JPH01230723A - タービンロータの製造方法 - Google Patents
タービンロータの製造方法Info
- Publication number
- JPH01230723A JPH01230723A JP5538688A JP5538688A JPH01230723A JP H01230723 A JPH01230723 A JP H01230723A JP 5538688 A JP5538688 A JP 5538688A JP 5538688 A JP5538688 A JP 5538688A JP H01230723 A JPH01230723 A JP H01230723A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- turbine rotor
- temperature
- toughness
- strength
- embrittlement
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の目的〕
(産業上の利用分野)
本発明はタービンロータの製造方法に係り、特に高温に
おけるクリープラブチャ強度に優れ、比較的低温におけ
る引張強度および靭性に優れた蒸気タービンロータの製
造方法に関する。
おけるクリープラブチャ強度に優れ、比較的低温におけ
る引張強度および靭性に優れた蒸気タービンロータの製
造方法に関する。
(従来の技術)
一般に蒸気タービンにおいては、使用蒸気条件に応じて
異なる材質のロータが用いられている。
異なる材質のロータが用いられている。
例えば、大型蒸気タービンにおいては高温・高圧側(た
とえば566℃近傍)で用いられるロータ材として、A
STM−A470 (class 8)に規定されてい
るように高温下ですぐれたクリープ破断強度を有するC
rMoV鋼が使用され、低圧側(たとえば350℃以下
)用ロータ材として、ASTM−A470 (C1as
s 2〜7)に規定されているような2.5%以上のN
iを有するNiCrMoVfv4が使用されている。そ
して、現状では、これら蒸気条件に対応した異なる材質
からなるロータを、各々機械的に接合して蒸気タービン
を構成している。
とえば566℃近傍)で用いられるロータ材として、A
STM−A470 (class 8)に規定されてい
るように高温下ですぐれたクリープ破断強度を有するC
rMoV鋼が使用され、低圧側(たとえば350℃以下
)用ロータ材として、ASTM−A470 (C1as
s 2〜7)に規定されているような2.5%以上のN
iを有するNiCrMoVfv4が使用されている。そ
して、現状では、これら蒸気条件に対応した異なる材質
からなるロータを、各々機械的に接合して蒸気タービン
を構成している。
一方、比較的小型の蒸気タービンにおいては、通常、高
圧側から低圧側まで同一材料からなる一本のロータによ
り構成した高低圧一体型ロータが用いられている。
圧側から低圧側まで同一材料からなる一本のロータによ
り構成した高低圧一体型ロータが用いられている。
(発明が解決しようとする課題)
ところで、従来の蒸気タービンロータには次のような問
題がある。すなわち、従来の大型蒸気タービンにおいて
は、異なる材質からなる複数本のロータを接合してター
ビンを構成するため、製造工程が複雑になるという問題
がある。
題がある。すなわち、従来の大型蒸気タービンにおいて
は、異なる材質からなる複数本のロータを接合してター
ビンを構成するため、製造工程が複雑になるという問題
がある。
また、小型蒸気タービンにおいて用いられている高低圧
一体型ロータ用材料としては、通常CrMoVfV4や
NiCrMoV鋼が用いられているが、従来使用されて
いるC r M o V鋼は引張強度の点で充分満足の
いくものではないため、低圧最終段に装着できる翼の大
きさが制限されるという問題がある。
一体型ロータ用材料としては、通常CrMoVfV4や
NiCrMoV鋼が用いられているが、従来使用されて
いるC r M o V鋼は引張強度の点で充分満足の
いくものではないため、低圧最終段に装着できる翼の大
きさが制限されるという問題がある。
さらに、従来のNiCrMoV鋼においては、引張強度
は優れているもののクリープ破断強度に欠け、また35
