JPH1076275A - 廃水処理剤 - Google Patents
廃水処理剤Info
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- JPH1076275A JPH1076275A JP8233401A JP23340196A JPH1076275A JP H1076275 A JPH1076275 A JP H1076275A JP 8233401 A JP8233401 A JP 8233401A JP 23340196 A JP23340196 A JP 23340196A JP H1076275 A JPH1076275 A JP H1076275A
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- reagent solution
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 鉄、ナトリウムおよびカリウムの硫酸塩
の混合酸性溶液からなる第一の試薬溶液と、アルミニウ
ム、ナトリウムおよびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液
からなる第二の試薬溶液と、チタン、マグネシウム、ナ
トリウムおよびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液からな
る第三の試薬溶液とを含む廃水処理剤を廃水に添加す
る。 【効果】 鉄、アルミニウム、チタンイオンの水酸化物
の沈殿に、廃水に含まれるBODまたはCOD関連物質
が吸着され、この沈殿が凝集されることにより、効率よ
く、多量の有機物質を含む廃水を処理することができ
る。
の混合酸性溶液からなる第一の試薬溶液と、アルミニウ
ム、ナトリウムおよびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液
からなる第二の試薬溶液と、チタン、マグネシウム、ナ
トリウムおよびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液からな
る第三の試薬溶液とを含む廃水処理剤を廃水に添加す
る。 【効果】 鉄、アルミニウム、チタンイオンの水酸化物
の沈殿に、廃水に含まれるBODまたはCOD関連物質
が吸着され、この沈殿が凝集されることにより、効率よ
く、多量の有機物質を含む廃水を処理することができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デンプンやタンパ
ク質などの有機物質を含有する廃水の処理のための廃水
処理剤、および前記廃水処理剤を用いて金属水酸化物を
沈殿物凝集分離法により除去して、廃水中の生物学的酸
素要求量(BOD)または化学的酸素要求量(COD)
に関連する物質の除去効率を格段に高めた廃水処理法に
関する。
ク質などの有機物質を含有する廃水の処理のための廃水
処理剤、および前記廃水処理剤を用いて金属水酸化物を
沈殿物凝集分離法により除去して、廃水中の生物学的酸
素要求量(BOD)または化学的酸素要求量(COD)
に関連する物質の除去効率を格段に高めた廃水処理法に
関する。
【0002】
【従来の技術】多量のデンプンやタンパク質などの有機
物質を含有する廃水は、従来、活性汚泥法により処理が
行われてきた。この活性汚泥法においては、廃水は以下
のように処理される。
物質を含有する廃水は、従来、活性汚泥法により処理が
行われてきた。この活性汚泥法においては、廃水は以下
のように処理される。
【0003】まず、第一沈殿槽内の廃水に凝集剤を加
え、懸濁固形物質(SS)を除去し、残液を曝気槽に移
す。次に、曝気槽内の溶液を第二沈殿槽に送り、曝気に
よって生じた沈殿汚泥から上澄液を処理水として分離す
る。第二沈殿槽内の汚泥の大部分は第一沈殿槽の汚泥と
共に排出されて処分されるが、第二沈殿槽の一部の汚泥
は曝気槽に戻されて再使用される。
え、懸濁固形物質(SS)を除去し、残液を曝気槽に移
す。次に、曝気槽内の溶液を第二沈殿槽に送り、曝気に
よって生じた沈殿汚泥から上澄液を処理水として分離す
る。第二沈殿槽内の汚泥の大部分は第一沈殿槽の汚泥と
共に排出されて処分されるが、第二沈殿槽の一部の汚泥
は曝気槽に戻されて再使用される。
【0004】従来の活性汚泥処理法では、上述のよう
に、第一沈殿槽、曝気槽、第二沈殿槽などを必要とする
ため、廃水処理施設の設置には、広い場所が必要であ
る。また、デンプンやタンパク質等の有機物を多量に含
む廃水を処理する場合、第一沈殿槽内に沈殿物に沈殿物
が長時間と滞留するために、廃水中の有機物の酸化や腐
敗が生じ、強烈な悪臭が発生することがある。
に、第一沈殿槽、曝気槽、第二沈殿槽などを必要とする
ため、廃水処理施設の設置には、広い場所が必要であ
る。また、デンプンやタンパク質等の有機物を多量に含
む廃水を処理する場合、第一沈殿槽内に沈殿物に沈殿物
が長時間と滞留するために、廃水中の有機物の酸化や腐
敗が生じ、強烈な悪臭が発生することがある。
【0005】さらに、微生物による廃水処理に長時間を
要するため、多量の廃水を迅速に処理するのには適さな
い。また、従来の処理方法においては、廃水に含まれる
物質の凝集剤として、硫酸アルミニウム、塩化アルミニ
ウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸鉄、塩化鉄、ポリ塩
化鉄等の無機塩類が使用されている。しかし、これらの
凝集剤を用いても、凝集効果は十分なものではなく、ア
ニオン性あるいはカチオン性高分子凝集剤が併せて使用
されている。
要するため、多量の廃水を迅速に処理するのには適さな
い。また、従来の処理方法においては、廃水に含まれる
物質の凝集剤として、硫酸アルミニウム、塩化アルミニ
ウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸鉄、塩化鉄、ポリ塩
化鉄等の無機塩類が使用されている。しかし、これらの
凝集剤を用いても、凝集効果は十分なものではなく、ア
