JPH08188861A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH08188861A JPH08188861A JP305695A JP305695A JPH08188861A JP H08188861 A JPH08188861 A JP H08188861A JP 305695 A JP305695 A JP 305695A JP 305695 A JP305695 A JP 305695A JP H08188861 A JPH08188861 A JP H08188861A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法に係り、さらに詳しくは、例えば自動車用鋼板として
使用される高強度鋼板に、迅速かつ低コストで合金化溶
融亜鉛めっきを施す方法および合金化溶融亜鉛めっき鋼
板と非合金化溶融亜鉛めっき鋼板を同一Al濃度の溶融
亜鉛浴で製造する方法を提供する。 【構成】 鋼板を、還元性あるいは非酸化性の雰囲気で
焼鈍した後、大気に接触させること無く溶融亜鉛中に通
板せしめ、さらに加熱合金化処理する合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法において、鋼板を焼鈍する前に、鋼
板表面を清浄化した後、該鋼板表面に、酸化物の標準生
成自由エネルギーΔGが特定の範囲である金属の無機化
合物を、金属の付着量に換算して0.001g/m2以
上5g/m2以下の厚さで被覆する。無機金属化合物と
して、金属がMn、Mg、Zn、Ni、Ti、Alの1
種または2種以上であり、化合物の形態が水酸化物、酸
化物、硫化物、硝酸塩、硫酸塩のいずれか、あるいはこ
れらの混合物を被覆する。
法に係り、さらに詳しくは、例えば自動車用鋼板として
使用される高強度鋼板に、迅速かつ低コストで合金化溶
融亜鉛めっきを施す方法および合金化溶融亜鉛めっき鋼
板と非合金化溶融亜鉛めっき鋼板を同一Al濃度の溶融
亜鉛浴で製造する方法を提供する。 【構成】 鋼板を、還元性あるいは非酸化性の雰囲気で
焼鈍した後、大気に接触させること無く溶融亜鉛中に通
板せしめ、さらに加熱合金化処理する合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法において、鋼板を焼鈍する前に、鋼
板表面を清浄化した後、該鋼板表面に、酸化物の標準生
成自由エネルギーΔGが特定の範囲である金属の無機化
合物を、金属の付着量に換算して0.001g/m2以
上5g/m2以下の厚さで被覆する。無機金属化合物と
して、金属がMn、Mg、Zn、Ni、Ti、Alの1
種または2種以上であり、化合物の形態が水酸化物、酸
化物、硫化物、硝酸塩、硫酸塩のいずれか、あるいはこ
れらの混合物を被覆する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合金化溶融亜鉛めっき鋼
板を、めっき密着性を低下させずに、迅速かつ低コスト
で製造する方法に関する。
板を、めっき密着性を低下させずに、迅速かつ低コスト
で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の腐食防止と軽量化という
2つの課題を同時に満足させるものとして、高強度合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の使用が増加している。かかる鋼
板は、その素地鋼板として、SiやPを含有させた高強
度鋼板を使用しているが、亜鉛の合金化速度が遅いとい
う難点があった。このため、操業面からの対策として、
製造時のライン速度を低下させる方法が取られている
が、これは生産性を低下させ、製造コストを増大させる
ため好ましくない。従って、生産性を低下させないで高
強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造できる方法が強く
望まれている。
2つの課題を同時に満足させるものとして、高強度合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の使用が増加している。かかる鋼
板は、その素地鋼板として、SiやPを含有させた高強
度鋼板を使用しているが、亜鉛の合金化速度が遅いとい
う難点があった。このため、操業面からの対策として、
製造時のライン速度を低下させる方法が取られている
が、これは生産性を低下させ、製造コストを増大させる
ため好ましくない。従って、生産性を低下させないで高
強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造できる方法が強く
望まれている。
【0003】また、PやSiの含有量が低い一般の鋼板
を素地鋼板とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造にお
いても、その合金化速度を向上することは、ラインスピ
ードの高速化による生産性の向上や、合金化炉の炉長の
短縮による設備コストの低減、合金化炉で消費される燃
料ガスや電力の削減など、大きな利点がある。一般に、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、非合金化溶融亜鉛めっき
鋼板(合金化処理を行わない溶融亜鉛めっき鋼板)と同
一の製造ラインおいて製造されていることが多い。しか
し、非合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造においては、溶
融亜鉛浴中に添加されるAlの濃度を0.18〜0.3
重量%程度としており、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製
造する場合の0.1〜0.15重量%と比較して、かな
り高いAl濃度で製造されている。
を素地鋼板とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造にお
いても、その合金化速度を向上することは、ラインスピ
ードの高速化による生産性の向上や、合金化炉の炉長の
短縮による設備コストの低減、合金化炉で消費される燃
料ガスや電力の削減など、大きな利点がある。一般に、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、非合金化溶融亜鉛めっき
鋼板(合金化処理を行わない溶融亜鉛めっき鋼板)と同
一の製造ラインおいて製造されていることが多い。しか
し、非合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造においては、溶
融亜鉛浴中に添加されるAlの濃度を0.18〜0.3
重量%程度としており、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製
造する場合の0.1〜0.15重量%と比較して、かな
り高いAl濃度で製造されている。
【0004】その理由は、非合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造においては、鋼板と亜鉛めっき層の界面にFe−
Zn合金層が形成されると、めっき密着性が低下するた
めに、溶融亜鉛浴中のAl濃度を高めに調整し、鋼板と
亜鉛めっき層の界面に薄いFe−Al合金層を優先的に
形成することによって、Fe−Zn合金層の形成を抑制
し、めっき密着性を確保している。これに対して、合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造においては、Fe−Zn合
金層の形成を促進させ、迅速に合金化を完了させるため
に、むしろ溶融亜鉛浴中のAl濃度は低い方が有利であ
り、通常は0.1〜0.15重量%程度に調整されてい
る。以上のような理由により、同一製造ラインで合金化
溶融亜鉛めっき鋼板および非合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を作り分けるために、Al濃度の変更を余儀なくされて
いる。
の製造においては、鋼板と亜鉛めっき層の界面にFe−
Zn合金層が形成されると、めっき密着性が低下するた
めに、溶融亜鉛浴中のAl濃度を高めに調整し、鋼板と
亜鉛めっき層の界面に薄いFe−Al合金層を優先的に
形成することによって、Fe−Zn合金層の形成を抑制
し、めっき密着性を確保している。これに対して、合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造においては、Fe−Zn合
金層の形成を促進させ、迅速に合金化を完了させるため
に、むしろ溶融亜鉛浴中のAl濃度は低い方が有利であ
り、通常は0.1〜0.15重量%程度に調整されてい
る。以上のような理由により、同一製造ラインで合金化
溶融亜鉛めっき鋼板および非合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を作り分けるために、Al濃度の変更を余儀なくされて
いる。
【0005】一般に、溶融亜鉛浴中のAl濃度を上げる
ためには、純AlやAl−Zn合金を添加することによ