0℃以上の温度域においてぜい化が進行しやすいという
問題がある。
は優れているもののクリープ破断強度に欠け、また35
0℃以上の温度域においてぜい化が進行しやすいという
問題がある。
このため、従来のロータ材では、高温蒸気を使用しかつ
長尺の低圧最終段具を装着することにより蒸気タービン
の効率向上を図ろうとする場合に大きな制限がある。
長尺の低圧最終段具を装着することにより蒸気タービン
の効率向上を図ろうとする場合に大きな制限がある。
また、クリープ破断強度や靭性にすぐれ、しかも低温域
での引張強度にもすぐれたロータ材としては、既に12
Crft4が開発されているが、12Cr鋼は高価であ
るためこれをロータ材として用いると製造コストの増大
をもたらすという問題がある。
での引張強度にもすぐれたロータ材としては、既に12
Crft4が開発されているが、12Cr鋼は高価であ
るためこれをロータ材として用いると製造コストの増大
をもたらすという問題がある。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する
問題点を解消し、比較的低温の蒸気条件ドにおいて高い
引張強度および靭性を有し、かつ、高温条件下において
クリープ破断強度が大きく、ぜい化の少ない蒸気タービ
ンロータの製造方法を提供することにある。
問題点を解消し、比較的低温の蒸気条件ドにおいて高い
引張強度および靭性を有し、かつ、高温条件下において
クリープ破断強度が大きく、ぜい化の少ない蒸気タービ
ンロータの製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段)
上記目的を達成するために、本発明は、重量比で、C0
,10〜0.35%、Si0.35%以下、Mn 1
. 096以下、 Ni0.3〜2.5%、Cr1.5
〜3.5%、MO0.3〜1.5%、V0.05〜0.
30%、W0.1〜2.0%、さらに所望によりNb0
.01〜0.15%、Ta0.01〜0.15%、N0
.01〜0.10%、B0.002〜0.015%のい
ずれか1 f−i以上を含有するFe基合金で構成され
たタービンロータ形状素体を、1000−1150℃の
範囲の温度まで加熱して焼鈍した後4900〜970℃
の範囲の温度に加熱して焼入れ、さらに、600〜70
0℃の温度範囲で焼戻しすることを特徴とするものであ
る。
,10〜0.35%、Si0.35%以下、Mn 1
. 096以下、 Ni0.3〜2.5%、Cr1.5
〜3.5%、MO0.3〜1.5%、V0.05〜0.
30%、W0.1〜2.0%、さらに所望によりNb0
.01〜0.15%、Ta0.01〜0.15%、N0
.01〜0.10%、B0.002〜0.015%のい
ずれか1 f−i以上を含有するFe基合金で構成され
たタービンロータ形状素体を、1000−1150℃の
範囲の温度まで加熱して焼鈍した後4900〜970℃
の範囲の温度に加熱して焼入れ、さらに、600〜70
0℃の温度範囲で焼戻しすることを特徴とするものであ
る。
(作 用)
この製造方法を適用することにより、比較的低温の蒸気
条件下において高い引張強度および靭性を有し、かつ、
高温条件下においても大きなりリープ破断強度、少ない
ぜい化を達成した。
条件下において高い引張強度および靭性を有し、かつ、
高温条件下においても大きなりリープ破断強度、少ない
ぜい化を達成した。
次に、上記温度範囲を限定した理由について説明する。
焼鈍: 1000〜1150℃
焼鈍の目的は、粗大な炭化物を鋼の素地中に固溶させる
とともに、鍛造によって生ずる組織の不均一化を解消さ
せることにある。この目的を達成するには、ロータ素体
の肉厚1インチあたり1時間程度の間、1000℃以上
の温度を保持して、全体を均一に加熱することが必要で
ある。しかしながら、1150℃よりも高い温度に加熱
すると、逆にオーステナイト結晶粒が粗大化してしまい
、後の焼入れ、焼戻しの各工程を経ても靭性を十分に回
復するのが困難となる。したがって、1000〜115
0℃の温度範囲とし、上記目的が達成されたら徐冷する
こととした。
とともに、鍛造によって生ずる組織の不均一化を解消さ
せることにある。この目的を達成するには、ロータ素体
の肉厚1インチあたり1時間程度の間、1000℃以上
