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JPH08208545A - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents

ビスフェノールaの製造方法

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Publication number
JPH08208545A
JPH08208545A JP7141828A JP14182895A JPH08208545A JP H08208545 A JPH08208545 A JP H08208545A JP 7141828 A JP7141828 A JP 7141828A JP 14182895 A JP14182895 A JP 14182895A JP H08208545 A JPH08208545 A JP H08208545A
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JP
Japan
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group
atom
carbon atoms
hydrocarbon
mercapto
Prior art date
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Granted
Application number
JP7141828A
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English (en)
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JP3770634B2 (ja
Inventor
Kaoru Inoue
薫 井上
Hidekazu Ookubo
英主 大久保
Takashi Terajima
隆 寺嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP14182895A priority Critical patent/JP3770634B2/ja
Publication of JPH08208545A publication Critical patent/JPH08208545A/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビスフェノールAを工業的に有利な不均一触
媒を用いてアセトンとフェノールから高転化率、高選択
率で製造する方法を提供する。 【構成】 メルカプト基含有炭化水素基を有する有機高
分子シロキサン及び酸の存在下に、フェノールとアセト
ンとを反応させることを特徴とするビスフェノールAの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェノールとアセトンと
の脱水縮合反応による、2,2−ビス(4′−オキシフ
ェニル)プロパン、(以下ビスフェノールAと略称す
る)を製造する方法に関する。ビスフェノールAはポリ
カーボネート、ポリエステル、エポキシ樹脂、感熱紙用
顕色剤の原料等、工業的に極めて有用な化合物である。
特に、ポリカーボネート樹脂用に供するビスフェノール
Aは無色で且つ高純度なものが要求される。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールAは通常、塩酸等の酸触
媒の存在下にフェノール2分子とアセトン1分子との脱
水縮合反応により製造されている。均一触媒として、例
えば塩酸を用いる場合には、低温で操作することによ
り、フェノールとビスフェノールAの付加物を晶析させ
ながら反応させることが可能であるため、アセトンの高
転化率とともに、高いp,p′−選択性でビスフェノー
ルAを製造することができる。しかしながら塩酸等の均
一酸触媒は反応混合液中の触媒の除去、又は中和する工
程が必要であり、操作が煩雑となる。これに加えて反応
液中に酸が均一に溶解することから装置等の腐蝕をもた
らし、そのため、反応装置に耐腐蝕材質を用いなければ
ならず、経済的にも問題を生じている。このことから、
固体不均一触媒によるビスフェノールAの製造が工業的
に実施されるようになってきている。
【0003】固体不均一触媒としてはゼオライト、部分
中和し不溶化されたヘテロポリ酸塩、強酸性陽イオン交
換樹脂等が知られている。しかし、これらの固体不均一
触媒は触媒の活性及び選択率の双方とも低い。これらの
固体触媒の性能の低さを克服する方法として助触媒とし
て含イオウ化合物を酸触媒とともに反応系に添加するこ
とで触媒活性及び反応選択性が向上することが知られて
いる。
【0004】含イオウ化合物として添加効果のあるもの
としては、古くからアルキルメルカプタン、ベンジルメ
ルカプタン等のチオール化合物が知られている。これら
の化合物は反応系において均一に溶解しており、酸触媒
の活性向上と、ビスフェノールAの高いp,p′−選択
性をもたらすが、上記均一酸触媒と同様に生成物である
ビスフェノールAとの分離が困難となり、生成物の精製
に問題を生じている。そこで、チオール化合物を固定化
し、生成物への混入を避ける方法が検討されている。例
えば、特公昭37−14721ではメルカプトアルキル
アルコールと強酸性陽イオン交換樹脂の酸性基の一部と
をエステル化して、エステル結合によりメルカプト化合
物を陽イオン交換樹脂に固定化した触媒、特公昭46−
19953ではメルカプトアルキルアミンにより強酸性
陽イオン交換樹脂を部分中和して固定化した触媒、特開
昭52−19189では環状メルカプトアミンで強酸性
陽イオン交換樹脂を部分中和し、イオン結合により固定
化した触媒、更に英国特許第1539186号において
はメルカプトアミノ酸を陽イオン交換樹脂とイオン結合
により固定化した触媒等が知られている。しかしなが
ら、これらイオン交換樹脂にメルカプト化合物を固定化
した触媒は、イオン交換樹脂そのものの耐熱性が低く劣
化しやすい、更に上記の例示のメルカプト化合物の固定
化では熱的に不安定であり、分解遊離しやすい。その結
果上記したような均一酸触媒、均一メルカプト化合物の
有する欠点と同様の問題点がある。さらに、上記の固定
化は反応触媒として有効である酸基との反応によるもの
であり、酸量を減少することを伴う欠点も併せて有して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、酸触媒
存在下でフェノールとアセトンとの脱水縮合反応により
ビスフェノールAを製造するにあたり、助触媒としての
メルカプト化合物による反応の活性及び選択性の向上効
果に注目し、従来のメルカプト化合物の均一系での分離
精製の問題、メルカプト化合物の固定化における不安定
さの問題等を克服すべく鋭意検討した結果、フェノール
とアセトンとの酸触媒存在下での脱水縮合反応によりビ
スフェノールAを製造するに際して、助触媒として添加
するメルカプト化合物をシリカマトリックス中に有機メ
ルカプタン化合物を固定化した有機高分子シロキサンと
して反応系に添加することで、熱的に安定で、高温反応
条件においてもメルカプト基等の脱離が抑制され、且つ
触媒の反応活性及び選択性が格段に向上することを見い
だし、加えて不均一系酸触媒の有するプロセス的な利点
に着目し、スルホン酸基に代表される酸基とメルカプト
基含有炭化水素基を共にシリカマトリックス中に固定化
した有機高分子シロキサンとすることで、助触媒と酸触
媒が同時に固定化され、高活性、高選択性かつ熱的に安
定な不均一触媒となることも同時に見いだし本発明を完
成するに到った。
【0006】本発明においては、メルカプト基を有する
有機高分子シロキサンを助触媒として酸触媒とともに使
用することで、該脱水縮合反応を高温条件下で実施して
も反応生成物系へのメルカプト基等の混入もなく、加え
てその助触媒効果の低下もなく、性能が長時間維持され
てビスフェノールAを製造することができる。
【0007】更には、スルホン酸基及びメルカプト基含
有炭化水素基を同時に有する有機高分子シロキサンを触
媒として使用することで、酸触媒及び助触媒成分の脱離
のない安定な不均一触媒となり、該脱水縮合反応を触媒
の活性低下なく且つ、触媒成分の分離が容易等の利点を
有する経済性の高い方法によりビスフェノールAを製造
することができる。
【0008】即ち、本発明の目的は、酸触媒の存在下に
フェノールとアセトンとの脱水縮合反応によりビスフェ
ノールAを製造する方法において、生成物であるビスフ
ェノールAにメルカプト化合物等が混入することなく且
つ高温反応においてもメルカプト化合物が分解、遊離せ
ず且つ、高活性、高選択的にビスフェノールAを製造す
る方法を提供することにある。更には、反応における酸
触媒もメルカプト基と同時に固定化することで高効率で
且つ、容易に触媒を分離回収可能な工業的に極めて有効
な新規な固体触媒を提供することも本発明の目的であ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノールと
アセトンとの脱水縮合反応によりビスフェノールAを製
造する方法において、メルカプト基含有炭化水素基を有
する有機高分子シロキサン及び酸の存在下で反応させる
ことを特徴とするビスフェノールAの製造方法である。
更に、酸も同時に固定化されたメルカプト基含有炭化水
素基及びスルホン酸基を有する有機高分子シロキサンの
存在下で反応させることを特徴とするビスフェノールA
の製造方法でもある。
【0010】また、本発明は、一般式:XnSi(R1
4-n(式中、nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる
群から選ばれた少なくとも1種であり、R1 は、メルカ
プト基(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上
20以下の炭化水素基、炭素数6以上20以下の芳香族
基を有する炭化水素基、少なくとも1個のハロゲン原子
を有する炭素数1以上15以下のアルキル基、少なくと
も1個の炭素、炭素不飽和結合を有する炭素数2以上1
5以下のオレフィン性の炭化水素基および少なくとも1
個のエポキシ基を有する炭素数2以上15以下の炭化水
素基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭化水素
基であり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるシラ
ン化合物の少なくとも1種を加水分解して得られる有機
高分子シロキサンをスルホン化処理により上記炭化水素
基(R1 )をスルホン化し、スルホン酸基を有する有機
高分子シロキサンとした後、 一般式: XnSi(R24-n (式中nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群から
選ばれた少なくとも1種であり、R2 はメルカプト基
(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上20以
下の炭化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)で
表されるシラン化合物の少なくとも1種によりシリル化
し、次いで加水分解することにより得られる、メルカプ
ト基含有炭化水素基及びスルホン酸基を有する有機高分
子シロキサンを提供するものである。
【0011】
【0012】また、本発明は、シリカゲルを一般式:X
nSi(R14-n(式中、nは1以上3以下の整数であ
り、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキ
シ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、R
1 は、メルカプト基(SH基)を少なくとも1個有する
炭素数1以上20以下の炭化水素基、炭素数6以上20
以下の芳香族基を有する炭化水素基、少なくとも1個の
ハロゲン原子を有する炭素数1以上15以下のアルキル
基、少なくとも1個の炭素、炭素不飽和結合を有する炭
素数2以上15以下のオレフィン性の炭化水素基および
少なくとも1個のエポキシ基を有する炭素数2以上15
以下の炭化水素基よりなる群から選ばれた少なくとも1
種の炭化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)で
表されるシラン化合物の少なくとも1種によりシリル化
