JPH05113106A - 高純度耐熱鋼および高純度耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法 - Google Patents
高純度耐熱鋼および高純度耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法Info
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- JPH05113106A JPH05113106A JP29781091A JP29781091A JPH05113106A JP H05113106 A JPH05113106 A JP H05113106A JP 29781091 A JP29781091 A JP 29781091A JP 29781091 A JP29781091 A JP 29781091A JP H05113106 A JPH05113106 A JP H05113106A
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Landscapes
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- Forging (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた高温クリープ強さと靱性とを兼ね備
え、高低圧一体型タービンロータに適した高純度耐熱鋼
及びこの高純度耐熱鋼を用いた高低圧一体型タービンロ
ータの製造方法を提供する。 【構成】 C:0.05〜0.2%、Ni:0.5〜1.5%、C
r:8〜12%、Mo:0.5〜2%、V:0.1〜0.5%、N:0.0
1〜0.08%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物か
らなり、所望によりNb:0.01〜0.15%、Ta:0.01〜0.
15%、B:0.005%〜0.03%の一種又は二種以上を含有
し、不可避的不純物のうちSi:0.1%以下、Mn:0.1%
以下、P:0.01%以下、S:0.005%以下を許容含有量
とする高純度耐熱鋼 上記鋼塊を、980〜1120℃
に加熱して焼入れし、、550℃〜700℃で焼戻しを
1回以上施す高低圧一体型タービンロータの製造方法 【効果】 高温クリープ強さ、靱性ともに優れた耐熱
鋼および高低圧一体型タービンロータが得られる。
え、高低圧一体型タービンロータに適した高純度耐熱鋼
及びこの高純度耐熱鋼を用いた高低圧一体型タービンロ
ータの製造方法を提供する。 【構成】 C:0.05〜0.2%、Ni:0.5〜1.5%、C
r:8〜12%、Mo:0.5〜2%、V:0.1〜0.5%、N:0.0
1〜0.08%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物か
らなり、所望によりNb:0.01〜0.15%、Ta:0.01〜0.
15%、B:0.005%〜0.03%の一種又は二種以上を含有
し、不可避的不純物のうちSi:0.1%以下、Mn:0.1%
以下、P:0.01%以下、S:0.005%以下を許容含有量
とする高純度耐熱鋼 上記鋼塊を、980〜1120℃
に加熱して焼入れし、、550℃〜700℃で焼戻しを
1回以上施す高低圧一体型タービンロータの製造方法 【効果】 高温クリープ強さ、靱性ともに優れた耐熱
鋼および高低圧一体型タービンロータが得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、優れた高温クリープ
強さと靱性とを備えており、高圧部と低圧部とを一体化
した蒸気タービンのロータ軸等に用いられる高純度耐熱
鋼およびこの高純度耐熱鋼を用いた高低圧一体型タービ
ンロータの製造方法に関するものである。
強さと靱性とを備えており、高圧部と低圧部とを一体化
した蒸気タービンのロータ軸等に用いられる高純度耐熱
鋼およびこの高純度耐熱鋼を用いた高低圧一体型タービ
ンロータの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、靱性と高温クリープ強さとは、
相反する特性であり、同時に両者を両立させることは難
しいことが知られている。しかしながら、例えば、高低
圧一体型のロータ軸などの耐熱材料では、両特性を兼ね
備えている必要がある。従来、高低圧一体型のロータに
は、CrMoV系耐熱鋼が用いられてきた。また、近年、
CrMoV鋼の改良材が適用されつつある(例えば、特公
昭54−19370号)。そして、いずれの材料も、そ
の製造過程では、全体を均一に加熱して焼入れしてい
る。
相反する特性であり、同時に両者を両立させることは難
しいことが知られている。しかしながら、例えば、高低
圧一体型のロータ軸などの耐熱材料では、両特性を兼ね
備えている必要がある。従来、高低圧一体型のロータに
は、CrMoV系耐熱鋼が用いられてきた。また、近年、
CrMoV鋼の改良材が適用されつつある(例えば、特公
昭54−19370号)。そして、いずれの材料も、そ
の製造過程では、全体を均一に加熱して焼入れしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの材料
でも充分な高温クリープ強さを得ようとした場合、高靱
性を要求される低圧部の軸芯においては、破面遷移温度
を0℃以下にすることは達成できていない。そして、ま
た、12Cr 系耐熱鋼は、高温クリープ強さには優れて
いるものの、靱性が不足しているため、高圧ロータある
いは中圧ロータ用材料としてのみ使用されてきた。した
