JPH10330287A - 多価不飽和脂肪酸からなる消化管吸収促進剤およびそれを含有する薬剤 - Google Patents
多価不飽和脂肪酸からなる消化管吸収促進剤およびそれを含有する薬剤Info
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- JPH10330287A JPH10330287A JP10068889A JP6888998A JPH10330287A JP H10330287 A JPH10330287 A JP H10330287A JP 10068889 A JP10068889 A JP 10068889A JP 6888998 A JP6888998 A JP 6888998A JP H10330287 A JPH10330287 A JP H10330287A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 消化管での吸収性を高めるための消化管吸収
促進作用をもった安全な物質の提供。消化管からの吸収
性が低い水溶性薬物を経口的に投与することができるよ
うに、消化管での吸収性を高めること。 【解決手段】 多価不飽和脂肪酸からなることを特徴と
する消化管吸収促進剤および該消化管吸収促進剤をエマ
ルジョンとして油相に、あるいはマイクロエマルジョン
により均一な一相として含まれている薬剤。上記多価不
飽和脂肪酸は、具体的にはエイコサペンタエン酸(EP
A)およびまたはドコサヘキサエン酸(DHA)であ
る。エマルジョン剤形は好ましくはW/O/W形複合エ
マルジョン剤形であり、具体的には消化管からの吸収性
が低い水溶性薬物のエマルジョン剤形が例示される。消
化管からの吸収性が低い水溶性薬物とは、水溶性である
にもかかわらず消化管からの吸収性が悪いため医薬とし
て用いようとした場合に経口投与剤としての製剤が不可
能な薬物であり、それらはたとえばインスリン、ペプチ
ド系抗生物質であるバンコマイシン等を挙げることがで
きる。
促進作用をもった安全な物質の提供。消化管からの吸収
性が低い水溶性薬物を経口的に投与することができるよ
うに、消化管での吸収性を高めること。 【解決手段】 多価不飽和脂肪酸からなることを特徴と
する消化管吸収促進剤および該消化管吸収促進剤をエマ
ルジョンとして油相に、あるいはマイクロエマルジョン
により均一な一相として含まれている薬剤。上記多価不
飽和脂肪酸は、具体的にはエイコサペンタエン酸(EP
A)およびまたはドコサヘキサエン酸(DHA)であ
る。エマルジョン剤形は好ましくはW/O/W形複合エ
マルジョン剤形であり、具体的には消化管からの吸収性
が低い水溶性薬物のエマルジョン剤形が例示される。消
化管からの吸収性が低い水溶性薬物とは、水溶性である
にもかかわらず消化管からの吸収性が悪いため医薬とし
て用いようとした場合に経口投与剤としての製剤が不可
能な薬物であり、それらはたとえばインスリン、ペプチ
ド系抗生物質であるバンコマイシン等を挙げることがで
きる。
Description
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明は、多価不飽和脂肪酸
からなる消化管吸収促進剤およびそれをエマルジョン剤
形の油相に含有する薬剤に関する。
からなる消化管吸収促進剤およびそれをエマルジョン剤
形の油相に含有する薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】経口投与されたインスリンは膵臓からの
分泌と同じ門脈を経由するため過量のインスリンは肝臓
で代謝され高インスリン血症を回避し得ること、及び日
常生活での適用が容易である等の利点を有することか
ら、最適投与法と考えられる。しかしながら、インスリ
ンは消化管内での膜透過性や安定性が悪いため、経口的
に投与するには解決すべき問題が多く存在する。これら
の障害を回避し消化管での吸収性を高める経口投与剤形
として、これまでに特殊な運搬体の利用、タンパク分解
酵素阻害剤や吸収促進剤の併用、また、インスリン分子
構造の化学修飾などの試みが数多く行われてきたが、ま
だ十分なバイオアベイラビリティは得られていない。
分泌と同じ門脈を経由するため過量のインスリンは肝臓
で代謝され高インスリン血症を回避し得ること、及び日
常生活での適用が容易である等の利点を有することか
ら、最適投与法と考えられる。しかしながら、インスリ
ンは消化管内での膜透過性や安定性が悪いため、経口的
に投与するには解決すべき問題が多く存在する。これら
の障害を回避し消化管での吸収性を高める経口投与剤形
として、これまでに特殊な運搬体の利用、タンパク分解
酵素阻害剤や吸収促進剤の併用、また、インスリン分子
構造の化学修飾などの試みが数多く行われてきたが、ま
だ十分なバイオアベイラビリティは得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、消化管での
吸収性を高めるための消化管吸収促進作用をもった安全
な物質の提供を目的としている。本発明は、消化管から
の吸収性が低い水溶性薬物を経口的に投与することがで
きるように、消化管での吸収性を高めることを目的とし
ている。
吸収性を高めるための消化管吸収促進作用をもった安全
な物質の提供を目的としている。本発明は、消化管から
の吸収性が低い水溶性薬物を経口的に投与することがで
きるように、消化管での吸収性を高めることを目的とし
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはすでに、w
ater−in−oil−in−water(W/O/
W)形複合エマルジョンの油相に炭素数18の不飽和脂
肪酸を添加することによりインスリンの消化管吸収を増
加させることを明らかにしてきた。さらに研究を進め、
消化管からの吸収性が低い水溶性薬物へのエマルジョン