ニオン性あるいはカチオン性高分子凝集剤が併せて使用
されている。
【0006】さらに、こうした凝集剤の併用に加えて、
微生物による処理工程を組み合わせる処理システム等
が、一般的に用いられている。上記の無機の凝集剤、例
えば、ポリテツ(日鉄鉱業製)やタックエース(テクノ
ワールド社製)などを添加する処理系では、処理工程が
煩雑であるといった問題があった。
微生物による処理工程を組み合わせる処理システム等
が、一般的に用いられている。上記の無機の凝集剤、例
えば、ポリテツ(日鉄鉱業製)やタックエース(テクノ
ワールド社製)などを添加する処理系では、処理工程が
煩雑であるといった問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、以上の
ような課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、3つの
試薬からなる廃水処理剤が優れた効果を有することを見
出し、本発明を完成した。この廃水処理剤は、少なくと
も、従来凝集剤として用いられてきた硫酸アルミニウム
を第一の試薬溶液中に、硫酸鉄を第二の試薬溶液中に、
そしてチタンの硫酸塩を第三の試薬溶液中にそれぞれ含
む。
ような課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、3つの
試薬からなる廃水処理剤が優れた効果を有することを見
出し、本発明を完成した。この廃水処理剤は、少なくと
も、従来凝集剤として用いられてきた硫酸アルミニウム
を第一の試薬溶液中に、硫酸鉄を第二の試薬溶液中に、
そしてチタンの硫酸塩を第三の試薬溶液中にそれぞれ含
む。
【0008】また、本発明者らは、上記廃水処理剤を用
いることにより、微生物処理を必要とせず、短時間で廃
水の処理を行うことができる廃水処理方法、および、広
い設置場所を必要とせず、また、多量の廃水を短時間に
処理することができる廃水処理装置をも完成した。
いることにより、微生物処理を必要とせず、短時間で廃
水の処理を行うことができる廃水処理方法、および、広
い設置場所を必要とせず、また、多量の廃水を短時間に
処理することができる廃水処理装置をも完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
鉄、ナトリウムおよびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液
からなる第一の試薬溶液と、アルミニウム、ナトリウム
およびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液からなる第二の
試薬溶液と、チタン、マグネシウム、ナトリウムおよび
カリウムの硫酸塩の混合酸性溶液からなる第三の試薬溶
液を含む廃水処理剤である。
鉄、ナトリウムおよびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液
からなる第一の試薬溶液と、アルミニウム、ナトリウム
およびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液からなる第二の
試薬溶液と、チタン、マグネシウム、ナトリウムおよび
カリウムの硫酸塩の混合酸性溶液からなる第三の試薬溶
液を含む廃水処理剤である。
【0010】上記廃水処理剤においては、上記第一の試
薬溶液中の硫酸鉄の有効モル濃度が0.01〜0.3mol/Lであ
り、上記第二の試薬溶液中の硫酸アルミニウムの有効モ
ル濃度が0.001 〜0.05mol/L であり、上記第三の試薬溶
液中の硫酸チタンの有効モル濃度が0.005 〜0.1mol/Lで
ある。
薬溶液中の硫酸鉄の有効モル濃度が0.01〜0.3mol/Lであ
り、上記第二の試薬溶液中の硫酸アルミニウムの有効モ
ル濃度が0.001 〜0.05mol/L であり、上記第三の試薬溶
液中の硫酸チタンの有効モル濃度が0.005 〜0.1mol/Lで
ある。
【0011】本発明は、また、廃水処理剤を廃水に添加
する添加工程と、中和剤を添加して廃水中に含まれる特
定の金属イオンを金属水酸化物として沈殿させる沈殿工
程と、前記金属水酸化物に廃水中に含まれるBODまた
はCODの関連物質を吸着させる吸着工程と、凝集剤を
添加して前記BODまたはCODの関連物質が吸着した
沈殿した金属水酸化物を凝集させて凝集沈殿物とする凝
集沈殿工程と、前記凝集沈殿物を除去する除去工程とを
含む廃水処理方法である。
する添加工程と、中和剤を添加して廃水中に含まれる特
定の金属イオンを金属水酸化物として沈殿させる沈殿工
程と、前記金属水酸化物に廃水中に含まれるBODまた
はCODの関連物質を吸着させる吸着工程と、凝集剤を
添加して前記BODまたはCODの関連物質が吸着した
沈殿した金属水酸化物を凝集させて凝集沈殿物とする凝
集沈殿工程と、前記凝集沈殿物を除去する除去工程とを
含む廃水処理方法である。
【0012】本発明は、さらに、廃水を供給する廃水供
給手段と、中和剤を添加して廃水中に含まれる特定の金
属イオンを金属水酸化物として沈殿させる沈殿手段と、
前記金属水酸化物に廃水中に含まれるBODまたはCO
D関連物質を吸着させる吸着手段と、凝集剤を添加して
前記BODまたはCODの関連物質が吸着した金属水酸
化物を凝集沈殿物として凝集させる凝集沈殿手段と、前
記凝集沈殿物を除去する除去手段とを含む廃水処理装置
である。
給手段と、中和剤を添加して廃水中に含まれる特定の金
属イオンを金属水酸化物として沈殿させる沈殿手段と、
前記金属水酸化物に廃水中に含まれるBODまたはCO
D関連物質を吸着させる吸着手段と、凝集剤を添加して
前記BODまたはCODの関連物質が吸着した金属水酸
化物を凝集沈殿物として凝集させる凝集沈殿手段と、前
記凝集沈殿物を除去する除去手段とを含む廃水処理装置
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の廃水処理剤は、上記のように3つの試薬か
らなる。第一の試薬溶液は、鉄、ナトリウムおよびカリ
ウムの硫酸塩の混合酸性溶液、第二の試薬溶液は、アル
ミニウム、ナトリウム、およびカリウムの硫酸塩の混合