し、次いで加水分解して得られる有機高分子シロキサン
をスルホン化処理によりスルホン酸基を有する有機高分
子シロキサンとした後、更に一般式: XnSi(R2
4-n(式中nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群
から選ばれた少なくとも1種であり、R2 はメルカプト
基(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上20
以下の炭化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)
で表されるシラン化合物の少なくとも1種によりシリル
化し、次いで加水分解することにより得られる、メルカ
プト基含有炭化水素基及びスルホン酸基を有する有機高
分子シロキサンを提供するものである。
【0013】また、本発明は、一般式:XnSi(R1
4-n(式中、nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる
群から選ばれた少なくとも1種であり、R1 は、メルカ
プト基(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上
20以下の炭化水素基、炭素数6以上20以下の芳香族
基を有する炭化水素基、少なくとも1個のハロゲン原子
を有する炭素数1以上15以下のアルキル基、少なくと
も1個の炭素、炭素不飽和結合を有する炭素数2以上1
5以下のオレフィン性の炭化水素基および少なくとも1
個のエポキシ基を有する炭素数2以上15以下の炭化水
素基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭化水素
基であり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるシラ
ン化合物の少なくとも1種を加水分解して得られる有機
高分子シロキサンをスルホン化処理により上記炭化水素
基(R1 )をスルホン化し、スルホン酸基を有する有機
高分子シロキサンとした後、 一般式: XnSi(R24-n (式中nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群から
選ばれた少なくとも1種であり、R2 はメルカプト基
(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上20以
下の炭化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)で
表されるシラン化合物の少なくとも1種によりシリル化
し、次いで加水分解することを特徴とするメルカプト基
含有炭化水素基及びスルホン酸基を有する有機高分子シ
ロキサンの製造方法である。
【0014】また、本発明は、シリカゲルを一般式:X
nSi(R14-n(式中、nは1以上3以下の整数であ
り、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキ
シ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、R
1 は、メルカプト基(SH基)を少なくとも1個有する
炭素数1以上20以下の炭化水素基、炭素数6以上20
以下の芳香族基を有する炭化水素基、少なくとも1個の
ハロゲン原子を有する炭素数1以上15以下のアルキル
基、少なくとも1個の炭素、炭素不飽和結合を有する炭
素数2以上15以下のオレフィン性の炭化水素基および
少なくとも1個のエポキシ基を有する炭素数2以上15
以下の炭化水素基よりなる群から選ばれた少なくとも1
種の炭化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)で
表されるシラン化合物の少なくとも1種によりシリル化
し、次いで加水分解して得られる有機高分子シロキサン
をスルホン化処理によりスルホン酸基を有する有機高分
子シロキサンとした後、更に一般式: XnSi(R2
4-n(式中nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群
から選ばれた少なくとも1種であり、R2 はメルカプト
基(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上20
以下の炭化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)
で表されるシラン化合物の少なくとも1種によりシリル
化し、次いで加水分解することを特徴とするメルカプト
基含有炭化水素基及びスルホン酸基を有する有機高分子
シロキサンの製造方法である。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用される、フェノール及びアセトンは特に精製する必
要はなく、その純度も限定されることはない。好ましく
は工業純度もしくは一般試薬純度で使用する。また反応
に不活性な媒体、例えば飽和炭化水素類等で希釈して使
用することも可能である。
【0016】本発明において、用いられる触媒である酸
は、特に限定されることはなく、プロトン酸、ルイス酸
等脱水縮合活性を有する酸であれば如何なる酸を使用し
ても差し支えない。またその形態も特に限定はされず、
反応系において均一に溶解する均一系酸触媒、反応系中
に固体で存在する不均一酸触媒のいずれを使用しても差
し支えない。触媒と生成物との分離の観点から不均一酸
触媒であることが好ましく、耐熱性の高いものであれば
更に好ましい。具体的に例示すれば、ヘテロポリ酸の有
するプロトンの一部をアルカリ金属イオン、アンモニウ
ムイオン等で置換し固体不均一化した部分中和ヘテロポ
リ酸、ヘテロポリ酸又はその塩を活性炭、アルミナ、シ
リカ、ケイソウ土等の担体に担持した担持酸触媒及びゼ
オライト、層状粘土化合物等が不均一酸触媒として挙げ
られる。本発明においては、無論これらの不均一酸触媒
のみに限定されることはなく、その他の固体酸触媒及び
均一酸触媒を使用しても何等差し支えない。
【0017】本発明は、上記酸触媒とともに、助触媒と
してメルカプト基含有炭化水素基を有する有機高分子シ
ロキサンを使用する。また、酸及び助触媒であるメルカ
プト基含有炭化水素基を同時に高分子シロキサンに固定
化した有機高分子シロキサンを使用することが好まし
く、更に酸がスルホン酸基よりなるスルホン酸基及びメ
ルカプト基含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサ
ンを使用することも好ましい実施形態として推奨され
る。
【0018】本発明で使用するメルカプト基含有炭化水
素基を有する有機高分子シロキサンとはシロキサン結合
からなるシリカマトリックス中に部分的にメルカプト基
を有する炭化水素基が直接シリカマトリックス中のケイ
素原子と炭素−ケイ素結合により結合した構造を有する
高分子シロキサンである。
【0019】これら有機高分子シロキサンは、炭素−ケ
イ素結合により、そのシロキサンを形成するケイ素1原
子あたり、平均0.05〜3、好ましくは0.1〜2、
更に好ましくは0.2〜1個の、メルカプト基を有する
炭化水素基と結合した有機高分子シロキサンである。
【0020】また、これらの炭化水素基の総てが1以上
のメルカプト基を有していても、数ある炭化水素基の一
部分にメルカプト基を有するものであっても差し支えな
い。総ての炭化水素基がメルカプト基を有していれば好
ましい。しかしながら本発明におけるメルカプト基含有
炭化水素基を有する有機高分子シロキサンはメルカプト
基の量により何等規定されることはない。
【0021】本発明に助触媒として使用するメルカプト
基含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサンは、例
えば以下の方法で調製することが可能である。しかしな
がら、本発明はこれらの調製方法のみに限定されること
はない。実施し易い調製方法としては例えば一般式:
nSi(R24-n(式中nは1以上3以下の整数であ
り、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキ
シ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、R
2 はメルカプト基(SH基)を少なくとも1個有する炭
素数1以上20以下の炭化水素基であり、Siはケイ素
原子を表す。)で表されるシラン化合物を加水分解す
る。
【0022】または、これらシラン化合物と、一般式:
SiX4(式中Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及
びアルコキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種
であり、Siはケイ素原子である。)で表されるシラン
化合物の少なくとも1種とを含有するシラン化合物を加
水分解する等の方法によって容易に調製し、助触媒とし
て反応に供することができる。本発明はこれらの調製方
法等によって得られたメルカプト基含有炭化水素基を有
する有機高分子シロキサンを助触媒として酸と共に反応
に使用する。
【0023】また、本発明方法においては、酸としてス
ルホン酸を用い、該スルホン酸をメルカプト基含有炭化
水素基を有する有機高分子シロキサン中に同時に固定化
した、スルホン酸基及びメルカプト基含有炭化水素基を
有する有機高分子シロキサンも固定化助触媒を共存させ
た不均一触媒として有効に使用することもできる。ここ
において、本発明でいう、スルホン酸基及びメルカプト
基含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサンとは、
シロキサン結合からなるシリカマトリックス中に部分的
にスルホン酸基を有する炭化水素基及びメルカプト基を
有する炭化水素基が直接ケイ素原子と炭素−ケイ素結合
により結合した構造を有する有機高分子シロキサンであ
る。
【0024】これら有機高分子シロキサンはそのシロキ
サンを形成するケイ素1原子あたり、平均0.01〜
2、好ましくは0.05〜1.5、更に好ましくは0.
1〜1個の炭素−ケイ素結合により、スルホン酸基を有
する炭化水素基と結合し、更にケイ素1原子あたり0.
01〜2、好ましくは0.05〜1.5、更に好ましく
は0.1〜1個のメルカプト基を有する炭化水素基と結
合した有機高分子シロキサンであり、ケイ素原子と結合
したスルホン酸基を有する炭化水素基及びケイ素原子と
結合したメルカプト基を有する炭化水素基の和が、ケイ
素1原子あたり、平均0.05〜3、好ましくは0.1
〜2、更に好ましくは0.2〜1個である有機高分子シ
ロキサンである。
【0025】本発明においては触媒として使用するこれ
らのスルホン酸基およびメルカプト基含有炭化水素基を
有する有機高分子シロキサンの調製方法は、特に限定さ
れることはなく、高分子シロキサン(シリカ)マトリッ
クス中に直接炭素−ケイ素結合により結合した、スルホ
ン酸基及びメルカプト基含有炭化水素基が存在すればい
かなる調製方法により調製しても差し支えない。実施し
易い調製方法として、例えば以下の調製方法等により調
製することが可能である。しかしながら、本発明はこれ
らの調製方法のみに限定されないのは無論である。
【0026】実施し易い方法として例えば、一般式:X
nSi(R34-n(式中nは1以上3以下の整数であ
り、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびアルコ
キシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
3 はスルホン酸基を少なくとも1個有する炭化水素基
よりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、Siは
ケイ素原子を表す。)で表されるシラン化合物の少なく
とも1種と一般式:XnSi(R24-n(式中nは1以
上3以下の整数であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子及びアルコキシ基よりなる群から選ばれた少なく
とも1種であり、R2 はメルカプト基(SH基)を少な
くとも1個有する炭素数1以上20以下の炭化水素基で
あり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるシラン化
合物を加水分解する。
【0027】または、これらのシラン化合物と、一般
