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JPH10225638A - ビスフェノール製造用触媒、その調製方法及びビスフェノールの製造方法 - Google Patents

ビスフェノール製造用触媒、その調製方法及びビスフェノールの製造方法

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Publication number
JPH10225638A
JPH10225638A JP9260279A JP26027997A JPH10225638A JP H10225638 A JPH10225638 A JP H10225638A JP 9260279 A JP9260279 A JP 9260279A JP 26027997 A JP26027997 A JP 26027997A JP H10225638 A JPH10225638 A JP H10225638A
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JP
Japan
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group
sulfonic acid
siloxane
acid group
catalyst
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Application number
JP9260279A
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English (en)
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Hidekazu Ookubo
英主 大久保
Sadaaki Yamamoto
貞明 山本
Kaoru Inoue
薫 井上
Hirobumi Io
博文 井尾
Shinobu Aoki
忍 青木
Takashi Terajima
隆 寺嶋
Shuichi Tokumoto
修一 徳元
Kazuaki Matsui
和明 松井
Kazuo Takamura
一夫 高村
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビスフェノールを工業的に有利な不均一触媒
を用いてケトン類とフェノール類から高転化率、高選択
率で製造する方法を提供する。 【解決手段】 ケトン類とフェノール類との反応におい
て、触媒として高分子シロキサンマトリックスを形成し
うる有機スルホン酸基含有シラン化合物および有機スル
ホン酸基含有低分子シロキサンよりなる群から選ばれた
少なくとも1種と、高分子シロキサンマトリックスを形
成しうるメルカプト基含有シラン化合物とを、加水分解
し、次いで、得られた混合ゾルを脱水縮合することによ
るゲル化により、シリカマトリックスを形成したスルホ
ン酸基およびメルカプト基を有する有機高分子シロキサ
ンを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフェノール類とケト
ン類との脱水縮合反応によるビスフェノール類、とりわ
けフェノールとアセトンとの脱水縮合反応による、2,
2−ビス(4’−オキシフェニル)プロパン(以下ビス
フェノールAと略称する)、及びフェノールとアセトフ
ェノンとの脱水縮合反応による、4,4’−(1−フェ
ニルエチリデン)ビスフェノール(以下ビスフェノール
APと略称する)を製造する触媒およびその調製方法並
びにビスフェノールの製造方法に関する。
【0002】ビスフェノールA、ビスフェノールAPは
ポリカーボネート、ポリエステル、エポキシ樹脂、感熱
紙顕色剤の原料等、工業的に極めて有用な化合物であ
る。特に、ポリカーボネート樹脂用に供するビスフェノ
ールAは無色で且つ高純度なものが要求される。
【0003】
【従来の技術】ビスフェノールAは通常、塩酸等の酸触
媒の存在下にフェノール2分子とアセトン1分子との脱
水縮合反応によって製造されている。均一触媒として例
えば塩酸を用いる場合には、低温で操作することによ
り、フェノールとビスフェノールAの付加物を晶析させ
ながら反応させることが可能であるため、アセトンの高
転化率と共に、高いP、P’−選択性でビスフェノール
Aを製造することが出来る。しかしながら塩酸等の均一
触媒は反応混合液中の触媒の除去、又は中和する工程が
必要であり、操作が煩雑となる。これに加え反応液中に
酸が均一に溶解することから装置等の腐食をもたらし、
そのため、反応装置等に耐腐食材質を用いなければなら
ず、環境的にも経済的にも問題を生じている。このこと
から、固体不均一触媒によるビスフェノールAの製造が
工業的に実施されるようになってきている。
【0004】固体不均一触媒としてはゼオライト、部分
中和し不溶化されたヘテロポリ酸塩、強酸性陽イオン交
換樹脂等が知られている。しかし、これらの固体不均一
触媒は触媒の活性及び選択率の双方とも低い。これらの
固体酸触媒の性能の低さを克服する方法として助触媒と
して含イオウ化合物を酸触媒とともに反応系に添加する
ことで触媒活性及び反応選択性が向上することが知られ
ている。
【0005】含イオウ化合物として添加効果のあるもの
としては、古くからアルキルメルカプタン、ベンジルメ
ルカプタン等のチオール化合物が知られている。これら
の化合物は反応系において均一に溶解しており、酸触媒
の活性向上と、ビスフェノールAの高いP、P’−選択
性をもたらすが、上記均一酸触媒と同様に生成物である
ビスフェノールAとの分離が困難となり、生成物の精製
に問題を生じている。そこで、チオール化合物を固定化
し、生成物への混入を避ける方法が検討されている。例
えば、特公昭37−14721ではメルカプトアルキル
アルコールと強酸性陽イオン交換樹脂の酸性基の一部と
をエステル化して、エステル結合によりメルカプト化合
物を陽イオン交換樹脂に固定化した触媒、特公昭46−
19953ではメルカプトアルキルアミンにより強酸性
陽イオン交換樹脂を部分中和して固定化した触媒、特開
昭52−19189では環状メルカプトアミンで強酸性
陽イオン交換樹脂を部分中和し、イオン結合により固定
化した触媒、更に英国特許第1539186号において
はメルカプトアミノ酸を陽イオン交換樹脂とイオン結合
により固定化した触媒等が知られている。しかしなが
ら、これらイオン交換樹脂にメルカプト化合物を固定化
した触媒は、イオン交換樹脂そのものの耐熱性が低く劣
化しやすい、更に上記例示のメルカプト化合物の固定化
では熱的に不安定であり、分解遊離しやすい。その結果
上記したような均一酸触媒、均一メルカプト化合物の有
する欠点と同様の問題点がある。さらに、上記の固定化
は反応触媒として有効である酸基との反応によるもので
あり、酸量を減少することを伴う欠点も併せて有してい
る。
【0006】これらの欠点を克服する方法として特開平
8−208545ではスルホン酸基及びメルカプト基を
有する有機高分子シロキサンが提案されている。これら
の有機高分子シロキサン触媒は上記強酸性陽イオン交換
樹脂に比較して熱的に安定であり、且つメルカプト化合
物もスルホン酸基をつぶすことなく、且つシロキサンマ
トリックス中に直接シロキサン結合により固定化されて
いることから有効且つ安定な固定化となっている。
【0007】またビスフェノールAPは通常、塩酸等の
酸触媒及び含硫黄化合物の存在下にフェノール2分子と
アセトフェノン1分子との脱水縮合反応によって製造さ
れている。均一触媒として例えば塩酸を用いる場合に
は、アセトフェノンの反応性がアセトンと比較して格段
に低いために助触媒となる含硫黄化合物の共存が必須条
件となる。アセトフェノンとフェノールからビスフェノ