の温度を保持して、全体を均一に加熱することが必要で
ある。しかしながら、1150℃よりも高い温度に加熱
すると、逆にオーステナイト結晶粒が粗大化してしまい
、後の焼入れ、焼戻しの各工程を経ても靭性を十分に回
復するのが困難となる。したがって、1000〜115
0℃の温度範囲とし、上記目的が達成されたら徐冷する
こととした。
焼入れ=900〜970℃
焼入れの際にも、本鋼種の素地をオーステナイト化して
炭化物を素地中に固溶させることが必要であるが、すで
に焼鈍を経ているため、焼鈍時よりもやや低めの温度に
加熱するのが妥当である。
炭化物を素地中に固溶させることが必要であるが、すで
に焼鈍を経ているため、焼鈍時よりもやや低めの温度に
加熱するのが妥当である。
実験においては900℃未満では炭化物の固溶が十分で
なく、それによってラブチャ強度が低下することが確認
された。また、970℃よりも高いと結晶粒の粗大化が
認められ、それによって靭性が低下することが確認され
た。そこで、900〜970℃の温度とする。なお、加
熱後の保持時間は焼鈍の場合と同様に、ロータ素体の肉
厚1インチあたり1時間程度とし、タービンロータ素体
がなるべく均一な温度となるようにするのが望ましい。
なく、それによってラブチャ強度が低下することが確認
された。また、970℃よりも高いと結晶粒の粗大化が
認められ、それによって靭性が低下することが確認され
た。そこで、900〜970℃の温度とする。なお、加
熱後の保持時間は焼鈍の場合と同様に、ロータ素体の肉
厚1インチあたり1時間程度とし、タービンロータ素体
がなるべく均一な温度となるようにするのが望ましい。
焼入冷却速度に関しては、空冷あるいは必要に応じて、
油冷、水冷(水スプレー噴霧)とすることができる。
油冷、水冷(水スプレー噴霧)とすることができる。
焼戻し2600〜700℃
焼戻しは、焼入硬化した材料に靭性・延性を回復させる
ために行う処理であるが、本鋼種の場合600℃未満で
は十分な靭性が得られず、また700°Cを越えると逆
に軟化して、常温における引張強度が低下する。したが
って、上記温度範囲600〜700℃にて行うこととす
る。加熱保持時間は、強度と靭性・延性の十分なバラン
スがとれるような最適時間とする。
ために行う処理であるが、本鋼種の場合600℃未満で
は十分な靭性が得られず、また700°Cを越えると逆
に軟化して、常温における引張強度が低下する。したが
って、上記温度範囲600〜700℃にて行うこととす
る。加熱保持時間は、強度と靭性・延性の十分なバラン
スがとれるような最適時間とする。
次に、上記製造方法に好適なタービンロータ用鋼の組成
およびそれらの構成比を限定した理由につき説明する。
およびそれらの構成比を限定した理由につき説明する。
なお、数字は重量比である。
C:0.10〜0.35%
炭素は焼入性を向上し、また引張強度を高めるのに寄与
する元素であるが、本発明においては高温で地鉄中に固
溶してオーステナイト組織とし、さらに炭化物を形成す
るのに必要である。構成比は0.10%未満では好まし
くないフェライトが生成し、0.35%を越えると、靭
性が低下するため0.10〜0.35%とするが、好ま
しくは0.15〜0,30%である。
する元素であるが、本発明においては高温で地鉄中に固
溶してオーステナイト組織とし、さらに炭化物を形成す
るのに必要である。構成比は0.10%未満では好まし
くないフェライトが生成し、0.35%を越えると、靭
性が低下するため0.10〜0.35%とするが、好ま
しくは0.15〜0,30%である。
Si:0.35%以下
ケイ素は、溶解時に脱酸剤として添加されるが、多量に
添加するとその一部が酸化物として鋼中に残留し、靭性
に悪影響を及ぼす。したがって、添加量は0.35%以
下とするが、経年脆化をできるたけ抑制する意味から好
ましくは0.10%以下である。
添加するとその一部が酸化物として鋼中に残留し、靭性
に悪影響を及ぼす。したがって、添加量は0.35%以
下とするが、経年脆化をできるたけ抑制する意味から好
ましくは0.10%以下である。
Mn:1.0%以下
マンガンは、溶解時に脱硫剤として添加されるが、その
効果を得るためには、1.0%以下の添加量で十分であ
る。また、原材料を十分に選定したり、さらに炉外精練