がって12Cr 系耐熱鋼では、例えば高低圧一体型ロー
タ用材料として用いた場合、高圧部に必要とされる高温
クリープ強さには優れているものの、低圧部において充
分な靱性が得られない。本発明は、12Cr 系耐熱鋼に
おいて、優れた高温クリープ強さを維持すると同時に、
優れた靱性をも兼ね備えた12Cr 系耐熱鋼を提供し、
さらに、優れた高温クリープ強さと優れた靱性とを兼ね
備えた高低圧一体型タービンロータの製造方法を提供す
ることを目的とする。
でも充分な高温クリープ強さを得ようとした場合、高靱
性を要求される低圧部の軸芯においては、破面遷移温度
を0℃以下にすることは達成できていない。そして、ま
た、12Cr 系耐熱鋼は、高温クリープ強さには優れて
いるものの、靱性が不足しているため、高圧ロータある
いは中圧ロータ用材料としてのみ使用されてきた。した
がって12Cr 系耐熱鋼では、例えば高低圧一体型ロー
タ用材料として用いた場合、高圧部に必要とされる高温
クリープ強さには優れているものの、低圧部において充
分な靱性が得られない。本発明は、12Cr 系耐熱鋼に
おいて、優れた高温クリープ強さを維持すると同時に、
優れた靱性をも兼ね備えた12Cr 系耐熱鋼を提供し、
さらに、優れた高温クリープ強さと優れた靱性とを兼ね
備えた高低圧一体型タービンロータの製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明は、12Cr 系
耐熱鋼において、高温クリープ強さを低下させることな
く靱性を大幅に改善するために、従来の12Cr 系耐熱
鋼よりも、Ni 含有量を増加させ、Si 、Mn 、および
その他の不可避的不純物の含有量を低減させた、新規の
耐熱鋼である。その具体的な構成は、重量%で、C:
0.05〜0.2%、Ni :0.5〜1.5%、Cr :
8〜12%、Mo :0.5〜2%、V:0.1〜0.5
%、N:0.01〜0.08%を含有し、残部がFe お
よび不可避的不純物からなり、該不可避的不純物のう
ち、重量%でSi :0.1%以下、Mn :0.1%以
下、P:0.01%以下、S:0.005%以下を許容
含有量とする高純度耐熱鋼である。そして、第2の発明
は、前記組成に、重量%でNb :0.01〜0.15
%、Ta :0.01〜0.15%、B:0.005%〜
0.03%の一種又は二種以上を含有することを特徴と
する。
耐熱鋼において、高温クリープ強さを低下させることな
く靱性を大幅に改善するために、従来の12Cr 系耐熱
鋼よりも、Ni 含有量を増加させ、Si 、Mn 、および
その他の不可避的不純物の含有量を低減させた、新規の
耐熱鋼である。その具体的な構成は、重量%で、C:
0.05〜0.2%、Ni :0.5〜1.5%、Cr :
8〜12%、Mo :0.5〜2%、V:0.1〜0.5
%、N:0.01〜0.08%を含有し、残部がFe お
よび不可避的不純物からなり、該不可避的不純物のう
ち、重量%でSi :0.1%以下、Mn :0.1%以
下、P:0.01%以下、S:0.005%以下を許容
含有量とする高純度耐熱鋼である。そして、第2の発明
は、前記組成に、重量%でNb :0.01〜0.15
%、Ta :0.01〜0.15%、B:0.005%〜
0.03%の一種又は二種以上を含有することを特徴と
する。
【0005】さらに、第3の発明である、高純度耐熱鋼
からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法は、原
材料を溶解、精錬、造塊する工程と、前記造塊により得
られた請求項1または2記載の組成を有する高純度耐熱
鋼からなる鋼塊より所望形状のタービンローター素体に
鍛造成形する工程と、前記タービンロータ素体につい
て、980〜1120℃に加熱して焼入れする工程と、
前記焼入れされたタービンロータ素体に550℃〜70
0℃の焼戻しを1回以上施す工程とを具備することを特
徴とする。
からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法は、原
材料を溶解、精錬、造塊する工程と、前記造塊により得
られた請求項1または2記載の組成を有する高純度耐熱
鋼からなる鋼塊より所望形状のタービンローター素体に
鍛造成形する工程と、前記タービンロータ素体につい
て、980〜1120℃に加熱して焼入れする工程と、
前記焼入れされたタービンロータ素体に550℃〜70
0℃の焼戻しを1回以上施す工程とを具備することを特
徴とする。
【0006】第4の発明の高純度耐熱鋼からなる高低圧
一体型タービンロータの製造方法は、タービンロータ素
体について、蒸気タービンの稼働環境における高圧部お
よび中圧部に相当する部分を980〜1150℃、低圧
部に相当する部分を950〜1120℃で、かつ、低圧
部と高圧部との温度差が30〜80℃となるようにそれ
ぞれ加熱して焼入れする工程を有することを特徴とす
る。
一体型タービンロータの製造方法は、タービンロータ素
体について、蒸気タービンの稼働環境における高圧部お
よび中圧部に相当する部分を980〜1150℃、低圧
部に相当する部分を950〜1120℃で、かつ、低圧
部と高圧部との温度差が30〜80℃となるようにそれ
ぞれ加熱して焼入れする工程を有することを特徴とす
る。
【0007】
【作用】次に、本発明鋼で含有する各元素の作用と、そ
の限定理由について説明する。 C:0.05〜0.2% Cは、マルテンサイト変態を促進させるとともに、合金
中のFe 、Cr、Mo、V、Nb などと結合して炭化物を
形成し、室温引張強さおよび高温クリープ強さを向上さ
せる。しかし、C含有量が0.05%未満では充分な室
温引張強さ、高温クリープ強さが得られず、また、0.
