JPS6254152B2 - - Google Patents
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- JPS6254152B2 JPS6254152B2 JP11631379A JP11631379A JPS6254152B2 JP S6254152 B2 JPS6254152 B2 JP S6254152B2 JP 11631379 A JP11631379 A JP 11631379A JP 11631379 A JP11631379 A JP 11631379A JP S6254152 B2 JPS6254152 B2 JP S6254152B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- liquid crystal
- dye
- atom
- pleochroic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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- Liquid Crystal (AREA)
Description
本発明は液晶のゲスト・ホスト効果を利用して
良好なカラー表示等を可能にした電気光学素子に
関するものであり、下記一般式 (式中、Xは水素原子、塩素原子または臭素原
子を表わし、Yは酸素原子またはイオウ原子を表
わし、Rはアルキル基、シクロヘキシル基、4−
シクロヘキシルシクロヘキシル基、アルコキシア
ルキル基、フエニル基、p−ヒドロキシフエニル
基、p−シクロヘキシルフエニル基、P−アルキ
ルフエニル基、p−アルコキシフエニル基ベンジ
ル基またはフエネチル基を表わす。) で示される黄色の多色性キノフタロン色素の少く
とも一種を含む液晶組成物を対向する二枚の電極
基板間に介在させることを特徴とする電気光学素
子に関するものである。 液晶はその分子配列の仕方により、ネマチツ
ク、コレステリツクおよびスメクチツク液晶の3
種類に分類できる。このうちネマチツク液晶では
すべての分子がその長軸方向が互いに平行である
配向をしている。そして液晶分子の長軸が素子ま
たは容器壁に垂直な場合にはその配列はホメオト
ロピツクと呼ばれ、平行な場合にはその配列はホ
モジニアスと呼ばれる。またネマチツク液晶は適
当な配向処理によりツイストした配列をとらせる
ことができる。一方、コレステリツク液晶では分
子はその長軸方向を互いに平行して配列している
が、さらにこの長軸方向と直交する方向に極めて
薄い層を形成し、各層は分子の長軸方向が全体的
にみて、層を垂直に貫く軸を中心に順次回転して
いるようならせん構造を示す。このようなコレス
テリツク液晶にはその液晶分子の長軸が電界を印
加した場合に電界方向に揃つてホメオトロピツク
構造のネマチツク状態をとるという性質を有する
ものがある。このような性質を利用し、液晶素子
の電極表面上を平行配向処理もしくは垂直配向処
理することにより、あるいはまた特に配向処理を
施すことなくコレステリツク状態からネマチツク
状態へ、もしくはネマチツク状態からコレステリ
ツク状態への転移を起こさせ表示を行なう方法が
知られている。 一般に液晶表示装置には液晶物質自体の電気光
学的効果を用いるものと他の混入物との相互作用
の結果生じる電気光学的効果を利用するものとが
ある。後者には例えばネマチツク液晶あるいはコ
レステリツク液晶に多色性色素を溶解したものを
用いた液晶表示装置がある。 ところで多色性色素の中には、可視光の吸収の
遷移モーメントの方向が分子の長軸方向と殆ど平
行で、ゲスト分子として上記液晶中に溶解したと
き色素分子軸が液晶分子軸と同方向に良好に配向
するもののあることが知られている。液晶物質中
に溶解された色素分子の配列状態の程度は後述す
るオーダー・パラメーターSで表わすことができ
る。 このような多色性色素を含むネマチツク液晶を
対向する二枚の電極板間に介在させ、これに電圧
を印加すれば液晶の誘電特性、流動特性に基いて
液晶分子は擾乱運動を起こしたり、あるいは電場
方向に分子整列を起こしたりする。このとき、色
素分子は液晶分子と共働的に運動し、これによつ
て色素分子の吸収遷移モーメントに方向変化がひ
き起こされ、液晶表示装置の吸収特性に変化を生
じさせることが可能となり、電気的制御によるカ
ラー表示装置を構成することができる。このよう
な現象は「ゲストーホスト効果」として広く知ら
れている。 (このような装置の論文としては、“Guest−
Host Interaction in Nematic Liquid
Crystals:A New Electra−Optic Effect”G.
