JPH10123302A - 反射防止フィルム - Google Patents
反射防止フィルムInfo
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- JPH10123302A JPH10123302A JP8297209A JP29720996A JPH10123302A JP H10123302 A JPH10123302 A JP H10123302A JP 8297209 A JP8297209 A JP 8297209A JP 29720996 A JP29720996 A JP 29720996A JP H10123302 A JPH10123302 A JP H10123302A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 反射防止フィルムの反射防止能を低下させな
いように、反射防止膜を構成する層数を4未満とする。 【解決手段】 基材1上に多層反射防止膜2が設けられ
た反射防止フィルムにおいて、多層反射防止膜2がアル
ミニウム酸化物とランタン酸化物とを含有する層又はア
ルミニウム−ランタン複合酸化物層からなる中屈折率材
料層2aを含有する。基材1側から、中屈折率材料層2
a、高屈折率材料層2b及び低屈折率材料層2cとが配
される。
いように、反射防止膜を構成する層数を4未満とする。 【解決手段】 基材1上に多層反射防止膜2が設けられ
た反射防止フィルムにおいて、多層反射防止膜2がアル
ミニウム酸化物とランタン酸化物とを含有する層又はア
ルミニウム−ランタン複合酸化物層からなる中屈折率材
料層2aを含有する。基材1側から、中屈折率材料層2
a、高屈折率材料層2b及び低屈折率材料層2cとが配
される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CRTや液晶ディ
スプレイ等の画像表示素子の表面の光の反射を防止する
ための反射防止フィルムに関する。
スプレイ等の画像表示素子の表面の光の反射を防止する
ための反射防止フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の画像表示素子の表面に
おける外光の反射を防止するために、反射防止フィルム
を画像表示素子表面に貼り付けることが行われている。
おける外光の反射を防止するために、反射防止フィルム
を画像表示素子表面に貼り付けることが行われている。
【0003】このような反射防止フィルムとしては、図
3に示すように光透過性の基材31上に、反射防止フィ
ルムに耐擦過性を付与するハードコート層32、反射防
止膜33、更に必要に応じて反射防止フィルムに耐水性
を付与する撥水層34が順次形成された構造のものが広
く用いられている。ここで、反射防止膜33としては、
ハードコート層32側から高屈折率材料層33a(33
c)と屈折率が1.6以下の低屈折率材料層33b(3
3d)とが交互に合計4層(各2層づつ)積層された多
層膜を用いることが提案されている(特開昭62−21
5202号公報)。この場合、高屈折率材料としては、
二酸化チタンや二酸化ジルコニウム等の屈折率が2.0
以上の無機材料が用いられており、低屈折率材料として
は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の屈折率が1.
6以下の無機材料が用いられている。そして、波長λが
500〜650nmにおいて反射率が0.5%程度とな
るように、高屈折率材料層33a及び低屈折率材料層3
3bの厚みはλ/8程度に調整されており、そして高屈
折率材料層33c及び低屈折率材料層33dの厚みがλ
/4程度に調整されている。
3に示すように光透過性の基材31上に、反射防止フィ
ルムに耐擦過性を付与するハードコート層32、反射防
止膜33、更に必要に応じて反射防止フィルムに耐水性
を付与する撥水層34が順次形成された構造のものが広
く用いられている。ここで、反射防止膜33としては、
ハードコート層32側から高屈折率材料層33a(33
c)と屈折率が1.6以下の低屈折率材料層33b(3
3d)とが交互に合計4層(各2層づつ)積層された多
層膜を用いることが提案されている(特開昭62−21
5202号公報)。この場合、高屈折率材料としては、
二酸化チタンや二酸化ジルコニウム等の屈折率が2.0
以上の無機材料が用いられており、低屈折率材料として
は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の屈折率が1.