2%を超えて含有させると、低温靱性が劣化し、さら
に、炭化物の粗大化が起こりやすくなり高温クリープ強
さも劣化するので、その含有量を0.05〜0.2%に
限定した。
の限定理由について説明する。 C:0.05〜0.2% Cは、マルテンサイト変態を促進させるとともに、合金
中のFe 、Cr、Mo、V、Nb などと結合して炭化物を
形成し、室温引張強さおよび高温クリープ強さを向上さ
せる。しかし、C含有量が0.05%未満では充分な室
温引張強さ、高温クリープ強さが得られず、また、0.
2%を超えて含有させると、低温靱性が劣化し、さら
に、炭化物の粗大化が起こりやすくなり高温クリープ強
さも劣化するので、その含有量を0.05〜0.2%に
限定した。
【0008】Ni :0.5〜1.5% Ni は本発明鋼において、靱性を向上させるが、高温ク
リープ強さを低下させる作用を有している。しかし、そ
の含有量が0.5%未満では靱性の向上が認められず、
また1.5%を超えて含有させると従来材と同等の高温
クリープ強さを維持することが難しくなるので、その含
有量を0.5%〜1.5%に限定した。
リープ強さを低下させる作用を有している。しかし、そ
の含有量が0.5%未満では靱性の向上が認められず、
また1.5%を超えて含有させると従来材と同等の高温
クリープ強さを維持することが難しくなるので、その含
有量を0.5%〜1.5%に限定した。
【0009】Cr :8〜12% Cr は、本発明鋼の主要構成成分であり、耐酸化性およ
び高温耐食性を高め、さらに、合金中に固溶して、合金
の強度を向上させるが、その含有量が8%未満では、充
分な耐酸化性や強度を得ることができず、12%を超え
て含有させると有害なデルタフェライトを生成し、低温
における延性、靱性および高温におけるクリープ強さを
低下させるので、その含有量を8〜12%に限定した。Mo :0.5〜2% Mo は、合金中に固溶し、低温および高温における強度
を高めるとともに、微細炭化物を形成し、高温クリープ
強さを向上させる。また、焼戻し脆化の抑制にも寄与す
る元素である。その含有量が0.5%未満ではその作用
効果が少なく、2%を超えて含有させると逆にクリープ
強さが低下するので、その含有量を0.5〜2%に限定
した。
び高温耐食性を高め、さらに、合金中に固溶して、合金
の強度を向上させるが、その含有量が8%未満では、充
分な耐酸化性や強度を得ることができず、12%を超え
て含有させると有害なデルタフェライトを生成し、低温
における延性、靱性および高温におけるクリープ強さを
低下させるので、その含有量を8〜12%に限定した。Mo :0.5〜2% Mo は、合金中に固溶し、低温および高温における強度
を高めるとともに、微細炭化物を形成し、高温クリープ
強さを向上させる。また、焼戻し脆化の抑制にも寄与す
る元素である。その含有量が0.5%未満ではその作用
効果が少なく、2%を超えて含有させると逆にクリープ
強さが低下するので、その含有量を0.5〜2%に限定
した。
【0010】V:0.1〜0.5% Vは、微細炭化物、炭窒化物を形成、高温クリープ強さ
を向上させるが、その含有量が0.1%未満ではその作
用効果が不十分であり、下限を0.1%とした。また、
0.5%を超えて含有させるとデルタフェライトを生成
し、高温クリープ強さが低下するのでその上限を0.5
%とした。N:0.01〜0.08% Nは、Nb 、Vなどと結合して窒化物を形成し、高温ク
リープ強さを向上させるが、その含有量が0.01%未
満では充分な強度、および高温クリープ強さを得ること
ができず、0.08%を超えて含有させると、鋼塊の製
造が困難となり、かつ熱間加工性が悪くなるので、その
含有量を0.01〜0.08%に限定した。
を向上させるが、その含有量が0.1%未満ではその作
用効果が不十分であり、下限を0.1%とした。また、
0.5%を超えて含有させるとデルタフェライトを生成
し、高温クリープ強さが低下するのでその上限を0.5
%とした。N:0.01〜0.08% Nは、Nb 、Vなどと結合して窒化物を形成し、高温ク
リープ強さを向上させるが、その含有量が0.01%未
満では充分な強度、および高温クリープ強さを得ること
ができず、0.08%を超えて含有させると、鋼塊の製
造が困難となり、かつ熱間加工性が悪くなるので、その
含有量を0.01〜0.08%に限定した。
【0011】Nb :0.01〜0.15% Nb は、微細炭化物、炭窒化物を形成し、高温クリープ
