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JPH0782672A - 衣料布帛顔料捺染法 - Google Patents

衣料布帛顔料捺染法

Info

Publication number
JPH0782672A
JPH0782672A JP5248713A JP24871393A JPH0782672A JP H0782672 A JPH0782672 A JP H0782672A JP 5248713 A JP5248713 A JP 5248713A JP 24871393 A JP24871393 A JP 24871393A JP H0782672 A JPH0782672 A JP H0782672A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
pigment
insoluble
cloth
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5248713A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Hori
廣一 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CHUO GIKEN KOGYO KK
Original Assignee
CHUO GIKEN KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CHUO GIKEN KOGYO KK filed Critical CHUO GIKEN KOGYO KK
Priority to JP5248713A priority Critical patent/JPH0782672A/ja
Publication of JPH0782672A publication Critical patent/JPH0782672A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 揉んだり擦ったりして布帛表面の一部の繊維
や顔料を脱落させて布帛表面に濃淡変化のある古ボケた
印象を与える美観を描出する従来の手段に代え、顔料捺
染により古ボケ美観を有する布帛を得る。 【構成】 顔料捺染元糊を水溶性樹脂と非水溶性樹脂と
非水溶性粉末で組成する。非水溶性樹脂の配合量は非水
溶性粉末の配合量の0.5倍(半分)以上で2倍以下と
し、水溶性樹脂の配合量は非水溶性樹脂の配合量の1.
5倍以上で15倍以下とし、非水溶性粉末の粒径は2〜
50μmとする。この元糊に顔料を配合して印捺し、そ
の顔料捺染糊塗膜の乾燥後水洗して塗膜の一部を脱落さ
せて、捺染模様を構成する顔料捺染糊の付着量に不規則
な変化を与え、古ボケ美観を有する顔料捺染衣料布帛を
得る。古ボケ美観を描出するために、揉んだり擦ったり
しないので布帛が傷まない。非水溶性粉末にチタンアル
ミナ、コージュライト、ジルコサンド、スピネル等の遠
赤外線放射性セラミック微粉末を使用すると顔料捺染衣
料布帛の保温効果が高まり効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣料布帛の顔料捺染に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】カーテンや垂れ幕等の内装布帛や衣料布
帛の仕上法として、クラッシュ加工とかストーンウオッ
シュ加工とか称される加工法がある。この方法は、一旦
染色した布帛を揉んだり擦ったりして布帛表面の一部の
繊維や顔料を脱落させて布帛表面に濃淡変化のある古ボ
ケた印象を与える美観を描出する手段として採用され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしクラッシュ加工
やストーンウオッシュ加工は、その工程が複雑で手間が
かかるばかりではなく、それが揉んだり擦ったりして行
われるので、仕上がった布帛は摩耗し易く耐久性を欠く
ものとなる。かかる不都合を解消するため擦過痕や揉皺
模様を捺染によって描出する方法が試みられているが、
それらの型際を不鮮明にし輪郭や色彩がなだらかに変化
し、いかにも使い古した古ボケた印象を与えるようにす
るためには、余りにも多くのスクリーン型枠が必要にな