6以下の無機材料が用いられている。そして、波長λが
500〜650nmにおいて反射率が0.5%程度とな
るように、高屈折率材料層33a及び低屈折率材料層3
3bの厚みはλ/8程度に調整されており、そして高屈
折率材料層33c及び低屈折率材料層33dの厚みがλ
/4程度に調整されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように反射防止膜を4層構成とした場合、反射防止フィ
ルムに良好な反射防止性を付与することができるが、反
射防止膜を作製するために比較的成膜コストが高い真空
蒸着法やスパッタ法などのドライプロセスを少なくとも
4回実施しなければならず、反射防止性を低下させずに
ドライプロセスの実施回数を少なくすること(即ち、反
射防止膜の構成層数を少なくすること)が望まれてい
た。また、反射防止フィルムの反射防止能は反射防止膜
を構成する各層の光学的膜厚{=n(屈折率)×d(層
厚)}にも依存するためにかなりの精度でコントロール
する必要があるが、約10〜150nmオーダーの厚さ
の4つの層をコントロールすることは困難であり、この
点からも反射防止膜の構成層数を少なくすることが望ま
れていた。
ように反射防止膜を4層構成とした場合、反射防止フィ
ルムに良好な反射防止性を付与することができるが、反
射防止膜を作製するために比較的成膜コストが高い真空
蒸着法やスパッタ法などのドライプロセスを少なくとも
4回実施しなければならず、反射防止性を低下させずに
ドライプロセスの実施回数を少なくすること(即ち、反
射防止膜の構成層数を少なくすること)が望まれてい
た。また、反射防止フィルムの反射防止能は反射防止膜
を構成する各層の光学的膜厚{=n(屈折率)×d(層
厚)}にも依存するためにかなりの精度でコントロール
する必要があるが、約10〜150nmオーダーの厚さ
の4つの層をコントロールすることは困難であり、この
点からも反射防止膜の構成層数を少なくすることが望ま
れていた。
【0005】このような要請に対し、反射防止膜の構成
層数を3層構造とするために、ハードコート層側から、
屈折率が1.7〜1.8の中屈折率材料層と、屈折率が
2.0以上の高屈折率材料層とからなる反射防止膜の当
該高屈折率材料層上に、更に屈折率が1.6以下の低屈
折率材料層を積層することが原理的に知られている。し
かし、そのような数値範囲の単品の中屈折率材料は知ら
れていないというのが現状である。そのため、高屈折率
材料として一般的に用いられている二酸化チタンと低屈
折率材料として一般的に用いられる二酸化ケイ素とを混
合して成膜することが試みられたが、均一な膜が得られ
ず、意図した屈折率とならないという問題があった。
層数を3層構造とするために、ハードコート層側から、
屈折率が1.7〜1.8の中屈折率材料層と、屈折率が
2.0以上の高屈折率材料層とからなる反射防止膜の当
該高屈折率材料層上に、更に屈折率が1.6以下の低屈
折率材料層を積層することが原理的に知られている。し
かし、そのような数値範囲の単品の中屈折率材料は知ら
れていないというのが現状である。そのため、高屈折率
材料として一般的に用いられている二酸化チタンと低屈
折率材料として一般的に用いられる二酸化ケイ素とを混
合して成膜することが試みられたが、均一な膜が得られ
ず、意図した屈折率とならないという問題があった。
【0006】本発明は、以上の従来の技術の課題を解決
しようとするものであり、反射防止フィルムの反射防止
能を低下させないように、反射防止膜を構成する層数を
4未満とすることを目的とする。
しようとするものであり、反射防止フィルムの反射防止
能を低下させないように、反射防止膜を構成する層数を
4未満とすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高屈折率材
料(屈折率2.0以上)としても低屈折率材料(屈折率
1.6以下)としても従来使用することができなかった
屈折率1.9の酸化ランタンと、屈折率1.6の酸化ア
ルミニウムとが共蒸着法等により同じ成膜条件で同時に
成膜でき、しかも得られる膜の屈折率がそれらのほぼ中
間の屈折率に調整できることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
料(屈折率2.0以上)としても低屈折率材料(屈折率
1.6以下)としても従来使用することができなかった
屈折率1.9の酸化ランタンと、屈折率1.6の酸化ア
ルミニウムとが共蒸着法等により同じ成膜条件で同時に
成膜でき、しかも得られる膜の屈折率がそれらのほぼ中
間の屈折率に調整できることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0008】即ち、本発明は、基材上に多層反射防止膜
が設けられた反射防止フィルムにおいて、多層反射防止