強さを向上させるとともに、結晶粒の微細化を促進し、
低温靱性を向上させるのに必要な元素であり、所望によ
り添加される。その作用効果を得るためには、少なくと
も0.01%含有させる必要がある。しかし、0.15
%を超えて含有させると、粗大な炭化物および炭窒化物
が析出し、靱性を低下させるため、その上限を0.15
%とした。Ta :0.01〜0.15% Ta はNb と同様の作用を有し、高温クリープ強さを向
上させるとともに、低温靱性の向上に寄与するので、所
望により添加する。その含有量が0.01%未満では、
上記作用効果が不十分であり、0.15%を超えて含有
させると、粗大な炭化物および炭窒化物が析出し、靱性
を低下させるため、その含有量を0.01〜0.15%
に限定した。なお、Nb と複合添加する場合には、Nb
+Ta の含有量を0.15%以下とするのが望ましい。
強さを向上させるとともに、結晶粒の微細化を促進し、
低温靱性を向上させるのに必要な元素であり、所望によ
り添加される。その作用効果を得るためには、少なくと
も0.01%含有させる必要がある。しかし、0.15
%を超えて含有させると、粗大な炭化物および炭窒化物
が析出し、靱性を低下させるため、その上限を0.15
%とした。Ta :0.01〜0.15% Ta はNb と同様の作用を有し、高温クリープ強さを向
上させるとともに、低温靱性の向上に寄与するので、所
望により添加する。その含有量が0.01%未満では、
上記作用効果が不十分であり、0.15%を超えて含有
させると、粗大な炭化物および炭窒化物が析出し、靱性
を低下させるため、その含有量を0.01〜0.15%
に限定した。なお、Nb と複合添加する場合には、Nb
+Ta の含有量を0.15%以下とするのが望ましい。
【0012】B:0.005%〜0.03% Bは微量添加で、焼入れ性が増大し、靱性を向上させる
とともに粒界の炭化物の析出凝集を抑え、高温クリープ
強さの向上に寄与するので、所望により添加される。そ
の含有量は0.005%未満では上記効果が不十分であ
り、0.03%を超えると高温クリープ延性が著しく低
下するため、その含有量を0.005〜0.03%に限
定した。
とともに粒界の炭化物の析出凝集を抑え、高温クリープ
強さの向上に寄与するので、所望により添加される。そ
の含有量は0.005%未満では上記効果が不十分であ
り、0.03%を超えると高温クリープ延性が著しく低
下するため、その含有量を0.005〜0.03%に限
定した。
【0013】不可避的不純物(Si :0.1%以下、M
n :0.1%以下、P:0.01%以下、S:0.00
5%以下) Si は、脱酸材として通常使用されるが、Si 含有量が
高いと、鋼塊内部の偏析が増加し、また、焼戻し脆化感
受性が極めて大となり切欠靱性が損なわれるため、極力
低減することが望ましい。現在、真空カーボン脱酸法な
どの適用により、Si 含有量を低減させているが、その
許容含有量を工業的に可能な精錬技術の限界を考慮して
0.1%以下に制限した。Mn は、溶解時の脱酸、脱硫
剤として一般的に使用されている。しかし、MnはSと
結合して、非金属介在物を形成し、靱性を低下させ、ま
た、Si と同様に焼戻し脆化感受性を増大させる作用が
ある。現在、炉外精錬などの精錬技術によりS量の低減
が容易となり、Mn を合金成分として添加する必要がな
くなってきている。本発明では、Mn を不可避的不純物
とし、その許容含有量を精錬技術の限界を考慮して0.
1%以下に制限した。
n :0.1%以下、P:0.01%以下、S:0.00
5%以下) Si は、脱酸材として通常使用されるが、Si 含有量が
高いと、鋼塊内部の偏析が増加し、また、焼戻し脆化感
受性が極めて大となり切欠靱性が損なわれるため、極力
低減することが望ましい。現在、真空カーボン脱酸法な
どの適用により、Si 含有量を低減させているが、その
許容含有量を工業的に可能な精錬技術の限界を考慮して
0.1%以下に制限した。Mn は、溶解時の脱酸、脱硫
剤として一般的に使用されている。しかし、MnはSと
結合して、非金属介在物を形成し、靱性を低下させ、ま
た、Si と同様に焼戻し脆化感受性を増大させる作用が
ある。現在、炉外精錬などの精錬技術によりS量の低減
が容易となり、Mn を合金成分として添加する必要がな
くなってきている。本発明では、Mn を不可避的不純物
とし、その許容含有量を精錬技術の限界を考慮して0.