等の工程を入れて、イオウを極低レベルに抑えた場合は
、マンガンによる脱硫作用は不要になるため、マンガン
は0.10%以下が好ましい。
効果を得るためには、1.0%以下の添加量で十分であ
る。また、原材料を十分に選定したり、さらに炉外精練
等の工程を入れて、イオウを極低レベルに抑えた場合は
、マンガンによる脱硫作用は不要になるため、マンガン
は0.10%以下が好ましい。
Ni:0.3〜2.5%
ニッケルは、鋼の焼入性を増し、引張強度や靭性を高め
るのに有効な元素であり、タービンロータとして必要な
引張強度を得るためには、0. 3%以上添加すること
が必要である。しかし、2.5%を越えて添加すると、
逆にクリープ破断強度の低下や、脆化が促進される傾向
があるので0.3〜2.5%とするが、好ましくは1.
0〜2.0%である。
るのに有効な元素であり、タービンロータとして必要な
引張強度を得るためには、0. 3%以上添加すること
が必要である。しかし、2.5%を越えて添加すると、
逆にクリープ破断強度の低下や、脆化が促進される傾向
があるので0.3〜2.5%とするが、好ましくは1.
0〜2.0%である。
Cr: 1.5〜3.5%
クロムは、鋼の焼入性を増し、引張強度を高めるのに有
効な元素であり、タービンロータとして必要な引張強度
を得るためには、1,5%以上添加することが必要であ
る。しかし、3.5%を越えて添加するとタービンロー
タのジャーナル特性が低下するので1,5〜3.5%と
するが、好ましくは2.0〜3.0%である。
効な元素であり、タービンロータとして必要な引張強度
を得るためには、1,5%以上添加することが必要であ
る。しかし、3.5%を越えて添加するとタービンロー
タのジャーナル特性が低下するので1,5〜3.5%と
するが、好ましくは2.0〜3.0%である。
Mo:0.3〜1.5%
モリブデンは、鋼の焼入性、引張強度ならびにクリープ
破断強さを高めるのに有効な元素であり、その効果を発
揮させるためには、0. 3%以上の添加が必要である
。しかし、1.5%を越えて添加すると靭性が低下する
ので0. 3〜1.5%とするが、好ましくは0.7〜
1.2%である。
破断強さを高めるのに有効な元素であり、その効果を発
揮させるためには、0. 3%以上の添加が必要である
。しかし、1.5%を越えて添加すると靭性が低下する
ので0. 3〜1.5%とするが、好ましくは0.7〜
1.2%である。
V:0.05〜0.30%
バナジウムは、鋼の焼入性、クリープ破断強さを高める
のに有効な元素であり、また、結晶粒の微細化を達成す
るのに効果がある。その効果を発揮させるためには0,
05%以上の添加が必要である。しかし、0.30%を
越えて添加すると、靭性が低下するので0.05〜0,
30%とするが、好ましくは、0.10〜0.25%で
ある。
のに有効な元素であり、また、結晶粒の微細化を達成す
るのに効果がある。その効果を発揮させるためには0,
05%以上の添加が必要である。しかし、0.30%を
越えて添加すると、靭性が低下するので0.05〜0,
30%とするが、好ましくは、0.10〜0.25%で
ある。
W:0.1〜2.0%
タングステンは、固溶体強化により、高温強度の向上に
必要な元素であるが、0.1%未満ではその効果は十分
でなく、また、2.0%を越えるとクリープ破断強度や
靭性を低下させるので、0.1〜2.0%とするが、好
ましくは、0.3〜1.0%である。
必要な元素であるが、0.1%未満ではその効果は十分
でなく、また、2.0%を越えるとクリープ破断強度や
靭性を低下させるので、0.1〜2.0%とするが、好
ましくは、0.3〜1.0%である。
さらに、上記成分に加えて、Nb、Ta、N、Bを添加
することにより、引張強度、靭性、クリープ破断強度を
さらに一層向上させることができる。以下に、各合金元
素の構成比を限定した理由につき説明する。
することにより、引張強度、靭性、クリープ破断強度を
さらに一層向上させることができる。以下に、各合金元
素の構成比を限定した理由につき説明する。
Nb: 0.01〜0,15%
ニオブは、結晶粒の微細化に効果のある元素であり、そ
の効果を発揮させるためには、0.01%以上の添加が
必要である。しかし、0.15%を越えて添加すると逆
に粗大な炭化物を形成して、靭性を低下させるので0.