るので、仕上がった布帛はコスト高になる。
【0004】
【発明の目的】そこで本発明は限られた数少ないスクリ
ーン型枠を用いて効率的に、クラッシュやストーンウオ
ッシュによる場合と同様に古ボケた印象を与える擦過痕
や揉皺模様を描出することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る顔料捺染衣
料布帛は、(a) 水溶性樹脂と非水溶性樹脂と非水溶
性粉末と顔料を含有し、(b) 非水溶性樹脂の配合量
が非水溶性粉末の配合量の0.5倍(半分)以上で2倍
以下であり、(c) 水溶性樹脂の配合量が非水溶性樹
脂の配合量の1.5倍以上で15倍以下であり、(d)
非水溶性粉末の粒径が2〜50μmであり、(e)
顔料の配合量が非水溶性粉末の配合量よりも少ない顔料
捺染糊の印捺塗膜によって描出された捺染模様を有し、
(f)布帛表面の面積5cm平方内における顔料捺染糊
の印捺塗膜において、非水溶性粉末と顔料の各付着量が
不規則に変化しており、(g) その付着量の不規則な
変化が、面積50cm平方以上となる布帛の全面に均一
に現われていることを特徴とするものである。
【0006】この捺染模様は、顔料捺染糊を布帛に印捺
し、その印捺塗膜を乾燥させてから水洗し、その塗膜の
一部を脱落させて描出される。
【0007】顔料捺染糊は、(a) 水溶性樹脂と非水
溶性樹脂と非水溶性粉末とを含有し、(b) 非水溶性
樹脂の配合量が非水溶性粉末の配合量の0.5倍(半
分)以上で2倍以下であり、(c) 水溶性樹脂の配合
量が非水溶性樹脂の配合量の1.5倍以上で15倍以下
であり、(d) 非水溶性粉末の粒径が2〜50μmで
ある顔料捺染元糊に、非水溶性粉末よりも少ない配合量
をもって顔料を配合して調製される。
【0008】水溶性樹脂には、カゼイン、グルー、ゼラ
チン、グルチン、大豆蛋白等のタンパク質糊剤、アラビ
アガム、トラガントガム、ブリティッシュガム、カラヤ
ガム、グアールガム、ローカストビーンガム、アイリッ
シュモス、大豆レシチン、ペクチン酸、澱粉、デキスト
リン、寒天等の植物質糊剤、カルボキシルメチルセルロ
ース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース(HEC)、キサントゲン酸セルロース(MS)、
カルボキシ化澱粉等の繊維素誘導体が使用され、中でも
吸湿による膨張・増量の度合いが少ない澱粉やデキスト
リン等の植物質糊剤が推奨される。
【0009】非水溶性樹脂には、天然ラテックス、スチ
レン・ブタジエン共重合ラテックス、ポリイソプレンラ
テックス、クロロプレンラテックス、アクリロニトリル
・ブタジエン共重合ラテックス、ブタジエン・スチレン
・ビニルピリジン共重合ラテックス、メチルメタクリレ
ートブタジエンラテックス、ポリウレタン樹脂エマルジ
ョン、アクリル酸エステルエマルジョン、メタクリル酸
エステルエマルジョン、エチレン・酢酸ビニル共重合エ
マルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニリ
デン樹脂エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビ
ニル共重合エマルジョン等が使用され、中でもメチルメ
タクリレートブタジエンラテックス、ポリウレタン樹脂
エマルジョン、アクリル酸エステルエマルジョン、メタ
クリル酸エステルエマルジョン、エチレン・酢酸ビニル
共重合エマルジョンが推奨される。
【0010】非水溶性粉末には、カリオンクレー、タル
ク、マイカ、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム等の珪
酸塩、珪藻土、石英、珪石、無水珪酸、含水珪酸等の珪
酸、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、石粉、プラス
チックパウダー、ゴムパウダー、繊維微粉末等が使用さ
れる。
【0011】顔料捺染元糊に水溶性樹脂を配合するの
は、その乾燥した印捺塗膜を水洗するとき、その一部が
膨潤して脱落するようにするためであり、更に非水溶性
粉末を加えて配合するのは印捺塗膜が脱落し易く、且
つ、その脱落が部分的に不規則に生じるようにするため
である。
【0012】非水溶性樹脂は、従来より顔料を固着させ
るバインダーとして使用されている。そのバインダーで