酸性溶液、第三の試薬溶液は、チタン、マグネシウム、
ナトリウムおよびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液であ
る。
る。本発明の廃水処理剤は、上記のように3つの試薬か
らなる。第一の試薬溶液は、鉄、ナトリウムおよびカリ
ウムの硫酸塩の混合酸性溶液、第二の試薬溶液は、アル
ミニウム、ナトリウム、およびカリウムの硫酸塩の混合
酸性溶液、第三の試薬溶液は、チタン、マグネシウム、
ナトリウムおよびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液であ
る。
【0014】上記3つの試薬溶液は、各試薬の安定化の
ために硫酸を加えた酸性の溶液である。ここで溶液を酸
性とするのは、鉄イオン、アルミニウムイオンおよびチ
タンイオンが水酸化物として沈殿し、試薬としての効果
が発揮されなくなることを防止するためである。
ために硫酸を加えた酸性の溶液である。ここで溶液を酸
性とするのは、鉄イオン、アルミニウムイオンおよびチ
タンイオンが水酸化物として沈殿し、試薬としての効果
が発揮されなくなることを防止するためである。
【0015】また、上記イオンを含む溶液を酸性とする
には、硫酸の他、塩酸や硝酸を用いることもできるが、
本発明においては硫酸を使用する。これは、塩酸では塩
化物イオン濃度が規制されているという問題があるこ
と、また、硝酸では、酸化性があることの他に、バクテ
リアの窒素補充源となるという問題があることによる。
には、硫酸の他、塩酸や硝酸を用いることもできるが、
本発明においては硫酸を使用する。これは、塩酸では塩
化物イオン濃度が規制されているという問題があるこ
と、また、硝酸では、酸化性があることの他に、バクテ
リアの窒素補充源となるという問題があることによる。
【0016】上記第一および第二の試薬溶液の硫酸濃度
は、0.008 〜0.015mol/Lであることが好ましく、0.1mol
/Lとすると、上記第一および第二の試薬溶液の安定性を
向上させることができるとともに後述する中和剤の添加
量を少なくすることができる。また、上記第三の試薬溶
液の硫酸濃度は0.1 〜0.15mol/L であることが好まし
く、0.13mol/ Lとすると上記第三の試薬溶液の安定性を
向上させ、後述する中和剤の添加量を少なくすることが
できる。
は、0.008 〜0.015mol/Lであることが好ましく、0.1mol
/Lとすると、上記第一および第二の試薬溶液の安定性を
向上させることができるとともに後述する中和剤の添加
量を少なくすることができる。また、上記第三の試薬溶
液の硫酸濃度は0.1 〜0.15mol/L であることが好まし
く、0.13mol/ Lとすると上記第三の試薬溶液の安定性を
向上させ、後述する中和剤の添加量を少なくすることが
できる。
【0017】第一および第二の試薬溶液の硫酸濃度に比
べて第三の試薬溶液の硫酸濃度が高いのは、第三の試薬
溶液に含まれるチタンが水酸化されて水酸化物に変化し
やすいためである。上記第一の試薬溶液中の硫酸鉄の有
効モル濃度は、0.01〜0.3mol/Lであることがフロックの
凝集状態とその大きさの点から好ましく、0.05〜0.2mol
/Lであることが試薬溶液調製の容易さ、試薬溶液の安定
性および試薬使用体積の少量化の面からさらに好まし
い。
べて第三の試薬溶液の硫酸濃度が高いのは、第三の試薬
溶液に含まれるチタンが水酸化されて水酸化物に変化し
やすいためである。上記第一の試薬溶液中の硫酸鉄の有
効モル濃度は、0.01〜0.3mol/Lであることがフロックの
凝集状態とその大きさの点から好ましく、0.05〜0.2mol
/Lであることが試薬溶液調製の容易さ、試薬溶液の安定
性および試薬使用体積の少量化の面からさらに好まし
い。
【0018】上記第二の試薬溶液中の硫酸アルミニウム
の有効モル濃度は、0.001 〜0.05mol/L であることがフ
ロックの凝集状態とその大きさの点から好ましく、0.05
mol/L であることが試薬溶液調製の容易さ、試薬溶液の
安定性および試薬使用体積の少量化の面からさらに好ま
しい。
の有効モル濃度は、0.001 〜0.05mol/L であることがフ
ロックの凝集状態とその大きさの点から好ましく、0.05
mol/L であることが試薬溶液調製の容易さ、試薬溶液の
安定性および試薬使用体積の少量化の面からさらに好ま
しい。
【0019】上記第三の試薬溶液中の硫酸チタンの濃度
は、0.005 〜0.1mol/Lであることがフロックの凝集状態
とその大きさの点から好ましく、0.1 mol/L であること
が試薬溶液調製の容易さ、試薬溶液の安定性および試薬
使用体積の少量化の面からさらに好ましい。
は、0.005 〜0.1mol/Lであることがフロックの凝集状態
とその大きさの点から好ましく、0.1 mol/L であること
が試薬溶液調製の容易さ、試薬溶液の安定性および試薬
使用体積の少量化の面からさらに好ましい。
【0020】上記第一〜第三の試薬溶液は、硫酸鉄、硫
酸アルミニウム、硫酸チタンの他に、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン、またはマグネシウムイオンを硫酸
塩としてそれぞれ0.05〜0.3mol/L含む。これらのイオン
の量が0.05mol/L 未満では、BODまたはCOD関連物
質の吸着が小さいために小さな沈殿が形成され、こうし
た小さな沈殿は凝集剤を添加してもフロックになりにく
く、完全に沈殿させることもできず除去も困難である。
一方、これらのイオンの濃度が0.3mol/Lを超えると、飽
和溶解度を超えるため、試薬の調製が困難となる。
酸アルミニウム、硫酸チタンの他に、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン、またはマグネシウムイオンを硫酸
塩としてそれぞれ0.05〜0.3mol/L含む。これらのイオン
の量が0.05mol/L 未満では、BODまたはCOD関連物
質の吸着が小さいために小さな沈殿が形成され、こうし