り、比較的短時間で調整できるが、Al濃度を下げるた
めには、めっき層としての溶融亜鉛浴からのZnの持ち
出しに伴い純亜鉛を補給することによってAl濃度の自
然減少を待つか、もしくは溶融亜鉛浴から溶融亜鉛を汲
み出し純亜鉛を補給することによってAl濃度を減少さ
せるというきわめて非能率的な作業を強いられている。
上記のような課題に対して、Pを含有する高強度合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法としては、特開平5−1
48603号公報において、溶融亜鉛めっき前の鋼板表
面に、濃度0.1%以上の硫黄化合物水溶液を塗布した
後、非酸化性雰囲気で焼鈍する方法が提案されている。
この方法はPのみを添加して高強度化した鋼板には有効
であるが、他の合金元素、例えばSiなど、が多量に含
まれている場合には、必ずしもその効果が充分ではな
く、また、硫黄化合物水溶液を塗布しただけであるため
に、効果が不安定であるという難点を有している。
ためには、純AlやAl−Zn合金を添加することによ
り、比較的短時間で調整できるが、Al濃度を下げるた
めには、めっき層としての溶融亜鉛浴からのZnの持ち
出しに伴い純亜鉛を補給することによってAl濃度の自
然減少を待つか、もしくは溶融亜鉛浴から溶融亜鉛を汲
み出し純亜鉛を補給することによってAl濃度を減少さ
せるというきわめて非能率的な作業を強いられている。
上記のような課題に対して、Pを含有する高強度合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法としては、特開平5−1
48603号公報において、溶融亜鉛めっき前の鋼板表
面に、濃度0.1%以上の硫黄化合物水溶液を塗布した
後、非酸化性雰囲気で焼鈍する方法が提案されている。
この方法はPのみを添加して高強度化した鋼板には有効
であるが、他の合金元素、例えばSiなど、が多量に含
まれている場合には、必ずしもその効果が充分ではな
く、また、硫黄化合物水溶液を塗布しただけであるため
に、効果が不安定であるという難点を有している。
【0006】また、Siを含有する鋼板を母材として、
溶融亜鉛めっきを施す方法としては、特開平5−247
614号公報において、該鋼板表面に予め硫黄単体およ
び/または硫黄化合物を、Sの量に換算して0.01m
g/m2以上含有する皮膜を形成させた後、非酸化性雰
囲気で加熱し、続いて溶融亜鉛めっきを行なう方法が提
案されている。この方法は、焼鈍炉内で硫黄化合物が炉
材と反応しやすく、炉材寿命を短くするので炉の修繕費
を上昇させるとともに、環境対策のために製造コストが
増加するという欠点がある。さらに、溶融亜鉛浴中のA
l濃度が高い場合において、合金化反応を促進する方法
として、特開昭60−110859号公報において、溶
融亜鉛めっき前の鋼板表面に、NiあるいはNi合金を
プレめっきする方法が提案されている。しかし、この方
法ではプレめっき設備が必要であり、設備設置スペース
や生産コスト上昇の点から、実用化には難点がある。
溶融亜鉛めっきを施す方法としては、特開平5−247
614号公報において、該鋼板表面に予め硫黄単体およ
び/または硫黄化合物を、Sの量に換算して0.01m
g/m2以上含有する皮膜を形成させた後、非酸化性雰
囲気で加熱し、続いて溶融亜鉛めっきを行なう方法が提
案されている。この方法は、焼鈍炉内で硫黄化合物が炉
材と反応しやすく、炉材寿命を短くするので炉の修繕費
を上昇させるとともに、環境対策のために製造コストが
増加するという欠点がある。さらに、溶融亜鉛浴中のA
l濃度が高い場合において、合金化反応を促進する方法
として、特開昭60−110859号公報において、溶
融亜鉛めっき前の鋼板表面に、NiあるいはNi合金を
プレめっきする方法が提案されている。しかし、この方
法ではプレめっき設備が必要であり、設備設置スペース
や生産コスト上昇の点から、実用化には難点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の現状に
鑑みて、めっき密着性を低下させることなく、迅速かつ
低コストで合金化溶融亜鉛めっきを施す方法を提供する
ことを目的としている。
鑑みて、めっき密着性を低下させることなく、迅速かつ
低コストで合金化溶融亜鉛めっきを施す方法を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために詳細に検討した結果、鋼板と溶融亜
鉛浴との初期反応で形成され、Fe−Zn合金化反応を
阻害するFe−Al合金層の形成および分解速度が、F
e−Zn合金化反応全体の反応速度を律速していること
を見いだした。さらに、焼鈍時に鋼板表面に濃化したP
および/あるいはSiが、Fe−Al合金層の分解速度
に影響を与え、合金化速度を著しく低下させていること
を見出した。そして、この問題を解決する手段を種々検
討した結果、ついに、本発明者らは溶融亜鉛めっき前の
焼鈍の前あるいは焼鈍中に、鋼板表面に無機金属化合物
の被膜を形成させ、その後に還元性あるいは非酸化性の
雰囲気で焼鈍し、さらに溶融亜鉛めっきして加熱合金化
すれば、Fe−Al合金層の形成が抑制され、その結果
として、普通鋼のみならずPおよび/またはSiを含有
した高強度鋼であっても、亜鉛の合金化速度が大きく増
加し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を工業的かつ低コスト
で製造可能にできることを見出した。さらには、上記方
法を用いることにより、溶融亜鉛浴中のAl濃度が高い
めっき条件であっても、めっき密着性を低下させること
なく、合金化速度を向上させ、同一の溶融亜鉛浴で合金
化溶融亜鉛めっき鋼板と非合金化溶融亜鉛めっき鋼板を
製造できることを見いだした。
題を解決するために詳細に検討した結果、鋼板と溶融亜
鉛浴との初期反応で形成され、Fe−Zn合金化反応を
阻害するFe−Al合金層の形成および分解速度が、F
e−Zn合金化反応全体の反応速度を律速していること
を見いだした。さらに、焼鈍時に鋼板表面に濃化したP
および/あるいはSiが、Fe−Al合金層の分解速度
に影響を与え、合金化速度を著しく低下させていること
を見出した。そして、この問題を解決する手段を種々検
討した結果、ついに、本発明者らは溶融亜鉛めっき前の
焼鈍の前あるいは焼鈍中に、鋼板表面に無機金属化合物
の被膜を形成させ、その後に還元性あるいは非酸化性の
雰囲気で焼鈍し、さらに溶融亜鉛めっきして加熱合金化
すれば、Fe−Al合金層の形成が抑制され、その結果
として、普通鋼のみならずPおよび/またはSiを含有
した高強度鋼であっても、亜鉛の合金化速度が大きく増
加し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を工業的かつ低コスト
で製造可能にできることを見出した。さらには、上記方
法を用いることにより、溶融亜鉛浴中のAl濃度が高い
めっき条件であっても、めっき密着性を低下させること
なく、合金化速度を向上させ、同一の溶融亜鉛浴で合金
化溶融亜鉛めっき鋼板と非合金化溶融亜鉛めっき鋼板を
製造できることを見いだした。
【0009】本発明はこれらの知見に基づいてなされた
もので、本発明の第1発明が要旨とするところは、鋼板
を、還元性あるいは非酸化性の雰囲気で焼鈍した後、大
気に接触させること無く溶融亜鉛中に通板せしめ、さら
に加熱合金化処理する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法において、鋼板を焼鈍する前に、鋼板表面を清浄化
した後、該鋼板表面に、450℃における酸化物の標準生
成自由エネルギーΔGが−1100kJ/mol以上、
800℃における酸化物の標準生成自由エネルギーΔG
が−300kJ/mol以下である金属の無機化合物
を、金属の付着量に換算して0.001g/m2以上5
g/m2以下の厚さで被覆することを特徴とする合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
もので、本発明の第1発明が要旨とするところは、鋼板
を、還元性あるいは非酸化性の雰囲気で焼鈍した後、大
気に接触させること無く溶融亜鉛中に通板せしめ、さら
に加熱合金化処理する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法において、鋼板を焼鈍する前に、鋼板表面を清浄化
した後、該鋼板表面に、450℃における酸化物の標準生
成自由エネルギーΔGが−1100kJ/mol以上、
800℃における酸化物の標準生成自由エネルギーΔG
が−300kJ/mol以下である金属の無機化合物
を、金属の付着量に換算して0.001g/m2以上5
g/m2以下の厚さで被覆することを特徴とする合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0010】本発明の第2発明が要旨とするところは、
第1発明において、無機金属化合物が、金属がMn、M
g、Zn、Ni、Ti、Alの1種または2種以上であ
り、化合物の形態が水酸化物、酸化物、硫化物、硝酸