ある非水溶性樹脂に水溶性樹脂を配合すると、乾燥した
印捺塗膜は耐水性を欠くものとなり、更に、非水溶性粉
末を多量に配合すると、フイルムにピンホールが出来る
ように印捺塗膜が非水溶性粉末によって細かく破断され
る恰好になり、その耐水性が低下して水洗によって脱落
し易くなり、印捺塗膜も硬くなって可撓な顔料捺染衣料
布帛は得られなくなる。
【0013】即ち、非水溶性樹脂の配合量が非水溶性粉
末の配合量の半分に満たない場合や、水溶性樹脂の配合
量が非水溶性樹脂の配合量の15倍を超える場合には、
印捺塗膜は耐水性を欠き水洗によって脱落し易くなる。
しかし、非水溶性樹脂の配合量が非水溶性粉末の配合量
の2倍を超える場合や、水溶性樹脂の配合量が非水溶性
樹脂の配合量の1.5倍に満たない場合には、それら水
溶性樹脂や非水溶性粉末によって、印捺塗膜の耐水性や
耐洗濯性は殆ど損なわれず、顔料捺染衣料布帛の実用性
は損なわれない。
【0014】非水溶性粉末の粒径を2〜50μmとする
のは、その粒径が2μm未満と余りにも細かくなると、
粉末が印捺塗膜の中に包み込まれてしまって印捺塗膜を
細かく亀裂・分断させて洗い落とし易くする作用をなさ
なくなる。一方、それが50μmを超えて粒体になる
と、印捺塗着される水溶性樹脂や非水溶性樹脂と共に布
帛の繊維間に浸透せず、布帛表面に付着してザラツキ感
を与え、それが水洗後に布帛の表面に脱落せずに残っ
て、その後布帛の使用中に擦られて脱落するので捺染模
様は耐摩耗を欠くものとなり、また、印捺塗膜も粗硬に
なって可撓な顔料捺染衣料布帛は得られなくなる。
【0015】即ち、通常内装布帛や衣料布帛に使用され
る綿繊維の太さは15〜25μmであり、綿繊維と共
に、または綿繊維に代えて使用されるレーヨンその他の
化学繊維やポリエステル繊維その他の合成繊維の単糸繊
度は1〜10デニールとなっており、それらの太さは綿
繊維と略同じく10〜30μmであり、布帛の糸条の表
面には、それらの繊維の太さに応じた大きさの凹凸や隙
間が出来る。例えば慣用されるポリエステル繊維の比重
を1.4として計算すると、それが1デニールであれば
太さは10μmとなり、それが5デニールであれば太さ
は23μmとなる。
【0016】従って非水溶性粉末の粒径が5μm未満で
あれば繊維間隙間に入り込んで脱落し難くなり、それが
50μmを超えると糸条の表面に突き出た状態になって
使用中に脱落し易くなる。この点を考慮すると、非水溶
性粉末の粒径は5〜25μmに、更に好ましくは10〜
20μmにすることが望ましく、その形も球形にして繊
維間に入り込み易く、また、糸条表面に突き出て付着し
た場合でも布帛表面にザラツキ感が生じないようにする
ことが望ましい。
【0017】従って非水溶性粉末には、「シルモス」、
「Silteg」等の製品名をもって市販されている珪
酸カルシウムや珪酸アルミニウム等の合成珪酸塩、「ス
ノーテック」、「ニップシル」、「Aerosil」等
の製品名をもって市販されている無水珪酸や含水珪酸等
の合成珪酸などの表面が球形を成すものを用いることが
推奨される。
【0018】以上の点を考慮して顔料捺染元糊は、非水
溶性樹脂の配合量を非水溶性粉末の配合量の0.5倍
(半分)以上で2倍以下とし、水溶性樹脂の配合量を非
水溶性樹脂の配合量の1.5倍以上で15倍以下、好ま
しくは非水溶性樹脂の配合量の3倍以上で8倍以下と
し、非水溶性粉末の粒径を2〜50μmとする水溶性樹
脂と非水溶性樹脂と非水溶性粉末、および、水を主成分
として構成され、それに非水溶性粉末の配合量以下の顔
料を配合して使用される。これら水溶性樹脂と非水溶性
樹脂と非水溶性粉末との配合比率は、水溶性樹脂の吸湿
膨潤度合い、非水溶性樹脂の乾燥皮膜の耐水性と接着強
度、非水溶性粉末の表面形状と粒径等を考慮して設定さ
れる。
【0019】本発明の実施に際しては、水溶性樹脂とし
てブリテイッシュガムを用い、非水溶性樹脂にアクリル
樹脂系エマルジョンを用い、非水溶性粉末に粒径10〜
20μm(平均粒径15μm)の球形を成す無水珪酸
(比重1.12)を用い、それらの固形分重量比をブリ
テイッシュガム固形分5重量部、アクリル樹脂系エマル
ジョン固形分1重量部、無水珪酸1重量部として調製さ
れた顔料捺染元糊を標準元糊とし、その標準乾燥塗膜と
同等の耐水性を示すように設定するとよい。
【0020】上記の通り水溶性樹脂は、印捺塗膜の耐水
性を少なくし、その一部が水洗によって脱落するように