H.Heilmeier、アプライド・フイジクス・レター
ズ、1968年8月1日発行第91ページ参照。) また、旋光性物質の添加により、らせん構造を
有するに至つたネマチツク液晶や、元来それ自体
でらせん構造を有するコレステリツク液晶をホス
ト物質として、それに多色性色素を溶解した場合
には、これらのホスト物質の有するらせん構造に
より多色性色素の分子は配列される。このような
ゲスト・ホスト物質のらせん軸に平行に光が伝播
するとき、らせん分子配列により楕円二色性が順
次誘起される。電界を加えない場合、ゲスト・ホ
スト物質は白色入射光を2つの基準モードで伝播
し、それらはそれぞれ右まわり左まわりの楕円偏
光になる。これらのモードを表示する光の電気ベ
クトルの向きはゲスト分子の長軸と密接に関係し
ており、入射光の特定の波長領域がゲスト物質に
よつて吸収され、結果としてゲスト・ホスト物質
は着色状態をとる。電界を加えていくと、ゲス
ト・ホスト物質のらせん構造は巻き戻されて、同
一方向の分子配向(ホメオトロピツク配向)を生
ずる。この配列では入射光はゲスト分子によつて
殆ど吸収されず、従つて、ゲスト・ホスト物質は
透明に見える。(このようなカラー表示法は、例
えば特開昭49−127645などに詳しく述べられてい
る。) ゲスト・ホスト効果を利用した液晶表示素子に
おいて、オン状態とオフ状態の間で優れたコント
ラストを得るためには、ゲストである多色性色素
は一方の状態で強い着色を示し、他方の状態で無
色透明に近い非着色となるような性質をもつてい
なければならない。すなわち、強い着色を与える
ためには、多色性色素の長軸が入射白色光の電気
ベクトルに平行、すなわち光の伝播方向に垂直に
配列される必要があり、他方、透明に近い非着色
な状態を与えるためには、多色性色素分子の長軸
が入射白色光の電気ベクトルに垂直、すなわち光
の伝播方向に平行に配列される必要がある。入射
白色光の液晶物質内での伝播方向は、通常、素子
の空間的構成によつて決定される。この方向は、
通常一対の対向電極面に垂直である。すなわち、
電界が印加される方向に固定される。 しかしながら、液晶分子および色素分子は配列
に関して無秩序な熱的揺動を起こし、光の伝播方
向に対してつねに直交もしくは平行であることは
できない。従つて色素分子の液晶中での特定な方
向に対する配列の秩序正しさが素子のコントラス
トに大きな影響を与えることになる。液晶媒体中
における色素分子の配列の程度は、通常、オーダ
ー・パラメーターと呼ばれる数値で表わされる。
オーダー・パラメーターSは色素分子の吸収遷移
モーメントの液晶分子の配向方向(通常、デイレ
クターと呼ばれるベクトルで表わされる)に対す
る平行度を表わし、次のように定義される。 S=1/2(32−1) 式中、cos2θの項は時間平均されており、θに
多色性色素の吸収遷移モーメントと液晶の配向方
向(デイレクター)とのなす角である。液晶中に
溶解された多色性色素のオーダー・パラメーター
Sは次式を用いて求めることができる。 S=A11−A⊥/2A⊥+A11 式中、A11,A⊥はそれぞれホスト液晶の配向
方向(デイレクター)に対して平行および垂直に
偏光した光に対する色素分子の吸光度を表わす。
従つて吸収スペクトルの測定により、A11,A⊥
を求めれば色素の、ホスト液晶中におけるオーダ
ー・パラメーターSが得られ、色素の配向性を評
価することができる。(オーダー・パラメーター
の測定法に関する論文としては、 “Absorption and Pitch Relationships in
Dichroic Guest−Host Liquid Crystal System.
”H.S.Cole,Jr.,S.Aftergut、ジヤーナル・オ
ブ・ケミカル・フイジクス、1978年、第68巻、第
896ページ参照。) 一般に多色性色素を溶解した液晶を、対向する
二枚の電極板間に介在させて、ゲスト・ホスト効
果に基きカラー表示を行なう型の電気光学素子に
おいては、多色性色素としては、電界の有無に
応じて大きなコントラストを示すために、オーダ
ー・パラメーターSが大きいこと、鮮明な色彩
を実現するために吸光係数が大きいこと、光、
熱、水、酸素等に対する安定性が優れているこ
と、液晶に対する溶解性が大きく、必要な範囲
で任意の濃度が得られること等の条件を満たす特
質をもつていなければならない。さらに、これら
からの条件に加えて、実用上は、黄、赤、
紫、青といつた基本的な色相を有する多色性色素
を各種揃える必要がある。 公知の多色性色素としてはメロシアニン系、ア
ゾ系、アゾメチン系、アントラキノン系等の色素
が挙げられるが、色相的にみて黄色系については
前記4項を満たす実用的な色素はいまだ見当らな
い。 黄色系の色素は単に黄色用としてのみならず、
橙色、緑色、黒色等の配合成分として必要不可欠
な成分であり、本発明者らは鋭意検討を重ねた結
果、オーダーパラメーター、吸光係数、安定性、
溶解性のいずれの点においてもすぐれた黄色の多
色性キノフタロン色素を得、本発明を完成したも
のである。 本発明の電気光学素子に使用される黄色の多色
性キノフタロン色素は下記一般式〔〕 (式中、Xは水素原子、塩素原子または臭素原
子を表わし、Yは酸素原子またはイオウ原子を表
わし、Rはアルキル基、シクロヘキシル基、4−
シクロヘキシルシクロヘキシル基、アルコキシア
ルキル基、フエニル基、p−ヒドロキシフエニル
基、p−シクロヘキシル基、p−アルキルフエニ
ル基、p−アルコキシフエニル基ベルジル基また
はフエネチル基を表わす。) で示される化合物である。 上記一般式において、Rは表わされるアルキル
基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オ
