JPH0739359B2 - ジクロロ‐(2,2)‐パラシクロファンの製造方法 - Google Patents
ジクロロ‐(2,2)‐パラシクロファンの製造方法Info
- Publication number
- JPH0739359B2 JPH0739359B2 JP10171590A JP10171590A JPH0739359B2 JP H0739359 B2 JPH0739359 B2 JP H0739359B2 JP 10171590 A JP10171590 A JP 10171590A JP 10171590 A JP10171590 A JP 10171590A JP H0739359 B2 JPH0739359 B2 JP H0739359B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reaction
- paracyclophane
- yield
- dichloro
- halide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
造方法に関するものである。本化合物はポリジクロロパ
ラキシリレン樹脂製造の際の中間化合物として既知の物
質で、この樹脂は真空蒸着により材料表面に膜として形
成され、電気特性、高温特性等に優れた性能を有し、半
導体等電子部品や宇宙機器用部品等の被覆に広く用いら
れる。
−パラシクロファンの直接塩素化により造られていた
が、この製造方法の欠点、即ち、ジクロル体のみを純粋
に得ることの困難性により、近年、(2,2)−パラシク
ロファンの製造と同じ反応経路による方法、即ち、アル
カリ水溶液の作用により、2(3)−クロロ−p−メチ
ルベンジルトリメチルアンモニウムハライドから第四級
アンモニウムヒドロキシドを経てホフマン脱離反応によ
り製造する方法が提案されている。
反応経由で製造する場合、工業的かつ安価に製造するた
めには二つの問題点があった。一つはベンゼン核の塩素
化方法ともう一つはホフマン脱離反応自身に関してであ
る。前者の問題点はベンゼン核の塩素化に際して側鎖メ
チル基のクロル化、核のポリクロル化が起りモノクロル
体を効率よく、かつ、収率よく得ることが困難であるこ
とである。しかし、この問題に関しては本発明者は既に
前出願において新規、かつ、有用な方法を提案した。
ある。p−メチルベンジルトリメチルアンモニウムハラ
イドに水酸化アルカリ水溶液を作用し第四級アンモニウ
ムヒドリキシド経由ホフマン脱離反応で(2,2)−パラ
シクロファンを製造することは古くから知られており、
この反応をジクロロ−(2,2)−パラシクロファンの製
造に応用することは当業者なら容易になし得ることであ
る。しかし、一般的にはホフマン脱離反応は、長時間を
要し、かつ収率に関しても満足し得るものではない。例
えば、特開昭62−142128公報には、反応条件として40%
以下の水酸化アルカリ水溶液を使用したホフマン脱離反
応が記載されているが収率が低く実用的でない。以後、
幾個かの特許出願においてホフマン脱離反応時の収率の
向上等を目的とした反応条件の提案がなされている。例
えば、反応溶媒としてモノ及びポリエチレングリコール
ジアルキルエーテルを用いる方法(特開昭63−9374
0)、更にそれに触媒的物質を加えた方法(特開昭63−9
3735)、反応溶剤としてDMSO、反応促進剤としてクラウ
ンエーテルを用いるとともに工程管理を厳格に行なう方
法(特開昭64−45322)等が提案されている。これらの
方法にあってはそれなりに収率等の点で改善されてはい
るが、使用する溶剤が高価であったり、反応時間が長か
ったり、さらに収率の面でもう一歩である等、工業生産
の意味において全面的に満足し得るものではない。本発
明の目的はこれらの問題点を克服し工業的有利を製造法
を創造することにある。
チルベンジルトリメチルアンモニウムハライドに水酸化
アルカリを作用し第四級アンモニウムヒドロキシドと
し、さらにホフマン脱離反応を行なうに際し、これらの
反応をジオキサン溶媒中で行なった。驚くべきことに、
反応溶媒としてのジオキサンの使用により、反応時間の
短縮、副生成物としてのポリマーの生成の抑制による収
率の向上が達成できた。この溶剤の有効性はこれまで知
られていない。さらにジオキサンは安価で取扱いや回収
が容易な溶剤である。
ルトリメチルアンモニウムハライドの製法として今まで
文献に記載され、又は一般的に考えられる方法はp−メ
チルベンジルハライドの核クロル化、あるいは、モノク
ロロ−p−キシレンの側鎖ハロゲン化で2(3)−クロ
ロ−p−メチルベンジルハライドとし、これをエーテル
等の溶媒中でトリメチルアミンと反応して製造する方法
である。しかし、この出発物質は、先ず、p−メチルベ
ンジルハライドをトリメチルアミン水溶液と反応、p−
メチルベンジルトリメチルアンモニウムハライドとし、
これを塩素化して造ることが工業的に極めて有利である
ことがわかった。次に、この様にして製造した2(3)
−クロロ−p−メチルベンジルトリメチルアンモニウム
ハライドにジオキサン及び水酸化アルカリを加え、第四
級アンモニウムヒドロキシドとすると共にホフマ脱離反
応を行なう。反応溶媒として加えるジオキサンの量は限
定的ではないがp−メチルベンジルハライドを出発物質
とする場合その1重量部に対し5容量部(1gに対し5m
l)以上用いることが好ましい。使用量が多い程副生成
物としてのポリマー生成を抑制できる装置効率、溶剤回
収コスト等を勘案して適宜定める。一般的には1重量部
に対し5〜3容量部使用するとよい。水酸化アルカリと
しては水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを用いるこ