するために配合されるのであるが、そのように印捺塗膜
の一部を水洗除去して仕上げられた布帛には、従来の顔
料捺染衣料布帛と同等の耐洗濯性が要求される。この点
で水溶性樹脂に、カルボキシルメチルセルロース(CM
C)やメチルセルロース(MC)の如く吸湿して大きく
膨潤し易い繊維素誘導体を用いると、耐洗濯性のある布
帛は得難くなる。また、そのように高吸湿膨潤性の水溶
性樹脂を配合して捺染元糊の粘度を調製するには多量の
水を配合しなければならないから、それを型際尖鋭に薄
く印捺することが難しくなる。この点で水溶性樹脂に
は、吸湿膨潤し難いブリティッシュガム、デキストリ
ン、澱粉の植物質澱粉系の水溶性糊剤を用いることが推
奨される。
【0021】布帛には、顔料捺染糊の塗膜の一部に重ね
て染料捺染糊を印捺することが出来、その場合、染料捺
染糊の下に重なる顔料捺染糊の塗膜は、その上に印捺す
る染料捺染糊に対する防染塗膜を形成することになる。
従って、その様に顔料捺染糊を防染に用いる場合には、
その顔料捺染糊に活性炭や撥水剤等の防染剤を配合して
おくとよい。勿論、その顔料捺染糊の上に重ねて印捺す
る他の捺染糊には、抜色剤を配合することもできる。ま
た、顔料捺染糊に占める水溶系樹脂や非水溶性粉末の配
合量を多くし、水洗によって印捺塗膜の殆どが除去さ
れ、極く一部のものだけが脱落せずに残るようにする場
合には、その脱落跡として印捺模様が残るようにするた
め、着色染料や抜色染料を配合し、それらの染料に着色
され、または抜色されて印捺模様が脱落跡に鮮明に残る
ようにするとよい。
【0022】
【実施例1】水溶性樹脂としてデキストリンを用い、非
水溶性樹脂として樹脂固型分濃度40%のアクリル樹脂
エマルジョンを用い、非水溶性樹脂粉末として微粒分布
範囲が10〜20μmの球型の合成無水ケイ酸微粒子を
用い、これらを次の割合で配合して顔料捺染元糊を調製
した。 デキストリン粉末…………………………30重量% 無水ケイ酸粉末…………………………… 7重量% アクリル樹脂エマルジョン………………15重量%(固
形分6重量%) 水……………………………………………48重量%
【0023】
【実施例2】実施例1により得られた顔料捺染元糊と顔
料と水を次の割合で混合して粘度1000cpsの顔料
捺染糊を調製した。 顔料捺染元糊………………………………80重量% 顔料(ブルー)…………………………… 5重量% 水……………………………………………15重量% この顔料捺染糊を120メッシュ捺染スクリーンによ
り、綿繊維100%のサテン布帛(目付80g/m2 )
に印捺し、乾燥後100℃にて3分間加熱キュアリング
し、水洗し、乾燥して仕上げた。
【0024】その結果、布帛表面の面積5cm平方内に
おける顔料捺染糊の印捺塗膜の非水溶性粉末と顔料の各
付着量が不規則に変化しており、その付着量の不規則な
変化が布帛の全面に均一に現われて、クラッシュやスト
ーンウオッシュによる場合と同様に古ボケた印象を与え
る擦過痕や揉皺模様の入り混じった顔料捺染衣料布帛が
得られた。
【0025】
【実施例3】実施例1により得られた顔料捺染元糊と顔
料、染料、炭酸水素ナトリウムおよびと水を次の割合で
混合して粘度950cpsの顔料捺染糊を調製した。 顔料捺染元糊………………………………80重量% 顔料(ブルー)…………………………… 5重量% 反応性染料(レッド)…………………… 2重量% 炭酸水素ナトリウム……………………… 2重量% 水……………………………………………11重量% この顔料捺染糊を120メッシュ捺染スクリーンによ
り、ポリエステル繊維60%・レーヨン繊維40%のサ
テン布帛(目付80g/m2 ) に印捺し、乾燥後105
℃にて7分間高温加熱蒸気に通し、水洗し、乾燥して仕
上げた。
【0026】その結果、布帛表面の面積5cm平方内に
おける顔料捺染糊の印捺塗膜の非水溶性粉末と顔料の各
付着量が不規則に変化しており、その付着量の不規則な
変化が布帛の全面に均一に現われ、印捺塗膜の脱落箇所
と思われる所々に反応性染料のレッドの色彩が強く現れ
て、クラッシュやストーンウオッシュによる場合と同様
に古ボケた印象を与える擦過痕や揉皺模様の入り混じっ
た顔料捺染衣料布帛が得られた。
【0027】
【実施例4】実施例1により得られた顔料捺染元糊と顔
料、染料および水を次の割合で混合して顔料捺染糊12