01〜0.15%とするが、好ましくは、0,03〜0
.10%である。
の効果を発揮させるためには、0.01%以上の添加が
必要である。しかし、0.15%を越えて添加すると逆
に粗大な炭化物を形成して、靭性を低下させるので0.
01〜0.15%とするが、好ましくは、0,03〜0
.10%である。
Ta : 0.01〜0.1596
タンタルは、ニオブと同様の働きをする元素であり、0
.01〜0,15%とするが、好ましくは0,03〜0
.10%である。
.01〜0,15%とするが、好ましくは0,03〜0
.10%である。
N:0.01〜0.10%
窒素は、引張強度やクリープ破断強度を高めるのに有効
な元素であり、0.01〜0.10%添加とするが、好
ましくは0.03〜0.07%である。0.01%未満
では、その効果が乏しく、一方、0.10%を越えて添
加すると靭性が低下するので好ましくない。
な元素であり、0.01〜0.10%添加とするが、好
ましくは0.03〜0.07%である。0.01%未満
では、その効果が乏しく、一方、0.10%を越えて添
加すると靭性が低下するので好ましくない。
B: 0.002〜0.015%
ボロンは、焼入性を向上させるとともに、クリープ破断
強度を向上させるのに必要な元素で、その効果を得るた
めには0.002%以上の添加が必要であるが、逆に0
.015%を越えて添加すると、ロータ製造時に鍛造割
れが生じ易くなるので、この範囲とするが、好ましくは
0.003〜0.010%である。
強度を向上させるのに必要な元素で、その効果を得るた
めには0.002%以上の添加が必要であるが、逆に0
.015%を越えて添加すると、ロータ製造時に鍛造割
れが生じ易くなるので、この範囲とするが、好ましくは
0.003〜0.010%である。
なお、上記に含まれないFe以外のその他の付随的不純
物が含まれることがある。たとえばPlSなどであり、
通常の冶金的手段により除くことができない程度の量で
あるが、できるだけ少ない方が望ましい。
物が含まれることがある。たとえばPlSなどであり、
通常の冶金的手段により除くことができない程度の量で
あるが、できるだけ少ない方が望ましい。
(実施例)
本発明は、以下に示す実施例および比較例についての実
験結果からさらに明瞭に理解される。
験結果からさらに明瞭に理解される。
熱処理を行うべき試料は、第1表に示すような合金組成
となるよう配合した原料を電弧炉で溶製し、脱酸処理後
真空造塊を行った後、円柱状に鍛造してタービンロータ
形状素体のモデルとして形成したものである。
となるよう配合した原料を電弧炉で溶製し、脱酸処理後
真空造塊を行った後、円柱状に鍛造してタービンロータ
形状素体のモデルとして形成したものである。
このタービンロータ形状素体は、直径600mm、長さ
1.000mmで形成され、実際のタービンロータ形状
素体の一部をあられすモデルとして十分な大きさに形成
されている。かかるタービンロータ形状素体のモデルに
、第1表に記載したように、1〜■の熱処理を施した。
1.000mmで形成され、実際のタービンロータ形状
素体の一部をあられすモデルとして十分な大きさに形成
されている。かかるタービンロータ形状素体のモデルに
、第1表に記載したように、1〜■の熱処理を施した。
I〜■の熱処理は第1図に示され、ここでFCは炉冷を