た小さな沈殿は凝集剤を添加してもフロックになりにく
く、完全に沈殿させることもできず除去も困難である。
一方、これらのイオンの濃度が0.3mol/Lを超えると、飽
和溶解度を超えるため、試薬の調製が困難となる。
【0021】これらのイオンの濃度を0.1mol/Lとすると
BODまたはCOD関連物質がよく吸着され、形成され
る沈殿も大きいためにフロックも大きく、沈殿や除去も
容易となる。上記第一〜第三の試薬溶液は、所定量の
鉄、アルミニウム、チタン、ナトリウム、カリウムおよ
びマグネシウムの各硫酸塩を、所定量の水に溶解させ、
所定濃度の溶液を調製した後に、これを合わせて調製す
る。
BODまたはCOD関連物質がよく吸着され、形成され
る沈殿も大きいためにフロックも大きく、沈殿や除去も
容易となる。上記第一〜第三の試薬溶液は、所定量の
鉄、アルミニウム、チタン、ナトリウム、カリウムおよ
びマグネシウムの各硫酸塩を、所定量の水に溶解させ、
所定濃度の溶液を調製した後に、これを合わせて調製す
る。
【0022】上記第一〜第三の試薬溶液の混合比率は特
に限定されず、廃水の種類、汚染度や、処理の目的など
に応じて、適宜混合比率を変えて用いることができる。
本発明の廃水処理剤は、上記第一〜第三の試薬溶液を予
め混合してから処理しようとする廃水に添加してもよ
く、混合せずに順番に廃水に添加してもよい。
に限定されず、廃水の種類、汚染度や、処理の目的など
に応じて、適宜混合比率を変えて用いることができる。
本発明の廃水処理剤は、上記第一〜第三の試薬溶液を予
め混合してから処理しようとする廃水に添加してもよ
く、混合せずに順番に廃水に添加してもよい。
【0023】上記第一〜第三の試薬溶液を含む本発明の
廃水処理剤は、処理しようとする廃水に対して、1/60
〜1/40程度の量で添加する。上記3つの試薬の添加量
は、第一の試薬溶液/第二の試薬溶液/第三の試薬溶液
が体積比で、 0.5〜 2.0/ 1.5〜 2.0/ 1.5〜 2.0であ
ると、フロックの凝集の速さ、フロックの大きさ、BO
DまたはCOD関連物質の除去に対して効果を有する。
さらに、 0.5/ 2.0/2.0であると、BODまたはCO
D関連物質の除去効果が高い。
廃水処理剤は、処理しようとする廃水に対して、1/60
〜1/40程度の量で添加する。上記3つの試薬の添加量
は、第一の試薬溶液/第二の試薬溶液/第三の試薬溶液
が体積比で、 0.5〜 2.0/ 1.5〜 2.0/ 1.5〜 2.0であ
ると、フロックの凝集の速さ、フロックの大きさ、BO
DまたはCOD関連物質の除去に対して効果を有する。
さらに、 0.5/ 2.0/2.0であると、BODまたはCO
D関連物質の除去効果が高い。
【0024】本発明の廃水の処理方法は、上述した廃水
処理剤を廃水に添加する添加工程と、中和剤を加えて廃
水中に含まれる特定の金属イオンを金属水酸化物として
沈殿させる沈殿工程と、上記金属水酸化物に廃水中に含
まれるBODまたはCODの関連物質を吸着させる吸着
工程と、凝集剤を添加して上記BODまたはCODの関
連物質が吸着した上記金属水酸化物を凝集させて凝集沈
殿物とする凝集沈殿工程と、前記凝集沈殿物を除去する
除去工程とを含む。本発明の廃水処理方法においては、
廃水処理剤を上述のような混合比および量で廃水に添加
する。廃水処理剤の添加により、廃水のpHは酸性とな
る。
処理剤を廃水に添加する添加工程と、中和剤を加えて廃
水中に含まれる特定の金属イオンを金属水酸化物として
沈殿させる沈殿工程と、上記金属水酸化物に廃水中に含
まれるBODまたはCODの関連物質を吸着させる吸着
工程と、凝集剤を添加して上記BODまたはCODの関
連物質が吸着した上記金属水酸化物を凝集させて凝集沈
殿物とする凝集沈殿工程と、前記凝集沈殿物を除去する
除去工程とを含む。本発明の廃水処理方法においては、
廃水処理剤を上述のような混合比および量で廃水に添加
する。廃水処理剤の添加により、廃水のpHは酸性とな
る。
【0025】次に、中和剤を添加して、本発明の廃水処
理剤に含まれている鉄イオン、アルミニウムイオンおよ
びチタンイオンをそれぞれ水酸化物とする。ここで使用
する中和剤は水酸化化合物であり、水酸化ナトリウムま
たは水酸化カルシウムであることが金属水酸化物の沈殿
生成と大きなフロック形成、さらにはそのフロックの安
定性の理由から好適である。とりわけ、水酸化カルシウ
ムは、廃水の腐敗臭(悪臭)の発生を抑える効果がある
ため、好適に使用される。
理剤に含まれている鉄イオン、アルミニウムイオンおよ
びチタンイオンをそれぞれ水酸化物とする。ここで使用
する中和剤は水酸化化合物であり、水酸化ナトリウムま
たは水酸化カルシウムであることが金属水酸化物の沈殿
生成と大きなフロック形成、さらにはそのフロックの安
定性の理由から好適である。とりわけ、水酸化カルシウ
ムは、廃水の腐敗臭(悪臭)の発生を抑える効果がある
ため、好適に使用される。
【0026】鉄イオンおよびアルミニウムイオンを水溶
液中で金属水酸化物とした場合、pH3〜5の範囲で沈殿
する。一方、鉄イオンとアルミニウムイオンを含む水溶
液にチタンイオンを添加すると、これら3種のイオンは
pH3〜6と、上記2種のイオンが沈殿するよりも広い範
囲で沈殿するようになる。
液中で金属水酸化物とした場合、pH3〜5の範囲で沈殿
する。一方、鉄イオンとアルミニウムイオンを含む水溶
液にチタンイオンを添加すると、これら3種のイオンは
pH3〜6と、上記2種のイオンが沈殿するよりも広い範
囲で沈殿するようになる。
【0027】チタンイオンが存在しないと、凝集剤を添
加した場合でも、金属水酸化物は凝集が悪く、柔らかく
て小さなフロック( 0.3〜0.5 mm)が生成される。一
方、チタンイオンが存在すると、金属水酸化物は2〜3
分間で凝集し、硬くて大きなフロック( 4.5〜5.0 mm)
が生成される。
加した場合でも、金属水酸化物は凝集が悪く、柔らかく
て小さなフロック( 0.3〜0.5 mm)が生成される。一
方、チタンイオンが存在すると、金属水酸化物は2〜3
分間で凝集し、硬くて大きなフロック( 4.5〜5.0 mm)
が生成される。