を調製し、120メッシュ捺染スクリーンにより、ポリ
エステル繊維60%・綿繊維40%のサテン布帛(目付
70g/m2 ) 11に印捺した。 顔料捺染元糊………………………………80重量% 顔料(ブルー)…………………………… 5重量% 分散染料(レッド)……………………… 2重量% 水……………………………………………13重量%
【0028】次いで、濃度35%の次亜塩素酸ソーダ水
溶液、ミネラルターペン、乳化剤および水を次の割合で
混合調製した抜染糊13を120メッシュ捺染スクリー
ンにより重ねて印捺し、顔料捺染糊の印捺塗膜12と抜
染糊の印捺塗膜13を乾燥後、180℃にて7分間高温
加熱蒸気に通し、水洗し、乾燥して仕上げた。 次亜塩素酸ソーダ水溶液…………………10重量% ミネラルターペン…………………………40重量% 乳化剤……………………………………… 3重量% 水……………………………………………47重量%
【0029】その結果、顔料捺染糊が印捺されず抜染糊
だけが印捺された箇所14ではサテン布帛11が抜色さ
れ、顔料捺染糊の印捺箇所では、その顔料捺染糊の一部
が脱落しており、顔料捺染糊が脱落しない箇所で抜染糊
と重ならない箇所15では顔料と分散染料の混合色を呈
し、顔料捺染糊が脱落しない箇所で抜染糊と重なった箇
所16では分散染料が抜色されて顔料の色彩を呈し、顔
料捺染糊が脱落した箇所で抜染糊と重ならない箇所17
では分散染料にサテン布帛11が染色されて現れ、顔料
捺染糊が脱落した箇所で抜染糊と重なった箇所18では
分散染料に染色されないサテン布帛11の生地色が顔料
捺染糊に防染されて抜染糊に抜色されずに現れた。
【0030】かくして顔料捺染糊の印捺模様と抜染糊の
印捺模様とが重なりあい、それらの印捺模様の色彩がラ
ンダムに部分的に変化し、顔料捺染糊が部分的に脱落し
た古ボケ美観と印捺型際のシャープな美観とが入り混じ
った斬新なデザインの顔料捺染衣料布帛19が得られ
た。
【0031】
【発明の効果】顔料と、そのバインダーである非水溶性
樹脂とによって組成される顔料捺染糊に、非水溶性粉末
と共に水溶性樹脂を配合すると、その印捺塗膜は耐水性
を欠くものとなり、その水溶性樹脂の配合量に応じて印
捺塗膜は水洗によって布帛から脱落し易くなる。
【0032】そのように調製される顔料捺染糊は、その
調製時に十分攪拌して非水溶性粉末を均一に分散してお
いても、印捺時には、それ自体が流動性と浸透性を有す
る水溶性樹脂分と非水溶性樹脂分はスクリーン網目を通
過して布帛へと移動するが、それ自体が流動性と浸透性
を有しない固体の非水溶性粉末は、それらの樹脂分に引
きずられて布帛へと移動することになるので、スクリー
ン網目を通過する箇所では顔料捺染糊の内の非水溶性粉
末の分散具合が微妙に変化することになる。
【0033】また、印捺された顔料捺染糊の一部と布帛
内部に浸透することになるのであるが、その浸透具合
は、布帛の織組織の部分的相異や布帛を構成する糸条の
撚斑や太さ斑、繊維間の密着度合や繊維間の空隙の部分
的相異などによって部分的に変化し、ある部分では非水
溶性粉末が水溶性樹脂分や非水溶性樹脂分と共に布帛内
部で深く浸透するが、他の部分では非水溶性粉末が左程
浸透せず布帛の表面に付着したままになる。
【0034】このようにして印捺塗膜内に分散する非水
溶性粉末の密度は、印捺前の顔料捺染糊内での分散密度
と異なったものとなり、印捺塗膜の非水溶性粉末の分散
密度が多くなり水洗によって脱落し易くなる一方、他の
箇所では非水溶性粉末の分散密度が少なくなって水洗に
よっては脱落しない強固な乾燥塗膜を形成することにな
る。
【0035】その結果、本発明に係る顔料捺染糊を布帛
に印捺し、その顔料捺染糊塗膜の乾燥後水洗すると、そ
の塗膜の一部がランダムに脱落し、布帛を細かく部分的
に見るとその付着量が不規則に変化しているが、衣料布
帛全体を広く見るときは、その付着量の不規則な変化が
布帛の全面に均一に現われることになる。
【0036】そのようにして仕上げられる本発明の顔料
捺染衣料布帛は、その顔料の付着量の部分的変化によっ
て古風な美観を呈するものであるが、それが本発明によ
ると顔料捺染後の水洗によって描出され、砥石や針布等
によって布帛表面を強制的に摩耗させて描出されるもの
ではないので、布帛の物性強度はその描出前後において
殆ど変化せず、古ボケた美観を描出するのに手間取らな
い。
【0037】顔料捺染糊に染料を配合する場合は、染料