剤形、特にW/O/W形複合エマルジョン剤形の適用
性、ならびにエマルジョンに形成させる際、その油相
に、多価不飽和脂肪酸、特にDHAを添加することによ
り、消化管吸収が顕著に促進させることを見いだし、本
発明を完成した。
ater−in−oil−in−water(W/O/
W)形複合エマルジョンの油相に炭素数18の不飽和脂
肪酸を添加することによりインスリンの消化管吸収を増
加させることを明らかにしてきた。さらに研究を進め、
消化管からの吸収性が低い水溶性薬物へのエマルジョン
剤形、特にW/O/W形複合エマルジョン剤形の適用
性、ならびにエマルジョンに形成させる際、その油相
に、多価不飽和脂肪酸、特にDHAを添加することによ
り、消化管吸収が顕著に促進させることを見いだし、本
発明を完成した。
【0005】本発明は、多価不飽和脂肪酸からなること
を特徴とする消化管吸収促進剤を要旨としている。上記
多価不飽和脂肪酸は、エマルジョンとして油相に含まれ
ている、あるいはマイクロエマルジョンにより均一な一
相として含まれている多価不飽和脂肪酸であり、したが
って、本発明は、エマルジョンとして油相に含まれてい
る、あるいはマイクロエマルジョンにより均一な一相と
して含まれている多価不飽和脂肪酸からなることを特徴
とする消化管吸収促進剤を要旨としている。上記多価不
飽和脂肪酸は、エイコサペンタエン酸および/またはド
コサヘキサエン酸であり、したがって、本発明は、エイ
コサペンタエン酸および/またはドコサヘキサエン酸か
らなることを特徴とする消化管吸収促進剤を要旨として
いる。また、本発明は、エマルジョンとして油相に含ま
れている、あるいはマイクロエマルジョンにより均一な
一相として含まれているエイコサペンタエン酸および/
またはドコサヘキサエン酸からなることを特徴とする消
化管吸収促進剤を要旨としている。
を特徴とする消化管吸収促進剤を要旨としている。上記
多価不飽和脂肪酸は、エマルジョンとして油相に含まれ
ている、あるいはマイクロエマルジョンにより均一な一
相として含まれている多価不飽和脂肪酸であり、したが
って、本発明は、エマルジョンとして油相に含まれてい
る、あるいはマイクロエマルジョンにより均一な一相と
して含まれている多価不飽和脂肪酸からなることを特徴
とする消化管吸収促進剤を要旨としている。上記多価不
飽和脂肪酸は、エイコサペンタエン酸および/またはド
コサヘキサエン酸であり、したがって、本発明は、エイ
コサペンタエン酸および/またはドコサヘキサエン酸か
らなることを特徴とする消化管吸収促進剤を要旨として
いる。また、本発明は、エマルジョンとして油相に含ま
れている、あるいはマイクロエマルジョンにより均一な
一相として含まれているエイコサペンタエン酸および/
またはドコサヘキサエン酸からなることを特徴とする消
化管吸収促進剤を要旨としている。
【0006】また、本発明は、多価不飽和脂肪酸が消化
管吸収促進剤として、エマルジョン剤形の油相に、ある
いはマイクロエマルジョンにより均一な一相として含ま
れていることを特徴とする薬剤を要旨としている。上記
エマルジョン剤形は、W/O/W形複合エマルジョン剤
形であり、したがって、本発明は、多価不飽和脂肪酸が
消化管吸収促進剤として、W/O/W形複合エマルジョ
ン剤形の油相に含まれていることを特徴とする薬剤を要
旨としている。上記多価不飽和脂肪酸は、エイコサペン
タエン酸および/またはドコサヘキサエン酸であり、し
たがって、本発明は、エイコサペンタエン酸および/ま
たはドコサヘキサエン酸が消化管吸収促進剤として、エ
マルジョン剤形の油相に、あるいはマイクロエマルジョ
ンにより均一な一相として含まれていることを特徴とす
る薬剤を要旨としている。また、本発明は、エイコサペ
ンタエン酸および/またはドコサヘキサエン酸が消化管
吸収促進剤として、W/O/W形複合エマルジョン剤形
の油相に含まれていることを特徴とする薬剤を要旨とし
ている。上記エマルジョン剤形は、消化管からの吸収性
が低い水溶性薬物のエマルジョン剤形であり、したがっ
て、本発明は、多価不飽和脂肪酸が消化管吸収促進剤と
して、消化管からの吸収性が低い水溶性薬物のエマルジ
ョン剤形の油相に含まれていることを特徴とする薬剤を
要旨としている。また、本発明は、多価不飽和脂肪酸が
消化管吸収促進剤として、消化管からの吸収性が低い水
溶性薬物のW/O/W形複合エマルジョン剤形の油相に
含まれていることを特徴とする薬剤を要旨としている。
本発明は、エイコサペンタエン酸および/またはドコサ
ヘキサエン酸が消化管吸収促進剤として、消化管からの
吸収性が低い水溶性薬物のエマルジョン剤形の油相に含
まれていることを特徴とする薬剤を要旨としている。ま
た、本発明は、エイコサペンタエン酸および/またはド
コサヘキサエン酸が消化管吸収促進剤として、消化管か
らの吸収性が低い水溶性薬物のW/O/W形複合エマル
ジョン剤形の油相に含まれていることを特徴とする薬剤
を要旨としている。消化管からの吸収性が低い水溶性薬
物とは、水溶性であるにもかかわらず消化管からの吸収
性が悪いため医薬として用いようとした場合に経口投与
剤としての製剤が不可能な薬物であり、それらはたとえ
ばホルモン剤、抗生物質、ペプチド誘導体などであり、
具体的には、インスリン、カルシトニン、グリセオフル
ビン、シクロスポリン、バソプレシン、バンコマイシン
などを挙げることができる。
管吸収促進剤として、エマルジョン剤形の油相に、ある
いはマイクロエマルジョンにより均一な一相として含ま
れていることを特徴とする薬剤を要旨としている。上記
エマルジョン剤形は、W/O/W形複合エマルジョン剤
形であり、したがって、本発明は、多価不飽和脂肪酸が
消化管吸収促進剤として、W/O/W形複合エマルジョ
ン剤形の油相に含まれていることを特徴とする薬剤を要
旨としている。上記多価不飽和脂肪酸は、エイコサペン
タエン酸および/またはドコサヘキサエン酸であり、し
