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JPH0390076A - 酸無水物錯体とその製造法、該錯体を含む組成物等 - Google Patents

酸無水物錯体とその製造法、該錯体を含む組成物等

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Publication number
JPH0390076A
JPH0390076A JP1224445A JP22444589A JPH0390076A JP H0390076 A JPH0390076 A JP H0390076A JP 1224445 A JP1224445 A JP 1224445A JP 22444589 A JP22444589 A JP 22444589A JP H0390076 A JPH0390076 A JP H0390076A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
complex
organic compound
acid anhydride
dianhydride
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1224445A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Miwa
崇夫 三輪
Takae Ikeda
池田 孝栄
Shunichi Numata
俊一 沼田
Koji Fujisaki
藤崎 康二
Hisae Shimanoki
嶋ノ木 久恵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP1224445A priority Critical patent/JPH0390076A/ja
Priority to KR1019900013577A priority patent/KR910006366A/ko
Priority to EP19900116910 priority patent/EP0429775A3/en
Publication of JPH0390076A publication Critical patent/JPH0390076A/ja
Priority to US07/724,777 priority patent/US5183838A/en
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/06Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain of the macromolecule
    • C08G73/10Polyimides; Polyester-imides; Polyamide-imides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • C08G73/1003Preparatory processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/54Preparation of carboxylic acid anhydrides
    • C07C51/573Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L63/00Compositions of epoxy resins; Compositions of derivatives of epoxy resins

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酸無水物錯体、その製造法及びその錯体を含有
する組成物等に関し、芳香族炭化水素化合物の酸無水物
の貯蔵安定化、有機溶剤に対する溶解性の向上、ポリア
ミック酸の粘度調整等に利用でき、その錯体を含む組成
物、ワニス、フィルム、ファイバー、又はその錯体を利
用した電子装置の製造法等に応用できる技術に関する。
〔従来の技術〕
酸無水物は、架橋剤、高分子合成におけるモノマー等と
して優れた特性を有している。しかし、この酸無水物は
、一般に反応性が高く、保存や使用条件については充分
な配慮が要求されている。
特に、大気中に含まれる僅かな水分とでも反応し、その
活性を失うことから、工業上大きな問題となっている。
具体例を上げれば、酸無水物はエポキシ樹脂の硬化剤と
して、優れた特性を有しているが、加水分解性があるた
めに、使用が限られている。またポリアミック酸等の縮
重合系の反応やラジカル重合の場合には、加水分解によ
りモノマーの活性が失われるために重合度が上がらない
等の問題がある。従来、このような不安定性のために、
酸無水物はその優れた特性にも拘らず、使用は限られて
いる。また、使用する場合は乾燥条件下での保存や、使
用直前の加熱による再活性化、溶剤の脱水等により、酸
無水物の不安定性に対処している。
酸無水物を、ポリアミック酸等、縮重合反応のモノマー
として用いた場合は、アミン等の相手モノマーとの等量
比によって大きな重合度が変化する。即ち、等貴志では
分子量は原理的に無限大となり、少しでもずれると急激
に分子量は低下する。
従って、ポリマーの分子量は、等量比を変えることによ
って容易に調製できる。このようにして合成した低分子
量のオリゴマー溶液は、高濃度でも粘度が低く作業性に
優れるという利点がある一方で、フィルム等にした場合
