められなかった。耐湿性試験において、しわ、
膨れ、割れ、さび、はがれ、くもり、白化は認められな
かった。付着性試験において、はがれは全くなかった。
促進耐候性試験において、変色、クラックの発生は認め
られなかった。保存安定性試験において、7日目までは
流動性に変化なく、8日目にゲル化して流動性が失われ
た。 実施例2 表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A−
1を50重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を5
0重量部、硬化剤C−1を3重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ8μm
の塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が得
られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値は2Hで
あり、さらにこれを室温で1カ月硬化したのちの鉛筆引
っかき値は6Hであった。透水度は、10ml/m2・day
以下であった。耐酸性試験において、割れ、はがれ、
穴、軟化、さびは認められず、浸漬溶液の着色や濁りが
なく、原状試験片と比べて、つやの変化はなかった。耐
屈曲性試験において、割れ、はがれは認められなかっ
た。耐冷熱繰返し性試験において、割れ、はがれ、膨
れ、白化は認められなかった。耐水性試験において、し
わ、膨れ、割れ、はがれ、つやの変化、くもり、白化、
変色は認められなかった。耐湿性試験において、しわ、
膨れ、割れ、さび、はがれ、くもり、白化は認められな
かった。付着性試験において、はがれは全くなかった。
促進耐候性試験において、変色、クラックの発生は認め
られなかった。保存安定性試験において、10日目まで
は流動性に変化なく、11日目にゲル化して流動性が失
われた。
1を20重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を8
0重量部、硬化剤C−2を4重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ5μm
の塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が得
られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値は、4H
であった。透水度は、10ml/m2・day以下であった。
耐酸性試験において、割れ、はがれ、穴、軟化、さびは
認められず、浸漬溶液の着色や濁りがなく、原状試験片
と比べて、つやの変化はなかった。耐屈曲性試験におい
て、割れ、はがれは認められなかった。耐冷熱繰返し性
試験において、割れ、はがれ、膨れ、白化は認められな
かった。耐水性試験において、しわ、膨れ、割れ、はが
れ、つやの変化、くもり、白化、変色は認められなかっ
た。耐湿性試験において、しわ、膨れ、割れ、さび、は
がれ、くもり、白化は認められなかった。付着性試験に
おいて、はがれは全くなかった。促進耐候性試験におい
て、変色、クラックの発生は認められなかった。保存安
定性試験において、5日目までは流動性に変化なく、6
日目にゲル化して流動性が失われた。 実施例4 表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A−
2を20重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を8
0重量部、硬化剤C−2を4重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ6μm
の塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が得
られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値は、4H
であった。透水度は、10ml/m2・day以下であった。
耐酸性試験において、割れ、はがれ、穴、軟化、さびは
認められず、浸漬溶液の着色や濁りがなく、原状試験片
と比べて、つやの変化はなかった。耐屈曲性試験におい
て、割れ、はがれは認められなかった。耐冷熱繰返し性
試験において、割れ、はがれ、膨れ、白化は認められな
かった。耐水性試験において、しわ、膨れ、割れ、はが
れ、つやの変化、くもり、白化、変色は認められなかっ
た。耐湿性試験において、しわ、膨れ、割れ、さび、は
がれ、くもり、白化は認められなかった。付着性試験に
おいて、はがれは全くなかった。促進耐候性試験におい
て、変色、クラックの発生は認められなかった。保存安
定性試験において、5日目までは流動性に変化なく、6
日目にゲル化して流動性が失われた。
1を50重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−2を5
0重量部、硬化剤C−2を5重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ20μ
mの塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が
得られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値はHで
あり、さらにこれを80℃で1時間加熱したのちの鉛筆
引っかき値は3Hであった。透水度は、10ml/m2・da
y以下であった。耐酸性試験において、割れ、はがれ、
穴、軟化、さびは認められず、浸漬溶液の着色や濁りが
なく、原状試験片と比べて、つやの変化はなかった。耐
屈曲性試験において、割れ、はがれは認められなかっ
た。耐冷熱繰返し性試験において、割れ、はがれ、膨
れ、白化は認められなかった。耐水性試験において、し
わ、膨れ、割れ、はがれ、つやの変化、くもり、白化、
変色は認められなかった。耐湿性試験において、しわ、
膨れ、割れ、さび、はがれ、くもり、白化は認められな
かった。付着性試験において、はがれは全くなかった。
促進耐候性試験において、変色、クラックの発生は認め
られなかった。保存安定性試験において、10日目まで
は流動性に変化なく、11日目にゲル化して流動性が失
われた。 実施例6 表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A−
2を50重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を5
0重量部、硬化剤C−3を5重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ15μ
mの塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が
得られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値は2H
であり、さらにこれを80℃で1時間加熱したのちの鉛
筆引っかき値は7Hであった。透水度は、10ml/m2・
day以下であった。耐酸性試験において、割れ、はが
れ、穴、軟化、さびは認められず、浸漬溶液の着色や濁
りがなく、原状試験片と比べて、つやの変化はなかっ