1%以下に制限した。
【0014】Pは、焼戻し脆化感受性を増大させる元素
であり、経年劣化を減少させ、信頼性を向上させるため
には、極力減少させることが望ましく、その許容含有量
を精錬技術の限界を考慮して0.01%以下とした。な
お、さらに、0.005%以下とするのが望ましい。S
は、大型鋼塊においてV偏析および逆V偏析の生成傾向
を助長し、またMn、Nb 、V、Fe などと硫化物を形
成し、靱性を劣化させるので、とりべ精錬などにより極
力低減することが望ましく、その許容含有量を現状の精
錬技術の限界を考慮して0.005%以下とした。
であり、経年劣化を減少させ、信頼性を向上させるため
には、極力減少させることが望ましく、その許容含有量
を精錬技術の限界を考慮して0.01%以下とした。な
お、さらに、0.005%以下とするのが望ましい。S
は、大型鋼塊においてV偏析および逆V偏析の生成傾向
を助長し、またMn、Nb 、V、Fe などと硫化物を形
成し、靱性を劣化させるので、とりべ精錬などにより極
力低減することが望ましく、その許容含有量を現状の精
錬技術の限界を考慮して0.005%以下とした。
【0015】また、その他の不可避的不純物として、A
s 、Sn 、Sb が挙げられる。これらの不純物は、Pと
同様に焼戻し脆化感受性を増大させる元素であり、極力
低減することが望ましい。しかし、これらの不純物元素
は、原材料に付随して不可避的に混入するものであり、
精錬によって除去することは困難である。したがって、
原材料の厳選によるところが大きく、焼戻し脆化感受性
低減の見地からAs :0.008%以下、Sn :0.0
1%以下、Sb :0.005%以下とすることが望まし
い。
s 、Sn 、Sb が挙げられる。これらの不純物は、Pと
同様に焼戻し脆化感受性を増大させる元素であり、極力
低減することが望ましい。しかし、これらの不純物元素
は、原材料に付随して不可避的に混入するものであり、
精錬によって除去することは困難である。したがって、
原材料の厳選によるところが大きく、焼戻し脆化感受性
低減の見地からAs :0.008%以下、Sn :0.0
1%以下、Sb :0.005%以下とすることが望まし
い。
【0016】上記鋼種を用いて、本願発明の製造方法に
よりタービンロータを製造すれば、鋼塊は、焼入れ時の
加熱により組織はオ−ステナイト化され、焼入れでマル
テンサイト変態して十分な強度が得られ、さらに、焼戻
しによって靱性が向上する。上記焼入れ時の加熱温度
を、高、中圧部と、低圧部とで異ならせることにより、
高、中圧部では、高温クリープ強さの向上効果が大き
く、低圧部では靱性の向上効果が大きくなり、使用環境
に適した機械的特性が得られる。
よりタービンロータを製造すれば、鋼塊は、焼入れ時の
加熱により組織はオ−ステナイト化され、焼入れでマル
テンサイト変態して十分な強度が得られ、さらに、焼戻
しによって靱性が向上する。上記焼入れ時の加熱温度
を、高、中圧部と、低圧部とで異ならせることにより、
高、中圧部では、高温クリープ強さの向上効果が大き
く、低圧部では靱性の向上効果が大きくなり、使用環境
に適した機械的特性が得られる。
【0017】次ぎに、上記焼入れ時の加熱温度を限定し
た理由を述べる。焼入れ加熱温度 (均一に加熱する場合)加熱温度 :980〜1120℃ 高低圧一体型タービンロータを製造する際の熱処理にお
いて、全体を均一に加熱する場合に、焼入れ時のオース
テナイト化温度は、980℃未満では、十分な高温クリ
ープ強さが得られず、また1120℃を超えると、低温
靱性が低下することから上記範囲とする。
た理由を述べる。焼入れ加熱温度 (均一に加熱する場合)加熱温度 :980〜1120℃ 高低圧一体型タービンロータを製造する際の熱処理にお
いて、全体を均一に加熱する場合に、焼入れ時のオース
テナイト化温度は、980℃未満では、十分な高温クリ
ープ強さが得られず、また1120℃を超えると、低温
靱性が低下することから上記範囲とする。
【0018】(高中圧部と低圧部の加熱温度に差を設け
る場合)加熱温度 :高中圧部 980〜1150℃、低圧部 95
0〜1120℃、高中圧部温度−低圧部温度 30〜8
0℃ 高中圧部と、低圧部の加熱温度に差異を設ける場合に、
高中圧部のオーステナイト化温度は、980℃未満で
は、十分な高温クリープ強さが得られず、また1150
℃を超えると、高温での切欠弱化が認められるためこの
範囲とする。そして、低圧部のオーステナイト化温度
は、950℃未満では、フェライト相が生成しやすく、
低温の強度が十分に得られず、また、1120℃を超え
ると、オーステナイト結晶粒が粗大化してしまうため、
低温靱性が低下することから、この範囲とする。
る場合)加熱温度 :高中圧部 980〜1150℃、低圧部 95
0〜1120℃、高中圧部温度−低圧部温度 30〜8
0℃ 高中圧部と、低圧部の加熱温度に差異を設ける場合に、
高中圧部のオーステナイト化温度は、980℃未満で
は、十分な高温クリープ強さが得られず、また1150
℃を超えると、高温での切欠弱化が認められるためこの
範囲とする。そして、低圧部のオーステナイト化温度
は、950℃未満では、フェライト相が生成しやすく、
低温の強度が十分に得られず、また、1120℃を超え
ると、オーステナイト結晶粒が粗大化してしまうため、
低温靱性が低下することから、この範囲とする。
【0019】なお、高中圧部のオーステナイト化温度
は、低圧部のオーステナイト化温度よりも、30〜80
℃高い温度範囲で選ばれるが、その作用効果を得るため
には30℃以上の温度差を付ける必要がある。また、そ
の温度差が80℃を超えると製造が難しいため、その温
度範囲を30〜80℃に限定した。焼戻し温度:550〜700℃ 焼戻し温度については、550℃未満では十分な焼戻し