塩、硫酸塩のいずれか、または混合物である合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法。また、本発明の第3発明が
要旨とするところは、第1発明または第2発明におい
て、無機金属化合物を被覆し、焼鈍前あるいは焼鈍の加
熱によって、該無機金属化合物を酸化物に変化せしめ、
その後還元性あるいは非酸化性の雰囲気で焼鈍した後、
溶融亜鉛めっきし、その後に加熱合金化処理する合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
第1発明において、無機金属化合物が、金属がMn、M
g、Zn、Ni、Ti、Alの1種または2種以上であ
り、化合物の形態が水酸化物、酸化物、硫化物、硝酸
塩、硫酸塩のいずれか、または混合物である合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法。また、本発明の第3発明が
要旨とするところは、第1発明または第2発明におい
て、無機金属化合物を被覆し、焼鈍前あるいは焼鈍の加
熱によって、該無機金属化合物を酸化物に変化せしめ、
その後還元性あるいは非酸化性の雰囲気で焼鈍した後、
溶融亜鉛めっきし、その後に加熱合金化処理する合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0011】次に、本発明の第4発明が要旨とするとこ
ろは、鋼板を、還元性あるいは非酸化性の雰囲気で焼鈍
した後、該鋼板を大気に接触させること無く溶融亜鉛中
に通板せしめ、さらに加熱合金化処理する合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法において、鋼板を焼鈍する前
に、鋼板表面を清浄化した後、該鋼板表面に、450℃に
おける酸化物の標準生成自由エネルギーΔGが−110
0kJ/mol以上、800℃における酸化物の標準生
成自由エネルギーΔGが−300kJ/mol以下であ
る金属のイオンを含有する酸性溶液を付着後、該鋼板表
面をアルカリ性水溶液と接触せしめて、鋼板表面に該金
属の水酸化物の被膜を生成せしめることを特徴とする合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
ろは、鋼板を、還元性あるいは非酸化性の雰囲気で焼鈍
した後、該鋼板を大気に接触させること無く溶融亜鉛中
に通板せしめ、さらに加熱合金化処理する合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法において、鋼板を焼鈍する前
に、鋼板表面を清浄化した後、該鋼板表面に、450℃に
おける酸化物の標準生成自由エネルギーΔGが−110
0kJ/mol以上、800℃における酸化物の標準生
成自由エネルギーΔGが−300kJ/mol以下であ
る金属のイオンを含有する酸性溶液を付着後、該鋼板表
面をアルカリ性水溶液と接触せしめて、鋼板表面に該金
属の水酸化物の被膜を生成せしめることを特徴とする合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0012】第5発明が要旨とするところは、第4発明
において、イオンとなる金属が、Mn、Mg、Zn、N
i、Ti、Alのいずれか、あるいはこれらの混合物で
ある合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。さらに、本
発明の第6発明が要旨とするところは、鋼板を、還元性
あるいは非酸化性の雰囲気で焼鈍した後、該鋼板を大気
に接触させること無く溶融亜鉛中に通板せしめ、さらに
加熱合金化処理する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法において、鋼板を焼鈍する前に、鋼板表面を清浄化し
た後、該鋼板表面に、450℃における酸化物の標準生成
自由エネルギーΔGが−1100kJ/mol以上、8
00℃における酸化物の標準生成自由エネルギーΔGが
−300kJ/mol以下である金属のイオンを含有す
る酸性溶液を付着後、該鋼板表面を硫化物イオンを含有
するアルカリ性水溶液と接触せしめて、鋼板表面に該金
属の硫化物の被膜を生成せしめることを特徴とする合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
において、イオンとなる金属が、Mn、Mg、Zn、N
i、Ti、Alのいずれか、あるいはこれらの混合物で
ある合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。さらに、本
発明の第6発明が要旨とするところは、鋼板を、還元性
あるいは非酸化性の雰囲気で焼鈍した後、該鋼板を大気
に接触させること無く溶融亜鉛中に通板せしめ、さらに
加熱合金化処理する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法において、鋼板を焼鈍する前に、鋼板表面を清浄化し
た後、該鋼板表面に、450℃における酸化物の標準生成
自由エネルギーΔGが−1100kJ/mol以上、8
00℃における酸化物の標準生成自由エネルギーΔGが
−300kJ/mol以下である金属のイオンを含有す
る酸性溶液を付着後、該鋼板表面を硫化物イオンを含有
するアルカリ性水溶液と接触せしめて、鋼板表面に該金
属の硫化物の被膜を生成せしめることを特徴とする合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0013】第7発明が要旨とするところは、第6発明
において、イオンとなる金属が、Mn、Mg、Zn、N
i、Ti、Alの一種または2種以上である合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法。また、第8発明が要旨とす
るところは、第1発明、第2発明、第3発明、第4発
明、第5発明、第6発明または第7発明において、鋼板
が、P0.02%以上、Si0.1%以上の1種または
2種を含む高張力鋼板である合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法にある。
において、イオンとなる金属が、Mn、Mg、Zn、N
i、Ti、Alの一種または2種以上である合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法。また、第8発明が要旨とす
るところは、第1発明、第2発明、第3発明、第4発
明、第5発明、第6発明または第7発明において、鋼板
が、P0.02%以上、Si0.1%以上の1種または
2種を含む高張力鋼板である合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法にある。
【0014】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。まず、本発明
においては、鋼板表面を清浄化した後に、鋼板表面に無
機金属化合物を被覆するものであるが、無機金属化合物
が金属量に換算して0.001g/m2未満では、鋼板
表面を均一かつ有効に被覆できないために、鋼板表面の
一部が露出した状態となり、亜鉛の加熱合金化を促進す
る効果が十分に発揮されない。合金化をより確実かつ迅
速になすためには、無機金属化合物の被覆は0.05g
/m2以上とするとさらに好ましい。一方、亜鉛の合金
化を促進する目的からは、無機金属化合物被覆の厚さに
上限はないが、あまりに厚い被覆を施すには長時間を要
して、かえって生産性が低下するので、上限は5g/m
2とし、さらに高速で処理するためには、1g/m2以下
とすることがより好ましい。さらには、高強度合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を普通鋼並の生産性で製造する目的、
普通鋼も含めて生産性を向上させる目的、もしくは合金
化溶融亜鉛めっき鋼板と非合金化溶融亜鉛めっき鋼板を
溶融亜鉛浴のAl濃度を変更せずに生産する目的など、
それぞれの目的に応じて、無機金属化合物皮膜の厚さを
最適な量に調整することが望ましい。また、該無機金属
化合物の種類によっては、焼鈍処理により分解するもの
もあるが、溶融亜鉛浴に浸漬される直前までに金属の付
着量に換算して0.001g/m2以上の厚さで残存し
ていれば良い。鋼板表面の清浄化は、従来から通常適用
されている方法を使用することができ、例えば、アルカ
リ脱脂、電解脱脂、酸洗のいずれか、あるいはこれらの
組み合わせを適用することができる。
においては、鋼板表面を清浄化した後に、鋼板表面に無
機金属化合物を被覆するものであるが、無機金属化合物
が金属量に換算して0.001g/m2未満では、鋼板
表面を均一かつ有効に被覆できないために、鋼板表面の
一部が露出した状態となり、亜鉛の加熱合金化を促進す
る効果が十分に発揮されない。合金化をより確実かつ迅
速になすためには、無機金属化合物の被覆は0.05g
/m2以上とするとさらに好ましい。一方、亜鉛の合金
化を促進する目的からは、無機金属化合物被覆の厚さに
上限はないが、あまりに厚い被覆を施すには長時間を要
して、かえって生産性が低下するので、上限は5g/m