式:SiX4(式中Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子及びアルコキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも
1種であり、Siはケイ素原子である。)で表されるシ
ラン化合物の少なくとも1種とを含有するシラン化合物
を加水分解し調製することが可能である。
【0028】さらには、一般式:XnSi(R3
4-n(式中nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子およびアルコキシ基よりなる
群から選ばれた少なくとも1種であり、R3 はスルホン
酸基を少なくとも1個有する炭化水素基よりなる群から
選ばれた少なくとも1種であり、Siはケイ素原子を表
す。)で表されるシラン化合物の少なくとも1種のシラ
ン化合物、またはこれらシラン化合物と一般式:SiX
4(式中Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアル
コキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種であ
り、Siはケイ素原子である。)で表されるシラン化合
物の少なくとも1種とを含有するシラン化合物を加水分
解して調製されたスルホン酸基を有する有機高分子シロ
キサンを、 一般式:XnSi(R24-n (式中nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群から
選ばれた少なくとも1種であり、R2 はメルカプト基
(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上20以
下の炭化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)で
表されるシラン化合物によりシリル化し、加水分解する
ことによっても調製することが出来る。
【0029】この際に、スルホン酸基は予め、そのプロ
トンを金属カチオンで交換されたスルホン酸塩として上
記加水分解を行い、得られた有機高分子シロキサンを酸
処理する等によりプロトンに交換することでスルホン酸
基とすることも差し支えない。
【0030】また、上記一般式:XnSi(R34-n
び上記一般式:XnSi(R24-nで表されるシラン化
合物をシリカゲル上に順次、または混合して同時にシリ
ル化することにより固定化したスルホン酸基及びメルカ
プト基を有する有機高分子シロキサンも触媒として使用
することができる。
【0031】また、他の好ましい調製方法としては一般
式:XnSi(R14-n(式中、nは1以上3以下の整
数であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びア
ルコキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種であ
り、R1 は、メルカプト基(SH基)を少なくとも1個
有する炭素数1以上20以下の炭化水素基、炭素数6以
上20以下の芳香族基を有する炭化水素基、少なくとも
1個のハロゲン原子を有する炭素数1以上15以下のア
ルキル基、少なくとも1個の炭素、炭素不飽和結合を有
する炭素数2以上15以下のオレフィン性の炭化水素基
および少なくとも1個のエポキシ基を有する炭素数2以
上15以下の炭化水素基よりなる群から選ばれた少なく
とも1種の炭化水素基であり、Siはケイ素原子を表
す。)で表されるシラン化合物の少なくとも1種を加水
分解する、またはこれらのシラン化合物と 一般式:SiX4 (式中Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコ
キシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
Siはケイ素原子である。)で表されるシラン化合物の
少なくとも1種とを含有するシラン化合物を加水分解し
て得られる有機高分子シロキサンをスルホン化処理によ
り上記炭化水素基(R1 )をスルホン化し、スルホン酸
基を有する有機高分子シロキサンとした後、 一般式:XnSi(R24-n (式中nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群から
選ばれた少なくとも1種であり、R2 はメルカプト基
(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上20以
下の炭化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)で
表されるシラン化合物の少なくとも1種によりシリル化
し、次いで加水分解することによりメルカプト基含有炭
化水素基及びスルホン酸基を有する有機高分子シロキサ
ンとする方法が採用できる。
【0032】更には、シリカゲルを一般式:XnSi
(R14-n(式中、nは1以上3以下の整数であり、X
は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よ
りなる群から選ばれた少なくとも1種であり、R1 は、
メルカプト基(SH基)を少なくとも1個有する炭素数
1以上20以下の炭化水素基、炭素数6以上20以下の
芳香族基を有する炭化水素基、少なくとも1個のハロゲ
ン原子を有する炭素数1以上15以下のアルキル基、少
なくとも1個の炭素、炭素不飽和結合を有する炭素数2
以上15以下のオレフィン性の炭化水素基および少なく
とも1個のエポキシ基を有する炭素数2以上15以下の
炭化水素基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭
化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)で表され
るシラン化合物の少なくとも1種によりシリル化し、次
いで加水分解して得られる有機高分子シロキサンをスル
ホン化してスルホン酸基を有する有機高分子シロキサン
とし、これを更に一般式:XnSi(R24-n(式中n
は1以上3以下の整数であり、Xは塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種であり、R2 はメルカプト基(SH
基)を少なくとも1個有する炭素数1以上20以下の炭
化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)で表され
るシラン化合物の少なくとも1種によりシリル化し、次
いで加水分解することによりメルカプト基含有炭化水素
基及びスルホン酸基を有する有機高分子シロキサンとす
る方法が採用できる。
【0033】ここにおいて、上記すべての一般式中に示
した炭化水素基R1 、R2 及びR3について詳しく説明
する。R3 は少なくとも1個のスルホン酸基(−SO3
H) を有する炭化水素基で有ればいかなる炭化水素基
であっても本発明に使用することが可能であるが、好ま
しくはスルホン酸基を少なくとも1個有する炭素数1以
上20以下の炭化水素基である。好ましくは炭素数6以
上20以下、更に好ましくは炭素数6以上15以下の少
なくとも1個のスルホン酸基を有する置換ないしは無置
換の芳香族炭化水素基(芳香族基に直接スルホン酸基が
置換された基でも、芳香族基に置換された炭化水素基に
スルホン酸基が置換された基でも差し支えない。);ま
たは好ましくは、少なくとも1個のスルホン酸基を有す
る炭素数1以上15以下、更に好ましくは炭素数1以上
10以下の置換ないしは無置換の脂肪族もしくは脂環式
炭化水素基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭
化水素基である。
【0034】具体的には、少なくとも1個のスルホン酸
基により核置換されたフェニル基、トリル基、ナフチル
基、メチルナフチル基等の芳香族基、ベンジル基、ナフ
チルメチル基等の芳香族置換アルキル基等、少なくとも
1個のスルホン酸基で置換された、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、直鎖または分枝のペンチ
ル基、直鎖または分枝のヘキシル基、直鎖または分枝の
ヘプチル基、直鎖または分枝のオクチル基、シクロヘキ
シル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシ
ル基等が例示される。更にこれらの芳香族または飽和の
脂肪族ないしは脂環式炭化水素基はスルホン酸基の他に
ハロゲン元素、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、ヒ
ドロキシ基等の置換基を有する炭化水素基であっても差
し支えない。
【0035】またR2 は示性式として−SHで表される
メルカプト基を少なくとも1個有する炭素数1以上20
以下の炭化水素基よりなる群から選ばれた少なくとも1
種であり、脂肪族もしくは脂環式の飽和炭化水素、不飽
和炭化水素又は芳香族炭化水素に−SH基が結合した炭
化水素基である。好ましくは脂肪族もしくは脂環式の飽
和炭化水素基又は芳香族炭化水素基にSH基が少なくと
も1個結合した炭化水素基である。具体的に例示すれ
ば、メルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基、3
−メルカプト−n−プロピル基等のメルカプトアルキル
基類、4−メルカプトシクロヘキシル基、4−メルカプ
トメチルシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基類、p
−メルカプトフェニル基、p−メルカプトメチルフェニ
ル基等のメルカプト芳香族基類等が挙げられる。無論、
本発明においてはこれらの基のみに限定されることはな
い。また、これらの芳香族または脂肪族ないしは脂環式
炭化水素基はメルカプト基の他にハロゲン元素、アルコ
キシ基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基等の置換基
を有する炭化水素基であっても差し支えない。
【0036】またR1 は種々のスルホン化処理によりス
ルホン酸基を導入可能な炭化水素基であるならばいかな
る炭化水素基であっても差し支えないが、好ましい炭化
水素基としてはメルカプト基(SH基)を少なくとも1
個有する炭化水素基、芳香族基を有する炭化水素基、ハ
ロゲン原子を少なくとも1個有するアルキル基、少なく
とも1個の炭素、炭素不飽和結合を有するオレフィン性
の炭化水素基および少なくとも1個のエポキシ基を有す
る炭化水素基よりなる群より選ばれた少なくとも1種の
炭化水素基である。
【0037】上記炭化水素基(R1 )を例示すれば、少
なくとも1個のメルカプト基を有する炭化水素基として
は、炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、脂肪族
もしくは脂環式の飽和炭化水素、不飽和炭化水素又は芳
香族炭化水素に−SH基が結合した炭化水素基である。
好ましくは脂肪族もしくは脂環式の飽和炭化水素基又は
芳香族炭化水素基にSH基が少なくとも1個以上結合し
た炭化水素基である。具体的に例示すれば、メルカプト
メチル基、2−メルカプトエチル基、3−メルカプト−
n−プロピル基等の、メルカプトアルキル基類、4−メ
ルカプトシクロヘキシル基、4−メルカプトメチルシク
ロヘキシル基等の脂環式炭化水素基類、p−メルカプト
フェニル基、p−メルカプトメチルフェニル基等のメル
カプト芳香族基類等が挙げられる。無論、本発明におい
てはこれらの基のみに限定されることはない。また、こ
れらの芳香族または脂肪族ないしは脂環式炭化水素基は
メルカプト基の他にハロゲン元素、アルコキシ基、ニト
ロ基、アミノ基、ヒドロキシ基等の置換基を有する炭化
水素基であっても差し支えない。
【0038】芳香族基を有する炭化水素基としては、炭
素数6以上20以下、好ましくは炭素数6以上15以下
の芳香族基を有する炭化水素基もしくは芳香族基を置換
した炭化水素基(例えば芳香族基で置換されたアルキル
基)等であり、フェニル基、トリル基、キシリル基、メ
チルナフチル基、エチルナフチル基等の芳香族基、ベン
ジル基、ナフチルメチル基等の芳香族置換アルキル基等
が挙げられる。またこれらの炭化水素基は更に、ハロゲ
ン元素、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキ
シ基等の置換基を有する炭化水素基であっても差し支え
ない。
【0039】また、少なくとも1個のハロゲン原子を有
するアルキル基としては、炭素数1以上15以下、好ま
しくは炭素数1以上10以下のハロゲン原子で置換され
