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JPH07232175A - 水中のリン除去方法 - Google Patents

水中のリン除去方法

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Publication number
JPH07232175A
JPH07232175A JP4798394A JP4798394A JPH07232175A JP H07232175 A JPH07232175 A JP H07232175A JP 4798394 A JP4798394 A JP 4798394A JP 4798394 A JP4798394 A JP 4798394A JP H07232175 A JPH07232175 A JP H07232175A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slurry
water
phosphorus
sewage
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4798394A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyuki Kataoka
克之 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
Original Assignee
Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp, Ebara Research Co Ltd filed Critical Ebara Corp
Priority to JP4798394A priority Critical patent/JPH07232175A/ja
Publication of JPH07232175A publication Critical patent/JPH07232175A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リン除去の速度が速くまた効率が良く、かつ
難濃縮性、難脱水性の汚泥が発生しない水中のリン除去
方法を提供すること。 【構成】 予め水酸化第2鉄及び/又は水酸化アルミニ
ウムの粒子を生成し、該粒子を分散して沈降濃縮性が制
御可能なスラリーを調製し、該スラリーをリンを含有す
る原水に添加した後、原水を生物処理工程に導き、生物
処理工程の流出水を固液分離し、分離水を処理水とする
水中のリン除去方法。粒子沈降濃縮性が制御可能なスラ
リーを調製するための粒子の生成は、鉄塩やアルミニウ
ム塩の酸性溶液にアルカリ剤を添加して溶液を中性に中
和し、水酸化第2鉄及び/又は水酸化アルミニウムの沈
殿を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン含有水のリン除去
方法に関し、特に下水や各種工場廃水等の有機性汚水中
のリンを新規な技術思想によって効果的に除去する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、凝集剤添加活性汚泥法という
有機性汚水からのリン除去技術が公知である。この技術
は、下水等の有機性汚水を活性汚泥法で生物処理するプ
ロセスの曝気槽に鉄系又はアルミニウム系の無機凝集
剤、例えばPAC、Alum、塩化第2鉄、ポリ硫酸第
2鉄等を溶液として添加して、リン酸第2鉄又はリン酸
アルミニウムの沈殿(フロック)を形成させ、このフロ
ックを活性汚泥と共に沈殿除去する技術であり、次のよ
うな特徴がある。 既設の活性汚泥施設がある場合、曝気槽に無機凝集剤
を添加するための薬注設備を設けるだけで、リンを除去
でき、建設費が安価である。 リンの除去率が優れており、容易に90%以上の除去
率を得ることができる。
【0003】しかし、「凝集剤添加活性汚泥法」は、次
のような大きな欠点があるため、ほとんど普及していな
い。すなわち、リン酸鉄、水酸化第2鉄、リン酸アルミ
ニウム、水酸化アルミニウム等の鉄系又はアルミニウム
系の無機凝集剤を用いた場合、汚泥が多量に発生し、こ
の発生した汚泥が難濃縮性(以後バルキーと言うことが