【0028】このようにして生成された大きなフロック
は、廃水中で速やかに沈殿する。そして、このような金
属水酸化物の沈殿に、処理しようとする廃水中に含まれ
るBODまたはCODに関連する有機物が吸着される。
上記のように、このような金属水酸化物はpH3〜6で沈
殿するため、こうした有機物もpH3〜6の範囲で吸着さ
れる。
は、廃水中で速やかに沈殿する。そして、このような金
属水酸化物の沈殿に、処理しようとする廃水中に含まれ
るBODまたはCODに関連する有機物が吸着される。
上記のように、このような金属水酸化物はpH3〜6で沈
殿するため、こうした有機物もpH3〜6の範囲で吸着さ
れる。
【0029】有機物を吸着した金属水酸化物の沈殿を含
む廃水中に、凝集剤を添加して沈殿した水酸化物を凝集
させ、分離除去して脱水乾燥する。以上のようにして、
有機物を多量に含む廃水からデンプンやタンパク質など
の有機物を除去し、これらの廃水のBODまたはCOD
を河川に放出できる程度にまで低下させることができ
る。
む廃水中に、凝集剤を添加して沈殿した水酸化物を凝集
させ、分離除去して脱水乾燥する。以上のようにして、
有機物を多量に含む廃水からデンプンやタンパク質など
の有機物を除去し、これらの廃水のBODまたはCOD
を河川に放出できる程度にまで低下させることができ
る。
【0030】本発明において使用される廃水処理装置
は、廃水を供給する廃水供給手段と、中和剤を添加して
廃水中に含まれる特定の金属イオンを金属水酸化物とし
て沈殿させる沈殿手段と、上記金属水酸化物に廃水中に
含まれるBODまたはCOD関連物質を吸着させる吸着
手段と、凝集剤を添加して上記金属水酸化物を凝集沈殿
物として凝集させる凝集手段と、上記凝集沈殿物を除去
する除去手段とを含む。
は、廃水を供給する廃水供給手段と、中和剤を添加して
廃水中に含まれる特定の金属イオンを金属水酸化物とし
て沈殿させる沈殿手段と、上記金属水酸化物に廃水中に
含まれるBODまたはCOD関連物質を吸着させる吸着
手段と、凝集剤を添加して上記金属水酸化物を凝集沈殿
物として凝集させる凝集手段と、上記凝集沈殿物を除去
する除去手段とを含む。
【0031】具体的には、原液槽と、試薬槽、中和剤
槽、凝集剤槽、混合攪拌機、および脱水乾燥器とを備え
る。本発明の廃水処理装置の概要を図1に示す。図1に
おいて、 T1 は原液槽、T2は試薬槽、T3は中和剤槽、T4
は凝集剤槽である。M-1 、M-2、およびM-3 は攪拌槽を
備えた混合攪拌器、M1、M2、およびM3はモーターであ
る。PM1 、PM2 、PM3 、およびPM4 はポンプ、DMは脱水
乾燥器である。
槽、凝集剤槽、混合攪拌機、および脱水乾燥器とを備え
る。本発明の廃水処理装置の概要を図1に示す。図1に
おいて、 T1 は原液槽、T2は試薬槽、T3は中和剤槽、T4
は凝集剤槽である。M-1 、M-2、およびM-3 は攪拌槽を
備えた混合攪拌器、M1、M2、およびM3はモーターであ
る。PM1 、PM2 、PM3 、およびPM4 はポンプ、DMは脱水
乾燥器である。
【0032】まず、原液槽T1に処理しようとする廃水
を、試薬槽T2に本発明の廃水処理剤を、中和剤槽T3に中
和剤を、そして凝集剤槽T4に凝集剤を入れる。原液槽T1
から廃水をポンプPM1 で攪拌槽を備えた混合攪拌器M-1
へ、また試薬槽T2から廃水処理剤をポンプPM2 で混合攪
拌器M-1 に送り、これらを所定の割合で混合する。この
混合液を別の混合攪拌槽を備えた混合攪拌器M-2 に移
す。中和剤槽T3から中和剤をポンプPM3 で混合攪拌器M-
2 に送り、廃水処理剤と混合された廃水を中和すると同
時に、廃水処理剤中に含まれる鉄、アルミニウム、およ
びチタンの各イオンの水酸化物を生成させる。これらの
金属水酸化物を含む中和処理された廃水を、混合攪拌器
M-3 に移し、凝集剤槽T4からの凝集剤をポンプPM4 で混
合攪拌器M-3に送る。中和処理された廃水と凝集剤とを
混合し、金属水酸化物に廃水中に含まれるBODまたは
COD関連物質を吸着させ、これらを凝集させて凝集沈
殿物とする。この凝集沈殿物を脱水乾燥器DMで分離し
て、処理の終了した廃水を河川へ放出する。
を、試薬槽T2に本発明の廃水処理剤を、中和剤槽T3に中
和剤を、そして凝集剤槽T4に凝集剤を入れる。原液槽T1
から廃水をポンプPM1 で攪拌槽を備えた混合攪拌器M-1
へ、また試薬槽T2から廃水処理剤をポンプPM2 で混合攪
拌器M-1 に送り、これらを所定の割合で混合する。この
混合液を別の混合攪拌槽を備えた混合攪拌器M-2 に移
す。中和剤槽T3から中和剤をポンプPM3 で混合攪拌器M-
2 に送り、廃水処理剤と混合された廃水を中和すると同
時に、廃水処理剤中に含まれる鉄、アルミニウム、およ
びチタンの各イオンの水酸化物を生成させる。これらの
金属水酸化物を含む中和処理された廃水を、混合攪拌器
M-3 に移し、凝集剤槽T4からの凝集剤をポンプPM4 で混
合攪拌器M-3に送る。中和処理された廃水と凝集剤とを
混合し、金属水酸化物に廃水中に含まれるBODまたは
COD関連物質を吸着させ、これらを凝集させて凝集沈
殿物とする。この凝集沈殿物を脱水乾燥器DMで分離し
て、処理の終了した廃水を河川へ放出する。
【0033】
(実施例1)廃水として、洗米廃水を使用した。また、
本発明の廃水処理剤として下記の化合物を含む試薬を調
製した。
本発明の廃水処理剤として下記の化合物を含む試薬を調
製した。
【0034】〔第一の試薬〕 (a)0.01MのH2SO4 、0.1MのFeSO4 、0.3MのNa2SO4および
0.3MのK2SO4 (b)0.01MのH2SO4 、0.2MのFeSO4 、0.3MのNa2SO4および
0.3MのK2SO4 〔第二の試薬〕 (d)0.01MのH2SO4 、0.05M のAl2(SO4)3 、0.3MのNa2SO4
および0.3MのK2SO4 〔第三の試薬〕 (f)0.01MのH2SO4 、0.05M のTi(SO4)2、0.05M のMgS
O4 、0.3MのNa2SO4および0.3MのK2SO4 (g)0.01MのH2SO4 、0.1MのTi(SO4)2、0.1MのMgSO4 、0.