、ACは空冷を示している。
、ACは空冷を示している。
第1表記載の合金組成と熱処理との組合せは、本発明の
実施例並びに参考に供するために行った比較例である。
実施例並びに参考に供するために行った比較例である。
すなわち、第1表の実施例1〜実施例7は、本発明の製
造方法に好適なタービンロータ用組成材に、1000〜
1150℃の温度からの焼鈍、900〜970℃の温度
からの焼入れ、および600〜700℃の温度での焼戻
しの一連の熱処理を施したものである。
造方法に好適なタービンロータ用組成材に、1000〜
1150℃の温度からの焼鈍、900〜970℃の温度
からの焼入れ、および600〜700℃の温度での焼戻
しの一連の熱処理を施したものである。
これに対し、比較例1は、単なる高温用CrMoV系鋼
であって本発明と相違する組成のものに、本発明よりも
焼入温度の高い従来より行われていた熱処理lを施した
ものである。比較例2は、比較例1と同等組成材を、本
発明に包含されうる熱処理■を施したものである。同様
に、比較例3は、単なる低温用N i CrMoV系鋼
であって、本発明と相違する組成のものに、本発明より
も焼入温度の低い従来より行われていた熱処理■を施し
たものである。また、比較例4は、比較例3と同様組成
材に対して本発明に包含されうる熱処理■を施したもの
である。
であって本発明と相違する組成のものに、本発明よりも
焼入温度の高い従来より行われていた熱処理lを施した
ものである。比較例2は、比較例1と同等組成材を、本
発明に包含されうる熱処理■を施したものである。同様
に、比較例3は、単なる低温用N i CrMoV系鋼
であって、本発明と相違する組成のものに、本発明より
も焼入温度の低い従来より行われていた熱処理■を施し
たものである。また、比較例4は、比較例3と同様組成
材に対して本発明に包含されうる熱処理■を施したもの
である。
こうして熱処理を施したタービンロータ形状素体のモデ
ルから試験片を切り出し、引張試験、衝撃試験、クリー
プ破断試験および脆化試験(ステップクール法)を行っ
た。
ルから試験片を切り出し、引張試験、衝撃試験、クリー
プ破断試験および脆化試験(ステップクール法)を行っ
た。
第2表は、常温における引張試験およびシャルピー衝撃
試験の結果を示すものである。
試験の結果を示すものである。
この表から、本発明に係る実施例1〜7は、比較例1〜
4に示す従来材と同等もしくはそれ以上の引張強度、耐
力、伸び、絞りを示し、比較的低い温度での機械的性質
を十分に備えていることが理解される。特に、比較例1
.2に比べると強度の向上が著しく、FATT (延性
−脆性破面遷移温度)も低圧タービンロータ材としての
比較例3に近く、低いものとなっている。なお、比較例
4は、従来の低圧タービンロータの組成材に対して、本
発明に係る高温の熱処理を施したものであるため、延性
・靭性が極端に低下している。
4に示す従来材と同等もしくはそれ以上の引張強度、耐
力、伸び、絞りを示し、比較的低い温度での機械的性質
を十分に備えていることが理解される。特に、比較例1
.2に比べると強度の向上が著しく、FATT (延性
−脆性破面遷移温度)も低圧タービンロータ材としての
比較例3に近く、低いものとなっている。なお、比較例
4は、従来の低圧タービンロータの組成材に対して、本