膜がアルミニウム酸化物とランタン酸化物とを含有する
層又はアルミニウム−ランタン複合酸化物層からなる中
屈折率材料層を含有することを特徴とする反射防止フィ
ルムを提供する。
が設けられた反射防止フィルムにおいて、多層反射防止
膜がアルミニウム酸化物とランタン酸化物とを含有する
層又はアルミニウム−ランタン複合酸化物層からなる中
屈折率材料層を含有することを特徴とする反射防止フィ
ルムを提供する。
【0009】本発明の反射防止フィルムにおいては、特
に多層反射防止膜が、基材側から中屈折率材料層、高屈
折率材料層及び低屈折率材料層からなる3層構造とする
ことが好ましい。また、反射防止フィルムの耐擦過性な
どの機械的性質を向上させるために基材と反射防止膜と
の間に、ハードコート層を更に形成することが好まし
い。また、反射防止フィルムの耐水性を向上させるため
に、反射防止膜上に、更に撥水層を形成することが好ま
しい。
に多層反射防止膜が、基材側から中屈折率材料層、高屈
折率材料層及び低屈折率材料層からなる3層構造とする
ことが好ましい。また、反射防止フィルムの耐擦過性な
どの機械的性質を向上させるために基材と反射防止膜と
の間に、ハードコート層を更に形成することが好まし
い。また、反射防止フィルムの耐水性を向上させるため
に、反射防止膜上に、更に撥水層を形成することが好ま
しい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しなが
ら詳細に説明する。
ら詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明の反射防止フィルムの基本
的態様の断面図である。また、図2(a)及び(b)
は、それぞれ本発明の反射防止フィルムの別の態様の断
面図である。
的態様の断面図である。また、図2(a)及び(b)
は、それぞれ本発明の反射防止フィルムの別の態様の断
面図である。
【0012】図1の反射防止フィルムは、基材1上に反
射防止膜2が積層された構造を有する。ここで、反射防
止膜2は、基材1側から中屈折率材料層2a、高屈折率
材料層2b、及び低屈折率材料層2cが積層された構造
の多層膜となっている。そして、この中屈折率材料層2
aとして、アルミニウム酸化物とランタン酸化物とを含
有する層又はアルミニウム−ランタン複合酸化物層を使
用する。
射防止膜2が積層された構造を有する。ここで、反射防
止膜2は、基材1側から中屈折率材料層2a、高屈折率
材料層2b、及び低屈折率材料層2cが積層された構造
の多層膜となっている。そして、この中屈折率材料層2
aとして、アルミニウム酸化物とランタン酸化物とを含
有する層又はアルミニウム−ランタン複合酸化物層を使
用する。
【0013】このような3層構造とすることにより、従
来の4層構造の反射防止膜に比べ、反射防止能を低下さ
せずに成膜工程を一つ減ずることができ、結果的に反射
防止フィルムの製造コストを低減させることができる。
来の4層構造の反射防止膜に比べ、反射防止能を低下さ
せずに成膜工程を一つ減ずることができ、結果的に反射
防止フィルムの製造コストを低減させることができる。
【0014】本発明において基材1としては、従来の反
射防止フィルムにおいて用いられている基材と同様のも
のを使用することができ、フィルム状のガラスや光透過
性のプラスチックフィルム、例えば、ポリカーボネート
フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエー
テルスルホンフィルム、ポリメチルアクリレートフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等を使用する
ことができる。
射防止フィルムにおいて用いられている基材と同様のも
のを使用することができ、フィルム状のガラスや光透過
性のプラスチックフィルム、例えば、ポリカーボネート
フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエー
テルスルホンフィルム、ポリメチルアクリレートフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等を使用する
ことができる。
【0015】なお、基材1の種類、厚み、光透過度等に
ついては、反射防止フィルムの使用目的等に応じて適宜
選択することができる。
ついては、反射防止フィルムの使用目的等に応じて適宜
選択することができる。
【0016】中屈折率材料層2aは、前述したようにア
ルミニウム酸化物(屈折率1.6)とランタン酸化物
(屈折率1.9)とを含有する層、又はアルミニウム−
ランタン複合酸化物層を使用する。
ルミニウム酸化物(屈折率1.6)とランタン酸化物
(屈折率1.9)とを含有する層、又はアルミニウム−
ランタン複合酸化物層を使用する。
【0017】ここで、アルミニウム酸化物とランタン酸