クタデシル基等の炭素原子数1〜18のアルキル基
が挙げられる。シクロアルキル基としては、シク
ロヘキシル基、4−シクロヘキシルシクロヘキシ
ル基等が挙げられる。アルコキシアルキル基とし
てはメトキシエチル基、エトキシエチル基等の低
級アルコキシ低級アルキル基が挙げられる。p−
シクロアルキルフエニル基としては、p−シクロ
ヘキシルフエニル基等が挙げられる。p−アルキ
ルフエニル基としては、p−トリル基、p−エチ
ルフエニル基、p−プロピルフエニル基、p−ブ
チルフエニル基、p−ペンチルフエニル基、p−
ヘキシルフエニル基、p−オクチルフエニル基、
p−ノニルフエニル基、p−デシルフエニル基、
p−ドデシルフエニル基、p−オクタデシルフエ
ニル基等のp−アルキル(C1〜18)フエニル基が
挙げられる。p−アルコキシフエニル基として
は、p−メトキシフエニル基、P−エトキシフエ
ニル基、p−プロポキシフエニル基、p−ブトキ
シフエニル基、p−ヘキシルオキシフエニル基、
p−ヘプチルオキシフエニル基、p−オクチルオ
キシフエニル基、p−ドデシルオキシフエニル
基、p−オクタデシルオキシフエニル基等のp−
アルコキシ(C1〜18)フエニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フエネチル
基等が挙げられる。 前記一般式〔〕で示される多色性キノフタロ
ン色素は、たとえば、2−メチル−3−ヒドロキ
シキノリン−4−カルボン酸を無水トリメリツト
酸と加熱縮合させて〔〕 で示されるキノフタロンカルボン酸を得、これを
不活性有機溶媒中で塩化チオニル、オキシ塩化リ
ン等のハロゲン化剤と反応させて酸ハロゲン化物
に誘導し、次いでアルコール類、フエノール類ま
たはチオール類と反応させ、キノリン核の4−位
に塩素または臭素を導入する場合は常法によりハ
ロゲン化を行なうことにより製造することができ
る。 以下に本発明の電気光学素子に使用される黄色
多色性キノフタロン色素の例およびこれらの色素
を用いた液晶表示素子について実施例により更に
具体的に説明する。 まず、本発明に使用される多色性キノフタロン
色素の例を、その最大吸収波長およびオーダー・
パラメーターとともに表−1に示す。
良好なカラー表示等を可能にした電気光学素子に
関するものであり、下記一般式 (式中、Xは水素原子、塩素原子または臭素原
子を表わし、Yは酸素原子またはイオウ原子を表
わし、Rはアルキル基、シクロヘキシル基、4−
シクロヘキシルシクロヘキシル基、アルコキシア
ルキル基、フエニル基、p−ヒドロキシフエニル
基、p−シクロヘキシルフエニル基、P−アルキ
ルフエニル基、p−アルコキシフエニル基ベンジ
ル基またはフエネチル基を表わす。) で示される黄色の多色性キノフタロン色素の少く
とも一種を含む液晶組成物を対向する二枚の電極
基板間に介在させることを特徴とする電気光学素
子に関するものである。 液晶はその分子配列の仕方により、ネマチツ
ク、コレステリツクおよびスメクチツク液晶の3
種類に分類できる。このうちネマチツク液晶では
すべての分子がその長軸方向が互いに平行である
配向をしている。そして液晶分子の長軸が素子ま
たは容器壁に垂直な場合にはその配列はホメオト
ロピツクと呼ばれ、平行な場合にはその配列はホ
モジニアスと呼ばれる。またネマチツク液晶は適
当な配向処理によりツイストした配列をとらせる
ことができる。一方、コレステリツク液晶では分
子はその長軸方向を互いに平行して配列している
が、さらにこの長軸方向と直交する方向に極めて
薄い層を形成し、各層は分子の長軸方向が全体的
にみて、層を垂直に貫く軸を中心に順次回転して
いるようならせん構造を示す。このようなコレス
テリツク液晶にはその液晶分子の長軸が電界を印
加した場合に電界方向に揃つてホメオトロピツク
構造のネマチツク状態をとるという性質を有する
ものがある。このような性質を利用し、液晶素子
の電極表面上を平行配向処理もしくは垂直配向処
理することにより、あるいはまた特に配向処理を
施すことなくコレステリツク状態からネマチツク
状態へ、もしくはネマチツク状態からコレステリ
ツク状態への転移を起こさせ表示を行なう方法が
知られている。 一般に液晶表示装置には液晶物質自体の電気光
学的効果を用いるものと他の混入物との相互作用
の結果生じる電気光学的効果を利用するものとが
ある。後者には例えばネマチツク液晶あるいはコ
レステリツク液晶に多色性色素を溶解したものを
用いた液晶表示装置がある。 ところで多色性色素の中には、可視光の吸収の
遷移モーメントの方向が分子の長軸方向と殆ど平
行で、ゲスト分子として上記液晶中に溶解したと
き色素分子軸が液晶分子軸と同方向に良好に配向
するもののあることが知られている。液晶物質中
に溶解された色素分子の配列状態の程度は後述す
るオーダー・パラメーターSで表わすことができ
る。 このような多色性色素を含むネマチツク液晶を
対向する二枚の電極板間に介在させ、これに電圧
を印加すれば液晶の誘電特性、流動特性に基いて
液晶分子は擾乱運動を起こしたり、あるいは電場
方向に分子整列を起こしたりする。このとき、色
素分子は液晶分子と共働的に運動し、これによつ
て色素分子の吸収遷移モーメントに方向変化がひ
き起こされ、液晶表示装置の吸収特性に変化を生
じさせることが可能となり、電気的制御によるカ
ラー表示装置を構成することができる。このよう
な現象は「ゲストーホスト効果」として広く知ら
れている。 (このような装置の論文としては、“Guest−
Host Interaction in Nematic Liquid
Crystals:A New Electra−Optic Effect”G.