ある。)、難脱水性であるため、汚泥の処理処分が極め
て面倒であるという重大な欠点である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上述した
従来の凝集剤添加活性汚泥法の欠点が発生する原因を究
明した結果、リンを含有する有機性汚水に対し、鉄系又
はアルミニウム系の無機凝集剤を直接添加すると、高い
リン除去率が得られるが、生成したリン酸鉄、水酸化第
2鉄、リン酸アルミニウムもしくは水酸化アルミニウム
等の沈殿(フロック)は、難濃縮性でかつ難脱水性であ
り、これら凝集剤を汚水に直接添加する方法では、フロ
ックの濃縮脱水性を改善する等沈降濃縮性を制御するこ
とは全く不可能であり、不可避的に難沈降濃縮性ひいて
は難濃縮脱水性の汚泥が多量生成してしまうという事実
を見出した。
【0005】この欠点を解決するために鋭意検討を重ね
た結果、汚水に対し、鉄系又はアルミニウム系の無機凝
集剤を直接添加するという従来の考え方を廃し、i)鉄系
又はアルミニウム系の無機凝集剤を有機性汚水に添加す
る以前に、予め鉄系及び/又はアルミニウム系の無機凝
集剤から沈降濃縮性が改善されたスラリーを調製し、i
i) 前記沈降濃縮性を制御したスラリーを有機性汚水に
添加して沈降濃縮性ひいては濃縮脱水性の良いフロック
を生成させるという処理方法が必要であるとの結論に達
した。本発明は、凝集剤添加活性汚泥法の長所を活用
し、一方従来の凝集剤添加活性汚泥法の欠点を完全に解
決した新技術を確立し、難濃縮性、難脱水性の汚泥が発
生しない、かつ効率よくリンを除去のための新技術を提
供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題は、本
発明の汚水のリン除去方法によって達成される。すなわ
ち、(1)水酸化第2鉄及び/又は水酸化アルミニウム
からなる粒子により、沈降濃縮性が制御可能なスラリー
を調製し、該スラリーをリンを含有する原水に添加した
後、該原水を生物処理工程に導き、該生物処理工程の流
出水を固液分離し、分離水を処理水とすることを特徴と
する水中のリン除去方法、(2)鉄塩及び/又はアルミ
ニウム塩の酸性溶液にアルカリ剤を添加して、該鉄塩及
び/又はアルミニウム塩の溶液のpHを高めて、生成す
る水酸化第2鉄及び/又は水酸化アルミニウムからなる
粒子により、沈降濃縮性が制御可能なスラリーを調製
し、該スラリーをリンを含有する原水に添加した後、該
原水を生物処理工程に導き、該生物処理工程の流出水を
固液分離し、分離水を処理水とすることを特徴とする水
中のリン除去方法。(3)鉄塩及び/又はアルミニウム
塩の酸性溶液にMg系又はCa系のアルカリ剤を添加し
て、該鉄塩及び/又はアルミニウム塩の溶液のpHを高
めて、生成する水酸化第2鉄及び/又は水酸化アルミニ
ウムからなる粒子により、沈降濃縮性が制御可能なスラ
リーを調製し、該スラリーをリンを含有する原水に添加
した後、該原水を生物処理工程に導き、該生物処理工程
の流出水を固液分離し、分離水を処理水とすることを特
徴とする水中のリン除去方法によって達成される。
【0007】つまり、本発明の技術思想の中核は、粒子
のサイズ等の特性が制御可能な反応条件下で鉄系、アル
ミニウム系の無機凝集剤から沈降濃縮脱水性が制御され
た水酸化鉄、水酸化アルミニウム粒子を生成し、該粒子
を水中に分散・懸濁させて沈降濃縮性が良く、かつ濃縮
脱水性に優れたスラリーを予め調製し、調製したスラリ
ーを汚水に添加することによって、沈降濃縮性の良好な
フロックを生成させ、リンを高度に吸着除去すると共に
難濃縮脱水性の汚泥を一切発生させないようにするとい
う技術思想である。
【0008】ここで、スラリーの沈降濃縮性とは、スラ
リー等の中の粒子を一定時間沈降させた時に沈殿粒子が
占める容積等で評価される特性であり、例えば、スラリ
ーの沈降濃縮性の評価の尺度は、Sludge Volume Index
(以下SVI値と略称する)によって指標される。SV
I値とはメスシリンダー中にスラリーを満たし、30分
間静置後に1gの固形物が占める汚泥の容積をミリリッ
トル単位で示したものである。「沈降濃縮性が制御可
能」とは適正な沈降濃縮性指標(例えばSVI値)が再
現できることを示す。また、スラリーの濃縮脱水性と