化物とを含有する層とは、(Al2O3)a(La2O3)b{式
中、a及びbはモルである}で表される混合物からなる
層である。この混合物は、微小構造的には、それぞれA
l2O3とLa2O3とが独立して存在するが、光学的には
均一な屈折率を示す。また、aとbとの数値を変化させ
ることにより、1.6〜1.9の範囲の任意の屈折率を
選択することができる。この層は、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法などの物理蒸着法
で形成することができる。
化物とを含有する層とは、(Al2O3)a(La2O3)b{式
中、a及びbはモルである}で表される混合物からなる
層である。この混合物は、微小構造的には、それぞれA
l2O3とLa2O3とが独立して存在するが、光学的には
均一な屈折率を示す。また、aとbとの数値を変化させ
ることにより、1.6〜1.9の範囲の任意の屈折率を
選択することができる。この層は、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法などの物理蒸着法
で形成することができる。
【0018】また、アルミニウム−ランタン複合酸化物
層とは、(LaxAlyOz)で表される化合物(式中、
x=0.5〜1、y=1〜1.5、z=3である。)か
らなる層であり、光学的に均一な屈折率を示す。また、
xとyとzとの数値を変化させることにより、1.6〜
1.9の範囲の任意の屈折率を選択することができる。
この層は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパ
ッタリング法などの物理蒸着法で形成することができ
る。
層とは、(LaxAlyOz)で表される化合物(式中、
x=0.5〜1、y=1〜1.5、z=3である。)か
らなる層であり、光学的に均一な屈折率を示す。また、
xとyとzとの数値を変化させることにより、1.6〜
1.9の範囲の任意の屈折率を選択することができる。
この層は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパ
ッタリング法などの物理蒸着法で形成することができ
る。
【0019】高屈折率材料層2bを構成する高屈折率材
料としては、屈折率が1.9を超えるものを使用する。
このような材料としては、二酸化チタン、二酸化ジルコ
ニウム、二酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、
酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化スズなどを挙げる
ことができる。
料としては、屈折率が1.9を超えるものを使用する。
このような材料としては、二酸化チタン、二酸化ジルコ
ニウム、二酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、
酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化スズなどを挙げる
ことができる。
【0020】なお、高屈折率材料層2bの層厚は、生産
性、フレキシビリティー、膜構成等を考慮するとλ/2
程度とすることが好ましい。
性、フレキシビリティー、膜構成等を考慮するとλ/2
程度とすることが好ましい。
【0021】低屈折率材料層2cを構成する低屈折率材
料としては、屈折率が1.6以下のものを使用する。こ
のような材料としては、二酸化ケイ素、フッ化マグネシ
ウム、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、フッ化アル
ミニウム、酸化アルミニウムなどを使用することができ
る。
料としては、屈折率が1.6以下のものを使用する。こ
のような材料としては、二酸化ケイ素、フッ化マグネシ
ウム、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、フッ化アル
ミニウム、酸化アルミニウムなどを使用することができ
る。
【0022】なお、低屈折率材料層2cの層厚は、生産
性やフレキシビリティー等を考慮するとλ/4程度とす
ることが好ましい。
性やフレキシビリティー等を考慮するとλ/4程度とす
ることが好ましい。
【0023】図1には、基材1と反射防止膜2とからな
る反射防止フィルムを示したが、本発明の反射防止フィ
ルムは、図2(a)に示すように、基材1と反射防止膜
2との間に、反射防止フィルムの耐擦過性を向上させ、
反射防止膜2の剥離を防止するためにハードコート層3
を設けることが好ましい。更に、反射防止フィルムに耐
水性や耐汚染性を付与するために、図2(b)に示すよ
うに、反射防止膜2上に撥水層4を設けることが好まし
い。
る反射防止フィルムを示したが、本発明の反射防止フィ