2とし、さらに高速で処理するためには、1g/m2以下
とすることがより好ましい。さらには、高強度合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を普通鋼並の生産性で製造する目的、
普通鋼も含めて生産性を向上させる目的、もしくは合金
化溶融亜鉛めっき鋼板と非合金化溶融亜鉛めっき鋼板を
溶融亜鉛浴のAl濃度を変更せずに生産する目的など、
それぞれの目的に応じて、無機金属化合物皮膜の厚さを
最適な量に調整することが望ましい。また、該無機金属
化合物の種類によっては、焼鈍処理により分解するもの
もあるが、溶融亜鉛浴に浸漬される直前までに金属の付
着量に換算して0.001g/m2以上の厚さで残存し
ていれば良い。鋼板表面の清浄化は、従来から通常適用
されている方法を使用することができ、例えば、アルカ
リ脱脂、電解脱脂、酸洗のいずれか、あるいはこれらの
組み合わせを適用することができる。
【0015】無機金属化合物は、溶融亜鉛中で鋼板表面
に亜鉛がめっきされるのを阻害せず、かつFe−Al合
金層の形成を抑制する物質であることが必要である。本
発明者らの検討によれば、そのためには、該無機金属化
合物が溶融亜鉛浴中のZnもしくはAlにより還元さ
れ、溶融亜鉛浴中に拡散することが必要であるために、
一般的な溶融亜鉛浴の温度である450℃における該金
属の酸化物の生成自由エネルギーが−1100kJ/m
ol以上であることが必要である。ΔGが−1100k
J/molより小さいと、いかに皮膜を厚くしても合金
化を促進することはできない。また、焼鈍中に該無機金
属皮膜が分解気化してしまうと効果がなくなるために、
800℃における酸化物の標準生成自由エネルギーΔG
が−300kJ/mol以下であることが必要である。
標準生成自由エネルギーは、化合物の反応性を示す指標
であり、値が小さいほど安定であることを示している。
すなわち、該無機金属化合物のΔGが450℃で−11
00kJ/molよりも大きいとAlとの反応がおきや
すく、またΔGが800℃で−300kJ/molより
も小さいと溶融めっきラインの焼鈍雰囲気でも分解され
ない。
に亜鉛がめっきされるのを阻害せず、かつFe−Al合
金層の形成を抑制する物質であることが必要である。本
発明者らの検討によれば、そのためには、該無機金属化
合物が溶融亜鉛浴中のZnもしくはAlにより還元さ
れ、溶融亜鉛浴中に拡散することが必要であるために、
一般的な溶融亜鉛浴の温度である450℃における該金
属の酸化物の生成自由エネルギーが−1100kJ/m
ol以上であることが必要である。ΔGが−1100k
J/molより小さいと、いかに皮膜を厚くしても合金
化を促進することはできない。また、焼鈍中に該無機金
属皮膜が分解気化してしまうと効果がなくなるために、
800℃における酸化物の標準生成自由エネルギーΔG
が−300kJ/mol以下であることが必要である。
標準生成自由エネルギーは、化合物の反応性を示す指標
であり、値が小さいほど安定であることを示している。
すなわち、該無機金属化合物のΔGが450℃で−11
00kJ/molよりも大きいとAlとの反応がおきや
すく、またΔGが800℃で−300kJ/molより
も小さいと溶融めっきラインの焼鈍雰囲気でも分解され
ない。
【0016】かかる物質であれば特に限定されるもので
はないが、無機金属化合物の金属としてはMn、Mg、
Zn、Ni、Ti、Alの1種または2種以上が好まし
く、また無機金属化合物の形態としては水酸化物、酸化
物、硫化物、硝酸塩、硫酸塩であるものが、特に前記の
目的に適している。またこれらの化合物は単独であって
も良く、2種以上の混合物としても良い。これらが単独
で存在する場合、あるいは混合している場合のいずれに
おいても、金属量に換算した無機金属化合物の量は、前
述の値を満足することが必要であるのは言うまでもな
い。また、前述の物質が混合物である場合には、2種以
上の物質が板厚方向に積層されていてもよく、あるいは
2種以上の物質が例えば粒状、あるいは微粒子で相互に
混ざりあっている状態でも、いずれでも良い。重要なこ
とは、金属量に換算した無機金属化合物の総量が、前述
の範囲を満足することである。
はないが、無機金属化合物の金属としてはMn、Mg、
Zn、Ni、Ti、Alの1種または2種以上が好まし
く、また無機金属化合物の形態としては水酸化物、酸化
物、硫化物、硝酸塩、硫酸塩であるものが、特に前記の
目的に適している。またこれらの化合物は単独であって
も良く、2種以上の混合物としても良い。これらが単独
で存在する場合、あるいは混合している場合のいずれに
おいても、金属量に換算した無機金属化合物の量は、前
述の値を満足することが必要であるのは言うまでもな
い。また、前述の物質が混合物である場合には、2種以
上の物質が板厚方向に積層されていてもよく、あるいは
2種以上の物質が例えば粒状、あるいは微粒子で相互に
混ざりあっている状態でも、いずれでも良い。重要なこ
とは、金属量に換算した無機金属化合物の総量が、前述
の範囲を満足することである。
【0017】鋼板表面を無機金属化合物で被覆した後
に、鋼板の材質を所望のものとするために、鋼板を焼鈍
する。このとき、無機金属化合物被覆の効果を阻害しな
いため、および後続の溶融亜鉛めっきを効果的に行なう
ためには、少なくとも最終段階を還元性あるいは非酸化
性の雰囲気で焼鈍することが必要である。これ以外は、
従来から通常適用されている方法に準じて行なえば良
い。例えば、鋼板を還元性雰囲気で予熱した後、水素を
3〜25%含有する窒素あるいはアルゴンガス中で、6
00〜850℃に加熱して焼鈍することができる。ある
いは、鋼板を酸素を微量含有する弱酸化性の雰囲気で予
熱した後、水素を3〜25%含有する窒素あるいはアル
ゴンガス中で、600〜850℃に加熱して焼鈍するこ
ともできる。いずれにしても最終の焼鈍雰囲気が還元性
あるいは非酸化性であれば良い。最終段階の焼鈍の雰囲
気の露点は低いほど良く、−20℃以下が好ましく、−
30℃以下とするとさらに良好な結果が得られる。かか
る雰囲気で焼鈍した後の鋼板を大気中に曝すと、鋼板表
面が酸化あるいは汚染されて、後続の亜鉛めっきが不良
となる場合があるので、焼鈍後の鋼板は大気に接触させ
ないで、直接溶融亜鉛中に浸漬することが必要である。
に、鋼板の材質を所望のものとするために、鋼板を焼鈍
する。このとき、無機金属化合物被覆の効果を阻害しな
いため、および後続の溶融亜鉛めっきを効果的に行なう
ためには、少なくとも最終段階を還元性あるいは非酸化
性の雰囲気で焼鈍することが必要である。これ以外は、
従来から通常適用されている方法に準じて行なえば良
い。例えば、鋼板を還元性雰囲気で予熱した後、水素を
3〜25%含有する窒素あるいはアルゴンガス中で、6
00〜850℃に加熱して焼鈍することができる。ある
いは、鋼板を酸素を微量含有する弱酸化性の雰囲気で予
熱した後、水素を3〜25%含有する窒素あるいはアル
ゴンガス中で、600〜850℃に加熱して焼鈍するこ
ともできる。いずれにしても最終の焼鈍雰囲気が還元性
あるいは非酸化性であれば良い。最終段階の焼鈍の雰囲
気の露点は低いほど良く、−20℃以下が好ましく、−
30℃以下とするとさらに良好な結果が得られる。かか
る雰囲気で焼鈍した後の鋼板を大気中に曝すと、鋼板表
面が酸化あるいは汚染されて、後続の亜鉛めっきが不良
となる場合があるので、焼鈍後の鋼板は大気に接触させ
ないで、直接溶融亜鉛中に浸漬することが必要である。
【0018】PおよびSiの1種または2種を含有した
高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を普通鋼並の生産性で
製造する目的、もしくは普通鋼も含めて生産性を向上さ
せる目的のためには、溶融亜鉛めっきは、従来から合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造において通常適用されてい
る方法に準じて行なえば良い。例えば、Alを0.1〜
0.15重量%程度含有する溶融亜鉛浴で、浴温440
〜480℃、といった条件を用いることができる。一
方、合金化溶融亜鉛めっき鋼板と非合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板を溶融亜鉛浴のAl濃度を変更せずに能率よく、
かつめっき密着性を低下させずに生産する目的のために
は、従来から非合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造に通常
適用されている方法に準じて行えば良い。例えば、溶融
亜鉛浴中のAl濃度を0.18〜0.3重量%程度に調
整し、浴温440〜480℃程度でめっきすることがで
きる。
高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を普通鋼並の生産性で
製造する目的、もしくは普通鋼も含めて生産性を向上さ
せる目的のためには、溶融亜鉛めっきは、従来から合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造において通常適用されてい