発明に係る高温の熱処理を施したものであるため、延性
・靭性が極端に低下している。
第3表は、試験温度600℃、負荷応力14kg f
/ mtA、17 kg f /m1r(7) 2種類
ツクリーフ破断試験を行った結果を示している。
/ mtA、17 kg f /m1r(7) 2種類
ツクリーフ破断試験を行った結果を示している。
この表において、本発明に係る実施例1〜7はいずれも
優れたクリープ破断強度を示し、従来の高温用タービン
ロータ材としての比較例1と比べても、遜色のない特性
を有している。また、他の比較例2〜4と比べると極め
てクリープ破断強度が優れている。さらに、クリープ延
性を示す伸び、絞りも十分満足しうる結果となっている
。
優れたクリープ破断強度を示し、従来の高温用タービン
ロータ材としての比較例1と比べても、遜色のない特性
を有している。また、他の比較例2〜4と比べると極め
てクリープ破断強度が優れている。さらに、クリープ延
性を示す伸び、絞りも十分満足しうる結果となっている
。
第4表は、長時間脆化に対する感受性を評価したもので
、各試験片を第2図に示すステップクール法と呼ばれる
熱処理で加速して脆化させた後、衝撃試験を行った結果
を示している。
、各試験片を第2図に示すステップクール法と呼ばれる
熱処理で加速して脆化させた後、衝撃試験を行った結果
を示している。
/
第4表
この表において、ΔFATTは、ステップクール法によ
って加速脆化させる前後のFATTの差を示し、脆化量
を示す指標となっている。すなわち、このΔFATTが
小さいほど脆化しにくい。
って加速脆化させる前後のFATTの差を示し、脆化量
を示す指標となっている。すなわち、このΔFATTが
小さいほど脆化しにくい。
本発明に係る実施例1〜7は、脆化量ΔFATTが小さ
く、またFATTが低いため、従来と同程度の環境下で
長期間使用することが可能になる。
く、またFATTが低いため、従来と同程度の環境下で
長期間使用することが可能になる。
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、低温
における強度、靭性に優れ、かつ高温におけるクリープ
破断強度に優れ、しかも脆化の少いタービンロータ形状
素体を得ることができる。
における強度、靭性に優れ、かつ高温におけるクリープ
破断強度に優れ、しかも脆化の少いタービンロータ形状
素体を得ることができる。
この素体により形成したタービンロータは低圧段側に長
翼のものとして使用可能であり、また高温蒸気環境下で
の使用も可能である。
翼のものとして使用可能であり、また高温蒸気環境下で
の使用も可能である。
第1図は、熱処理の工程を示す模式図、第2図は加速脆
化を行うための熱処理工程を示す模式図である。 1−V・・・熱処理の種類、FC・・・炉冷、AC・・
・空冷。 出1りh人代理人 佐 藤 −雄焼鈍 焼入
ボ 焼戻り 第 1 図
化を行うための熱処理工程を示す模式図である。 1−V・・・熱処理の種類、FC・・・炉冷、AC・・
・空冷。 出1りh人代理人 佐 藤 −雄焼鈍 焼入
ボ 焼戻り 第 1 図
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、重量比で、C 0.10〜0.35%、Si 0.
35%以下、Mn 1.0%以下、Ni 0.3〜2.