3MのNa2SO4および0.3MのK2SO4
0.3MのK2SO4 (b)0.01MのH2SO4 、0.2MのFeSO4 、0.3MのNa2SO4および
0.3MのK2SO4 〔第二の試薬〕 (d)0.01MのH2SO4 、0.05M のAl2(SO4)3 、0.3MのNa2SO4
および0.3MのK2SO4 〔第三の試薬〕 (f)0.01MのH2SO4 、0.05M のTi(SO4)2、0.05M のMgS
O4 、0.3MのNa2SO4および0.3MのK2SO4 (g)0.01MのH2SO4 、0.1MのTi(SO4)2、0.1MのMgSO4 、0.
3MのNa2SO4および0.3MのK2SO4
【0035】中和剤として、5%の水酸化カルシウムを
調製した。また、凝集剤として、中アニオンの溶液であ
る#470 の0.1 %溶液(水沢化学製)を常温で調製し
た。上記の洗米廃水200mL(pH6.91) に対し、表1の試薬
溶液例に示すように、第一、第二および第三の試薬溶液
を加えて160rpmで約10秒間攪拌した。この混合物に、廃
水のpHがほぼ中性になるまで5%の水酸化カルシウム溶
液を加えて160rpmで約10秒間攪拌し、その後凝集剤1.2
mLを加えて50 rpmで約1分間攪拌した。SSおよび凝集
状態を判定した。SSは透明度を指標として、また、凝
集状態はフロックの大きさを下記の表1のように区分し
て判定した。
調製した。また、凝集剤として、中アニオンの溶液であ
る#470 の0.1 %溶液(水沢化学製)を常温で調製し
た。上記の洗米廃水200mL(pH6.91) に対し、表1の試薬
溶液例に示すように、第一、第二および第三の試薬溶液
を加えて160rpmで約10秒間攪拌した。この混合物に、廃
水のpHがほぼ中性になるまで5%の水酸化カルシウム溶
液を加えて160rpmで約10秒間攪拌し、その後凝集剤1.2
mLを加えて50 rpmで約1分間攪拌した。SSおよび凝集
状態を判定した。SSは透明度を指標として、また、凝
集状態はフロックの大きさを下記の表1のように区分し
て判定した。
【0036】
【0037】結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2に示したように、本発明例1および4
を除いて、SS(フロック)の直径が4.5mm 以上の沈殿
凝集物が得られた。また、本発明の凝集剤の各試薬の混
合比は、第一:第二:第三=0.5 :2.0 :2.0 としたと
きに、最も処理効果が高いことが明らかになった。
を除いて、SS(フロック)の直径が4.5mm 以上の沈殿
凝集物が得られた。また、本発明の凝集剤の各試薬の混
合比は、第一:第二:第三=0.5 :2.0 :2.0 としたと
きに、最も処理効果が高いことが明らかになった。
【0040】(実施例2)実施例1で使用した各試薬の
組成を下記のように変更し、凝集剤添加後の攪拌速度
を、最初60rpm で約10秒間、ついで40rpm で約50秒間行
う他は実施例1と同様にして、洗米廃水を試料として処
理を行った。
組成を下記のように変更し、凝集剤添加後の攪拌速度
を、最初60rpm で約10秒間、ついで40rpm で約50秒間行
う他は実施例1と同様にして、洗米廃水を試料として処
理を行った。
【0041】〔第一の試薬〕 (b)0.01MのH2SO4 、0.2MのFeSO4 、0.3MのNa2SO4および
0.3MのK2SO4 (c)0.01MのH2SO4 、0.1MのFeSO4 、0.1MのNa2SO4および
0.1MのK2SO4 〔第二の試薬〕 (d)0.01MのH2SO4 、0.05M のAl2(SO4)3 、0.3MのNa2SO4
および0.3MのK2SO4 (e)0.01MのH2SO4 、0.05M のAl2(SO4)3 、0.1MのNa2SO4
および0.1MのK2SO4 〔第三の試薬〕 (g)0.01MのH2SO4 、0.1MのTi(SO4)2、0.1MのMgSO4 、0.
3MのNa2SO4および0.3MのK2SO4 (h)0.01MのH2SO4 、0.1MのTi(SO4)2、0.1MのMgSO4 、0.