る方法に準じて行なえば良い。例えば、Alを0.1〜
0.15重量%程度含有する溶融亜鉛浴で、浴温440
〜480℃、といった条件を用いることができる。一
方、合金化溶融亜鉛めっき鋼板と非合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板を溶融亜鉛浴のAl濃度を変更せずに能率よく、
かつめっき密着性を低下させずに生産する目的のために
は、従来から非合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造に通常
適用されている方法に準じて行えば良い。例えば、溶融
亜鉛浴中のAl濃度を0.18〜0.3重量%程度に調
整し、浴温440〜480℃程度でめっきすることがで
きる。
【0019】溶融亜鉛に浸漬した後、通常の方法で鋼板
表面の溶融亜鉛の厚さを調整した後、鋼板を加熱するこ
とによって、めっきした亜鉛を鋼板と合金化させる。合
金化のための加熱は、460℃以上であることが好まし
く、短時間で確実に合金化させるためには480℃以上
がさらに好ましい。加熱方式には特に制約はなく、従来
から一般的に用いられている方法、例えば、燃焼ガス炎
による直接加熱、誘導加熱、直接通電加熱、等の任意の
方式を用いることができる。また、これらの方式を組み
合わせた方式でも良い。上記の無機金属化合物を鋼板表
面に被覆する工程は、オンラインで圧延工程の後処理工
程でも良く、あるいは溶融亜鉛めっきのオンライン前処
理工程としても良い。また、本発明方法はオンラインで
処理するばかりでなく、ライン外で単独の工程において
処理しても良い。
表面の溶融亜鉛の厚さを調整した後、鋼板を加熱するこ
とによって、めっきした亜鉛を鋼板と合金化させる。合
金化のための加熱は、460℃以上であることが好まし
く、短時間で確実に合金化させるためには480℃以上
がさらに好ましい。加熱方式には特に制約はなく、従来
から一般的に用いられている方法、例えば、燃焼ガス炎
による直接加熱、誘導加熱、直接通電加熱、等の任意の
方式を用いることができる。また、これらの方式を組み
合わせた方式でも良い。上記の無機金属化合物を鋼板表
面に被覆する工程は、オンラインで圧延工程の後処理工
程でも良く、あるいは溶融亜鉛めっきのオンライン前処
理工程としても良い。また、本発明方法はオンラインで
処理するばかりでなく、ライン外で単独の工程において
処理しても良い。
【0020】無機金属化合物として、水酸化物、硝酸
塩、硫酸塩のいずれか、あるいはこれらの混合物を被覆
した場合には、少なくとも最終段階が還元性あるいは非
酸化性の雰囲気中で焼鈍することによって、これらを酸
化亜鉛に変化せしめると、溶融亜鉛のめっきと合金化に
特に有効である。このとき、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩
のいずれか、あるいはこれらの混合物を酸化物に変化せ
しめる目的のためだけであれば、雰囲気は必ずしも還元
性あるいは非酸化性である必要はなく、弱酸化性あるい
は酸化性で予備加熱した後に、還元性あるいは非酸化性
の雰囲気中で焼鈍しても良い。重要なことは、少なくと
も最終段階が還元性あるいは非酸化性の雰囲気中で焼鈍
することであり、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩のいずれ
か、あるいはこれらの混合物を酸化物に変化せしめる目
的の加熱の雰囲気は、最終段階の焼鈍に支障の無いもの
であれば良い。水酸化物、硝酸塩、硫酸塩のいずれか、
あるいはこれらの混合物を酸化物に変化せしめるために
は、予備加熱あるいは焼鈍の温度は300℃以上が好ま
しく、500℃以上とすると短時間で処理することが容
易である。
塩、硫酸塩のいずれか、あるいはこれらの混合物を被覆
した場合には、少なくとも最終段階が還元性あるいは非
酸化性の雰囲気中で焼鈍することによって、これらを酸
化亜鉛に変化せしめると、溶融亜鉛のめっきと合金化に
特に有効である。このとき、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩
のいずれか、あるいはこれらの混合物を酸化物に変化せ
しめる目的のためだけであれば、雰囲気は必ずしも還元
性あるいは非酸化性である必要はなく、弱酸化性あるい
は酸化性で予備加熱した後に、還元性あるいは非酸化性
の雰囲気中で焼鈍しても良い。重要なことは、少なくと
も最終段階が還元性あるいは非酸化性の雰囲気中で焼鈍
することであり、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩のいずれ
か、あるいはこれらの混合物を酸化物に変化せしめる目
的の加熱の雰囲気は、最終段階の焼鈍に支障の無いもの
であれば良い。水酸化物、硝酸塩、硫酸塩のいずれか、
あるいはこれらの混合物を酸化物に変化せしめるために
は、予備加熱あるいは焼鈍の温度は300℃以上が好ま
しく、500℃以上とすると短時間で処理することが容
易である。
【0021】鋼板表面に該金属の硫酸塩皮膜、硝酸塩皮
膜のいずれか、あるいは両者の混合物皮膜を生成せしめ
る方法としては、例えばロール転写法、即ちロールにま
ず該金属の硫酸塩皮膜、硝酸塩皮膜のいずれか、あるい
は両者を含んだ水溶液を塗布し、このロールと鋼板とを
回転接触せしめて、該水溶液を鋼板表面に連続的に塗布
する方法、あるいは噴霧、スプレー、浸漬、といった方
法によって水溶液を塗布した後に乾燥すれば良い。該水
溶液の温度は室温でも良いが、95℃までの高温として
も良く、温度に制約はない。
膜のいずれか、あるいは両者の混合物皮膜を生成せしめ
る方法としては、例えばロール転写法、即ちロールにま
ず該金属の硫酸塩皮膜、硝酸塩皮膜のいずれか、あるい
は両者を含んだ水溶液を塗布し、このロールと鋼板とを
回転接触せしめて、該水溶液を鋼板表面に連続的に塗布
する方法、あるいは噴霧、スプレー、浸漬、といった方
法によって水溶液を塗布した後に乾燥すれば良い。該水
溶液の温度は室温でも良いが、95℃までの高温として
も良く、温度に制約はない。
【0022】鋼板表面に該金属の水酸化物の被膜を生成
せしめる方法としては、あらかじめ清浄化された鋼板を
カソードとして該金属の硝酸塩を含んだ水溶液中で電解
する方法がある。鋼板表面に該金属の水酸化物の被膜を
生成せしめる別の方法としては、鋼板表面を清浄化した
後に、該鋼板表面に、該金属のイオンを含有する酸性水
溶液の被膜を形成塗布する。このとき、該水溶液中の該
金属のイオンの濃度は0.01モル/l以上が好まし
く、水溶液のpH(水素イオン濃度指数)は2以上5以
下が好ましい。該金属のイオン濃度が0.01モル未満
では、鋼板表面に水酸化物の被覆を充分に形成すること
が困難である。また、pHが2未満では、鋼板の腐食が
著しくなって鋼板の表面性状を劣化させるし、pHが6
を超えると水溶液中に水酸化物が析出してしまう恐れが
ある。該金属のイオンを含有する酸性水溶液の被膜を鋼
板表面に形成するには、例えばロール転写法、即ちロー
ルにまず該水溶液を塗布し、このロールと鋼板とを回転
接触せしめて、該水溶液を鋼板表面に連続的に塗布する
方法、あるいは噴霧、スプレー、浸漬、といった方法を
適用することができる。該水溶液の温度は室温でも良い
が、95℃までの高温としても良く、温度に制約はな
い。
せしめる方法としては、あらかじめ清浄化された鋼板を
カソードとして該金属の硝酸塩を含んだ水溶液中で電解
する方法がある。鋼板表面に該金属の水酸化物の被膜を
生成せしめる別の方法としては、鋼板表面を清浄化した
後に、該鋼板表面に、該金属のイオンを含有する酸性水
溶液の被膜を形成塗布する。このとき、該水溶液中の該
金属のイオンの濃度は0.01モル/l以上が好まし
く、水溶液のpH(水素イオン濃度指数)は2以上5以
下が好ましい。該金属のイオン濃度が0.01モル未満
では、鋼板表面に水酸化物の被覆を充分に形成すること
が困難である。また、pHが2未満では、鋼板の腐食が
著しくなって鋼板の表面性状を劣化させるし、pHが6
を超えると水溶液中に水酸化物が析出してしまう恐れが
ある。該金属のイオンを含有する酸性水溶液の被膜を鋼
板表面に形成するには、例えばロール転写法、即ちロー
ルにまず該水溶液を塗布し、このロールと鋼板とを回転
接触せしめて、該水溶液を鋼板表面に連続的に塗布する
方法、あるいは噴霧、スプレー、浸漬、といった方法を
適用することができる。該水溶液の温度は室温でも良い
が、95℃までの高温としても良く、温度に制約はな
い。
【0023】次に、該金属のイオンを含有する酸性溶液
を塗布した鋼板を、アルカリ性水溶液と接触せしめて、
該鋼板表面に水酸化物の被膜を生成せしめるのである
が、アルカリ性水溶液のpHは8以上12以下がより好
ましい。pHが8未満あるいは12を超えると、いずれ
も水酸化物が不安定になって、鋼板表面に有効に被覆す
ることが困難になる。アルカリ性水溶液としては、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などの水溶液を
用いることができる。アルカリ性水溶液の温度は室温と
しても良く、55℃までの高温としても良いが、60℃