効果が得られず、従って良好な靱性が得られない。ま
た、700℃を超えた焼戻し温度では、所望の強度が得
られないため、焼戻し温度を550〜700℃と限定し
た。
は、低圧部のオーステナイト化温度よりも、30〜80
℃高い温度範囲で選ばれるが、その作用効果を得るため
には30℃以上の温度差を付ける必要がある。また、そ
の温度差が80℃を超えると製造が難しいため、その温
度範囲を30〜80℃に限定した。焼戻し温度:550〜700℃ 焼戻し温度については、550℃未満では十分な焼戻し
効果が得られず、従って良好な靱性が得られない。ま
た、700℃を超えた焼戻し温度では、所望の強度が得
られないため、焼戻し温度を550〜700℃と限定し
た。
【0020】
(実施例1)真空誘導加熱炉を用いて、表1に示す組成
を有する発明鋼と比較鋼の50kg鋼塊を溶製し、つい
で、1150℃に加熱後、ロータ軸材形状に鍛造した。
これらの鍛造材から、試験片素材を切り出し、実際のロ
ータ軸材の軸芯相当の熱履歴をシミュレーションした熱
処理を行った。すなわち1025℃で10時間保持後、
定速度で徐冷却して焼入れした後、600℃で1回目の
焼戻しを施し、さらに、650℃で2回目の焼戻しを施
し、供試材とした。供試鋼No.1〜8は、本発明鋼で
あり、供試鋼No.9〜12は、比較鋼である。そのう
ち、供試鋼NO.9は、従来材の12Cr 鋼成分であ
る。これらの供試材の材料試験結果を表2に示す。材料
試験結果より明らかなように、発明鋼は、高温クリープ
強さ、靱性ともに優れていた。これに対し、比較鋼は高
温クリープ強さと靱性の両方を満足することはできなか
った。
を有する発明鋼と比較鋼の50kg鋼塊を溶製し、つい
で、1150℃に加熱後、ロータ軸材形状に鍛造した。
これらの鍛造材から、試験片素材を切り出し、実際のロ
ータ軸材の軸芯相当の熱履歴をシミュレーションした熱
処理を行った。すなわち1025℃で10時間保持後、
定速度で徐冷却して焼入れした後、600℃で1回目の
焼戻しを施し、さらに、650℃で2回目の焼戻しを施
し、供試材とした。供試鋼No.1〜8は、本発明鋼で
あり、供試鋼No.9〜12は、比較鋼である。そのう
ち、供試鋼NO.9は、従来材の12Cr 鋼成分であ
る。これらの供試材の材料試験結果を表2に示す。材料
試験結果より明らかなように、発明鋼は、高温クリープ
強さ、靱性ともに優れていた。これに対し、比較鋼は高
温クリープ強さと靱性の両方を満足することはできなか
った。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】(実施例2)実施例1で示した発明鋼およ
び比較鋼を、実施例1と同様にして、溶製後、鍛造によ
り高低圧一体型のロータ軸材素体を得た。この素体のう
ち、使用時に高圧部、中圧部になる部分を1060℃に
加熱し、低圧部になる部分を1010℃に加熱して、焼
入れを行った。次いで、600℃で1回目の焼戻しを施
し、さらに、650℃で2回目の焼戻しを施して、供試
材を得た。この供試材を、高、中圧部と、低圧部とにつ
いてそれぞれ機械的特性を評価する試験を行い、その結
果を表3に示した。表3の結果から明らかなように、
高、中圧部は、優れた高温クリープ強さと、靱性を有し
ており、低圧部は、さらに優れた靱性が得られた。
び比較鋼を、実施例1と同様にして、溶製後、鍛造によ
り高低圧一体型のロータ軸材素体を得た。この素体のう
ち、使用時に高圧部、中圧部になる部分を1060℃に
加熱し、低圧部になる部分を1010℃に加熱して、焼
入れを行った。次いで、600℃で1回目の焼戻しを施
し、さらに、650℃で2回目の焼戻しを施して、供試
材を得た。この供試材を、高、中圧部と、低圧部とにつ
いてそれぞれ機械的特性を評価する試験を行い、その結
果を表3に示した。表3の結果から明らかなように、
高、中圧部は、優れた高温クリープ強さと、靱性を有し
ており、低圧部は、さらに優れた靱性が得られた。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高純度耐
熱鋼によれば、高温クリープ強さに優れ、さらに、靱性
の著しく良好な高純度耐熱鋼として、かかる特性が要求
される、高圧部と低圧部を一体化したタービンロータ軸
材などの耐熱材料として適用が可能である。また、焼戻
し脆化感受性に影響を及ぼす不純物元素含有量を低減さ
せることによって、より一層の信頼性が得られる。な
お、従来鋼よりも、優れた高温クリープ強さが得られる
ことから、本鋼種が高低圧一体型のロータ軸材のみなら
ず、比較的靱性を要求されない中圧、高圧、超高圧用の
ロータ軸材料などに適用の範囲が広がる効果もある。さ
らに、上記鋼種を用いて高低圧一体型タービンロータを
製造すれば、高温クリープ強さおよび靱性に優れたロー
タを得ることができる。そして、焼入れ温度を高、中圧
部と、低圧部とで異ならしめることにより、部位に応じ
て、適した機械的特性(高温クリープ強さ、靱性)が得
られる効果がある。
熱鋼によれば、高温クリープ強さに優れ、さらに、靱性
の著しく良好な高純度耐熱鋼として、かかる特性が要求
される、高圧部と低圧部を一体化したタービンロータ軸
材などの耐熱材料として適用が可能である。また、焼戻
し脆化感受性に影響を及ぼす不純物元素含有量を低減さ
せることによって、より一層の信頼性が得られる。な
お、従来鋼よりも、優れた高温クリープ強さが得られる
ことから、本鋼種が高低圧一体型のロータ軸材のみなら
ず、比較的靱性を要求されない中圧、高圧、超高圧用の
ロータ軸材料などに適用の範囲が広がる効果もある。さ
らに、上記鋼種を用いて高低圧一体型タービンロータを
製造すれば、高温クリープ強さおよび靱性に優れたロー
タを得ることができる。そして、焼入れ温度を高、中圧