た。耐屈曲性試験において、割れ、はがれは認められな
かった。耐冷熱繰返し性試験において、割れ、はがれ、
膨れ、白化は認められなかった。耐水性試験において、
しわ、膨れ、割れ、はがれ、つやの変化、くもり、白
化、変色は認められなかった。耐湿性試験において、し
わ、膨れ、割れ、さび、はがれ、くもり、白化は認めら
れなかった。付着性試験において、はがれは全くなかっ
た。促進耐候性試験において、変色、クラックの発生は
認められなかった。保存安定性試験において、10日目
までは流動性に変化なく、11日目にゲル化して流動性
が失われた。 実施例7 表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A−
3を50重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を5
0重量部、硬化剤C−3を5重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物をスプレー
法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アルミ
ニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード(厚
さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ15μmの
塗膜を形成した。いずれも光沢がある半透明の塗膜が得
られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値は2Hで
あり、さらにこれを80℃で1時間加熱したのちの鉛筆
引っかき値は7Hであった。透水度は、10ml/m2・da
y以下であった。耐酸性試験において、割れ、はがれ、
穴、軟化、さびは認められず、浸漬溶液の着色や濁りが
なく、原状試験片と比べて、つやの変化はなかった。耐
屈曲性試験において、割れ、はがれは認められなかっ
た。耐冷熱繰返し性試験において、割れ、はがれ、膨
れ、白化は認められなかった。耐水性試験において、し
わ、膨れ、割れ、はがれ、つやの変化、くもり、白化、
変色は認められなかった。耐湿性試験において、しわ、
膨れ、割れ、さび、はがれ、くもり、白化は認められな
かった。付着性試験において、はがれは全くなかった。
促進耐候性試験において、変色、クラックの発生は認め
られなかった。保存安定性試験において、10日目まで
は流動性に変化なく、11日目にゲル化して流動性が失
われた。 比較例1 イソプロピルアルコール分散媒のシリカゾル[日産化学
工業(株)、IPA−ST、固形分30重量%]を40重
量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を60重量部、
硬化剤C−1を3重量部混合して、コーティング組成物
を得た。このコーティング組成物を、スプレー法を用い
て、鋼板(厚さ0.8mm)に塗工した。表面に多くの粒
子が観察され、均一な塗膜が得られなかったので、塗膜
の評価は行わなかった。実施例1〜7及び比較例1の結
果を、第1表に示す。
ィング組成物は、硬化剤を配合したのちも5〜10日間
は流動性を保ち、コーティングに用いることができるの
で、取り扱いが容易であり、作業性が良好である。得ら
れる塗膜は、すべて光沢があり透明又は半透明なので、
鋼板、アルミニウム板、セメントボード、ガラス板、メ
タクリル樹脂板などに塗工して、美観を保つことができ
る。また、硬度が高く、透水度が小さく、耐酸性、耐屈
曲性、耐冷熱繰返し性、耐水性、耐湿性、付着性、耐候
性などの塗膜物性に優れているので、被塗物を長期にわ
たって保護することができる。
を添加したのちの保存安定性に優れ、スプレーコート工
程でシリカ微粒子の凝集が起こりにくく、金属、木材、
紙、布帛、ガラス、セラミック、コンクリート、合成樹
脂などの表面に塗工して、耐候性、耐水性、耐薬品性、
密着性に優れ、硬度の高い塗膜を形成することができ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】(A)成分として、表面疎水化シリカがア
ルコール分散媒中に分散し、かつ固形分中のシリカの含
有量が80重量%以上であるアルコール分散液、(B)
成分として、オルガノアルコキシシランと水の反応によ
り得られる構造単位 R1 nSiOx/2(OH)y(OR2)
z(ただし、式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基、フ
ェニル基又はビニル基であり、R2は炭素数1〜3のア
ルキル基であり、1≦n≦1.7であり、2<x<3で
あり、y>0、z>0、かつ y+z=4−n−xであ
る。)を有するシリコーンオリゴマーを含有する溶液及
び(C)成分として、硬化剤を含有することを特徴とす
るコーティング組成物。 - 【請求項2】(A)成分と(B)成分の割合が、(A)成分の
含有量が固形分換算で10〜70重量%、(B)成分の含
有量が固形分換算で90〜30重量%であり、(C)成分
の含有量が(A)成分と(B)成分の固形分の合計100重
量部に対して1〜40重量部である請求項1記載のコー
ティング組成物。 - 【請求項3】表面疎水化シリカが、シリカ微粒子と、構
造 R3 mSiX4-m(ただし、式中、R3は炭素数1〜3
のアルキル基、フェニル基又はビニル基であり、mは
1、2又は3であり、XはCl、OCH3又はOC2H5
である。)を有するオルガノアルコキシシラン又はオル
ガノハロシランの反応により得られるものである請求項
1記載のコーティング組成物。 - 【請求項4】(B)成分のシリコーンオリゴマーが、金属
キレート化合物を触媒として製造されたものである請求
項1記載のコーティング組成物。 - 【請求項5】金属キレート化合物の配位子が、β−ジケ
トン類又は大環状ポリエーテルである請求項4記載のコ
ーティング組成物。 - 【請求項6】(C)成分が、構造 M(Che)(OR4)
p(ただし、式中、Mは3価以上の金属であり、Che
はキレート剤であり、R4は炭素数1〜4のアルキル基
であり、pは2以上である。)を有する化合物又はこれ
を基本単位とする多核錯体を配合したものである請求項
1記載のコーティング組成物。 - 【請求項7】キレート剤が、β−ジケトン類である請求
項6記載のコーティング組成物。 - 【請求項8】(C)成分が、カルボン酸、カルボニル基を
有するアルコール又はエーテル基を有するアルコールで
あって、沸点が200℃以下の化合物を含有する請求項
1記載のコーティング組成物。
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JP18923198A JP4303805B2 (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | コーティング組成物 |
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JP18923198A JP4303805B2 (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | コーティング組成物 |
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