以上では水酸化亜鉛が生成し難くなるので、あまり高温
にすることは好ましくない。また、該金属のイオンを含
有する酸性水溶液の被膜を形成した鋼板をアルカリ性水
溶液と接触せしめる方法としては、例えば、冷延鋼帯な
どの形状の鋼板を、連続的にアルカリ性水溶液の槽中に
浸漬・通板せしめる方法、あるいはアルカリ性水溶液を
噴霧またはスプレーする方法などを適用することができ
る。
を塗布した鋼板を、アルカリ性水溶液と接触せしめて、
該鋼板表面に水酸化物の被膜を生成せしめるのである
が、アルカリ性水溶液のpHは8以上12以下がより好
ましい。pHが8未満あるいは12を超えると、いずれ
も水酸化物が不安定になって、鋼板表面に有効に被覆す
ることが困難になる。アルカリ性水溶液としては、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などの水溶液を
用いることができる。アルカリ性水溶液の温度は室温と
しても良く、55℃までの高温としても良いが、60℃
以上では水酸化亜鉛が生成し難くなるので、あまり高温
にすることは好ましくない。また、該金属のイオンを含
有する酸性水溶液の被膜を形成した鋼板をアルカリ性水
溶液と接触せしめる方法としては、例えば、冷延鋼帯な
どの形状の鋼板を、連続的にアルカリ性水溶液の槽中に
浸漬・通板せしめる方法、あるいはアルカリ性水溶液を
噴霧またはスプレーする方法などを適用することができ
る。
【0024】鋼板表面に硫化物の被膜を生成せしめる方
法としては、鋼板表面を清浄化した後に、該鋼板表面に
該金属のイオンを含有する酸性水溶液の被膜を、まず形
成する。このとき、該水溶液中の亜鉛イオンの濃度は
0.01モル/l以上が好ましく、水溶液のpH(水素
イオン濃度指数)は2以上6以下が好ましい。該金属の
鉛イオン濃度が0.01モル未満では、鋼板表面に硫化
物の被覆を充分に形成することが困難である。また、p
Hが2未満では鋼板の腐食が著しくなって、鋼板の表面
性状を劣化させるし、pHが6を超えると水溶液中に水
酸化物が析出してしまう恐れがある。亜鉛イオンを含有
する酸性水溶液の被膜を鋼板表面に形成するには、例え
ばロール転写法(ロールにまず該水溶液を塗布し、この
ロールと鋼板とを回転接触せしめて、該水溶液を鋼板表
面に連続的に塗布する方法)、あるいは噴霧、スプレ
ー、浸漬、といった方法を適用することができる。該水
溶液の温度は室温でも良いが、95℃までの高温として
も良く、温度に制約はない。
法としては、鋼板表面を清浄化した後に、該鋼板表面に
該金属のイオンを含有する酸性水溶液の被膜を、まず形
成する。このとき、該水溶液中の亜鉛イオンの濃度は
0.01モル/l以上が好ましく、水溶液のpH(水素
イオン濃度指数)は2以上6以下が好ましい。該金属の
鉛イオン濃度が0.01モル未満では、鋼板表面に硫化
物の被覆を充分に形成することが困難である。また、p
Hが2未満では鋼板の腐食が著しくなって、鋼板の表面
性状を劣化させるし、pHが6を超えると水溶液中に水
酸化物が析出してしまう恐れがある。亜鉛イオンを含有
する酸性水溶液の被膜を鋼板表面に形成するには、例え
ばロール転写法(ロールにまず該水溶液を塗布し、この
ロールと鋼板とを回転接触せしめて、該水溶液を鋼板表
面に連続的に塗布する方法)、あるいは噴霧、スプレ
ー、浸漬、といった方法を適用することができる。該水
溶液の温度は室温でも良いが、95℃までの高温として
も良く、温度に制約はない。
【0025】次に、該金属のイオンを含有する酸性水溶
液の被膜を形成した鋼板を、硫化物イオンを含有するア
ルカリ性水溶液と接触せしめて、鋼板表面に硫化亜鉛の
被膜を生成せしめるのであるが、アルカリ性水溶液のp
Hは8以上がより好ましい。pHが8未満では硫化物が
不安定になって、鋼板表面に有効に被覆することが困難
になる。硫化物イオンを含有するアルカリ性水溶液とし
ては、例えば硫化ナトリウム、硫化カリウム、などの水
溶液のpHを調整して用いることができる。ここで、硫
化物イオンの濃度は、0.001モル/l以上が好まし
い。アルカリ性水溶液の温度は室温としても良く、95
℃までの高温としても良く、温度に制約はない。また、
該金属のイオンを含有する酸性水溶液を塗布した鋼板
を、硫化物イオン含有アルカリ性水溶液と接触せしめる
方法としては、例えば、冷延鋼帯などの形状の鋼板を、
連続的に硫化物イオン含有アルカリ性水溶液の槽中に浸
漬・通板せしめる方法、あるいはアルカリ性水溶液を噴
霧またはスプレーする方法などを適用することができ
る。
液の被膜を形成した鋼板を、硫化物イオンを含有するア
ルカリ性水溶液と接触せしめて、鋼板表面に硫化亜鉛の
被膜を生成せしめるのであるが、アルカリ性水溶液のp
Hは8以上がより好ましい。pHが8未満では硫化物が
不安定になって、鋼板表面に有効に被覆することが困難
になる。硫化物イオンを含有するアルカリ性水溶液とし
ては、例えば硫化ナトリウム、硫化カリウム、などの水
溶液のpHを調整して用いることができる。ここで、硫
化物イオンの濃度は、0.001モル/l以上が好まし
い。アルカリ性水溶液の温度は室温としても良く、95
℃までの高温としても良く、温度に制約はない。また、
該金属のイオンを含有する酸性水溶液を塗布した鋼板
を、硫化物イオン含有アルカリ性水溶液と接触せしめる
方法としては、例えば、冷延鋼帯などの形状の鋼板を、
連続的に硫化物イオン含有アルカリ性水溶液の槽中に浸
漬・通板せしめる方法、あるいはアルカリ性水溶液を噴
霧またはスプレーする方法などを適用することができ
る。
【0026】この方法によれば、亜鉛めっき浴中に、A
lの他に、Pb、Sb、Si、Fe、Sn、Mg、M
n、Ni、Cr、Co、Ca、Li、Ti、希土類元素
の1種または2種以上を含有せしめた浴あるいは不純物
として混入した浴であっても、支障をきたすことはな
い。本方法が対象とする鋼板は、通常の鋼板および、P
および/またはSiを含有する鋼板が主たる対象である
が、Znよりも酸化物生成能力が高い元素を含有する鋼
板に適用しても同様の効果が得られる。当然のことなが
ら、本発明の方法で得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
上に、塗装性、溶接性等を改善する目的で、各種の電気
めっきを施すことも勿論可能であり、本願発明を逸脱す
るものではない。また、本発明の方法で得られた合金化
溶融亜鉛めっき鋼板上に、各種の処理を付加して施すこ
とも勿論可能であり、例えば、クロメート処理、リン酸
塩処理、リン酸塩処理性を向上させるための処理、潤滑
性向上処理、溶接性向上処理、樹脂塗布処理等を施した
としても、本願発明の範囲を逸脱するものではなく、付
加して必要とする特性に応じて、各種の処理を施すこと
ができる。
lの他に、Pb、Sb、Si、Fe、Sn、Mg、M
n、Ni、Cr、Co、Ca、Li、Ti、希土類元素
の1種または2種以上を含有せしめた浴あるいは不純物
として混入した浴であっても、支障をきたすことはな
い。本方法が対象とする鋼板は、通常の鋼板および、P
および/またはSiを含有する鋼板が主たる対象である
が、Znよりも酸化物生成能力が高い元素を含有する鋼
板に適用しても同様の効果が得られる。当然のことなが
ら、本発明の方法で得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
上に、塗装性、溶接性等を改善する目的で、各種の電気
めっきを施すことも勿論可能であり、本願発明を逸脱す
るものではない。また、本発明の方法で得られた合金化
溶融亜鉛めっき鋼板上に、各種の処理を付加して施すこ
とも勿論可能であり、例えば、クロメート処理、リン酸
塩処理、リン酸塩処理性を向上させるための処理、潤滑
性向上処理、溶接性向上処理、樹脂塗布処理等を施した
としても、本願発明の範囲を逸脱するものではなく、付
加して必要とする特性に応じて、各種の処理を施すこと
ができる。
【0027】
実施例1 表1に成分を示す鋼板を供試材とした。ここで板厚は、
冷延鋼板では0.6mm、熱延鋼板では3.2mmと
し、表2および表3に組成および条件を示す無機金属化
合物を被覆した後、溶融亜鉛めっきして、合金化完了ま
での時間を調べた。めっきに際しては、焼鈍雰囲気は5
%水素+95%窒素混合ガスとし、焼鈍温度は800
℃、焼鈍時間は75秒とし、溶融亜鉛浴の組成はAlを
0.12重量%含有する溶融亜鉛とし、ガスワイパーで
亜鉛の付着量を60g/m2に調整した。合金化は誘導
加熱方式の加熱設備で行ない、加熱温度は490℃とし
た。
冷延鋼板では0.6mm、熱延鋼板では3.2mmと
し、表2および表3に組成および条件を示す無機金属化
合物を被覆した後、溶融亜鉛めっきして、合金化完了ま
での時間を調べた。めっきに際しては、焼鈍雰囲気は5
%水素+95%窒素混合ガスとし、焼鈍温度は800
℃、焼鈍時間は75秒とし、溶融亜鉛浴の組成はAlを
0.12重量%含有する溶融亜鉛とし、ガスワイパーで
亜鉛の付着量を60g/m2に調整した。合金化は誘導
加熱方式の加熱設備で行ない、加熱温度は490℃とし
た。
【0028】
【表1】
【0029】表2において、1、6、11、16、21
および26における水酸化物の皮膜は、金属イオン0.