ールAPを製造する方法として既に知られているものと
しては、例えば塩化水素及びメチルメルカプタンを触媒
として75℃、3日間の反応により収率86%でビスフ
ェノールAPを得る方法(イタリア特許685536号
公報)や、塩化水素及び塩化亜鉛を触媒として60℃、
2日間の反応によりアセトフェノン転化率92%、ビス
フェノールAP選択率92%、ビスフェノールAP収率
84.6%で得る方法(特開昭61−33136号公
報)、塩化水素、塩化亜鉛及びブチルメルカプタンを触
媒として50℃、6時間の反応でアセトフェノン転化率
96.5%、ビスフェノールAP収率87.6%で得る
方法(特開平2−196746号公報)、ヘテロポリ酸
及びブチルメルカプタンを触媒として100℃、6時間
の反応によりアセトフェノン転化率88.3%、ビスフ
ェノールAP収率81.7%で得る方法(特開平4−1
45039号公報)などがある。
【0008】しかし、ビスフェノールAと同様、塩酸等
の均一触媒は反応混合液中の触媒の除去、又は中和する
工程が必要であり、操作が煩雑となる。これに加え反応
液中に酸が均一に溶解することから装置等の腐食をもた
らし、そのため、反応装置等に耐腐食材質を用いなけれ
ばならず、環境的にも経済的にも問題を生じることか
ら、ビスフェノールAPの場合も固体不均一触媒による
製造が工業的に望ましい。しかし、上記したようにアセ
トフェノンの反応性がアセトンと比較して著しく低いた
めに固体不均一触媒を用いる例は報告されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フェ
ノール類とケトン類との脱水縮合反応によりビスフェノ
ール類を製造する方法において、生成物であるビスフェ
ノール類に酸成分、メルカプト化合物等が混入すること
なく、且つ高温反応においても酸及びメルカプト化合物
が分解遊離せず、高活性且つ高選択的な触媒を提供する
と共にこの触媒を用いた極めて効率的且つ経済性の高い
ビスフェノール類の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは酸触媒存在
下でフェノール類とケトン類の脱水縮合反応によりビス
フェノール類、とりわけフェノールとアセトンとの脱水
縮合反応によりビスフェノールA及び、フェノールとア
セトフェノンとの脱水縮合反応によりビスフェノールA
Pを製造するにあたり、固体酸触媒の有利性、メルカプ
ト化合物の有効性かつメルカプト化合物の固定化の効果
に注目し、従来のメルカプト化合物の均一系での分離精
製の問題、メルカプト化合物の固定化における不安定さ
の問題等の克服、さらには、スルホン酸基及びメルカプ
ト基を有する有機高分子シロキサンの優れた触媒作用を
考慮し、その触媒作用の性能の向上を目指し鋭意検討し
た結果、フェノール類とケトン類との脱水縮合反応によ
るビスフェノール類を製造するに際して、触媒として高
分子シロキサンマトリックスを形成しうる有機スルホン
酸基含有シラン化合物、有機スルホン酸基含有シロキサ
ンオリゴマーよりなる群から選ばれた少なくとも1種
と、高分子シロキサンマトリックスを形成しうるメルカ
プト基含有シラン化合物との混合物、またはこれらの混
合物と高分子シロキサンであるシリカマトリックスを形
成しうるシラン化合物との混合物を加水分解し、次い
で、得られた混合ゾルを脱水縮合処理によるゲル化によ
り、シリカマトリックスを形成したスルホン酸基及びメ
ルカプト基を有する有機高分子シロキサンとすること
で、スルホン酸基及びメルカプト基を均一広分散且つ効
率的に固定化することを可能とし、更に熱的にも極めて
安定で酸成分及び助触媒成分の脱離が抑制された極めて
活性の高い触媒であることを見いだし本発明を完成する
に至った。
【0011】即ち、本発明は、1)高分子シロキサンマ
トリックスを形成しうる有機スルホン酸基含有シラン化
合物および有機スルホン酸基含有低分子シロキサンより
なる群から選ばれた少なくとも1種と、高分子シロキサ
ンマトリックスを形成しうるメルカプト基含有シラン化
合物とを、または2)高分子シロキサンマトリックスを
形成しうる有機スルホン酸基含有シラン化合物および有
機スルホン酸基含有低分子シロキサンよりなる群から選
ばれた少なくとも1種と、高分子シロキサンマトリック
スを形成しうるメルカプト基含有シラン化合物と、一般
式:Ra nSiX(4-n)(式中nは0又は1以上3以下の
整数であり、Raは炭素数1以上20以下の炭化水素基
または含フッ素炭化水素基であり、Xは塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、水酸基及びアルコキシ基よりなる群
より選ばれた少なくとも1種であり、Siはケイ素原子
を表す)で表されるシラン化合物の少なくとも1種と
を、加水分解し、次いで、得られた混合ゾルを脱水縮合
することによるゲル化により、シリカマトリックスを形
成したスルホン酸基およびメルカプト基を有する有機高
分子シロキサンとすることを特徴とするビスフェノール
製造用触媒の調製方法である。
【0012】また、本発明は1)高分子シロキサンマト
リックスを形成しうる有機スルホン酸基含有シラン化合
物および有機スルホン酸基含有低分子シロキサンよりな
る群から選ばれた少なくとも1種と、高分子シロキサン
マトリックスを形成しうるメルカプト基含有シラン化合
物とを、または2)高分子シロキサンマトリックスを形
成しうる有機スルホン酸基含有シラン化合物および有機
スルホン酸基含有低分子シロキサンよりなる群から選ば
れた少なくとも1種と、高分子シロキサンマトリックス
を形成しうるメルカプト基含有シラン化合物と、一般
式:Ra nSiX( 4-n)(式中nは0又は1以上3以下の
整数であり、Raは炭素数1以上20以下の炭化水素基
または含フッ素炭化水素基であり、Xは塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、水酸基及びアルコキシ基よりなる群
より選ばれた少なくとも1種であり、Siはケイ素原子
を表す)で表されるシラン化合物の少なくとも1種と
を、加水分解し、次いで、得られた混合ゾルを脱水縮合
することによるゲル化により、シリカマトリックスを形
成したスルホン酸基およびメルカプト基を有する有機高
分子シロキサンとする方法により調製されたビスフェノ
ール製造用触媒を提供するものである。
【0013】更に、本発明は、該シリカマトリックスを
形成したスルホン酸基およびメルカプト基を有する有機
高分子シロキサン触媒の存在下に、フェノール類とケト
ン類とを反応させることを特徴とするビスフェノールの
製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用されるフェノール類はベンゼン環に
直接ヒドロキシ基が置換、結合した化合物(フェノー
ル)であり、更にヒドロキシ基以外に置換基を有する置
換フェノール類も使用可能である。このとき、ヒドロキ
シ基以外の置換基は、多くとも4置換基で置換されたフ
ェノール類であり、好ましくは2置換基以下、更に好ま
しくは1置換基以下のフェノール類であることが望まし
い。
【0015】ヒドロキシ基以外の置換基の数が多い場合
には反応が立体的等の要因から進行しにくく、またヒド
ロキシ基以外の置換基数が5であれば、実質的にアセト
ンとの縮合反応は進行しない。ここにおいて、ヒドロキ
シ基以外にベンゼン環に置換基を有するフェノール類の
場合、その置換基は特に限定されることはなく、通常ベ
ンゼン環に置換可能な置換基であればいかなる置換基で
あっても差し支えないが、具体的に例示すれば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の
飽和脂肪族炭化水素基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基等の脂環式炭化水素基、フェニル基、トリル基等