1MのNa2SO4および0.1MのK2SO4 (i)0.01MのH2SO4 、0.1MのMgSO4 、0.3MのNa2SO4および
0.3MのK2SO4
0.3MのK2SO4 (c)0.01MのH2SO4 、0.1MのFeSO4 、0.1MのNa2SO4および
0.1MのK2SO4 〔第二の試薬〕 (d)0.01MのH2SO4 、0.05M のAl2(SO4)3 、0.3MのNa2SO4
および0.3MのK2SO4 (e)0.01MのH2SO4 、0.05M のAl2(SO4)3 、0.1MのNa2SO4
および0.1MのK2SO4 〔第三の試薬〕 (g)0.01MのH2SO4 、0.1MのTi(SO4)2、0.1MのMgSO4 、0.
3MのNa2SO4および0.3MのK2SO4 (h)0.01MのH2SO4 、0.1MのTi(SO4)2、0.1MのMgSO4 、0.
1MのNa2SO4および0.1MのK2SO4 (i)0.01MのH2SO4 、0.1MのMgSO4 、0.3MのNa2SO4および
0.3MのK2SO4
【0042】これらを表3に示す量比で添加し、SS、
凝集時間、凝集状態などを判定した。結果を表3に示
す。
凝集時間、凝集状態などを判定した。結果を表3に示
す。
【0043】
【表3】
【0044】表3に示すように、本発明例10の組成比で
混合したときに、最も高い処理効果が得られた。凝集の
効果をSSを指標として見ると、Naイオン、K イオンの
濃度が高い方が凝集効果が高くなっていた。一方、チタ
ンイオンを含まない比較例の場合は、SS(フロック)
の直径が0.3 〜0.5mm と小さく、処理液が白濁してい
た。
混合したときに、最も高い処理効果が得られた。凝集の
効果をSSを指標として見ると、Naイオン、K イオンの
濃度が高い方が凝集効果が高くなっていた。一方、チタ
ンイオンを含まない比較例の場合は、SS(フロック)
の直径が0.3 〜0.5mm と小さく、処理液が白濁してい
た。
【0045】以上のように処理をして得られたフロック
の臭いについて検討した。処理直後のフロックでは本発
明例12を除いて、ほぼ米糠臭はなく、1週間後において
も同様であった。また、発酵も認められなかった。
の臭いについて検討した。処理直後のフロックでは本発
明例12を除いて、ほぼ米糠臭はなく、1週間後において
も同様であった。また、発酵も認められなかった。
【0046】(実施例3)廃水処理剤の組成を、(a) :
(c) :(e) =0.5 :2.0 :2.0 に固定し、洗米廃水に対
する添加量を表3に示すように変化させ、SSおよび凝
集状態を調べた。表4に示すように、凝集状態はいずれ
も良好であったが、SSは添加量の最も多かった本発明
例21で最も良好であった。
(c) :(e) =0.5 :2.0 :2.0 に固定し、洗米廃水に対
する添加量を表3に示すように変化させ、SSおよび凝
集状態を調べた。表4に示すように、凝集状態はいずれ
も良好であったが、SSは添加量の最も多かった本発明
例21で最も良好であった。
【0047】
【表4】
【0048】表4に示したように、いずれも凝集状態は
良好であった。上澄み液は幾分黄色味を帯びていたが、
これを約1分程度かけてセラミックスに通すと、水道水
と変わらないほど透明感があった。洗米廃水200mL に表
4に示す量の試薬を加え、空きビーカーを利用して、処
理する廃水を4回移し替えて混和した。このときの凝集
沈殿反応は、凝集状態および凝集時間ともに、本発明の
廃水処理剤の添加量が多いほど良いことが示された。
良好であった。上澄み液は幾分黄色味を帯びていたが、
これを約1分程度かけてセラミックスに通すと、水道水
と変わらないほど透明感があった。洗米廃水200mL に表
4に示す量の試薬を加え、空きビーカーを利用して、処
理する廃水を4回移し替えて混和した。このときの凝集
沈殿反応は、凝集状態および凝集時間ともに、本発明の
廃水処理剤の添加量が多いほど良いことが示された。
【0049】(実施例4)洗米廃水(3,900ppm)200ml に
対して、実施例1に示す第一の試薬(a) 、第二の試薬
(d) および第三の試薬(g) を、それぞれ1mL、2mLおよ
び2mLを加えて攪拌した。その後、この溶液のpHが7.35
になるまで、5%水酸化カルシウム溶液を加えて攪拌
し、ついで凝集剤を添加して攪拌した。上記の処理によ
り、SSのサイズが4.5mm 以上の沈殿凝集物と、無色透
明の上澄液が得られた。本発明の廃水処理剤と装置を用
いた廃水処理後のBOD値は、約170ppmであった。
対して、実施例1に示す第一の試薬(a) 、第二の試薬
(d) および第三の試薬(g) を、それぞれ1mL、2mLおよ
び2mLを加えて攪拌した。その後、この溶液のpHが7.35
になるまで、5%水酸化カルシウム溶液を加えて攪拌
し、ついで凝集剤を添加して攪拌した。上記の処理によ
り、SSのサイズが4.5mm 以上の沈殿凝集物と、無色透
明の上澄液が得られた。本発明の廃水処理剤と装置を用
いた廃水処理後のBOD値は、約170ppmであった。
【0050】(比較例)実施例で使用したと同じ洗米廃
水200mL に対して、凝集沈殿剤(ポリテツ(日鉄鉱業
製))を2mL添加して攪拌した。この処理を行ったとき
の処理後の廃水のBOD値は、約300ppmであった。
水200mL に対して、凝集沈殿剤(ポリテツ(日鉄鉱業
製))を2mL添加して攪拌した。この処理を行ったとき
の処理後の廃水のBOD値は、約300ppmであった。
【0051】
【発明の効果】本発明の廃水処理剤においては、鉄イオ
ン、アルミニウムイオンおよびチタンイオンが含まれる
ため、これらのイオンが水酸化物としてpH3〜6までの
範囲で大きなサイズのフロックを形成して、速やかに沈
殿する。そして、沈殿の際にBODおよびCODに関連
する有機物質がこうしたフロックに吸着されるため、従
来法と比較して処理後の廃水中のBOD値およびCOD
値を大きく低下させることができる。
ン、アルミニウムイオンおよびチタンイオンが含まれる
ため、これらのイオンが水酸化物としてpH3〜6までの
範囲で大きなサイズのフロックを形成して、速やかに沈
殿する。そして、沈殿の際にBODおよびCODに関連
する有機物質がこうしたフロックに吸着されるため、従
来法と比較して処理後の廃水中のBOD値およびCOD
値を大きく低下させることができる。