たアルキル基であり、置換しているハロゲン原子が塩素
原子、臭素原子、およびヨウ素原子よりなる群から選ば
れた少なくとも1種であることが好ましい。これらアル
キル基を具体的に例示すれば、クロロメチル基、ジクロ
ロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、ヨー
ドメチル基、ジヨードメチル基、2−クロロエチル基、
1,2−ジクロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−
ヨードエチル基、3−クロロ−n−プロピル基、3−ブ
ロモ−n−プロピル基、3−ヨード−n−プロピル基、
4−クロロ−n−ブチル基、4−ブロモ−n−ブチル基
等のハロゲン原子で置換されたアルキル基であり、4−
クロロシクロヘキシル基、4−ブロモシクロヘキシル基
等のハロゲン原子を置換基にもつ脂環式炭化水素基も本
発明のハロゲン化アルキル基に属している。また、これ
らのアルキル基はハロゲン原子の他に、アルコキシ基、
ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基等の置換基を有する
アルキル基であっても差し支えない。
【0040】少なくとも1個の炭素炭素、二重結合を有
するオレフィン性の炭化水素基としては、炭素数2以上
15以下のオレフィン性の炭化水素基であり、好ましく
は、オレフィン性炭化水素基を置換基に有する炭素数8
以上15以下の芳香族炭化水素基または炭素数2以上1
0以下の脂肪族ないしは脂環式のオレフィン性炭化水素
基であり、具体的にはオレフィン性炭化水素基を置換基
に有する芳香族炭化水素基としては、4−ヴィニルフェ
ニル基、4−ヴィニルナフチル基、4−アリルフェニル
基等があり、脂肪族ないしは脂環式のオレフィン性炭化
水素基としては、ヴィニル基、アリル基、n−ブテニル
基類、シクロヘキセニル基類、メチルシクロヘキセニル
基類、エチルシクロヘキセニル基類等が挙げられる。ま
たこれらの基は他の置換基としてハロゲン元素、アルコ
キシ基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基等の置換基
を有する炭化水素基であっても差し支えない。
【0041】更に、少なくとも1個のエポキシ基を有す
る炭化水素基としては、少なくとも1個のエポキシ基を
有する炭素数2以上15以下の炭化水素基であり、好ま
しくは、エポキシ基を置換基に持つ炭素数8以上15以
下の芳香族炭化水素基またはエポキシ結合を有する炭素
数2以上10以下の脂肪族ないしは脂環式の炭化水素基
であり、具体的には、エポキシ基を置換基に持つ芳香族
炭化水素基としては、p−エポキシエチルフェニル基、
4−エポキシエチルナフチル基、p−(2,3−エポキ
シプロピル)フェニル基、p−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)フェニル基等であり、エポキシ結合を有す
る、脂肪族ないしは脂環式の炭化水素基としては、エポ
キシエチル基、2,3−エポキシプロピル基、3,4−
エポキシシクロヘキシル基、3−グリシドキシプロピル
基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基
等である。またこれらの炭化水素基はエポキシ基の他に
置換基としてハロゲン元素、アルコキシ基、ニトロ基、
アミノ基、ヒドロキシ基等の置換基を有する炭化水素基
であっても差し支えない。無論これらの炭化水素基(R
1) は例示したに過ぎず、種々のスルホン化処理により
スルホン酸基を導入可能な炭化水素基であるならば何れ
の炭化水素基であっても差し支えなく、これらの炭化水
素基のみに限定されることはない。
【0042】本発明では上記したように、一般式:Xn
Si(R14-n で表されるシラン化合物または、これ
らシラン化合物と一般式:SiX4 で表されるシラン化
合物との混合物を加水分解、または一般式:XnSi
(R14-n で表されるシラン化合物をシリカゲル上に
シリル化した後、加水分解して得られる有機高分子シロ
キサンをスルホン化し、スルホン酸基を有する有機高分
子シロキサンとし、この高分子シロキサンを更に一般
式:XnSi(R24-n で表されるシラン化合物により
シリル化し、加水分解することでスルホン酸基及びメル
カプト基含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサン
を調製することが出来る。
【0043】ここにおいて本発明でいうスルホン化と
は、特にその処方に関して限定されることはなく、R1
で表された炭化水素基を、スルホン酸基を有する炭化水
素基とする処方であるならばいかなる処方を用いても差
し支えない。またR1 の種類によりその処方は各々異な
るのは当然である。
【0044】スルホン化処理として、実施し易い方法を
具体的に例示すれば、例えば、少なくとも1個のメルカ
プト基を有する炭化水素基を有するシラン化合物より得
られた有機高分子シロキサンであるならば、種々の酸化
剤(例えば、硝酸、過酸化水素等)との接触により酸化
する、またはスルホン酸基を有するオレフィン化合物と
の付加反応(SHのオレフィンへの付加)によりスルホ
ン酸基を有する有機高分子シロキサンとすることが出来
る。この時スルホン酸基を有するオレフィン化合物の量
を、メルカプト基を有する有機高分子シロキサン中のメ
ルカプト基の量より少ない量で付加させることで、スル
ホン化に続く一般式:XnSi(R24- n で表されるシ
ラン化合物によるシリル化処理を行わなくても、スルホ
ン酸基及びメルカプト基を有する有機高分子シロキサン
とすることが出来る。
【0045】スルホン化に使用するスルホン酸基を有す
るオレフィン化合物は、具体的にはヴィニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレン
スルホン酸、シクロヘキセンスルホン酸等が例示され
る。無論これらのオレフィン性のスルホン酸のみに限定
されることはない。また、芳香族基を有する炭化水素基
を有するシラン化合物から得られる有機高分子シロキサ
ン類であるならば、これら有機高分子シロキサンを硫
酸、ないしはクロロスルホン酸との接触による通常の芳
香族スルホン化処理によりスルホン酸基を有する有機高
分子シロキサンとすることが出来る。
【0046】また、ハロゲン化アルキル基を有するシラ
ン化合物より得られる有機高分子シロキサンの場合に
は、金属亜硫酸塩(例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カ
リウム)溶液との加熱接触と酸処理により、スルホン酸
基を有する有機高分子シロキサンとすることが出来る。
【0047】また、少なくとも1個の炭素炭素、二重結
合を有するオレフィン性炭化水素基を有するシラン化合
物より得られる有機高分子シロキサンの場合には、酸化
剤(空気、酸素等)の存在下、金属亜硫酸水素塩(亜硫
酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等)の溶液との
接触とこれに続く酸処理により、スルホン酸基を有する
有機高分子シロキサンとすることが出来る。
【0048】更に、少なくとも1個のエポキシ結合(オ
キシラン基)を有する炭化水素基を有するシラン化合物
より得られる有機高分子シロキサンの場合には、金属亜
硫酸水素塩(亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウ
ム等)の溶液との接触とこれに引き続く酸処理により、
スルホン酸基を有する有機高分子シロキサンとすること
が出来る。
【0049】ここにおいて、金属亜硫酸水素塩を用いる
スルホン化に際して、金属硫酸塩を共存させることが好
ましいスルホン化方法として推奨される。しかしなが
ら、本発明方法はこれらのスルホン化方法のみに限定さ
れないことは無論である。
【0050】本発明では、これら上記した方法によりス
ルホン酸基を有する有機高分子シロキサンとした後更
に、一般式:XnSi(R24-n で表されるシラン化合
物によりシリル化し、加水分解することでスルホン酸基
及びメルカプト基含有炭化水素基を有する有機高分子シ
ロキサンを調製することが出来る。
【0051】ここにおいて、本発明でいうシリル化につ
いて述べる。本発明で実施するシリル化は通常のシリル
化剤により行われるシリル化により充分達成される。実
施し易いシリル化方法として具体的に例示すれば、上記
処方により得られたスルホン酸基を有する有機高分子シ
ロキサンマトリックスが有するシラノ−ル基(−Si−
OH)基を上記一般式:XnSi(R24-n で表される
シラン化合物と直接反応させシロキサン結合(Si−O
−Si−R2) を生成させ高分子シロキサン上(シリカ
ゲル母体も含む)に固定化することである。更に、大量
の上記シリル化剤を水の共存下にスルホン酸基を有する
有機高分子シロキサンと接触させる方法によって大量の
メルカプト基含有炭化水素基を固定化することが出来
る。
【0052】この際に、スルホン酸基を有する有機高分
子シロキサンを予め、金属カチオンでスルホン酸基の有
するプロトンを交換したスルホン酸塩としてシリル化を
実施した後、酸により、再度スルホン酸基に変換する等
の方法によってシリル化する方法がより好ましい方法と
して推奨される。
【0053】これらシリル化を実施するに際して、シリ
ル化剤及びスルホン酸基を有する有機高分子シロキサン
に対して不活性であるアルコール、脂肪族飽和炭化水素
(ヘキサン、ヘプタン等)または芳香族炭化水素(ベン
ゼン、トルエン等)等の媒体にシリル化剤を希釈させて
シリル化することも可能である。本発明においては、上
記シリル化剤によりシリル化する量に関しては特に限定
されないが、好ましくは原料スルホン酸基を有する有機
高分子シロキサンに対する重量パーセント(シリル化
し、加水分解後の重量増加量として)で0.5ないし2
00、好ましくは1ないし100重量パーセントである
ことが推奨される。無論本発明においてはこれらの量の
範囲のみに限定されることはない。
【0054】更に、上記した、それぞれの一般式におけ
るXは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ
基よりなる群から選ばれた少なくとも1種を表し、加水
分解によりケイ素−X結合が分解し、高分子シロキサン
結合を生成することを可能たらしめる基である。具体的
に例示すれば、アルコキシ基としてはメトキシ基、エト
キシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブ
トキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のア
ルキルアルコキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等の
芳香族アルコキシ基等が挙げられる。本発明はこれらア
ルコキシ基のみに限定されることはない。また、塩素原
子であることも好ましい。無論Xはこれらのみに限定さ
れることはなく、更にこれらの混合の置換基であっても
差し支えない。
【0055】以下に本発明方法の実施態様について述べ
る。原料であるフェノールとアセトンの使用量(量比)
は特に限定されないが、好ましくはフェノール/アセト
ンのモル比で0.1〜100の範囲であり、更に好まし
くは0.5〜50の範囲で実施することが推奨される。
余りにフェノールの量が少なければ、原料アセトンの高
い転化率を達成することは困難であり、又、余りにフェ
ノールの量が多ければ高いアセトンの転化率を達成する
ことはできるが、必要以上にフェノールを用いるため反
応器が過大となり、更にフェノールの大量循環が必要と
なり効率的に製造し得ないためである。
【0056】反応温度についても本発明では特に限定さ
れることはないが、好ましくは0〜300℃、更に好ま
しくは30〜300℃の範囲である。反応温度が極端に
低すぎると原料の高い転化率を達成させるには極端に長
い反応時間を必要とし、言い換えれば極端に反応速度が
低下し、反応生成物の生産性が低下する。一方、反応温
度が極端に高すぎると好ましからざる副反応等が進行し
副生成物の増大や、原料であるフェノール及びアセト
ン、更に生成物であるビスフェノールA等の安定性にも
好ましくなく、反応選択率の低下をもたらし経済的では
ない。
【0057】反応は減圧、加圧及び常圧のいずれの状態
で実施することも可能である。反応効率(単位体積あた
りの反応効率)の観点から余りに低い圧力で実施するこ
とは好ましくない。通常好ましい実施圧力範囲は、0.