ルムは、図2(a)に示すように、基材1と反射防止膜
2との間に、反射防止フィルムの耐擦過性を向上させ、
反射防止膜2の剥離を防止するためにハードコート層3
を設けることが好ましい。更に、反射防止フィルムに耐
水性や耐汚染性を付与するために、図2(b)に示すよ
うに、反射防止膜2上に撥水層4を設けることが好まし
い。
【0024】本発明において、ハードコート層3として
は、従来の反射防止フィルムにおいて用いられているハ
ードコート層と同様の光透過性の材料から形成されたも
のを使用することができる。例えば、紫外線硬化型のア
クリル樹脂やシリコーン樹脂等を使用することができ
る。
は、従来の反射防止フィルムにおいて用いられているハ
ードコート層と同様の光透過性の材料から形成されたも
のを使用することができる。例えば、紫外線硬化型のア
クリル樹脂やシリコーン樹脂等を使用することができ
る。
【0025】なお、ハードコート層3の屈折率を、中屈
折率材料層2aの屈折率より低くなるようにする。これ
により、反射防止膜2による反射防止性を向上させるこ
とができる。また、ハードコート層3の屈折率を、反射
防止特性のために基材1と同程度の屈折率となるように
するのが好ましい。
折率材料層2aの屈折率より低くなるようにする。これ
により、反射防止膜2による反射防止性を向上させるこ
とができる。また、ハードコート層3の屈折率を、反射
防止特性のために基材1と同程度の屈折率となるように
するのが好ましい。
【0026】ハードコート層3の厚みとしては、硬度、
生産性等の観点から形状膜厚として3〜10μmとする
ことが好ましい。
生産性等の観点から形状膜厚として3〜10μmとする
ことが好ましい。
【0027】また、撥水層4としても従来の反射防止フ
ィルムにおいて用いられている撥水層と同様の疎水性材
料から形成されたものを使用することができる。例え
ば、パーフルオロシラン、フルオロカーボン等を挙げる
ことができる。
ィルムにおいて用いられている撥水層と同様の疎水性材
料から形成されたものを使用することができる。例え
ば、パーフルオロシラン、フルオロカーボン等を挙げる
ことができる。
【0028】次に、本発明の反射防止フィルムの製造方
法を、図2(b)の態様の反射防止フィルムを例にとり
説明する。
法を、図2(b)の態様の反射防止フィルムを例にとり
説明する。
【0029】まず、基材1上に、ハードコート層形成用
樹脂組成物をマイクログラビアコーターにより塗布し、
乾燥することによりハードコート層3を形成する。
樹脂組成物をマイクログラビアコーターにより塗布し、
乾燥することによりハードコート層3を形成する。
【0030】次に、ハードコート層3上に、イオンプレ
ーティング法などによりアルミニウム酸化物とランタン
酸化物とを含有する層又はアルミニウム−ランタン複合
酸化物層などの中屈折率材料を堆積させて中屈折率材料
層2aを形成する。
ーティング法などによりアルミニウム酸化物とランタン
酸化物とを含有する層又はアルミニウム−ランタン複合
酸化物層などの中屈折率材料を堆積させて中屈折率材料
層2aを形成する。
【0031】次に、この中屈折率材料層2a上に、高屈
折率材料を真空蒸着法やスパッタ法などにより堆積させ
て高屈折率材料層2bを形成する。
折率材料を真空蒸着法やスパッタ法などにより堆積させ
て高屈折率材料層2bを形成する。
【0032】次に、この高屈折率材料層2b上に、真空
蒸着法やスパッタ法などにより低屈折率材料層2cを形
成する。
蒸着法やスパッタ法などにより低屈折率材料層2cを形
成する。
【0033】最後に、低屈折率材料とにより図2(b)
に示した反射防止フィルムを作製することができる。
に示した反射防止フィルムを作製することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
る。
【0035】比較例1 λ=550nmにおける屈折率n=1.489の80μ
m厚のトリアセチルセルロース基材(フジタック(80
μm厚)、富士フィルム社製)上に、屈折率n=2.2
の二酸化チタンを常法により堆積させて高屈折率材料層
をλ/8厚で形成し、更にその上に屈折率n=1.45
の二酸化ケイ素を堆積させて低屈折率材料層をλ/8厚
で形成し、その上に再び屈折率n=2.2の二酸化チタ
ンを常法により堆積させて高屈折率材料層をλ/8厚で
形成し、その上に屈折率n=1.45の二酸化ケイ素を
堆積させて低屈折率材料層をλ/8厚で形成し、従来の
反射防止フィルムを得た。
m厚のトリアセチルセルロース基材(フジタック(80
μm厚)、富士フィルム社製)上に、屈折率n=2.2
の二酸化チタンを常法により堆積させて高屈折率材料層
をλ/8厚で形成し、更にその上に屈折率n=1.45
の二酸化ケイ素を堆積させて低屈折率材料層をλ/8厚
で形成し、その上に再び屈折率n=2.2の二酸化チタ