【0052】本発明の廃水処理剤に含まれる鉄、アルミ
ニウム、チタンの硫酸塩は以上のように廃水中に含まれ
るBODまたはCOD関連物質の除去にきわめて有効で
ある。そればかりでなく、鉄やアルミニウムの硫酸塩は
食品添加物として、あるいは食品の加工時の加工処理剤
としても使用されているものであり、人体には害を与え
ない。さらに、これらの水酸化物のpH 7.0の水中での溶
解度は、水酸化鉄で10-12mol/L、水酸化アルミニウムで
10-12mol/L、水酸化チタンで10-10mol/Lと極めて小さ
い。
ニウム、チタンの硫酸塩は以上のように廃水中に含まれ
るBODまたはCOD関連物質の除去にきわめて有効で
ある。そればかりでなく、鉄やアルミニウムの硫酸塩は
食品添加物として、あるいは食品の加工時の加工処理剤
としても使用されているものであり、人体には害を与え
ない。さらに、これらの水酸化物のpH 7.0の水中での溶
解度は、水酸化鉄で10-12mol/L、水酸化アルミニウムで
10-12mol/L、水酸化チタンで10-10mol/Lと極めて小さ
い。
【0053】また、本発明の廃水処理剤中に含まれるマ
グネシウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオンは、天然にもかなり大量に存在する
イオンであり、したがって一般水道水などの飲料水中に
も多量に含まれている。むしろ、これらのイオンが含ま
れていることが好ましい。以上より、本発明の廃水処理
剤で処理した廃水は安全であり、環境への悪影響も極め
て小さい。さらに、本発明の廃水処理剤は、加熱や加圧
といった煩雑な工程を必要とせずに製造することができ
る。
グネシウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオンは、天然にもかなり大量に存在する
イオンであり、したがって一般水道水などの飲料水中に
も多量に含まれている。むしろ、これらのイオンが含ま
れていることが好ましい。以上より、本発明の廃水処理
剤で処理した廃水は安全であり、環境への悪影響も極め
て小さい。さらに、本発明の廃水処理剤は、加熱や加圧
といった煩雑な工程を必要とせずに製造することができ
る。
【0054】加えて、本発明の廃水処理装置において
は、微生物による廃水中のBODやCODに関連する有
機物質の分解工程を必要としないため、小さなスペース
で短時間に廃水処理を行うことができる。以上より、本
発明によれば、多量の有機物質を含む廃水を処理するこ
とが可能である。
は、微生物による廃水中のBODやCODに関連する有
機物質の分解工程を必要としないため、小さなスペース
で短時間に廃水処理を行うことができる。以上より、本
発明によれば、多量の有機物質を含む廃水を処理するこ
とが可能である。
【図1】本発明の廃水処理装置の概要を示す図である。
T1………原液槽 T2………試薬槽 T3………中和剤槽 T4………凝集剤槽 M-1 〜3 …混合攪拌器 M1〜3 ……モーター PM1 〜4 …ポンプ DM………脱水乾燥器
Claims (4)
- 【請求項1】 鉄、ナトリウムおよびカリウムの硫酸塩
の混合酸性溶液からなる第一の試薬溶液と、アルミニウ
ム、ナトリウムおよびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液
からなる第二の試薬溶液と、チタン、マグネシウム、ナ
トリウムおよびカリウムの硫酸塩の混合酸性溶液からな
る第三の試薬溶液とを含む廃水処理剤。 - 【請求項2】 前記第一の試薬溶液中の硫酸鉄の有効モ
ル濃度が0.01〜0.3mol/ L 、前記第二の試薬溶液中の硫
酸アルミニウムの有効モル濃度が0.001 〜0.05mol/L 、
前記第三の試薬溶液中の硫酸チタンの有効モル濃度が0.
005 〜0.1mol/Lである請求項1に記載の廃水処理剤。 - 【請求項3】 請求項1に記載の廃水処理剤を廃水に添
加する添加工程と、中和剤を添加して廃水中に含まれる
特定の金属イオンを金属水酸化物として沈殿させる沈殿
工程と、前記金属水酸化物に廃水中に含まれるBODま
たはCODの関連物質を吸着させる吸着工程と、凝集剤
を添加して前記BODまたはCODの関連物質が吸着し
た金属水酸化物を凝集させて凝集沈殿物とする凝集工程
と、前記凝集沈殿物を除去する除去工程とを含む廃水処
理方法。 - 【請求項4】 廃水を供給する廃水供給手段と、中和剤
を添加して廃水中に含まれる特定の金属イオンを金属水
酸化物として沈殿させる沈殿手段と、前記金属水酸化物
に廃水中に含まれるBODまたはCOD関連物質を吸着
させる吸着手段と、凝集剤を添加して前記金属水酸化物
を凝集沈殿物として凝集させる凝集沈殿手段と、前記凝
集沈殿物を除去する除去手段とを含む廃水処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8233401A JPH1076275A (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | 廃水処理剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8233401A JPH1076275A (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | 廃水処理剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1076275A true JPH1076275A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=16954504
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8233401A Pending JPH1076275A (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | 廃水処理剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1076275A (ja) |
Cited By (4)
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