部と、低圧部とで異ならしめることにより、部位に応じ
て、適した機械的特性(高温クリープ強さ、靱性)が得
られる効果がある。
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 高純度耐熱鋼、高純度耐熱鋼からなる
高低圧一体型タービンロータおよび高純度耐熱鋼からな
る高低圧一体型タービンロータの製造方法
高低圧一体型タービンロータおよび高純度耐熱鋼からな
る高低圧一体型タービンロータの製造方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【請求項4】 原材料を溶解、精錬、造塊する工程と、
前記造塊により得られた請求項1または2記載の組成を
有する高純度耐熱鋼からなる鋼塊より所望形状のタービ
ンローター素体に鍛造成形する工程と、前記タービンロ
ータ素体について、980〜1120℃に加熱して焼入
れする工程と、前記焼入れされたタービンロータ素体に
550℃〜700℃の焼戻しを1回以上施す工程とを具
備することを特徴とする高純度耐熱鋼からなる高低圧一
体型タービンロータの製造方法
前記造塊により得られた請求項1または2記載の組成を
有する高純度耐熱鋼からなる鋼塊より所望形状のタービ
ンローター素体に鍛造成形する工程と、前記タービンロ
ータ素体について、980〜1120℃に加熱して焼入
れする工程と、前記焼入れされたタービンロータ素体に
550℃〜700℃の焼戻しを1回以上施す工程とを具
備することを特徴とする高純度耐熱鋼からなる高低圧一
体型タービンロータの製造方法
【請求項5】 タービンロータ素体について、蒸気ター
ビンの稼働環境における高圧部および中圧部に相当する
部分を980〜1150℃、低圧部に相当する部分を9
50〜1120℃で、かつ、低圧部と高圧部との温度差
が30〜80℃となるようにそれぞれ加熱して焼入れす
る工程を有することを特徴とする請求項4記載の高純度
耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法
ビンの稼働環境における高圧部および中圧部に相当する
部分を980〜1150℃、低圧部に相当する部分を9
50〜1120℃で、かつ、低圧部と高圧部との温度差
が30〜80℃となるようにそれぞれ加熱して焼入れす
る工程を有することを特徴とする請求項4記載の高純度
耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、優れた高温クリープ
強さと靱性とを備えており、高圧部と低圧部とを一体化
した蒸気タービンのロータ軸等に用いられる高純度耐熱
鋼およびこの高純度耐熱鋼を用いた高低圧一体型タービ
ンロータならびにこの高低圧一体型タービンロータの製
造方法に関するものである。
強さと靱性とを備えており、高圧部と低圧部とを一体化
した蒸気タービンのロータ軸等に用いられる高純度耐熱
鋼およびこの高純度耐熱鋼を用いた高低圧一体型タービ
ンロータならびにこの高低圧一体型タービンロータの製
造方法に関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの材料
でも充分な高温クリープ強さを得ようとした場合、高靱
性を要求される低圧部の軸芯においては、破面遷移温度
を0℃以下にすることは達成できていない。そして、ま
た、12Cr 系耐熱鋼は、高温クリープ強さには優れて
いるものの、靱性が不足しているため、高圧ロータある
いは中圧ロータ用材料としてのみ使用されてきた。した
がって12Cr 系耐熱鋼では、例えば高低圧一体型ロー
タ用材料として用いた場合、高圧部に必要とされる高温
クリープ強さには優れているものの、低圧部において充
分な靱性が得られない。本発明は、12Cr 系耐熱鋼に
おいて、優れた高温クリープ強さを維持すると同時に、
優れた靱性をも兼ね備えた12Cr 系耐熱鋼を提供し、
さらに、優れた高温クリープ強さと優れた靱性とを兼ね
備えた高低圧一体型タービンロータとその製造方法を提
供することを目的とする。
でも充分な高温クリープ強さを得ようとした場合、高靱
性を要求される低圧部の軸芯においては、破面遷移温度
を0℃以下にすることは達成できていない。そして、ま
た、12Cr 系耐熱鋼は、高温クリープ強さには優れて
いるものの、靱性が不足しているため、高圧ロータある
いは中圧ロータ用材料としてのみ使用されてきた。した
がって12Cr 系耐熱鋼では、例えば高低圧一体型ロー
タ用材料として用いた場合、高圧部に必要とされる高温
クリープ強さには優れているものの、低圧部において充
分な靱性が得られない。本発明は、12Cr 系耐熱鋼に
おいて、優れた高温クリープ強さを維持すると同時に、
優れた靱性をも兼ね備えた12Cr 系耐熱鋼を提供し、
さらに、優れた高温クリープ強さと優れた靱性とを兼ね
備えた高低圧一体型タービンロータとその製造方法を提
供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】第2の発明の高低圧一体型タービンロータ
は、本発明の高純度耐熱鋼により構成されていることを
特徴とする。さらに、第4の発明である、高純度耐熱鋼
からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法は、原
材料を溶解、精錬、造塊する工程と、前記造塊により得
られた請求項1または2記載の組成を有する高純度耐熱
鋼からなる鋼塊より所望形状のタービンローター素体に
鍛造成形する工程と、前記タービンロータ素体につい
て、980〜1120℃に加熱して焼入れする工程と、
前記焼入れされたタービンロータ素体に550℃〜70
0℃の焼戻しを1回以上施す工程とを具備することを特
徴とする。