に充分な機械特性が得られないという問題点がある。他
方、高分子量体の溶液は、フィルム成型した場合には、
一般に優れた特性を示すが、溶液を少しでも高濃度化す
ると粘度が上昇し作業性を失うという問題点がある。
上記酸無水物の溶解性は、極めて悪く最も溶解特性にす
ぐれるN−メチルピロリドンにさえもほとんど溶解せず
使用上大きな障害となっているがこの点について解決す
る手段は無かった。
現在、高濃度で作業性を失わず、しかも硬化後は耐熱性
、機械特性、耐薬品性に優れるという両者の利点を持ち
合わせる高分子溶液が、広く要求されている。この要求
に対しては、ポリアミック酸の分子量を低下させオリゴ
アミック酸とする方法、可溶性のイミドオリゴマー、イ
ソイミドオリゴマーを利用する方法がとられてきた。こ
れにより高濃度低粘度化が可能となった。スピンコード
等の作業時にはオリゴマーでありながら、加熱等の処理
により反応性末端を反応させ最終的には高分子量体とし
、優れた絶縁膜を得ることを狙ったものである。反応性
の官能基としては、酸無水物のハーフエステル化末端、
エチニル末端、ビニル末端、ビフェニル末端等が検討さ
れてきており、例えば、特開昭60−120723号に
おいては、ビニル基あるいはアセチレン基が末端につい
た重合可能なオリゴマーを硬化重合させて成る電子装置
が提案されている。
Journal of Polymer 5cienc
e (Part II、vol、1゜pp、3135−
3150)には、ピロメリト酸(P Ivl D A 
)とN、N−デメチルアセタミド(DMAC)との結合
比が1:1の錯体結晶が得られるとの記載がある。ただ
し、この錯体がどのような性質があり、ポリイミドに変
換できるのかについての記載されていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
酸無水物は前述のように、貯蔵安定性に欠けるとか、ア
ミン等の有機化合物との反応性が高く、ポリアミック酸
の分子量等の調節が容易でないとか、有機溶媒に対する
溶解性が良くないなどの問題がある。
本発明による酸無水物錯体及びポリアミック酸錯体は、
上記の酸無水物の欠点を解決したものであり、用途、使
用条件等に応じて適切に使用することが出来る。
本発″明の目的は、新規な酸無水物錯体及びその製造法
を提供することである。
本発明の他の目的は、その酸無水物錯体を含む組成物、
ワニス、フィルム、被覆等を提供することである。
本発明の他の目的は、その酸無水物錯体の一部がヂアミ
ンと反応したポリアミック酸錯体またはそのポリアミッ
ク酸錯体を含む組成物、ワニス、フィルム、被覆等を提
供することである。
本発明の更に他の目的は、上記錯体または上記ポリアミ
ック酸錯体を用いて電子装置に必要なポリイミドの層を
形成する方法を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、カルボニル炭素の求電子反応性を制御した
酸無水物誘導体によって達成される。
本発明の特徴は、ドナー数20以上の塩基性物質Bと酸
無水物Arからなり、下記の一般式で表わされる錯体で
ある点にある。
Ar−aB(但し、2≧a〉1) ここで酸無水物のカルボニル結合を開環しないように、
塩基性有機物質は分子内に活性水素原子を持たないもの
である。
本発明で用いられるカルボン酸二無水物とは、ピロメリ
ット酸二無水物(PMDA) 、ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物(BTDA)、3.3’ 、4.4
’ −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BP
DA) 、3.3’ 、4.4’−ビフェニルスルホン
テトラカルボン酸二無水物(DSDA) 、2.2−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)へキサフルオロプ
ロパンテトラカルボン酸二無水物(6FDA) 、メチ
ルピロメリット酸二無水物、メチルピロメリット酸二無
水物。
ジメチルピロメリット酸二無水物、トリフルオロメチル
ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピ
ロメリット酸二無水物、3.3’4,4′オーニジジフ
エニレンテトラカルボン酸二無水物など多くの芳香族系
カルボン酸の二無水物が上げられる。これらは必要に応
じ単独でまたは併用して用いられる。
本発明においてドナー数とは、” Donor −Ac
ceptor Approach to Mo1ecu
lar Interaction′′(V 、 Gut
mann、1978)の翻訳である「溶液反応の分子間
相互作用J  (1986年学会出版センター出版、大
瀧仁志他による翻訳)の第21頁−第29頁に記載の定
義による。
すなわち、ドナー数は、基準のアクセプターとして、ジ
クロロエタン中10”MSbClsを選び、ドナー(D
)との反応のモルエンタルピー値として定義される。
上記において特に塩基性有機物質のドナー数が25以上
であると錯体の形成が容易である。
ここで用いる塩基性有機物質即ち電子供与性物質として
は、ドナー数20以上の、テトラヒドロフラン(THF
)、リン酸トリメチル(TMP)。
リン酸トリブチル(TBP)などが挙げられる。
特に有効なドナー数25以上のものとしては、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NM