1〜200気圧であり、更に好ましくは0.5〜100
気圧である。無論、本発明はこれらの圧力範囲に限定さ
れない。又、本発明を実施するに際し、使用する触媒量
(酸触媒)及び助触媒であるメルカプト基含有炭化水素
基を有する有機高分子シロキサンの量も特に限定はされ
ないが、例えば、反応をバッチ方式で実施する場合に
は、好ましくは原料となるフェノールに対して酸触媒及
び助触媒共に重量パーセントで0.001〜200%、
更に好ましくは0.1〜50%の範囲で行うことが推奨
される。
【0058】また、スルホン酸基とメルカプト基含有炭
化水素基を共に有する有機高分子シロキサンを触媒とし
て使用する際にも同様に、本発明においては特に限定さ
れないが、好ましくは原料フェノールに対して、0.0
02〜200%、更に好ましくは0.1〜50%の範囲
で実施することが推奨される。余りに少量の酸触媒及び
メルカプト基含有炭化水素基を有する有機シロキサン、
またはスルホン酸基及びメルカプト基含有炭化水素基を
有する有機高分子シロキサン触媒を使用することは、実
質的に反応速度を極端に低下させ効率上問題となり、
又、余りに大量に使用すれば反応液等の撹拌効率を低下
させトラブルを生じる原因となる恐れがあるためであ
る。
【0059】本発明を実施するにあたり、反応系内に酸
触媒および助触媒であるメルカプト基含有炭化水素基を
有する有機高分子シロキサン、またはスルホン酸基及び
メルカプト基含有炭化水素基を有する有機高分子シロキ
サン、及び反応試剤に対して不活性な溶媒もしくは気体
を添加して、希釈した状態で行うことも可能である。具
体的にはメタン、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素類、窒素、
アルゴン、ヘリウム等の不活性気体や場合によっては水
素を希釈剤として使用することもできる。
【0060】本発明を実施するに際してその方法はバッ
チ式、セミバッチ式または連続流通式のいずれの方法に
おいても実施することが可能である。反応形態は、酸触
媒を液体均一もしくは固体不均一状態とし、メルカプト
基含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサン、また
はスルホン酸基及びメルカプト基含有炭化水素基を有す
る有機高分子シロキサンを固体状態として液相、気相、
気−液混合相のいずれの形態においても実施することが
可能である。好ましくは反応効率的な観点から液相反応
で実施することが推奨される。
【0061】助触媒であるメルカプト基含有炭化水素基
を有する有機高分子シロキサン及び固体酸触媒、または
触媒としてのスルホン酸基及びメルカプト基含有炭化水
素基を有する有機高分子シロキサンの充填方式として
は、固定床、流動床、懸濁床、棚段固定床等種々の方式
が採用され、いずれの方式で実施しても差し支えない。
反応時間(流通反応においては滞留時間もしくは触媒接
触時間)は特に限定されることはないが、通常0.1秒
〜30時間、好ましくは0.5秒〜15時間である。
【0062】反応後、反応生成物を、前記助触媒、酸触
媒等から濾過、抽出、留去等の分離方法によって、分離
回収することができる。目的生成物であるビスフェノー
ルAは、分離し回収した回収物から溶媒抽出、蒸留、ア
ルカリ処理、酸処理等の逐次的な処理方法、或いはこれ
らを適宜組み合わせた操作等の通常の分離、精製法によ
って分離、精製して取得することができる。又、未反応
原料は回収して、再び反応系へリサイクルして使用する
こともできる。
【0063】バッチ反応の場合、反応後に反応生成物を
分離して回収された酸触媒及び助触媒、または助触媒を
同時に固定化した触媒はそのまま、又はその一部もしく
は全部を再生した後、繰り返して反応に再度使用するこ
ともできる。固定床又は流動床流通連続反応方式で実施
する場合には、反応に供することによって、一部又は総
ての酸触媒、助触媒が失活もしくは活性低下した場合に
は反応を中断後、酸触媒及び/又は助触媒、または助触
媒を同時に固定化した酸触媒を再生して反応に供するこ
ともできるし、又連続的もしくは断続的に一部を抜き出
し、再生後、再び反応器へリサイクルして再使用するこ
ともできる。更に、新たな酸触媒、助触媒または助触媒
を同時に固定化した酸触媒を連続的又は断続的に反応器
に供給することもできる。移動床式流通連続反応、もし
くは均一触媒流通反応方式で実施する際には、バッチ反
応と同様に酸触媒及び/又は助触媒もしくは助触媒を同
時に固定化した酸触媒を分離、回収し、必要であるなら
ば再生して再使用することができる。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に具体的に
説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例のみに
限定されるものではない。 A:助触媒として用いるメルカプト基含有有機高分子シ
ロキサンの調製方法 (a)助触媒1 撹拌機及び冷却管を取り付けた500ml、3ツ口フラスコ
にエタノール、100ml、3-メルカプトプロピルトリメト
キシシラン〔(HSCH2CH2CH2)Si(OMe)3〕、 10.0g (51.7
mmol)を入れ室温で2時間撹拌した後、純水を必要量
(添加シランの有するアルコキシ基のモル量の1/2)
の5倍モル(51.7×3×0.5×5=387.8 mmol) をゆっく
り滴下し、更に室温で1時間撹拌した。これに28%アン
モニア水10.0g を約1時間かけて撹拌しながら滴下した
後、液温を80℃にし、一昼夜加熱撹拌を行った。これ
により、液のゲル化が確認された。その後、溶媒等を減
圧留去させ、固体を得た。この固体に純水500ml を加え
80℃で4時間撹拌洗浄を行った。冷却後、固体を濾過
分離し、純水で充分洗浄した後、100℃で4時間減圧
乾燥し、メルカプト基を有する有機高分子シロキサンを
得た。これを助触媒1として反応に用いた。
【0065】(b)助触媒2〜4 (a)で用いた3-メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、10.0g にテトラエトキシシランをそれぞれ表1に掲
げた量添加し(a)と同様に撹拌した後、純水を仕込み
メトキシ基とエトキシ基の総モル量の1/2(加水分解
必要量)の5倍モル量添加した。その後、助触媒1の調
製法 (a)と同様の操作で、それぞれ助触媒2〜4を
得た。
【0066】(c)助触媒5 3-メルカプトプロピルトリメトキシシランを3-メルカプ
トプロピル-メチルジメトキシシラン〔(HSCH2CH2CH2)Si
(Me)(OMe)2〕に代え、10.0g仕込んだ以外は総て助触媒
2の調製方法と同一の操作及び条件で調製した。これを
助触媒5として反応に使用した。これら助触媒1〜5を
表1に示した。
【0067】(d)助触媒6 市販のシリカゲル(MSゲル:洞海化学工業社製)1
0.0gを100℃で4時間減圧乾燥した後、3-メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン〔(HSCH2CH2CH2)Si(OM
e)3〕、 10.0g (51.7mmol)を加え、100℃で4時間
加熱攪拌した。放冷後これを濾別し、メタノール、アセ
トンで充分洗浄した。得られたメルカプト基含有炭化水
素基を有する有機高分子シロキサンのメルカプト基量は
1.11mgeq/gであった。
【0068】
【表1】 表1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 加水分解使用シラン SH量 ──────────────────────────────────── 助触媒 メルカプトシラン (g) シラン(g)(mgeq/g) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 助触媒1 (HSCH2CH2CH2)Si(OMe)3 10.0 使用せず 0.0 1.77 助触媒2 (HSCH2CH2CH2)Si(OMe)3 10.0 Si(OEt)4 10.0 2.71 助触媒3 (HSCH2CH2CH2)Si(OMe)3 10.0 Si(OEt)4 5.0 2.99 助触媒4 (HSCH2CH2CH2)Si(OMe)3 10.0 Si(OEt)4 20.0 2.49 助触媒5 (HSCH2CH2CH2)Si(Me)(OMe)2 10.0 Si(OEt)4 10.0 2.55 助触媒6 1.11 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0069】実施例1〜6 70mlの耐圧反応器にアセトン3.80g(65.5mmol)、フェノ
ール33.00g(351.1mmol)、酸触媒としてドデカタングス
トリン酸の有するプロトンの2/3をアンモニウムカチ
オンで交換し、不均一化した、部分中和塩〔(NH4)2HPW
12O40〕2.00g 、助触媒1〜6のいずれかを 0.60g 仕込
み、窒素ガスで耐圧反応器内を5kg/cm2 ゲージ圧に加圧
した後、100℃で2時間加熱撹拌し反応を行った。反
応終了後、室温に冷却、放圧後反応液を取り出し液体ク
ロマトグラフ法により分析定量した。結果は表2に示し
たようにそれぞれ良い収率でビスフェノールAが生成し
た。
【0070】比較例1 実施例2における、助触媒を用いなかった以外は総て実
施例2と同一の条件で反応を行った。結果は表2に掲げ
たように、ビスフェノールAの収率も低下し、且つp,
p’−ビスフェノールAの選択性も低下した。このこと
から、本発明におけるメルカプト基を有する有機高分子
シロキサンが助触媒として優れた効果をもたらすことが
わかる。
【0071】実施例7 酸触媒を結晶水を取り除いたドデカタングストリン酸
(H3PW12O40.0H2O)2.0gに代えた以外は総て実施例2と
同一の条件で反応を行った。結果は表2に示した。
【0072】比較例2 助触媒を添加しなかった以外は総て実施例7と総て同一
の条件で反応を行った。結果は表2に示したように、実
施例7に比較してビスフェノールAの収率、選択率とも
に低下した。この結果、均一酸触媒を使用する場合でも
本発明の助触媒が有効であることが判明した。
【0073】実施例8 酸触媒をドデカタングストリン酸のプロトンの2/3を
Csカチオンで交換し不均一固体化触媒(Cs2HPW12O40.