は、スラリー等中の粒子をろ過あるいは遠心沈降によっ
て分散媒から固液分離する際の粒子の離漿性に関係する
特性である。スラリーの沈降濃縮性と濃縮脱水性とは、
常に平行した特性ではないが、本発明の鉄系又はアルミ
ニウム系の凝集剤スラリーの添加によって生成したフロ
ックの沈降濃縮性と濃縮脱水性とは平行した関係にあ
り、沈降濃縮性の良いフロックを構成している水酸化鉄
又は水酸化アルミニウムの粒子の濃縮脱水性は良い。す
なわち、粒子の離漿性が良く、処理水を分離し易い。
【0009】
【作用】従来の凝集沈殿法においては例えば、生物処理
する曝気槽内のリンを含有する下水に対して塩化第2
鉄、ポリ硫酸鉄、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニ
ウム等の無機凝集剤液を直接添加するので、曝気槽内で
急速にリン酸第2鉄、リン酸アルミニウムのフロック状
沈殿を生成する。この場合、下記のような沈殿反応、す
なわち、 M3++PO4 3- → MPO4 ↓ −−−−(1) M3++3OH- → M(OH)3 ↓ −−(2) (ここで、M3+はFe3+又はAl3+を表す。)の沈殿生
成反応が生じ、リンが除去されると同時に、前記反応に
よって極めて難濃縮性で、また難脱水性のMPO4 やM
(OH)3 の沈殿が生成してしまう。従来法では、リン
除去対象水(ここでは、リンを含有する下水)に無機凝
集剤液を直接添加するので、多量のpH中性のリン含有
汚水に、少量の無機凝集剤を添加することになり、従っ
てpH中性領域でMPO4 やM(OH)3 の沈殿の生成
が急速に進行してしまうことになり、濃縮脱水性の良い
MPO4 やM(OH)3 の沈殿を生成させることは不可
能なのである。
【0010】これに対し本発明では、鉄塩、アルミニウ
ム塩の酸性水溶液からなる無機凝集剤を汚水に添加して
沈殿反応を行う前段に、該無機凝集剤の水溶液にアルカ
リ剤を添加する装置を設け、汚水に添加する前に該装置
内で、沈降濃縮性が良く、かつ濃縮脱水性の良いスラリ
ーを調製し、調製したスラリーを曝気槽に添加するの
で、スラリー調製装置内では、 M3++3OH- → M(OH)3 ↓ −−(2) の反応が、低いpHの環境から中性pHに変化していく
環境下で進行み、沈降濃縮脱水性の良いM(OH)3
沈殿を再現性良く生成させることが可能になり、このス
ラリーを曝気槽に添加して、汚水中において活性汚泥の
存在下でも沈降濃縮脱水性の良いフロックを生成しかつ
効率良く脱リンできる。
【0011】またスラリー調製装置内において凝集剤に
添加するアルカリ剤として、NaOH以外のMg(O
H)2 、MgO、Ca(OH)2 、CaO、CaCO3
等のアルカリを用いると、さらに沈降濃縮脱水性の良い
M(OH)3 の沈殿を生成させることができる。本発明
において沈降濃縮性が制御可能なスラリーの生成とは、
例えば上記のように鉄塩、アルミニウム塩の酸性水溶液
に前もって、アルカリ剤を添加する方法によって得た沈
殿を水中に分散・懸濁せしめて、沈降濃縮性の良い、か
つ濃縮脱水性の良いスラリーを安定かつ再現性良く調製
することを意味する。
【0012】本発明において、沈降濃縮脱水性の良い水
酸化第2鉄及び/又は水酸化アルミニウムの沈殿を製造
する手段としては、ポリ硫酸鉄(略称ポリ鉄)、硫酸ア
ルミニウムの水溶液をMg(OH)2 又はCa(OH)
2 によって中和する製造方法が操作上最も簡単であり、
本発明にとって最も好適である。なお、その他の製造方
法としては、第1鉄塩の水溶液を空気、酸素、オゾン又
は過酸化水素のいずれかの酸化剤で酸化してFe(O
H)3 粒子を得る方法によっても沈降濃縮脱水性の良い
沈殿粒子を得ることができる。これら沈降濃縮脱水性の
良い沈殿粒子から、粒子を水中に分散・懸濁せしめて、
沈降濃縮性の良い、かつ濃縮脱水性の良いスラリーを安
定かつ再現性良く調製でき、該濃縮脱水性の良いスラリ
ーを用いて下水等の汚水と共に、活性汚泥を有する曝気
槽に注入して、リンを除去すると共に、活性汚泥を含ん
で、SVI値の小さい(概ね50以下の)沈降濃縮性の
良い凝集物を得ることができる。以上が本発明の作用で
ある。
【0013】次に、リン含有有機性汚水の典型例として
下水を挙げ、図1を参照しながら、本発明の具体的な実