の芳香族炭化水素基等の炭化水素基、メトキシ基、エト
キシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基、ニトロ基、ア
ミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。またこれら置換
基が複数(具体的には2以上4以下)ベンゼン環に置換
している場合には、これらの基が同一であってもまた異
なっていても差し支えない。
【0016】更に、具体的にこれらフェノール類を例示
すれば、無置換であるフェノール、o−、p−及びm−
クレゾール、o−、p−及びm−エチルフェノール、o
−、p−及びm−n−プロピルフェノール、o−、p−
及びm−i−プロピルフェノール、o−、p−及びm−
n−ブチルフェノール、o−、p−及びm−sec−ブ
チルフェノール、o−、p−及びm−tert−ブチル
フェノール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノ
ール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール等のア
ルキル置換フェノール類、p−シクロヘキシルフェノー
ル等の脂環式炭化水素置換フェノール類、o−及びp−
フェニルフェノール、o−及びp−トリルフェノール類
等の芳香族基置換フェノール類、o−及びp−アニソー
ル、o−及びp−エトキシフェノール、o−及びp−フ
ェノキシフェノール等のアルコキシ置換フェノール類、
ニトロフェノール類、アミノフェノール類、クロロフェ
ノール類等が挙げられる。無論、本発明ではこれらのフ
ェノール類のみに限定されることはない。本発明におい
てはこれらフェノール類の少なくとも1種を使用する。
【0017】また、本発明において使用するケトン類と
は、一般式:R’−(C=O)−R”(式中R’及び
R”それぞれ水素原子もしくは炭素数1以上10以下の
炭化水素基であり、同一の基であっても異なる基であっ
ても差し支えない、またこれらの基はハロゲン原子等の
置換基を有していても差し支えない。また−(C=O)
−はカルボニル基である)で表されるカルボニル化合物
である。具体的に例示すればホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド等のアルデヒド類、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−i−ブ
チルケトン、ジエチルケトン等のアルキルケトン類、シ
クロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、3−メ
チルシクロヘキサノン等の脂環式ケトン類、アセトフェ
ノン、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、1,3−ジ
クロロアセトン等のハロゲン置換ケトン類等が挙げられ
る。本発明はこれらのケトン類のみに限定されないのは
無論である。本発明ではこれらケトン類の少なくとも1
種を使用する。
【0018】本発明では、フェノール類がフェノールで
あり、ケトン類がアセトンもしくはアセトフェノンであ
り、ビスフェノールがビスフェノールA及びビスフェノ
ールAPである方法が好ましい。また、本発明において
使用するこれらフェノール類及びケトン類の純度に関し
ては特に限定されることはなく、工業純度であっても、
試薬純度であっても差し支えない。また、高度精製した
高純度品を使用することも当然可能である。さらには、
反応に不活性な媒体、例えば飽和炭化水素等で希釈して
使用することも可能である。
【0019】本発明において用いられる触媒はシリカマ
トリックスを形成したスルホン酸基及びメルカプト基
(SH基)を有する、有機高分子シロキサンである。更
に詳しくは、高分子シロキサンマトリックスを形成しう
る有機スルホン酸基含有シラン化合物および有機スルホ
ン酸基含有低分子シロキサンよりなる群から選ばれた少
なくとも1種と、高分子シロキサンマトリックスを形成
しうるメルカプト基含有シラン化合物よりなる群から選
ばれた少なくとも1種との混合物を、必要である場合に
は、加水分解等の処理を行い混合ゾルとし更に脱水縮合
によりゲル化させて得られるシリカマトリックスを形成
したスルホン酸基及びメルカプト基を有する有機高分子
シロキサンである。この時、混合ゾルを調製する際に、
上記有機スルホン酸基含有シラン化合物および有機スル
ホン酸基含有低分子シロキサンよりなる群から選ばれた
少なくとも1種と、メルカプト基含有シラン化合物より
なる群から選ばれた少なくとも1種との混合物とともに
一般式:Ra nSiX(4-n)(式中nは0又は1以上3以
下の整数であり、Raは炭素数1以上20以下の炭化水
素基または含フッ素炭化水素基であり、Xは塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子、水酸基及びアルコキシ基よりな
る群より選ばれた少なくとも1種であり、Siはケイ素
原子を表す)で表されるシラン化合物の少なくとも1種
を添加して、ゾル化及びゲル化させて得られるシリカマ
トリックスを形成したスルホン酸基及びメルカプト基を
有する有機高分子シロキサンとする場合もある。後者の
調製方法の法が、シリカマトリックスの安定性等の観点
から好ましい触媒となる場合もある。
【0020】本発明で用いる、高分子シロキサンマトリ
ックスを形成しうる有機スルホン酸基含有シラン化合物
とは、直接ケイ素原子に結合した有機スルホン酸基を有
するものであり、該シラン化合物単独もしくはエチルシ
リケート、四塩化ケイ素等のシラン化合物の混合物とし
て通常のゾル−ゲル反応により固体化しゲル状物質を形
成しうるシラン化合物である。また有機スルホン酸基含
有低分子シロキサンとは、上記の有機スルホン酸基含有
シラン化合物の2分子以上が加水分解によりシロキサン
結合を形成したシロキサン化合物である。ここで言う低
分子シロキサンとは、シロキサン結合形成によってもゲ
ル化し固体化しないシロキサン化合物である。通常、上
記の有機スルホン酸基含有シラン化合物の2分子以上〜
数10分子により形成されたシロキサンである。またゲ
ル化前のシリカゾルも含まれる。好ましくは上記の有機
スルホン酸基含有シラン化合物が10分子以下で生成さ
れたシロキサンであるが、本発明においては特に限定さ
れることはなく、溶媒中で均一状態もしくはゾル状態を
保持するシロキサンであれば差し支えない。
【0021】具体的には高分子シロキサンマトリックス
を形成しうる有機スルホン酸基含有シラン化合物として
は、一般式:Rb nSiX(4-n)(式中nは1以上3以下
の整数であり、Rbは少なくとも1以上のスルホン酸基
を有する炭素数1以上15以下の炭化水素基であり、X
は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基及びアルコ
キシ基よりなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
Siはケイ素原子を表す)で表されるシラン化合物が例
示される。
【0022】有機スルホン酸基含有低分子シロキサンと
は、一般式:Rb nSiX(4-n) で表される有機スルホ
ン酸基含有シラン化合物間でそれぞれのSi−X結合が
Si−酸素結合に置換され、Si−O−Si−結合(シ
ロキサン結合)を形成し、かつ、水もしくは有機溶媒に
可溶な化合物である。例えば該シラン化合物2分子から
形成される場合には一般式:(X(3-n'))(Rbn'
i−O−Si(Rbn'(X(3-n'))(式中n’は1以
上2以下の整数であり、Rbは少なくとも1以上のスル
ホン酸基を有する炭素数1以上15以下の炭化水素基で