5%、Cr 1.5〜3.5%、Mo 0.3〜1.5
%、V 0.05〜0.30%、W 0.1〜2.0%
を含むFe基合金で構成されたタービンロータ形状素体
を、1000〜1150℃の範囲の温度まで加熱して焼
鈍した後、900〜970℃の範囲の温度に加熱して焼
入れ、さらに、600〜700℃の温度範囲で焼戻しす
ることを特徴とするタービンロータの製造方法。 2、前記タービンロータ形状素体には、さらに重量比で
、Nb 0.01〜0.15%、Ta0.01〜0.1
5%、N 0.01〜0.10%、B 0.002〜0
.015%のうちいずれか1種以上が含まれていること
を特徴とする請求項1記載のタービンロータの製造方法
。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5538688A JPH01230723A (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | タービンロータの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5538688A JPH01230723A (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | タービンロータの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01230723A true JPH01230723A (ja) | 1989-09-14 |
Family
ID=12997065
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5538688A Pending JPH01230723A (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | タービンロータの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01230723A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04120239A (ja) * | 1990-09-11 | 1992-04-21 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 高強度・高靭性低合金鋼 |
US5716468A (en) * | 1994-12-26 | 1998-02-10 | The Japan Steel Works, Ltd. | Process for producing high-and low-pressure integral-type turbine rotor |
US6224334B1 (en) | 1989-02-03 | 2001-05-01 | Hitachi, Ltd. | Steam turbine, rotor shaft thereof, and heat resisting steel |
WO2001042524A3 (en) * | 1999-12-07 | 2002-01-03 | Timken Co | Low carbon, low chromium carburizing high speed steels |
GB2386906A (en) * | 2002-03-26 | 2003-10-01 | Japan Steel Works Ltd | Heat resisting steels |
-
1988
- 1988-03-09 JP JP5538688A patent/JPH01230723A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6224334B1 (en) | 1989-02-03 | 2001-05-01 | Hitachi, Ltd. | Steam turbine, rotor shaft thereof, and heat resisting steel |
JPH04120239A (ja) * | 1990-09-11 | 1992-04-21 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 高強度・高靭性低合金鋼 |
US5716468A (en) * | 1994-12-26 | 1998-02-10 | The Japan Steel Works, Ltd. | Process for producing high-and low-pressure integral-type turbine rotor |
WO2001042524A3 (en) * | 1999-12-07 | 2002-01-03 | Timken Co | Low carbon, low chromium carburizing high speed steels |
US6702981B2 (en) | 1999-12-07 | 2004-03-09 | The Timken Company | Low-carbon, low-chromium carburizing high speed steels |
GB2386906A (en) * | 2002-03-26 | 2003-10-01 | Japan Steel Works Ltd | Heat resisting steels |
GB2386906B (en) * | 2002-03-26 | 2004-09-22 | Japan Steel Works Ltd | Heat-resisting steel and method of manufacturing the same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH10265909A (ja) | 高靭性耐熱鋼、タービンロータ及びその製造方法 | |
JP2011042812A (ja) | 強靭性に優れた鍛鋼品の製造法 | |
JPS616257A (ja) | 12%Cr耐熱鋼 | |
JP2006022343A (ja) | 耐熱鋼とそれを用いた蒸気タービン用ロータシャフト及び蒸気タービン並びに蒸気タービン発電プラント | |
JP5318763B2 (ja) | 低温靭性鋼を製造するための方法 | |
JPH04147948A (ja) | 高温蒸気タービン用ロータシヤフト | |
US6106766A (en) | Material for gas turbine disk | |
JPH01230723A (ja) | タービンロータの製造方法 | |
JPS616256A (ja) | 12%Cr耐熱鋼 | |
JP2001073092A (ja) | 高温強度および靱性に優れた9〜12%Cr系耐熱鋼、およびその製造方法 | |
JP5981357B2 (ja) | 耐熱鋼および蒸気タービン構成部品 | |
JPS60224766A (ja) | 蒸気タ−ビンロ−タ | |
JPH05113106A (ja) | 高純度耐熱鋼および高純度耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法 | |
JPH02145749A (ja) | タービンロータ | |
JPH1112693A (ja) | 耐熱鋼 | |
JPS63157839A (ja) | 蒸気タ−ビンロ−タ | |
JPS6338420B2 (ja) | ||
JPS63145750A (ja) | タ−ビンロ−タ用低合金鋼 | |
JP2001049398A (ja) | 高靭性耐熱鋼およびタービンロータの製造方法 | |
JPH0219425A (ja) | タービンロータの製造方法 | |
JP3546127B2 (ja) | 高低圧一体型ロータ用高強度耐熱鋼及びタービンロータ | |
JP2004018897A (ja) | 高クロム合金鋼及びそれを使用したタービンロータ | |
JP3245097B2 (ja) | 高温用蒸気タービンロータ材 | |
JPH11217655A (ja) | 高強度耐熱鋼およびその製造方法 | |
JPS6017016A (ja) | タ−ビンロ−タの熱処理方法 |