施態様について説明する。図1において、2は生物処理
工程の代表的例である活性汚泥プロセスの曝気槽であ
る。該曝気槽2に原水供給管20を経て下水1が供給さ
れる。曝気槽2で処理された生物処理水は給水ウエル2
1から沈殿池3(一種の固液分離工程の例である。)を
経て清澄処理水4として処理水流出管22より系外に流
出する。ここで、生物処理工程(曝気槽2)は、勿論、
生物処理プロセスでも良く、また工程は好気的にも、嫌
気的にも設定できる。また固液分離部は上記沈殿池3の
他、膜分離装置、沈降分離装置あるいは遠心分離装置等
公知の固液分離手段を適宜に使用することができる。
【0014】曝気槽2の下部には散気部材5が配備さ
れ、散気部材5に散気ブロア6から空気供給管23を経
て空気が供給される。沈殿池3で沈降分離された汚泥1
7は、沈殿池3の底部から、その一部は廃泥管→汚泥返
送管24を通って、汚泥返送ポンプ7により曝気槽2に
返送され、他の一部は汚泥移送管25を通って、余剰汚
泥9として汚泥槽18に送られストックされる。
【0015】本発明の特徴である水酸化第2鉄及び/又
は水酸化アルミニウムからなる粒子を分散・懸濁して調
製する沈降濃縮性が制御可能なスラリー(a)は、攪拌
機16を備えた反応槽15とアルカリ液供給管28から
なるスラリー調製部30で調製され、スラリー供給管2
6を経て原水供給管20にスラリー定量供給ポンプ19
によって定量的に供給される。11は、鉄塩及び/又は
又はアルミニウム塩の酸性水溶液であり、酸性液槽32
にストックされ、これから酸性液の定量供給ポンプ14
を備えた酸性液供給管27を経て反応槽15に給液され
る。また12はアルカリ液であり、アルカリ液槽33に
ストックされ、これから酸性液の定量供給ポンプ13を
備えた酸性液供給管28を経て反応槽15に給液され
る。
【0016】従来の凝集剤添加活性汚泥法では、図1に
おいて、曝気槽2に原水が供給される原水供給管20の
10で示される注液点から、PAC、Alum、塩化第
2鉄、ポリ硫酸第2鉄等の鉄系又はアルミニウム系の無
機凝集剤の酸性液を曝気槽2に直接添加するという技術
であり、図1において点線で囲ったスラリー調製部30
のような工程を備えていなかった。
【0017】これに対し、以下に説明するように、本発
明では図1の点線の枠内の工程の有無が極めて重大な相
違を生むのである。すなわち、下水1に、沈降濃縮性の
良い水酸化第2鉄及び/又は水酸化アルミニウムからな
る粒子を懸濁して調製したスラリー(a)を原水供給管
20の10で示される注液点において連続的あるいは間
欠的に添加し、下水と共に活性汚泥プロセスの曝気槽2
に流入させて、散気部材5から吐出される空気によって
活性汚泥とスラリー(a)を流動懸濁させながら下水と
接触させると、下水中のBODが生物処理されて除去さ
れると共に、下水に含まれるリンがスラリー(a)によ
って高度に吸着除去される。次に、活性汚泥とスラリー
(a)によって生成したフロックとの混合物が沈殿池3
に流入し、沈殿分離され、リン、BOD、SSが高度に
除去された清澄処理水4と沈殿汚泥17に分けられる。
沈殿汚泥17の大部分の返送汚泥8は、汚泥返送ポンプ
7によって返送汚泥管24を通って曝気槽2に返送され
る。また、沈殿汚泥17の他の一部は、下水の生物処理
にともなって発生する余剰活性汚泥に相当する量が、系
外に引き抜かれ、移送汚泥管25を通って、余剰活性汚
泥9として汚泥脱水工程がおこなわれる汚泥槽18に送
られ脱水処理される。
【0018】余剰活性汚泥9の中には、少量のスラリー
が混入しているが、スラリーは上述したように濃縮脱水
性が良好であるので、容易に脱水処理でき、従来の凝集
剤添加活性汚泥法のような汚泥の脱水性が著しく悪いと
いうような欠点が発生しない。
【0019】以上のように、従来の凝集剤添加活性汚泥
法に対し、図1に点線で枠に囲ったスラリー調製部30
のような簡単な設備及び工程を付加するだけで、完全に
従来技術の欠点が解決され、長所のみが活用できること
は驚くべき効果といって良い。このような大きな効果が
現れるのは、従来技術と本発明の技術思想との根本的な
相違によるものである。従来技術は、リンを除去するこ
とだけに注意が払われ、発生する前記MPO4やM(O
H)3 の沈殿の沈降濃縮性には無関心であり、実際、沈