03モル/lを含有しpHを2.5〜3.0に調整した
水溶液に連続的に通板した後に、pHを9〜10に調整
したアルカリ性水溶液をスプレーして形成した。5、1
0、20、25および30における硫化物の皮膜は、金
属イオン0.5モル/lを含有しpHを3.5〜4.0
に調整した水溶液に連続的に通板した後に、硫化物イオ
ンを含有しpHを12〜13に調整したアルカリ性水溶
液をスプレーして形成した。2、7、10、17および
27における酸化物皮膜は、水酸化物皮膜を形成した後
に、空気比(燃料ガスを完全燃焼するのに必要な空気の
量に対する投入した空気の比)を1.05とした燃焼ガ
ス中で、400℃に加熱して、水酸化物を酸化物に変化
せしめて形成した。硝酸塩、硫酸塩の皮膜は、それぞれ
各金属の硝酸塩水溶液あるいは硫酸塩水溶液を、鋼板表
面にロールコータで塗布して形成した。31、32およ
び33における硝酸塩および硫酸塩の混合物は、それぞ
れ硫酸亜鉛と硫酸アルミニウム、硝酸亜鉛と硝酸アルミ
ニウムおよび硝酸マンガンと硫酸チタンの混合水溶液
を、鋼板表面にロールコーターで塗布して形成した。
および26における水酸化物の皮膜は、金属イオン0.
03モル/lを含有しpHを2.5〜3.0に調整した
水溶液に連続的に通板した後に、pHを9〜10に調整
したアルカリ性水溶液をスプレーして形成した。5、1
0、20、25および30における硫化物の皮膜は、金
属イオン0.5モル/lを含有しpHを3.5〜4.0
に調整した水溶液に連続的に通板した後に、硫化物イオ
ンを含有しpHを12〜13に調整したアルカリ性水溶
液をスプレーして形成した。2、7、10、17および
27における酸化物皮膜は、水酸化物皮膜を形成した後
に、空気比(燃料ガスを完全燃焼するのに必要な空気の
量に対する投入した空気の比)を1.05とした燃焼ガ
ス中で、400℃に加熱して、水酸化物を酸化物に変化
せしめて形成した。硝酸塩、硫酸塩の皮膜は、それぞれ
各金属の硝酸塩水溶液あるいは硫酸塩水溶液を、鋼板表
面にロールコータで塗布して形成した。31、32およ
び33における硝酸塩および硫酸塩の混合物は、それぞ
れ硫酸亜鉛と硫酸アルミニウム、硝酸亜鉛と硝酸アルミ
ニウムおよび硝酸マンガンと硫酸チタンの混合水溶液
を、鋼板表面にロールコーターで塗布して形成した。
【0030】
【表2】
【0031】表3に比較例を示す。表3において、無機
金属化合物皮膜は、実施例と同様な方法で形成した。表
2および表3に、それぞれ実施例および比較例の結果を
あわせて示す。表2および表3において、◎は合金化完
了までの時間が15秒以下であったものを表わし、○は
合金化完了までの時間が25秒以下であったものを表わ
し、×は合金化完了までの時間が25秒を超えていたこ
とを表わす。表2から明らかなように、本発明方法に従
って鋼板表面に無機金属化合物を被覆したNo.1〜3
7は、容易に合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られた。ま
た、不めっきの発生はなく、表面品質にも優れていた。
これに対して、表3に示す無処理のNo.1A〜1Eお
よび条件が不充分であった2〜7では、合金化完了まで
に長時間を要しているし、一部に不めっきがみられた。
金属化合物皮膜は、実施例と同様な方法で形成した。表
2および表3に、それぞれ実施例および比較例の結果を
あわせて示す。表2および表3において、◎は合金化完
了までの時間が15秒以下であったものを表わし、○は
合金化完了までの時間が25秒以下であったものを表わ
し、×は合金化完了までの時間が25秒を超えていたこ
とを表わす。表2から明らかなように、本発明方法に従
って鋼板表面に無機金属化合物を被覆したNo.1〜3
7は、容易に合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られた。ま
た、不めっきの発生はなく、表面品質にも優れていた。
これに対して、表3に示す無処理のNo.1A〜1Eお
よび条件が不充分であった2〜7では、合金化完了まで
に長時間を要しているし、一部に不めっきがみられた。
【0032】
【表3】
【0033】実施例2 表1に成分を示す鋼板を供試材とした。ここで板厚は、
冷延鋼板では0.6mm、熱延鋼板では3.2mmと
し、表4に組成および条件を示す無機金属化合物を被覆
した後、溶融亜鉛めっきして、合金化完了までの時間を
調べた。めっきに際しては、焼鈍雰囲気は7%水素+9
3%窒素混合ガスとし、焼鈍温度は810℃、焼鈍時間
は90秒とし、溶融亜鉛浴の組成はAlを0.23重量
%含有する溶融亜鉛とし、ガスワイパーで亜鉛の付着量
を60g/m2に調整した。合金化は誘導加熱方式の加
熱設備で行ない、加熱温度は500℃とした。各無機金
属化合物皮膜は、実施例1と同様な方法で形成した。表
5に比較例を示す。表5において、無機金属化合物皮膜
は、実施例1と同様な方法で形成した。表4および表5
に、それぞれ実施例および比較例の結果をあわせて示
す。表4および表5において、合金化時間の評価は、◎
は合金化完了までの時間が15秒以下であったものを表
わし、○は合金化完了までの時間が25秒以下であった
ものを表わし、×は合金化完了までの時間が45秒以下
であったものを表し、××は合金化完了までの時間を4
5秒を超えていたことを表わす。表4から明らかなよう
に、本発明方法に従って鋼板表面に無機亜鉛化合物を被
覆したNo.1〜36は、容易に合金化溶融亜鉛めっき
鋼板が得られた。また、不めっきの発生はなく、表面品
質にも優れていた。これに対して、表5に示す無処理の
No.1A〜1Eおよび条件が不充分であった2〜7で
は合金化完了までに長時間を要しているし、鋼板の一部
に不めっきがみられた。
冷延鋼板では0.6mm、熱延鋼板では3.2mmと
し、表4に組成および条件を示す無機金属化合物を被覆
した後、溶融亜鉛めっきして、合金化完了までの時間を
調べた。めっきに際しては、焼鈍雰囲気は7%水素+9
3%窒素混合ガスとし、焼鈍温度は810℃、焼鈍時間
は90秒とし、溶融亜鉛浴の組成はAlを0.23重量
%含有する溶融亜鉛とし、ガスワイパーで亜鉛の付着量
を60g/m2に調整した。合金化は誘導加熱方式の加
熱設備で行ない、加熱温度は500℃とした。各無機金
属化合物皮膜は、実施例1と同様な方法で形成した。表
5に比較例を示す。表5において、無機金属化合物皮膜
は、実施例1と同様な方法で形成した。表4および表5
に、それぞれ実施例および比較例の結果をあわせて示
す。表4および表5において、合金化時間の評価は、◎
は合金化完了までの時間が15秒以下であったものを表
わし、○は合金化完了までの時間が25秒以下であった
ものを表わし、×は合金化完了までの時間が45秒以下
であったものを表し、××は合金化完了までの時間を4
5秒を超えていたことを表わす。表4から明らかなよう
に、本発明方法に従って鋼板表面に無機亜鉛化合物を被
覆したNo.1〜36は、容易に合金化溶融亜鉛めっき
鋼板が得られた。また、不めっきの発生はなく、表面品
質にも優れていた。これに対して、表5に示す無処理の
No.1A〜1Eおよび条件が不充分であった2〜7で
は合金化完了までに長時間を要しているし、鋼板の一部
に不めっきがみられた。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明は合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を生産性良く、低コストでの製造する
ことを可能としたものであって、かつ鋼板の組成に対す
る制限を著しく軽減して、種々の高強度合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の製造を可能とし、さらに合金化溶融亜鉛め
っき鋼板と非合金化溶融亜鉛めっき鋼板を同一Al濃度
の溶融亜鉛浴で製造することを可能とし、従って産業の
発展に貢献するところは極めて大である。
融亜鉛めっき鋼板を生産性良く、低コストでの製造する
ことを可能としたものであって、かつ鋼板の組成に対す
る制限を著しく軽減して、種々の高強度合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の製造を可能とし、さらに合金化溶融亜鉛め
っき鋼板と非合金化溶融亜鉛めっき鋼板を同一Al濃度
の溶融亜鉛浴で製造することを可能とし、従って産業の
発展に貢献するところは極めて大である。