H.Heilmeier、アプライド・フイジクス・レター
ズ、1968年8月1日発行第91ページ参照。) また、旋光性物質の添加により、らせん構造を
有するに至つたネマチツク液晶や、元来それ自体
でらせん構造を有するコレステリツク液晶をホス
ト物質として、それに多色性色素を溶解した場合
には、これらのホスト物質の有するらせん構造に
より多色性色素の分子は配列される。このような
ゲスト・ホスト物質のらせん軸に平行に光が伝播
するとき、らせん分子配列により楕円二色性が順
次誘起される。電界を加えない場合、ゲスト・ホ
スト物質は白色入射光を2つの基準モードで伝播
し、それらはそれぞれ右まわり左まわりの楕円偏
光になる。これらのモードを表示する光の電気ベ
クトルの向きはゲスト分子の長軸と密接に関係し
ており、入射光の特定の波長領域がゲスト物質に
よつて吸収され、結果としてゲスト・ホスト物質
は着色状態をとる。電界を加えていくと、ゲス
ト・ホスト物質のらせん構造は巻き戻されて、同
一方向の分子配向(ホメオトロピツク配向)を生
ずる。この配列では入射光はゲスト分子によつて
殆ど吸収されず、従つて、ゲスト・ホスト物質は
透明に見える。(このようなカラー表示法は、例
えば特開昭49−127645などに詳しく述べられてい
る。) ゲスト・ホスト効果を利用した液晶表示素子に
おいて、オン状態とオフ状態の間で優れたコント
ラストを得るためには、ゲストである多色性色素
は一方の状態で強い着色を示し、他方の状態で無
色透明に近い非着色となるような性質をもつてい
なければならない。すなわち、強い着色を与える
ためには、多色性色素の長軸が入射白色光の電気
ベクトルに平行、すなわち光の伝播方向に垂直に
配列される必要があり、他方、透明に近い非着色
な状態を与えるためには、多色性色素分子の長軸
が入射白色光の電気ベクトルに垂直、すなわち光
の伝播方向に平行に配列される必要がある。入射
白色光の液晶物質内での伝播方向は、通常、素子
の空間的構成によつて決定される。この方向は、
通常一対の対向電極面に垂直である。すなわち、
電界が印加される方向に固定される。 しかしながら、液晶分子および色素分子は配列
に関して無秩序な熱的揺動を起こし、光の伝播方
向に対してつねに直交もしくは平行であることは
できない。従つて色素分子の液晶中での特定な方
向に対する配列の秩序正しさが素子のコントラス
トに大きな影響を与えることになる。液晶媒体中
における色素分子の配列の程度は、通常、オーダ
ー・パラメーターと呼ばれる数値で表わされる。
オーダー・パラメーターSは色素分子の吸収遷移
モーメントの液晶分子の配向方向(通常、デイレ
クターと呼ばれるベクトルで表わされる)に対す
る平行度を表わし、次のように定義される。 S=1/2(32−1) 式中、cos2θの項は時間平均されており、θに
多色性色素の吸収遷移モーメントと液晶の配向方
向(デイレクター)とのなす角である。液晶中に
溶解された多色性色素のオーダー・パラメーター
Sは次式を用いて求めることができる。 S=A11−A⊥/2A⊥+A11 式中、A11,A⊥はそれぞれホスト液晶の配向
方向(デイレクター)に対して平行および垂直に
偏光した光に対する色素分子の吸光度を表わす。
従つて吸収スペクトルの測定により、A11,A⊥
を求めれば色素の、ホスト液晶中におけるオーダ
ー・パラメーターSが得られ、色素の配向性を評
価することができる。(オーダー・パラメーター
の測定法に関する論文としては、 “Absorption and Pitch Relationships in
Dichroic Guest−Host Liquid Crystal System.
”H.S.Cole,Jr.,S.Aftergut、ジヤーナル・オ
ブ・ケミカル・フイジクス、1978年、第68巻、第
896ページ参照。) 一般に多色性色素を溶解した液晶を、対向する
二枚の電極板間に介在させて、ゲスト・ホスト効
果に基きカラー表示を行なう型の電気光学素子に
おいては、多色性色素としては、電界の有無に
応じて大きなコントラストを示すために、オーダ
ー・パラメーターSが大きいこと、鮮明な色彩
を実現するために吸光係数が大きいこと、光、
熱、水、酸素等に対する安定性が優れているこ
と、液晶に対する溶解性が大きく、必要な範囲
で任意の濃度が得られること等の条件を満たす特
質をもつていなければならない。さらに、これら
からの条件に加えて、実用上は、黄、赤、
紫、青といつた基本的な色相を有する多色性色素
を各種揃える必要がある。 公知の多色性色素としてはメロシアニン系、ア
ゾ系、アゾメチン系、アントラキノン系等の色素
が挙げられるが、色相的にみて黄色系については
前記4項を満たす実用的な色素はいまだ見当らな
い。 黄色系の色素は単に黄色用としてのみならず、
橙色、緑色、黒色等の配合成分として必要不可欠
な成分であり、本発明者らは鋭意検討を重ねた結
果、オーダーパラメーター、吸光係数、安定性、
溶解性のいずれの点においてもすぐれた黄色の多
色性キノフタロン色素を得、本発明を完成したも
のである。 本発明の電気光学素子に使用される黄色の多色
性キノフタロン色素は下記一般式〔〕 (式中、Xは水素原子、塩素原子または臭素原
子を表わし、Yは酸素原子またはイオウ原子を表
わし、Rはアルキル基、シクロヘキシル基、4−
シクロヘキシルシクロヘキシル基、アルコキシア
ルキル基、フエニル基、p−ヒドロキシフエニル
基、p−シクロヘキシル基、p−アルキルフエニ
ル基、p−アルコキシフエニル基ベルジル基また
はフエネチル基を表わす。) で示される化合物である。 上記一般式において、Rは表わされるアルキル
基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オ
クタデシル基等の炭素原子数1〜18のアルキル基
が挙げられる。シクロアルキル基としては、シク
ロヘキシル基、4−シクロヘキシルシクロヘキシ
ル基等が挙げられる。アルコキシアルキル基とし
てはメトキシエチル基、エトキシエチル基等の低
級アルコキシ低級アルキル基が挙げられる。p−
シクロアルキルフエニル基としては、p−シクロ
ヘキシルフエニル基等が挙げられる。p−アルキ
ルフエニル基としては、p−トリル基、p−エチ
ルフエニル基、p−プロピルフエニル基、p−ブ
チルフエニル基、p−ペンチルフエニル基、p−
ヘキシルフエニル基、p−オクチルフエニル基、
p−ノニルフエニル基、p−デシルフエニル基、
p−ドデシルフエニル基、p−オクタデシルフエ
ニル基等のp−アルキル(C1〜18)フエニル基が
挙げられる。p−アルコキシフエニル基として
は、p−メトキシフエニル基、P−エトキシフエ
ニル基、p−プロポキシフエニル基、p−ブトキ
シフエニル基、p−ヘキシルオキシフエニル基、
p−ヘプチルオキシフエニル基、p−オクチルオ
キシフエニル基、p−ドデシルオキシフエニル
基、p−オクタデシルオキシフエニル基等のp−
アルコキシ(C1〜18)フエニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フエネチル
基等が挙げられる。 前記一般式〔〕で示される多色性キノフタロ
ン色素は、たとえば、2−メチル−3−ヒドロキ
シキノリン−4−カルボン酸を無水トリメリツト
酸と加熱縮合させて〔〕 で示されるキノフタロンカルボン酸を得、これを
不活性有機溶媒中で塩化チオニル、オキシ塩化リ
ン等のハロゲン化剤と反応させて酸ハロゲン化物
に誘導し、次いでアルコール類、フエノール類ま
たはチオール類と反応させ、キノリン核の4−位
に塩素または臭素を導入する場合は常法によりハ
ロゲン化を行なうことにより製造することができ
る。 以下に本発明の電気光学素子に使用される黄色
多色性キノフタロン色素の例およびこれらの色素
を用いた液晶表示素子について実施例により更に
具体的に説明する。 まず、本発明に使用される多色性キノフタロン
色素の例を、その最大吸収波長およびオーダー・
パラメーターとともに表−1に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
表−1に記載したオーダー・パラメーターSは
メルク社製のフエニルシクロヘキサン系混合液晶
であるZLI−1132(液晶温度範囲−6℃〜70℃)
に、旋光性物質としてBDH社製の4−(2−メチ
ルブチル)−4′−シアノビフエニルを7重量%加
えたものをホスト液晶とし、その中に上記の多色
性キノフタロン色素を溶解し、透明電極付きの素
子に封入した上で、前出の“Absorption and
Pitch Relationships in Dichroic Guest−Host
Liquid Crystal System”H.S.Cole,Jr.,S.