降濃縮性は全く制御できない点に技術思想的な欠陥が存
在する。
【0020】なお、本発明における生物処理工程として
は、通常の活性汚泥法の他に、生物学的硝化脱窒素法、
生物学的脱リン法等の任意の生物処理プロセスを適用し
てよいことは言うまでもない。特に、生物学的脱リン法
に本発明を適用すると、卓越した効果が得られる。すな
わち、生物学的脱リン法は、微生物細胞内にリンを過剰
に蓄積させて除去する技術であるが、リンの除去効果
が、原水の水質変動等の外乱によって影響を受け易く、
安定してリンの高い除去率が得られないという欠点があ
る。しかし、この生物脱リン系内にスラリーを添加する
と、生物学的に除去しきれなかったリンをスラリーが吸
着除去できるので、常に高度のリン除去率が得られ、ス
ラリーの添加量も少なくてすむという効果がある。これ
は、生物学的に除去しきれなかった少量の残留リンを吸
着するだけでよいからである。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の水酸化物〔M(OH)3
の粒子の沈降濃縮性を制御する方法及び該粒子を懸濁し
たスラリーを用いる原水中のリンを除去する方法の具体
的な実施例を示す。ただし、本発明の実施例は以下の説
明によって限定されるものではない。
【0022】実施例1 水酸化物〔M(OH)3 〕の粒子を懸濁したスラリーの
沈降濃縮性を制御できるよう、予め水酸化物〔M(O
H)3 〕粒子を調製する本発明の方法は、 (1)硫酸ばん土にMg(OH)2 を添加して、pH5
〜6に中和する。 (2)ポリ硫酸第2鉄にMg(OH)2 を添加して、p
H4〜6に中和する。 (3)塩化第2鉄にMg(OH)2 を添加して、pH4
〜6に中和する。 (4)ポリ塩化アルミニウム(PAC)にCa(OH)
2 を添加して、pH5〜6に中和する。 (5)硫酸ばん土にCa(OH)2 を添加して、pH5
〜6に中和する。 (6)ポリ硫酸第2鉄にMg(OH)2 を添加して、p
H4〜6に中和する。 (7)ポリ塩化アルミニウム(PAC)にNaOHを徐
々に添加して、pH5〜6に中和する。 (8)硫酸ばん土にNaOHを徐々に添加して、pH5
〜6に中和する。 (9)ポリ硫酸第2鉄にNaOHを徐々に添加して、p
H4〜6に中和する。 (10)塩化第2鉄にNaOHを徐々に添加して、pH
4〜6に中和する。 が挙げられる。
【0023】第1表に、上記(1)〜(10)に記載の
方法によって調製した水酸化物〔M(OH)3 〕の粒子
を懸濁したスラリーを、容積1リットルのシリンダーに
入れ、1時間静置して粒子を沈降させる沈降濃縮検査方
法により、スラリーを1時間静置した時の濃縮スラリー
濃度を示す。
【0024】
【表1】
【0025】比較のために、前記沈降濃縮検査方法によ
り、pH7.2、SS含量120mg/リットル、リン
含有量2.6mg/リットルの下水に、PAC、硫酸ば
ん土、ポリ硫酸第2鉄、塩化第2鉄を各々金属原子/リ
ン原子(M/P)のモル比として、2.5添加した時
の、生成スラリーの1リットルシリンダー内1時間静置
の沈降濃度を検査した結果を第2表に示す。
【0026】
【表2】
【0027】第1表と第2表の検査結果の比較から、本
発明の沈降濃縮性が制御された鉄系又はアルミニウム系
金属水酸化物沈澱の生成法からのスラリーは、従来法に
比べて著しく沈降濃縮性が良いことが確かめられた。
(濃縮脱水性も沈降濃縮性の良いものほど良好であ
る。) 第1表の(1)〜(10)までの各スラリーを図1のプ
ロセスに従って、下水に添加して、曝気槽内にて流動懸
濁させて処理した。この時の沈降濃縮検査の結果及び水
処理結果を第3表及び第4表に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】比較例1 第3表に記載したと同一水質の下水を用い、同一の曝気
槽を使用し、鉄系又はアルミニウム系の無機凝集剤(P
AC、硫酸ばん土、Alum、ポリ硫酸第2鉄、塩化第
2鉄)を各々Fe又はAl原子とリン原子のモル比(M
/P)として、2.5になるように下水に添加した。そ
の結果、処理水のリン濃度は、いずれの凝集剤を用いた
場合も、0.05〜0.13mg/リットルと高度にリ
ンが除去された。しかし、余剰汚泥発生比γは、1.2
〜1.28と本発明に比べ著しく増加した。これは、生