たがって、本発明は、エイコサペンタエン酸および/ま
たはドコサヘキサエン酸が消化管吸収促進剤として、エ
マルジョン剤形の油相に、あるいはマイクロエマルジョ
ンにより均一な一相として含まれていることを特徴とす
る薬剤を要旨としている。また、本発明は、エイコサペ
ンタエン酸および/またはドコサヘキサエン酸が消化管
吸収促進剤として、W/O/W形複合エマルジョン剤形
の油相に含まれていることを特徴とする薬剤を要旨とし
ている。上記エマルジョン剤形は、消化管からの吸収性
が低い水溶性薬物のエマルジョン剤形であり、したがっ
て、本発明は、多価不飽和脂肪酸が消化管吸収促進剤と
して、消化管からの吸収性が低い水溶性薬物のエマルジ
ョン剤形の油相に含まれていることを特徴とする薬剤を
要旨としている。また、本発明は、多価不飽和脂肪酸が
消化管吸収促進剤として、消化管からの吸収性が低い水
溶性薬物のW/O/W形複合エマルジョン剤形の油相に
含まれていることを特徴とする薬剤を要旨としている。
本発明は、エイコサペンタエン酸および/またはドコサ
ヘキサエン酸が消化管吸収促進剤として、消化管からの
吸収性が低い水溶性薬物のエマルジョン剤形の油相に含
まれていることを特徴とする薬剤を要旨としている。ま
た、本発明は、エイコサペンタエン酸および/またはド
コサヘキサエン酸が消化管吸収促進剤として、消化管か
らの吸収性が低い水溶性薬物のW/O/W形複合エマル
ジョン剤形の油相に含まれていることを特徴とする薬剤
を要旨としている。消化管からの吸収性が低い水溶性薬
物とは、水溶性であるにもかかわらず消化管からの吸収
性が悪いため医薬として用いようとした場合に経口投与
剤としての製剤が不可能な薬物であり、それらはたとえ
ばホルモン剤、抗生物質、ペプチド誘導体などであり、
具体的には、インスリン、カルシトニン、グリセオフル
ビン、シクロスポリン、バソプレシン、バンコマイシン
などを挙げることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、好ましい形態を挙げて本発
明をさらに詳しく説明する。本発明では、結腸および直
腸を投与部位として、炭素数18の不飽和脂肪酸の吸収
促進効果について詳細に検討するとともに、魚などに多
く含まれている多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタ
エン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)
の併用による相乗効果について検討した。
明をさらに詳しく説明する。本発明では、結腸および直
腸を投与部位として、炭素数18の不飽和脂肪酸の吸収
促進効果について詳細に検討するとともに、魚などに多
く含まれている多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタ
エン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)
の併用による相乗効果について検討した。
【0008】本発明では、消化管からの吸収性が低い水
溶性薬物へのエマルジョン剤形の適用性および不飽和脂
肪酸、特にDHAの吸収促進作用の強さについて、モデ
ル薬物として、消化管からほとんど吸収されないペプチ
ド系抗生物質であるバンコマイシンを用いて、すなわ
ち、DHA添加W/O/W形複合エマルジョンによるバ
ンコマイシンの腸管吸収促進作用について実験をした。
その結果、この剤形は腸管からの吸収性が低い薬物の吸
収を増大することが可能であることが示唆された。そし
て、W/O/W形複合エマルジョンにC18脂肪酸類、E
PAあるいはDHAを添加することにより、インスリン
の結腸および直腸吸収が促進されることを明らかにし
た。
溶性薬物へのエマルジョン剤形の適用性および不飽和脂
肪酸、特にDHAの吸収促進作用の強さについて、モデ
ル薬物として、消化管からほとんど吸収されないペプチ
ド系抗生物質であるバンコマイシンを用いて、すなわ
ち、DHA添加W/O/W形複合エマルジョンによるバ
ンコマイシンの腸管吸収促進作用について実験をした。
その結果、この剤形は腸管からの吸収性が低い薬物の吸
収を増大することが可能であることが示唆された。そし
て、W/O/W形複合エマルジョンにC18脂肪酸類、E
PAあるいはDHAを添加することにより、インスリン
の結腸および直腸吸収が促進されることを明らかにし
た。
【0009】
【実施例】本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0010】実施例1 《W/O/W形複合エマルジョンの調製方法》図1に示
した二段階乳化法によりホモジナイザーを用いて調製し
た。組成を図2に示す。脂肪酸としては、オレイン酸
[C18:1]、リノール酸[C18:2]、リノレン酸
[C18:3]およびDHA[C22:6]を用いた。内水
相(inneraquesous phase)は5%ゼラチンを含有する
バンコマイシン水溶液、油相(oilyphase)は5%リン
脂質(ホスファチジルコリン:ホスファチジルエタノー
ルアミン=7:3)、20%Span80。トリグリセ
リド、脂肪酸、α-トコフェロール、外水相(outer aqu
eous phase)は3%Tween80を含有する精製水か
らなり、内水相:油相:外水相の重量比率=1:4:1
5である。
した二段階乳化法によりホモジナイザーを用いて調製し
た。組成を図2に示す。脂肪酸としては、オレイン酸
[C18:1]、リノール酸[C18:2]、リノレン酸
[C18:3]およびDHA[C22:6]を用いた。内水
相(inneraquesous phase)は5%ゼラチンを含有する
バンコマイシン水溶液、油相(oilyphase)は5%リン
脂質(ホスファチジルコリン:ホスファチジルエタノー
ルアミン=7:3)、20%Span80。トリグリセ