Aftergut,ジヤーナル・オブ・ケミカル・フイジ
クス、1978年、第68巻、第896ページ記載の方法
に従つて測定したものである。 オーダー・パラメーターの値はホスト液晶の性
質および多色性色素の濃度に部分的に依存してい
るので、ホスト液晶の種類もしくは色素濃度を変
えると多少変動することもあり得る。 表−1に示した多色性キノフタロン色素は、液
晶に対する溶解性がきわめてすぐれており、例え
ば上記のメルク社製ZLI−1132に対しては、その
大部分が室温で0.5〜3重量%以上の溶解度を有
する。 また、表−1の各色素をメルク社製ZLI−1132
に溶解したものを、厚さ3mmの2枚の透明ガラス
基板からなる液晶素子中に封入し、サンシヤイ
ン・ウエザーメーターによる促進劣化試験を行な
つた。その結果、促進劣化100時間でいずれの色
素も吸光度の減少率が10%以下であり、本発明で
使用される色素の光安定性が極めて高いことがわ
かつた。 本発明で用いるネマチツク液晶としては、動作
温度範囲でネマチツク状態を示すものであればか
なり広い範囲で選択することができる。またこの
ようなネマチツク液晶に後述の旋光性物質を加え
ることによりコレステリツク状態をとらせること
ができる。ネマチツク液晶の例としては表−2に
示されるようなもの、あるいはこれらの誘導体が
あげられる。
メルク社製のフエニルシクロヘキサン系混合液晶
であるZLI−1132(液晶温度範囲−6℃〜70℃)
に、旋光性物質としてBDH社製の4−(2−メチ
ルブチル)−4′−シアノビフエニルを7重量%加
えたものをホスト液晶とし、その中に上記の多色
性キノフタロン色素を溶解し、透明電極付きの素
子に封入した上で、前出の“Absorption and
Pitch Relationships in Dichroic Guest−Host
Liquid Crystal System”H.S.Cole,Jr.,S.
Aftergut,ジヤーナル・オブ・ケミカル・フイジ
クス、1978年、第68巻、第896ページ記載の方法
に従つて測定したものである。 オーダー・パラメーターの値はホスト液晶の性
質および多色性色素の濃度に部分的に依存してい
るので、ホスト液晶の種類もしくは色素濃度を変
えると多少変動することもあり得る。 表−1に示した多色性キノフタロン色素は、液
晶に対する溶解性がきわめてすぐれており、例え
ば上記のメルク社製ZLI−1132に対しては、その
大部分が室温で0.5〜3重量%以上の溶解度を有
する。 また、表−1の各色素をメルク社製ZLI−1132
に溶解したものを、厚さ3mmの2枚の透明ガラス
基板からなる液晶素子中に封入し、サンシヤイ
ン・ウエザーメーターによる促進劣化試験を行な
つた。その結果、促進劣化100時間でいずれの色
素も吸光度の減少率が10%以下であり、本発明で
使用される色素の光安定性が極めて高いことがわ
かつた。 本発明で用いるネマチツク液晶としては、動作
温度範囲でネマチツク状態を示すものであればか
なり広い範囲で選択することができる。またこの
ようなネマチツク液晶に後述の旋光性物質を加え
ることによりコレステリツク状態をとらせること
ができる。ネマチツク液晶の例としては表−2に
示されるようなもの、あるいはこれらの誘導体が
あげられる。
【表】
【表】
表−2の液晶はいずれも誘電異方性が正である
が誘電異方性が負の公知のエステル系、アゾキシ
系、アゾ系、シツフ系、ピリミジン系、ジエステ
ル系あるいはビフエニルエステル系の液晶も誘電
異方性が正の液晶を混合して、全体として正とす
ることができる。また、誘電異方性が負の液晶で
も適当な素子構成および駆動法を用いればそのま
ま使用できることは勿論である。 本発明に用いる旋光性物質としてはカイラルネ
マチツク化合物、例えば、2−メチルブチル基、
3−メチルブトキシ基、3−メチルベンチル基、
3−メチルペントキシ基、4−メチルヘキシル
基、4−メチルヘプトキシ基などの光学活性基を
ネマチツク液晶に導入した化合物がある。また特
開昭51−45546号に示されているl−メントー
ル、d−ボルネオール等のアルコール誘導体、d
−シヨウノウ、3−メチルシクロヘキサノン等の
ケトン誘導体、d−シトロネラ酸、l−シヨウノ
ウ酸等のカルボン酸誘導体、d−シトロネラール
等のアルデヒド誘導体、d−リノネン等のアルケ
ン誘導体、その他のアミン、アミド、ニトリル誘
導体などの光学活性物質は勿論使用できる。 本発明に使用する素子とは公知の液晶表示用素
子を使用できる。ツイストネマチツク方式のよう
な偏光板を用いない素子としては一般に少くとも
一方が透明なガラス基板上に任意のパターンの透
明電極を設け、電極面が対向するように適当なス
ペーサーを介して平行に素子を構成したものが用
いられる。この場合、スペーサーにより素子のギ
ヤツプが決められる。素子ギヤツプとしては3〜
100μm、特に5〜50μmが実用的見地から好ま
しい。 以下、本発明を実施例を示して説明する。 実施例 1 メルク社製のフエニルシクロヘキサン系混合液
晶であるZLI−1132(液晶温度範囲−6〜70℃)
を用い、これに旋光性物質としてBDH社製の4
−(2−メチルブチル)−4′−シアノビフエニルを
7重量%加え、多色性色素として、表−1の8の
色素 を1重量%添加し、70℃以上に加熱し、等方性液
体状態でよく撹拌した後、放置冷却する工程を繰
返し行ない色素を溶解した。 このように調製した上記液晶組成物を透明電極
を有し液晶と接する面をポリアミド樹脂を塗布し
てラビングした上下2枚のガラス基板からなるギ
ヤツプ10μmの素子に封入した。上記の配向処理
を施した素子内では電圧無印加のとき上記液晶組
成物は、らせん軸が基板面に垂直であるグランジ
ヤン配向と呼ばれるコレステリツク状態をとり、
色素分子もホスト液晶に従つて同様の配向をと
る。その結果、素子を誘過した光は強く着色して
見える。第1図には電圧無印加時の上記素子の断
面図を示す。上記素子に一定以上の電圧を印加す
ると液晶組成物は配向方向が基板面に垂直である
ホメオトロピツク配向をとり、色素分子もホスト
液晶に従つて同様の配向をとるので、素子は非着
色状態を呈する。第2図には電圧印加時の上記素
子の断面図を示す。上記多色性色素を用いた場合
には、電圧無印加状態で鮮やかな黄色、電圧印加
状態でごくうすい黄色を呈し、オン状態とオフ状
態との間で良好なコントラストが得られた。上記
素子の電圧無印加時および電圧印加時の吸収スペ
クトルを第3図に示す。本実施例色素の上記ホス
ト液晶中における最大吸収波長は447nm、オーダ
ー・パラメーターは0.66であつた。 さらに、本実施例色素の実用的安定性に関して
知見を得るために促進劣化試験を実施した。すな
わち上記色素を溶解した上記液晶を、上記素子に
封入したものをサンシヤイン・ウエザーメーター
中に100時間放置し、吸光度の減少率を追跡し
た。また比較のために、従来色素のうち代表的な
ものを同時に素子化し、上記キノフタロン色素と
同時に平行して促進劣化試験を行なつた。本実施
例で用いたサンシヤイン・ウエザーメーターはカ
ーボン・アークにより、ほぼ白色に近い強力な光
を試料に連続照射する。さらにスプレーにより
120分間に18分間の割合で水が試料に対して直接
吹きつけられる。ウエザーメーターの試料室内は
大気圧で、温度は35〜60℃に、湿度は30〜70%に
それぞれ保持される。 上記ウエザーメーターによる促進劣化試験の結
果を第4図に示す。図中、曲線1は本実施例色素
を、曲線2はメロシアニン色素 を、曲線3はアゾ色素 を、曲線4はアゾメチン色素 を、それぞれ含む素子の吸光度の変化を示す。第
4図より、従来の二色性色素に比べて本発明で使
用される色素の安定性がきわめて高いことがわか
る。すなわち、本実施例のキノフタロン色素の吸
光度の減少率は上記ウエザーメーターによる促進
劣化100時間で10%以下であつた。 なお、本実施例で使用した透明ガラス基板は
300nm以下の波長での透過率がほとんど0であつ
た。 実施例 2 実施例1で用いたものと全く同様の液晶(旋光
物質7重量%)に多色性色素として表−1の15の
色素 を1重量%添加した液晶組成物を実施例1と全く
同様の素子に封入し、電圧無印加時および電圧印
加時の吸収スペクトルを測定した。この場合もオ
ン状態とオフ状態の間で良好なコントラストが得
られた。本実施例色素の上記液晶中での最大吸収
波長は448nm、オーダー・パラメーターは0.63で
あつた。 また、実施例1と同様の方法で100時間の促進
劣化試験を行なつたところ、吸光度の減少率は10
%以下であり、きわめて安定性がすぐれているこ
とがわかつた。 実施例 3 実施例1で用いたものと全く同様の液晶(旋光
性物質7重量%)に多色性色素として表−1の22
の色素 を3重量%添加した液晶組成物を実施例1と全く
同様の素子に封入し、電圧無印加時および電圧印
加時の吸収スペクトルを測定した。その結果を第
5図に示す。この場合もオン状態とオフ状態の間
で良好なコントラストが得られた。本実施例色素
の上記液晶中での最大吸収波長は448nm、オーダ
ー・パラメーターは0.62であつた。 また、実施例1と同様の方法で100時間の促進
劣化試験を行なつたところ、吸光度の減少率10%
以下であり、きわめて安定性がすぐれていること
がわかつた。
が誘電異方性が負の公知のエステル系、アゾキシ
系、アゾ系、シツフ系、ピリミジン系、ジエステ
ル系あるいはビフエニルエステル系の液晶も誘電
異方性が正の液晶を混合して、全体として正とす
ることができる。また、誘電異方性が負の液晶で
も適当な素子構成および駆動法を用いればそのま
ま使用できることは勿論である。 本発明に用いる旋光性物質としてはカイラルネ
マチツク化合物、例えば、2−メチルブチル基、
3−メチルブトキシ基、3−メチルベンチル基、
3−メチルペントキシ基、4−メチルヘキシル
基、4−メチルヘプトキシ基などの光学活性基を
ネマチツク液晶に導入した化合物がある。また特
開昭51−45546号に示されているl−メントー
ル、d−ボルネオール等のアルコール誘導体、d
−シヨウノウ、3−メチルシクロヘキサノン等の
ケトン誘導体、d−シトロネラ酸、l−シヨウノ
ウ酸等のカルボン酸誘導体、d−シトロネラール
等のアルデヒド誘導体、d−リノネン等のアルケ
ン誘導体、その他のアミン、アミド、ニトリル誘
導体などの光学活性物質は勿論使用できる。 本発明に使用する素子とは公知の液晶表示用素
子を使用できる。ツイストネマチツク方式のよう
な偏光板を用いない素子としては一般に少くとも
一方が透明なガラス基板上に任意のパターンの透
明電極を設け、電極面が対向するように適当なス
ペーサーを介して平行に素子を構成したものが用
いられる。この場合、スペーサーにより素子のギ
ヤツプが決められる。素子ギヤツプとしては3〜
100μm、特に5〜50μmが実用的見地から好ま
しい。 以下、本発明を実施例を示して説明する。 実施例 1 メルク社製のフエニルシクロヘキサン系混合液
晶であるZLI−1132(液晶温度範囲−6〜70℃)
を用い、これに旋光性物質としてBDH社製の4
−(2−メチルブチル)−4′−シアノビフエニルを
7重量%加え、多色性色素として、表−1の8の
色素 を1重量%添加し、70℃以上に加熱し、等方性液
体状態でよく撹拌した後、放置冷却する工程を繰