0H2O)2.0gに代えた以外は総て実施例2と同一の条件で
反応を行った。結果は表2に示した。
【0074】実施例9 酸触媒を強酸性陽イオン交換樹脂であるアンバーリスト
15に代え2.0g使用した以外は総て実施例2と同一の条
件で反応を行った。結果は表2に示した。
【0075】比較例3 助触媒であるメルカプト基を有する有機高分子シロキサ
ンを使用しなかった以外は総て実施例9と同一の条件で
反応を行った。結果は表2に示したように、ビスフェノ
ールAの収率、選択率ともに実施例9に比較して低下し
た。
【0076】実施例10 アセトンの仕込み量を1.90g とした以外は総て実施例2
と同一の条件で反応を行った。結果は表2に示したよう
に、高いアセトンに対する収率でビスフェノールAが生
成した。
【0077】実施例11 反応温度を120℃とし、反応時間を1時間とした以外
は総て実施例2と同一の条件で反応を行った。結果は表
2に掲げたように高収率でビスフェノールAが生成し
た。
【0078】実施例12 助触媒2の添加量を1.2gとした以外は総て実施例2と同
一の条件で反応を行った。結果は表2に示したように、
助触媒の量を増加させることで、ビスフェノールAの収
率は更に増大し、選択率も向上した。
【0079】実施例13 酸触媒を結晶水を取り除いたケイタングステン酸(H4SiW
12O40.0H2O) 2.0g使用した以外は総て実施例2と同一の
条件で反応を行った。結果は表2に示した。
【0080】比較例4 助触媒であるメルカプト基を有する有機高分子シロキサ
ンを使用しなかった以外は総て実施例13と同一の条件
で反応を行った。結果は表2に示したように、ビスフェ
ノールAの収率、選択率ともに実施例13に比較して低
下した。
【0081】実施例14 酸触媒を濃塩酸2.0g使用した以外は総て実施例2と同一
の条件で反応を行った。結果は表2に示した。
【0082】比較例5 助触媒であるメルカプト基を有する有機高分子シロキサ
ンを使用しなかった以外は総て実施例14と同一の条件
で反応を行った。結果は表2に示したように、ビスフェ
ノールAの収率、選択率ともに実施例14に比較して低
下した。
【0083】実施例15 実施例14で使用した助触媒を反応液を濾過することに
より取り出し、メタノールで充分洗浄した後、乾燥し、
実施例14と同条件で再度反応に用いた。結果は表2に
示したように助触媒効果の活性は維持されていた。
【0084】
【表2】 表2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 助触媒 生成物収率(仕込みアセトン基準%) p,p’−BPA o,p’−BPA COD ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 1 36.7 2.9 1.2 実施例2 2 47.2 3.0 1.6 実施例3 3 49.4 3.1 1.3 実施例4 4 46.1 3.5 0.9 実施例5 5 47.0 2.9 1.0 実施例6 6 43.0 2.1 0.6 比較例1 − 27.9 5.1 2.0 実施例7 2 54.4 2.8 1.1 比較例2 − 30.2 5.7 2.4 実施例8 2 30.5 2.1 0.8 実施例9 2 36.8 2.2 0.9 比較例3 − 12.4 1.3 0.7 実施例10 2 87.6 3.0 3.0 実施例11 2 49.2 3.4 1.7 実施例12 2 55.3 2.8 1.5 実施例13 2 52.5 2.8 1.0 比較例4 − 29.0 5.5 2.5 実施例14 2 52.1 2.0 1.0 比較例5 − 22.0 2.3 1.5 実施例15 2 52.4 2.1 1.0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ p,p’−BPA:2,2-ヒ゛ス(4'-オキシフェニル)フ゜ロハ゜ン o,p’−BPA:2-(2'-オキシフェニル)-2-(4'-オキシフェニル)フ゜ロハ゜ン(異性体) COD:2,2,4-トリメチル-4-(4'-オキシフェニル)クロマン(反応副生成物)
【0085】B:スルホン酸基及びメルカプト基含有炭
化水素基を有する有機高分子シロキサン触媒の調製方法
(各調製方法により得られた触媒の物性を表4に掲げ
た。) (e)触媒1 3-メルカプトプロピルトリメトキシシランと同重量のテ
トラエトキシシランから調製したメルカプト基を有する
有機高分子シロキサン(助触媒2)2.82g(メルカプト
基含有量7.64mmol)を100mlのナスフラスコに入れ、こ
れにスチレンスルホン酸ナトリウム 1.57g( 7.64mmo
l)、水10ml、濃塩酸3mlを加え、還流下1時間加熱攪拌
した。これを放冷し、濾別した白色固体を多量の水で濾
液が中性になるまで充分洗浄し、100℃で4時間乾燥
し、スルホン酸基及びメルカプト基含有炭化水素基を有
する有機高分子シロキサンを得た。これを触媒1として
反応に使用した。
【0086】(f)触媒2〜4 メルカプト基を有する有機高分子シロキサンを、表3に
掲げた前述した他の助触媒に変えた以外は総て触媒1の
調製方法と同一の操作方法及び条件で調製した。これを
触媒2〜3とした。
【0087】(g)触媒5〜7 スチレンスルホン酸ナトリウムの代わりに、表3に掲げ
たビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナト
リウムまたはメタリルスルホン酸ナトリウムを9.62mmol
仕込む以外は総て触媒1の調製方法で調製した。これを
触媒5〜7とした。 これら触媒1〜7を表3に掲げ
た。
【0088】(h)触媒8 攪拌器及び冷却管を取り付けた1000mlの3口フラ
スコ中に、Cl(CH 23Si(OMe)30.60m
ol、Si(OEt)41.40mol、エタノール2
00mlとを入れ、これに0.01規定の塩酸92ml
を滴下した。この溶液を80〜90℃に加熱し、ゆっく
りと濃縮し、エタノールが蒸発しなくなるまで濃縮、非
常に粘性の高い溶液とした後、これにヘキサン180m
l、エタノール120mlを加え、さらに28%アンモ
ニア水100mlと水540mlを混合したものを滴下
し、室温で4時間攪拌した。これを濾別し、得られた固
体を多量の水で洗浄後、120℃で乾燥させた。得られ
たシリカマトリックスにクロロプロピル基を有する高分
子有機シロキサン15.0gに、Na2SO310.32
g、水60mlを加え100℃で50時間加熱攪拌し
た。放冷後、固体を濾別し、多量の水で洗浄した後、希
塩酸で処理してNa+型からH+型にイオン交換し、シリ
カマトリックスにスルホン酸基が固定化された固体酸を
調製した。この固体酸6.0g(酸量1.25mgeq
/g)を塩化ナトリウム水溶液でNa+型にイオン交換
した後120℃で4時間減圧乾燥し、メルカプト基含有
シラン化合物としてHS(CH23Si(OMe)3
0gを加え、100℃で4時間加熱攪拌することにより
シリル化した。これを濾別し、メタノール、次にアセト
ンで固体をよく洗浄して未反応のHS(CH23Si
(OMe)3を取り除いた後、6N塩酸でH+型に戻し、
多量の純水で充分洗浄して残塩酸を取り除いた。これを
さらにオーブンで120℃、半日間乾燥し、触媒8とし
た。
【0089】(i)触媒9 前述した3-メルカプトプロピルトリメトキシシランと同
重量のテトラエトキシシランから調製したメルカプト基
含有高分子有機シロキサン10.0g(助触媒2)を濃
HNO320ml中に徐々に加え、1時間攪拌した。反
応後、白色固体を濾別し、得られた固体を多量の水で洗
浄してシリカマトリックスにスルホン酸が固定化された
固体酸を調製した。この固体酸6.0g(酸量1.70
mgeq/g)を塩化ナトリウム水溶液でNa+型にイ
オン交換した後120℃で4時間減圧乾燥し、メルカプ
ト基含有シラン化合物としてHS(CH23Si(OM
e)310gを加え、100℃で4時間加熱攪拌するこ
とによりシリル化した。これを濾別し、メタノール、次
にアセトンで固体をよく洗浄して未反応のHS(C
23Si(OMe)3を取り除いた後、6N塩酸でH+
型に戻し、多量の純水で充分洗浄して残塩酸を取り除い
た。これをさらにオーブンで120℃、半日間乾燥し、
触媒9とした。
【0090】(j)触媒10 触媒8でシリル化に用いるメルカプト基含有シラン化合
物HS(CH23Si(OMe)3をHSCH2Si(C
32(OEt)に変えた以外は同一の操作及び条件で
調製し、触媒10を得た。
【0091】(k)触媒11 触媒9でシリル化に用いるメルカプト基含有シラン化合
物HS(CH23Si(OMe)3をHSCH2Si(C
32(OEt)に変えた以外は同一の操作及び条件で
調製し、触媒11を得た。
【0092】(l)触媒12 1000mlの3口フラスコ中で、3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン49.28g(200mmo
l)、トリエトキシシラン41.66g(200mmo
l)にエタノール400mlを加えてよく攪拌した。そ
の後、水60gをゆっくりと滴下し、ついでNa2SO3
7gを水50mlに溶かした溶液を滴下し、さらに水2
00ml滴下した後、80℃で24時間加熱攪拌した
後、溶媒を留去した。これを120℃で24時間乾燥し
た。この乾燥固体を水で充分に洗浄した後、再度乾燥さ
せ、シリカマトリックスに有機エポキシ基の結合した有
機高分子シロキサンを得た。1000mlの2口フラス
コ中で得られた有機高分子シロキサン10g及びNaH
SO3 10.5g、Na2SO325gを水250mlに
溶解した溶液を加え、120℃で6.5時間加熱攪拌し
た。放冷後、これを濾過し、得られた白色固体を水で充
分洗浄した後、この白色固体を500mlビーカーに入
れ、1N塩酸200mlを加えて室温で1時間攪拌し
た。これを濾過し、もう一度同様の酸処理を施した後、
固体を水で充分洗浄し、110℃で乾燥した。得られた
スルホン化された固体酸(酸量0.735mgeq/
g)6.0gを塩化ナトリウム水溶液でNa+ 型とした
後、120℃で4時間減圧乾燥した。この固体にメルカ
プト基含有シラン化合物、HS(CH23Si(OM
e)3 10gを加え、100℃で4時間加熱攪拌するこ
とによりシリル化した。これを濾別し、メタノール、次
にアセトンで固体をよく洗浄して未反応のHS(C
23Si(OMe)3を取り除いた後、6N塩酸でH+
型に戻し、多量の純水で充分洗浄て残塩酸を取り除い
た。これをさらにオーブンで120℃で、半日間乾燥
し、触媒12とした。
【0093】(m)触媒13 1000mlの3口フラスコ中で、ビニルトリエトキシ
シラン38.06g(200mmol)、トリエトキシ
シラン41.66g(200mmol)にエタノール1
00mlを加えて攪拌した。この溶液を室温で2時間撹
拌した後、純水を必要量(添加シランの有するアルコキ
シ基のモル量の1/2)の5倍モル(3.5mol)
をゆっくり滴下し、更に室温で1時間撹拌した後、28%
アンモニア水40.0gを約1時間かけて撹拌しながら
滴下した後、液温を80℃にし、一昼夜加熱撹拌を行っ
た。これにより、液のゲル化が確認された。その後、溶
媒等を減圧留去させ、固体を得た。この固体に純水10
00mlを加え80℃で4時間撹拌洗浄を行った。冷却
後、固体を濾過分離し、純水で充分洗浄した後、100
℃で4時間減圧乾燥し、得られた固体をビニル基を有す
る有機高分子シロキサンとした。つぎに、この有機高分
子シロキサン15gを1000mlの2口フラスコに入
れ、これにNa2SO350g、NaHSO3 、21gを
水500mlに溶かした溶液を加えた。これを攪拌しな
がら70℃に加熱し、空気を吹き込みながら46時間加
熱攪拌した後、濾過し、白色の固体を水で充分洗浄した
後、白色固体を500mlビーカーに入れ、1N塩酸2
00mlを加えて室温で1時間攪拌した。これを濾過
し、もう一度塩酸処理を施した後、濾過し、固体を水で
充分洗浄した後110℃で8時間乾燥し、シリカマトリ
ックスに有機スルホン酸基を有する有機高分子シロキサ
ンを得た。この固体酸6.0g(酸量1.39mgeq
/g)を塩化ナトリウム水溶液でNa+ 型にイオン交換
した後120℃で4時間減圧乾燥し、この固体にHS
(CH23Si(OMe)3 10gを加え、100℃で
4時間加熱攪拌してシリル化した。これを濾別し、得ら
れた固体をメタノール、次にアセトンで固体を洗浄、未
反応HS(CH23Si(OMe)3 を取り除いた後、
6N塩酸でH+ 型に戻し、多量の純水で充分洗浄して残
塩酸を取り除いた。これをさらにオーブンで120℃、
半日間乾燥し、触媒13とした。
【0094】(n)触媒14 市販のシリカゲル(MSゲル:洞海化学工業社製)10
gを100℃で4時間減圧乾燥した後、100mlのナ
スフラスコに入れ、これにビニルトリエトキシシラン2
5gを加え、100℃で4時間加熱攪拌した。放冷後、
濾過し、得られた白色固体をメタノールで充分洗浄した
後120℃で乾燥した。この有機高分子シロキサン15
gを1000mlの2口フラスコに入れ、これにNa2
SO350g、NaHSO3 21gを水500mlに溶
かした溶液を加え、70℃で、空気を吹き込みながら4
6時間加熱攪拌した後、濾過し、得られた白色固体を水
で充分洗浄した後、白色固体を500mlビーカーに入
れ、1N塩酸200mlを加えて室温で1時間攪拌し
た。これを濾過し、もう一度塩酸処理を施した後、濾過
し、固体を水で充分洗浄した後110℃で8時間乾燥
し、シリカマトリックスに有機スルホン酸基の結合した
有機高分子シロキサンを得た。この固体酸6.0g(酸
量0.58mgeq/g)を塩化ナトリウム水溶液でN
+ 型にイオン交換した後120℃で4時間減圧乾燥
し、これにHS(CH23Si(OMe)3 、10gを