リド、脂肪酸、α-トコフェロール、外水相(outer aqu
eous phase)は3%Tween80を含有する精製水か
らなり、内水相:油相:外水相の重量比率=1:4:1
5である。
【0011】《封入率の測定方法》調製したオレイン酸
2%および15%添加W/O/W複合エマルジョンをセ
ルロースチューブ(スペクトル/ボアCE分画分子量5
0000)に封入し、生理食塩水中、4℃および37℃
で透析した。調製直後、1日、4日、7日、14日、2
1日、28日後にサンプリングし、生理食塩水中のバン
コマイシン濃度を測定した。
2%および15%添加W/O/W複合エマルジョンをセ
ルロースチューブ(スペクトル/ボアCE分画分子量5
0000)に封入し、生理食塩水中、4℃および37℃
で透析した。調製直後、1日、4日、7日、14日、2
1日、28日後にサンプリングし、生理食塩水中のバン
コマイシン濃度を測定した。
【0012】《バンコマイシンの腸管吸収性の評価方
法》48時間絶食した体重約180〜210gのWis
tar系雄性ラットにペントバルビタール麻酔下in
situ loop法により、結腸および直腸の両端を
結紮して、エマルジョンを投与した。バンコマイシンの
投与量は5mg/kgとした。頚静脈から、投与前、投
与5分、15分、30分、60分、120分、180
分、240分、360分後に採血を行い血中バンコマイ
シン濃度を測定した。
法》48時間絶食した体重約180〜210gのWis
tar系雄性ラットにペントバルビタール麻酔下in
situ loop法により、結腸および直腸の両端を
結紮して、エマルジョンを投与した。バンコマイシンの
投与量は5mg/kgとした。頚静脈から、投与前、投
与5分、15分、30分、60分、120分、180
分、240分、360分後に採血を行い血中バンコマイ
シン濃度を測定した。
【0013】《血中濃度測定方法》蛍光偏光免疫法を用
いて測定した。図3に2%DHA添加バンコマイシンエ
マルジョン(●)およびバンコマイシン溶液(○)投与
後の結腸部(Colon)または直腸部(Rectu
m)に投与後の血中バンコマイシン濃度の経時的変化を
示した。
いて測定した。図3に2%DHA添加バンコマイシンエ
マルジョン(●)およびバンコマイシン溶液(○)投与
後の結腸部(Colon)または直腸部(Rectu
m)に投与後の血中バンコマイシン濃度の経時的変化を
示した。
【0014】《結果・考察》オレイン酸添加エマルジョ
ンのバンコマイシンの封入率は、4℃の実験条件下で
は、オレイン酸の添加量にかかわらず平均約50%とな
り、4℃の保存条件下では1カ月後でも封入率にほとん
ど変化は認められなかった。In situ吸収実験の
結果によると、結腸および直腸の両部位において、C18
不飽和脂肪酸添加W/O/W形複合エマルジョンによる
顕著な吸収促進作用が認められた。また同様に、DHA
添加W/O/W形複合エマルジョンにおいても、C18不
飽和脂肪酸に匹敵するバンコマイシン吸収促進作用が両
投与部位において認められた(図3)。これらのことか
ら、この剤形は腸管からの吸収性が低い薬物の吸収を増
大することが可能であることが示唆された。
ンのバンコマイシンの封入率は、4℃の実験条件下で
は、オレイン酸の添加量にかかわらず平均約50%とな
り、4℃の保存条件下では1カ月後でも封入率にほとん
ど変化は認められなかった。In situ吸収実験の
結果によると、結腸および直腸の両部位において、C18
不飽和脂肪酸添加W/O/W形複合エマルジョンによる
顕著な吸収促進作用が認められた。また同様に、DHA
添加W/O/W形複合エマルジョンにおいても、C18不
飽和脂肪酸に匹敵するバンコマイシン吸収促進作用が両
投与部位において認められた(図3)。これらのことか
ら、この剤形は腸管からの吸収性が低い薬物の吸収を増
大することが可能であることが示唆された。
【0015】実施例2 1)W/O/W形複合エマルジョンの組成と調製 内水相としてゼラチンを含むインスリン溶液、油相とし
てトリグリセリド、レシチン、親油性界面活性剤(Sp
an80)、脂肪酸、抗酸化剤(α−トコフェロー
ル)、外水相として親水性界面活性剤(Tween8
0)を含む精製水を用い、二段階乳化法によりホモジナ
イザーを用いて調製した。W/O/W形複合エマルジョ
ンの組成は、内水相(5%ゼラチン含有インスリン水溶
液)、油相(5%リン脂質、20%Span80、トリ
グリセリド、脂肪酸、α-トコフェロール)、および外
水相(3%Tween80含有精製水)からなる。油相
に添加する脂肪酸としてはステアリン酸[C18:0]、
オレイン酸[C18:1]、リノール酸[C18:2]、リ
ノレン酸[C18:3]、EPA[C 20:5]およびDH
A[C22:6]を用い、エマルジョン製剤中2%含有す
るように添加した。
てトリグリセリド、レシチン、親油性界面活性剤(Sp
an80)、脂肪酸、抗酸化剤(α−トコフェロー
ル)、外水相として親水性界面活性剤(Tween8
0)を含む精製水を用い、二段階乳化法によりホモジナ
イザーを用いて調製した。W/O/W形複合エマルジョ
ンの組成は、内水相(5%ゼラチン含有インスリン水溶
液)、油相(5%リン脂質、20%Span80、トリ
グリセリド、脂肪酸、α-トコフェロール)、および外
水相(3%Tween80含有精製水)からなる。油相
に添加する脂肪酸としてはステアリン酸[C18:0]、
オレイン酸[C18:1]、リノール酸[C18:2]、リ
ノレン酸[C18:3]、EPA[C 20:5]およびDH
A[C22:6]を用い、エマルジョン製剤中2%含有す
るように添加した。
【0016】2)In situ 実験 インスリンの腸管吸収性の評価はIn situ lo
op法により体重180〜220gのWistar系雄
性ラットの結腸および直腸に各種エマルジョンを約1g
投与し、血糖値および血中インスリン濃度の経時的変化