返し行ない色素を溶解した。 このように調製した上記液晶組成物を透明電極
を有し液晶と接する面をポリアミド樹脂を塗布し
てラビングした上下2枚のガラス基板からなるギ
ヤツプ10μmの素子に封入した。上記の配向処理
を施した素子内では電圧無印加のとき上記液晶組
成物は、らせん軸が基板面に垂直であるグランジ
ヤン配向と呼ばれるコレステリツク状態をとり、
色素分子もホスト液晶に従つて同様の配向をと
る。その結果、素子を誘過した光は強く着色して
見える。第1図には電圧無印加時の上記素子の断
面図を示す。上記素子に一定以上の電圧を印加す
ると液晶組成物は配向方向が基板面に垂直である
ホメオトロピツク配向をとり、色素分子もホスト
液晶に従つて同様の配向をとるので、素子は非着
色状態を呈する。第2図には電圧印加時の上記素
子の断面図を示す。上記多色性色素を用いた場合
には、電圧無印加状態で鮮やかな黄色、電圧印加
状態でごくうすい黄色を呈し、オン状態とオフ状
態との間で良好なコントラストが得られた。上記
素子の電圧無印加時および電圧印加時の吸収スペ
クトルを第3図に示す。本実施例色素の上記ホス
ト液晶中における最大吸収波長は447nm、オーダ
ー・パラメーターは0.66であつた。 さらに、本実施例色素の実用的安定性に関して
知見を得るために促進劣化試験を実施した。すな
わち上記色素を溶解した上記液晶を、上記素子に
封入したものをサンシヤイン・ウエザーメーター
中に100時間放置し、吸光度の減少率を追跡し
た。また比較のために、従来色素のうち代表的な
ものを同時に素子化し、上記キノフタロン色素と
同時に平行して促進劣化試験を行なつた。本実施
例で用いたサンシヤイン・ウエザーメーターはカ
ーボン・アークにより、ほぼ白色に近い強力な光
を試料に連続照射する。さらにスプレーにより
120分間に18分間の割合で水が試料に対して直接
吹きつけられる。ウエザーメーターの試料室内は
大気圧で、温度は35〜60℃に、湿度は30〜70%に
それぞれ保持される。 上記ウエザーメーターによる促進劣化試験の結
果を第4図に示す。図中、曲線1は本実施例色素
を、曲線2はメロシアニン色素 を、曲線3はアゾ色素 を、曲線4はアゾメチン色素 を、それぞれ含む素子の吸光度の変化を示す。第
4図より、従来の二色性色素に比べて本発明で使
用される色素の安定性がきわめて高いことがわか
る。すなわち、本実施例のキノフタロン色素の吸
光度の減少率は上記ウエザーメーターによる促進
劣化100時間で10%以下であつた。 なお、本実施例で使用した透明ガラス基板は
300nm以下の波長での透過率がほとんど0であつ
た。 実施例 2 実施例1で用いたものと全く同様の液晶(旋光
物質7重量%)に多色性色素として表−1の15の
色素 を1重量%添加した液晶組成物を実施例1と全く
同様の素子に封入し、電圧無印加時および電圧印
加時の吸収スペクトルを測定した。この場合もオ
ン状態とオフ状態の間で良好なコントラストが得
られた。本実施例色素の上記液晶中での最大吸収
波長は448nm、オーダー・パラメーターは0.63で
あつた。 また、実施例1と同様の方法で100時間の促進
劣化試験を行なつたところ、吸光度の減少率は10
%以下であり、きわめて安定性がすぐれているこ
とがわかつた。 実施例 3 実施例1で用いたものと全く同様の液晶(旋光
性物質7重量%)に多色性色素として表−1の22
の色素 を3重量%添加した液晶組成物を実施例1と全く
同様の素子に封入し、電圧無印加時および電圧印
加時の吸収スペクトルを測定した。その結果を第
5図に示す。この場合もオン状態とオフ状態の間
で良好なコントラストが得られた。本実施例色素
の上記液晶中での最大吸収波長は448nm、オーダ
ー・パラメーターは0.62であつた。 また、実施例1と同様の方法で100時間の促進
劣化試験を行なつたところ、吸光度の減少率10%
以下であり、きわめて安定性がすぐれていること
がわかつた。
第1図本発明表示素子の電圧無印状態の略示的
断面図 1……透明ガラス基板、2……多色性色素分
子、3……ホスト液晶分子、4……透明電極、5
……入射光、第2図本発明表示素子の電圧印加状
態の略示的断面図、1……透明ガラス基板、2…
…多色性色素分子、3……ホスト液晶分子、4…
…透明電極、5……入射光 第3図本発明の実施例1の表示素子の電圧無印
加時および電圧印加時における分光特性。横軸は
波長を、縦軸は吸光度を示す。 1……電圧無印加時における分光特性、2……
電圧印加時における分光特性 第4図本発明の実施例1のキノフタロン色素を
含む素子および従来の代表的な二色性色素を含む
素子の吸光度の経時変化。横軸はサンシヤイン・
ウエザーメーターによる促進劣化時間を、縦軸は
初期吸光度Aiに対する各時点の吸光度Aの比を
示す。 1……実施例1のキノフタロン色素の吸光度の
経時変化、2……従来の多色性メロシアニン色素
の吸光度の経時変化、3……従来の多色性アゾ色
素の吸光度の経時変化、4……従来の多色性アゾ
メチン色素の吸光度の経時変化 第5図本発明の実施例3の表示素子の電圧無印
加時および電圧印加時における分光特性。横軸に
波長を、縦軸は吸光度を示す。 1……電圧無印加時における分光特性、2……
電圧印加時における分光特性。
断面図 1……透明ガラス基板、2……多色性色素分
子、3……ホスト液晶分子、4……透明電極、5
……入射光、第2図本発明表示素子の電圧印加状
態の略示的断面図、1……透明ガラス基板、2…
…多色性色素分子、3……ホスト液晶分子、4…
…透明電極、5……入射光 第3図本発明の実施例1の表示素子の電圧無印
加時および電圧印加時における分光特性。横軸は
波長を、縦軸は吸光度を示す。 1……電圧無印加時における分光特性、2……