Claims (8)
- 【請求項1】 鋼板を、還元性あるいは非酸化性の雰囲
気で焼鈍した後、該鋼板を大気に接触させること無く溶
融亜鉛中に通板せしめ、さらに加熱合金化処理する合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、鋼板を焼鈍
する前に、鋼板表面を清浄化した後、該鋼板表面に、4
50℃における酸化物の標準生成自由エネルギーΔGが
−1100kJ/mol以上、800℃における酸化物
の標準生成自由エネルギーΔGが−300kJ/mol
以下である金属の無機化合物を、金属の付着量に換算し
て0.001g/m2以上5g/m2以下の厚さで被覆す
ることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法。 - 【請求項2】 無機金属化合物が、金属がMn、Mg、
Zn、Ni、Ti、Alの1種または2種以上であり、
化合物の形態が水酸化物、酸化物、硫化物、硝酸塩、硫
酸塩のいずれか、あるいはこれらの混合物である請求項
1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 無機金属化合物を被覆し、焼鈍前あるい
は焼鈍の加熱によって、該無機金属化合物を酸化物に変
化せしめ、その後還元性あるいは非酸化性の雰囲気で焼
鈍した後、溶融亜鉛めっきし、その後に加熱合金化処理
する請求項1または請求項2に記載の合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 鋼板を、還元性あるいは非酸化性の雰囲
気で焼鈍した後、大気に接触させること無く溶融亜鉛中
に通板せしめ、さらに加熱合金化処理する合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法において、鋼板を焼鈍する前
に、鋼板表面を清浄化した後、該鋼板表面に、450℃
における酸化物の標準生成自由エネルギーΔGが−11
00kJ/mol以上、800℃における酸化物の標準
生成自由エネルギーΔGが−300kJ/mol以下で
ある金属のイオンを含有する酸性溶液を付着後、該鋼板
表面をアルカリ性水溶液と接触せしめて、鋼板表面に該
金属の水酸化物の被膜を金属の付着量に換算して0.0
01g/m2以上5g/m2以下の厚さで生成せしめるこ
とを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 イオンとなる金属が、Mn、Mg、Z
n、Ni、Ti、Alの1種または2種以上である請求
項4に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項6】 鋼板を、還元性あるいは非酸化性の雰囲
気で焼鈍した後、該鋼板を大気に接触させること無く溶
融亜鉛中に通板せしめ、さらに加熱合金化処理する合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、鋼板を焼鈍
する前に、鋼板表面を清浄化した後、該鋼板表面に、45
0℃における酸化物の標準生成自由エネルギーΔGが−
1100kJ/mol以上、800℃における酸化物の
標準生成自由エネルギーΔGが−300kJ/mol以
下である金属のイオンを含有する酸性溶液を付着後、該
鋼板表面を硫化物イオンを含有するアルカリ性水溶液と
接触せしめて、鋼板表面に該金属の硫化物の被膜を金属
の付着量に換算して0.001g/m2以上5g/m2以
下の厚さで生成せしめることを特徴とする合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項7】 イオンとなる金属が、Mn、Mg、Z
n、Ni、Ti、Alの1種または2種以上である請求
項6に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項8】 鋼板が、P0.02%以上および/また
はSi0.1%以上を含む高張力鋼板であることを特徴
とする請求項1〜7に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP305695A JPH08188861A (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP305695A JPH08188861A (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08188861A true JPH08188861A (ja) | 1996-07-23 |
Family
ID=11546676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP305695A Withdrawn JPH08188861A (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08188861A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007169752A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Jfe Steel Kk | めっき密着性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
WO2012053871A3 (ko) * | 2010-10-21 | 2012-08-02 | 주식회사 포스코 | 금속코팅강판, 용융아연도금강판 및 이들의 제조방법 |
KR101304831B1 (ko) * | 2011-12-08 | 2013-09-05 | 주식회사 포스코 | 도금성 및 도금밀착성이 우수한 용융아연도금강판 및 그 제조방법 |
KR101359107B1 (ko) * | 2011-12-08 | 2014-02-06 | 주식회사 포스코 | 도금성 및 도금밀착성이 우수한 용융아연도금강판 및 그 제조방법 |
KR20180101022A (ko) * | 2017-03-03 | 2018-09-12 | 한국해양대학교 산학협력단 | 아연도금층에 형성되는 주석/마그네슘 박막 및 그 제조방법 |
-
1995
- 1995-01-12 JP JP305695A patent/JPH08188861A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007169752A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Jfe Steel Kk | めっき密着性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
WO2012053871A3 (ko) * | 2010-10-21 | 2012-08-02 | 주식회사 포스코 | 금속코팅강판, 용융아연도금강판 및 이들의 제조방법 |
CN103270185A (zh) * | 2010-10-21 | 2013-08-28 | Posco公司 | 金属涂覆钢板、合金化热镀锌钢板及其制造方法 |
KR101304850B1 (ko) * | 2010-10-21 | 2013-09-05 | 주식회사 포스코 | 금속코팅강판, 용융아연도금강판 및 이들의 제조방법 |
US9175375B2 (en) | 2010-10-21 | 2015-11-03 | Posco | Metal-coated steel sheet |
KR101304831B1 (ko) * | 2011-12-08 | 2013-09-05 | 주식회사 포스코 | 도금성 및 도금밀착성이 우수한 용융아연도금강판 및 그 제조방법 |
KR101359107B1 (ko) * | 2011-12-08 | 2014-02-06 | 주식회사 포스코 | 도금성 및 도금밀착성이 우수한 용융아연도금강판 및 그 제조방법 |
KR20180101022A (ko) * | 2017-03-03 | 2018-09-12 | 한국해양대학교 산학협력단 | 아연도금층에 형성되는 주석/마그네슘 박막 및 그 제조방법 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020402 |