あり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基及
びアルコキシ基よりなる群より選ばれた少なくとも1種
であり、Siはケイ素原子を表す)で表されるジシロキ
サンである。本発明においてはこれらシラン化合物、シ
ロキサン化合物の少なくとも1種を使用する。
【0023】ここにおいて、上記シロキサンマトリック
スを形成しうる有機スルホン酸基含有シラン化合物及び
これらシラン化合物から形成される有機スルホン酸基含
有低分子シロキサンの調製方法に関して、本発明では特
に制限されるものではなく、上記シラン化合物もしくは
シロキサンとなればいかなる方法であっても差し支えな
いが、例えば以下の方法により調製することが出来る。
【0024】有機スルホン酸基を含有する有機高分子シ
ロキサンを、例えば、酸の存在下に水と接触させること
により加水分解し、固体を溶解させ水溶液とする。この
方法により水溶液中に例えば有機スルホン酸基が上記一
般式におけるRbで表示される有機スルホン酸基であれ
ば一般式:Rb nSi(OH)(4-n)(式中nは1以上3
以下の整数であり、Rbは少なくとも1以上のスルホン
酸基を有する炭素数1以上15以下の炭化水素基であ
り、OHは水酸基であり、Siはケイ素原子を表す)で
表されるシラン化合物として溶解する。無論、酸性条件
等により一般式:Rb nSi(OH)(4-n)で表されるシ
ラン化合物及び該シラン化合物の縮合した水溶性の有機
スルホン酸基含有低分子シロキサン化合物よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の水溶液として得られる。得
られた水溶液は必要であるならば、水を濃縮除去した後
本発明における触媒の調製に使用する。
【0025】また、一般式:Rc nSiX(4-n) (式中
nは1以上3以下の整数であり、Rc は炭素数1以上1
5以下の炭化水素基であり、Xは塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子、水酸基及びアルコキシ基よりなる群より選
ばれた少なくとも1種であり、Siはケイ素原子を表
す)で表されるシラン化合物をスルホン化することによ
っても有機スルホン酸基含有シラン化合物を調製するこ
ともできる。また、この方法で、無溶媒もしくは溶媒存
在下でSO3 と接触させることで炭化水素基の炭素と水
素の結合間にSO3を挿入し、少なくとも1以上のスル
ホン酸基を有するシラン化合物を得ることができる。必
要であるならば蒸留等により単離精製した後、本発明に
おける触媒の調製に使用する。Rcとしては、アルキル
基、芳香族基等があり、芳香族基としては、フェニル基
がある。
【0026】本発明では、上記した方法により得られる
高分子シロキサンマトリックスを形成しうる有機スルホ
ン酸基含有シラン化合物および有機スルホン酸基含有低
分子シロキサンよりなる群から選ばれた少なくとも1種
と、高分子シロキサンマトリックスを形成しうるメルカ
プト基含有シラン化合物よりなる群から選ばれた少なく
とも1種との混合物、またはこれらの混合物と一般式:
a nSiX(4-n)(式中nは0又は1以上3以下の整数
であり、Raは炭素数1以上20以下の炭化水素基また
は含フッ素炭化水素基であり、Xは塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子、水酸基及びアルコキシ基よりなる群よ
り選ばれた少なくとも1種であり、Siはケイ素原子を
表す)で表されるシラン化合物の少なくとも1種との混
合物を加水分解することにより得られる混合ゾルの脱水
縮合によるゲル化により、シリカマトリックスを形成し
たスルホン酸基及びメルカプト基を有する有機高分子シ
ロキサンを調製する事ができる。
【0027】Raとしては、アルキル基、芳香族基、フ
ッ素化アルキル基またはフッ素化芳香族基等がある。
また、有機スルホン酸基としては、アルキルスルホン酸
基や芳香族スルホン酸基がある。また、芳香族スルホン
酸基としてはフェニルスルホン酸基等がある。
【0028】メルカプト基含有シラン化合物としては、
一般式:Rd nSiX(4-n)(式中nは1以上3以下の整
数であり、Rdは炭素数1以上15以下の少なくとも1
個のメルカプト(SH)基を置換基として持つ炭化水素
基であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸
基及びアルコキシ基よりなる群より選ばれた少なくとも
1種であり、Siはケイ素原子を表す)で表されるシラ
ン化合物等がある。
【0029】また、Rdとしては、メルカプトメチル
基、2ーメルカプトエチル基、3−メルカプト−n−プ
ロピル基、4−メルカプト−n−ブチル基、p−メルカ
プトフェニル基及びp−メルカプトメチルフェニル基よ
りなる群から選ばれた少なくとも1種がある。
【0030】ここにおいて本発明における混合ゲル化に
ついて述べる。本発明における混合ゲル化は通常の混合
ゾル−ゲル反応により充分達成される。実施し易い混合
ゲル化方法として具体的に例示すれば、触媒の酸成分と
なる上記した有機スルホン酸基を有するシラン化合物ま
たは有機スルホン酸基含有低分子シロキサンと助触媒で
あるメルカプト成分となるメルカプト基含有シラン化合
物を、目的とする固体触媒の固体酸量、メルカプト量か
ら計算される量を仕込み、さらにシリカマトリックスを
安定化させる成分として一般式:Ra nSiX(4- n)(式
中nは0又は1以上3以下の整数であり、Raは炭素数
1以上20以下の炭化水素基または含フッ素炭化水素基
であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基
及びアルコキシ基よりなる群より選ばれた少なくとも1
種であり、Siはケイ素原子を表す)で表されるシラン
化合物の少なくとも1種とを混合し、必要であるならば
エタノール等の溶媒を用いて均一な混合溶液とする。こ
れに加水分解基の半分量の水を加えた後、加熱攪拌し、
酸性条件下で濃縮する。得られた高粘度の液体は一般に
シリカゾルと呼ばれるものである。またこの時、先に2
成分もしくはそれ以上の成分をあらかじめゾル化させた
後、残りの成分とゾル化させること等により、特定成分
のシリカマトリックス中の分散性を変化させることもで
きる。
【0031】上記したゾルに加水分解基量に対して過剰
の水とアンモニア水等を加え、塩基性条件下でゲル化さ
せる。またこの時必要であるならば加熱攪拌し、長時間
熟成させることもできる。これらゲル化を実施するに際
して、ゾルに対して不活性であるアルコール、または脂
肪族族飽和炭化水素(ヘキサン、ヘプタン等)等の媒体
に希釈させてゲル化させることも可能である。
【0032】得られたゲルは濾過または溶媒を留去する
等により単離できる。このゲルはスルホン酸がアンモニ
ウム塩型等であるため、固体酸触媒として用いるために
は酸処理により酸型にもどす必要がある。 本発明にお
いては仕込に際してのスルホン酸量、メルカプト量に関
しては特に限定されないが、好ましくはミリグラム当量
(meq/g:固体触媒1g当たりの官能基のmmol
数)で0.05ないし5、好ましくは0.3ないし3ミ
リグラム当量であることが推奨される。無論本発明にお
いてはこれらの範囲のみに限定されることはない。
【0033】さらに上記した、それぞれの一般式におけ
るXは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびアルコキ
シ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種を表し、加
水分解によりケイ素−X結合が分解し、高分子シロキサ
ン結合を生成することを可能たらしめる基である。具体