P)、N−ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチル
スルホキシド(DMSo)。
N−ジエチルホルムアミド(DEF)、N−ジエチルア
セトアミド(DEA)、N−メチルアセトアミド、ピリ
ジン(py)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMP
A)、テトラメチル尿素、トリエチルアミン(TEA)
などが挙げられる。
その他、γプロピオラクタム、ε−カプロラクタムなど
が用いられる。これらの電子供与性物質は単独であるい
は併用して用いられる。
酸無水物の反応性の制御は、一般に加水分解によりカル
ボン酸゛に変化させる方法やアルコールと反応させてエ
ステルにする方法が取られている。
しかし、これらの方法を用いた場合は、安定化の度合い
があまりにも大きすぎ再活性化には多くの場合200℃
程度の温度条件を要求し、その使用範囲は極めて限られ
たものであった。
本発明の酸無水物錯体は、加熱により速やかに酸無水物
としての活性を回復することができ、しかも酸無水物と
電子供与性物質との反応度を高めたため錯体の常温ない
し低温(錯体によるが、多くは150℃以下、錯体の種
類によっては80℃以下)で極めて安定である。
ここで形成される錯体は、電子供与性物質から電子を受
は取った結果酸無水物部分のカルボニル炭素のδ手性が
小さくなる。これによって、加水分解、アシル化等の求
電子反応にする活性が制御される。
しかし、この錯体の場合は、加水分解やエステル化によ
って反応性を低下させた場合とは異なり。
酸無水物構造自体はそのままの形で残るために温度を上
げ分子運動を活発にすることにより速やかに目的とする
反応を生じる。従って、この安定化法によって酸無水物
の反応性を損なうことはない。
従って、ここで見出した錯体形成法は酸無水物の安定化
法として極めて優れたものである。さらにこの錯体の安
定性について検討した結果、N−メチルピロリドン、ジ
メチルスルホキシド、トリエチルアミン、ピリジンなど
ドナー数25以上の塩基性物質が特に安定な錯体を与え
ることが明らかになった。
テトラカルボン酸二無水物は錯体を形成しない状態では
有機溶媒に対して極めて溶解性が低く、わずかにN−メ
チルピロリドンなどの溶媒に溶けるにすぎない、このた
め反応溶媒は極めて限られてしまう。本発明の酸無水物
錯体の溶解性は大幅に改善され、従来酸無水物では実用
上はとんど用いられなかった、テトラヒドロフランに対
しても容易に溶解する。このように本発明による酸無水
物錯体は溶解性の向上に極めて有効である。
本発明による酸無水物錯体は、錯化剤としての電子供与
性物質との電子移動錯体であり、酸無水物のカルボニル
基の一つの炭素原子に電子供与性物質が配位結合したも
のである。
この場合、酸無水物の周りに電子供与性物質の分子が多
すぎると(例えば酸無水物を電子供与性物質に溶解した
溶液の場合)、電子供与性物質の分子が酸無水物を取り
囲み、溶媒和を起こし配位結合を生じないことになる。
これでは酸無水物の性質は何ら改善されない。また、こ
のような溶液を加熱しても、得られる酸無水物錯体の酸
無水物と電子供与性物質との結合比はせいぜい1:1の
もので、しかも収率ば30%以下である。
この結合比を工:1より大きくするためには、酸無水物
と電子供与性物質とを分子状で接触させて反応させるこ
とが必要である1例えば・、酸無水物と蒸気化した電子
供与性物質とを接触させれば溶媒和を起こさず、両者は
十分反応できる。場合によっては、加熱条件下で酸無水
物(粉末)をよく攪拌しながら微量の電子供与性物質を
滴下しても良い。また、酸無水物を、錯体は溶かすが酸
無水物を溶かさない貧溶媒に分散し、加熱条件下で電子
供与性物質を少量ずつ滴下して反応させる。
いずれの場合においても、酸無水物と電子供与性物質と
の反応比がl:2の錯体が最も耐加水分解安定性があり
、かつ有機溶媒に対する溶解性が優れている0反応条件
によっては反応比が1:2未満の錯体ができる。しかし
それでも反応比1:1の錯体よりも安定性、溶解性が良
いことは明らかである。
本発明の錯体とジアミンを反応させてオリゴマーの錯体
を作ることができる。
0 0 (20≧n≧O2特に10≧n≧O) 本発明による酸二無水物錯体は、Ar・2B及びAr・
2BとAr−Bとの混合物を対象とする。
反応条件を選択することにより、Ar・2BとAr−B
との混合比が変わり、ArとBが充分反応できる条件に
すると、Ar・2Bが増える。
本発明の錯体の耐加水分解性及び溶解性を最大に発揮す
るためには、Ar−aBにおいて、aが1.5以上のも
のを作るのがよい。これは−段の反応でも作れるし、別
々に作られたAr・2BとAr−Bを適宜混合してもよ
い。
この錯体の優れた特性を生かして、様々な応用が考えら
れる。工業上重要なポリイミドは、ポリアミック酸とし
て塗布されその後加熱硬化により得るのが一般的である
。このポリイミドの前廓体であるポリアミック酸の合成
に本発明の酸無水物錯体を用いることにより、高濃度で
も作業性を失わず、しかも、硬化後は高分子量体のポリ
アミック酸を硬化した場合と同様優れた機械特性、耐熱
性、耐薬品性を有するポリイミドを与えるワニスを得る
ことができる。すなわち分子中に七ツマ−あるいはオリ
ゴマー構造を取る酸無水物錯体を有する化合物とこれに
当量のアミンを含むワニスは、加熱することにより、先
に述べた原理に従い酸無水物錯体とアミンが反応し高分
子量化する。
この場合のワニスの粘度は、従来のポリアミック酸ワニ
スと比較して同一粘度で比較した場合遥かに低くなる。
これは、高分子溶液の粘度が分子量の3乗に比例するた
めである。従って上記錯体を含むワニスを用いることに
よって大幅な高濃度化が達成できる。更に硬化した場合
には、先に述べた様に高分子量化するために、従来のポ
リアミツク酸ワニスを用いた場合と同様な優れた機械特
性、耐熱性、耐薬品性を得ることができる。また、使用
する全酸無水物に対する錯体の量を変えることによって
容易にワニス粘度の調整ができることは言うまでもない
ロッドライク構造を有するポリイミドは、低熱膨張性を
示すことが知られている。従って、そのような構造を有
するのポリイミドを与えるモノマを用いることによって
、平坦化特性に優れ、さらに熱応力の小さな絶縁膜を与
えるポリイミド系樹脂前駆体を得ることができる。
最終的に得られるポリイミドが剛直なロッドライク構造
を有するものであれば、同様に低熱膨張性を示すことは
容易に推察できる。また、低熱膨張性は主鎖の骨格の構
造に由来するものであるため、七ツマー中の芳香環に、
アルキル基、フッ素化アルキル基、アルコキシル基、フ
ッ素化アルコキシ基、アンル基、ハロゲン等を導入する
ことによってなされる改質ができることは明らかである
また、低熱膨張性を失なわない範囲で3.3′4.4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の柔軟な構造を有
するポリマーを共重合することにより、さらに柔軟性に
富むポリイミドを得ることや、1,3ビス〔3,4−ジ
カルボキシ[1,2゜2]ビシクロ〕テトラメチルジシ
ロキサンジアンハイドライド等の接着改質材の共重合に
よる接着性のさらなる向上等、他のジアミン、酸二無水
物との共重合による改質も可能である。また、上記のピ
ロメリット酸二無水物と3.3’ 、4.4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物を共重合することにより
、LSIプロセス上重要なウェットエッチ性をコントロ
ールすることも可能である。
〔作用〕
本発明の酸無水物錯体は、電子供与性物質である、分子
内に活性水素原子を持たずドナー数が20以上の塩基性
有機化合物と、芳香族炭化水素化合物のカルボン酸二無
水物との錯体形成により、酸二無水物の求電子反応性を
制御したもので、しかも加熱時には速やかに反応性を回
復する特性を有する。
この性質を活用することによって、加水分解反応に対し
て、安定な酸無水物、ワニス状態では低粘度かつ高濃度
の低分子量体でありながら、加熱することにより高分子
量化し優れた特性を示すイミド系樹脂を与えるワニスを
与える。
また、本発明の酸無水物錯体は加熱時に活性を示すとい
う性質を利用しエポキシ樹脂等の硬化剤として用いるこ
とができる。
本発明による錯体の熱分解温度を調査したところ、次の
結果が得られた。
第 表 一方、 5−BPDAのカルボニル基を開いた s−B PAの熱分解温度は173℃で、吸熱ピークは
257℃である。このことから、本発明によれば電子供
与性物質をうまく選択することにより、所望の温度で活
性を示す酸無水物錯体を得ることができる。
なお、酸無水物の融点は次のとおりである。
5−BPDA: 294℃、BTDA: 230℃。
PMDA:228℃、6FDA: 241℃。
DSDA:280℃、○PDA:218℃また、電子供
与性物質の沸点は次のとおりである。
NMP:203℃、DMSO:  185℃、PY: 
115℃、TEA:89℃ 〔実施例〕 実施例1 s−BPDAとPY飽和蒸気を100℃において40時
間反応させたところ5−BPDA:PYの1:2錯体が
定量的に得られた。第1図に5−BPDAの核磁気共鳴
を示した。この錯体の核磁気共鳴スペクトルは第2図に
示した。測定溶媒はD M F −d 7を用いた。
この酸無水物錯体をDMSO中で120℃で処理したと
ころ、酸無水物錯体の生成率は2時間後に50%となっ
た。
また、この酸無水物錯体をPY中で100℃で処理した
ところ、酸無水物錯体の生成率は1時間後に60%とな
った。
実施例2 s−BPDAとNMP飽和蒸気を200℃において40
時間反応させたところ5−BPDA:NMPの1:2錯
体が定量的に得られた。この錯体の核磁気共鳴スペクト
ルは第3図に示した。
実施例3 s −B P D AとTEA飽和蒸気を、80℃にお
いて40時間反応させたところ5−BPDA二TEAの
1:2錯体が定量的に得られた。
実施例4 PMDAとPY飽和蒸気を100℃において40時間反
応させたところPMDA : PYの1:2錯体が定量
的に得られた。
実施例5 PMDAとTEA飽和蒸気を80℃において40時間反
応させたところPMDA:TEAの1:2錯体がほぼ定
量的に得られた。第4図にPMDAの第5図にPMDA
錯体の核磁気共鳴スペクトルを示した。
実施例6 PMDAとNMP飽和蒸気を200℃において40時間
反応させたところPMDA : NMPの1=2錯体が
定量的に得られた。
実施例7 BTDAとPY飽和蒸気をIQO℃において40時間反
応させたところBTDA:PYの1:2錯体が定量的に
得られた。
この酸無水物錯体をDMSO中で120℃で処理したと
ころ、酸無水物錯体の生成率は2時間後に75%となっ
た。
実施例8 6FDAとPY飽和蒸気を100℃において40時間反
応させたところ6FDA:PYの1=2錯体が定量的に
得られた。第6図に6FDAを第7図に6FDA錯体の
核磁気共鳴スペクトルを示した。
実施例9 6FDAとTEA飽和蒸気を80℃において40時間反
応させたところ6FDA:TEAの1:2錯体が定量的
に得られた。
実施例10 不活性ガス雰囲気下で80℃−120℃に加熱しながら
60gのs −B P D A粉末を攪拌し3時間かけ
てNMPをごく少量ずつ滴下し両者を反応させた。この
結果褐色の粉末が得られた。核磁気共鳴によって5−B
PDA及び反応生成物のスペクトルを測定した3反応物
の核磁気共鳴スペクトルには低磁場シフトしたピークが
みられ錯体の形成が確かめられた。
実施例11 不活性ガス雰囲気下で80℃−120℃に加熱しながら
60gの5−BPDA粉末を攪拌し3時間かけてDSM
○をごく少量ずつ滴下し両者を反応させた。この結果褐
色の粉末が得られた。核磁気共鳴によって反応生成物の
スペクトルを測定した0反応物の核磁気共鳴スペクトル
には低磁場シフトしたピークがみられ錯体の形成が確か
められた。
実施例12 不活性ガス雰囲気下で80℃−120℃に加熱しながら
60gのs −B P D A粉末を攪拌し3時間かけ
てTHFとγ−プロピオラクタムをごく少量ずつ滴下し
両者を反応させた。この結果褐色の粉末が得られた。核
磁気共鳴によって反応生成物のスペクトルを測定した。
反応物の核磁気共鳴スペクトルには低磁場シフトしたピ
ークがみられ錯体の形成が確かめられた。
またラクタムの環の大きさを5−10まで変化させ同様
の実験を行った場合にも核磁気共鳴スペクトルから錯体
の形成が確かめられた。また、ラクタムと同じく2級ア
ミドであるN−メチルアセトアミドを用いた場合もやは
り錯体形成が認められた。
実施例13 240gのTHFに6gの5−BPDAを加え不活性雰
囲気下PYとともに1時間から3時間加熱する。この結
果黄色透明の溶液を得る。この溶液を約20倍量のn−
ヘキサンに投入し淡黄色の沈殿を得る。この沈殿を濾過
し得られた固形部分を、約60℃で12時間真空乾燥し
て7.2gの粉末を得た。この粉末の核磁気共鳴スペク
トルを第2図と同様低磁場シフトしたピークがみられ錯
体の形成が確かめられた。
実施例14 240gのカプロラクトンに6gのs −BPDAとγ
−プロピオラクタムを加え不活性雰囲気下で1時間から
3時間加熱した。この結果黄色透明の錯体溶液を得た。
この溶液の核磁気共鳴スペクトルでも第2図と同様低磁
場シフトしたピークがみられ錯体の形成が確かめられた
実施例15 実施例10の5−BPDAに替えてBTDAを用い反応
を行って得たものとBTDAの核磁気共鳴スペクトルに
はスペクトルの低磁場シフトが観測され錯体の生成が認
められた。
実施例16 実施例10の5−BPDAに替えてPMDAを用い反応
を行って得たものとPMDAの核磁気共鳴スペクトルに
はスペクトルの低磁場シフトが観測され錯体の生成が認
められた。
比較例上 240gのNMPに60gの5−BPDAとε−カプロ
ラクタムを加え不活性雰囲気下180℃−200℃で3
6時間加熱した。この結果褐色の溶液を得た。この溶液
の核磁気共鳴スペクトルを第8図に示した。錯体の形成
はみられず、定量的にビスイミド化合物が生成している
ことが確認された。この時の生成物の時間変化を液体ク
ロマトグラフで測定した結果を第9図(a)〜第9図(
c)に示した。反応は遅く1時間−3時間の反応ではビ
スイミドカルボン酸の生成はほとんど見られなかった。
実施例17 s−BPDAと、s −B P D AとDMSOの錯
体との混合物を水を含んだDMSO中に溶解しその変化
を核磁気共−鳴スベクトルでwt測した結果を第10図
及び第11図に示した。溶解時に観測されたs = B
 P D Aのピークは18時間後には消えて加水分解
したことが分かった。これに対しs −BPDAの錯体
のピークは18時間後もほとんど変化無く観測された。
錯体形成によってs −BPDAの加水分解性が低下し
著しい安定化が遠戚されたことが分かった。
実施例18 実施例1で得た5−BPDA錯体の溶液に当量のp−P
DAを水冷下徐々に攪拌しながら加え反応させた。3時
間攪拌反応して得られたワニスの粘度は固型分量30w
t%において8ポイズであった。
実施例19 実施例9のp−PDAに替えて当量のDDEを用いて同
様の実験を行った。この時得られたワニスの粘度は固型
分量30wt%で15ボイズであつた。
実施例20 実施例4の方法で得た錯体をNMPに溶解させ、ついで
当量のp−PDAを徐々に攪拌しながら添加し反応させ
た。更に、3時間攪拌反応させ、て得られたワニスの粘
度は固型分量30wt%において42ポイズであった。
比較例2 240gのNMPに22gのp−PDAを加え攪拌溶解
させた。これに当量(60g)のs −BPDAを不活
性雰囲気下氷冷しモーターに接続した攪拌羽根で攪拌し
ながら徐々に加えながら反応させた。溶液の添加と共に
粘度を増し、完全に加えた時点で粘度が上昇したため攪
拌できなくなった。
比較例3 比較例2のp−PDAに替えて当量(41g)のDDE
を用いて同様の反応を行った。反応途中でやはり粘度が
上がり攪拌できなくなった。
実施例21 実施例17で合成したワニスをガラス基板上にアプリケ
ータを用いて塗布したものを、100℃で1時間乾燥し
た後、200℃/時間の昇温速度で400℃まで温度を
あげ、400℃で10分間硬化した。こうして得られた
フィルムを5圓×50mに切り出し機械強度の測定を行
った結果、破断強度36 kg/ m” 、破断伸び2
5%を得た。また100分で3%減量が生じる温度とし
て定義した耐熱温度は520℃であった。
実施例22 実施例19で合成したワニスに対して最終硬化温度を3
50℃として作成したフィルム機械強度を測定し、破断
強度28kg/m”、破断伸び52%を得た。実施例2
1と同様に定義した耐熱温度は491℃であった。
実施例23 実施例20で合成したワニスを用い実施例12と同様に
フィルムを作成し、機械強度を測定し、破断強度41k
g/m”、破断伸び22%を得た。
実施例20と同様に定義した耐熱温度は517℃であっ
た。
比較例4 200gのNMP中に30gのp−PDAを溶解し、こ
の2/3当量(54,4g)のs −BPDAを徐々に
加え反応させる。全量を加え終わった後頁に5時間反応
させ濃緑色の溶液を得る。この溶液に、アミンと酸無水
物が当量となるように27.2 gの無水フタル酸を加
え更に5時間反応させ粘度25ポイズ黄色透明のオリゴ
マーワニスを得た。
このワニスを用い実施例20にならい硬化した。
硬化過程で硬化物の全面に無数のひび割れが発生しフィ
ルムは得られず機械強度の測定はできなかった。
比較例5 200gのNMP中に50gのDDE−を溶解し、この
273当量(31,3g)のPMDAを徐々に加え反応
させる。全量を加え終わった後頁に5時間反応させ濃緑
色の溶液を得る。この溶液に、アミンと酸無水物が当量
となるように21.6 g の無水フタル酸を加え更に
5時間反応させ、粘度19ポイズ黄色透明のオリゴマー
ワニスを得た。
このワニスを用い実施例20にならい硬化した。
比較例6と同様、硬化過程で硬化物の全面に無数のひび
割れが発生しフィルムは得られず機械強度の測定はでき
なかった。
比較例6 200gのNMP中で60gの5−BPDAとその2倍
当量のエチルアルコールを100℃で2時間反応させて
得られたのハーフエステル溶液を室温まで冷却した後、
5−BPDAと当量のp −PDAを加え攪拌し溶解さ
せハーフエステルを硬化特高分子量化するための官能基
として有するワニスを得る。このワニスの粘度は1.8
 ボイスであった。このワニスをガラス基盤上に展開し
実施例20と同様に硬化したところ、比較例5と同様、
硬化過程で硬化物の全面に無数のひび割れが発生しフィ
ルムは得られず機械強度の測定はできなかった。
比較例7 NMPに末端にエチニル基を有する樹脂を溶解し濃度4
0重量%、粘度42ポイズのワニスを得た。このワニス
を実施例21と同様に硬化した。
得られた膜は、極めて脆く機械強度の測定はできなかっ
た。
実施例24 実施例17で合成したワニスを第12図に示すアルミニ
ウムパターン上に塗布し硬化した後、平坦化度を測定し
た結果0.80 であった。平坦化度Pは次式(3)に
よって定義され、1に近いほど好ましい。
式中のそれぞれの記号は第13図中で定義されている。
第I2図はポリイミド膜の平坦性を評価するための評価
パターンである。この評価パターンを用い、その表面に
形成されるポリイミド膜の平坦度を第13図の定義に従
って測定した。
実施例25 実施例18で合成したワニスを第12図に示すアルミニ
ウムパターン上に塗布し硬化した後、平坦化度を測定し
た結果0.83であった。
比較例8 常法に従い−p−PDAと5−BPDAとから合成した
工5重量%のポリアミック酸ワニスを実施例25と同様
に塗布硬化した後、平坦化度を測定した結果0.44で
あった。
実施例26 240gのTHFに6gのBTDAを加え不活性雰囲気
下DMS○で1時間から3時間加熱する。
この結果褐色透明の錯体溶液を得る。実施例13と同様
の処理を行なったのちの核磁気共鳴スペクトルにより錯
体の形成が確かめられた。
実施例27 240gのTHFに6gのBTDAとγ−プロピオラク
タムを加え不活性雰囲気下で1時間から3時間加熱し、
褐色透明の錯体溶液を得た。実施例13と同様の処理を
行なったのちの核磁気共鳴スペクトルでも低磁場シフト
したピークがみられ錯体の形成が確かめられた。またラ
クタムの環の大きさを5ないし10に変化させ同様の実
験を行つた場合にも核磁気共鳴スペクトルから錯体の形
成が確かめられた。また、ラクタムと同じく2級アミド
であるN−メチルアセトアミドを用いた場合もやはり錯
体形成が認められた。
実施例28 240gのTHFに6gのBTDAを加え不活性雰囲気
下PYとともに1時間から3時間加熱し。
黄色透明の溶液を得た。この溶液を約20倍量のn−ヘ
キサンに投入し淡黄色の沈殿を得る。実施例13と同じ
処理を行なった後の核磁気共鳴スペクトルによれば、低
磁場シフトしたピークがみられ錯体の形成が確かめられ
た。
実施例29 240gのカプロラクトンに6gのBTDAとγ−プロ
ピオラクタムを加え不活性雰囲気下で1時間から3時間
加熱する。この結果黄色透明の錯体溶液を得る。実施例
13と同じ処理を行なった後の核磁気共鳴スペクトルで
も低磁場シフトしたピークがみられ錯体の形成が確かめ
られた。
比較例9 240gのNMPに6gのBTDAとε−カプロラクタ
ムを加え不活性雰囲気下180℃−200℃で36時間
加熱し、褐色の溶液を得た。
この溶液の核磁気共鳴スペクトルによれば錯体の形成は
みられず、定量的にビスイミド化合物が生成しているこ
とが確認された。この時の生成物の時間変化を液体クロ
マトグラフで測定した結果、反応は遅く1時間−3時間
の反応ではビスイミドカルボン酸の生成はほとんどみら
れない。
実施例30 BTDAと、BTDAとDMSOとの錯体の混合物を水
を含んだDMSO中に溶解しその変化を核磁気共鳴スペ
クトルで観測した結果、溶解時に観測されたBTDAの
ピークは18時間後には消えて加水分解したことが分か
る。これに対しBTDAの錯体のピークは18時間後も
ほとんど変化無く観測され、錯体形成によってBTDA
の加水分解性が低下し著しい安定化が遠戚されたことが
分かった。
実施例31 240gのTHFに60gのDSDAを加え不活性雰囲
気下NMPとともに3時間加熱した。この結果褐色透明
の錯体溶液を得た。実施例13と同様の処理を行なった
のちの核磁気共鳴スペクトルによれば、低磁場シフトし
たピークがみられ錯体の形成が確かめられた。
実施例32 240gのTHFに6gのDSDAを加え不活性雰囲気
下DMS○とともに3時間加熱した。この結果褐色透明
の錯体溶液を得た。実施例13と同様の処理を行なった
のちの核磁気共鳴スペクトルによれば低磁場シフトした
ピークがみられ錯体の形成が確かめられた。
実施例33 240gのTHFに60gのDSDAとγ−プロピオラ
クタムを加え不活性雰囲気下で3時間加熱した。実施例
13と同様の処理を行なったのちの核磁気共鳴スペクト
ルでも低磁場シフトしたピークがみられ錯体の形成が確
かめられた。
またラクタムの環の大きさを5ないし工0に変化させ同
様の実験を行った場合にも核磁気共鳴スペクトルから錯
体の形成が確かめられた。また、ラクタムと同じく2級
アミドであるN−メチルアセトアミドを用いた場合もや
はり錯体形成が認められた。
実施例34 240gのTHFに6gのDSDAを加え不活性雰囲気
下PYで3時間加熱する。この結果黄色透明の溶液を得
た。この溶液を約20倍量のn−ヘキサンに投入し淡黄
色の沈殿を得る。実施例4と同様の処理を行なったのち
の核磁気共鳴スペクトルによれば低磁場シフトしたピー
クがみられ錯体の形成が確かめられた。
実施例35 240gのカプロラクトンに60gのDSDAとγ−プ
ロピオラクタムを加え不活性雰囲気下γ−プロピオラク
タムとともに3時間加熱した。この結果黄色透明の錯体
溶液を得た。実施例4と同様の処理を行なったのちの核
磁気共鳴スペクトルでも低磁場シフトしたピークがみら
れ錯体の形成が確かめられた。
比較例10 240gのNMPに60gのDSDAとε−カプロラク
タムを加え不活性雰囲気下180℃−200℃で36時
間加熱し褐色の溶液を得た。この溶液の核磁気共鳴スペ
クトルによれば錯体の形成はみられず、定量的にビスイ
ミド化合物が生成していることが確認された。反応は遅
く1時間−3時間の反応ではビスイミドカルボン酸の生
成はほとんどみられなかった。
実施例36 DSDAとI)SDAの錯体の混合物を水を含んだDM
SO中に溶解しその変化を核磁気共鳴スペクトルで観測
した結果、溶解時に観測されたDSDAのピークは■8
時間後には消えて加水分解したことが分かった。これに
対しDSDAの錯体のピークは18時間後もほとんど変
化無く観測され、錯体形成によってDSDAの加水分解
性が低下し著しい安定化が達成されたことが分かった。
実施例37 240gのNMPに60gの6FDAを加え不活性雰囲
気下80℃−120℃で3時間加熱した。
この結果褐色透明の錯体溶液を得た。6FDA及びこの
溶液の核磁気共鳴スペクトルによれば低磁場シフトした
ピークがみられ錯体の形成が確かめられた。
実施例38 240gのTHFに6gの6FDAを加え不活性雰囲気
下DMSOとともに3時間加熱し褐色透明の錯体溶液を
得た。実施例4と同様の処理を行なったのちの核磁気共
鳴スペクトルによれば低磁場シフトしたピークがみられ
錯体の形成が確かめられた。
実施例39 240gのTHFに60gの6FDAとγ−プロピオラ
クタムを加え不活性雰囲気下で3時間加熱し褐色透明の
錯体溶液を得た。実施例4と同様の処理を行なったのち
の核磁気共鳴スペクトルでも低磁場シフトしたピークが
みられ錯体の形成が確かめられた。またラクタムの環の
大きさを5ないし10に変化させ同様の実験を行った場
合にも核磁気共鳴スペクトルから錯体の形成が確かめら
れた。また、ラクタムと同じく2級アミドであるN−メ
チルアセトアミドを用いた場合もやはり錯体形成が認め
られた。
実施例40 240gのTHFに6gの6FDAを加え不活性雰囲気
下PYとともに3時間加熱し黄色透明の溶液を得た。実
施例4と同様の処理を行なったのちの核磁気共鳴スペク
トルによれば低磁場シフトしたピークがみられ錯体の形
成が確がぬられる。
実施例41 240g(7)カプロラクトンに60gの6FDAとγ
−プロピオラクタムを加え不活性雰囲気下で3時間加熱
し黄色透明の錯体溶液を得た。実施例4と同様の処理を
行なったのちの核磁気共鳴スペクトルでも第2図、第3
図と同様低磁場シフトしたピークがみられ錯体の形成が
確かめられた。
比較例11 240gのNMPに60gの6FDAとε−カプロラク
タムを加え不活性雰囲気下180℃−200℃で36時
間加熱する。この結果褐色の溶液を得る。この溶液の核
磁気共鳴スペクトルによれば、錯体の形成はみられず、
定量的にビスイミド化合物が生成していることが確認さ
れた。この時の生成物の時間変化を液体クロマトグラフ
で測定した結果1反応は遅く1時間−3時間の反応では
ビスイミドカルボン酸の生成はほとんどみられなかった
実施例42 6FDAと6FDAのDMSO錯体の混合物を水を含ん
だDMSO中に溶解しその変化を核磁気共鳴スペクトル
で観測した結果、溶解時に観測された6FDAのピーク
は18時間後には消えて加水分解したことが分かった。
これに対し6FDAの錯体のピークは18時間後もほと
んど変化無く観測され、錯体形成によって6FDAの加
水分解性が低下し著しい安定化が達成されたことが分か
った。
〔発明の効果〕
本発明によれば、耐加水分解性の、安定した、しかも有
機溶媒に対する溶解性の良い、酸二無水物錯体が得られ
る。この錯体は酸二無水物の貯蔵寿命の延長のため、あ
るいはポリイミドの原料としてワニス状で用いたり、エ
ポキシ樹脂などの硬化剤として用いることができる。酸
二無水物の有機溶媒に対する溶解性向上のために用いる
こともできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は5−BPDAのプロトンNMRスペクトル図、
第2図は5−BPDA/PY錯体のプロトンNMRスペ
クトル図、第3図はs−B PDA/NMP錯体のプロ
トンNMRスペクトル図、第4図はPMDAのプロトン
NMRスペクトル図、第5図はPMDA/TEA錯体の
プロトンNMRスペクトル図、第6図は6FDAプロト
ンNMRスペクトル図、第7図は6FDA/PY錯体の
プロトンNMRスペクトル図、第8図はビスイミド化合
物のプロトンNMRスペクトル図、第9図(a)は5−
BPDAの液体クロマトグラム、第9図(b)は5−B
PDAとε−カプロラクタムを180〜200℃で10
時間反応した後の液体クロマトグラム、第9図(c)は
5−BPDAとε−カプロラクタムを180〜200℃
で24時間反応した後の液体クロマトグラム、第10図
は合成直後の5−BPDA/DMSO錯体のプロトンN
MR1第11図は合成後水存在下18時間保存した後の
s −B P D A / D M S O錯体のプロ
トンNMRスペクトル図、第12図は本発明による酸二
無水物錯体を用いたポリイミド膜の平坦性を評価するた
めの評価パターンの構造を示す斜視図、第13図はポリ
イミド膜の平坦度の定義を示す断0 8 第 図 第 図 第 9 図(a) 5 第 図(b) 0 5 邸 第 図(C) 0 5 第 2 図 第 3 図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、分子内に活性水素原子を持たずドナー数が20以上
    の塩基性有機化合物Bと、芳香族有機化合物のカルボン
    酸二無水物Arとの反応物であつて、下記一般式で表わ
    される錯体。 Ar・aB(但し、2≧a>1) 2、塩基性有機化合物Bのドナー数が25以上である請
    求項1記載の錯体。 3、活性水素原子を分子内に持たずドナー数が20以上
    の塩基性有機化合物Bと、末端に少なくとも1つのカル
    ボン酸無水結合を有する芳香族有機化合物とアミン化合
    物とのオリゴマーAr′との反応物であつて、下記一般
    式で表わされる錯体。 Ar′・aB(但し、a>1) 4、下記一般式で表される錯体。 ▲数式、化学式、表等があります▼ ここでAr″はカルボン酸二無水物の芳香族残基である
    。 5、下記一般式で表される錯体。 ▲数式、化学式、表等があります▼ ここにAr″はカルボン酸二無水物の芳香族残基、Rは
    ジアミンの有機残基、nは0または20以下の正数であ
    る。 6、カルボン酸二無水物Arと分子内に活性水素原子を
    持たずドナー数が20以上の塩基性有機化合物Bと接触
    させてカルボン酸二無水物のカルボニル基の一つの炭素
    原子に該有機化合物Bを配位結合させて、下記の一般式
    で表わされる錯体を形成することを特徴とする酸無水物
    錯体の製造法。 Ar・aB(但し、2≧a>1) 7、カルボン酸二無水物Arと分子内に活性水素原子を
    持たずドナー数が20以上の塩基性有機化合物Bと分子
    状で接触させてカルボン酸二無水物のカルボニル基の一
    つの炭素原子に該有機化合物Bを配位結合させて、下記
    の一般式で表わされる錯体を形成することを特徴とする
    酸無水物錯体の製造法。 Ar・aB(但し、2≧a>1) 8、上記カルボン酸二無水物Arと上記塩基性有機化合
    物Bの蒸気を接触させることを特徴とする請求項7記載
    の酸無水物錯体の製造法。 9、分子内に活性水素原子を持たずドナー数が20以上
    の塩基性有機化合物Bと、芳香族有機化合物のカルボン
    酸二無水物Arとの反応物であつて、下記一般式で表わ
    される錯体と、該錯体の溶媒を含む液状組成物。 Ar・aB(但し、2≧a>1) 10、分子内に活性水素原子を持たずドナー数が20以
    上の塩基性有機化合物Bと、芳香族有機化合物のカルボ
    ン酸二無水物Arとの反応物であつて、下記一般式で表
    わされる錯体と、他の合成樹脂とを含む樹脂組成物。 Ar・aB(但し、2≧a>1) 11、分子内に活性水素原子を持たずドナー数が20以
    上の塩基性有機化合物Bと、芳香族有機化合物のカルボ
    ン酸二無水物Arとの反応物であって、下記一般式で表
    わされる錯体と、他の熱硬化性樹脂とを含む樹脂組成物
    。 Ar・aB(但し、2≧a>1) 12、分子内に活性水素原子を持たずドナー数が20以
    上の塩基性有機化合物Bと、芳香族有機化合物のカルボ
    ン酸二無水物Arとの反応物であつて、下記一般式で表
    わされる錯体と、他の熱硬化性樹脂とを含む樹脂組成物
    。 Ar・aB(但し、2≧a>1) 13、活性水素原子を分子内に持たずドナー数が20以
    上の塩基性有機化合物Bと、末端に少なくとも1つのカ
    ルボン酸無水結合を有する芳香族有機化合物とアミン化
    合物とのオリゴマーAr′との反応物であつて、下記一
    般式で表わされる錯体と、有機溶媒とを含む液状組成物
    。 Ar′・aB(但し、a>1)
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