加え、100℃で4時間加熱攪拌し、シリル化した。こ
れを濾別し、メタノール、次にアセトンで固体を洗浄、
未反応HS(CH23Si(OMe)3を取り除いた
後、6N塩酸でH+ 型に戻し、多量の純水で充分洗浄し
て残塩酸を取り除いた。これをさらにオーブンで120
℃、半日間乾燥し、触媒14とした。
【0095】(o)触媒15 市販のシリカゲル(MSゲル:洞海化学工業社製)10
gを100℃で4時間減圧乾燥した後、100mlのナ
スフラスコに入れ、これにCl(CH23Si(OM
e)3 、25gを加え、100℃で4時間加熱攪拌して
シリル化を行った。放冷後、濾過し、得られた白色固体
をメタノールで充分洗浄した後、120℃で乾燥した。
この有機高分子シロキサン15gに、Na2SO3、1
0.32g、水60mlを加え100℃で50時間加熱
攪拌した。放冷後、固体を濾別し、多量の水で洗浄した
後、希塩酸で処理してNa+ 型からH+ 型にイオン交換
し、シリカマトリックスにスルホン酸が固定された固体
酸を調製した。この固体酸6.0g(酸量0.79mg
eq/g)を塩化ナトリウム水溶液でNa+ 型にイオン
交換した後120℃で4時間減圧乾燥し、HS(C
23Si(OMe)3 、10gを加え、100℃で4
時間加熱攪拌することによりシリル化した。これを濾別
し、メタノール、次にアセトンで固体をよく洗浄、未反
応HS(CH23Si(OMe)3 を取り除いた後、6
N塩酸でH+ 型に戻し、多量の純水で充分洗浄して残塩
酸を取り除いた。これをさらにオーブンで120℃、半
日間乾燥し、触媒15とした。
【0096】(p)触媒16 市販のシリカゲル(MSゲル:洞海化学工業社製)10
gを100℃で4時間減圧乾燥した後、100mlのナ
スフラスコに入れ、これにHS(CH23Si(OM
e)3 、25gを加え、100℃で4時間加熱攪拌しシ
リル化した。放冷後、濾過し、白色の固体をメタノール
で充分洗浄した後120℃で乾燥した。得られた有機高
分子シロキサン15gを、濃硝酸30ml中に徐々に加
え、室温で1時間攪拌した。反応後、固体を濾別し、多
量の水で洗浄した後、乾燥し、シリカマトリックスにス
ルホン酸が固定化された固体酸を調製した。この固体酸
6.0g(酸量0.55mgeq/g)を塩化ナトリウ
ム水溶液でNa+ 型とした後、120℃で4時間減圧乾
燥した後、HS(CH23Si(OMe)3 、10gを
加え、100℃で4時間加熱攪拌することによりシリル
化した。これを濾別し、メタノール、次にアセトンで固
体をよく洗浄、未反応HS(CH23Si(OMe)3
を取り除いた後、6N塩酸でH+ 型に戻し、多量の純水
で充分洗浄して残塩酸を取り除いた。これをさらにオー
ブンで120℃、半日間乾燥し、触媒16とした。
【0097】(q)触媒17 攪拌器及び冷却管を取り付けた1000mlの3口フラ
スコにフェニルトリエトキシシラン36.06g(0.
15mol)、Si(OEt)472.92g(0.3
5mol)、エタノール62.5mlとを入れ、これに
0.01規定の塩酸16.7mlを滴下する。この溶液
を80〜90℃に加熱し、ゆっくりと濃縮する。エタノ
ールが蒸発しなくなるまで濃縮すると、非常に粘性の高
い溶液となる。これにヘキサン15ml、エタノール2
2.5mlを加え、さらに28%アンモニア水25.0
mlと水135.0mlを混合したものを滴下し、室温
で4時間攪拌する。これを濾別、多量の水で洗浄した後
120℃で乾燥させた。この様にして得られたシリカマ
トリックスにフェニル基を官能基として有する高分子有
機シロキサン10.0gに、濃硫酸100mlを加え8
0℃で3時間加熱攪拌した。放冷後、多量の水を加えた
後、固体を濾別し、多量の水で洗浄し、シリカマトリッ
クスにスルホン酸が固定化された固体酸を調製した。こ
の固体酸6.0g(酸量0.86mgeq/g)を塩化
ナトリウム水溶液でNa+型にイオン交換した後120
℃で4時間減圧乾燥し、メルカプト基含有シラン化合物
としてHS(CH23Si(OMe)3 を10g加え、
100℃で4時間加熱攪拌することによりシリル化し
た。これを濾別し、メタノール、次にアセトンで固体を
よく洗浄して未反応のHS(CH23Si(OMe)3
を取り除いた後、6N塩酸でH+型に戻し、多量の純水
で充分洗浄して残塩酸を取り除いた。これをさらにオー
ブンで120℃、半日間乾燥し、触媒17とした。
【0098】
【表3】 表3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 加水分解使用シラン ──────────────────────────────────── メルカプト基含有高分子シロキサン スルホン酸化合物 触媒 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 助触媒2 スチレンスルホン酸ナトリウム 触媒1 助触媒3 スチレンスルホン酸ナトリウム 触媒2 助触媒4 スチレンスルホン酸ナトリウム 触媒3 助触媒5 スチレンスルホン酸ナトリウム 触媒4 助触媒2 ヒ゛ニルスルホン酸ナトリウム 触媒5 助触媒2 アリルスルホン酸ナトリウム 触媒6 助触媒2 メタリルスルホン酸ナトリウム 触媒7 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0099】
【表4】 表4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 分析結果 ──────────────────────────────────── SH量 酸量 触媒 (mgeq/g)(mgeq/g) Si/C原子比 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 触媒1 2.17 0.50 0.451 触媒2 2.39 0.54 0.359 触媒3 1.99 0.48 0.605 触媒4 2.04 0.47 0.430 触媒5 2.00 0.67 0.561 触媒6 1.93 0.76 0.528 触媒7 1.80 0.90 0.500 触媒8 0.46 1.25 1.009 触媒9 0.20 1.70 0.625 触媒10 0.21 1.25 1.058 触媒11 0.13 1.70 0.632 触媒12 0.15 0.74 0.094 触媒13 0.55 1.39 0.631 触媒14 0.14 0.58 9.806 触媒15 0.15 0.79 5.477 触媒16 0.14 0.55 7.566 触媒17 0.16 0.86 0.170 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0100】実施例16〜22 70mlの耐圧反応器にアセトン3.80g(65.5mmol)、フェノ
ール33.00g(351.1mmol)、触媒1〜7のいずれかを 2.00
g 仕込み、窒素ガスで耐圧反応器内を5kg/cm2ゲージ圧
に加圧した後、100℃で2時間加熱撹拌し反応を行っ
た。反応終了後、室温に冷却、放圧後反応液を取り出し
液体クロマトグラフ法により分析定量した。結果は表5
に示したようにそれぞれ良い収率でビスフェノールAが
生成した。
【0101】実施例23 アセトンの仕込み量を1.90g とした以外は総て実施例1
6と同一の条件で反応を行った。結果は表5に示したよ
うに、高いアセトンに対する収率でビスフェノールAが
生成した。
【0102】実施例24 反応温度を120℃とし、反応時間を1時間とした以外
は総て実施例16と同一の条件で反応を行った。結果は
表5に掲げたように高収率でビスフェノールAが生成し
た。
【0103】実施例25 触媒1の触媒量を4.0gとした以外は総て実施例16と同
一の条件で反応を行った。結果は表5に示したように、
触媒の量を増大させることでビスフェノールAの収率は
更に増大し、選択率も向上した。
【0104】
【表5】 表5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 触媒 生成物収率(仕込みアセトン基準%) p,p’−BPA o,p’−BPA COD ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例16 1 36.5 1.9 1.2 実施例17 2 35.2 2.0 1.4 実施例18 3 35.4 2.1 1.1 実施例19 4 36.1 2.5 0.9 実施例20 5 29.0 1.9 1.0 実施例21 6 29.4 1.8 1.1 実施例22 7 30.5 2.0 0.8 実施例23 1 55.8 2.2 1.1 実施例24 1 56.6 4.0 3.0 実施例25 1 50.2 2.2 1.5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ p,p’−BPA:2,2-ヒ゛ス(4'-オキシフェニル)フ゜ロハ゜ン o,p’−BPA:2-(2'-オキシフェニル)-2-(4'-オキシフェニル)フ゜ロハ゜ン(異性体) COD:2,2,4-トリメチル-4-(4'-オキシフェニル)クロマン(反応副生成物)
【0105】実施例26〜35 70mlの耐圧反応器にアセトン3.80g(65.5
mmol)、フェノール33.0g(351.1mmo
l)、触媒8〜17のいずれかを 2.00g仕込み、
窒素ガスで耐圧反応器内を5kg/cm2ゲージ圧に加
圧した後、100℃で2時間加熱撹拌して反応を行っ
た。反応終了後、室温に冷却、放圧後反応液を取り出し
液体クロマトグラフ法により分析定量した。結果は表6
に示したようにそれぞれ非常に良い収率でビスフェノー
ルAが生成した。
【0106】比較例6 実施例26において触媒としてシリル化処理する前のス
ルホン酸基含有高分子シロキサンを触媒とした以外は総
て実施例26と同一の条件で反応を行った。結果は表6
に掲げたように、メルカプト基の未修飾のままではビス
フェノールAの収率は低く、且つp,p’−ビスフェノ
ールAの選択性も低かった。
【0107】実施例36〜37 実施例26〜27で用いた触媒を取り出し、メタノール
で充分洗浄した後、乾燥させ、実施例26〜27と同条
件で再使用した。結果は表6に示したように活性は維持
された。
【0108】比較例7 実施例26で触媒8の代わりに陽イオン交換樹脂(ロー
ムアンドハース社製アンバーリスト15)のプロトンの
15%をシステアミン塩酸塩によりカチオン交換してメ
ルカプト基を修飾したものを触媒として用い、同条件で
反応させた。結果は表6に示した。
【0109】比較例8 比較例7で用いた触媒を取り出し、メタノールでよく洗
浄した後、乾燥させ、実施例26と同条件で再使用し
た。結果は表6に示したように活性は若干低下し、また
p,p’−ビスフェノールAの選択性も低下していた。
【0110】実施例38 実施例26で反応温度を120℃とした以外は同条件で
反応させた。結果は表6に示したようにビスフェノール
Aの収率は増大したが、p,p’−ビスフェノールAの
選択性は低下した。
【0111】実施例39 実施例26でアセトンの仕込量を半分の1.60g(3
2.8mmol)とした以外は同条件で反応させた。結
果は表6に示したようフェノール/アセトン比を上げる
事でビスフェノールAの収率は増大した。
【0112】
【表6】 表6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 生成物収率(仕込みアセトン基準%) 触媒 ──────────────────────── p,p’−BPA o,p’−BPA COD ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例26 8 45.7 1.6 0.5 実施例27 9 44.9 1.0 0.3 実施例28 10 43.9 1.6 0.5 実施例29 11 40.1 1.0 0.5 実施例30 12 40.2 1.0 0.4 実施例31 13 48.7 1.6 0.5 実施例32 14 39.1 1.4 1.0 実施例33 15 40.3 1.5 1.0 実施例34 16 38.9 1.0 0.5 実施例35 17 47.1 1.6 0.4 実施例36 8 46.0 1.6 0.5 実施例37 9 45.4 1.0 0.5 実施例38 8 65.1 2.4 1.0 実施例39 8 66.3 2.5 1.0 比較例6 3.2 1.0 0.5 比較例7 36.7 1.7 1.0 比較例8 32.1 1.6 1.0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ p,p’−BPA:2,2-ヒ゛ス(4'-オキシフェニル)フ゜ロハ゜ン o,p’−BPA:2-(2'-オキシフェニル)-2-(4'-オキシフェニル)フ゜ロハ゜ン(異性体) COD:2,2,4-トリメチル-4-(4'-オキシフェニル)クロマン(反応副生成物)
【0113】
【発明の効果】本発明に従えば、以下の効果が得られ
る。 (1)アセトンとフェノールとの脱水縮合反応によりビ
スフェノールAを収率及び選択率よく製造することが出
来る。 (2)工業上重要であるビスフェノールAを安全上、プ
ロセス上及び経済上著しく優位に生産することが出来
る。上記したように、本発明によって工業上著しく優れ
たビスフェノールAの製造方法を提供することが出来
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルカプト基含有炭化水素基を有する有
    機高分子シロキサン及び酸の存在下に、フェノールとア
    セトンとを反応させることを特徴とするビスフェノール
    Aの製造方法。
  2. 【請求項2】 メルカプト基含有炭化水素基を有する有
    機高分子シロキサン及び酸が、有機高分子シロキサン中