的に例示すれば、アルコキシ基としてはメトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−
ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、等
のアルキルアルコキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基
等の芳香族アルコキシ基等が挙げられる。本発明はこれ
らアルコキシ基のみに限定されることはなく、更にこれ
らの混合の置換基であっても差し支えない。
【0034】原料であるフェノール類とケトンの使用量
(量比)は特に限定されないが、好ましくはフェノール
類/ケトンのモル比で0.1〜100の範囲であり、更
に好ましくは0.5〜50の範囲で実施することが奨励
される。余りにフェノール類の量が少なければ、原料ケ
トンの高い転化率を達成することは困難であり、また余
りにフェノール類の量が多ければ高いケトンの転化率を
達成することはできるが、必要以上にフェノール類を用
いるために反応器が過大となり、更にフェノール類の大
量循環が必要となり効率的に製造し得ないためである。
【0035】反応温度についても本発明では特に限定さ
れることはないが、好ましくは0〜300℃、更に好ま
しくは30〜200℃の範囲である。反応温度が極端に
低すぎると原料の高い転化率を達成させるには極端に長
い反応時間を必要とし、言い換えれば極端に反応速度が
低下し、反応生成物の生産性が低下する。一方、反応温
度が極端に高すぎると好ましからざる副反応等が進行
し、副成生物の増大や、原料であるフェノール類、およ
びケトン、さらに生成物であるビスフェノール類等の安
定性にも好ましくなく、反応選択率の低下をもたらし経
済的でない。
【0036】反応は減圧、加圧、および常圧のいずれの
状態で実施することも可能である。反応効率(単位体積
当たりの反応効率)の観点から余りに低い圧力で実施す
ることは好ましくはない。通常好ましい実施圧力範囲
は、0.1〜200気圧であり、更に好ましくは0.5
〜100気圧である。無論、本発明はこれらの圧力範囲
に限定されない。
【0037】また本発明を実施するに際し、使用する触
媒量は特に限定されないが、例えば、反応をバッチ方式
で実施する場合には、好ましくは原料となるフェノール
類に対して重量パーセントで0.001〜200%、更
に好ましくは0.1〜50%の範囲で行うことが推奨さ
れる。余りに少量の有機スルホン酸およびメルカプト基
を有する有機高分子シロキサン触媒を使用することは、
実質的に反応速度を極端に低下させ、効率上問題とな
り、また、余りに大量に使用すれば反応液等の攪拌効率
を低下させ、トラブルを生じる恐れがあるためである。
【0038】本発明を実施するにあたり、反応系内に触
媒および反応試剤に対して不活性な溶媒もしくは気体を
添加して、希釈した状態で行うことも可能である。具体
的にはメタン、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサン、
シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム等の不活性気体や場合によっては水素を希
釈剤として使用することもできる。
【0039】本発明を実施するに際してその方法はバッ
チ式、セミバッチ式、または連続流通式のいずれの方法
においても実施することが可能である。反応形態は有機
スルホン酸基およびメルカプト基を有する有機高分子シ
ロキサンを固体触媒として液相、気相、気−液混合相の
いずれの形態においても実施することが可能である。好
ましくは反応効率的な観点から液相反応で実施すること
が推奨される。有機スルホン酸基およびメルカプト基を
有する有機高分子シロキサンの充填方式としては、固定
床、流動床、懸濁床、棚段固定床等種々の方式が採用さ
れ、いずれの方式で実施しても差し支えない。
【0040】反応時間(流通反応においては滞留時間も
しくは触媒接触時間)は特に限定されることはないが、
通常0.1秒〜30時間、好ましくは0.5秒〜15時
間である。反応後、反応生成物を前記触媒等から濾過、
抽出、留去等の分離方法によって、分離回収することが
できる。目的生成物であるビスフェノール類は、分離
し、回収した回収物から溶媒抽出、蒸留、アルカリ処
理、酸処理等の逐次的な処理方法、あるいはこれらを適
宜組み合わせた操作等の通常の分離、精製法によって分
離精製し、取得することができる。また、未反応原料は
回収して、再び反応系へリサイクルして使用することも
できる。
【0041】バッチ反応の場合、反応後に反応生成物を
分離して回収された触媒はそのまま、またはその一部も
しくは全部を再生した後、繰り返して反応に再度使用す
ることもできる。固定床または流動床流通反応方式で実
施する場合には、反応に供することによって、一部また
はすべての触媒が失活もしくは活性低下した場合には反
応を中断後、触媒を再生して反応に供することもできる
し、また連続的もしくは断続的に一部を抜き出し、再生
後、再び反応器にリサイクルして再使用することもでき
る。さらに新たな触媒を断続的に反応器に供給すること
もできる。移動床式流通反応で実施する際には、バッチ
反応と同様に触媒を分離、回収し、必要であるならば再
生して使用することができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に具体的に
説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例のみに
限定されるものではない。 (a)酸成分含有原料水溶液の製造 滴下ロートを取り付けた2口の500mlの丸底フラス
コに200mlの塩化メチレンを入れ、これに液体のS
3を46.80g(0.585mol)を溶解させ
た。フラスコを氷冷し、窒素下でトリクロロフェニルシ
ラン124.02g(0.585mol)を30分かけ
て滴下した後、氷浴を取り外して室温で数時間攪拌し
た。滴下ロートを取り外した後、油浴を用いて120℃
で常圧下数時間加熱し、塩化メチレン、および未反応の
SO3を留去した。放冷後、氷冷し、水200gを30
分かけて滴下し、次いで窒素をバブリングさせながら数
時間還流し発生する塩化水素を取り除いた。得られた反
応液を常圧下留去し、ついで減圧下100℃で数時間加
熱し乾固させた。この固体に水31.59g(1.75
5mol)を加えると完全に溶解した。このフェニルヒ
ドロキシシラン等の不純物を含むフェニルスルホン酸基
含有ヒドロキシシランの水溶液114.9gを触媒調製
の酸成分含有原料水溶液とした。
【0043】(b)酸成分含有原料エタノール溶液の製
造 滴下ロートを取り付けた2口の500mlの丸底フラス
コに200mlの塩化メチレンを入れ、これに液体のS
3を46.80g(0.585mol)を溶解させ
た。フラスコを氷冷し、窒素下でトリクロロフェニルシ
ラン124.02g(0.585mol)を30分かけ
て滴下した後、氷浴を取り外して室温で数時間攪拌し
た。滴下ロートを取り外した後、油浴を用いて120℃
で常圧下数時間加熱し、塩化メチレン、および未反応の
SO3を留去した。放冷後、室温で乾燥エタノール16
1.50gを30分かけて滴下し、次いで窒素をバブリ
ングさせながら数時間還流し、発生する塩化水素を取り
除いた。得られた未反応のフェニルエトキシシラン等の
不純物を含むフェニルスルホン酸基含有エトキシシラン
のエタノール溶液238.60gを触媒調製の酸成分含
有原料エタノール溶液とした。
【0044】実施例1 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記酸成分含有原料水溶液12.52g、テトラエトキ
シシラン35.50g(170.67mmol)、メル
カプトプロピルトリメトキシシラン6.72g(34.