とができるが水酸化カリウム使用の場合がより反応が円
滑に進行し好ましい。ホフマン脱離反応に使用する水酸
化アルカリ量(第四級アンモニウムハライドを第四級ア
ンモニウムヒドロキシドとする反応や中和反応で消費さ
れる水酸化アルカル以外の量)は、反応速度に影響を及
ぼすが、好ましくは第四級アンモニウムヒドロキシドに
対し1〜7倍モルの水酸化アルカリを用いることでき
る。多くなりすぎると副生成物のポリマーの生成が多く
なる。又、本発明にあっては広い範囲のアルカリ水溶液
濃度で実施でき、特に40%以上のアルカリ水溶液濃度
(トリメチルアミン水溶液中の水、中和反応やホフマン
反応等で生成する水等、全てを考慮したアルリ水溶液濃
度)で特に有利に実施できる。このことは、例えば、特
開昭62−142128公報には40%以下のアルカリ水溶液濃度
との条件が発明の必須の構成要件として記載されている
こと、その他に文献等にあっても35%以下の濃度が好ま
しいとしているのが多いことからみて、本発明の特徴的
なことの一つである。アルカリ水溶液濃度が15%程度に
なると反応が遅すぎて実用的でなく10%程度になると殆
ど反応が進行しない。本発明の方法にあっては温度40℃
でも反応は認められるが非常に遅く実用的でない。60〜
90℃で反応を行なうのが望ましい。反応温度が高すぎる
と副生成物のポリマーが多くなる。反応時間は当然に反
応温度に依存するが、例えば、80℃では2〜4時間で十
分である。この反応時間が短かいのも本発明の特徴の一
つである。反応終了後は反応溶液を水て稀釈し、析出す
る沈澱を取、乾燥する。後、トルエン中で加温、溶解
し、不要物を過により除去し、液からトルエンを留
去しジクロロ−(2,2)−パラシクロファンを得る。
例を示すためのものであって本発明がこれによって限定
されるものではない。
メチルアミ水溶液を加え撹拌した。第四級アンモニウム
塩の生成反応が完結すると均一の水溶液となる。この水
溶液を撹拌、内温40℃以下に保つよう冷却しつつ塩素を
吸込み2(3)−クロロ−p−メチルベンジルトリメチ
ルアンモニウムクロライドの水溶液を得た。反応の終了
はガスクロマトグラフィー分析により確認する。
水酸化カリウムを加え塩素化の際に発生し水溶液に溶け
込んでいる塩化水素を中和した。10gの85%水酸化カリ
ウムを使用することで水溶液はアルカリ性となった。こ
れにさらに30gの85%水酸化カリウム(総計40g)を加え
撹拌、約1時間30分かけ80℃まで昇温し、その温度で4
時間反応を続けた。後、水で稀釈、析出した沈澱を取
し、乾燥した(粗製品)。次に、これをトルエン70ccに
溶解、過し不溶物を除去、液からトルエンを留去し
て製品を得た。
H3PO4(5+0.5)%を使用したガラクロマトグラフィー
分析によれば主成分として3つの異性体(目的物である
ことはマススペクトルより同定)が認められ、そのガス
クロマトグラフィー分析からはそれを総計した純度は9
8.5%以上であった(以下の例において同じ)。
実施例1と相違しあとは同じ。
1と相違しあとは同じ。
が200mlであることが実施例1と相違しあとは同じ。
厳格な工程管理も必要なく、反応時間も短縮でき、か
つ、高収率でジクロロ(2,2)−パラシクロファンを得
ることができ、工業的に極めて有利である。
Claims (1)
- 【請求項1】下記構造式 で表されるジクロロ−(2,2)−パラシクロファンを下
記構造式 (式中、塩素原子はベンゼン核においてトリメチルアミ
ノメチル基の位置に対し、2又は3の位置にあり、Xは
塩素又は臭素原子を表す) の2(3)−クロロ−p−メチルベンジルトリメチルア
ンモニウムハライドに水酸化アルカリ水溶液を作用し、
第四級アンモニウムヒドロキシド経由、ホフマン脱離反
応により製造するに際し、該反応をジオキサン溶媒中で
行なうことを特徴とする製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10171590A JPH0739359B2 (ja) | 1990-04-19 | 1990-04-19 | ジクロロ‐(2,2)‐パラシクロファンの製造方法 |
CA002032714A CA2032714C (en) | 1989-12-29 | 1990-12-19 | Process for the preparation of dichloro-(2,2)-paracyclophane |
DE69026119T DE69026119T2 (de) | 1989-12-29 | 1990-12-28 | Verfahren zur Herstellung von Dichlor-(2,2)-Paracyclophanen |
EP93106300A EP0558096B1 (en) | 1989-12-29 | 1990-12-28 | Process for the preparation of dichloro-(2,2)-paracyclophane |
EP90125764A EP0436957B1 (en) | 1989-12-29 | 1990-12-28 | Process for the preparation of dichloro-(2,2)-paracyclophane |
DE90125764T DE69005092T2 (de) | 1989-12-29 | 1990-12-28 | Verfahren zur Herstellung von Dichlor-(2,2)-paracyclophan. |