    にメルカプト基含有炭化水素基及びスルホン酸基を有す
    る有機高分子シロキサンである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 スルホン酸基が、芳香族スルホン酸基で
    ある請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 スルホン酸基が、アルキルスルホン酸基
    である請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 メルカプト基含有炭化水素基が、メルカ
    プトメチル基、2−メルカプトエチル基、3−メルカプ
    ト−n−プロピル基、p−メルカプトフェニル基及びp
    −メルカプトメチルフェニル基よりなる群から選ばれた
    少なくとも1種のメルカプト基含有炭化水素基である請
    求項1、2、3または4記載の方法。
  6. 【請求項6】 一般式:XnSi(R14-n (式中、nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原
    子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群
    から選ばれた少なくとも1種であり、R1 は、メルカプ
    ト基(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上2
    0以下の炭化水素基、炭素数6以上20以下の芳香族基
    を有する炭化水素基、少なくとも1個のハロゲン原子を
    有する炭素数1以上15以下のアルキル基、少なくとも
    1個の炭素、炭素不飽和結合を有する炭素数2以上15
    以下のオレフィン性の炭化水素基および少なくとも1個
    のエポキシ基を有する炭素数2以上15以下の炭化水素
    基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭化水素基
    であり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるシラン
    化合物の少なくとも1種を加水分解して得られる有機高
    分子シロキサンをスルホン化処理により上記炭化水素基
    (R1 )をスルホン化し、スルホン酸基を有する有機高
    分子シロキサンとした後、 一般式:XnSi(R24-n (式中nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原子、
    臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群から
    選ばれた少なくとも1種であり、R2 はメルカプト基
    (SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上20以
    下の炭化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)で
    表されるシラン化合物の少なくとも1種によりシリル化
    し、次いで加水分解することにより得られる、メルカプ
    ト基含有炭化水素基及びスルホン酸基を有する有機高分
    子シロキサン。
  7. 【請求項7】 一般式:XnSi(R14-n (式中、nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原
    子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群
    から選ばれた少なくとも1種であり、R1 は、メルカプ
    ト基(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上2
    0以下の炭化水素基、炭素数6以上20以下の芳香族基
    を有する炭化水素基、少なくとも1個のハロゲン原子を
    有する炭素数1以上15以下のアルキル基、少なくとも
    1個の炭素、炭素不飽和結合を有する炭素数2以上15
    以下のオレフィン性の炭化水素基および少なくとも1個
    のエポキシ基を有する炭素数2以上15以下の炭化水素
    基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭化水素基
    であり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるシラン
    化合物の少なくとも1種が、該化合物の他に 一般式:SiX4 (式中Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコ
    キシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
    Siはケイ素原子である。)で表されるシラン化合物の
    少なくとも1種を含むものである請求項6記載のメルカ
    プト基含有炭化水素基及びスルホン酸基を有する有機高
    分子シロキサン。
  8. 【請求項8】 シリカゲルを一般式:XnSi(R1
    4-n (式中、nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原
    子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群
    から選ばれた少なくとも1種であり、R1 は、メルカプ
    ト基(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上2
    0以下の炭化水素基、炭素数6以上20以下の芳香族基
    を有する炭化水素基、少なくとも1個のハロゲン原子を
    有する炭素数1以上15以下のアルキル基、少なくとも
    1個の炭素、炭素不飽和結合を有する炭素数2以上15
    以下のオレフィン性の炭化水素基および少なくとも1個
    のエポキシ基を有する炭素数2以上15以下の炭化水素
    基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭化水素基
    であり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるシラン
    化合物の少なくとも1種によりシリル化し、次いで加水
    分解して得られる有機高分子シロキサンをスルホン化処
    理によりスルホン酸基を有する有機高分子シロキサンと
    した後、更に一般式: XnSi(R24-n(式中nは1
    以上3以下の整数であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨ
    ウ素原子及びアルコキシ基よりなる群から選ばれた少な
    くとも1種であり、R2 はメルカプト基(SH基)を少
    なくとも1個有する炭素数1以上20以下の炭化水素基
    であり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるシラン
    化合物の少なくとも1種によりシリル化し、次いで加水
    分解することにより得られる、メルカプト基含有炭化水
    素基及びスルホン酸基を有する有機高分子シロキサン。
  9. 【請求項9】 一般式:XnSi(R14-n (式中、nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原
    子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群
    から選ばれた少なくとも1種であり、R1 は、メルカプ
    ト基(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上2
    0以下の炭化水素基、炭素数6以上20以下の芳香族基
    を有する炭化水素基、少なくとも1個のハロゲン原子を
    有する炭素数1以上15以下のアルキル基、少なくとも
    1個の炭素、炭素不飽和結合を有する炭素数2以上15
    以下のオレフィン性の炭化水素基および少なくとも1個
    のエポキシ基を有する炭素数2以上15以下の炭化水素
    基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭化水素基
    であり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるシラン
    化合物の少なくとも1種を加水分解して得られる有機高
    分子シロキサンをスルホン化処理により上記炭化水素基
    (R1 )をスルホン化し、スルホン酸基を有する有機高
    分子シロキサンとした後、 一般式: XnSi(R24-n (式中nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原子、
    臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群から
    選ばれた少なくとも1種であり、R2 はメルカプト基
    (SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上20以
    下の炭化水素基であり、Siはケイ素原子を表す。)で
    表されるシラン化合物の少なくとも1種によりシリル化
    し、次いで加水分解することを特徴とするメルカプト基
    含有炭化水素基及びスルホン酸基を有する有機高分子シ
    ロキサンの製造方法。
  10. 【請求項10】 一般式:XnSi(R14-n (式中、nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素原
    子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群
    から選ばれた少なくとも1種であり、R1 は、メルカプ
    ト基(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上2
    0以下の炭化水素基、炭素数6以上20以下の芳香族基
    を有する炭化水素基、少なくとも1個のハロゲン原子を
    有する炭素数1以上15以下のアルキル基、少なくとも
    1個の炭素、炭素不飽和結合を有する炭素数2以上15
    以下のオレフィン性の炭化水素基および少なくとも1個
    のエポキシ基を有する炭素数2以上15以下の炭化水素
    基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭化水素基
    であり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるシラン
    化合物の少なくとも1種が、該化合物の他に 一般式:SiX4 (式中Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコ
    キシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
    Siはケイ素原子である。)で表されるシラン化合物の
    少なくとも1種を含むものである請求項9記載のメルカ
    プト基含有炭化水素基及びスルホン酸基を有する有機高
    分子シロキサンの製造方法。
  11. 【請求項11】 シリカゲルを一般式:XnSi(R1
    4-n(式中、nは1以上3以下の整数であり、Xは塩素
    原子、臭素原子、ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる
    群から選ばれた少なくとも1種であり、R1 は、メルカ
    プト基(SH基)を少なくとも1個有する炭素数1以上
    20以下の炭化水素基、炭素数6以上20以下の芳香族
    基を有する炭化水素基、少なくとも1個のハロゲン原子
    を有する炭素数1以上15以下のアルキル基、少なくと
    も1個の炭素、炭素不飽和結合を有する炭素数2以上1
    5以下のオレフィン性の炭化水素基および少なくとも1
    個のエポキシ基を有する炭素数2以上15以下の炭化水
    素基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭化水素
    基であり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるシラ
    ン化合物の少なくとも1種によりシリル化し、次いで加
    水分解して得られる有機高分子シロキサンをスルホン化
    処理によりスルホン酸基を有する有機高分子シロキサン
    とした後、更に一般式: XnSi(R24-n(式中nは
    1以上3以下の整数であり、Xは塩素原子、臭素原子、
    ヨウ素原子及びアルコキシ基よりなる群から選ばれた少
    なくとも1種であり、R2 はメルカプト基(SH基)を
    少なくとも1個有する炭素数1以上20以下の炭化水素
    基であり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるシラ
    ン化合物の少なくとも1種によりシリル化し、次いで加
    水分解することを特徴とするメルカプト基含有炭化水素
    基及びスルホン酸基を有する有機高分子シロキサンの製
    造方法。
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