ンを常法により堆積させて高屈折率材料層をλ/8厚で
形成し、その上に屈折率n=1.45の二酸化ケイ素を
堆積させて低屈折率材料層をλ/8厚で形成し、従来の
反射防止フィルムを得た。
【0036】得られた反射防止フィルムの分光反射特性
を分光光度計を使用して測定した。得られた結果を図5
に示す。この図から明らかなように、475〜625n
mの範囲に亘って反射率が0.3%以下となっており、
優れた反射防止特性を示していた。
を分光光度計を使用して測定した。得られた結果を図5
に示す。この図から明らかなように、475〜625n
mの範囲に亘って反射率が0.3%以下となっており、
優れた反射防止特性を示していた。
【0037】実施例1 λ=550nmにおける屈折率n=1.489の80μ
m厚のトリアセチルセルロース基材(フジタック(80
μm厚)、富士フィルム社製)上に、Al2O3とLa2
O3とを屈折率nが1.77となるようにイオンプレー
ティングして中屈折率材料層をλ/4厚で形成した。
m厚のトリアセチルセルロース基材(フジタック(80
μm厚)、富士フィルム社製)上に、Al2O3とLa2
O3とを屈折率nが1.77となるようにイオンプレー
ティングして中屈折率材料層をλ/4厚で形成した。
【0038】この中屈折率材料層上に屈折率n=2.2
の二酸化チタンを常法により堆積させて高屈折率材料層
を約λ/2厚で形成し、更にその上に屈折率n=1.4
5の二酸化ケイ素を堆積させて低屈折率材料層を約λ/
4厚で形成し、反射防止フィルムを得た。
の二酸化チタンを常法により堆積させて高屈折率材料層
を約λ/2厚で形成し、更にその上に屈折率n=1.4
5の二酸化ケイ素を堆積させて低屈折率材料層を約λ/
4厚で形成し、反射防止フィルムを得た。
【0039】得られた反射防止フィルムの分光反射特性
を図4に示す。図4から明らかなように、広範囲(42
5〜675nm)に亘って反射率が0.3%以下となっ
ており、反射防止層数が一つ多い従来の反射防止フィル
ム(比較例1)の分光反射特性(図5)より広い範囲で
優れた反射防止特性を示していた。
を図4に示す。図4から明らかなように、広範囲(42
5〜675nm)に亘って反射率が0.3%以下となっ
ており、反射防止層数が一つ多い従来の反射防止フィル
ム(比較例1)の分光反射特性(図5)より広い範囲で
優れた反射防止特性を示していた。
【0040】実施例2 λ=550nmにおける屈折率n=1.489の80μ
m厚のトリアセチルセルロース基材(フジタック(80
μm厚)、富士フィルム社製)上に、アクリル樹脂を含
有するコーティング液を常法に従って塗工し、乾燥して
屈折率n=1.50の7μm厚のハードコート層を形成
した。
m厚のトリアセチルセルロース基材(フジタック(80
μm厚)、富士フィルム社製)上に、アクリル樹脂を含
有するコーティング液を常法に従って塗工し、乾燥して
屈折率n=1.50の7μm厚のハードコート層を形成
した。
【0041】このハードコート層上に、Al2O3とLa
2O3とを屈折率nが1.77となるようにイオンプレー
ティングして中屈折率材料層をλ/4厚で形成した。
2O3とを屈折率nが1.77となるようにイオンプレー
ティングして中屈折率材料層をλ/4厚で形成した。
【0042】この中屈折率材料層上に屈折率n=2.2
の二酸化チタンを常法により堆積させて高屈折率材料層
をλ/2厚で形成し、更にその上に屈折率n=1.45
の二酸化ケイ素を堆積させて低屈折率材料層を4/λ厚
で形成し、反射防止フィルムを得た。
の二酸化チタンを常法により堆積させて高屈折率材料層
をλ/2厚で形成し、更にその上に屈折率n=1.45
の二酸化ケイ素を堆積させて低屈折率材料層を4/λ厚
で形成し、反射防止フィルムを得た。
【0043】得られた反射防止フィルムの分光反射特性
は実施例1と同様に優れたものであった。しかも反射防
止層の耐剥離性も向上していた。
は実施例1と同様に優れたものであった。しかも反射防
止層の耐剥離性も向上していた。
【0044】実施例3 低屈折率材料層上に更に、パーフルオロシラン(KBM
−7803、信越化学社製)を塗布して撥水層を形成す
る以外は、実施例2と同様にして反射防止フィルムを作
製した。
−7803、信越化学社製)を塗布して撥水層を形成す
る以外は、実施例2と同様にして反射防止フィルムを作
製した。
【0045】得られた反射防止フィルムは、実施例1と
同様の反射防止特性を示し、更に撥水性に優れ、且つ指
紋のふきとり性にも優れていた。
同様の反射防止特性を示し、更に撥水性に優れ、且つ指
紋のふきとり性にも優れていた。
【0046】
【発明の効果】本発明の反射防止フィルムは、高屈折率
材料層、低屈折率材料層及び特定の中屈折率材料層から
なる3層構造の反射防止膜を有するので、従来の4層構
造の反射防止膜を有する反射防止フィルムと同レベルの
反射防止性能を有する。従って、本発明の反射防止フィ