の色彩と顔料の色彩が細やかにミックスし、見る方向に
よって色彩が変化する玉虫効果が生じる。顔料に硫化カ
ルシウム、硫化ストロンチュウム、硫化バリウム、硫化
亜鉛、ソトトリウム、トリチウム等の蓄光顔料や蛍光顔
料を使用すると顔料の付着量の部分的変化の度合いが大
きく現れ、また、非水溶性粉末にチタンアルミナ、コー
ジュライト、ジルコサンド、スピネル等の遠赤外線放射
性セラミック微粉末を使用すると保温性が高まって効果
的である。
【0038】このように本発明によると、限られた数少
ないスクリーン型枠を用いて効率的に、クラッシュやス
トーンウオッシュによる場合と同様に古ボケた印象を与
え、擦過痕や揉皺模様の描出された変化に富んだ顔料捺
染衣料布帛が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】顔料捺染糊と抜染糊の印捺された布帛の拡大断
面図である。
【図2】図3に図示する本発明に係る顔料捺染衣料布帛
の一部A−Bでの断面図である。
【図3】本発明に係る顔料捺染衣料布帛の拡大表面図で
ある。
【符号の説明】
11 布帛 12 顔料捺染糊 13 抜染糊 14 顔料捺染糊が印捺されず抜染糊だけが印捺された
箇所 15 顔料捺染糊が脱落しない箇所で抜染糊と重ならな
い箇所 16 顔料捺染糊が脱落しない箇所で抜染糊と重なった
箇所 17 顔料捺染糊が脱落した箇所で抜染糊と重ならない
箇所 18 顔料捺染糊が脱落した箇所で抜染糊と重なった箇
所 19 顔料捺染衣料布帛

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 水溶性樹脂と非水溶性樹脂と非水
    溶性粉末とを含有し、(b) 非水溶性樹脂の配合量が
    非水溶性粉末の配合量の0.5倍(半分)以上で2倍以
    下であり、(c) 水溶性樹脂の配合量が非水溶性樹脂
    の配合量の1.5倍以上で15倍以下であり、(d)
    非水溶性粉末の粒径が2〜50μmであることを特徴と
    する顔料捺染元糊。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の非水溶性粉末が球形を
    成し、その粒径が5〜25μmである請求項1に記載の
    顔料捺染元糊。
  3. 【請求項3】(a) 水溶性樹脂と非水溶性樹脂と非水
    溶性粉末と顔料を含有し、(b) 非水溶性樹脂の配合
    量が非水溶性粉末の配合量の0.5倍(半分)以上で2
    倍以下であり、(c) 水溶性樹脂の配合量が非水溶性
    樹脂の配合量の1.5倍以上で15倍以下であり、
    (d) 非水溶性粉末の粒径が2〜50μmであり、
    (e) 顔料の配合量が非水溶性粉末の配合量よりも少
    ないことを特徴とする顔料捺染糊。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の顔料捺染糊を布帛に印
    捺し、その顔料捺染糊塗膜の乾燥後水洗して塗膜の一部
    を脱落させることを特徴とする顔料捺染法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の顔料捺染糊の印捺塗膜
    によって描出された捺染模様を有し、 布帛表面の面積5cm平方内における顔料捺染糊の印捺
    塗膜において、非水溶性粉末と顔料の各付着量が不規則
    に変化しており、 その付着量の不規則な変化が、面積50cm平方以上と
    なる布帛の全面に均一に現われていることを特徴とする
    顔料捺染衣料布帛。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100645592B1 (ko) * 2005-11-30 2006-11-14 서승현 스톤무늬판 및 스톤무늬 날염방법
JP2006316384A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Seiren Co Ltd ストーンウオッシュ調着色布帛
JP2016030880A (ja) * 2014-07-30 2016-03-07 おぼろタオル株式会社 繊維製品及びその製造方法

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