US07/913,742 US5679874A (en) | 1989-12-29 | 1992-07-14 | Process for the preparation of dichloro-(2,2)-paracyclophane |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10171590A JPH0739359B2 (ja) | 1990-04-19 | 1990-04-19 | ジクロロ‐(2,2)‐パラシクロファンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH041146A JPH041146A (ja) | 1992-01-06 |
JPH0739359B2 true JPH0739359B2 (ja) | 1995-05-01 |
Family
ID=14308002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10171590A Expired - Lifetime JPH0739359B2 (ja) | 1989-12-29 | 1990-04-19 | ジクロロ‐(2,2)‐パラシクロファンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0739359B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04137162U (ja) * | 1991-06-12 | 1992-12-21 | コベルコ建機エンジニアリング株式会社 | 静油圧破砕機 |
-
1990
- 1990-04-19 JP JP10171590A patent/JPH0739359B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH041146A (ja) | 1992-01-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2517290B2 (ja) | (2,2)−パラシクロフアンおよびその誘導体の製造方法 | |
JPH0717533B2 (ja) | (2,2)−パラシクロフアン及びそれらの誘導体の製造方法 | |
JPH072657B2 (ja) | (2,2)−パラシクロフアンおよびその誘導体の製造方法 | |
JPH0717532B2 (ja) | (2,2)−パラシクロフアンの製造方法 | |
EP1781583A4 (en) | METHODS AND SYSTEMS FOR CHEMICAL PRODUCTION | |
JP2701454B2 (ja) | 新規含フッ素化合物,その製造方法及び用途 | |
CN111655659B (zh) | 具有包含氢且包含氟和/或氯的丁二烯骨架的化合物的制造方法 | |
JPH0739359B2 (ja) | ジクロロ‐(2,2)‐パラシクロファンの製造方法 | |
JP3806962B2 (ja) | 3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロムベンゼンの製造法 | |
JP3986200B2 (ja) | 3−シアノテトラヒドロフランの製造法 | |
JP2001226300A (ja) | オクタフルオロ[2,2]パラシクロファンの製造方法 | |
JP3542149B2 (ja) | ペルフルオロアルカンの製造方法 | |
JP2626336B2 (ja) | ヘキサメチルシクロトリシラザンの製造方法 | |
JPS61118333A (ja) | パ−フルオロアリルクロライドの製法 | |
EP0271212B1 (en) | Process for preparation of carboxylic acid ester containing fluorine | |
JP3149537B2 (ja) | 1h−ペルフルオロアルカンの製造法 | |
JP4284493B2 (ja) | ジフルオロハロアセチルフロリドの製造方法 | |
JP2815698B2 (ja) | 3,5―ジ―第3ブチル―2,6―ジクロロトルエンの製造方法 | |
JP2664772B2 (ja) | 部分フッ素化シランの製造方法 | |
JP4839678B2 (ja) | ジハロゲン化ビアリール誘導体の製造方法 | |
JPH0694425B2 (ja) | ジクロロペンタフルオロプロパンの精製方法 | |
JPH0327338A (ja) | ビス(2―ヒドロキシヘキサフルオロ―2―プロピル)ベンゼン誘導体の製造方法 | |
JP2584670B2 (ja) | 芳香族アルデヒド類の製法 | |
KR0129408B1 (ko) | 1-히드록시시클로헥실 페닐 케톤의 제조방법 | |
JPS6130556A (ja) | 2,4,6−トリフルオロ安息香酸の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 13 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080501 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090501 Year of fee payment: 14 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 14 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090501 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100501 Year of fee payment: 15 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |