JPH05101907A - 電力用遮断器および電力用抵抗体 - Google Patents
電力用遮断器および電力用抵抗体Info
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- JPH05101907A JPH05101907A JP4087574A JP8757492A JPH05101907A JP H05101907 A JPH05101907 A JP H05101907A JP 4087574 A JP4087574 A JP 4087574A JP 8757492 A JP8757492 A JP 8757492A JP H05101907 A JPH05101907 A JP H05101907A
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- H01H33/16—Impedances connected with contacts
- H01H33/165—Details concerning the impedances
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- H01C—RESISTORS
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- H01C7/10—Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material voltage responsive, i.e. varistors
- H01C7/105—Varistor cores
- H01C7/108—Metal oxide
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、投入抵抗ユニット5の小型、高性能
化により、遮断容量が大きく、遮断性能の安定した小型
の電力用遮断器1を提供しようとするものである。 【構成】酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分とし
てチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜
25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算
して0.5〜30モル%含む焼結体を有する抵抗体が組
み込まれた投入抵抗ユニット5を備えたことをことを特
徴とする。
化により、遮断容量が大きく、遮断性能の安定した小型
の電力用遮断器1を提供しようとするものである。 【構成】酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分とし
てチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜
25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算
して0.5〜30モル%含む焼結体を有する抵抗体が組
み込まれた投入抵抗ユニット5を備えたことをことを特
徴とする。
Description
[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力用遮断器および変
圧器、遮断器など電力機器等のサージの吸収に好適な電
力用抵抗体に関する。
圧器、遮断器など電力機器等のサージの吸収に好適な電
力用抵抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電力用の遮断器には、開閉時に発
生するサージを吸収したり遮断容量を増加させるために
遮断接点と並列に投入抵抗体が接続される。このような
目的に用いられる抵抗体として、従来、特開昭58−1
39401号公報に記載されているような炭素粒子分散
型セラミック抵抗体が用いられている。前記抵抗体は、
絶縁性の酸化アルミニウム結晶中に導電性のカーボン粉
末を分散させ、粘土で焼き固めたものである。前記抵抗
体は、100〜2500Ω・cmの抵抗率を有する。ま
た、前記抵抗体は、カーボン粉末の含有量を調整するこ
とで抵抗率を変化させることができる利点を有する。し
かしながら、前記抵抗体は気孔率が10〜30%と高く
緻密性に劣るため、以下の問題がある。
生するサージを吸収したり遮断容量を増加させるために
遮断接点と並列に投入抵抗体が接続される。このような
目的に用いられる抵抗体として、従来、特開昭58−1
39401号公報に記載されているような炭素粒子分散
型セラミック抵抗体が用いられている。前記抵抗体は、
絶縁性の酸化アルミニウム結晶中に導電性のカーボン粉
末を分散させ、粘土で焼き固めたものである。前記抵抗
体は、100〜2500Ω・cmの抵抗率を有する。ま
た、前記抵抗体は、カーボン粉末の含有量を調整するこ
とで抵抗率を変化させることができる利点を有する。し
かしながら、前記抵抗体は気孔率が10〜30%と高く
緻密性に劣るため、以下の問題がある。
【0003】すなわち、体積当りの熱容量が2J/cm
3 ・deg程度と小さいために、サージの吸収による発
熱に伴って温度が著しく上昇する。また、開閉サージ吸
収時にカーボン粉末間で放電を起こしたり、抵抗温度係
数が負であることから、貫通破壊し易くエネルギー耐量
が小さくなる。さらに、前記抵抗体を高い温度にさらす
と、抵抗値を制御している炭素粒子が酸化される。この
ため、大きな抵抗値変動を発生する。したがって、前述
した炭素粒子分散型セラミック抵抗体を用いた遮断器
は、抵抗体を格納するためのスペースが大きくなると共
に信頼性を確保するために遮断容量を低く抑える必要が
あった。
3 ・deg程度と小さいために、サージの吸収による発
熱に伴って温度が著しく上昇する。また、開閉サージ吸
収時にカーボン粉末間で放電を起こしたり、抵抗温度係
数が負であることから、貫通破壊し易くエネルギー耐量
が小さくなる。さらに、前記抵抗体を高い温度にさらす
と、抵抗値を制御している炭素粒子が酸化される。この
ため、大きな抵抗値変動を発生する。したがって、前述
した炭素粒子分散型セラミック抵抗体を用いた遮断器
は、抵抗体を格納するためのスペースが大きくなると共
に信頼性を確保するために遮断容量を低く抑える必要が
あった。
【0004】一方、近年の技術開発による遮断器の大容
量化に伴い、開閉サージ吸収用投入抵抗体の高性能化が
望まれている。このような要求に対応して、例えば特開
昭61−281501号公報には酸化亜鉛−酸化アルミ
ニウム系の電力用抵抗体が、特開昭63−55904号
公報には酸化亜鉛−酸化マグネシウム系の電力用抵抗体
が開示されている。このような電力用抵抗体は、比較的
大きなエネルギー耐量を有し、かつ抵抗温度係数が正の
ため熱暴走し難いなどの良好な特性を有することが記載
されている。しかしながら、前記各抵抗体は緻密性の高
い焼結体が得難い。製造安定性、雰囲気変化に対する安
定性も不十分である。さらに、単位体積当りの熱容量が
大きくとれない。その結果、前記各抵抗体を用いた遮断
器においても抵抗体を格納するためのスペースが大きく
なると共に信頼性を確保するために遮断容量を低く抑え
る必要があった。
量化に伴い、開閉サージ吸収用投入抵抗体の高性能化が
望まれている。このような要求に対応して、例えば特開
昭61−281501号公報には酸化亜鉛−酸化アルミ
ニウム系の電力用抵抗体が、特開昭63−55904号
公報には酸化亜鉛−酸化マグネシウム系の電力用抵抗体
が開示されている。このような電力用抵抗体は、比較的
大きなエネルギー耐量を有し、かつ抵抗温度係数が正の
ため熱暴走し難いなどの良好な特性を有することが記載
されている。しかしながら、前記各抵抗体は緻密性の高
い焼結体が得難い。製造安定性、雰囲気変化に対する安
定性も不十分である。さらに、単位体積当りの熱容量が
大きくとれない。その結果、前記各抵抗体を用いた遮断
器においても抵抗体を格納するためのスペースが大きく
なると共に信頼性を確保するために遮断容量を低く抑え
る必要があった。
【0005】なお、Solid−State Elec
tronics PergamonPress 6,1
11(1963),USP−2892988,USP−
2933586には酸化亜鉛系の抵抗体が開示されてい
る。これらの酸化亜鉛系の抵抗体は、酸化亜鉛に酸化ニ
ッケル(NiO)と酸化チタン(TiO2 )を含むセラ
ミックスにおいて、これら添加成分の含有量を変化させ
ることにより抵抗率を広範囲に調節することがで、さら
に抵抗温度係数を負から正の範囲に亘り変化させること
ができることが記載されている。しかしながら、これら
の抵抗体については電力用としての性能および適用、さ
らには投入抵抗体としての遮断器への適用に関する開示
はなされていない。
tronics PergamonPress 6,1
11(1963),USP−2892988,USP−
2933586には酸化亜鉛系の抵抗体が開示されてい
る。これらの酸化亜鉛系の抵抗体は、酸化亜鉛に酸化ニ
ッケル(NiO)と酸化チタン(TiO2 )を含むセラ
ミックスにおいて、これら添加成分の含有量を変化させ
ることにより抵抗率を広範囲に調節することがで、さら
に抵抗温度係数を負から正の範囲に亘り変化させること
ができることが記載されている。しかしながら、これら
の抵抗体については電力用としての性能および適用、さ
らには投入抵抗体としての遮断器への適用に関する開示
はなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、投入
抵抗ユニットの小型、高性能化により、遮断容量が大き
く、遮断性能の安定した小型の電力用遮断器を提供しよ
うとするものである。
抵抗ユニットの小型、高性能化により、遮断容量が大き
く、遮断性能の安定した小型の電力用遮断器を提供しよ
うとするものである。
【0007】本発明の別の目的は、単位体積当たりの熱
容量が大きく、抵抗率が適切な値であり、抵抗温度係数
が正でその絶対値が小さく、サージ吸収による抵抗値の
経時変化が小さい電力用抵抗体を提供しようとするもの
である。
容量が大きく、抵抗率が適切な値であり、抵抗温度係数
が正でその絶対値が小さく、サージ吸収による抵抗値の
経時変化が小さい電力用抵抗体を提供しようとするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に関わる電力用遮
断器、電力用抵抗体(1)〜電力用抵抗体(4)を以下
に詳細に説明する。
断器、電力用抵抗体(1)〜電力用抵抗体(4)を以下
に詳細に説明する。
【0009】電力用遮断器 この電力用遮断器は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分と
し、副成分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換
算して0.5〜25モル%、ニッケルを酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体を
有する抵抗体が組み込まれた投入抵抗ユニットを備えた
ことを特徴とするものである。かかる電力用遮断器を図
1〜図3を参照して説明する。
し、副成分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換
算して0.5〜25モル%、ニッケルを酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体を
有する抵抗体が組み込まれた投入抵抗ユニットを備えた
ことを特徴とするものである。かかる電力用遮断器を図
1〜図3を参照して説明する。
【0010】図1は、本発明に係わる遮断器の構成図で
ある。図2は、投入抵抗体を示す斜視図である。遮断器
1は、消弧室2内に配置され、主回路に接続された主接
点3を備えている。補助接点4は、前記主回路に前記主
接点3に対して並列に接続されている。投入抵抗ユニッ
ト5は、前記補助接点4に直列に接続されている。絶縁
操作ロッド6には、スイッチ7が取り付けられている。
前記スイッチ7は、前記絶縁操作ロッド6の操作により
前記主接点3との接続に先行して前記補助接点4に接続
させる。このような前記主接点3、前記絶縁操作ロッド
6および前記スイッチ7により消弧能力を有する主開閉
機構が構成される。前記補助接点4、前記絶縁操作ロッ
ド6および前記スイッチ7により消弧能力を有する補助
開閉機構が構成される。
ある。図2は、投入抵抗体を示す斜視図である。遮断器
1は、消弧室2内に配置され、主回路に接続された主接
点3を備えている。補助接点4は、前記主回路に前記主
接点3に対して並列に接続されている。投入抵抗ユニッ
ト5は、前記補助接点4に直列に接続されている。絶縁
操作ロッド6には、スイッチ7が取り付けられている。
前記スイッチ7は、前記絶縁操作ロッド6の操作により
前記主接点3との接続に先行して前記補助接点4に接続
させる。このような前記主接点3、前記絶縁操作ロッド
6および前記スイッチ7により消弧能力を有する主開閉
機構が構成される。前記補助接点4、前記絶縁操作ロッ
ド6および前記スイッチ7により消弧能力を有する補助
開閉機構が構成される。
【0011】前記投入抵抗ユニット5は、例えば図2に
示すように主に絶縁性支持棒8と、一対の導電性支持板
9a、9bと、複数の中空円筒状の抵抗体10と、弾性
体11とから構成されている。前記一対の導電性支持板
9a、9bは、前記支持棒8に嵌入されている。複数の
中空円筒状の抵抗体10は、前記支持板9a、9b間に
位置する前記支持棒8部分に嵌入されれている。前記弾
性体11は、前記一方(右端)の支持板9aと前記複数
の抵抗体10の間に配置されると共に、前記支持棒8に
嵌入されている。前記弾性体11は、前記複数の抵抗体
10に弾性力を付与してそれらを前記支持棒8に積層す
るために用いられる。ナット12a、12bは、前記支
持棒8の両端に螺合されている。前記ナット12a、1
2bは、前記支持板9a、9b間に配置された前記弾性
体11を押圧するために用いられる。前記絶縁性支持棒
8は、高強度、軽量化、易加工性などの理由から有機系
の材料が用いられる。一般に、投入抵抗体は開閉サージ
吸収時に温度上昇を生じる。このため、耐熱性が劣る前
記有機系材料からなる支持棒は強度を維持することが困
難になる。ただし、後述する組成の投入抵抗体は熱容量
が大きいために開閉サージ吸収時における温度上昇を一
定温度以下に抑制することが可能になる。その結果、前
記有機系材料からなる支持棒の使用が可能になる。ま
た、熱容量の大きな投入抵抗体ほど容積を小さくするこ
とが可能になる。
示すように主に絶縁性支持棒8と、一対の導電性支持板
9a、9bと、複数の中空円筒状の抵抗体10と、弾性
体11とから構成されている。前記一対の導電性支持板
9a、9bは、前記支持棒8に嵌入されている。複数の
中空円筒状の抵抗体10は、前記支持板9a、9b間に
位置する前記支持棒8部分に嵌入されれている。前記弾
性体11は、前記一方(右端)の支持板9aと前記複数
の抵抗体10の間に配置されると共に、前記支持棒8に
嵌入されている。前記弾性体11は、前記複数の抵抗体
10に弾性力を付与してそれらを前記支持棒8に積層す
るために用いられる。ナット12a、12bは、前記支
持棒8の両端に螺合されている。前記ナット12a、1
2bは、前記支持板9a、9b間に配置された前記弾性
体11を押圧するために用いられる。前記絶縁性支持棒
8は、高強度、軽量化、易加工性などの理由から有機系
の材料が用いられる。一般に、投入抵抗体は開閉サージ
吸収時に温度上昇を生じる。このため、耐熱性が劣る前
記有機系材料からなる支持棒は強度を維持することが困
難になる。ただし、後述する組成の投入抵抗体は熱容量
が大きいために開閉サージ吸収時における温度上昇を一
定温度以下に抑制することが可能になる。その結果、前
記有機系材料からなる支持棒の使用が可能になる。ま
た、熱容量の大きな投入抵抗体ほど容積を小さくするこ
とが可能になる。
【0012】前記投入抵抗ユニットに組み込まれた抵抗
体10は、図3、図4に示すように環状の焼結体13
と、前記焼結体13の両面に設けられた電極14と、前
記焼結体13の外周面および中空部の内周面に被覆され
た絶縁層15とから構成されている。前記焼結体13
は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分としてチ
タンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜25
モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算して
0.5〜30モル%含む組成を有する。
体10は、図3、図4に示すように環状の焼結体13
と、前記焼結体13の両面に設けられた電極14と、前
記焼結体13の外周面および中空部の内周面に被覆され
た絶縁層15とから構成されている。前記焼結体13
は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分としてチ
タンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜25
モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算して
0.5〜30モル%含む組成を有する。
【0013】前記電極14は、アルミニウムまたはニッ
ケルなどから形成されることが望ましい。
ケルなどから形成されることが望ましい。
【0014】前記絶縁層15は、前記焼結体13の側面
での沿面放電を防止するために設けられる。前記絶縁層
15は、樹脂又はガラスやガラスセラミックから形成す
ることが望ましい。
での沿面放電を防止するために設けられる。前記絶縁層
15は、樹脂又はガラスやガラスセラミックから形成す
ることが望ましい。
【0015】前記抵抗体10を構成する焼結体13の各
成分割合を限定したのは、次のような理由によるもので
ある。
成分割合を限定したのは、次のような理由によるもので
ある。
【0016】前記焼結体中のチタン量を酸化チタン(T
iO2 )に換算して0.5モル%未満にすると、抵抗温
度係数が負で、かつ抵抗温度係数の絶対値が大きくなる
ため、良好な特性を有する投入抵抗体を得ることができ
なくなる。一方、前記焼結体中のチタン量が酸化チタン
(TiO2 )に換算して25モル%を超えると、抵抗率
が105 Ω・cm以上と大きくなり、良好な特性を有す
る投入抵抗体を得ることができなくなる。より好ましい
チタン量は、酸化チタンに換算して1〜20モル%の範
囲である。
iO2 )に換算して0.5モル%未満にすると、抵抗温
度係数が負で、かつ抵抗温度係数の絶対値が大きくなる
ため、良好な特性を有する投入抵抗体を得ることができ
なくなる。一方、前記焼結体中のチタン量が酸化チタン
(TiO2 )に換算して25モル%を超えると、抵抗率
が105 Ω・cm以上と大きくなり、良好な特性を有す
る投入抵抗体を得ることができなくなる。より好ましい
チタン量は、酸化チタンに換算して1〜20モル%の範
囲である。
【0017】前記焼結体中のニッケル量を酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5モル%未満にすると、抵抗
率が約102 Ω・cm以下となり、良好な特性を有する
投入抵抗体を得ることができなくなる。一方、前記焼結
体中のニッケル量を酸化ニッケル(NiO)に換算して
30モル%範囲を超えると、単位体積当たりの熱容量は
大きくなるものの、抵抗率が105 Ω・cm以上と大き
くなり、同様に良好な特性を有する投入抵抗体を得るこ
とができなくなる。より好ましいニッケル量は、酸化ニ
ッケルに換算して1〜25モル%の範囲である。
(NiO)に換算して0.5モル%未満にすると、抵抗
率が約102 Ω・cm以下となり、良好な特性を有する
投入抵抗体を得ることができなくなる。一方、前記焼結
体中のニッケル量を酸化ニッケル(NiO)に換算して
30モル%範囲を超えると、単位体積当たりの熱容量は
大きくなるものの、抵抗率が105 Ω・cm以上と大き
くなり、同様に良好な特性を有する投入抵抗体を得るこ
とができなくなる。より好ましいニッケル量は、酸化ニ
ッケルに換算して1〜25モル%の範囲である。
【0018】前記抵抗体10は、例えば以下のような方
法により作製される。まず、酸化亜鉛粉末に所定量の酸
化チタン粉末および酸化ニッケル粉末を加え、水を加
え、ボールミル中で十分に混合する。得られた混合物を
乾燥後、バインダーを加え造粒し、金型により環状に形
成する。つづいて、成形体を電気炉により大気中100
0℃〜1500℃の温度で焼成する。次いで、焼結体の
両主面を研磨し、スパッタリング、溶射、焼き付けなど
の手段によりアルミニウムまたはニッケルからなる電極
を形成して酸化物抵抗体とする。前記抵抗体の外周面お
よび中空部の内周面は、必要に応じて樹脂系あるいは無
機系の絶縁層(高抵抗層)が焼き付けもしくは溶射等に
より形成される。
法により作製される。まず、酸化亜鉛粉末に所定量の酸
化チタン粉末および酸化ニッケル粉末を加え、水を加
え、ボールミル中で十分に混合する。得られた混合物を
乾燥後、バインダーを加え造粒し、金型により環状に形
成する。つづいて、成形体を電気炉により大気中100
0℃〜1500℃の温度で焼成する。次いで、焼結体の
両主面を研磨し、スパッタリング、溶射、焼き付けなど
の手段によりアルミニウムまたはニッケルからなる電極
を形成して酸化物抵抗体とする。前記抵抗体の外周面お
よび中空部の内周面は、必要に応じて樹脂系あるいは無
機系の絶縁層(高抵抗層)が焼き付けもしくは溶射等に
より形成される。
【0019】なお、前記抵抗体は基本的に前述した構成
成分が配合されていればよく、製造上および特性改善を
目的として必要に応じて他の添加物を含んでもよい。ま
た、前記抵抗体の構造は中空円筒の形状が好ましいが、
これに限定されるものではなく、遮断器の抵抗体を収納
するためのスペースに好適な形状にすればよい。例え
ば、図5に示すように抵抗体16は円板状の焼結体17
と、前記焼結体17の両面に設けられた電極18と、前
記焼結体17の外周面に被覆された絶縁層19とから構
成してもよい。
成分が配合されていればよく、製造上および特性改善を
目的として必要に応じて他の添加物を含んでもよい。ま
た、前記抵抗体の構造は中空円筒の形状が好ましいが、
これに限定されるものではなく、遮断器の抵抗体を収納
するためのスペースに好適な形状にすればよい。例え
ば、図5に示すように抵抗体16は円板状の焼結体17
と、前記焼結体17の両面に設けられた電極18と、前
記焼結体17の外周面に被覆された絶縁層19とから構
成してもよい。
【0020】電力用抵抗体(1) この電力用抵抗体は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分と
し、副成分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換
算して0.5〜25モル%、ニッケルを酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体
と、この焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極
とを備えた抵抗体において、前記焼結体破面の粒子の平
均粒径が3〜15μmであり、かつ前記粒子構造が複数
の粒子の集合物であることを特徴とするものである。こ
のような抵抗体は、例えば前述した図3、図4または図
5と同様な構造を有する。
し、副成分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換
算して0.5〜25モル%、ニッケルを酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体
と、この焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極
とを備えた抵抗体において、前記焼結体破面の粒子の平
均粒径が3〜15μmであり、かつ前記粒子構造が複数
の粒子の集合物であることを特徴とするものである。こ
のような抵抗体は、例えば前述した図3、図4または図
5と同様な構造を有する。
【0021】前記焼結体の構成成分を限定したのは、前
述した投入抵抗体で説明したのと同様な理由によるもの
である。また、前記チタン量は酸化チタンに換算して1
〜20モル%の範囲にすることがより好ましい。前記ニ
ッケル量は、酸化ニッケルに換算して1〜25モル%の
範囲にすることがより好ましい。
述した投入抵抗体で説明したのと同様な理由によるもの
である。また、前記チタン量は酸化チタンに換算して1
〜20モル%の範囲にすることがより好ましい。前記ニ
ッケル量は、酸化ニッケルに換算して1〜25モル%の
範囲にすることがより好ましい。
【0022】前記焼結体の破面では、図6に示す微粒子
構造を有する。前記粒子の平均粒径は、3〜15μmで
ある。前記破面を、例えばダイヤモンドスラリーで鏡面
研磨した後サーマルエッチングすると、図7に示すよう
に平均粒径0.2〜2μmの微細な粒子から構成されて
いることが観察される。つまり、前記焼結体は平均粒径
0.2〜2μmからなる微細な一次粒子と、さらにこれ
らの一次粒子が集合された平均粒径3〜15μmの二次
粒子(集合物)によって構成される微構造を有する。
構造を有する。前記粒子の平均粒径は、3〜15μmで
ある。前記破面を、例えばダイヤモンドスラリーで鏡面
研磨した後サーマルエッチングすると、図7に示すよう
に平均粒径0.2〜2μmの微細な粒子から構成されて
いることが観察される。つまり、前記焼結体は平均粒径
0.2〜2μmからなる微細な一次粒子と、さらにこれ
らの一次粒子が集合された平均粒径3〜15μmの二次
粒子(集合物)によって構成される微構造を有する。
【0023】前記焼結体の一次粒子、二次粒子の平均粒
径は、以下のような方法で測定される。前記焼結体の破
面、エッチング面どちらとも走査電子顕微鏡にて観察
し、写真撮影をする。写真内に任意のフレームを規定す
る。前記フレーム内の粒子の総数は、500個以上ある
ことが、誤差を少なくするためには望ましい。前記フレ
ーム内の粒子の総数を数える。この時、前記フレームに
重なった粒子の数は1/2個として数える。写真フレー
ム面積を縮尺から求め、粒子の総数で除して粒子1個当
たりの平均面積を求め、円の公式に基づいて平均直径を
算出する。これにフルマンの補正(平均粒径=平均直径
×1.5)を行い平均粒径を決定する。なお、緻密化が
不十分な焼結体については気孔も粒子として数えること
とする。
径は、以下のような方法で測定される。前記焼結体の破
面、エッチング面どちらとも走査電子顕微鏡にて観察
し、写真撮影をする。写真内に任意のフレームを規定す
る。前記フレーム内の粒子の総数は、500個以上ある
ことが、誤差を少なくするためには望ましい。前記フレ
ーム内の粒子の総数を数える。この時、前記フレームに
重なった粒子の数は1/2個として数える。写真フレー
ム面積を縮尺から求め、粒子の総数で除して粒子1個当
たりの平均面積を求め、円の公式に基づいて平均直径を
算出する。これにフルマンの補正(平均粒径=平均直径
×1.5)を行い平均粒径を決定する。なお、緻密化が
不十分な焼結体については気孔も粒子として数えること
とする。
【0024】前記焼結体破面の粒子の平均粒径を限定し
たのは、次のような理由によるものである。前記粒子の
平均粒径を3μm未満にすると、抵抗が大きくなり過ぎ
て良好な特性を有する電力用抵抗体を得ることができな
くなる。一方、前記粒子の平均粒径が15μmを超える
と繰り返しパルスの印加に際して亀裂が発生し易くな
り、抵抗変化率が大きくなるからである。
たのは、次のような理由によるものである。前記粒子の
平均粒径を3μm未満にすると、抵抗が大きくなり過ぎ
て良好な特性を有する電力用抵抗体を得ることができな
くなる。一方、前記粒子の平均粒径が15μmを超える
と繰り返しパルスの印加に際して亀裂が発生し易くな
り、抵抗変化率が大きくなるからである。
【0025】前記電力用抵抗体は、例えば以下のような
方法により作製される。
方法により作製される。
【0026】まず、酸化亜鉛粉末に所定量の酸化チタン
粉末および酸化ニッケル粉末を加え、さらに水を加え、
ボールミル中で十分に混合する。この混合物を乾燥後、
バインダーを加え造粒し、成形する。この時の成形圧力
は、焼結体の密度を高めるために200kg/cm2 以
上にすることが望ましい。200kg/cm2 未満の圧
力で成形すると、焼結体の相対密度が上がらず、単位体
積当たりの熱容量が低下する。
粉末および酸化ニッケル粉末を加え、さらに水を加え、
ボールミル中で十分に混合する。この混合物を乾燥後、
バインダーを加え造粒し、成形する。この時の成形圧力
は、焼結体の密度を高めるために200kg/cm2 以
上にすることが望ましい。200kg/cm2 未満の圧
力で成形すると、焼結体の相対密度が上がらず、単位体
積当たりの熱容量が低下する。
【0027】次いで、前記成形体を電気炉等により焼成
する。前記焼成は、空気または酸素ガスなどの酸化性雰
囲気中で行なわれる。前記焼成は、1000℃〜150
0℃の温度で行なうことが望ましい。焼成温度を100
0℃未満にすると、焼結が進まず、相対密度が低くな
る。その結果、抵抗体の単位体積当りの熱容量が小さく
なり、エネルギー耐量が小さくなる恐れがある。一方、
1500℃を超えると焼結体の成分元素、特にニッケル
成分の蒸発が著しくなる。蒸発による組成変動は特に焼
結体の表面に近いほど著しいため、焼結体内部に抵抗率
分布ができ、エネルギーを吸収発熱した際、温度分布が
生じて、熱応力によって焼結体が破壊される恐れがあ
る。また、前記焼成を50℃/hr以上の昇温速度で行
うことによって前述した図6に示す微粒子構造の焼結体
が形成される。特に、昇温速度は70℃/hr以上、よ
り好ましくは100℃/hr以上にすることが望まし
い。前記昇温速度を50℃/hr未満にすると、焼結が
進んで微細な一次粒子を焼結体中に生成することが困難
になり、例えば10μm以上の粒子のみになる。その結
果、使用を繰り返すと抵抗率の減少が著しくなる。
する。前記焼成は、空気または酸素ガスなどの酸化性雰
囲気中で行なわれる。前記焼成は、1000℃〜150
0℃の温度で行なうことが望ましい。焼成温度を100
0℃未満にすると、焼結が進まず、相対密度が低くな
る。その結果、抵抗体の単位体積当りの熱容量が小さく
なり、エネルギー耐量が小さくなる恐れがある。一方、
1500℃を超えると焼結体の成分元素、特にニッケル
成分の蒸発が著しくなる。蒸発による組成変動は特に焼
結体の表面に近いほど著しいため、焼結体内部に抵抗率
分布ができ、エネルギーを吸収発熱した際、温度分布が
生じて、熱応力によって焼結体が破壊される恐れがあ
る。また、前記焼成を50℃/hr以上の昇温速度で行
うことによって前述した図6に示す微粒子構造の焼結体
が形成される。特に、昇温速度は70℃/hr以上、よ
り好ましくは100℃/hr以上にすることが望まし
い。前記昇温速度を50℃/hr未満にすると、焼結が
進んで微細な一次粒子を焼結体中に生成することが困難
になり、例えば10μm以上の粒子のみになる。その結
果、使用を繰り返すと抵抗率の減少が著しくなる。
【0028】次いで、前記焼結体の両主面を研磨し、ス
パッタリング、溶射、焼き付けなどの手段によりアルミ
ニウムまたはニッケルなどからなる電極を形成して抵抗
体(酸化物抵抗体)を製造する。前記抵抗体の外周面お
よび中空部の内周面は、必要に応じて側面からの沿面放
電を防止するために樹脂系あるいは無機系の絶縁層(高
抵抗層)が焼き付けもしくは溶射等により形成される。
パッタリング、溶射、焼き付けなどの手段によりアルミ
ニウムまたはニッケルなどからなる電極を形成して抵抗
体(酸化物抵抗体)を製造する。前記抵抗体の外周面お
よび中空部の内周面は、必要に応じて側面からの沿面放
電を防止するために樹脂系あるいは無機系の絶縁層(高
抵抗層)が焼き付けもしくは溶射等により形成される。
【0029】電力用抵抗体(2) この電力用抵抗体は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分と
し、副成分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換
算して0.5〜15モル%、ニッケルを酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体
と、この焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極
を備えた抵抗体において、前記焼結体の表面が、(Zn
X Ni1-X )2 TiO4 、(0≦X≦1)であることを
特徴とするものである。このような抵抗体は、例えば前
述した図3、図4と同様な構造、または前述した図5と
同様な構造を有する。
し、副成分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換
算して0.5〜15モル%、ニッケルを酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体
と、この焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極
を備えた抵抗体において、前記焼結体の表面が、(Zn
X Ni1-X )2 TiO4 、(0≦X≦1)であることを
特徴とするものである。このような抵抗体は、例えば前
述した図3、図4と同様な構造、または前述した図5と
同様な構造を有する。
【0030】前記焼結体の構成成分を限定したのは、前
述した投入抵抗体で説明したのと同様な理由によるもの
である。また、前記チタン量は酸化チタンに換算して1
〜20モル%の範囲にすることがより好ましい。前記ニ
ッケル量は、酸化ニッケルに換算して1〜25モル%の
範囲にすることがより好ましい。
述した投入抵抗体で説明したのと同様な理由によるもの
である。また、前記チタン量は酸化チタンに換算して1
〜20モル%の範囲にすることがより好ましい。前記ニ
ッケル量は、酸化ニッケルに換算して1〜25モル%の
範囲にすることがより好ましい。
【0031】前記ZnO−TiO2 −NiO系の焼結体
は、空気中1050℃で反応させると、その構成相は
(ZnO−NiO)系固溶体(以下、ZnO相と称
す)、及び(Zn2 TiO4 −Ni2 TiO4 )系固溶
体(以下、スピネル型相と称す)になることが知られて
いる。このような反応は、例えばJ.Inorg.Nu
cl.Chem.,32,3474(1970)に記載
されている。前記構成相のうちスピネル型相は、スピネ
ル型構造をとり、全域固溶をする。すなわち、固溶体を
(ZnX Ni1-X )2 TiO4 と表記すると、xは0≦
x≦1をとる。前記固溶体の抵抗率は、前記ZnO相の
抵抗率より大きくなる。
は、空気中1050℃で反応させると、その構成相は
(ZnO−NiO)系固溶体(以下、ZnO相と称
す)、及び(Zn2 TiO4 −Ni2 TiO4 )系固溶
体(以下、スピネル型相と称す)になることが知られて
いる。このような反応は、例えばJ.Inorg.Nu
cl.Chem.,32,3474(1970)に記載
されている。前記構成相のうちスピネル型相は、スピネ
ル型構造をとり、全域固溶をする。すなわち、固溶体を
(ZnX Ni1-X )2 TiO4 と表記すると、xは0≦
x≦1をとる。前記固溶体の抵抗率は、前記ZnO相の
抵抗率より大きくなる。
【0032】前記電力用抵抗体は、例えば以下のような
方法により作製される。
方法により作製される。
【0033】まず、酸化亜鉛粉末に所定量の酸化チタン
粉末および酸化ニッケル粉末を加え、さらに所定濃度に
希釈した所定量の硝酸アルミニウム水溶液、水を加え、
ボールミル中で十分に混合する。この混合物を乾燥後、
バインダーを加え、造粒し、成形する。この時の成形圧
力は、前述した電力用抵抗体(1)で説明したように2
00kg/cm2 以上にすることが望ましい。
粉末および酸化ニッケル粉末を加え、さらに所定濃度に
希釈した所定量の硝酸アルミニウム水溶液、水を加え、
ボールミル中で十分に混合する。この混合物を乾燥後、
バインダーを加え、造粒し、成形する。この時の成形圧
力は、前述した電力用抵抗体(1)で説明したように2
00kg/cm2 以上にすることが望ましい。
【0034】次いで、前記成形体を電気炉等により焼成
する。この焼成は、前述した電力用抵抗体(1)で説明
したように空気または酸素ガスなどの酸化性雰囲気、1
000℃〜1500℃の温度で行なうことが望ましい。
する。この焼成は、前述した電力用抵抗体(1)で説明
したように空気または酸素ガスなどの酸化性雰囲気、1
000℃〜1500℃の温度で行なうことが望ましい。
【0035】前記焼成を空気中で行なった後に焼結体を
粉末X線回折すると、表面の構成相は図8に示すスペク
トルとなり、内部は図9に示すスペクトルとなる。表面
の構成相は、内部に比べ若干ZnO相(図8、図9中の
ピーク(1) )が少なくなるだけで、表面にスピネル相
(図8、図9中のピーク(2) )のみを形成することがで
きない。酸化亜鉛は、常圧下では1720℃で昇華する
ことが知られている。ただし、前記温度範囲(1000
〜1500℃)で焼成すると酸化亜鉛成分が若干蒸発す
るのみで、前述した図8、図9に示すように表面のZn
O相は内部に比べて若干少なくなるのみである。特に、
前記成形体の焼成を酸化マグネシウム粉末中で行なうこ
とにより、焼結体の表面に図10の粉末X線回折スペク
トルに示すように殆どスピネル相(図10中のピーク
(2))のみの構成相が形成される。これは、前記成形体
を酸化マグネシウム粉末で覆って焼成すると、蒸発した
酸化亜鉛成分と酸化マグネシウムが反応し、NaCl
型、またはウルツ鉱型の(ZnO−MgO)固溶体が生
成する。このため、焼結体表面近傍のZnO相の蒸発が
促進され、ZnO相はなくなって表面層はスピネル相の
みとなると考えられる。
粉末X線回折すると、表面の構成相は図8に示すスペク
トルとなり、内部は図9に示すスペクトルとなる。表面
の構成相は、内部に比べ若干ZnO相(図8、図9中の
ピーク(1) )が少なくなるだけで、表面にスピネル相
(図8、図9中のピーク(2) )のみを形成することがで
きない。酸化亜鉛は、常圧下では1720℃で昇華する
ことが知られている。ただし、前記温度範囲(1000
〜1500℃)で焼成すると酸化亜鉛成分が若干蒸発す
るのみで、前述した図8、図9に示すように表面のZn
O相は内部に比べて若干少なくなるのみである。特に、
前記成形体の焼成を酸化マグネシウム粉末中で行なうこ
とにより、焼結体の表面に図10の粉末X線回折スペク
トルに示すように殆どスピネル相(図10中のピーク
(2))のみの構成相が形成される。これは、前記成形体
を酸化マグネシウム粉末で覆って焼成すると、蒸発した
酸化亜鉛成分と酸化マグネシウムが反応し、NaCl
型、またはウルツ鉱型の(ZnO−MgO)固溶体が生
成する。このため、焼結体表面近傍のZnO相の蒸発が
促進され、ZnO相はなくなって表面層はスピネル相の
みとなると考えられる。
【0036】次いで、前記焼結体の両主面を研磨し、ス
パッタリング、溶射、焼き付けなどの手段によりアルミ
ニウムまたはニッケルなどからなる電極を形成して酸化
物直線抵抗体とする。前記抵抗体の外周面および中空部
の内周面は、必要に応じて側面からの沿面放電を防止す
るために樹脂系あるいは無機系の絶縁層(高抵抗層)が
焼き付けもしくは溶射等により形成される。
パッタリング、溶射、焼き付けなどの手段によりアルミ
ニウムまたはニッケルなどからなる電極を形成して酸化
物直線抵抗体とする。前記抵抗体の外周面および中空部
の内周面は、必要に応じて側面からの沿面放電を防止す
るために樹脂系あるいは無機系の絶縁層(高抵抗層)が
焼き付けもしくは溶射等により形成される。
【0037】電力用抵抗体(3) この電力用抵抗体は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分と
し、副成分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換
算して0.5〜15モル%、ニッケルを酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体
と、この焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極
とを備えた抵抗体において、前記焼結体はZnOもしく
はZnOとZn2 TiO4 にNiを固溶し、かつハロゲ
ンが0.01ppm〜1%含むものからなることを特徴
とするものである。このような抵抗体は、例えば前述し
た図3、図4と同様な構造、または前述した図5と同様
な構造を有する。
し、副成分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換
算して0.5〜15モル%、ニッケルを酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体
と、この焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極
とを備えた抵抗体において、前記焼結体はZnOもしく
はZnOとZn2 TiO4 にNiを固溶し、かつハロゲ
ンが0.01ppm〜1%含むものからなることを特徴
とするものである。このような抵抗体は、例えば前述し
た図3、図4と同様な構造、または前述した図5と同様
な構造を有する。
【0038】前記焼結体の構成成分を限定したのは、前
述した投入抵抗体で説明したのと同様な理由によるもの
である。また、前記チタン量は酸化チタンに換算して1
〜20モル%の範囲にすることがより好ましい。前記ニ
ッケル量は、酸化ニッケルに換算して1〜25モル%の
範囲にすることがより好ましい。
述した投入抵抗体で説明したのと同様な理由によるもの
である。また、前記チタン量は酸化チタンに換算して1
〜20モル%の範囲にすることがより好ましい。前記ニ
ッケル量は、酸化ニッケルに換算して1〜25モル%の
範囲にすることがより好ましい。
【0039】前記焼結体中に含まれるハロゲンは、種々
の形態で添加される。添加されるハロゲンとしては、例
えばZnF2 、ZnCl2 、ZnBr2 、ZnI2 、N
iF2 、NiCl2 ・6H2 O、TiF4 、TiO
F2 、AlF3 、AlOF等のZn、Ni、Tiもしく
はそれ以外の金属元素のハロゲン化物または酸ハロゲン
化物;HF、HCl、HBr、HI等のハロゲン化水素
またはこれらの溶液;SOCl2 、NH4 HF2 等のハ
ロゲン元素を含む有機もしくは無機化合物;ハロゲン単
体を用いることができる。
の形態で添加される。添加されるハロゲンとしては、例
えばZnF2 、ZnCl2 、ZnBr2 、ZnI2 、N
iF2 、NiCl2 ・6H2 O、TiF4 、TiO
F2 、AlF3 、AlOF等のZn、Ni、Tiもしく
はそれ以外の金属元素のハロゲン化物または酸ハロゲン
化物;HF、HCl、HBr、HI等のハロゲン化水素
またはこれらの溶液;SOCl2 、NH4 HF2 等のハ
ロゲン元素を含む有機もしくは無機化合物;ハロゲン単
体を用いることができる。
【0040】前記ハロゲン化物の添加にあたっては、焼
成中における蒸発を考慮して最終添加量(0.01pp
m〜1%)より多めにすることが望ましい。
成中における蒸発を考慮して最終添加量(0.01pp
m〜1%)より多めにすることが望ましい。
【0041】前記焼結体に含まれるハロゲン量を限定し
たのは、次のような理由によるものである。前記ハロゲ
ン量を0.01ppm未満にすると、焼成工程でのNi
の蒸発に起因する抵抗率低下を補償できなくなる。一
方、前記ハロゲン量が1%を超えると緻密な焼結体が得
られなくなり、さらに素子抵抗が高くなって良好な特性
を有する電力用抵抗体が得られなくなる。
たのは、次のような理由によるものである。前記ハロゲ
ン量を0.01ppm未満にすると、焼成工程でのNi
の蒸発に起因する抵抗率低下を補償できなくなる。一
方、前記ハロゲン量が1%を超えると緻密な焼結体が得
られなくなり、さらに素子抵抗が高くなって良好な特性
を有する電力用抵抗体が得られなくなる。
【0042】前記電力用抵抗体は、例えば以下のような
方法により作製される。
方法により作製される。
【0043】まず、酸化亜鉛と酸化ニッケルと酸化チタ
ン粉末の混合粉末にハロゲンの供給源としての既述した
化合物もしくは単体を微量添加し、更に水を加え、ボー
ルミル中で十分に混合する。この混合物を乾燥後、バイ
ンダーを加え、造粒し、成形する。この時の成形圧力
は、前述した電力用抵抗体(1)で説明したのと同様に
200kg/cm2 以上で行うことが望ましい。つづい
て、前記成形体を電気炉等により焼成する。この焼成
は、前述した電力抵抗体(1)で説明したのと同様、空
気または酸素ガスなどの酸化性雰囲気、1000℃〜1
500℃の温度で行なうことが望ましい。
ン粉末の混合粉末にハロゲンの供給源としての既述した
化合物もしくは単体を微量添加し、更に水を加え、ボー
ルミル中で十分に混合する。この混合物を乾燥後、バイ
ンダーを加え、造粒し、成形する。この時の成形圧力
は、前述した電力用抵抗体(1)で説明したのと同様に
200kg/cm2 以上で行うことが望ましい。つづい
て、前記成形体を電気炉等により焼成する。この焼成
は、前述した電力抵抗体(1)で説明したのと同様、空
気または酸素ガスなどの酸化性雰囲気、1000℃〜1
500℃の温度で行なうことが望ましい。
【0044】次いで、前記焼結体の両主面を研磨し、ス
パッタリング、溶射、焼き付けなどの手段によりアルミ
ニウムまたはニッケルなどからなる電極を形成して酸化
物直線抵抗体とする。前記抵抗体の外周面および中空部
の内周面は、必要に応じて側面からの沿面放電を防止す
るために樹脂系あるいは無機系の絶縁層(高抵抗層)が
焼き付けもしくは溶射等により形成される。
パッタリング、溶射、焼き付けなどの手段によりアルミ
ニウムまたはニッケルなどからなる電極を形成して酸化
物直線抵抗体とする。前記抵抗体の外周面および中空部
の内周面は、必要に応じて側面からの沿面放電を防止す
るために樹脂系あるいは無機系の絶縁層(高抵抗層)が
焼き付けもしくは溶射等により形成される。
【0045】電力用抵抗体(4) この電力用抵抗体は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分と
し、副成分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換
算して0.5〜15モル%、ニッケルを酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体
と、この焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極
とを備えた抵抗体において、前記焼結体は酸化亜鉛粒子
にチタンが酸化チタン(TiO2 )に換算して0.00
5〜0.1モル%固溶したものからなることを特徴とす
るものである。このような抵抗体は、例えば前述した図
3、図4と同様な構造、または前述した図5と同様な構
造を有する。
し、副成分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換
算して0.5〜15モル%、ニッケルを酸化ニッケル
(NiO)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体
と、この焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極
とを備えた抵抗体において、前記焼結体は酸化亜鉛粒子
にチタンが酸化チタン(TiO2 )に換算して0.00
5〜0.1モル%固溶したものからなることを特徴とす
るものである。このような抵抗体は、例えば前述した図
3、図4と同様な構造、または前述した図5と同様な構
造を有する。
【0046】前記焼結体の構成成分を限定したのは、前
述した投入抵抗体で説明したのと同様な理由によるもの
である。また、前記チタン量は酸化チタンに換算して1
〜20モル%の範囲にすることがより好ましい。前記ニ
ッケル量は、酸化ニッケルに換算して1〜25モル%の
範囲にすることがより好ましい。
述した投入抵抗体で説明したのと同様な理由によるもの
である。また、前記チタン量は酸化チタンに換算して1
〜20モル%の範囲にすることがより好ましい。前記ニ
ッケル量は、酸化ニッケルに換算して1〜25モル%の
範囲にすることがより好ましい。
【0047】前記ZnO粒子に対するTiの固溶量(T
iO2 換算)を前記範囲にしたのは、次のような理由に
よるものである。酸化チタンの固溶量を0.005モル
%未満にすると、電力用抵抗体の抵抗温度係数が負にな
る。一方、前記酸化チタンの固溶量が0.1モル%を超
えると電力用抵抗体の抵抗変化率が大きくなる。より好
ましいTiの固溶量(TiO2 換算)は、0.01〜
0.08モル%である。
iO2 換算)を前記範囲にしたのは、次のような理由に
よるものである。酸化チタンの固溶量を0.005モル
%未満にすると、電力用抵抗体の抵抗温度係数が負にな
る。一方、前記酸化チタンの固溶量が0.1モル%を超
えると電力用抵抗体の抵抗変化率が大きくなる。より好
ましいTiの固溶量(TiO2 換算)は、0.01〜
0.08モル%である。
【0048】前記電力用抵抗体は、例えば以下のような
方法により作製される。
方法により作製される。
【0049】まず、酸化亜鉛に所定量の酸化チタン粉末
および酸化ニッケル粉末を加え、さらに水を加え、粉砕
媒体として例えばジルコニアボールを用い、ボールミル
中で十分に粉砕混合する。この混合物を乾燥後、バイン
ダーを加え、造粒し、成形する。この時の成形圧力は、
前述した電力用抵抗体(1)で説明したのと同様に20
0kg/cm2 以上で行うことが望ましい。
および酸化ニッケル粉末を加え、さらに水を加え、粉砕
媒体として例えばジルコニアボールを用い、ボールミル
中で十分に粉砕混合する。この混合物を乾燥後、バイン
ダーを加え、造粒し、成形する。この時の成形圧力は、
前述した電力用抵抗体(1)で説明したのと同様に20
0kg/cm2 以上で行うことが望ましい。
【0050】次いで、前記成形体を電気炉等により焼成
する。この焼成は、前述した電力用抵抗体(1)で説明
したのと同様、空気または酸素ガスなどの酸化性雰囲
気、1000℃〜1500℃、より好ましくは1300
〜1500℃で行なうことが望ましい。また、前記焼成
は昇温速度を50℃/hr〜200℃/hr、最高温度
保持後の降温速度を20℃/hr〜300℃/hrと
し、その後急冷(炉中放冷)を行うことが望ましい。こ
のような焼成により、ZnO粒子にチタンが酸化チタン
(TiO2 )に換算して0.005〜0.1モル%固溶
した焼結体を得ることが可能になる。
する。この焼成は、前述した電力用抵抗体(1)で説明
したのと同様、空気または酸素ガスなどの酸化性雰囲
気、1000℃〜1500℃、より好ましくは1300
〜1500℃で行なうことが望ましい。また、前記焼成
は昇温速度を50℃/hr〜200℃/hr、最高温度
保持後の降温速度を20℃/hr〜300℃/hrと
し、その後急冷(炉中放冷)を行うことが望ましい。こ
のような焼成により、ZnO粒子にチタンが酸化チタン
(TiO2 )に換算して0.005〜0.1モル%固溶
した焼結体を得ることが可能になる。
【0051】次いで、前記焼結体の両主面を研磨し、ス
パッタリング、溶射、焼き付けなどの手段によりアルミ
ニウムまたはニッケルなどからなる電極を形成して酸化
物直線抵抗体とする。前記抵抗体の外周面および中空部
の内周面は、必要に応じて、側面からの沿面放電を防止
するために樹脂系あるいは無機系の絶縁層(高抵抗層)
が焼き付けもしくは溶射等により形成される。
パッタリング、溶射、焼き付けなどの手段によりアルミ
ニウムまたはニッケルなどからなる電極を形成して酸化
物直線抵抗体とする。前記抵抗体の外周面および中空部
の内周面は、必要に応じて、側面からの沿面放電を防止
するために樹脂系あるいは無機系の絶縁層(高抵抗層)
が焼き付けもしくは溶射等により形成される。
【0052】なお、前述した電力用遮断器の抵抗体およ
び電力用抵抗体(1)〜電力用抵抗体(4)の製造に際
し、原料混合時に硝酸アルミニウム水溶液の形でAlを
添加することを許容する。
び電力用抵抗体(1)〜電力用抵抗体(4)の製造に際
し、原料混合時に硝酸アルミニウム水溶液の形でAlを
添加することを許容する。
【0053】
【作用】本発明に係わる電力用遮断器は、酸化亜鉛(Z
nO)を主成分とし、副成分としてチタンを酸化チタン
(TiO2 )に換算して0.5〜25モル%、ニッケル
を酸化ニッケル(NiO)に換算して0.5〜30モル
%含む焼結体を有する抵抗体が組み込まれた投入抵抗ユ
ニットを備えている。このため、前記組成の抵抗体を有
する抵抗体によって、前記投入抵抗ユニットの小型、高
性能化を図ることができ、遮断容量の向上、遮断性能の
安定化および小型化を達成することができる。
nO)を主成分とし、副成分としてチタンを酸化チタン
(TiO2 )に換算して0.5〜25モル%、ニッケル
を酸化ニッケル(NiO)に換算して0.5〜30モル
%含む焼結体を有する抵抗体が組み込まれた投入抵抗ユ
ニットを備えている。このため、前記組成の抵抗体を有
する抵抗体によって、前記投入抵抗ユニットの小型、高
性能化を図ることができ、遮断容量の向上、遮断性能の
安定化および小型化を達成することができる。
【0054】また、本発明に係わる電力用抵抗体(1)
は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分としてチ
タンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜25
モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算して
0.5〜30モル%含有し、破面の粒子の平均粒径が3
〜15μmであり、かつ前記粒子構造が複数の粒子の集
合物からなる焼結体と、この焼結体の少なくとも上下端
面に形成された電極とを備えた構造になっている。この
ような抵抗体は、単位体積当たりの熱容量を大きくで
き、抵抗率を適当な範囲に設定できると共に抵抗温度係
数の絶対値を小さくでき、更にサージ吸収による抵抗率
の経時変化を抑制できる。
は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分としてチ
タンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜25
モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算して
0.5〜30モル%含有し、破面の粒子の平均粒径が3
〜15μmであり、かつ前記粒子構造が複数の粒子の集
合物からなる焼結体と、この焼結体の少なくとも上下端
面に形成された電極とを備えた構造になっている。この
ような抵抗体は、単位体積当たりの熱容量を大きくで
き、抵抗率を適当な範囲に設定できると共に抵抗温度係
数の絶対値を小さくでき、更にサージ吸収による抵抗率
の経時変化を抑制できる。
【0055】すなわち、遮断器が脱調投入されると、前
記遮断器に組み込まれた抵抗体には瞬時(約0.01
秒)に数1000kJのエネルギーが注入され、温度が
100℃以上上昇をする。その結果、抵抗体内部には熱
応力が発生する。従来の酸化亜鉛系抵抗体は、エネルギ
ー耐量が約500〜800J/cm3、また炭素粒子分
散型セラミック抵抗体は400ジュール/cm3 、とそ
れぞれ大きいため、破壊することはない。しかしなが
ら、焼結体の粒径は10μm前後の1次粒子のみからな
るため、熱応力によって焼結体の粒内及び粒界に亀裂が
発生し進展する。加熱冷却サイクルが繰り返されると、
亀裂はさらに進展し、焼結体の表面積が大きくなる。前
記従来の各抵抗体の表面抵抗は、印加される電界が大き
くなるほど体積抵抗がより小さくなる。このため、投入
回数と抵抗率変化率の関係は図11の特性線Bに示すよ
うに表面積の増加によって投入回数の増加に伴って抵抗
率が減少する。
記遮断器に組み込まれた抵抗体には瞬時(約0.01
秒)に数1000kJのエネルギーが注入され、温度が
100℃以上上昇をする。その結果、抵抗体内部には熱
応力が発生する。従来の酸化亜鉛系抵抗体は、エネルギ
ー耐量が約500〜800J/cm3、また炭素粒子分
散型セラミック抵抗体は400ジュール/cm3 、とそ
れぞれ大きいため、破壊することはない。しかしなが
ら、焼結体の粒径は10μm前後の1次粒子のみからな
るため、熱応力によって焼結体の粒内及び粒界に亀裂が
発生し進展する。加熱冷却サイクルが繰り返されると、
亀裂はさらに進展し、焼結体の表面積が大きくなる。前
記従来の各抵抗体の表面抵抗は、印加される電界が大き
くなるほど体積抵抗がより小さくなる。このため、投入
回数と抵抗率変化率の関係は図11の特性線Bに示すよ
うに表面積の増加によって投入回数の増加に伴って抵抗
率が減少する。
【0056】このようなことから、本発明に係わる電力
用抵抗体(1)は前記組成の焼結体をその破面の粒子
(二次粒子)の平均粒径が3〜15μmで、かつ前記粒
子構造が複数の粒子(一次粒子)の集合物からなる微構
造になっている。このため、前述した熱応力による亀裂
が発生しても、前記微細な一次粒子の粒界により亀裂の
進展を阻止することができる。その結果、図11の特性
線Aに示すように投入回数の増加に伴って抵抗率が減少
するのを著しく抑制することが可能になる。また、破壊
靭性値も前記微構造を持たせることで大きくすることが
できる。したがって、単位体積当たりの熱容量が大き
く、抵抗率が適切な範囲に設定される共に抵抗温度係数
の絶対値が小さく、更に抵抗率の経時変化が抑制された
電力用抵抗体を得ることができる。
用抵抗体(1)は前記組成の焼結体をその破面の粒子
(二次粒子)の平均粒径が3〜15μmで、かつ前記粒
子構造が複数の粒子(一次粒子)の集合物からなる微構
造になっている。このため、前述した熱応力による亀裂
が発生しても、前記微細な一次粒子の粒界により亀裂の
進展を阻止することができる。その結果、図11の特性
線Aに示すように投入回数の増加に伴って抵抗率が減少
するのを著しく抑制することが可能になる。また、破壊
靭性値も前記微構造を持たせることで大きくすることが
できる。したがって、単位体積当たりの熱容量が大き
く、抵抗率が適切な範囲に設定される共に抵抗温度係数
の絶対値が小さく、更に抵抗率の経時変化が抑制された
電力用抵抗体を得ることができる。
【0057】さらに、本発明に係わる電力用抵抗体
(2)は酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分とし
てチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜
25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算
して0.5〜30モル%含有し、表面が(ZnX Ni
1-X )2TiO4 (0≦X≦1)のスピネル相からなる
焼結体と、この焼結体の少なくとも上下端面に形成され
た電極とを備えた構造になっている。このため、表面抵
抗を大きくでき、沿面放電を抑制できる。しかも、単位
体積当たりの熱容量を大きくできる。また、抵抗率を適
切な範囲に設定できると共に抵抗温度係数の絶対値を小
さくでき、さらにサージ吸収による抵抗値の経時変化を
抑制することができる。
(2)は酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分とし
てチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜
25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算
して0.5〜30モル%含有し、表面が(ZnX Ni
1-X )2TiO4 (0≦X≦1)のスピネル相からなる
焼結体と、この焼結体の少なくとも上下端面に形成され
た電極とを備えた構造になっている。このため、表面抵
抗を大きくでき、沿面放電を抑制できる。しかも、単位
体積当たりの熱容量を大きくできる。また、抵抗率を適
切な範囲に設定できると共に抵抗温度係数の絶対値を小
さくでき、さらにサージ吸収による抵抗値の経時変化を
抑制することができる。
【0058】さらに、本発明に係わる電力用抵抗体
(3)は酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分とし
てチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜
25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算
して0.5〜30モル%含有し、前記ZnOもしくはZ
nOとZn2 TiO4 にNiを固溶し、かつハロゲンが
0.01ppm〜1%含む焼結体と、この焼結体の少な
くとも上下端面に形成された電極とを備えた構造になっ
ている。このため、前記ニッケルの蒸発による表面付近
での抵抗率減少を前記ハロゲンの蒸発による抵抗増加に
より補償して、抵抗率の不均一化を防止できる。その結
果、通電時における熱衝撃破壊や沿面放電の発生を大幅
に減少させて信頼性を著しく向上できる。
(3)は酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分とし
てチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜
25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算
して0.5〜30モル%含有し、前記ZnOもしくはZ
nOとZn2 TiO4 にNiを固溶し、かつハロゲンが
0.01ppm〜1%含む焼結体と、この焼結体の少な
くとも上下端面に形成された電極とを備えた構造になっ
ている。このため、前記ニッケルの蒸発による表面付近
での抵抗率減少を前記ハロゲンの蒸発による抵抗増加に
より補償して、抵抗率の不均一化を防止できる。その結
果、通電時における熱衝撃破壊や沿面放電の発生を大幅
に減少させて信頼性を著しく向上できる。
【0059】すなわち、本発明者らはZnOもしくはZ
nOとZn2 TiO4 にNiを固溶した焼結体を有する
抵抗体に瞬間大電力を投入した際の破壊現象および沿面
閃絡現象の原因を種々研究したところ、前記焼結体の抵
抗率の不均一化に起因することを究明した。前記焼結体
の抵抗率が不均一となる原因は、焼成時に焼結体の成分
であるニッケルが表面から蒸発してニッケル濃度が不均
一となることに起因することを見出した。これは、次ぎ
のような現象によるものと考えられる。
nOとZn2 TiO4 にNiを固溶した焼結体を有する
抵抗体に瞬間大電力を投入した際の破壊現象および沿面
閃絡現象の原因を種々研究したところ、前記焼結体の抵
抗率の不均一化に起因することを究明した。前記焼結体
の抵抗率が不均一となる原因は、焼成時に焼結体の成分
であるニッケルが表面から蒸発してニッケル濃度が不均
一となることに起因することを見出した。これは、次ぎ
のような現象によるものと考えられる。
【0060】焼結体の表面付近では、焼成前の粉末混合
比から想定される単位体積当りのニッケル濃度よりも実
際のニッケル濃度が低く、前記部分においては内部より
も抵抗率が低くなる。このため、焼結体の表面付近での
電流密度が内部での電流密度よりも大きくなる。その結
果、局部的な発熱が生じて熱衝撃に起因する焼結体の破
壊が起こると考えられる。
比から想定される単位体積当りのニッケル濃度よりも実
際のニッケル濃度が低く、前記部分においては内部より
も抵抗率が低くなる。このため、焼結体の表面付近での
電流密度が内部での電流密度よりも大きくなる。その結
果、局部的な発熱が生じて熱衝撃に起因する焼結体の破
壊が起こると考えられる。
【0061】また、焼結体の表面付近に低抵抗層が生じ
るために表面に沿って電流が流れ、それがトリガーとな
って沿面放電が起こり抵抗体の機能が損なわれると考え
られる。
るために表面に沿って電流が流れ、それがトリガーとな
って沿面放電が起こり抵抗体の機能が損なわれると考え
られる。
【0062】このようなことから、前記焼結体表面から
のニッケル成分の蒸発を抑制するために焼成温度を低く
することを試みた。しかしながら、焼成温度を低くする
と焼結体が緻密化し難くなる。
のニッケル成分の蒸発を抑制するために焼成温度を低く
することを試みた。しかしながら、焼成温度を低くする
と焼結体が緻密化し難くなる。
【0063】本発明者らは、焼結体の表面付近における
抵抗率の低下を防止するために焼結体をZnO、TiO
2 およびNiOを所定の配合比率で含み、前記ZnOも
しくはZnOとZn2 TiO4 にNiを固溶し、かつハ
ロゲンが0.01ppm〜1%含む組成とすることによ
って、次に説明するように表面付近の抵抗率の均一化を
図ることができることを見出した。
抵抗率の低下を防止するために焼結体をZnO、TiO
2 およびNiOを所定の配合比率で含み、前記ZnOも
しくはZnOとZn2 TiO4 にNiを固溶し、かつハ
ロゲンが0.01ppm〜1%含む組成とすることによ
って、次に説明するように表面付近の抵抗率の均一化を
図ることができることを見出した。
【0064】酸化亜鉛および酸化ニッケルの混合粉末等
にハロゲン化物を微量添加して焼成すると、ニッケルの
蒸発による表面付近での抵抗率が減少するものの、前記
ハロゲン化物も同様に蒸発してハロゲン化物が抜けた箇
所の抵抗率が上昇する。つまり、前記ニッケルの蒸発に
よる表面付近での抵抗率の減少は前記ハロゲン化物の蒸
発による抵抗増加で補償される形態をとることができ
る。このため、前記焼結体の表面抵抗率が場所によって
不均一化するのを防止できる。その結果、通電時におけ
る熱衝撃破壊や沿面放電の発生を大幅に減少させて信頼
性を著しく向上した電力用抵抗体を得ることができる。
にハロゲン化物を微量添加して焼成すると、ニッケルの
蒸発による表面付近での抵抗率が減少するものの、前記
ハロゲン化物も同様に蒸発してハロゲン化物が抜けた箇
所の抵抗率が上昇する。つまり、前記ニッケルの蒸発に
よる表面付近での抵抗率の減少は前記ハロゲン化物の蒸
発による抵抗増加で補償される形態をとることができ
る。このため、前記焼結体の表面抵抗率が場所によって
不均一化するのを防止できる。その結果、通電時におけ
る熱衝撃破壊や沿面放電の発生を大幅に減少させて信頼
性を著しく向上した電力用抵抗体を得ることができる。
【0065】さらに、本発明に係わる電力用抵抗体
(4)は酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分とし
てチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜
25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算
して0.5〜30モル%含み、前記酸化亜鉛粒子にチタ
ンが酸化チタン(TiO2 )に換算して0.005〜
0.1モル%固溶した焼結体と、この焼結体の少なくと
も上下端面に形成された電極とを備えた構造になってい
る。このため、単位体積当たりの熱容量が大きくでき、
抵抗温度係数が正でその絶対値が小さくでき、サージ吸
収による抵抗値の経時変化を小さくすることができる。
(4)は酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分とし
てチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜
25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(NiO)に換算
して0.5〜30モル%含み、前記酸化亜鉛粒子にチタ
ンが酸化チタン(TiO2 )に換算して0.005〜
0.1モル%固溶した焼結体と、この焼結体の少なくと
も上下端面に形成された電極とを備えた構造になってい
る。このため、単位体積当たりの熱容量が大きくでき、
抵抗温度係数が正でその絶対値が小さくでき、サージ吸
収による抵抗値の経時変化を小さくすることができる。
【0066】なお、前述した電力用遮断器の抵抗体およ
び電力用抵抗体(1)〜電力用抵抗体(4)においてN
iOに代えてCoOを添加しても同様な効果があること
を確認した。
び電力用抵抗体(1)〜電力用抵抗体(4)においてN
iOに代えてCoOを添加しても同様な効果があること
を確認した。
【0067】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0068】実施例1 まず、平均粒径0.2μmの酸化亜鉛(ZnO)粉末
に、平均粒径0.4μmの酸化ニッケル(NiO)と平
均粒径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン(Ti
O2 )を、モル比がZnO:NiO:TiO2 =75:
15:10となるように秤量した。前記原料粉末にバイ
ンダーを添加し、湿式で24時間混合した後、スプレー
ドライ法により、乾燥、造粒を行った。この造粒粉を、
圧力500kg/cm3 で金型成形して外径140m
m、内径40mm、高さ30mmの環状成形体を作製し
た。この成形体を、空気中1300℃で2時間保持し焼
成を行った。この焼結体の寸法は、外径120mm、内
径35mm、高さ25mmであった。前記焼結体の外周
面および中空部の内周面に、ホウケイ酸ガラス粉末を塗
布、焼き付けて絶縁層を形成した。その後、前記焼結体
の両端面を研削した後、両端面にアルミニウム電極を溶
射により形成することにより前述した図3および図4に
示す抵抗体9を製造した。
に、平均粒径0.4μmの酸化ニッケル(NiO)と平
均粒径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン(Ti
O2 )を、モル比がZnO:NiO:TiO2 =75:
15:10となるように秤量した。前記原料粉末にバイ
ンダーを添加し、湿式で24時間混合した後、スプレー
ドライ法により、乾燥、造粒を行った。この造粒粉を、
圧力500kg/cm3 で金型成形して外径140m
m、内径40mm、高さ30mmの環状成形体を作製し
た。この成形体を、空気中1300℃で2時間保持し焼
成を行った。この焼結体の寸法は、外径120mm、内
径35mm、高さ25mmであった。前記焼結体の外周
面および中空部の内周面に、ホウケイ酸ガラス粉末を塗
布、焼き付けて絶縁層を形成した。その後、前記焼結体
の両端面を研削した後、両端面にアルミニウム電極を溶
射により形成することにより前述した図3および図4に
示す抵抗体9を製造した。
【0069】得られた抵抗体の相対密度、室温での抵抗
率、抵抗温度係数、熱容量およびエネルギー耐量を調べ
た。なお、前記密度はアルキメデス法により測定した。
前記抵抗率および抵抗温度係数は、外表面と中心部と上
下面の中央に当たる部分から直径10mm、厚さ1mm
の微小片を切り出して両面にスパッタでアルミニウム電
極を形成し、疑似4端子法により測定した。ただし、抵
抗温度係数は常温の抵抗値と100℃の抵抗値の変化を
1℃あたりの変化率から求めた。その結果、相対密度は
98.0%、抵抗率は730Ωcm±20Ωcm、抵抗
温度係数は+0.38%/deg、熱容量は2.90J
/cc・deg、エネルギー耐量は780J/cm3 で
あった。
率、抵抗温度係数、熱容量およびエネルギー耐量を調べ
た。なお、前記密度はアルキメデス法により測定した。
前記抵抗率および抵抗温度係数は、外表面と中心部と上
下面の中央に当たる部分から直径10mm、厚さ1mm
の微小片を切り出して両面にスパッタでアルミニウム電
極を形成し、疑似4端子法により測定した。ただし、抵
抗温度係数は常温の抵抗値と100℃の抵抗値の変化を
1℃あたりの変化率から求めた。その結果、相対密度は
98.0%、抵抗率は730Ωcm±20Ωcm、抵抗
温度係数は+0.38%/deg、熱容量は2.90J
/cc・deg、エネルギー耐量は780J/cm3 で
あった。
【0070】前記抵抗体9を前述した図2に示すように
所定枚数積み重ね、前記各抵抗体9の中心部を貫通する
樹脂からなる絶縁性支柱棒7と弾性体10により支持
し、円筒状容器に収めて投入抵抗ニユット5を構成し
た。この投入抵抗ユニット5を図1に示すように組み込
んで電力用遮断器1を組み立てた。
所定枚数積み重ね、前記各抵抗体9の中心部を貫通する
樹脂からなる絶縁性支柱棒7と弾性体10により支持
し、円筒状容器に収めて投入抵抗ニユット5を構成し
た。この投入抵抗ユニット5を図1に示すように組み込
んで電力用遮断器1を組み立てた。
【0071】実施例1の遮断器について、従来の炭素粒
子分散型セラミックを焼結体とする低抗体を有する投入
抵抗ユニットを組み込んだ同定格の遮断器と比較した。
その結果、実施例1の遮断器は従来の遮断器に比べて、
体積としての縮小率で90%と小形化の効果が著しいも
のであった。さらに、遮断性能の安定性を調べるために
脱調投入相当のエネルギーを20回印加し、投入抵抗体
の抵抗率変化を調べた。その結果、10%以下であり、
十分に安定性の高いものであった。
子分散型セラミックを焼結体とする低抗体を有する投入
抵抗ユニットを組み込んだ同定格の遮断器と比較した。
その結果、実施例1の遮断器は従来の遮断器に比べて、
体積としての縮小率で90%と小形化の効果が著しいも
のであった。さらに、遮断性能の安定性を調べるために
脱調投入相当のエネルギーを20回印加し、投入抵抗体
の抵抗率変化を調べた。その結果、10%以下であり、
十分に安定性の高いものであった。
【0072】実施例2〜12 平均粒径0.2μmの酸化亜鉛(ZnO)、平均粒径
0.4μmの酸化ニッケル(NiO)、平均粒径0.2
μmの酸化チタン(TiO2 )の混合比を下記表1に示
すように変えて種々の組成の焼結体を有する11種の抵
抗体を作製した。この抵抗体を実施例1と同様に遮断器
に組み立てた時のエネルギー耐量および体積縮小率を調
べた。その結果を同表1に併記した。
0.4μmの酸化ニッケル(NiO)、平均粒径0.2
μmの酸化チタン(TiO2 )の混合比を下記表1に示
すように変えて種々の組成の焼結体を有する11種の抵
抗体を作製した。この抵抗体を実施例1と同様に遮断器
に組み立てた時のエネルギー耐量および体積縮小率を調
べた。その結果を同表1に併記した。
【0073】 また、実施例2〜12の遮断器について実施例1と同
様に、脱調投入相当のエネルギーを20回印加した際の
安定性を調べた。その結果、投入抵抗ユニットの抵抗率
変化はいずれも10%以下であった。
様に、脱調投入相当のエネルギーを20回印加した際の
安定性を調べた。その結果、投入抵抗ユニットの抵抗率
変化はいずれも10%以下であった。
【0074】実施例13 まず、平均粒径0.2μmの酸化亜鉛(ZnO)粉末
に、平均粒径0.4μmの酸化ニッケル(NiO)と平
均粒径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン(Ti
O2 )を、モル比でZnO:NiO:TiO2 =75:
15:10となるように秤量した。この原料粉末を純水
中にてジルコニアボールミルで24時間湿式混合した。
純水を除去し、篩を通した後、5%のPVA水溶液を7
重量%添加し、再度、篩を通して造粒粉とした。この造
粒粉を、500kg/cm2 の圧力で金型成形して直径
140mm、高さ30mmの円板状成形体を作製した。
この成形体を、空気中500℃で24時間脱バインダー
し、脱脂体を得た。この脱脂体を、酸化マグネシウム焼
結体の匣に入れ、空気中で焼成した。温度プロファイル
は、100℃/時間で昇温し、1300℃で2時間保持
し、室温まで100℃/時間で降温した。得られた焼結
体の寸法は、直径120mm、高さ25mmであった。
に、平均粒径0.4μmの酸化ニッケル(NiO)と平
均粒径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン(Ti
O2 )を、モル比でZnO:NiO:TiO2 =75:
15:10となるように秤量した。この原料粉末を純水
中にてジルコニアボールミルで24時間湿式混合した。
純水を除去し、篩を通した後、5%のPVA水溶液を7
重量%添加し、再度、篩を通して造粒粉とした。この造
粒粉を、500kg/cm2 の圧力で金型成形して直径
140mm、高さ30mmの円板状成形体を作製した。
この成形体を、空気中500℃で24時間脱バインダー
し、脱脂体を得た。この脱脂体を、酸化マグネシウム焼
結体の匣に入れ、空気中で焼成した。温度プロファイル
は、100℃/時間で昇温し、1300℃で2時間保持
し、室温まで100℃/時間で降温した。得られた焼結
体の寸法は、直径120mm、高さ25mmであった。
【0075】前記焼結体の一つを機械的に破壊し、その
破面を鏡面研磨し、1100℃で30分サーマルエッチ
ングした。その結果、前記焼結体の一次粒子は平均粒径
で0.4μm、二次粒子は平均粒径で8μmであった。
破面を鏡面研磨し、1100℃で30分サーマルエッチ
ングした。その結果、前記焼結体の一次粒子は平均粒径
で0.4μm、二次粒子は平均粒径で8μmであった。
【0076】次いで、前記焼結体の外周面にホウケイ酸
ガラス粉末を塗布した後、焼き付けて、絶縁層を形成し
た。その後、前記焼結体の両端面を研削加工し、洗浄後
に端面にアルミニウム電極を溶射により形成することに
より前述した図5に示す抵抗体を製造した。
ガラス粉末を塗布した後、焼き付けて、絶縁層を形成し
た。その後、前記焼結体の両端面を研削加工し、洗浄後
に端面にアルミニウム電極を溶射により形成することに
より前述した図5に示す抵抗体を製造した。
【0077】本実施例13の抵抗体は、相対密度98.
0%、室温での抵抗率730Ωcm±20Ωcm、抵抗
値16.4±0.5Ω、抵抗温度係数+0.38%/d
eg、熱容量2.90±0.4J/cc・deg、エネ
ルギー耐量780J/cm3 であった。
0%、室温での抵抗率730Ωcm±20Ωcm、抵抗
値16.4±0.5Ω、抵抗温度係数+0.38%/d
eg、熱容量2.90±0.4J/cc・deg、エネ
ルギー耐量780J/cm3 であった。
【0078】また、前記抵抗体を遮断器の投入抵抗とし
て使用し、脱調投入すると、投入抵抗器にはエネルギー
が注入され、抵抗体の温度は上昇した。本実施例13の
抵抗体では、230J/cm3 までエネルギー注入を行
っても、前記温度上昇を80℃以内に抑えることが可能
である。さらに、前記エネルギー注入(230J/cm
3 )を20回繰り返した。その結果、抵抗率は660Ω
cm±30Ωcmとなり、使用前からの抵抗率の変化は
10%程度と極めて小さいものであった。
て使用し、脱調投入すると、投入抵抗器にはエネルギー
が注入され、抵抗体の温度は上昇した。本実施例13の
抵抗体では、230J/cm3 までエネルギー注入を行
っても、前記温度上昇を80℃以内に抑えることが可能
である。さらに、前記エネルギー注入(230J/cm
3 )を20回繰り返した。その結果、抵抗率は660Ω
cm±30Ωcmとなり、使用前からの抵抗率の変化は
10%程度と極めて小さいものであった。
【0079】比較例1 従来の炭素粒子分散型セラミック抵抗体(室温での抵抗
率500Ωcm、抵抗値11.4Ω、熱容量2.0J/c
m3 ・deg)を、実施例13と同様に遮断器の投入抵
抗体として使用した。前記投入抵抗体に脱調投入し、前
記抵抗体の温度上昇が80℃以内になる時の前記抵抗体
に注入できるエネルギーを測定した。その結果、160
J/cm3 で、実施例13の抵抗体の70%しか注入で
きなかった。したがって、投入抵抗器の大きさは実施例
13の抵抗体を使用した場合に比べて、体積にして1.
5倍も大きくしなければならない。投入抵抗器が大きく
なるため、遮断器も大きくなり、体積にして1.3倍、
据え付け面積にして1.1倍、重量にして1.2倍にも
なった。
率500Ωcm、抵抗値11.4Ω、熱容量2.0J/c
m3 ・deg)を、実施例13と同様に遮断器の投入抵
抗体として使用した。前記投入抵抗体に脱調投入し、前
記抵抗体の温度上昇が80℃以内になる時の前記抵抗体
に注入できるエネルギーを測定した。その結果、160
J/cm3 で、実施例13の抵抗体の70%しか注入で
きなかった。したがって、投入抵抗器の大きさは実施例
13の抵抗体を使用した場合に比べて、体積にして1.
5倍も大きくしなければならない。投入抵抗器が大きく
なるため、遮断器も大きくなり、体積にして1.3倍、
据え付け面積にして1.1倍、重量にして1.2倍にも
なった。
【0080】実施例14〜24 平均粒径0.2μmの酸化亜鉛(ZnO)、平均粒径
0.4μmの酸化ニッケル(NiO)、平均粒径0.2
μmの酸化チタン(TiO2 )の混合比を下記表2に示
すように変えて種々の組成の焼結体を有する11種の抵
抗体を作製した。
0.4μmの酸化ニッケル(NiO)、平均粒径0.2
μmの酸化チタン(TiO2 )の混合比を下記表2に示
すように変えて種々の組成の焼結体を有する11種の抵
抗体を作製した。
【0081】得られた実施例14〜24の抵抗体の諸特
性を測定した。その結果を下記表3に示す。なお、表3
の抵抗変化率は、230J/cm3 のエネルギー吸収を
20回繰り返した後の値である。
性を測定した。その結果を下記表3に示す。なお、表3
の抵抗変化率は、230J/cm3 のエネルギー吸収を
20回繰り返した後の値である。
【0082】 前記表3から明らかなように実施例14〜24の抵抗体
は、実施例13と同様に良好な特性を有することがわか
る。
は、実施例13と同様に良好な特性を有することがわか
る。
【0083】実施例25 まず、平均粒径0.2μmの酸化亜鉛(ZnO)粉末
に、平均粒径0.4μmの酸化ニッケル(NiO)と平
均粒径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン(Ti
O2 )を、モル比でZnO:NiO:TiO2 =75:
15:10となるように秤量した。この原料粉末を純水
中にてジルコニアボールミルで24時間湿式混合した。
純水を除去し、篩を通した後、5%のPVA水溶液を7
重量%添加し、再度、篩を通して造粒粉とした。この造
粒粉を500kg/cm2 の圧力で金型成形して直径1
40mm、高さ30mmの円板状成形体を作製した。こ
の成形体を、空気中500℃で24時間脱バインダー
し、脱脂体を得た。この脱脂体を、酸化マグネシウム焼
結体の匣に入れ、酸化マグネシウム粉末で覆い、空気中
で焼成した。焼成は、100℃/時間で昇温し、130
0℃で2時間保持し、室温まで100℃/時間で降温す
る温度プロファイルにより行った。得られた焼結体の寸
法は、直径120mm、高さ25mmであった。また、
前記焼結体表面の高抵抗層の抵抗率は、107 Ω/□以
上であった。
に、平均粒径0.4μmの酸化ニッケル(NiO)と平
均粒径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン(Ti
O2 )を、モル比でZnO:NiO:TiO2 =75:
15:10となるように秤量した。この原料粉末を純水
中にてジルコニアボールミルで24時間湿式混合した。
純水を除去し、篩を通した後、5%のPVA水溶液を7
重量%添加し、再度、篩を通して造粒粉とした。この造
粒粉を500kg/cm2 の圧力で金型成形して直径1
40mm、高さ30mmの円板状成形体を作製した。こ
の成形体を、空気中500℃で24時間脱バインダー
し、脱脂体を得た。この脱脂体を、酸化マグネシウム焼
結体の匣に入れ、酸化マグネシウム粉末で覆い、空気中
で焼成した。焼成は、100℃/時間で昇温し、130
0℃で2時間保持し、室温まで100℃/時間で降温す
る温度プロファイルにより行った。得られた焼結体の寸
法は、直径120mm、高さ25mmであった。また、
前記焼結体表面の高抵抗層の抵抗率は、107 Ω/□以
上であった。
【0084】次いで、前記焼結体の外周面にホウケイ酸
ガラス粉末を塗布した後、焼き付けて、絶縁層を形成し
た。その後、前記焼結体の両端面を研削加工し、洗浄後
に端面にアルミニウム電極を溶射により形成することに
より前述した図5に示す構造の抵抗体を製造した。
ガラス粉末を塗布した後、焼き付けて、絶縁層を形成し
た。その後、前記焼結体の両端面を研削加工し、洗浄後
に端面にアルミニウム電極を溶射により形成することに
より前述した図5に示す構造の抵抗体を製造した。
【0085】得られた抵抗体は、相対密度98.0%、
室温での抵抗率730Ωcm±20Ωcm、抵抗値1
6.4±0.5Ω、抵抗温度係数+0.38%/de
g、熱容量2.90±0.4J/cm3 ・deg、サー
ジ耐量780J/cm3 であった。また、前記抵抗体は
インパルスで16kV/cm以上の耐電圧値を有した。
室温での抵抗率730Ωcm±20Ωcm、抵抗値1
6.4±0.5Ω、抵抗温度係数+0.38%/de
g、熱容量2.90±0.4J/cm3 ・deg、サー
ジ耐量780J/cm3 であった。また、前記抵抗体は
インパルスで16kV/cm以上の耐電圧値を有した。
【0086】参照例1 実施例13と同様な方法で脱脂体を作製した後、前記脱
脂体を酸化アルミニウム製の匣に入れ、酸化マグネシウ
ムの粉末で覆わずに空気中で焼成した。温度プロファイ
ルも実施例13と同様にした。得られた焼結体は、前記
実施例13と同様な寸法で、かつ表面の抵抗率が105
Ω/□であった。
脂体を酸化アルミニウム製の匣に入れ、酸化マグネシウ
ムの粉末で覆わずに空気中で焼成した。温度プロファイ
ルも実施例13と同様にした。得られた焼結体は、前記
実施例13と同様な寸法で、かつ表面の抵抗率が105
Ω/□であった。
【0087】前記焼結体の外周面に、ホウケイ酸ガラス
粉末を塗布した後、焼き付けて、絶縁層を形成した。そ
の後、この焼結体の両端面を研削加工し、洗浄後に端面
にアルミニウム電極を溶射により形成して抵抗体を製造
した。
粉末を塗布した後、焼き付けて、絶縁層を形成した。そ
の後、この焼結体の両端面を研削加工し、洗浄後に端面
にアルミニウム電極を溶射により形成して抵抗体を製造
した。
【0088】得られた抵抗体は、相対密度98.0%、
室温での抵抗率730Ωcm±20Ωcm、抵抗値1
6.4±0.5Ω、抵抗温度係数+0.38%/de
g、熱容量2.90±0.4J/cm3 ・deg、エネ
ルギー耐量780J/cm3 であった。また、前記抵抗
体の耐電圧値はインパルスで12kV/cmしかなく、
実施例13の抵抗体より25%耐電圧値は小さかった。
室温での抵抗率730Ωcm±20Ωcm、抵抗値1
6.4±0.5Ω、抵抗温度係数+0.38%/de
g、熱容量2.90±0.4J/cm3 ・deg、エネ
ルギー耐量780J/cm3 であった。また、前記抵抗
体の耐電圧値はインパルスで12kV/cmしかなく、
実施例13の抵抗体より25%耐電圧値は小さかった。
【0089】実施例26 まず、平均粒径0.7μmの酸化亜鉛(ZnO)粉末
に、平均粒径0.5μmの酸化ニッケル(NiO)と平
均粒径0.7μmの酸化チタン(TiO2 )を、モル比
でZnO:NiO:TiO2 =75:15:10となる
ように秤量した。この混合粉1000gにZnF2 ・4
H2 Oを460mg、水溶液の形で添加し、ジルコニア
ボールミルで24時間湿式混合した。このスラリーを乾
燥し、篩を通した後、前記混合粉に対し5%のPVA水
溶液3重量%添加し、再度、篩を通して造粒粉とした。
この造粒粉を圧力600kg/cm2 で金型成形して外
径140mm、内径40mm、高さ30mmの環状成形
体を作製した。この成形体を、酸化マグネシウム焼結体
の鞘に入れ、空気中で焼成した。焼成は、100℃/時
間で昇温し、1300℃で2時間保持し、室温まで約8
時間炉冷して降温する温度プロファイルにより行った。
得られた焼結体の寸法は、外径127mm、内径37m
m、高さ25.4mmであった。
に、平均粒径0.5μmの酸化ニッケル(NiO)と平
均粒径0.7μmの酸化チタン(TiO2 )を、モル比
でZnO:NiO:TiO2 =75:15:10となる
ように秤量した。この混合粉1000gにZnF2 ・4
H2 Oを460mg、水溶液の形で添加し、ジルコニア
ボールミルで24時間湿式混合した。このスラリーを乾
燥し、篩を通した後、前記混合粉に対し5%のPVA水
溶液3重量%添加し、再度、篩を通して造粒粉とした。
この造粒粉を圧力600kg/cm2 で金型成形して外
径140mm、内径40mm、高さ30mmの環状成形
体を作製した。この成形体を、酸化マグネシウム焼結体
の鞘に入れ、空気中で焼成した。焼成は、100℃/時
間で昇温し、1300℃で2時間保持し、室温まで約8
時間炉冷して降温する温度プロファイルにより行った。
得られた焼結体の寸法は、外径127mm、内径37m
m、高さ25.4mmであった。
【0090】次いで、前記焼結体の外周面および中空部
の内周面にホウケイ酸ガラス粉末を塗布した後、焼き付
けて、絶縁層を形成した。その後、前記焼結体の両端面
を研削加工し、洗浄後に端面にアルミニウム電極を溶射
により形成することにより前述した図3、図4に示す構
造の抵抗体を製造した。
の内周面にホウケイ酸ガラス粉末を塗布した後、焼き付
けて、絶縁層を形成した。その後、前記焼結体の両端面
を研削加工し、洗浄後に端面にアルミニウム電極を溶射
により形成することにより前述した図3、図4に示す構
造の抵抗体を製造した。
【0091】比較例2 ZnO:NiO:TiO2 =75:15:10となるよ
うに秤量した混合粉を原料粉末として用い、ZnF2 ・
4H2 O水溶液を添加せずにその代わりに純水を加えて
湿式混合してスラリーを調製した以外、実施例26と同
様な方法に焼結体の作製、電極の形成を行うことによっ
て抵抗体を製造した。 実施例27〜33 平均粒径0.7μmの酸化亜鉛(ZnO)粉末に、平均
粒径0.5μmの酸化ニッケル(NiO)と平均粒径
0.7μmの酸化チタン(TiO2 )、ハロゲン化物の
混合比を下記表4に示すように変えて種々の組成の焼結
体を有する7種の抵抗体を製造した。なお、表4には前
記実施例26および比較例2の焼結体の組成を併記し
た。
うに秤量した混合粉を原料粉末として用い、ZnF2 ・
4H2 O水溶液を添加せずにその代わりに純水を加えて
湿式混合してスラリーを調製した以外、実施例26と同
様な方法に焼結体の作製、電極の形成を行うことによっ
て抵抗体を製造した。 実施例27〜33 平均粒径0.7μmの酸化亜鉛(ZnO)粉末に、平均
粒径0.5μmの酸化ニッケル(NiO)と平均粒径
0.7μmの酸化チタン(TiO2 )、ハロゲン化物の
混合比を下記表4に示すように変えて種々の組成の焼結
体を有する7種の抵抗体を製造した。なお、表4には前
記実施例26および比較例2の焼結体の組成を併記し
た。
【0092】 前記実施例26および比較例2の抵抗体について、ハロ
ゲンの濃度分布を測定した。その結果を図12に示し
た。
ゲンの濃度分布を測定した。その結果を図12に示し
た。
【0093】また、実施例26〜33および比較例2の
抵抗体について、比熱、室温での抵抗率および抵抗率偏
差を測定した。その結果を下記表5に示した。前記室温
での抵抗率は前述した実施例1と同様な方法により測定
した。前記比熱は、前記焼結体を環状体の中心線を通
り、円に垂直に2mm幅で切り出した薄片を粉砕混合し
た粉末を試料として用いた。比熱測定は、パーキン・エ
ルマー社製のDSC−2により25℃の値で求めた。前
記抵抗率偏差は、前記円板の中心および外周より1mm
内側から直径20mm、厚さ2mmの円板を切り出して
室温で測定した抵抗値の比として求めた。前記ハロゲン
の濃度分布は、前記薄片から5mmおきに1mm×1m
m×2mmの小片を切り出し、化学滴定により総ハロゲ
ン量の濃度分布を求めた。
抵抗体について、比熱、室温での抵抗率および抵抗率偏
差を測定した。その結果を下記表5に示した。前記室温
での抵抗率は前述した実施例1と同様な方法により測定
した。前記比熱は、前記焼結体を環状体の中心線を通
り、円に垂直に2mm幅で切り出した薄片を粉砕混合し
た粉末を試料として用いた。比熱測定は、パーキン・エ
ルマー社製のDSC−2により25℃の値で求めた。前
記抵抗率偏差は、前記円板の中心および外周より1mm
内側から直径20mm、厚さ2mmの円板を切り出して
室温で測定した抵抗値の比として求めた。前記ハロゲン
の濃度分布は、前記薄片から5mmおきに1mm×1m
m×2mmの小片を切り出し、化学滴定により総ハロゲ
ン量の濃度分布を求めた。
【0094】 実施例34 まず、平均粒径0.2μmの酸化亜鉛(ZnO)粉末
に、平均粒径0.4μmの酸化ニッケル(NiO)と平
均粒径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン(Ti
O2 )を、モル比でZnO:NiO:TiO2 =75:
15:10となるように秤量した。この原料粉末を純水
中にて樹脂製ボールミルとジルコニアボールミルを用い
て24時間湿式混合した。純水を除去した後、5%のP
VA水溶液を7重量%添加し、篩を通して造粒粉とし
た。この造粒粉を、500kg/cm2 の圧力で金型成
形して外径148mm、高さ32mmの円板状成形体を
作製した。この成形体を、空気中500℃で24時間脱
バインダーし、脱脂体を得た。この脱脂体を、酸化アル
ミニウム製容器に入れ、空気中で焼成した。焼成は、1
00℃/時間で昇温し、1400℃で2時間保持し、1
00℃/hrで1300℃まで降温した後、同1300
℃から炉中放冷により急冷する温度プロファイルにより
行った。得られた焼結体の寸法は、外径127mm、高
さ25.4mmであった。
に、平均粒径0.4μmの酸化ニッケル(NiO)と平
均粒径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン(Ti
O2 )を、モル比でZnO:NiO:TiO2 =75:
15:10となるように秤量した。この原料粉末を純水
中にて樹脂製ボールミルとジルコニアボールミルを用い
て24時間湿式混合した。純水を除去した後、5%のP
VA水溶液を7重量%添加し、篩を通して造粒粉とし
た。この造粒粉を、500kg/cm2 の圧力で金型成
形して外径148mm、高さ32mmの円板状成形体を
作製した。この成形体を、空気中500℃で24時間脱
バインダーし、脱脂体を得た。この脱脂体を、酸化アル
ミニウム製容器に入れ、空気中で焼成した。焼成は、1
00℃/時間で昇温し、1400℃で2時間保持し、1
00℃/hrで1300℃まで降温した後、同1300
℃から炉中放冷により急冷する温度プロファイルにより
行った。得られた焼結体の寸法は、外径127mm、高
さ25.4mmであった。
【0095】次いで、前記焼結体の外周面にホウケイ酸
ガラス粉末を塗布した後、焼き付けて、絶縁層を形成し
た。その後、前記焼結体の両端面を研削加工し、洗浄後
に端面にアルミニウム電極を溶射により形成することに
より前述した図5に示す構造の抵抗体を製造した。
ガラス粉末を塗布した後、焼き付けて、絶縁層を形成し
た。その後、前記焼結体の両端面を研削加工し、洗浄後
に端面にアルミニウム電極を溶射により形成することに
より前述した図5に示す構造の抵抗体を製造した。
【0096】実施例35〜49、参照例2〜5 平均粒径0.2μmの酸化亜鉛(ZnO)粉末、平均粒
径0.4μmの酸化ニッケル(NiO)粉末および平均
粒径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン(TiO2 )
粉末を、下記表6に示す混合モル比で配合して19種の
原料粉末を調製した。つづいて、前記原料粉末を用い、
焼成時の温度、降温速度、急冷温度を同表6に示す条件
で行った以外、前記実施例34と同様な方法により前述
した図5に示す構造を有する19種の抵抗体を製造し
た。なお、下記表6には前記実施例34の焼結体の原料
組成、焼成時の条件を併記した。
径0.4μmの酸化ニッケル(NiO)粉末および平均
粒径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン(TiO2 )
粉末を、下記表6に示す混合モル比で配合して19種の
原料粉末を調製した。つづいて、前記原料粉末を用い、
焼成時の温度、降温速度、急冷温度を同表6に示す条件
で行った以外、前記実施例34と同様な方法により前述
した図5に示す構造を有する19種の抵抗体を製造し
た。なお、下記表6には前記実施例34の焼結体の原料
組成、焼成時の条件を併記した。
【0097】 前記実施例34〜49および参照例2〜5により作製さ
れた焼結体のTiO2 固溶量を測定した。前記TiO2
固溶量は、焼結体を粉砕して粉末試料とし、試料を前記
試料1gに対して5%の酢酸および5%の乳酸からなる
混合溶液50ml加え、90分間、超音波を印加しなが
らZn粒子を溶解した後、溶解物をフィルタで濾過し、
ICP発光分光法でチタンを定量することにより測定し
た。また、得られた実施例34〜49および参照例2〜
5の抵抗体について、室温での抵抗率、抵抗温度係数お
よび抵抗変化率を調べた。なお、前記抵抗温度係数は実
施例1と同様な方法により評価した。前記抵抗変化率
は、前記抵抗体から切り出した直径20mmの試料に2
00J/cm3 に相当する衝撃波を20回印加した時の
抵抗値変化を初期値に対する百分率として求めた。これ
らの結果を下記表7に示す。
れた焼結体のTiO2 固溶量を測定した。前記TiO2
固溶量は、焼結体を粉砕して粉末試料とし、試料を前記
試料1gに対して5%の酢酸および5%の乳酸からなる
混合溶液50ml加え、90分間、超音波を印加しなが
らZn粒子を溶解した後、溶解物をフィルタで濾過し、
ICP発光分光法でチタンを定量することにより測定し
た。また、得られた実施例34〜49および参照例2〜
5の抵抗体について、室温での抵抗率、抵抗温度係数お
よび抵抗変化率を調べた。なお、前記抵抗温度係数は実
施例1と同様な方法により評価した。前記抵抗変化率
は、前記抵抗体から切り出した直径20mmの試料に2
00J/cm3 に相当する衝撃波を20回印加した時の
抵抗値変化を初期値に対する百分率として求めた。これ
らの結果を下記表7に示す。
【0098】 電力用抵抗体(投入抵抗体)は、抵抗率が102 〜10
4 Ω・cm、抵抗温度係数は正で絶対値が0.5%以
下、サージ吸収よる抵抗温度変化率が10%以下である
ことが適する。前記表7より酸化亜鉛粒子に固溶するT
iO2 量が0.005〜0.1モル%の焼結体を有する
実施例34〜49の抵抗体は、TiO2 量が前記範囲を
外れる焼結体を有する参照例2〜5の抵抗体に比べて抵
抗温度係数が正でその絶対値が小さく、かつ繰り返しサ
ージ印加に対する抵抗変化率が小さいことがわかる。
4 Ω・cm、抵抗温度係数は正で絶対値が0.5%以
下、サージ吸収よる抵抗温度変化率が10%以下である
ことが適する。前記表7より酸化亜鉛粒子に固溶するT
iO2 量が0.005〜0.1モル%の焼結体を有する
実施例34〜49の抵抗体は、TiO2 量が前記範囲を
外れる焼結体を有する参照例2〜5の抵抗体に比べて抵
抗温度係数が正でその絶対値が小さく、かつ繰り返しサ
ージ印加に対する抵抗変化率が小さいことがわかる。
【0099】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば投入
抵抗ユニットの熱容量が大きく、大きな開閉サージを吸
収でき、同一開閉サージエネルギーに対して小形化で
き、さらに前記投入抵抗ユニットの温度係数が小さく、
エネルギーの繰り返し印加に対しても優れた安定性を有
する電力用遮断器が提供できる。また、本発明によれば
単位体積当りの熱容量が大きく、抵抗率の温度変化が小
さく、かつ使用を繰り返しても抵抗率の変化が小さい電
力用抵抗体を提供することができる。したがって、従来
の抵抗体に比べて抵抗体の大きさを大幅に縮小化するこ
とができ、ひいては前記抵抗体を組み込んだ遮断器の縮
小化を図ることができるにのみならず、他の電力機器、
例えばNGR、電動機制御抵抗器などの縮小化にも有効
である。
抵抗ユニットの熱容量が大きく、大きな開閉サージを吸
収でき、同一開閉サージエネルギーに対して小形化で
き、さらに前記投入抵抗ユニットの温度係数が小さく、
エネルギーの繰り返し印加に対しても優れた安定性を有
する電力用遮断器が提供できる。また、本発明によれば
単位体積当りの熱容量が大きく、抵抗率の温度変化が小
さく、かつ使用を繰り返しても抵抗率の変化が小さい電
力用抵抗体を提供することができる。したがって、従来
の抵抗体に比べて抵抗体の大きさを大幅に縮小化するこ
とができ、ひいては前記抵抗体を組み込んだ遮断器の縮
小化を図ることができるにのみならず、他の電力機器、
例えばNGR、電動機制御抵抗器などの縮小化にも有効
である。
【図1】本発明の実施例1の遮断器を示す構成図。
【図2】実施例1の遮断器の構成要素である投入抵抗ユ
ニットを示す構成図。
ニットを示す構成図。
【図3】実施例1の投入抵抗ユニットに組み込まれる抵
抗体を示す斜視図。
抗体を示す斜視図。
【図4】図3の抵抗体のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】本発明の電力用抵抗体を示す断面図。
【図6】本発明の電力用抵抗体(1)の破面の粒子構造
を示す走査電子顕微鏡写真。
を示す走査電子顕微鏡写真。
【図7】本発明の電力用抵抗体(1)の破面をサーマル
エッチングした面の粒子構造を示す走査電子顕微鏡写
真。
エッチングした面の粒子構造を示す走査電子顕微鏡写
真。
【図8】従来の酸化亜鉛基焼結体を用いた電力用抵抗体
の焼結体表面の粉末X線回折スペクトル。
の焼結体表面の粉末X線回折スペクトル。
【図9】従来の酸化亜鉛基焼結体を用いた電力用抵抗体
の焼結体内部の粉末X線回折スペクトル。
の焼結体内部の粉末X線回折スペクトル。
【図10】本発明の電力用抵抗体(2)の焼結体表面の
粉末X線回折スペクル。
粉末X線回折スペクル。
【図11】本発明の電力用抵抗体(1)および従来の抵
抗体における電界投入回数と抵抗体の抵抗率変化率との
関係を示す特性図。
抗体における電界投入回数と抵抗体の抵抗率変化率との
関係を示す特性図。
【図12】実施例26および比較例2におけるハロゲン
の濃度分布を示す特性図。
の濃度分布を示す特性図。
1…遮断器、3…主接点、4…補助接点、5…投入抵抗
ユニット、7…スイッチ、8…絶縁性支持棒、10、1
6…抵抗体、11…弾性体、13、17…焼結体、1
4、18…電極、15、19…絶縁層。
ユニット、7…スイッチ、8…絶縁性支持棒、10、1
6…抵抗体、11…弾性体、13、17…焼結体、1
4、18…電極、15、19…絶縁層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 秀泰 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 三石 巌 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 小塚 祥二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 遠藤 博 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成
分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して
0.5〜25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(Ni
O)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体を有する
抵抗体が組み込まれた投入抵抗ユニットを備えたことを
特徴とする電力用遮断器。 - 【請求項2】 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成
分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して
0.5〜25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(Ni
O)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体と、この
焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極とを備え
た抵抗体において、前記焼結体破面の粒子の平均粒径が
3〜15μmであり、かつ前記粒子構造が複数の粒子の
集合物であることを特徴とする電力用抵抗体。 - 【請求項3】 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成
分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して
0.5〜25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(Ni
O)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体と、この
焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極とを備え
た抵抗体において、前記焼結体の表面は(ZnX Ni
1-X )2 TiO4 (0≦X≦1)からなることを特徴と
する電力用抵抗体。 - 【請求項4】 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成
分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して
0.5〜25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(Ni
O)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体と、この
焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極とを備え
た抵抗体において、前記焼結体はZnOもしくはZnO
とZn2 TiO4 にNiを固溶し、かつハロゲンが0.
01ppm〜1%含むものからなることを特徴とする電
力用抵抗体。 - 【請求項5】 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成
分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して
0.5〜25モル%、ニッケルを酸化ニッケル(Ni
O)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体と、この
焼結体の少なくとも上下端面に形成された電極とを備え
た抵抗体において、前記焼結体は酸化亜鉛粒子にチタン
が酸化チタン(TiO2 )に換算して0.005〜0.
1モル%固溶したものからなることを特徴とする電力用
抵抗体。
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