電圧印加時における分光特性 第4図本発明の実施例1のキノフタロン色素を
含む素子および従来の代表的な二色性色素を含む
素子の吸光度の経時変化。横軸はサンシヤイン・
ウエザーメーターによる促進劣化時間を、縦軸は
初期吸光度Aiに対する各時点の吸光度Aの比を
示す。 1……実施例1のキノフタロン色素の吸光度の
経時変化、2……従来の多色性メロシアニン色素
の吸光度の経時変化、3……従来の多色性アゾ色
素の吸光度の経時変化、4……従来の多色性アゾ
メチン色素の吸光度の経時変化 第5図本発明の実施例3の表示素子の電圧無印
加時および電圧印加時における分光特性。横軸に
波長を、縦軸は吸光度を示す。 1……電圧無印加時における分光特性、2……
電圧印加時における分光特性。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、Xは水素原子、塩素原子または臭素原
子を表わし、Yは酸素原子またはイオウ原子を表
わし、Rはアルキル基、シクロヘキシル基、4−
シクロヘキシルシクロヘキシル基、アルコキシア
ルキル基、フエニル基、p−ヒドロキシフエニル
基、p−シクロヘキシルフエニル基、p−アルキ
ルフエニル基、p−アルコキシフエニル基、ベン
ジル基またはフエネチル基を表わす。) で示されるキノフタロン系色素の少くとも一種を
含む液晶組成物により構成されることを特徴とす
る電気光学素子。 2 一般式 (式中、Xは水素原子、塩素原子または臭素原
子を表わし、R1は水素原子、ヒドロキシル基、
シクロヘキシル基、炭素原子数1〜18のアルキル
基または炭素原子数1〜18のアルコキシ基を表わ
す。) で示されるキノフタロン系色素の少くとも一種を
含む液晶組成物により構成される特許請求の範囲
第1項記載の電気光学素子。 3 一般式 (式中、Xは水素原子、塩素原子または臭素原
子を表わし、R2は炭素原子数1〜18のアルキル
基、シクロヘキシル基、4−シクロヘキシルシク
ロヘキシル基、低級アルコキシ低級アルキル基、
ベンジル基またはフエネチル基を表わす。) で示されるキノフタロン系色素の少くとも一種を
含む液晶組成物により構成される特許請求の範囲
第1項記載の電気光学素子。 4 一般式 (式中、Xは水素原子、塩素原子または臭素原
子を表わし、R3は炭素原子数1〜18のアルキル
基を表わす。) で示されるキノフタロン系色素の少くとも一種を
含む液晶組成物により構成される特許請求の範囲
第1項記載の電気光学素子。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11631379A JPS5641288A (en) | 1979-09-11 | 1979-09-11 | Electro-optical element |
GB8029216A GB2064572B (en) | 1979-09-11 | 1980-09-10 | Liquid crystal composition |
DE19803034249 DE3034249A1 (de) | 1979-09-11 | 1980-09-11 | Fluessigkristall-zusammensetzung |
US06/186,043 US4324455A (en) | 1979-09-11 | 1980-09-11 | Liquid crystal composition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11631379A JPS5641288A (en) | 1979-09-11 | 1979-09-11 | Electro-optical element |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5641288A JPS5641288A (en) | 1981-04-17 |
JPS6254152B2 true JPS6254152B2 (ja) | 1987-11-13 |
Family
ID=14683897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11631379A Granted JPS5641288A (en) | 1979-09-11 | 1979-09-11 | Electro-optical element |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5641288A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT1190656B (it) * | 1982-01-18 | 1988-02-24 | Ausimont Spa | Coloranti organici contenenti gruppi silanici e loro processo di preparazione |
JPS58141278A (ja) * | 1982-02-17 | 1983-08-22 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | ゲスト−ホスト型液晶組成物 |
-
1979
- 1979-09-11 JP JP11631379A patent/JPS5641288A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5641288A (en) | 1981-04-17 |
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