ルムを製造する際に、反射防止性能を低下させずに成膜
工程数を減らすことができ、製造コストを低減させるこ
とができる。
材料層、低屈折率材料層及び特定の中屈折率材料層から
なる3層構造の反射防止膜を有するので、従来の4層構
造の反射防止膜を有する反射防止フィルムと同レベルの
反射防止性能を有する。従って、本発明の反射防止フィ
ルムを製造する際に、反射防止性能を低下させずに成膜
工程数を減らすことができ、製造コストを低減させるこ
とができる。
【図1】本発明の反射防止フィルムの基本的態様の断面
図である。
図である。
【図2】本発明の反射防止フィルムの別の態様の断面図
(同図(a)及び(b))である。
(同図(a)及び(b))である。
【図3】従来の反射防止フィルムの断面図である。
【図4】実施例1の反射防止フィルムの分光反射特性図
である。
である。
【図5】比較例1の反射防止フィルムの分光反射特性図
である。
である。
1 基材 2 反射防止膜 3 ハードコート層 4 撥水層
Claims (4)
- 【請求項1】 基材上に多層反射防止膜が設けられた反
射防止フィルムにおいて、多層反射防止膜がアルミニウ
ム酸化物とランタン酸化物とを含有する層又はアルミニ
ウム−ランタン複合酸化物層からなる中屈折率材料層を
含有することを特徴とする反射防止フィルム。 - 【請求項2】 多層反射防止膜が、基材側から中屈折率
材料層、高屈折率材料層及び低屈折率材料層からなる3
層構造となっている請求項1記載の反射防止フィルム。 - 【請求項3】 基材と反射防止膜との間に、ハードコー
ト層が更に形成されている請求項1又は2記載の反射防
止フィルム。 - 【請求項4】 反射防止膜上に、更に撥水層が形成され
ている請求項3記載の反射防止フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8297209A JPH10123302A (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | 反射防止フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8297209A JPH10123302A (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | 反射防止フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10123302A true JPH10123302A (ja) | 1998-05-15 |
Family
ID=17843601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8297209A Pending JPH10123302A (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | 反射防止フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10123302A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002107501A (ja) * | 2000-09-28 | 2002-04-10 | Dainippon Printing Co Ltd | ハードコート層を有するフィルム、反射防止フィルム、およびそれらの製造方法 |
JP2002243902A (ja) * | 2001-02-13 | 2002-08-28 | Toppan Printing Co Ltd | 反射防止フィルム |
CN109799552A (zh) * | 2017-11-16 | 2019-05-24 | 宁波长阳科技股份有限公司 | 一种防反射膜及其制备方法 |
-
1996
- 1996-10-18 JP JP8297209A patent/JPH10123302A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002107501A (ja) * | 2000-09-28 | 2002-04-10 | Dainippon Printing Co Ltd | ハードコート層を有するフィルム、反射防止フィルム、およびそれらの製造方法 |
JP2002243902A (ja) * | 2001-02-13 | 2002-08-28 | Toppan Printing Co Ltd | 反射防止フィルム |
CN109799552A (zh) * | 2017-11-16 | 2019-05-24 | 宁波长阳科技股份有限公司 | 一种防反射膜及其制备方法 |
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