28mmol)、エタノール30mlを入れ、混合し
た。これに水7.53g(0.418mol)を30分
かけて滴下した。次いでこれを加熱し、80℃で数時間
攪拌した。これを放冷し、エタノール30ml、n−ヘ
キサン20mlを加え、混合した。さらに28%アンモ
ニア水15ml、水75mlを混合したものを滴下し、
室温で4時間攪拌した。これをエバポレーターで減圧留
去し白色の固体を得た。次いで2Nの塩酸200mlを
加え室温で1時間攪拌し、プロトン型にもどした。大量
の純水で良く洗浄した後、減圧下で乾燥し、スルホン酸
およびメルカプト基を有する有機高分子シロキサン触媒
(触媒1と称する。)29.00gを得た。本触媒の固
体酸量を測定した結果0.80meq/gであった。こ
の固体酸量から上記酸成分含有原料水溶液中のスルホン
酸の総含有量は23.17mmolであることになり、
SO3によるフェニルシランのスルホン化の収率を計算
すると46.5%となることが判明した。
【0045】実施例2 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記酸成分含有原料エタノール溶液26.00g、テト
ラエトキシシラン35.50g(170.67mmo
l)、メルカプトプロピルトリメトキシシラン6.72
g(34.28mmol)、エタノール30mlを入
れ、混合した。これに水7.53g(0.418mo
l)を30分かけて滴下した。次いでこれを加熱し、8
0℃で数時間攪拌した。これを放冷し、エタノール30
ml、n−ヘキサン20mlを加え、混合した。さらに
28%アンモニア水15ml、水75mlを混合したも
のを滴下し、室温で4時間攪拌した。これをエバポレー
ターで減圧留去し白色の固体を得た。次いで2Nの塩酸
200mlを加え室温で1時間攪拌し、プロトン型にも
どした。大量の純水で良く洗浄した後、減圧下で乾燥
し、スルホン酸およびメルカプト基を有する有機高分子
シロキサン触媒(触媒2と称する。)30.00gを得
た。本触媒の固体酸量を測定した結果1.01meq/
gであった。この固体酸量から上記酸成分含有原料エタ
ノール溶液中のスルホン酸の総含有量は30.24mm
olであることになり、SO3によるフェニルシランの
スルホン化の収率を計算すると47.4%となることが
判明した。
【0046】実施例3 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記酸成分含有原料エタノール溶液26.00g、テト
ラエトキシシラン17.75g(85.34mmo
l)、エチルトリエトキシシラン16.39g(85.
34mmol)メルカプトプロピルトリメトキシシラン
6.72g(34.28mmol)、エタノール30m
lを入れ、混合した。これに水7.53g(0.418
mol)を30分かけて滴下した。次いでこれを加熱
し、80℃で数時間攪拌した。これを放冷し、エタノー
ル30ml、n−ヘキサン20mlを加え、混合した。
さらに28%アンモニア水15ml、水75mlを混合
したものを滴下し、室温で4時間攪拌した。これをエバ
ポレーターで減圧留去し白色の固体を得た。次いで2N
の塩酸200mlを加え室温で1時間攪拌し、プロトン
型にもどした。大量の純水で良く洗浄した後、減圧下で
乾燥し、スルホン酸、エチル基およびメルカプト基を有
する有機高分子シロキサン触媒(触媒3と称する。)4
1.79gを得た。本触媒の固体酸量を測定した結果
0.79meq/gであった。
【0047】実施例4 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記酸成分含有原料エタノール溶液26.00g、テト
ラエトキシシラン17.75g(85.34mmo
l)、エチルトリエトキシシラン16.39g(85.
34mmol)メルカプトプロピルトリメトキシシラン
6.72g(34.28mmol)、エタノール30m
lを入れ、混合した。これに水7.53g(0.418
mol)を30分かけて滴下した。次いでこれを加熱
し、80℃で数時間攪拌した。これを放冷し、エタノー
ル30ml、n−ヘキサン20mlを加え、混合した。
さらに28%アンモニア水15ml、水75mlを混合
したものを滴下し、室温で4時間攪拌し、さらに80℃
で数日間攪拌し、良く熟成させた。これをエバポレータ
ーで減圧留去し白色の固体を得た。次いで2Nの塩酸2
00mlを加え室温で1時間攪拌し、プロトン型にもど
した。大量の純水で良く洗浄した後、減圧下で乾燥し、
スルホン酸、エチル基およびメルカプト基を有する有機
高分子シロキサン触媒(触媒4と称する。)41.80
gを得た。本触媒の固体酸量を測定した結果0.77m
eq/gであった。
【0048】実施例5 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記酸成分含有原料エタノール溶液26.00g、エチ
ルトリエトキシシラン16.39g(85.34mmo
l)、エタノール30mlを入れ、混合した。これに水
3.77g(0.21mol)を30分かけて滴下し
た。さらに室温で1時間攪拌し、先に加水分解した後
後、テトラエトキシシラン17.75g(85.34m
mol)、メルカプトプロピルトリメトキシシラン6.
72g(34.28mmol)を加え、これに水3.7
7g(0.21mol)を30分かけて滴下した。次い
でこれを加熱し、80℃で数時間攪拌した。これを放冷
し、エタノール30ml、n−ヘキサン20mlを加
え、混合した。さらに28%アンモニア水15ml、水
75mlを混合したものを滴下し、室温で4時間攪拌
し、さらに80℃で数日間攪拌し、良く熟成させた。こ
れをエバポレーターで減圧留去し白色の固体を得た。次
いで2Nの塩酸200mlを加え室温で1時間攪拌し、
プロトン型にもどした。大量の純水で良く洗浄した後、
減圧下で乾燥し、スルホン酸、エチル基およびメルカプ
ト基を有する有機高分子シロキサン触媒(触媒5と称す
る。)41.79gを得た。本触媒の固体酸量を測定し
た結果0.80meq/gであった。
【0049】実施例6 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記酸成分含有原料エタノール溶液26.00g、エチ
ルトリエトキシシラン16.39g(85.34mmo
l)、エタノール30mlを入れ、混合した。これに水
3.77g(0.21mol)を30分かけて滴下し
た。さらに80℃で数時間攪拌した後、放冷し、テトラ
エトキシシラン17.75g(85.34mmol)、
メルカプトプロピルトリメトキシシラン6.72g(3
4.28mmol)を加え、これに水3.77g(0.
21mol)を30分かけて滴下した。次いでこれを加
熱し、80℃で数時間攪拌した。これを放冷し、エタノ
ール30ml、n−ヘキサン20mlを加え、混合し
た。さらに28%アンモニア水15ml、水75mlを
混合したものを滴下し、室温で4時間攪拌し、さらに8
0℃で数日間攪拌し、良く熟成させた。これをエバポレ
ーターで減圧留去し白色の固体を得た。次いで2Nの塩
酸200mlを加え室温で1時間攪拌し、プロトン型に
もどした。大量の純水で良く洗浄した後、減圧下で乾燥
し、スルホン酸、エチル基およびメルカプト基を有する
有機高分子シロキサン触媒(触媒6と称する。)41.