について検討した。また、エマルジョン製剤の粘膜刺激
性を検討するためにエマルジョン適用4時間後の結腸お
よび直腸粘膜の病理組織学的検査を光学顕微鏡により行
った。脂肪酸添加インスリンエマルジョンの適用4時間
後の結腸と直腸の病理組織学的検査の結果を表1に示し
た。血糖値はグルコースオキシダーゼ法、血中インスリ
ン濃度はエンザイムイムノアッセイ法を用いて測定し
た。
op法により体重180〜220gのWistar系雄
性ラットの結腸および直腸に各種エマルジョンを約1g
投与し、血糖値および血中インスリン濃度の経時的変化
について検討した。また、エマルジョン製剤の粘膜刺激
性を検討するためにエマルジョン適用4時間後の結腸お
よび直腸粘膜の病理組織学的検査を光学顕微鏡により行
った。脂肪酸添加インスリンエマルジョンの適用4時間
後の結腸と直腸の病理組織学的検査の結果を表1に示し
た。血糖値はグルコースオキシダーゼ法、血中インスリ
ン濃度はエンザイムイムノアッセイ法を用いて測定し
た。
【0017】
【表1】
【0018】図4および図5に、インスリンの投与量を
50U/kgとし、トリグリセリドとしてトリオレイン
を用い、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸および
リノレン酸などの不飽和脂肪酸を油相に添加したエマル
ジョンを、結腸部および直腸部の両部位に投与後の血中
インスリン濃度(インスリンエマルジョンの場合△、2
%脂肪酸添加インスリンエマルジョンの場合□)および
血糖値(インスリンエマルジョンの場合“黒三角形”、
2%脂肪酸添加インスリンエマルジョンの場合■)の経
時的変化を示した。結腸(図4)および直腸(図5)両
部位ともに血中インスリン濃度が著しく上昇し、それに
伴う顕著な血糖低下作用が認められた。一方、飽和脂肪
酸であるステアリン酸を油相に添加したエマルジョン投
与群ではこのような血糖低下作用は認められなかった。
50U/kgとし、トリグリセリドとしてトリオレイン
を用い、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸および
リノレン酸などの不飽和脂肪酸を油相に添加したエマル
ジョンを、結腸部および直腸部の両部位に投与後の血中
インスリン濃度(インスリンエマルジョンの場合△、2
%脂肪酸添加インスリンエマルジョンの場合□)および
血糖値(インスリンエマルジョンの場合“黒三角形”、
2%脂肪酸添加インスリンエマルジョンの場合■)の経
時的変化を示した。結腸(図4)および直腸(図5)両
部位ともに血中インスリン濃度が著しく上昇し、それに
伴う顕著な血糖低下作用が認められた。一方、飽和脂肪
酸であるステアリン酸を油相に添加したエマルジョン投
与群ではこのような血糖低下作用は認められなかった。
【0019】DHAおよびEPA添加エマルジョンで
は、図6および図7(インスリンエマルジョンの場合
〇、2%脂肪酸添加インスリンエマルジョンの場合■)
より明らかな通り、炭素数18の不飽和脂肪酸に匹敵す
る血糖低下作用が認められ、このことからこれらの不飽
和脂肪酸は強いインスリン吸収促進作用を有することが
明らかとなった。
は、図6および図7(インスリンエマルジョンの場合
〇、2%脂肪酸添加インスリンエマルジョンの場合■)
より明らかな通り、炭素数18の不飽和脂肪酸に匹敵す
る血糖低下作用が認められ、このことからこれらの不飽
和脂肪酸は強いインスリン吸収促進作用を有することが
明らかとなった。
【0020】さらに、図8および図9より明らかな通
り、DHA添加エマルジョンによる血糖低下作用の用量
依存性を5、10、25および50U/kg(コントロ
ール●、5U/kg“黒三角形”、10U/kg“黒逆
三角形”、25U/kg◆および50U/kg■)の範
囲について検討した結果、血糖値および血中インスリン
濃度は投与量に依存して変動することが認められた。ま
た、エマルジョン適用後の結腸および直腸の病理組織学
的検査の結果、DHA添加W/O/W形複合エマルジョ
ン製剤による粘膜刺激性変化はほとんど認められなかっ
た。
り、DHA添加エマルジョンによる血糖低下作用の用量
依存性を5、10、25および50U/kg(コントロ
ール●、5U/kg“黒三角形”、10U/kg“黒逆
三角形”、25U/kg◆および50U/kg■)の範
囲について検討した結果、血糖値および血中インスリン
濃度は投与量に依存して変動することが認められた。ま
た、エマルジョン適用後の結腸および直腸の病理組織学
的検査の結果、DHA添加W/O/W形複合エマルジョ
ン製剤による粘膜刺激性変化はほとんど認められなかっ
た。
【0021】以上の結果から、油相に不飽和脂肪酸を添
加したインスリン含有W/O/W形複合エマルジョン
は、結腸および直腸にターゲッティングすることにより
インスリンを安全にかつ効率良く吸収させることができ
る実用可能な製剤となり得るものと考えられる。
加したインスリン含有W/O/W形複合エマルジョン
は、結腸および直腸にターゲッティングすることにより
インスリンを安全にかつ効率良く吸収させることができ
る実用可能な製剤となり得るものと考えられる。
【0022】図10から明らかな通り、W/O/W形複
合エマルジョンにC18脂肪酸類、EPAあるいはDHA
を添加することにより、インスリンの結腸および直腸吸
収が促進されることが明らかとなった。その吸収促進作
用はC18飽和脂肪酸<C18不飽和脂肪酸<EPA≦DH
Aの順に強くなる傾向が認められた。また、図11から
明らかな通り、DHAについては、グリセロールエステ
ル形ではその作用が消失することが明らかとなった。
合エマルジョンにC18脂肪酸類、EPAあるいはDHA
を添加することにより、インスリンの結腸および直腸吸
収が促進されることが明らかとなった。その吸収促進作
用はC18飽和脂肪酸<C18不飽和脂肪酸<EPA≦DH
Aの順に強くなる傾向が認められた。また、図11から
明らかな通り、DHAについては、グリセロールエステ
ル形ではその作用が消失することが明らかとなった。
【0023】不飽和脂肪酸類添加エマルジョン投与後の
インスリン体内動態を検討した結果、表2(結腸)およ
び表3(直腸)に示されるように、投与部位間で血中濃
度・時間曲線下面積(AUC)および最大血中濃度(C
max)には差が認められなかったが、最大血中濃度到達
時間(Tmax)および平均滞留時間(MRT)は結腸投
与時の方が延長する傾向が認められた。
インスリン体内動態を検討した結果、表2(結腸)およ
び表3(直腸)に示されるように、投与部位間で血中濃
度・時間曲線下面積(AUC)および最大血中濃度(C
max)には差が認められなかったが、最大血中濃度到達
時間(Tmax)および平均滞留時間(MRT)は結腸投
与時の方が延長する傾向が認められた。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】図12から明らかな通り、DHA添加エマ
ルジョンはインスリン投与量に依存した血糖低下作用を
示し、最大約20%の薬理学的利用率が得られた。表1
に示すとおりこの製剤による腸管粘膜刺激性変化はほと
んど認められず、有用性の高い製剤になり得るものと考
えられる。
ルジョンはインスリン投与量に依存した血糖低下作用を
示し、最大約20%の薬理学的利用率が得られた。表1
に示すとおりこの製剤による腸管粘膜刺激性変化はほと
んど認められず、有用性の高い製剤になり得るものと考
えられる。
【0027】
【発明の効果】消化管での吸収性を高めるための消化管
吸収促進作用をもった安全な物質を提供することができ
た。消化管での吸収性を高めることにより消化管からの
吸収性が低い水溶性薬物を経口的に投与すことが可能と
なった。
吸収促進作用をもった安全な物質を提供することができ
た。消化管での吸収性を高めることにより消化管からの
吸収性が低い水溶性薬物を経口的に投与すことが可能と
なった。
【図1】W/O/W形複合エマルジョンの二段階乳化法
による調製を説明した図面である。
による調製を説明した図面である。
【図2】W/O/W形複合エマルジョンの内水相(5%
ゼラチン含有バンコマイシン水溶液)、油相(5%リン
脂質、20%Span80、トリグリセリド、脂肪酸、
α-トコフェロール)、外水相(3%Tween80含
有精製水)からなる組成を示した図面である。
ゼラチン含有バンコマイシン水溶液)、油相(5%リン
脂質、20%Span80、トリグリセリド、脂肪酸、
α-トコフェロール)、外水相(3%Tween80含
有精製水)からなる組成を示した図面である。
【図3】2%DHA添加バンコマイシンエマルジョン
(●)およびバンコマイシン溶液(○)投与後の結腸部
(Colon)または直腸部(Rectum)に投与後
の血中バンコマイシン濃度の経時的変化を示した図面で
ある。
(●)およびバンコマイシン溶液(○)投与後の結腸部
(Colon)または直腸部(Rectum)に投与後
の血中バンコマイシン濃度の経時的変化を示した図面で
ある。
【図4】インスリンの投与量を50U/kgとし、トリ
グリセリドとしてトリオレインを用い、ステアリン酸、
オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸の不飽和脂肪
酸を油相に添加したエマルジョンを、結腸部に投与後の
血中インスリン濃度(インスリンエマルジョンの場合
△、2%脂肪酸添加インスリンエマルジョンの場合□)
および血糖値の経時的変化を示した図面である。
グリセリドとしてトリオレインを用い、ステアリン酸、
オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸の不飽和脂肪
酸を油相に添加したエマルジョンを、結腸部に投与後の
血中インスリン濃度(インスリンエマルジョンの場合
△、2%脂肪酸添加インスリンエマルジョンの場合□)
および血糖値の経時的変化を示した図面である。
【図5】インスリンの投与量を50U/kgとし、トリ
グリセリドとしてトリオレインを用い、ステアリン酸、
オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸の不飽和脂肪
酸を油相に添加したエマルジョンを、直腸部に投与後の
血中インスリン濃度および血糖値(インスリンエマルジ
ョンの場合“黒三角形”、2%脂肪酸添加インスリンエ
マルジョンの場合■)の経時的変化を示した図面であ
る。
グリセリドとしてトリオレインを用い、ステアリン酸、
オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸の不飽和脂肪
酸を油相に添加したエマルジョンを、直腸部に投与後の
血中インスリン濃度および血糖値(インスリンエマルジ
ョンの場合“黒三角形”、2%脂肪酸添加インスリンエ
マルジョンの場合■)の経時的変化を示した図面であ
る。
【図6】2%DHAまたはEPA添加インスリンエマル
ジョン投与後の血糖値(インスリンエマルジョンの場合
“黒三角形”、2%脂肪酸添加インスリンエマルジョン
の場合■)の経時的変化を示した図面である。
ジョン投与後の血糖値(インスリンエマルジョンの場合
“黒三角形”、2%脂肪酸添加インスリンエマルジョン
の場合■)の経時的変化を示した図面である。
【図7】2%DHAまたはEPA添加インスリンエマル
ジョン投与後の血中インスリン濃度(インスリンエマル
ジョンの場合“黒三角形”、2%脂肪酸添加インスリン
エマルジョンの場合■)の経時的変化を示した図面であ
る。
ジョン投与後の血中インスリン濃度(インスリンエマル
ジョンの場合“黒三角形”、2%脂肪酸添加インスリン
エマルジョンの場合■)の経時的変化を示した図面であ
る。
【図8】DHA添加エマルジョンによる結腸部における
血糖低下作用の用量依存性をコントロール●、5U/k
g“黒三角形”、10U/kg“黒逆三角形”、25U
/kg◆および50U/kg■の範囲について検討した
結果を示した図面である。
血糖低下作用の用量依存性をコントロール●、5U/k
g“黒三角形”、10U/kg“黒逆三角形”、25U
/kg◆および50U/kg■の範囲について検討した
結果を示した図面である。
【図9】DHA添加エマルジョンによる直腸部における
血糖低下作用の用量依存性をコントロール●、5U/k
g“黒三角形”、10U/kg“黒逆三角形”、25U
/kg◆および50U/kg■の範囲について検討した
結果を示した図面である。
血糖低下作用の用量依存性をコントロール●、5U/k
g“黒三角形”、10U/kg“黒逆三角形”、25U
/kg◆および50U/kg■の範囲について検討した
結果を示した図面である。
【図10】W/O/W形複合エマルジョンにC18脂肪酸
類、EPAあるいはDHAを添加することにより、イン
スリンの結腸および直腸吸収が促進されることを示した
図面である。
類、EPAあるいはDHAを添加することにより、イン
スリンの結腸および直腸吸収が促進されることを示した
図面である。
【図11】DHA添加エマルジョンによる結腸部におけ
る血糖価の形態依存性(インスリンエマルジョンの場合
〇、種々の形態のDHA添加インスリンエマルジョンの
場合■)を示した図面である。
る血糖価の形態依存性(インスリンエマルジョンの場合
〇、種々の形態のDHA添加インスリンエマルジョンの
場合■)を示した図面である。
【図12】DHA添加エマルジョンの最適使用量を示し
た図面である。
た図面である。
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図4】
【図7】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図11】
フロントページの続き (72)発明者 森下 真莉子 東京都品川区荏原2−4−41 星薬科大学 内
Claims (9)
- 【請求項1】 多価不飽和脂肪酸からなることを特徴と
する消化管吸収促進剤。 - 【請求項2】 上記多価不飽和脂肪酸が、エマルジョン
として油相に含まれている、あるいはマイクロエマルジ
ョンにより均一な一相として含まれている多価不飽和脂
肪酸である請求項1の消化管吸収促進剤。 - 【請求項3】 上記多価不飽和脂肪酸が、エイコサペン
タエン酸および/またはドコサヘキサエン酸である請求
項1または2の消化管吸収促進剤。 - 【請求項4】 多価不飽和脂肪酸が消化管吸収促進剤と
して、エマルジョン剤形の油相に、あるいはマイクロエ
マルジョンにより均一な一相として含まれていることを
特徴とする薬剤。 - 【請求項5】 エマルジョン剤形がW/O/W形複合エ
マルジョン剤形である請求項4の薬剤。 - 【請求項6】 上記多価不飽和脂肪酸が、エイコサペン
タエン酸および/またはドコサヘキサエン酸である請求
項4または5の薬剤。 - 【請求項7】 消化管からの吸収性が低い水溶性薬物の
エマルジョン剤形である請求項4、5または6の薬剤。 - 【請求項8】 消化管からの吸収性が低い水溶性薬物が
インスリンである請求項7の薬剤。 - 【請求項9】 経口投与剤形である請求項8の薬剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10068889A JPH10330287A (ja) | 1997-03-31 | 1998-03-18 | 多価不飽和脂肪酸からなる消化管吸収促進剤およびそれを含有する薬剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-98028 | 1997-03-31 | ||
JP9802897 | 1997-03-31 | ||
JP10068889A JPH10330287A (ja) | 1997-03-31 | 1998-03-18 | 多価不飽和脂肪酸からなる消化管吸収促進剤およびそれを含有する薬剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10330287A true JPH10330287A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=26410081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10068889A Withdrawn JPH10330287A (ja) | 1997-03-31 | 1998-03-18 | 多価不飽和脂肪酸からなる消化管吸収促進剤およびそれを含有する薬剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10330287A (ja) |
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001240558A (ja) * | 2000-02-29 | 2001-09-04 | Nippon Suisan Kaisha Ltd | 多価不飽和脂肪酸を経粘膜吸収促進剤として含有する固形製剤。 |
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JP2009507067A (ja) * | 2005-09-06 | 2009-02-19 | オーラメッド・ファーマスーティカルズ・インコーポレイテッド | タンパク質を経口投与するための方法及び組成物 |
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CN104824180A (zh) * | 2015-05-31 | 2015-08-12 | 安庆市孝柱食品科技有限公司 | 低糖葵花籽油乳剂 |
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CN104920626A (zh) * | 2015-06-22 | 2015-09-23 | 安庆市孝柱食品科技有限公司 | 黄米养胃核桃油 |
CN104920625A (zh) * | 2015-06-22 | 2015-09-23 | 安庆市孝柱食品科技有限公司 | 黄米养胃核桃油 |
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CN104957273A (zh) * | 2015-05-31 | 2015-10-07 | 安庆市孝柱食品科技有限公司 | 低糖大豆油乳剂 |
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US10342764B2 (en) | 2012-02-01 | 2019-07-09 | Oramed Ltd. | Protease inhibitor-containing compositions, compositions comprising same, and methods for producing and using same |
US10398762B2 (en) | 2012-01-03 | 2019-09-03 | Oramed Ltd. | Methods and compositions for treating diabetes |
JP2021508331A (ja) * | 2017-12-19 | 2021-03-04 | ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション | 眼投与のためのw/o/wマイクロエマルジョン |
US10967051B2 (en) | 2013-01-03 | 2021-04-06 | Oramed Ltd. | Methods and compositions for treating NAFLD, hepatic steatosis, and sequelae thereof |
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-
1998
- 1998-03-18 JP JP10068889A patent/JPH10330287A/ja not_active Withdrawn
Cited By (30)
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EP1867323A1 (en) * | 2006-06-13 | 2007-12-19 | Farmatron Ltd. | Pharmaceutical compositions with biological barriers permeation enhancing properties |
JP2010532343A (ja) * | 2007-07-05 | 2010-10-07 | ノース−ウエスト ユニヴァーシティ | 治療用タンパク質の有効性の向上 |
US11660327B2 (en) | 2008-03-26 | 2023-05-30 | Oramed Ltd. | Methods and compositions for oral administration of proteins |
US10881714B2 (en) | 2008-03-26 | 2021-01-05 | Oramed Ltd. | Methods and compositions for oral administration of proteins |
US10058593B2 (en) | 2008-03-26 | 2018-08-28 | Oramed Ltd. | Methods and compositions for oral administration of proteins |
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JP2015038082A (ja) * | 2008-05-05 | 2015-02-26 | オラムド エルティーディー. | エクセナチドの経口投与用の方法及び組成物 |
US10350162B2 (en) | 2008-05-05 | 2019-07-16 | Oramed Ltd. | Methods and compositions for oral administration of exenatide |
JP2018115204A (ja) * | 2008-05-05 | 2018-07-26 | オラムド エルティーディー. | エクセナチドの経口投与用の方法及び組成物 |
JP2017008080A (ja) * | 2008-05-05 | 2017-01-12 | オラムド エルティーディー. | エクセナチドの経口投与用の方法及び組成物 |
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US11395848B2 (en) | 2012-01-03 | 2022-07-26 | Oramed Ltd. | Methods and compositions for treating diabetes |
US10342764B2 (en) | 2012-02-01 | 2019-07-09 | Oramed Ltd. | Protease inhibitor-containing compositions, compositions comprising same, and methods for producing and using same |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050607 |