成するFePO4 、Fe(OH)3 、AlPO4 及びA
l(OH)3 が難濃縮性であることを示している。ここ
で、余剰汚泥発生比γとは、鉄系又はアルミニウム系の
無機凝集剤を被処理水(上記の場合は下水)に添加しな
い場合に発生する余剰汚泥の発生容積を1とした時、実
施例及び比較例における余剰汚泥の発生容積比を表す。
【0031】
【発明の効果】本発明のリン除去方法によれば、以下に
示す工業上重要な効果が得られる。 1)高度のリン除去効果が得られ、かつ難濃縮脱水性の
MPO4 及びM(OH)3 汚泥が発生せず、従来技術の
欠点を完全に解決できる。 2)従って、汚泥処理への負荷が著しく少なくなる。 3)既設の生物処理施設がある場合、図1で示したよう
なスラリー調製部を付加するだけの簡単な方法で、リン
除去を行えるので、極めて実用性が高い、実施上のコス
トも安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリン除去工程の1例を説明するフロー
図である。
【符号の説明】
1 下水 2 曝気槽 3 沈殿池 4 清澄処理水 5 散気部材 6 散気ブロア 7 汚泥返送ポンプ 8 返送汚泥 9 余剰汚泥 10 注液点 11 酸性水溶液 12 アルカリ液 13 定量ポンプ 14 定量ポンプ 15 反応槽 16 攪拌機 17 汚泥 18 汚泥槽 19 定量ポンプ 20 原水供給管 21 給水ウエル 22 処理水流出管 23 空気供給管 24 汚泥返送管 25 汚泥移送管 26 スラリー供給管 27 酸性液供給管 28 アルカリ液供給管 30 スラリー調製部 32 酸性液液槽 33 アルカリ液液槽 (a)スラリー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化第2鉄及び/又は水酸化アルミニ
    ウムからなる粒子により、沈降濃縮性が制御可能なスラ
    リーを調製し、該スラリーをリンを含有する原水に添加
    した後、該原水を生物処理工程に導き、該生物処理工程
    の流出水を固液分離し、分離水を処理水とすることを特
    徴とする水中のリン除去方法。
  2. 【請求項2】 鉄塩及び/又はアルミニウム塩の酸性溶
    液にアルカリ剤を添加して、該鉄塩及び/又はアルミニ
    ウム塩の溶液のpHを高めて、生成する水酸化第2鉄及
    び/又は水酸化アルミニウムからなる粒子により、沈降
    濃縮性が制御可能なスラリーを調製し、該スラリーをリ
    ンを含有する原水に添加した後、該原水を生物処理工程
    に導き、該生物処理工程の流出水を固液分離し、分離水
    を処理水とすることを特徴とする水中のリン除去方法。
  3. 【請求項3】 鉄塩及び/又はアルミニウム塩の酸性溶
    液にMg系又はCa系のアルカリ剤を添加して、該鉄塩
    及び/又はアルミニウム塩の溶液のpHを高めて、生成
    する水酸化第2鉄及び/又は水酸化アルミニウムからな
    る粒子により、沈降濃縮性が制御可能なスラリーを調製
    し、該スラリーをリンを含有する原水に添加した後、該
    原水を生物処理工程に導き、該生物処理工程の流出水を
    固液分離し、分離水を処理水とすることを特徴とする水
    中のリン除去方法。
JP4798394A 1994-02-23 1994-02-23 水中のリン除去方法 Pending JPH07232175A (ja)

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JP (1) JPH07232175A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1076275A (ja) * 1996-09-03 1998-03-24 Kawasaki Enterp:Kk 廃水処理剤

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JPH1076275A (ja) * 1996-09-03 1998-03-24 Kawasaki Enterp:Kk 廃水処理剤

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