は、本発明の高純度耐熱鋼により構成されていることを
特徴とする。さらに、第4の発明である、高純度耐熱鋼
からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法は、原
材料を溶解、精錬、造塊する工程と、前記造塊により得
られた請求項1または2記載の組成を有する高純度耐熱
鋼からなる鋼塊より所望形状のタービンローター素体に
鍛造成形する工程と、前記タービンロータ素体につい
て、980〜1120℃に加熱して焼入れする工程と、
前記焼入れされたタービンロータ素体に550℃〜70
0℃の焼戻しを1回以上施す工程とを具備することを特
徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】第5の発明の高純度耐熱鋼からなる高低圧
一体型タービンロータの製造方法は、タービンロータ素
体について、蒸気タービンの稼働環境における高圧部お
よび中圧部に相当する部分を980〜1150℃、低圧
部に相当する部分を950〜1120℃で、かつ、低圧
部と高圧部との温度差が30〜80℃となるようにそれ
ぞれ加熱して焼入れする工程を有することを特徴とす
る。
一体型タービンロータの製造方法は、タービンロータ素
体について、蒸気タービンの稼働環境における高圧部お
よび中圧部に相当する部分を980〜1150℃、低圧
部に相当する部分を950〜1120℃で、かつ、低圧
部と高圧部との温度差が30〜80℃となるようにそれ
ぞれ加熱して焼入れする工程を有することを特徴とす
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B21K 3/04 6921−4E
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.05〜0.2%、N
i :0.5〜1.5%、Cr :8〜12%、Mo :0.
5〜2%、V:0.1〜0.5%、N:0.01〜0.
08%を含有し、残部がFe および不可避的不純物から
なり、該不可避的不純物のうち、重量%でSi :0.1
%以下、Mn :0.1%以下、P:0.01%以下、
S:0.005%以下を許容含有量とする高純度耐熱鋼 - 【請求項2】 請求項1記載の組成に、さらに重量%で
Nb :0.01〜0.15%、Ta :0.01〜0.1
5%、B:0.005%〜0.03%の一種又は二種以
上を含有する高純度耐熱鋼 - 【請求項3】 原材料を溶解、精錬、造塊する工程と、
前記造塊により得られた請求項1または2記載の組成を
有する高純度耐熱鋼からなる鋼塊より所望形状のタービ
ンローター素体に鍛造成形する工程と、前記タービンロ
ータ素体について、980〜1120℃に加熱して焼入
れする工程と、前記焼入れされたタービンロータ素体に
550℃〜700℃の焼戻しを1回以上施す工程とを具
備することを特徴とする高純度耐熱鋼からなる高低圧一
体型タービンロータの製造方法 - 【請求項4】 タービンロータ素体について、蒸気ター
ビンの稼働環境における高圧部および中圧部に相当する
部分を980〜1150℃、低圧部に相当する部分を9
50〜1120℃で、かつ、低圧部と高圧部との温度差
が30〜80℃となるようにそれぞれ加熱して焼入れす
る工程を有することを特徴とする請求項3記載の高純度
耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29781091A JPH05113106A (ja) | 1991-08-23 | 1991-10-19 | 高純度耐熱鋼および高純度耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23560591 | 1991-08-23 | ||
JP3-235605 | 1991-08-23 | ||
JP29781091A JPH05113106A (ja) | 1991-08-23 | 1991-10-19 | 高純度耐熱鋼および高純度耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05113106A true JPH05113106A (ja) | 1993-05-07 |
Family
ID=26532226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29781091A Pending JPH05113106A (ja) | 1991-08-23 | 1991-10-19 | 高純度耐熱鋼および高純度耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05113106A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0959747A (ja) * | 1995-08-25 | 1997-03-04 | Hitachi Ltd | 高強度耐熱鋳鋼,蒸気タービンケーシング,蒸気タービン発電プラント及び蒸気タービン |
WO1997030272A1 (fr) * | 1996-02-16 | 1997-08-21 | Hitachi, Ltd. | Installation de production d'energie par turbine a vapeur et cette turbine |
US6174132B1 (en) | 1994-02-22 | 2001-01-16 | Hitachi, Ltd. | Steam-turbine power plant and steam turbine |
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