79gを得た。本触媒の固体酸量を測定した結果0.7
8meq/gであった。
【0050】実施例7 攪拌棒を取り付けた2口の1000mlの丸底フラスコ
にテトラエトキシシラン291.6g(1.402mo
l)、フェニルトリエトキシシラン144.68g
(0.600mol)、エタノール200mlを加え、
室温で1時間攪拌し、よく混合した。これに0.01N
の塩酸92mlを1時間かけて滴下した。次いで開放系
で内温78℃で20時間攪拌し、濃縮した。これを室温
まで放冷し、エタノール120ml、n−ヘキサン18
0mlを加え、室温で1時間攪拌し良く混合した。これ
に28%アンモニア水100mlと水540mlを混合
したものを1時間かけて滴下した。さらに室温で4時間
攪拌した。得られた白色懸濁液を濾過し、白色物を大量
の純水で洗浄した後、熱風乾燥器中で100℃で1日間
乾燥した。この様にして得られたシリカマトリックス中
にフェニル基を有する有機高分子シロキサン146.7
0gを2000mlの丸底フラスコに入れ、濃硫酸14
00mlを加え、80℃で6時間加熱攪拌し、スルホン
化した。反応後室温まで放冷し、水4000mlを注意
して加え、希釈した。これを濾過し、得られた白色物を
大量の純水で洗浄した。これを熱風乾燥器中で100℃
で1日間乾燥した。得られたシリカマトリックス中にフ
ェニルスルホン酸基を有する有機高分子シロキサン14
4.0gの固体酸量を測定した結果、0.60meq/
gであった。
【0051】上記したフェニルスルホン酸基を有する有
機高分子シロキサン143.0g(固体酸量0.60m
eq/g)を1500mlの丸底フラスコに入れ、純水
1000mlを加えた。これを24時間還流した後、放
冷し、濾過した。濾別した白色物の重量は130.81
gで固体酸量は0.48meq/gに低下していた。得
られた濾液を濃縮し、25.59gの無色透明液を得
た。固体酸量の減少から計算するとこの溶液中には2
3.01mmolのフェニルスルホン酸基を有する低分
子シロキサンが溶解していることになる。
【0052】攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸
底フラスコに上記したフェニルスルホン酸基を含有する
水溶液6.40g、テトラエトキシシラン12.13g
(58.32mmol)、メルカプトプロピルトリメト
キシシラン4.63g(23.50mmol)、エタノ
ール10mlを入れ、混合した。次いでこれを加熱し、
80℃で数時間攪拌した。これを放冷し、エタノール1
5ml、n−ヘキサン5mlを加え、混合した。さらに
28%アンモニア水5ml、水25mlを混合したもの
を滴下し、室温で4時間攪拌した。これをエバポレータ
ーで減圧留去し白色の固体を得た。次いで2Nの塩酸2
00mlを加え室温で1時間攪拌し、プロトン型にもど
した。大量の純水で良く洗浄した後、減圧下で乾燥し、
スルホン酸およびメルカプト基を有する高分子シロキサ
ン触媒(触媒7と称する。)8.01gを得た。本触媒
の固体酸量を測定した結果0.70meq/gであっ
た。
【0053】実施例8〜14 70mlの耐圧反応器にアセトン3.80g(65.4
3mmol)、フェノール33.00g(350.65
mmol)、触媒1〜7のいずれかを2.00g仕込
み、窒素ガスで耐圧反応器内を5kg/cm2ゲージ圧
に加圧した後、100℃で2時間加熱攪拌し反応をおこ
なった。反応終了後、室温に冷却し、放圧後反応液を取
り出し液体クロマトグラフ法によって分析定量した。結
果は表1に示したようにそれぞれ良い収率でビスフェノ
ールAが生成した。
【0054】実施例15 アセトンの仕込量を1.90gとした以外は総て実施例
8と同じ条件で反応させた。結果は表1に示したように
高いアセトンに対する収率でビスフェノールAが生成し
た。
【0055】実施例16 反応温度を120℃とし、反応時間を1時間とした以外
は総て実施例8と同じ条件で反応を行った。結果は表1
に示したように高収率でビスフェノールAが生成した。
【0056】実施例17 実施例11で使用した触媒4を反応後濾過により取り出
し、もう一度原料を仕込んで同一条件で反応させた。結
果は表1に示したようにビスフェノールAが生成し、触
媒が使用により劣化しないことが判明した。
【0057】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 生成物収率(仕込アセトン基準%) ──────────────────────── 触媒 p,p’−BPA o,p’−BPA COD ──────────────────────────────────── 実施例8 1 65.0% 2.4% 0.1% 実施例9 2 65.0% 2.4% 0.1% 実施例10 3 70.0% 2.3% 0.1% 実施例11 4 70.1% 2.5% 0.1% 実施例12 5 73.4% 2.4% 0.2% 実施例13 6 72.7% 2.3% 0.1% 実施例14 7 45.0% 2.4% 0.2% 実施例15 1 92.0% 3.5% 0.3% 実施例16 1 75.4% 3.9% 0.1% 実施例17 4 69.2% 2.5% 0.1% ──────────────────────────────────── p,p’−BPA:2,2−ビス(4’−オキシフェニル)プロパン o,p’−BPA:2−(2’−オキシフェニル)−2−(4’−オキシフェニ ル)プロパン(異性体) COD :2,2,4−トリメチル−4−(4’−オキシフェニル)ク ロマン(反応副生成物)
【0058】実施例18 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記酸成分含有原料水溶液12.52g、テトラエトキ
シシラン17.75g(85.34mmol)、メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン16.73g(85.
34mmol)、エタノール30mlを入れ、混合し
た。これに水7.53g(0.418mol)を30分
かけて滴下した。次いでこれを加熱し、80℃で数時間
攪拌した。これを放冷し、エタノール30ml、n−ヘ
キサン20mlを加え、混合した。さらに28%アンモ
ニア水15ml、水75mlを混合したものを滴下し、
室温で4時間攪拌した。これをエバポレーターで減圧留
去し白色の固体を得た。次いで2Nの塩酸200mlを
加え室温で1時間攪拌し、プロトン型にもどした。大量
の純水で良く洗浄した後、減圧下で乾燥し、スルホン酸
およびメルカプト基を有する有機高分子シロキサン触媒
(触媒8と称する。)29.50gを得た。本触媒の固
体酸量を測定した結果0.77meq/gであった。
【0059】実施例19 70mlの耐圧反応器にアセトフェノン7.80g(6
5.00mmol)、フェノール33.00g(35
0.65mmol)、触媒1を2.00g仕込み、10
0℃で3時間加熱攪拌し反応をおこなった。反応終了
後、室温に冷却し、放圧後反応液を取り出し液体クロマ
トグラフ法によって分析定量した。結果は表2に示した
ように良い収率でビスフェノールAPが生成した。
【0060】実施例20 70mlの耐圧反応器にアセトフェノン7.80g(6
5.00mmol)、フェノール33.00g(35
0.65mmol)、触媒8を2.00g仕込み、10
0℃で3時間加熱攪拌し反応をおこなった。反応終了
後、室温に冷却し、放圧後反応液を取り出し液体クロマ
トグラフ法によって分析定量した。結果は表2に示した
ようにメルカプト量を増大させることで非常に良い収率
でビスフェノールAPが生成した。
【0061】比較例1 70mlの耐圧反応器にアセトフェノン7.80g(6
5.00mmol)、フェノール33.00g(35
0.65mmol)、350℃で3時間加熱し結晶水を
飛ばしたリンタングステン酸(H3PW1240)を2.
00g仕込み、メルカプトプロピオン酸0.12gを加
え、100℃で3時間加熱攪拌し反応をおこなった。反
応終了後、室温に冷却し、放圧後反応液を取り出し液体
クロマトグラフ法によって分析定量した。結果は表2に
示した。
【0062】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 生成物収率(仕込アセトフェノン基準%) ─────────────────── 触媒 アセトフェノン転化率 ビスフェノールAP ──────────────────────────────────── 実施例19 1 38.0% 35.0% 実施例20 8 65.0% 57.1% 比較例1 40.0% 36.4% ────────────────────────────────────
【0063】
【発明の効果】本発明に従えば、以下の効果が得られ
る。 (1)ケトン類とフェノール類との脱水縮合反応により
ビスフェノール類を収率および選択率良く製造すること
ができる。 (2)工業上重要であるビスフェノールAを安全上、プ
ロセス上および経済上著しく優位に生産することができ
る。 (3)工業上重要であるビスフェノールAPを安全上、
プロセス上および経済上著しく優位に生産することがで
きる。 上記したように、本発明によって工業上著しく優れたビ
スフェノールの製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井尾 博文 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 青木 忍 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 寺嶋 隆 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 徳元 修一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 松井 和明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 高村 一夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1)高分子シロキサンマトリックスを形
    成しうる有機スルホン酸基含有シラン化合物および有機
    スルホン酸基含有低分子シロキサンよりなる群から選ば
    れた少なくとも1種と、高分子シロキサンマトリックス
    を形成しうるメルカプト基含有シラン化合物とを、また
    は2)高分子シロキサンマトリックスを形成しうる有機
    スルホン酸基含有シラン化合物および有機スルホン酸基
    含有低分子シロキサンよりなる群から選ばれた少なくと
    も1種と、高分子シロキサンマトリックスを形成しうる
    メルカプト基含有シラン化合物と、一般式: Ra nSi
    (4-n) (式中nは0又は1以上3以下の整数であ
    り、Ra は炭素数1以上20以下の炭化水素基または含
    フッ素炭化水素基であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨ
    ウ素原子、水酸基及びアルコキシ基よりなる群より選ば
    れた少なくとも1種であり、Siはケイ素原子を表す)
    で表されるシラン化合物の少なくとも1種とを、加水分
    解し、次いで、得られた混合ゾルを脱水縮合することに
    よるゲル化により、シリカマトリックスを形成したスル
    ホン酸基およびメルカプト基を有する有機高分子シロキ
    サンとすることを特徴とするビスフェノール製造用触媒
    の調製方法。
  2. 【請求項2】 有機スルホン酸基含有低分子シロキサン
    が、有機スルホン酸基を含有する有機高分子シロキサン
    の加水分解により得られる水に溶解する有機スルホン酸
    基含有低分子シロキサンである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 高分子シロキサンマトリックスを形成し
    うる有機スルホン酸基含有シラン化合物が、一般式:R
    b nSiX(4-n)(式中nは1以上3以下の整数であり、
    bは少なくとも1以上のスルホン酸基を有する炭素数
    1以上15以下の炭化水素基であり、Xは塩素原子、臭
    素原子、ヨウ素原子、水酸基及びアルコキシ基よりなる
    群より選ばれた少なくとも1種であり、Siはケイ素原
    子を表す)で表されるシラン化合物であり、有機スルホ
    ン酸基含有低分子シロキサンが一般式:Rb nSiX
    (4-n)のシラン化合物の2分子以上がおのおのの分子の
    Xの少なくとも1個が置換されてシロキサン結合を形成
    し、かつ水もしくは有機溶媒に可溶な有機スルホン酸基
    含有シロキサンである請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 炭化水素基が、アルキル基である請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】 炭化水素基が、芳香族基である請求項1
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 含フッ素炭化水素基が、フッ素化アルキ
    ル基である請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 含フッ素炭化水素基が、フッ素化芳香族
    基である請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 有機スルホン酸基が、アルキルスルホン
    酸基である請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 有機スルホン酸基が、芳香族スルホン酸
    基である請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 芳香族スルホン酸基が、フェニルスル
    ホン酸基である請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 有機スルホン酸基含有シラン化合物
    が、一般式:Rc nSiX(4-n)(式中nは1以上3以下
    の整数であり、Rcは炭素数1以上15以下の炭化水素
    基であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸
    基及びアルコキシ基よりなる群より選ばれた少なくとも
    1種であり、Siはケイ素原子を表す)で表されるシラ
    ン化合物をスルホン化することにより得られるものであ
    る請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 スルホン化を、一般式:Rc nSiX
    (4-n) (式中nは1以上3以下の整数であり、Rc は炭
    素数1以上15以下の炭化水素基であり、Xは塩素原
    子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基及びアルコキシ基よ
    りなる群より選ばれた少なくとも1種であり、Siはケ
    イ素原子を表す)で表されるシラン化合物を無溶媒もし
    くは溶媒存在下でSO3と接触させることにより行う請
    求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 Rcが芳香族基である請求項11また
    は12記載の方法。
  14. 【請求項14】 芳香族基が、フェニル基である請求項
    13記載の方法。
  15. 【請求項15】 メルカプト基含有シラン化合物が、一
    般式:Rd nSiX( 4-n)(式中nは1以上3以下の整数
    であり、Rdは炭素数1以上15以下の少なくとも1個
    のメルカプト(SH)基を置換基として持つ炭化水素基
    であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基
    及びアルコキシ基よりなる群より選ばれた少なくとも1
    種であり、Siはケイ素原子を表す)で表されるシラン
    化合物である請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 Rdがメルカプトメチル基、2ーメル
    カプトエチル基、3−メルカプト−n−プロピル基、4
    −メルカプト−n−ブチル基、p−メルカプトフェニル
    基及びp−メルカプトメチルフェニル基よりなる群から
    選ばれた少なくとも1種である請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれかに記載
    の方法により調製されたビスフェノール製造用触媒。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の触媒の存在下に、
    フェノール類とケトン類とを反応させることを特徴とす
    るビスフェノールの製造方法。
  19. 【請求項19】 フェノール類がフェノールであり、ケ
    トン類がアセトンであり、ビスフェノールがビスフェノ
    ールAである請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 フェノール類がフェノールであり、ケ
    トン類がアセトフェノンであり、ビスフェノールが4,
    4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノールであ
    る請求項18に記載の方法。
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